JP2010053000A - 層間化合物材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭素系インターカラントの封入状態において、より規則的な封入構造を有する層間化合物材料を提供する。
【解決手段】層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備し有機アミンの存在下、前記膨張化物と炭素系インターカラントを接触させて前記酸化物の層間に炭素系インターカラントを封入して、層間化合物材料を製造する。容易に炭素系インターカラントを層間に導入することができるようになり、これにより、より規則的な封入構造を有する層間化合物材料を得られるようになる。
【選択図】 なし
【解決手段】層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備し有機アミンの存在下、前記膨張化物と炭素系インターカラントを接触させて前記酸化物の層間に炭素系インターカラントを封入して、層間化合物材料を製造する。容易に炭素系インターカラントを層間に導入することができるようになり、これにより、より規則的な封入構造を有する層間化合物材料を得られるようになる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、層間に炭素系インターカラントが封入された層間化合物材料及びその製造方法並びにこれらの利用に関する。
層状構造を有する六方結晶と当該結晶の層間にボール状分子等が挿入された層間化合物本発明者らによって既に開発されている(特許文献1)。この層間化合物は、例えば、酸で処理後に加熱して発泡させて層間を拡張したグラファイトとフラーレン粉末とを真空下の閉じたキャビティに収容し加熱することにより作製されている。すなわち、熱拡散によりグラファイトの層間にフラーレンを封入している。
しかしながら、一方で、熱拡散のための加熱はグラファイトの層間の熱収縮を生じさせる。このため、フラーレンのグラファイトへの封入率を高めにくく、多くのフラーレンを封入し難いという問題があった。また、フラーレン封入グラファイトの潤滑性能を考慮するとき、微細化されたフラーレン封入グラファイトが必要であることがわかった。しかしながら、粒子サイズの小さいグラファイトの層間を拡張するのは困難であった。さらに、上記従来の方法では、グラファイトとフラーレンとを真空下高温で長時間保持する必要があった。このため、フラーレン封入グラファイトを得るためのエネルギーをより低減する必要があった。また、フラーレン等の封入率が向上され、あるいは封入状態がより均質又は規則的なグラファイト等の層間化合物材料が望まれていた。
そこで、本発明は、より容易にフラーレン等の炭素系インターカラントを層状化合物の層間に封入することができる層間化合物材料の製造方法を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、炭素系インターカラントの封入状態を制御可能な層間化合物の製造方法を提供することを他の一つの目的とする。また、本発明は、エネルギーコストを低減できる炭素系インターカラント封入層間化合物材料を提供することをさらに他の一つの目的とする。
本発明は、また、炭素系インターカラントの封入状態において、より規則性に優れる層間化合物材料及びその製造方法を提供することを目的とする。さらに、従来にない規則的構造な層状周期構造を有する炭素系インターカラント封入層間化合物材料及びその製造方法を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、これら炭素系インターカラント封入層間化合物材料の利用を提供することを他の一つの目的とする。
本発明者は、上記した課題に鑑み、六方結晶の層間拡張について種々の検討を行ったところ、六方結晶の酸化物と有機アミンを用いることが炭素系インターカラントの層間封入に有利であるという知見を得た。さらに、本発明者は、こうした工程を経て得られた炭素系インターカラント封入層間化合物材料は、従来にない規則的な層状周期構造を有しているという知見を得た。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を完成した。本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明によれば、以下の工程:
(a)層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備する工程と、
(b)有機アミンの存在下、前記酸化物と炭素系インターカラントを接触させて前記酸化物の層間に炭素系インターカラントを封入する工程と、
を備える、層間化合物材料の製造方法が提供される。
(a)層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備する工程と、
(b)有機アミンの存在下、前記酸化物と炭素系インターカラントを接触させて前記酸化物の層間に炭素系インターカラントを封入する工程と、
を備える、層間化合物材料の製造方法が提供される。
