JP2004217063A - エアバッグ取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグ展開時の部分パッドの車両後方への抜けを確実に防止することができるようにする。
【解決手段】インストルメントパネル1に開口部4を形成すると共に、裏面にエアバッグリッド5およびエアバッグリッド5の周囲を補強する補強枠13を有する部分パッド6を設け、部分パッド6を、インストルメントパネル1の上面に対し補強枠13が開口部4内に配置されるよう取付け、補強枠13から車両前後方向2前方へ延びる補強アーム35を設け、インストルメントパネル1裏面の補強アーム35先端と対応する位置に係止部36を設け、補強アーム35の先端に係止部材37を取付けて、係止部材37を係止部36に車両前後方向2後方へ移動不能に係止するようにしている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エアバッグ取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両には、インストルメントパネルの助手席側部分にエアバッグが取付けられている。
【0003】
この助手席側のエアバッグには、インストルメントパネルに開口部を形成すると共に、裏面にエアバッグリッドおよび該エアバッグリッドの周囲を補強する補強枠を有する部分パッドを設け、この部分パッドを、インストルメントパネルの上面に補強枠が開口部内に配置されるよう取付け、補強枠に対してエアバッグ本体を収容したエアバッグモジュールを取付けると共に、エアバッグモジュールを車体側メンバに固定するようにしたものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなエアバッグでは、荷重入力時にエアバッグモジュールからエアバッグ本体が膨出してエアバッグリッドを開成し、その後、エアバッグ本体は車室内後方へ展開して、乗員を保護するように機能する。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−220018号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
エアバッグの車室内への展開時に、部分パッドには車両後方へ向かう力が作用するため、インストルメントパネルから部分パッドが外れて後方へ飛散する(部分パッドの後方抜け)のを防止する必要があり、従来は、部分パッドのインストルメントパネルに対する止め点を増やすことなどによって対応しているが、止め点を増やすのには限界があり、止め点を増やすことなく有効に部分パッドの後方抜けを防止できる構造が要望されていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、エアバッグ展開時の部分パッドの車両後方への抜けを確実に防止することができるエアバッグ取付構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、インストルメントパネルに開口部を形成すると共に、裏面にエアバッグリッドおよび該エアバッグリッドの周囲を補強する補強枠を有する部分パッドを設け、該部分パッドを、インストルメントパネルの上面に対し前記補強枠が開口部内に配置されるよう取付け、前記補強枠から車両前後方向前方へ延びる補強アームを設け、インストルメントパネル裏面の前記補強アーム先端と対応する位置に係止部を設け、前記補強アームの先端に係止部材を取付けて、該係止部材を前記係止部に車両前後方向後方へ移動不能に係止可能としたエアバッグ取付構造を特徴としている。
【0009】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、補強枠から車両前後方向前方へ延びる補強アームを設け、インストルメントパネル裏面の補強アーム先端と対応する位置に係止部を設け、補強アームの先端に係止部材を取付けて、係止部材を係止部に車両前後方向後方へ移動不能に係止可能としたことにより、エアバッグ展開時の部分パッドの車両後方への抜けを確実に防止することができる。
【0010】
請求項2に記載された発明では、前記係止部材は、係止部に形成した孔部を貫通し、補強アーム先端に下方から螺着されるネジ部材とされ、該ネジ部材が上下2箇所で前記孔部の端部に係止されるよう構成した請求項1記載のエアバッグ取付構造を特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、前記補強アームの先端に取付けられた係止部材が係止部の孔部を貫通すると共に、係止部材が上下2箇所で孔部の端部に係止するようにしたことによって、より確実に係止部材に係止部を係止させることができる。
【0012】
請求項3に記載された発明では、前記孔部の下側の端部の両側を延長してU溝部を形成し、補強アームの先端と前記ネジ部材の頭部との間でU溝部の周囲を挟着し得るよう構成した請求項2記載のエアバッグ取付構造を特徴としている。
【0013】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、前記補強アームの先端と前記ネジ部材の頭部との間で孔部の下側の端部のU溝部の周囲を挟着するようにしたことにより、補強アームと係止部との係止状態をより緊密にすることができ、且つ、補強アームの上下方向のガタ付きを押さえることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0015】
