JP2004217450A - グラファイト酸化物の層間拡張方法、及びそれを用いる含炭素多孔体複合材料の合成 - Google Patents

グラファイト酸化物の層間拡張方法、及びそれを用いる含炭素多孔体複合材料の合成 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、グラファイト酸化物の層間を拡張する簡便な方法を提供し、そこから新規な含炭素多孔体複合材料を合成することを目的としてなされたものである
【解決手段】本発明は、グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行うことを特徴とする層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体を製造する方法に関する。また、本発明は、前記した方法で製造された層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体に、更に金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造方法に関する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行ってグラファイト酸化物層状体を製造し、次いで金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料の製造方法、及びその方法により製造された多孔質グラファイト複合材料に関する。これらの材料は、大きな比表面積を有し、低分子物質やポリマーなどを吸着、貯蔵するための材料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
これまで、モンモリロナイトのような層状粘土について、その層間にアルミナ、ジルコニア、酸化クロム、酸化チタン、SiO−TiO、SiO−Fe、Al−SiOなどをインターカレーションして層間架橋多孔体を形成させることが知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
炭素性の層状物質としては、グラファイトがよく知られているが、グラファイトは、面内炭素原子間距離0.142nm、層面間距離0.335nmの異方性の強い層状構造を有する物質である。このような強い異方性は、その反応性に大きな影響を与え、面内の結合を攻撃するような反応は進行しにくいが、層間を拡張しながら反応物質を挿入する反応、いわゆるインターカレーションを起しやすく、これによりグラファイト層間化合物を形成する。
しかし、グラファイトが層状粘土と同様に層状構造を有するにもかかわらず、アルカリ金属やハロゲンなどの比較的小さな分子とグラファイト層間化合物しか形成することができず、その比較的大きな表面積を有する多孔体を形成しないのは、層間距離が小さく、しかもグラファイト層間化合物のようにサンドイッチ構造をとっているためと考えられている。このように、グラファイト或いはグラファイト層間化合物は、大きい表面積の多孔体を構成しないし、後続の加熱処理により架橋を形成しようとしても、それが崩壊して安定した孔を形成することは困難であった。
【0004】
ところで、本発明者らは、グラファイトを酸化して得たグラファイト酸化物をアルカリ中に分散し、或いは予め長鎖有機イオンで層間を拡張し、続いて金属或いは半金属酸化物のような硬い架橋剤を導入することにより、高表面積の含炭素多孔体複合材料を合成できることを報告してきた(特許文献1参照)。しかし、従来、グラファイト酸化物の層間予備拡張は液相に分散したり、液相から水溶性界面活性剤等を挿入したりすることで実現され、これらの液相方法はサンプルの処理手順が煩雑で、合成時間もかかる等の欠点があった。
【0005】
【特許文献1】特願2001−392871明細書
【非特許文献1】「表面」、第27巻、第4号(1989年)、第290〜300頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グラファイト酸化物の層間を拡張する簡便な方法を提供し、この方法を用いて、新規な多孔体複合材料を製造することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、長鎖有機アミンとグラファイト酸化物とを有機溶媒が介在する条件下で固相において混合し、イオン交換反応を起こさせ、長鎖有機アミン分子がグラファイト酸化物の層間に均一的にインターカレーションすることができ、グラファイト酸化物の層間を広げられ、この方法で拡張したグラファイト酸化物の層間に更にテトラエドキシシラン(TEOS)等の半金属或いは金属酸化物前駆体を導入し、炭化等の後処理により、表面積500m/g以上の含炭素多孔体複合材料を製造することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行ってグラファイト酸化物層状体を製造し、次いでこれに金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料の製造方法、及びこの方法により製造された多孔質グラファイト複合材料に関する。
【0009】
本発明において基材として用いられるグラファイト酸化物層状体は、例えばグラファイトを濃硫酸と硝酸との混合液中に浸し、塩素酸カリウムを加え、反応させるか、或いは濃硫酸と硝酸ナトリウムの混合液中に浸し、過マンガン酸カリウムを加え、反応させることにより調製される。これらの処理によりグラファイトの炭素原子は、sp状態からsp状態に変化し、いわゆるベンゼン環を形成している炭素原子のような状態から飽和の脂肪族の炭素原子の状態に変化し、これらの変化した炭素原子に酸素原子や水素原子などが結合して、層間に酸素原子を導入することができる。このようにして製造されたグラファイト酸化物層状体の層間距離は、通常0.6〜1.1nm程度である。