本発明の製造方法によれば、六方結晶の酸化物を、炭素系インターカラントを封入するための層状化合物として用い、有機アミンの存在下で炭素系インターカラントと接触させることで容易に層間に炭素系インターカラントが封入される。
このため、本発明の製造方法によれば、炭素系インターカラントの層間への封入率を向上させたり、従来封入困難であったインターカラントを封入できるようになったり、より小さい平均粒径の六方結晶粒子であってもその層間にインターカラントを封入させたりできるようになる。すなわち、本製造方法によれば、より炭素系インターカラントの封入状態に関して規則性に優れる層間化合物材料を得ることができる。さらに、インターカラント及びそれを受け入れる層状化合物をより高い自由度で選択可能となり、さらに、封入量の制御も可能となるため、より高い自由度で層間化合物材料を製造できるようになる。この結果、意図した構造や機能特性を備える層間化合物材料を容易に提供できるようになる。
また、本発明の製造方法によれば、炭素系インターカラントの封入のために真空下高温での熱拡散による封入を要しないため、エネルギーコストをはじめとして種々のコストを低減でき、生産効率を高めることができる。
本発明の製造方法は、前記炭素系インターカラントを封入した前記酸化物から前記有機アミンを除去する工程を備えることもできる。また、前記有機アミンは、以下の式(1)で表わされるものを用いることができる。
NR1R2R3 ・・・(1)
(式中、R1、R2及びR3の中の少なくとも1個は炭素数1以上の炭化水素基であり、残りは水素原子である。)
NR1R2R3 ・・・(1)
(式中、R1、R2及びR3の中の少なくとも1個は炭素数1以上の炭化水素基であり、残りは水素原子である。)
さらに、本発明の製造方法は、前記(b)工程は、前記有機アミン層間拡張した前記酸化物に前記炭素系インターカラントを接触させる工程とすることもできる。また、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間及び前記炭素系インターカラントの単層構造に関し規則的な周期構造を有する層間化合物材料を得るものであってもよいし、X線回折スペクトルにおいて、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間に基づく1又は2以上の回折ピークと、前記炭素系インターカラントの単層構造に基づく1又は2以上の回折ピークとを備えるものであってもよい。
本発明の製造方法においては、前記六方結晶はグラファイトであってもよく、前記炭素系インターカラントはフラーレンであってもよい。
本発明によれば、また、上記いずれかの製造方法によって得られる層間化合物材料が提供される。
本発明によれば、 層間化合物材料であって、六方結晶の酸化物の層間に炭素系インターカラントが封入され、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間及び前記炭素系インターカラントの単層構造に関し規則的な周期構造を有する、層間化合物材料が提供される。この材料においては、X線回折スペクトルにおいて、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間に基づく1又は2以上の回折ピークと、前記炭素系インターカラントの単層構造に基づく1又は2以上の回折ピークとを備える、層間化合物材料が提供される。本発明の層間化合物材料によれば、従来にない規則性のある周期構造を有している。このため、炭素系インターカラントの封入率や層間距離においてより安定した特性の層間化合物材料を得ることができる。
本発明の層間化合物材料においては、前記六方結晶はグラファイトとすることができ、また、前記炭素系インターカラントはフラーレンとすることができる。本発明の層間化合物材料は、前記六方結晶がグラファイトであってもよい。
本発明によれば、上記いずれかに記載の層間化合物材料を含有する潤滑用組成物が提供される。また、本発明によれば、上記いずれかに記載の層間化合物材料を含有する潤滑層と、前記潤滑層により被覆される部分を有する基部と、を備える潤滑材料が提供される。
本発明は、層間化合物材料及びその製造方法に関する。以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下、図1は、本発明の層間化合物材料の製造工程のフローと工程における層間構造の一例を示す図であり、図2及び図3は、本発明の層間化合物の製造工程における工程材料の層構造の例を示す図である。
(層間化合物材料の製造方法)
本発明の層間化合物材料の製造方法は、図1に示すように、層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備する工程と、有機アミンの存在下、当該酸化物の層間に炭素系インターカラントの封入工程と、を少なくとも備えている。また、有機アミンの除去工程も備えることもできる。
本発明の層間化合物材料の製造方法は、図1に示すように、層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備する工程と、有機アミンの存在下、当該酸化物の層間に炭素系インターカラントの封入工程と、を少なくとも備えている。また、有機アミンの除去工程も備えることもできる。
