JP2004217016A - 車輌異常検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輌に搭載されるエンジン等の車載機器の状況に応じた診断内容を検知して車輌の使用者等に報知することができる車輌異常検知装置を提供すること。
【解決手段】今回診断メモリに記憶されている診断コードと過去診断メモリに記憶されている全ての診断コードとを比較する(S22)。比較によって、両診断メモリに記憶される診断コードが不一致の場合は(S23:No)、S22の比較に用いた診断コードは、車輌が今回始動されてから初めて検知されたものであるので、S22の比較に用いた診断コードに対応する音声メッセージを音声メモリから読み出して(S25)、その音声メッセージを続けて2回再生する(S26,S27:No)。これによって、診断コードに対応した車輌の異常を示す診断内容を音声により車輌の使用者に報知することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】今回診断メモリに記憶されている診断コードと過去診断メモリに記憶されている全ての診断コードとを比較する(S22)。比較によって、両診断メモリに記憶される診断コードが不一致の場合は(S23:No)、S22の比較に用いた診断コードは、車輌が今回始動されてから初めて検知されたものであるので、S22の比較に用いた診断コードに対応する音声メッセージを音声メモリから読み出して(S25)、その音声メッセージを続けて2回再生する(S26,S27:No)。これによって、診断コードに対応した車輌の異常を示す診断内容を音声により車輌の使用者に報知することができる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌に搭載されるエンジン等の車載機器の状況に応じた診断内容を検知して車輌の使用者等に報知することができる車輌異常検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などの車輌には、それに搭載されるエンジン、オートマチックトランスミッション、メータ機器などの各種の車載機器を制御する電子機器である電子制御ユニット(以下「ECU」と称す)が搭載されている。ECUは、車輌の各部位に設置された各種センサから出力される検出信号に基づいて車載機器の状態を検知し、その検知結果に基づいて各車載機器を適切に制御するためのものである。例えば、エンジンを制御する場合、ECUでは、各種センサにより車速、エンジン回転数、エンジン水温などを検知して燃料噴射時間や点火時期などを制御するのである。
【0003】
ところで、現存する車輌の殆どは、車載機器の制御がECUにより行われており、従前のように一般的なサーキットテスターによる電流又は電圧測定では、車輌内の故障部位を特定することが極めて困難となっている。そこで、近年の車輌の故障診断では、車載されたECUとの間で各種データの通信機能を有したダイアグテスタ等と称される外部故障診断器が広く利用されている(実開平2−84485号公報参照)。
【0004】
ECUは、各種センサの出力データに基づいて車載機器の動作状況を逐次診断しており、その診断内容に応じた診断コードをECUの記憶装置に記憶すると共に、車載機器に異常状況が発生した時点の各種センサの出力データやそれに基づいて演算された各種演算データ等を診断コードに関連づけて記憶するように構成されている。外部故障診断器によれば、車輌に設けられたダイアグノーシス端子と接続され、かかるダイアグノーシス端子を介してバスラインに接続されたECUとデータ通信を行って、診断コードや異常発生時の各種データをECUから取得し、その取得した診断コードや各種データに基づいて車載機器の異常診断が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した外部故障診断器は、車輌の使用者等の一般消費者にまで普及している機器ではなく、主に車輌の整備事業者が使用する機器である。このため、車載機器の異常動作に起因してECUに何らかの異常を示す診断コードや各種データが記憶されている場合であっても、整備事業者へ車輌を持ち込み、その車輌を外部故障診断器により診断しなければならない。