このようにして製造されたグラファイト酸化物層状体に、よく知られている粘土層間架橋多孔体を製造する方法と同様にして、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物からなるピラーを形成させて、多孔質グラファイト複合材料を製造することができる。
【0010】
このような多孔質グラファイト複合材料を製造するためには、グラファイト酸化物の層間予備拡張が重要であり、このための方法として、例えば、特許文献1には層間拡張用イオンとして、次の一般式(1)
[R−NR (1)
(式中、Rは炭素数8〜20の長鎖アルキル基、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基であって、この中の1個はRと同じであってもよい。)で表わされる長鎖アルキル基をもつ第四級アンモニウム陽イオンの使用が記載されている。
また、次の一般式(2)
NR (2)
(式中、R、R及びRの中の少なくとも1個は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、残りは水素原子である。)
で表わされる有機アミンのような分子も同じように層間を拡張するために用いることができることが記載され、このような有機アミンとしては、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ビリジン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリンなどがあることも記載されている。
そして、このような層間拡張用イオン又は分子の導入は、例えばアルカリ水溶液中でグラファイト酸化物層状体にその質量に基づき、8〜36.0倍量の層間拡張用イオン又は分子を加え、室温から90℃までの範囲の温度で15〜60分間反応させることによって行われることが記載されている。
しかし、これらの層間予備拡張方法は全て液相における反応で行われており、操作手順が煩雑であるなどの欠点があった。われわれは、鋭意検討を重ねた結果、有機溶媒が介在する条件で固相において長鎖アルキル基を有するアミンをグラファイト酸化物と反応させることにより、グラファイト酸化物の層間にこれらのアミンをインターカレーションさせることができ、層間距離を大きくできることを見出した。
【0011】
まず、種々の炭素数を有する長鎖アルキル第1級アミンを用いてグラファイト酸化物層状物の層間距離がどのように変化するかを検討した。そのために、炭素数が8のn−オクチルアミン、炭素数が10のn−デシルアミン、炭素数が12のn−ドデシルアミン、炭素数が14のn−テトラデシルアミン、炭素数が16のn−ヘキサデシルアミン、及び炭素数が18のn−オクタデシルアミンをそれぞれ用いて検討した。即ち、それぞれの長鎖アルキル第1級アミン5ミリモル(mmol)/g−GOと、グラファイト酸化物層状体(以下、GOと表す。)とを混合して、それぞれのアミンがGOにインターカレーションしたGOを製造した。これにより得られた各アミンがインターカレーションしたGOを、それぞれGOCNH−5、GOC10NH−5、GOC12NH−5、GOC14NH−5、GOC16NH−5、及びGOC18NH−5と略称する。これらの層状物のX線回折パターンを測定した。その結果を図1に示す。図1の横軸は回折の2θを示し、縦軸は強度を示す。各グラフは上から、GOC18NH−5、GOC16NH−5、GOC14NH−5、GOC12NH−5、GOC10NH−5、GOCNH−5、及びGOである。この結果、長鎖アルキル基を有する第1級アミンで処理する前のGOでは、層間距離が0.62nmであったものが、炭素数8のアミンで処理したGOCNH−5では、層間距離が1.42nmになり、炭素数10のアミンで処理したGOC10NH−5では、層間距離が1.90nmになり、炭素数12のアミンで処理したGOC12NH−5では、層間距離が2.13nmになり、炭素数14のアミンで処理したGOC14NH−5では、層間距離が2.43nmになり、炭素数16のアミンで処理したGOC16NH−5では、層間距離が2.60nmになり、炭素数18のアミンで処理したGOC18NH−5では、層間距離が2.98nmになり、炭素数の多いアルキル基を有するアミンで処理するにしたがって、グラファイト酸化物の層間距離が拡大されていることがわかった。
【0012】
次に、前記の方法で得られた各層状物を、それぞれテトラエドキシシラン(以下、TEOSと略す)で処理し、乾燥した後、550℃で真空中で、2時間焼成した。得られた多孔質グラファイト複合材料を、それぞれ最初に処理したアミンの炭素数に基づいて、GOCNHS−5、GOC10NHS−5、GOC12NHS−5、GOC14NHS−5、GOC16NHS−5、及びGOC18NHS−5と略称する。これらの、それぞれについて、−196℃(77K)で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。結果を図2に示す。図2の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。黒丸印(●)及び白丸印(○)はGOCNHS−5の場合を示し、黒四角印(■)及び白四角印(□)はGOC10NHS−5の場合を示し、上向きの黒三角印(▲)及び上向きの白三角印(△)はGOC12NHS−5の場合を示し、黒菱形印(◆)及び白菱形印(◇)はGOC14NHS−5の場合を示し、白四角に囲まれたドット及び小さな白四角はGOC16NHS−5の場合を示し、丸印で囲まれたドット及びドット印(・)はGOC18NHS−5の場合を示し、下向きの黒三角印(▼)及び下向きの白三角印(▽)はGOの場合をそれぞれ示す。いずれも白抜きの印(GOC16NHS−5及びGOC18NHS−5の場合は、小さな白四角及びドットでそれぞれ示す)は、脱着ブランチを示す。