(六方結晶の酸化物を準備する工程)
本明細書において層状構造を有する六方結晶とは、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン等が挙げられるが、グラファイトが好ましい。グラファイトとしては天然グラファイト及び人工グラファイトがある。本発明において用いるグラファイトは、天然グラファイトと人工グラファイトのいずれであってもよいが、好ましくは人工グラファイトである。人工グラファイトとしては、熱分解黒鉛などが挙げられる。グラファイトは、グラフェンシートが多数重なった層状構造を有している。グラファイトの形状は、特に限定されないで、粉末状、シート状、フィルム状等各種の形態を採ることができる。グラファイトの層間は、通常、0.34nm程度となっている。本発明においては、六方結晶は、1種又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本明細書において層状構造を有する六方結晶とは、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン等が挙げられるが、グラファイトが好ましい。グラファイトとしては天然グラファイト及び人工グラファイトがある。本発明において用いるグラファイトは、天然グラファイトと人工グラファイトのいずれであってもよいが、好ましくは人工グラファイトである。人工グラファイトとしては、熱分解黒鉛などが挙げられる。グラファイトは、グラフェンシートが多数重なった層状構造を有している。グラファイトの形状は、特に限定されないで、粉末状、シート状、フィルム状等各種の形態を採ることができる。グラファイトの層間は、通常、0.34nm程度となっている。本発明においては、六方結晶は、1種又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
層状構造を有する六方結晶の酸化物は商業的に入手してもよいし、グラファイトなどの層状化合物から合成してもよい。層状構造を有する六方結晶を酸化する方法は、特に限定しないで、従来公知の各種方法を採用することができる。適当な酸化剤が作用する環境下で六方結晶を酸化することができる。典型的な六方結晶であるグラファイトを酸化するには以下の方法が挙げられる。例えば、グラファイトを濃硫酸と硝酸との混合液中に浸し、塩素酸カリウムを加え、反応させる方法が挙げられる。また、グラファイトを濃硫酸と硝酸ナトリウムの混合液中に浸し、過マンガン酸カリウムを加え、反応させる方法が挙げられる。しかる後、反応系に過酸化水素水などを添加することにより酸化反応を停止させる。この溶液から公知のろ過等の固液分離方法により固形物を回収することにより、グラファイトの酸化物を得ることができる。
なお、こうして得られた酸化物には硫酸イオン等が層間に残留しているため、透析や適当な洗浄液により硫酸イオン等をできるだけ除去することが好ましい。
例えば、こうした酸化物においては、例えば、グラファイトなどの六方結晶の構成原子(炭素原子)の少なくとも一部は、sp2状態からsp3状態に変化し、いわゆるベンゼン環を形成している炭素原子のような状態から飽和の脂肪族の炭素原子の状態に変化する。これらの変化した炭素原子に酸素原子や水素原子などが結合して層間に酸素原子を封入することができる。このようにして製造されたグラファイトの酸化物における層状構造の層間距離は、通常0.6nm以上1.1nm以下程度である。酸化前のグラファイトよりも拡張されている(図2(c)及び図3(c)参照)。このようなグラファイトの酸化物の層間には、アルコール性水酸基やエポキシドが生成されることが知られている。
(炭素系インターカラントの層間封入)
次に、有機アミンの存在下、炭素系インターカラントを酸化物の層間に封入する。有機アミンを用いることで、炭素系インターカラントの酸化物の層間への封入が促進されるものと考えられる。
次に、有機アミンの存在下、炭素系インターカラントを酸化物の層間に封入する。有機アミンを用いることで、炭素系インターカラントの酸化物の層間への封入が促進されるものと考えられる。
(炭素系インターカラント)
本発明において用いることができる炭素系インターカラントとしては、特に限定しない。好ましくは、層状構造を有する六方結晶と相互作用を有するものを用いる。こうした炭素系インターカラントとしては、炭素の5員環又は6員環からなる擬球状の籠状構造を有することがより好ましい。典型的にはフラーレンであり、フラーレンとしては、C60分子、C70分子、C76分子、C78分子、C80分子、C84分子、C86分子、C88分子、C90分子、C92分子、C94分子及びC96分子等が挙げられる。なかでも、C60分子及びC70分子が好ましい。
本発明において用いることができる炭素系インターカラントとしては、特に限定しない。好ましくは、層状構造を有する六方結晶と相互作用を有するものを用いる。こうした炭素系インターカラントとしては、炭素の5員環又は6員環からなる擬球状の籠状構造を有することがより好ましい。典型的にはフラーレンであり、フラーレンとしては、C60分子、C70分子、C76分子、C78分子、C80分子、C84分子、C86分子、C88分子、C90分子、C92分子、C94分子及びC96分子等が挙げられる。なかでも、C60分子及びC70分子が好ましい。