この際、車輌運行に支障を来すような状況であれば、素人でも容易に車輌の異常を認識することができ、即座に整備事業者へ修理依頼をすることもできるが、車輌運行可能な状態である場合にあっては、車輌使用者等が車輌の異常を認識できないため、かかる異常状態を放置してしまい車輌の具合が悪化してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車輌に搭載されるエンジン等の車載機器の状況に応じた診断内容を検知して車輌の使用者等に報知することができる車輌異常検知装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の車輌異常検知装置は、エンジン等の車載機器の状況を診断しその診断内容に応じた診断コードを記憶する制御ユニットとその制御ユニットと通信可能に接続されるダイアグノーシス端子とを備えた車輌に搭載可能であって、ダイアグノーシス端子と接続可能な接続端子と、その接続端子とダイアグノーシス端子とが接続され且つ車輌が始動開始された場合に制御ユニットから診断コードを定期的に取得する取得手段と、その取得手段により今回取得された診断コードと車輌の始動開始からその取得手段の前回実行迄に取得された過去の診断コードとが一致するか否かを判断する判断手段と、その判断手段による判断の結果、今回の診断コードが過去の診断コードと不一致である場合にのみ、今回の診断コードに対応する診断内容を音声により報知する報知手段とを備えている。
【0008】
この請求項1記載の車輌異常検知装置によれば、車輌の制御ユニットに記憶されている診断コードは、取得手段によって車輌の始動開始から定期的に取得される。この取得される診断コードは、判断手段によって、車輌が始動されてから取得手段の前回実行までに取得された過去の診断コードと一致する否かが判断される。判断の結果、今回取得した診断コードと過去に取得した診断コードとが不一致である場合、今回取得した診断コードに対応する診断内容は、車輌の始動開始から初めて検知されたものと判明する。よって、かかる場合には、今回取得した診断コードに対応する診断内容が報知手段によって車輌の乗員や使用者などに音声により報知される。
【0009】
その一方、判断手段によって今回取得した診断コードと過去に取得した診断コードとが一致する場合には、今回取得した診断コードに対応する診断内容は、車輌の始動開始から現時点までに既に報知済みである。よって、かかる場合には報知手段による診断内容の報知が行われず、同一の診断内容についての重複した報知動作が防止される。
【0010】
請求項2記載の車輌異常検知装置は、請求項1記載の車輌異常検知装置において、前記判断手段は、車輌の始動開始から前記取得手段の前回実行迄に取得された診断コードのうち、車載機器の異常発生を示す診断コードを記憶する記憶手段と、前記取得手段により異常発生を示す診断コードが取得された場合にその取得された診断コードと前記記憶手段に記憶される診断コードとを比較する比較手段とを備え、前記報知手段は、その比較手段による比較の結果、今回取得された診断コードと前記記憶手段に記憶される診断コードとが不一致である場合にのみ、今回の診断コードに対応する診断内容を音声により報知するものである。
【0011】
この請求項2記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1記載の車輌異常検知装置と同様に作用する上、車輌の異常発生を示す診断コードは、車輌の始動開始から記憶手段へ順次記憶される。この記憶手段に記憶された診断コードは、比較手段によって取得手段により今回取得された診断コードと比較され、この比較の結果、今回取得された診断コードと記憶手段に記憶される診断コードとが不一致である場合にのみ、報知手段によって、今回取得の診断コードに対応する診断内容が音声により報知される。即ち、車載機器に何ら異常がない旨を示す診断コードを取得手段が取得した場合には、その旨の報知はなされないのである。
【0012】
請求項3記載の車輌異常検知装置は、請求項2記載の車輌異常検知装置において、車輌が始動された場合に前記記憶手段を初期化する初期化手段を備えている。
【0013】
請求項3記載の車輌異常検知装置によれば、請求項2記載の車輌異常検知装置と同様に作用する上、車輌が始動された場合、記憶手段は初期化手段により初期化されるので、前回の車輌運行中に記憶された診断コードが記憶手段から消去される。よって、前回の車輌運行から今回の車輌運行迄の間に車載機器の異常状況の改善がなされずに車輌が再び始動された場合、前回の車輌運行中に報知されたものと同一の診断内容が報知手段により今回の車輌の始動開始後に報知される。
【0014】
請求項4記載の車輌異常検知装置は、請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置において、通信回線を介して外部装置と各種データの送受信が可能な携帯端末を接続可能な通信端子と、その通信端子に接続される携帯端末を介して前記外部装置からの要求を受信する受信手段と、その受信手段により前記外部装置から要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットにより管理されるデータを、車輌の制御ユニットから取得して前記外部装置へ送信する取得送信手段とを備えている。