図2に示された各サンプルの窒素吸着等温線から、いずれの鎖長の有機アミンを用いても、P/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量は、GOのそれよりより25倍以上大きいことがわかった。また、これらの吸着等温線はいずれも脱着ヒステリシスを示していた。
また、得られた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料のそれぞれのBET比表面積を測定した。この結果を次の表1に示す。
【0013】
【表1】
Figure 2004217450
【0014】
原料のGOの比表面積は、25BET比表面積/m/gであるから、この結果、BET比表面積は元のGOのそれより13倍以上大きい多孔質複合体となっていることがわかった。
【0015】
次に、長鎖アルキル基を有する第1級アミンの混合量による層間距離の変化を、n−テトラデシルアミン(n−CH(CH13−NH)を例にして検討した。
グラファイト酸化物層状体(以下、GOと表す。)と、それぞれ2.5mmol/g−GO、5mmol/g−GO、15mmol/g−GOのn−テトラデシルアミンを混合して、これらのアミンがインターカレーションしたGOを得た。以下、得られた層状物をそれぞれ、GOC14NH−2.5、GOC14NH−5、GOC14NH−15と略称する。これらの層状物のX線回折パターンを測定した。その結果を図3に示す。図3の横軸は回折の2θを示し、縦軸は強度を示す。各グラフは上から、GOC14NH−15、GOC14NH−5、GOC14NH−2.5、及びGOをそれぞれ示す。この結果、長鎖アルキル基を有する第1級アミンで処理する前のGOでは、層間距離が0.62nmであったものが、2.5ミリモル(mmol)のアミンで処理したGOC14NH−2.5では、層間距離が2.20nmになり、5ミリモル(mmol)のアミンで処理したGOC14NH−5では、層間距離が2.43nmになり、15ミリモル(mmol)のアミンで処理したGOC14NH−15では、層間距離が4.41nmにもなっていることがわかった。しかし、アミンの使用量が15ミリモル(mmol)の場合のGOC14NH−15では、固相の有機アミンによる構造も確認された。
【0016】
前記で得られたGOC14NH−2.5、GOC14NH−5、及びGOC14NH−15のそれぞれを、TEOSで処理し、乾燥した後、550℃で真空中で、2時間焼成した。得られた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料を、それぞれGOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5、及びGOC14NHS−15と略称する。
また、別途、GOC14NH−5をTEOSで処理した後、更にエタノール洗浄を行い、乾燥した後、550℃で真空中、2時間乾燥した。得られた多孔質グラファイト複合材料をGOC14NHSW−5と略称する。
これらの多孔質グラファイト複合材料、及びGOのそれぞれについて、−196℃(77K)で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。結果を図4に示す。図4の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。黒丸印(●)及び白丸印(○)はGOC14NHS−2.5の場合を示し、黒四角印(■)及び白四角印(□)はGOC14NHS−5の場合を示し、黒菱形印(◆)及び白菱形印(◇)はGOC14NHS−15の場合を示し、上向きの黒三角印(▲)及び上向きの白三角印(△)はGOC14NHSW−5の場合を示し、下向きの黒三角印(▼)及び下向きの白三角印(▽)はGOの場合をそれぞれ示す。いずれも白抜きの印は、脱着ブランチを示す。
この結果、GO以外のサンプルのP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量がGOのそれよりも25倍以上大きく、多孔質であることが分った。また、本発明の多孔質グラファイト複合材料の吸着等温線はいずれも脱着ヒステリシスを示していた。
また、得られた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料及びGOのそれぞれのBET比表面積を測定した。この結果を次の表2に示す。
【0017】
【表2】
Figure 2004217450
【0018】
GO以外のサンプルのBET比表面積値はGOのそれよりも約14倍〜23倍大きいことがわかった。また、GOC14NHS−5のBET比表面積が一番大きく、アルコール洗浄による比表面積の低下(GOC14NHS−5の場合)が観察された。
【0019】
以上のように本発明の方法は、グラファイト酸化物の層間距離を拡大させる方法において有機溶媒が介在する条件下で長鎖有機アミンとグラファイト酸化物との固相反応を利用することを特徴とするものである。そして、本発明の第二の特徴は、長鎖有機アミンにより拡大された層間距離を有するグラファイト酸化物層状体を、更に金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料を製造する方法を提供することである。
【0020】