炭素系インターカラントとしては、こうしたフラーレンに対する水素付加体、架橋体、縮合体及び原子挿入などによるフラーレン骨格の修飾体など各種のフラーレン誘導体も含まれる。炭素系インターカラントとしては、1種又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。六方結晶との組み合わせにおいては、六方結晶がグラファイトであり、炭素系インターカラントがC60分子やC70分子などのフラーレンであることが好ましい。
(有機アミン)
有機アミンとして用いることのできるものとしては、炭素系インターカラントの層間封入を阻害しないで従来よりも封入形態を改善できるものであれば特に限定されない。有機アミンとしては、例えば、式(1)で表される有機アミンを用いることができる。
有機アミンとして用いることのできるものとしては、炭素系インターカラントの層間封入を阻害しないで従来よりも封入形態を改善できるものであれば特に限定されない。有機アミンとしては、例えば、式(1)で表される有機アミンを用いることができる。
NR1R2R3 ・・・(1)
(式中、R1、R2及びR3の中の少なくとも1個は炭素数1以上の炭化水素基であり、残りは水素原子である。)
(式中、R1、R2及びR3の中の少なくとも1個は炭素数1以上の炭化水素基であり、残りは水素原子である。)
このような有機アミンとしては、特に限定しないが、炭素鎖数が6以上30以下のアルキル基を有するアミンが挙げられる。例えば、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミンなどが挙げられる。これらのアルキル基は鎖長が炭素数で6以上の炭素鎖を有するものであれば、直鎖状であっても分枝状であってもよく、また途中に炭素環が形成されていてもよい。また、炭化水素基として置換されていてもよい芳香族炭化水素基を有する有機アミンとしては、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリンなどが挙げられる。本発明の有機アミンは、第1級アミンでも第2級アミンでも第3級アミンでもよいが、入手のし易さや、形成された層の均一性などの点から、第1級アミンが好ましい。有機アミンとしては好ましくは、n−オクチルアミン等が挙げられる。
有機アミンの存在下で炭素系インターカラントを層間封入するには、有機アミンと酸化物とをあらかじめ接触させて酸化物の層間拡張しておくことが好ましい。すなわち、予め酸化物と有機アミンとを接触させておき、その後、有機アミンで層間拡張した酸化物と炭素系インターカラントとを接触させて、炭素系インターカラントを酸化物の層間に封入する形態が挙げられる。例えば、グラファイトの酸化物の層間距離は、上記のとおり通常0.6nm以上1.1nm以下程度(約0.8nm)であるが、n−オクチルアミンで層間拡張するとき、その層間は、おおよそ2.0nm以上2.7nm以下程度に拡張されることがわかっている(図2(d)及び図3(d)参照)。
酸化物と有機アミンとの接触及び有機アミンで層間拡張した酸化物と炭素系インターカラントとの接触にあたっての混合方法は特に限定されないが、適当な溶媒下で接触対象物を混合しつつ当該溶媒を留去させる形態が挙げられる。また、他の一つの形態としては、接触対象物を、溶媒を用いることなく混合する(メカノケミカル合成)形態が挙げられる。なお、これらの反応は、本質的に完全な固相反応であってよいが、液相であってもよい。必要に応じて有機アミンやフラーレンを溶解する溶媒を用いることができる。こうした溶媒は適宜選択することができる。例えば、フラーレンC60分子を溶解する溶媒としてはトルエンを用いることができる。
酸化物の層間への炭素系インターカラントの封入工程における温度、圧力及び混合等の条件は特に限定されない。通常、室温の範囲(10℃以上40℃以下、より好ましくは15℃以上25℃以下)で十分に反応が進行する。トルエンなど適当な溶媒の存在下に、酸化物と炭素系インターカラントと混合する場合には、溶媒が蒸発可能な温度とすればよい。また、封入工程は、常圧下で行うことができる。混合する時間も特に限定されない。使用する炭素系インターカラント、有機アミン及び酸化物への封入方法によって適宜設定することができる。
以上の工程により、炭素系インターカラントが層間に封入されたことは、例えば、FTIR等における炭素系インターカラントの特性吸収や透過電子顕微鏡による観察(単層膜の格子縞や電子回折図形等)により確認することができる。
以上のように、酸化物の層間への炭素系インターカラントの封入は、従来のように、特に高い温度の加熱などを施さなくても室温の範囲で反応を遂行することができる。また、従来とは異なり減圧下で高温に加熱する必要もないため、層間化合物合成のためのエネルギーを効果的に低減することができる。