【0015】
請求項4記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置と同様に作用する上、通信端子に携帯端末が接続され、通信回線を介して外部装置から各種データの要求がなされると、その要求が携帯端末を介して受信手段により受信される。外部装置からの要求が受信手段により受信されると、車輌の制御ユニットにて管理されるデータは、取得送信手段によって、車輌の制御ユニットから取得され外部装置へ送信される。よって、外部装置は、遠隔地にある車輌の制御ユニットが管理するデータを取得することができる。
【0016】
請求項5記載の車輌異常検知装置は、請求項4記載の車輌異常検知装置において、車輌の制御ユニットは、車載機器に異常が発生した場合、その異常発生時における各種センサの出力情報を、その異常発生時の診断コードに対応つけて記憶するものであり、前記取得送信手段は、前記受信手段により前記外部装置から要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットに記憶された診断コード及びその診断コードに対応する各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットから取得して前記外部装置へ送信するものである。
【0017】
請求項6記載の車輌異常検知装置は、請求項4又は5に記載の車輌異常検知装置において、前記取得送信手段は、前記受信手段により前記外部装置からの要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットへ入力される各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットを介して取得して前記外部装置へ送信するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の車輌異常検知装置の一実施例である異常検知器30(図2参照)が搭載された自動車などの車輌2を含む車輌異常検知システム1の概念図である。
車輌異常検知報知システム1は、複数の車輌2,2,2と、公衆電話回線網3と、車輌2を整備する整備工場やディーラ(以下「整備事業者等」という。)が利用するパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)4とを備えている。
【0019】
複数の車輌2,2,2のそれぞれは後述する携帯電話50を介して公衆電話回線網3と接続可能とされ、整備事業者等のPC4は電話線5を介して公衆電話回線網3と接続されている。このシステム1によれば、車輌2のエンジン等の車載機器(図示せず)の状況に関するデータ等は、図2に示す携帯電話50が接続された異常検知器30によって、公衆電話回線網3を介して整備事業者等のPC4へ送信される。
【0020】
図2は、車輌2の電気的構成を示したブロック図であって、その車輌2と異常検知器30との接続状態を示した図である。図2には、車載機器であるエンジン(図示せず)を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)11が図示されており、このECU11は、バスライン18を介して、車輌本体10に搭載されるオートマチック・トランスミッション、ブレーキシステム、エアーバックシステムなどの他の車載機器を制御する他のECU(図示せず)と接続されている。
【0021】
ECU11は、主に、マイコン12と入出力回路17とを備えており、図示は省略するが、イグニッションスイッチを介して車載バッテリと接続された電源回路によって、イグニッションスイッチがオンされた場合に電力供給されて作動される。マイコン12は、演算装置であるCPU13と、書換不能な不揮発性メモリであるROM14と、書換可能な揮発性メモリであるRAM15とを備えており、これらのCPU13、ROM14及びRAM15がバスラインを介してI/Oポート16と接続されている。
【0022】
I/Oポート16には入出力回路17が接続されており、この入出力回路17には、A/F(空燃比)センサ21、エンジン回転数を検出する回転センサ22、エアフローメータ23、水温センサ24、スロットルセンサ25、スタータスイッチ26などが接続されている。マイコン12によれば、ROM14に記憶されている制御プログラムがCPU13により実行されると、入出力回路17及びI/Oポート16を介して各種センサ等21〜26の出力信号が入力され、それに基づいてエンジンが最適な動作をするように、インジェクタ27やイグナイタ28へ制御信号が出力される。
【0023】