本発明の方法に使用される長鎖有機アミンとしては、鎖長が炭素数で8以上の炭素鎖を有する炭化水素基を有する有機アミンであり、好ましくは炭素数が8〜40、炭素数8〜30、又は炭素数8〜20の鎖状又は環状のアルキル基を有する有機アミンが挙げられる。これらのアルキル基は鎖長が炭素数で8以上の炭素鎖を有するものであれば、直鎖状であっても分枝状であってもよく、また途中に炭素環が形成されていてもよい。本発明の有機アミンは、少なくとも1個の有機基が炭素数で8以上の炭素鎖を有するものであれば、第1級アミンでも第2級アミンでも第3級アミンでもよいが、入手のし易さや、形成された層の均一性などの点から、第1級アミンが好ましい。
本発明の長鎖有機アミンの好ましい例としては、より具体的には、例えば、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミンなどが挙げられる。
【0021】
本発明の方法における、グラファイト酸化物層状体(GO)と長鎖有機アミンとの混合は有機溶媒などを用いてGOが固相のままで、両者を乳鉢などで機械的に混合する方法によって行うことができる。使用する長鎖有機アミンが常温で液体状のものであっても、固体状のもの(例えば、炭素数14以上の脂肪族飽和アミン)であっても可能である。より具体的には、両者を混合した後、有機溶媒を添加して、更に乳棒でかき混ぜて液体を吸収したGO或いは、固相の混合物を均一混合・反応させ、有機溶媒を蒸発させるなどにより除去する。これらの操作を、1〜5回、好ましくは2〜3回繰り返す。この際に使用される有機溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族飽和炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素などの炭化水素が挙げられる。
【0022】
本発明の方法によれば、グラファイト酸化物の炭素の層間距離は、使用する長鎖有機アミンの炭素鎖の長さ、及び濃度に依存して拡大される。図1に示されるように、使用する有機アミンの炭素数が8の場合であっても、層間距離が通常のグラファイト酸化物の層間距離(0.62nm)の2倍以上に拡大される。このように長鎖有機アミンにより簡便にグラファイト酸化物の層間距離を大きく拡大することにより、本発明はグラファイト酸化物の層間距離が拡大された、即ち通常の2倍(1.24nm)以上、好ましくは3倍(1.86nm)以上に拡大された新規なグラファイト酸化物層状体を提供するものである。
即ち、本発明は、本発明の方法により製造された、層間距離が1.4nm以上、このましくは、層間距離が1.86nm以上、より好ましくは2nm以上の新規なグラファイト酸化物層状体を提供する。
【0023】
本発明の第二の方法は、前記の方法により製造された層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体に、更に金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造方法であり、この方法において使用される金属又は半金属酸化物前駆体としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物、すなわち含ケイ素化合物、含アルミニウム化合物、含チタン化合物、含ジルコニウム化合物、含鉄化合物などが挙げられる。これらの化合物の1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできるが、通常は1種類を使用するのが好ましい。好ましい例としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾルやシリカ−チタニアゾル、シリカ−酸化鉄ゾル、アルミナ−シリカゾルのような混合ゾルなどが挙げられる。また、他の好ましい例としては、ケイ酸、アルミン酸、チタン酸及びジルコン酸の中から選ばれた金属又は半金属の無機多塩基酸と低級アルコールとのエステル、例えば、炭素数1〜4のアルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールとのエステルが挙げられ、より具体的には、例えばケイ酸テトラエチル、アルミン酸トリエチル、チタン酸テトラエチル、ジルコン酸テトラエチルなどが挙げられる。また、所望ならばこの中のアルコキシル基の一部がアルキル基になっている部分エステルも用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0024】
前記した本発明の方法により金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させるためには、金属又は半金属酸化物前駆体を導入した後、50〜70℃で乾燥し、次いで不活性雰囲気中、500〜700℃において2〜8時間加熱処理するのが好ましい。当該加熱処理により、それぞれ金属又は半金属の酸化物や、これらの混合酸化物からなる安定なピラーを含む多孔質複合材料が得られる。上記の無機多塩基酸のエステルは、加水分解されるか後続の加熱処理により分解して、層間を支持しうる強度をもつ安定な化合物、すなわち固体状の含ケイ素化合物、含アルミニウム化合物、含チタン化合物、含ジルコニウム化合物を生成するものであればどのようなものでもよい。
これらの金属又は半金属酸化物前駆体、例えば、無機多塩基酸エステルの使用量は、グラファイト酸化物層状体の質量の20〜100倍量、好ましくは40〜80倍量の範囲内で選ばれる。
本発明の方法によれば、簡便にかつ効率的に、多孔質グラファイト複合材料の層間距離を拡大することが可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
グラファイト酸化物(GOと表す)は、ブロディー(Brodie)の方法(例えば、T. Nakajima and Y. Matsuo, Carbon, 1994, 32, 469を参照)により、グラファイト(Gと表す)を酸化して製造した。
【0026】