本発明においては、六方結晶化合物等の層状化合物の酸化物を利用し、さらに有機アミンを用いることで、炭素系インターカラントが酸化物の層間に封入されやすくなっている。また、層間に封入できる炭素系インターカラントの大きさに関して自由度が向上されている。さらに、本発明では、有機アミンを用いることにより炭素系インターカラントの層間への封入が促進されていると考えられる。このため、本発明では、従来のように高温下での熱拡散によらないで容易に炭素系インターカラントを層間に封入できるようになっている。
本発明によれば、酸化物の層間が有機アミンで拡張され、炭素系インターカラントの層間への封入が促進されているため、従来に比較してより多くの炭素系インターカラントが層間に封入される。また、炭素系インターカラントの量を調節することにより、層間への封入量の調節も可能となっている。
本工程で得られる層間化合物材料は、有機アミンで拡張された層間に炭素系インターカラントが封入されたものとなっている。本工程で得られる層間化合物材料は、有機アミンを保持している場合、当該層間化合物材料が、例えば、潤滑性材料であるグリースやオイルに混合されるときには、有機アミンが吸着されていない層間化合物材料に比較してより安定した(高い)分散性を発揮することができる。
本発明の方法によれば、層間拡張された酸化物の層間に炭素系インターカラントを封入するため、炭素系インターカラントが酸化物の層間に単層封入された規則的な周期構造を有する層間化合物材料を得ることができる。すなわち、炭素系インターカラントカラントが封入された前記酸化物の層間及び前記炭素系インターカラントの単層構造に関して規則的な周期構造を有している。かかる周期構造は、例えば、X線回折スペクトルにおいて、炭素系インターカラントが単層封入された酸化物の層間に基づく第1の回折ピークと、炭素系インターカラントの単層構造に基づく第2の回折ピークとが観察されるであろうと推測される。例えば、図2(d)及び(e)並びに図3(d)及び(e)において、d=1.8nm以上2.4nm以下近傍に観察される1又は2以上の回折ピークが第1の回折ピークに相当するものと推測され、d=0.8nm以上1.1nm以下近傍(好ましくjは0.8nm以上1.0nm以下近傍)及びd=0.4nm以上0.5nm以下近傍にそれぞれ観察される1又は2以上の回折ピークが第2のピークに相当するものと推測される。
(有機アミンの除去工程)
必要に応じて、炭素系インターカラントが層間に封入された層間化合物材料から有機アミンを除去することができる。有機アミンの除去方法は特に限定しないが、好ましくは層間化合物材料を有機アミンを溶解する適当な洗浄液で洗浄するかあるいは加熱することにより有機アミンを蒸発させて除去すること方法が挙げられる。
必要に応じて、炭素系インターカラントが層間に封入された層間化合物材料から有機アミンを除去することができる。有機アミンの除去方法は特に限定しないが、好ましくは層間化合物材料を有機アミンを溶解する適当な洗浄液で洗浄するかあるいは加熱することにより有機アミンを蒸発させて除去すること方法が挙げられる。
有機アミンの除去工程は、有機アミンを完全に除去するように行ってもよいし、一部残留するようにしてもよい。有機アミンの一部残留により、潤滑用材料等への適切な分散性等確保することも可能である。
本発明の製造方法によれば、六方結晶材料の平均粒径に関わらず、同じ手法で炭素系インターカラントを封入することができる。すなわち、平均粒径の小さいのグラファイト粉末などに対しても容易に炭素系インターカラントを封入できる。具体的には、平均粒径が100μm以下、好ましくは、50μm以下、より好ましくは10μm以下のグラファイトなどの六方結晶材料を原料として用いても、より大きな平均粒径、例えば、500μm以上のグラファイトなどの六方結晶材料を用いる場合と同様にして層間化合物材料を製造できる。このため、平均粒径の大きな六方結晶の粉末に炭素系インターカラントを封入し、その後、粉砕して所望の平均粒径の層間化合物材料を得る必要がない。当初より、所望の平均粒径の六方結晶材料に炭素系インターカラントを封入すればよい。
(層間化合物材料)
本発明の層間化合物材料は、本発明方法によって得られるもののほか、本発明方法に限定されないで、上記方法によって得られる特性を備える層間化合物材料を含む。すなわち、本発明の層間化合物材料は、炭素系インターカラントが酸化物の層間に単層封入された規則的な周期構造を有する層間化合物材料を含む。すなわち、本材料は、炭素系インターカラントが封入された酸化物の層間及び炭素系インターカラントの単層構造に関し規則的な周期構造を有することができる。かかる層間化合物材料は、X線回折スペクトルにおいて、炭素系インターカラントが封入された酸化物の層間に基づく1又は2以上の第1の回折ピークと、炭素系インターカラントの単層構造に基づく1又は2以上の第2の回折ピークとが観察されるであろうと推測される。