また、マイコン12では、ROM14に記憶される制御プログラムに従い、各種センサ等21〜26の出力信号に基づいて、エンジンの始動開始後から定期的にエンジンの動作状況に関する自己診断が実行されており、この自己診断に基づいた診断内容を示す診断コードが生成されている。具体的に、マイコン12は、エンジンの動作状況が正常な場合にはその旨を示す診断コード(正常コード)を、エンジンの動作状況が異常な場合にはその症状に応じて異なった診断コード(異常コード)を生成するものである。
【0024】
なお、診断コードの例示としては、エンジン正常時に生成される正常コードとしての「P0000」、或いは、異常コードとしてエミッション(排ガス)不良時に生成される「P0130」や、ノッキングレベル悪化時に生成される「P0325」などが挙げられる。
【0025】
更に、マイコン12による自己診断によって、エンジンの動作状況に異常が確認された場合には、その異常発生時の各種センサ等21〜26の出力信号に基づいて得られるデータである異常発生時保存データが、その異常内容を示す診断コードに対応づけられてマイコン12のRAM15へ記憶される。異常発生時保存データの具体例としては、例えば、エンジン負荷、エンジン水温、吸入管絶対圧力、エンジン回転数、車速、及び、その他のエンジンの動作状況を示す各種データが該当する。
【0026】
なお、RAM15にはイグニッションスイッチを介さずに車載バッテリからの電力供給を受けるバックアップ電源回路が接続されており、RAM15に記憶されるデータはイグニッションスイッチのオフ時(車輌停止時)でも保持される。
【0027】
ECU11の入出力回路17には、ダイアグノーシス端子29が接続されており、このダイアグノーシス端子29にはケーブルCB1を介して異常検知器30が接続されている。この異常検知器30は、またケーブルCB2を介して携帯電話50と接続可能とされており、この携帯電話50を介することで公衆電話回線網3を経て整備事業者等のPC4と各種データの送受信が可能となるのである。
【0028】
図3は、異常検知器30の電気的構成を示したブロック図である。図3に示すように、異常検知器30には、CPU31、ROM32、RAM33、音声メモリ34、計時回路35,音声LSI36、モデム37、通信機器用端子37a、バッファ38、アンプ39及びインターフェイス41が設けられており、これらはバスライン43を介して互いに接続されている。この異常検知器30は、ダイアグノーシス端子29に接続される外部接続端子42を介して上記したECU11の電源回路と接続されており、イグニッションスイッチがオンされた場合にECU11の電源回路から電力供給される。
【0029】
CPU31は、携帯電話50を介して送受信される各種信号に基づいて、バスライン43に接続された各部を制御し、異常発生時の音声報知動作やPC4とのデータ送受信動作などを実行する。ROM32は、この異常検知器30で実行される制御プログラム32aなどを格納した書換不能なメモリであり、図5から図8のフローチャートに示すプログラムは、この制御プログラム32aの一部としてROM32内に格納されている。
【0030】
RAM33は、異常検知器30の各動作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、送受信メモリ33a、今回診断メモリ33b、過去診断メモリ33c、診断周期メモリ33d、正常コードメモリ33eなどを備えている。なお、RAM33には、上記したECU11のバックアップ電源回路が接続されており、RAM33に記憶されるデータはイグニッションスイッチのオフ時(車輌停止時)でも保持される。
【0031】
送受信メモリ33aは、異常検知器30がPC4又はECU11との間で送受信する各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。送受信メモリ33aに記憶される各種のデータとしては、上述したECU11のRAM15に記憶される診断コード、異常発生時保存データ、各種センサ等21〜26の出力信号、その出力信号に基づいて得られる各種の現時点データ、PC4からの各種データや各種コマンドなどがある。
【0032】
今回診断メモリ33bは、ECU11のRAM15から取得された最新の診断コードを記憶するためのメモリであり、過去診断メモリ33cは、車輌の始動開始(イグニッションスイッチのオン)から現時点までに発生した異常(故障)内容を示す診断コードの内で、既に異常内容に関する音声報知が済んでいる診断コードを記憶するためのメモリである。
【0033】