実施例1(n−オクチルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.5gのGOと0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHを秤取り、これらを乳鉢に入れ、両者が均一に混合できるように乳棒ですり潰す。続いてヘキサンを適量加えて乳棒で混合し、ドラフト内で放置し、ヘキサンを蒸発させる。最後に60℃で一晩乾燥させて、n−オクチルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOCNH−5と略称する。
【0027】
実施例2(n−デシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.393g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−デシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC10NH−5と略称する。
【0028】
実施例3(n−ドデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.463g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH11NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−ドデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC12NH−5と略称する。
【0029】
実施例4(n−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.534g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH13NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−テトラデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC14NH−5と略称する。
【0030】
実施例5(n−ヘキサデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.604g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH15NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−デシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC16NH−5と略称する。
【0031】
実施例6(n−オクタデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.674g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH18NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−オクタデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC18NH−5と略称する。
【0032】
試験例1(X線回折パターンの測定)
前記実施例1〜6で製造したGOCNH−5、 GOC10NH−5、GOC12NH−5、GOC14NH−5、GOC16NH−5、及びGOC18NH−5のそれぞれについてX線回折パターンを測定した。結果を図1に示す。これにより、各鎖長の有機アミンのインターカレーションにより、GOの層間距離が1.42nmから2.98nmまで広げた。鎖長が長いほど、層間距離がより大きくなることがわかった。
【0033】
実施例7(n−オクチルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の0.35gを秤取り、摺り合わせ蓋付きの三角フラスコに入れ、更に20mlのテトラエドキシシランを加え、25℃で1週間振動しながら反応させる。反応終了後、遠心分離で上澄み液を捨て、60℃で一晩乾燥した。これを550℃で真空中で、2時間焼成して標記の多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOCNHS−5と略称する。
【0034】
実施例8(n−デシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例2で製造されたGOC10NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−デシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC10NHS−5と略称する。
【0035】
実施例9(n−ドデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例3で製造されたGOC12NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−ドデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC12NHS−5と略称する。
【0036】
実施例10(n−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例4で製造されたGOC14NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−テトラデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC14NHS−5と略称する。