本発明の層間化合物材料は、本発明方法によって得られるもののほか、本発明方法に限定されないで、上記方法によって得られる特性を備える層間化合物材料を含む。すなわち、本発明の層間化合物材料は、炭素系インターカラントが酸化物の層間に単層封入された規則的な周期構造を有する層間化合物材料を含む。すなわち、本材料は、炭素系インターカラントが封入された酸化物の層間及び炭素系インターカラントの単層構造に関し規則的な周期構造を有することができる。かかる層間化合物材料は、X線回折スペクトルにおいて、炭素系インターカラントが封入された酸化物の層間に基づく1又は2以上の第1の回折ピークと、炭素系インターカラントの単層構造に基づく1又は2以上の第2の回折ピークとが観察されるであろうと推測される。
なお、本発明の層間化合物材料は、炭素系インターカラントが層間に封入された六方結晶の層間化合物材料であるが、炭素系インターカラント及び六方結晶については、本発明方法の実施形態においてこれらについて既に説明した各種の態様をそのまま適用することができる。本発明の層間化合物材料は、六方結晶がグラファイトであり、炭素系インターカラントとしてフラーレンC60であることが好ましい。
また、本発明の層間化合物材料は、有機アミンを吸着保持しているものであってもよい。有機アミンを保持していることで潤滑材料への良好な分散性を発揮させることができる。なお、本発明の層間化合物材料において、六方結晶は酸化されており、エポキシドやアルコール性水酸基を備えていることができる。
(潤滑用組成物及び潤滑材料)
本発明の潤滑用組成物は、本発明の層間化合物材料を含有することができる。本発明の層間化合物材料は、六方結晶の層間に炭素系インターカラントを有するため、良好な潤滑性能を発揮することができる。特に、回折ピークにおいて周期構造が観察されるほど規則的にしたがって、潤滑用組成物の潤滑成分として含まれることにより、優れた潤滑用組成物を提供することができる。潤滑用組成物は、塗布、スプレー、ディップコート等、どのような供給手法を意図するものであってもよいし、また、どのような形態の被膜を形成するものであってもよい。潤滑用組成物における本層間化合物材料以外の成分としては特に限定されないで、従来潤滑用組成物に用いられる各種の成分を適宜選択して用いることができる。本発明の層間化合物材料が有機アミンを吸着保持するときには、特に、潤滑用組成物中によく分散されるため、その潤滑性能を効果的に発揮することができる。
本発明の潤滑用組成物は、本発明の層間化合物材料を含有することができる。本発明の層間化合物材料は、六方結晶の層間に炭素系インターカラントを有するため、良好な潤滑性能を発揮することができる。特に、回折ピークにおいて周期構造が観察されるほど規則的にしたがって、潤滑用組成物の潤滑成分として含まれることにより、優れた潤滑用組成物を提供することができる。潤滑用組成物は、塗布、スプレー、ディップコート等、どのような供給手法を意図するものであってもよいし、また、どのような形態の被膜を形成するものであってもよい。潤滑用組成物における本層間化合物材料以外の成分としては特に限定されないで、従来潤滑用組成物に用いられる各種の成分を適宜選択して用いることができる。本発明の層間化合物材料が有機アミンを吸着保持するときには、特に、潤滑用組成物中によく分散されるため、その潤滑性能を効果的に発揮することができる。
また、本発明の潤滑材料は、本発明の層間化合物材料を含有する潤滑層を有することができる。本発明の層間化合物材料は、上記のとおり良好な潤滑性能を有する。したがって、例えば、本層間化合物材料を、上記した潤滑用組成物等として用いて潤滑性を付与したい部位に潤滑層として備えさせることで、優れた潤滑材料を得ることができる。こうした潤滑材料としては、潤滑性能、耐摩耗性、摺動性等が要求される部位を備える部材であれば特に限定されない。
本実施例では、グラファイトを酸化した後、有機アミンを用いて層間拡張し、フラーレンC60をインターカラントとして層間に封入した。以下に手順の詳細を示す。
(グラファイトの酸化)
グラファイト粉末2g(平均粒径が4μm及び500μmの2種類)のそれぞれを、1gの硝酸ナトリウムと46mlの濃硫酸とを30分間攪拌して混合したものに添加し攪拌した。次に、この混合物を氷冷しながら、過マンガン酸カリウム6gをゆっくりと添加し、数分間攪拌した。熱が発生しなくなったら、その後室温で24時間攪拌した。攪拌後、純水92mlをゆっくりと滴下した。純水を添加して得られた混合液を、80℃以上程度に加熱した純水280mlに添加した。加えて、さらに、この液に過酸化水素水20mlを加えて酸化反応を停止させた。液体が温かいうちに遠心分離して酸化したグラファイトを回収した。分離回収した酸化されたグラファイトの層間には硫酸イオン等が残っているため、酸化グラファイトを600mlの純水に再度懸濁し、透析用セルロースを用いて2週間透析した。その後、酸化グラファイトが懸濁された溶液を乾燥して、酸化グラファイト(Graphite Oxide : GO)を得た。なお、用いたフラーレンC60の粉末X線回折スペクトルを図2(a)及び図3(a)にそれぞれ示し、異なる平均粒径のグラファイトの粉末X線回折スペクトルを図2(b)及び図3(b)に示し、得られた酸化グラファイトの粉末X線回折スペクトルを図2(c)及び図3(c)に示す。これらの図に示すように、酸化グラファイトは層間距離約0.8nmの層状構造を有していた。