診断周期メモリ33dは、ECU11のRAM15から診断コードを定期的に取得する場合に、その取得動作を実行するための時間間隔である診断周期を記憶するためのメモリである。車輌の始動開始直後にCPU31により最初の診断コードの取得された後は、この診断周期メモリ33dに記憶される診断周期の値分の時間が経過する毎に、ECU11のRAM15から診断コードが取得される。
なお、ECU11では、この診断周期メモリ33dに記憶される診断周期より短いスパンで自己診断が繰り返し実行されている。
【0034】
正常コードメモリ33eは、ECU11のマイコン12が生成する診断コードの内で、エンジンが正常動作する場合に発生する診断コードである正常コードの値(内容)を記憶するためのメモリであり、上記の診断コードの例示によれば「P0000」を記憶するためのメモリである。ECU11のRAM15から取得した診断コードが正常コードメモリ33eに記憶される診断コード(正常コード)と一致する場合、異常検知器30では、エンジンが正常動作しているものと判断できる。
【0035】
音声メモリ34は、複数種類ある診断コードが示す異常内容に対応した音声メッセージをそれぞれ記憶するためのメモリである。計時回路35は、時刻の計時を行うためのものであり、計時回路35により計時された時刻はCPU31によって読み出され、各処理に使用される。音声LSI36は、異常検知器30内で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してアンプ39へ出力する音声合成処理を行うためのものであり、アンプ39は、音声LSI36から出力されたアナログ音声信号を増幅してスピーカ40へ出力するものである。
【0036】
モデム37は、通信データを変調及び復調して伝送すると共に伝送制御用の各種手続信号を送受信するためのものであり、一端に携帯電話50が接続可能なケーブルCB2の他端と接続可能な通信機器用端子37aを備えている。バッファ38は、PC4との間で送受信される通信データを一時的に記憶するためのものである。PC4へ送信される各種データや各種コマンドは、送受信メモリ33aに一旦記憶され、このバッファ38を経由してモデム37により変調される。一方、PC4から受信した各種データや各種コマンドは、モデム37により復調され、バッファ38を経由して、送受信メモリ33aに記憶される。
【0037】
インターフェイス41は、セントロニクス規格に準拠したパラレルインターフェイスであり、異常検知器30は、このインターフェイス41に接続された外部接続端子42と、その外部接続端子42に接続されるケーブルCB1を介して、車輌2のECU11とデータの送受信が可能にされている。携帯電話50は、公衆電話回線網3からの呼出信号に対応する応答等の動作を行う携帯型の通信端末であり、異常検知器30は、この携帯電話50を介して公衆電話回線網3に接続される。
【0038】
図4は、整備事業者等のPC4の電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、PC4は、演算装置であるCPU61と、そのCPU61で実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM62と、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM63と、入出力ポート65、ハードディスク(以下「HD」という。)66、モデム67、インターフェイス68、ディスプレイ69、マウス70、キーボード71を備えている。
【0039】
RAM63は、ダイヤルカウンタ63aと、受信メモリ63bとを備えている。ダイヤルカウンタ63aは、異常検知器30に接続された携帯電話50への発呼回数をカウントするためのものであり、このダイヤルカウンタ63aの値が所定値、例えば、3回となった場合に、携帯電話50への発呼処理を中止するのである。受信メモリ63bは、携帯電話50を介して故障検知報知器30から受信した各種の通信データを記憶するためのメモリである。この受信メモリ63bに記憶された通信データは、HD66に記憶されたり、或いは、インタフェイス68を介して外部診断器80へ出力される。
【0040】
HD66には、各種の制御プログラム66aが記憶されており、図9及び図10のフローチャートに示すプログラムは、この制御プログラム66aの一部としてHD66内に格納されている。また、CPU61、ROM62、RAM63は、バスライン64を介して互いに接続されており、バスライン64はまた、入出力ポート65にも接続されている。入出力ポート65には、HD66、モデム67、インターフェイス68、ディスプレイ69、マウス70及びキーボード71がそれぞれ接続されている。
【0041】