図1〜図6は、この発明の実施の形態を示すものである。
【0016】
まず、構成を説明すると、自動車などの車両には、車室内前部に、図1に示すようなインストルメントパネル1が設けられている。なお、図中、符号2は車両前後方向である。そして、インストルメントパネル1の助手席側部分に、エアバッグ3が取付けられている。
【0017】
この助手席側のエアバッグ3は、以下のように構成されている。即ち、図2に示すように、インストルメントパネル1に上下面を貫通する開口部4を形成する。このインストルメントパネル1は、例えば、単層のハードパネルとされる。
【0018】
そして、裏面にエアバッグリッド5を有する部分パッド6を設ける。部分パッド6は、例えば、表皮7と芯材8との間に発泡層9を形成した3層構造のソフトパッドとされる。エアバッグリッド5は、例えば、芯材8に車両左右方向に長いエアバッグ膨出開口10を形成し、このエアバッグ膨出開口10を覆うように略矩形状の金属ドア部材11を配置し、金属ドア部材11の一側端縁部を芯材8におけるエアバッグ膨出開口10の縁部上面に重ね合わせて、図3に示すように、重なり部分を上方からボルト12で金属ドア部材11を芯材8に固定することにより形成される。この金属ドア部材11を取付けた芯材8と表皮7とを発泡型に入れて、間に発泡剤を注入することにより、部分パッド6が一体的に成形される。なお、この例では、金属ドア部材11は芯材8のエアバッグ膨出開口10に対し前後に2枚配置され、エアバッグ膨出開口10の前後の縁部に金属ドア部材11の一側端縁部がそれぞれ固定されて、各金属ドア部材11の一側端縁部とは反対側の他側端縁部間にはギャップを形成し、いわゆるH開きするようにされているが、金属ドア部材11を1枚として、いわゆるU時開きするようにしても良い。
【0019】
この部分パッド6の裏面にエアバッグリッド5の周囲を補強する補強枠13を取付ける。補強枠13は、例えば、図6に示すように、横長な枠状を呈しており、補強枠13の対向する長辺部には部分パッド6へ取付けるための取付部分42を有しており、この取付部分42には取付孔43が形成され、この取付孔43に例えば金属ドア部材11を芯材8に固定するボルト13が挿入螺着され取付けられ、また、補強枠13の短辺部には、エアバッグモジュール25を取付けるためのエアバッグモジュール取付部44を有し、このエアバッグモジュール取付部44には、エアバッグモジュール25を螺着固定するためのネジ孔が形成されている。
【0020】
上記部分パッド6を、インストルメントパネル1の上面に対し、補強枠13が開口部4内に配置されるよう取付ける。部分パッド6のインストルメントパネル1への取付けは、例えば、以下のようにする。先ず、インストルメントパネル1における部分パッド6の前縁部と対応する位置に、部分パッド6の厚味と略同程度の高低差の段差部14を形成する。この段差部14に嵌合孔15(または嵌合凹部15)を形成すると共に、部分パッド6の前縁部に嵌合凸部16を形成し、嵌合孔15(または嵌合凹部15)に嵌合凸部16を嵌合させるようにする。更に、図4に示すように、インストルメントパネル1の段差下部17に取付座18を形成すると共に、部分パッド6の裏面の対応する位置に取付座18へ当接可能なボス部19を形成し、インストルメントパネル1の裏面側から車両前後方向2後方へ向け、取付座18に形成した取付孔20を通してボス部19にネジ21を螺着するようにする。なお、インストルメントパネル1の型抜きの関係上、ネジ21は、車両前後方向2後方へ取付けるようにされている。
【0021】
そして、図5に示すように、補強枠13に対して図示しないエアバッグ本体を収容したエアバッグモジュール25を取付ける。エアバッグモジュール25は、例えば、ネジ26を用いて補強枠13の側部に下側から固定される。更に、エアバッグモジュール25を車体側メンバ27に固定する。エアバッグモジュール25は、例えば、ブラケット28を介して間接的に車体側メンバ27に固定される。
【0022】
なお、図2〜図5中、符号30はフロントウインドウである。
【0023】
この実施の形態のものでは、図1、図2、図6に示すように、補強枠13(の取付部分42)から(部分パッド6の裏面に沿って)車両前後方向2前方へ延びる補強アーム35を設ける。補強アーム35は、例えば、補強枠13の前縁部にその後端を溶接固定されている。なお、補強アーム35は、2本設けられているが、これに限るものではない。
【0024】
そして、図1、図2に示すように、インストルメントパネル1裏面の補強アーム35先端と対応する位置に係止部36を設ける。更に、補強アーム35の先端に(略上下方向へ延びる)係止部材37を取付けて、係止部材37を係止部36に車両前後方向2後方へ移動不能に係止可能とする。
【0025】
特に、係止部材37は、係止部36に形成した孔部38を貫通して、補強アーム35先端に形成したネジ孔に下方から螺着されるネジ部材39とされ、ネジ部材39が上下2箇所で孔部38の端部に係止されるようにしても良い。なお、上下2箇所の孔部38とは、例えば、上記段差部14の嵌合孔15(嵌合凹部15)を利用し、嵌合孔15の下面側に一方の孔部38を形成し、また、上面側に他方の孔部38を形成している。
【0026】
更に、係止部材37をネジ部材39としたことに伴い、孔部38の下側の端部の両側を延長してU溝部40を形成し、補強アーム35の先端とネジ部材39の頭部41との間でU溝部40の周囲を挟着し得るようにしても良い。