グラファイト粉末2g(平均粒径が4μm及び500μmの2種類)のそれぞれを、1gの硝酸ナトリウムと46mlの濃硫酸とを30分間攪拌して混合したものに添加し攪拌した。次に、この混合物を氷冷しながら、過マンガン酸カリウム6gをゆっくりと添加し、数分間攪拌した。熱が発生しなくなったら、その後室温で24時間攪拌した。攪拌後、純水92mlをゆっくりと滴下した。純水を添加して得られた混合液を、80℃以上程度に加熱した純水280mlに添加した。加えて、さらに、この液に過酸化水素水20mlを加えて酸化反応を停止させた。液体が温かいうちに遠心分離して酸化したグラファイトを回収した。分離回収した酸化されたグラファイトの層間には硫酸イオン等が残っているため、酸化グラファイトを600mlの純水に再度懸濁し、透析用セルロースを用いて2週間透析した。その後、酸化グラファイトが懸濁された溶液を乾燥して、酸化グラファイト(Graphite Oxide : GO)を得た。なお、用いたフラーレンC60の粉末X線回折スペクトルを図2(a)及び図3(a)にそれぞれ示し、異なる平均粒径のグラファイトの粉末X線回折スペクトルを図2(b)及び図3(b)に示し、得られた酸化グラファイトの粉末X線回折スペクトルを図2(c)及び図3(c)に示す。これらの図に示すように、酸化グラファイトは層間距離約0.8nmの層状構造を有していた。
(フラーレンの酸化グラファイトの層間への封入)
次に、グラファイト酸化物の層間にフラーレンC60を封入処理した。なお、以下の操作においては、10mg酸化グラファイトに対して、0.1mlのn−オクチルアミン、50mgC60の比率で行った。
次に、グラファイト酸化物の層間にフラーレンC60を封入処理した。なお、以下の操作においては、10mg酸化グラファイトに対して、0.1mlのn−オクチルアミン、50mgC60の比率で行った。
まず、酸化グラファイト20mgを乳鉢に計りとり、0.2mlのn−オクチルアミンを添加し、乳鉢ですり潰してよく混ぜた。次に、少量(1ml程度)のトルエン加えてさらによく混ぜた後、30分から1時間程度静置した。
次に、300mlビーカー中に、フラーレンC60100mgを計りとり、トルエン100mlを添加し、超音波洗浄機でフラーレンの凝集物を破砕し、完全に溶解させてフラーレンのトルエン溶液を調製した。乳鉢中ののり状になった混合物を、フラーレンのトルエン溶液に添加し、スターラーで攪拌しながら、トルエンを蒸発させた。得られた固形物を試料(GO+OcAm+C60)として回収した。
さらに、試料(GO+OcAm+C60)をエッペンドルフチューブにとり、用いたオクチルアミンに対して過剰量の1ml 1N HClを加えた。超音波洗浄により,サンプルの凝集物を細かくしてよく混合した後、静置し、しかる後、10000rpmで2分間遠心分離を行い、沈殿物を回収した。こうした塩酸処理を合計3回繰り返して、沈殿物を回収し、80℃で数時間乾燥して、試料(GO+C60)を得た。
平均粒径4μm及び500μmの2種類のグラファイトから得られた試料(GO+OcAm+C60)及び試料(GO+C60)についての、X線回折スペクトルを図2及び図3に示し、これらの試料(GO+OcAm+C60)のFTIRをそれぞれ図4及び図5にそれぞれ示す。さらに、粒径4μmのグラファイト粉末由来の試料(GO+C60)につき透過電子顕微鏡にて観察した結果を図6に示す。
図2及び図3に示すX線回折強度の図は,下の段から、フラーレン(C60),グラファイト,酸化グラファイト(GO)、GOにn−オクチルアミン(OcAm)を加えC60を封入した試料(GO+OcAm+C60)、およびC60の挿入サンプルを塩酸(HCl)で処理した試料(GO+C60)の回折パターンである。図4及び図5に示すFT−IRの測定結果は、下の段から、試料(GO+OcAm+C60)及び試料(GO+C60)の吸光スペクトルである。
図2(d)(e)及び図3(d)(e)に示すように、こうしたX線回折スペクトルは、従来方法による合成では得られなかった明確なものであった。これらのスペクトルには、酸化グラファイトの層間隔である0.8nmを示すピークおよびC60の回折パターンが観察されない。なお、図2(d)及び図3(d)におけるd値が約2.3nmの回折ピークは、オクチルアミンにより拡張された酸化グラファイトの層間に基づくものと考えられる。一方、図4及び図5に示すように、これらの試料(GO+C60)のFT−IRの結果にはC60の存在を示す吸光スペクトルが観測された。また、図6に示すように、TEM像には、フラーレン単層膜に由来すると推測される格子縞が観察されるとともに2回対照を示す電子線回折図形が観察された。
以上のことから、試料(GO+OcAm+C60)及び試料(GO+C60)においては、オクチルアミンにより層間拡張された酸化グラファイトの層間にフラーレンが単層封入されたことが考えられた。すなわち、d=1.8nm〜2.4nm近傍に観察される1又は2以上の回折ピークは、拡張された酸化グラファイトの層間にフラーレンが単層封入された酸化グラファイトの層間距離に由来し、d=0.8nm〜1.1nm近傍(好ましくは0.8nm〜1.0nm近傍)に観察される1又は2以上のピーク及びd=0.4nm〜0.5nm近傍に観察される1又は2以上の回折ピークは、酸化グラファイトの拡張された層間に封入されたC60単層構造に由来しているものと推測された。