【0037】
実施例11(n−ヘキサデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例5で製造されたGOC16NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−ヘキサデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC16NHS−5と略称する。
【0038】
実施例12(n−オクタデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例6で製造されたGOC18NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−オクタデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC18NHS−5と略称する。
【0039】
試験例2(窒素吸着等温線の測定)
前記実施例7〜12で製造したGOCNHS−5、 GOC10NHS−5、GOC12NHS−5、GOC14NHS−5、GOC16NHS−5、及びGOC18NH−5を、それぞれ−196℃で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。結果を図2に示す。この結果、GO以外のサンプルのP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量がGOのそれよりも25倍以上大きく、多孔質であることが分った。
【0040】
試験例3(BET比表面積の測定)
前記実施例7〜12で製造したGOCNHS−5、 GOC10NHS−5、GOC12NHS−5、GOC14NHS−5、GOC16NHS−5、及びGOC18NH−5のそれぞれを、Brunauer−Emmett−Teller(BETと略す)の方法で、相対圧P/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.05〜0.35の範囲で比表面積(BET比表面積と表す)の値を測定した。結果を表1に示す。この結果、GO以外のサンプルのBET比表面積値はGOのそれよりも約15倍〜24倍大きい。また、GOC14NHS−5のBET比表面積が一番大きく、アルコール洗浄による比表面積の低下が観察された(GOC14NHS−5の場合)。
【0041】
実施例13(2.5ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.5gグラファイト酸化物(GOと表す)と、0.267g(2.5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミン(化学式:n−CH(CH13NH)を秤取り、これらを乳鉢に入れ、両者が均一に混合できるように乳棒ですり潰す。続いてヘキサンを適量加えて乳棒で混合し、ドラフト内で放置し、ヘキサンを蒸発させる。最後に60℃で一晩乾燥させ、2.5mmol/g−GOのn−テトラデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これをGOC14NH−2.5と略称する。
【0042】
実施例14(5ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.267g(2.5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンの代わりに0.534g(5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンを用いた以外は、前記実施例13と同様にして、5mmol/g−GOのn−オクタデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC14NH−5と略称する。
【0043】
実施例15(15ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.267g(2.5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンの代わりに1.601g(15mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンを用いた以外は、前記実施例13と同様にして、15mmol/g−GOのn−オクタデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC14NH−5と略称する。
【0044】
試験例4(X線回折パターンの測定)
前記実施例13〜15で製造したGOC14NH−2.5、 GOC14NH−5、及びGOC14NH−15、並びにGOのそれぞれについてX線回折パターンを測定した。結果を図3に示す。GOの層間距離が0.62nmに対し、GOC14NH−2.5、 5、15の層間距離が2.2nm以上となり、長鎖有機アミンがインターカレーションされたことがわかった。また、アミンの使用量が15mmol/gの場合、固相の有機アミンによる構造が確認された。
【0045】
実施例16〜18(2.5、5、及び15ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた多孔質グラファイト複合材料の製造)