【0027】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【0028】
荷重入力時にエアバッグモジュール25からエアバッグ本体が膨出してエアバッグリッド5を開成し、その後、エアバッグ本体は車室内後方へ展開して、乗員を保護するように機能する。
【0029】
この実施の形態では、補強枠13から(部分パッド6の裏面に沿って)車両前後方向2前方へ延びる補強アーム35を設け、インストルメントパネル1裏面の補強アーム35先端と対応する位置に係止部36を設け、補強アーム35の先端に(略上下方向へ延びる)係止部材37を取付けて、係止部材37を係止部36に車両前後方向2後方へ移動不能に係止可能としたことにより、エアバッグ3展開時の部分パッド6の車両後方への抜けを確実に防止することができる。
【0030】
この際、係止部材37を略上下方向へ延びるものとしたことにより、インストルメントパネル1の裏面側から補強アーム35の先端に対して容易に係止部材37を取付けることができ、且つ、係止部材37によって確実にインストルメントパネル1裏面の係止部36に係止させることができる。
【0031】
また、略上下方向へ延びる係止部材37をインストルメントパネル1裏面に形成された係止部36に車両前後方向2へ移動不能に係止させるようにしたことにより、複雑なスライド型を用いなくても一方向に開閉する型のみによって係止部36をインストルメントパネル1に形成することができる。
【0032】
更に、補強アーム35の先端に取付けられた係止部材37が係止部36の孔部38を貫通すると共に、係止部材37が上下2箇所で孔部38の端部に係止するようにしたことによって、より確実に係止部材37に係止部36を係止させることができる。
【0033】
加えて、補強アーム35の先端とネジ部材39の頭部41との間で孔部38の下側の端部のU溝部40の周囲を挟着するようにしたことにより、補強アーム35と係止部36との係止状態をより緊密にすることができ、且つ、補強アーム35の上下方向のガタ付きを抑えることができる。
【0034】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。
【0035】
例えば、補強アームの先端に取付けられる係止部材は上下方向のみに限定されるものではなく、水平方向に延びる係止部材とすることも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、補強枠から車両前後方向前方へ延びる補強アームを設け、インストルメントパネル裏面の補強アーム先端と対応する位置に係止部を設け、補強アームの先端に係止部材を取付けて、係止部材を係止部に車両前後方向後方へ移動不能に係止可能としたことにより、エアバッグ展開時の部分パッドの車両後方への抜けを確実に防止することができる。
【0037】
請求2項の発明によれば、補強アームの先端に取付けられた係止部材が係止部の孔部を貫通すると共に、係止部材が上下2箇所で孔部の端部に係止するようにしたことによって、より確実に係止部材に係止部を係止させることができる。
、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【0038】
請求項3の発明によれば、補強アームの先端とネジ部材の頭部との間で孔部の下側の端部のU溝部の周囲を挟着するようにしたことにより、補強アームと係止部との係止状態をより緊密にすることができ、且つ、補強アームの上下方向のガタ付きを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるインストルメントパネルと部分パッドを示す部分的な斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図1のD−D断面図である。
【図6】補強枠の斜視図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 車両前後方向
4 開口部
5 エアバッグリッド
6 部分パッド
13 補強枠
35 補強アーム
36 係止部
37 係止部材
38 孔部
39 ネジ部材
40 U溝部
41 頭部

Claims (3)

  1. インストルメントパネルに開口部を形成すると共に、裏面にエアバッグリッドおよび該エアバッグリッドの周囲を補強する補強枠を有する部分パッドを設け、該部分パッドを、インストルメントパネルの上面に対し前記補強枠が開口部内に配置されるよう取付け、前記補強枠から車両前後方向前方へ延びる補強アームを設け、インストルメントパネル裏面の前記補強アーム先端と対応する位置に係止部を設け、前記補強アームの先端に係止部材を取付けて、該係止部材を前記係止部に車両前後方向後方へ移動不能に係止可能としたことを特徴とするエアバッグ取付構造。
  2. 前記係止部材は、係止部に形成した孔部を貫通し、補強アーム先端に下方から螺着されるネジ部材とされ、該ネジ部材が上下2箇所で前記孔部の端部に係止されるよう構成したことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ取付構造。
  3. 前記孔部の下側の端部の両側を延長してU溝部を形成し、補強アームの先端と前記ネジ部材の頭部との間でU溝部の周囲を挟着し得るよう構成したことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ取付構造。
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