また、図2(e)及び図3(e)に示すように、これらの試料料(GO+OcAm+C60)についてHClで処理することで、グラフェン間の層間が2nmを中心に分散した。また,FT−IRの測定結果から、メチレン基のスペクトル強度の減少がみられた。これらのことから,サンプル内に過剰に含まれていたオクチルアミンを除去できることがわかった。
また、以上の実施例によれば、平均粒径が4μmでも500μmのグラファイトであっても、同様にしてグラファイトの層間にフラーレンC60を封入できることがわかった。
本実施例では、実施例1で合成した平均粒径4μmのグラファイト由来の試料(GO+C60)を用いて、以下に示すブロックオンディスク磨耗試験を行った。すなわち、試料:鉱油=60:40(質量比)となるようにして常法に従い十分に混合して潤滑剤を調製した。比較例として鉱油のみの潤滑剤と鉱油:粉砕グラファイト=90:10(質量比)の潤滑剤を準備した。これらの潤滑剤を、図7に示すブロックオンディスク磨耗試験装置のディスク外周面に一定量を塗布して、このディスク外周面に対してブロックを0.22kN又は0.44kNの負荷で当接させた状態で、滑り速度の変化に伴う摩擦係数の変化を測定した。結果を図7に示す。また、摩擦力顕微鏡を用いた観察結果を図8に示す。
図7に示すように、試料(GO+C60)を用いた潤滑剤は、比較例(鉱油のみ及び鉱油+グラファイト)と比較して顕著に優れた潤滑性能を示した。また、図8に示すように、プローブの走査に伴い走査方向に沿って約1nm未満の間隔で摩擦力が変動する周期構造が観察された。このことは、走査方向に沿って規則的な構造が存在していることを支持するといえる。
Claims (15)
- 以下の工程:
(a)層状構造を有する六方結晶の酸化物を準備する工程と、
(b)有機アミンの存在下、前記酸化物と炭素系インターカラントを接触させて前記酸化物の層間に炭素系インターカラントを封入する工程と、
を備える、層間化合物材料の製造方法。 - さらに、(d)前記炭素系インターカラントを封入した前記膨張化物から前記有機アミンを除去する工程を備える、請求項1に記載の製造方法。
- 前記有機アミンは、以下の式(1)で表わされる、請求項1又は2に記載の製造方法。
NR1R2R3 ・・・(1)
(式中、R1、R2及びR3の中の少なくとも1個は炭素数1以上の炭化水素基であり、残りは水素原子である。) - 前記(b)工程は、前記有機アミンで層間拡張した前記酸化物に前記炭素系インターカラントを接触させる工程である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記層間化合物材料は、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間及び前記炭素系インターカラントの単層構造に関し規則的な周期構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記層間化合物材料は、X線回折スペクトルにおいて、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間に基づく1又は2以上の回折ピークと、前記炭素系インターカラントの単層構造に基づく1又は2以上の回折ピークと、を備える、請求項5に記載の製造方法。
- 前記六方結晶はグラファイトである、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記炭素系インターカラントはフラーレンである、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法によって得られる、層間化合物材料。
- 層間化合物材料であって、
六方結晶の酸化物の層間に炭素系インターカラントが封入され、
前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間及び前記炭素系インターカラントの単層構造に関し規則的な周期構造を有する、材料。 - X線回折スペクトルにおいて、前記炭素系インターカラントが封入された前記酸化物の層間に基づく1又は2以上の回折ピークと、前記炭素系インターカラントの単層構造に基づく1又は2以上回折ピークと、を備える、請求項10に記載の材料。
- 前記六方結晶はグラファイトである、請求項10又は11に記載の材料。
- 前記炭素系インターカラントはフラーレンである、請求項10〜12のいずれかに記載の材料。
- 請求項9〜13のいずれかに記載の層間化合物材料を含有する、潤滑用組成物。
- 請求項9〜13のいずれかに記載の層間化合物材料を含有する潤滑層を備える、潤滑材料。
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- 2008-08-29 JP JP2008221502A patent/JP2010053000A/ja active Pending
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