(1)0.35gのGOC14NH−2.5、GOC14NH−5及びGOC14NH−15をそれぞれ秤取り、摺り合わせ蓋付きの三角フラスコに入れ、更にそれぞれ20mlのテトラエドキシシラン(TEOSと略す)を加え、25℃で1週間振動しながら反応させた。反応後のサンプルを遠心分離で上澄み液を捨て、60℃で一晩乾燥した後、それぞれGOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5及びGOC14NHS−15を得た。また、遠心分離した後のサンプルGOC14NHS−5に10ml前後のエタノールを加え、混合し、遠心分離で上澄み液を捨て、エタノール洗浄したサンプルGOC14NHSW−5を得た。X線回折結果よりTEOSで処理したサンプルの層秩序構造が悪くなるかかなり不明確になることが確認された(簡略のため、図を省略)。
【0046】
(2)GOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5、GOC14NHS−15及びGOC14NH2SW−5を550℃で真空中、2時間焼成した後、−196℃で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。また、同様に120℃で真空中、2時間乾燥したGOの窒素吸着等温線をも測った。図4にGO、GOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5、GOC14NHS−15及びGOC14NHSW−5の窒素吸着等温線を示す。GO以外のサンプルのP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量がGOのそれよりも25倍以上大きく、多孔質であることが分った。Brunauer−Emmett−Teller(BETと略す)の方法で、相対圧P/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.05〜0.35の範囲で比表面積(BET比表面積と表す)の値を求め、表2にまとめた。GO以外のサンプルのBET比表面積値はGOのそれよりも約15倍〜24倍大きい。また、GOC14NHS−5のBET比表面積が一番大きく、アルコール洗浄による比表面積の低下が観察された。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、簡便な手法により、かつ効率的に、グラファイト酸化物層状体の層間距離を拡大させる方法、及びそれによって製造される層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体や多孔質グラファイト複合材料を提供する。本発明の方法によれば、使用する長鎖有機アミンの炭素数に依存して、また使用するアミンの濃度に依存して、層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体や多孔質グラファイト複合材料を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、炭素数8〜18の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明のグラファイト酸化物層状体のX線回折パターンの測定結果を示したものである。
【図2】図2は、炭素数8〜18の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明の多孔質グラファイト複合材料の−196℃(77K)で容量法装置を用いた窒素吸着等温線の測定結果をグラフ化したものである。図2の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。
【図3】図3は、各種の濃度の炭素数14の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明のグラファイト酸化物層状体のX線回折パターンの測定結果を示したものである。
【図4】図4は、各種の濃度の炭素数14の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明の多孔質グラファイト複合材料の−196℃(77K)で容量法装置を用いた窒素吸着等温線の測定結果をグラフ化したものである。図4の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。

Claims (7)

  1. グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行ってグラファイト酸化物層状体を製造し、次いでこれに金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料の製造方法。
  2. グラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとの混合が固相で行われる請求項1に記載の方法。
  3. 有機溶媒が、炭化水素である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 有機アミンが、炭素数8以上の脂肪族第1級アミンである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 金属又は半金属酸化物前駆体が、ケイ酸、アルミン酸、チタン酸及びジルコン酸の中から選ばれた無機多塩基酸と低級アルカノールとのエステルである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 金属又は半金属酸化物前駆体の導入後、さらにこれを不活性雰囲気中で加熱処理する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により製造された多孔質グラファイト複合材料。
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