PC4は、モデム67を介して電話線5と接続され、この電話線5を介して公衆電話回線網3と接続されている。また、PC4は、セントロニクス規格に準拠したパラレルインターフェイスであるインターフェイス68に接続されたケーブルCB3を介して、外部診断器80との間で各種のデータやコマンドの送受信を行っている。ここで、外部診断器80とは、従来より車輌2のダイアグノーシス端子29と接続され、ECU11から診断コード、異常発生時保存データ又は現時点データを読み出して表示するために使用されていたものである。後述する図9又は図10で受信された各種データは、PC4の受信メモリ63bからインターフェイス68を介して外部診断器80へ送信される。外部診断器80では、PC4より受信した各種データを解析して車輌2に発生した異常を示す診断内容や各種の数値データ値を表示することができる。この表示に基づいて整備事業者等は車輌2の状況を把握することができるのである。
【0042】
次に、上記のように構成された車輌異常検知システム1の各処理について、図5から図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図5から図8に示す処理は、異常検知器30で実行されるものであり、図9及び図10に示す処理は、PC4で実行されるものである。
【0043】
図5は、異常検知器30による診断コード取得処理のフローチャートであり、この処理は、まず、イグニッションスイッチのオン(車輌2の始動開始)と同時に実行される。この処理が実行されると、まず、1分間の計時を開始して(S1)、その計時が終了するまで処理を待機し(S2:No)、1分間が経過すると(S2:Yes)、過去診断メモリ33cをクリアする(S3)。このクリアによって、車輌2が前回始動されてから停止される迄に過去診断メモリ33cに記憶された診断コードが消去される。
【0044】
S3の処理後、診断周期メモリ33dに10分をセットし(S4)、そのセットした値分の計時を開始した(S5)後、ECU11のRAM15に記憶されている診断コードの送信をECU11に対して要求する(S6)。その要求の後、ECU11からのデータ受信を待ち(S7:No)、データ受信を確認したら(S7:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶へすると共に、その送受信メモリ33aに記憶されたデータに診断コードがあるか否かをチェックする(S8)。
【0045】
送受信メモリ33aに診断コードが記憶されていれば(S8:Yes)、正常コードメモリ33eの正常コードに基づいて、受信した診断コードが正常コードであるか否かを判断する(S9)。受信した診断コードが正常コードであれば(S9:Yes)、S10からS13までの処理をスキップして、処理をS14へ移行する。一方、受信した診断コードが異常コードであれば(S9:No)、S7で受信した異常コードを今回診断メモリ33bへ書き込み(S10)、処理を次のステップ(S11)へ移行する。また、S7で受信して送受信メモリ33aに記憶されたデータが診断コードでなければ(S8:No)、車輌2が正常動作をしているものと判断されるので、S9及びS10の処理をスキップして、処理をS11へ移行する。
【0046】
S11へ移行した処理では、ECU11からのデータ受信が終了したか否かを判断する(S11)。具体的には、送受信メモリ33aに記憶されているデータに、ECU11からのデータ送信終了を示すデータ(又はコマンド)があるか否かをチェックし、そのようなデータを未受信の場合にはデータ受信が継続しているものと判断し(S11:No)、処理をS7へ移行する。一方、ECU11からデータ送信終了を示すデータを受信した場合、即ち、ECU11からのデータ受信が終了した場合には(S11:Yes)、今回診断メモリ33bにデータが記憶されているか否かをチェックする(S12)。
【0047】
今回診断メモリ33bにデータが記憶されている場合には(S12:Yes)、車輌2が異常動作しているものと判断し、その旨を車輌2の使用者に報知するために、異常発生報知処理を実行して(S13)、処理を次のステップ(S14)へ移行する。一方、今回診断メモリ33bにデータが存在しない場合には(S12:No)、車輌2が正常動作しているものと判断し、何も報知することなく、S13の処理をスキップして、処理をS14へ移行する。S14へ移行された処理では、S5で開始された計時が終了するまで待機し(S14:No)、計時が終了すると(S14:Yes)、処理をS5へ移行して、車輌2が停止されるまでS5からS14までの処理を繰り返し実行する。即ち、異常検知器30は、車輌2の始動開始後、S4により診断周期メモリ33dにセットされた値分の時間が経過する度に、車輌2のECU11のRAM15に記憶されている診断コードを確認するのである。
【0048】
図6は、図5に示した異常発生報知処理(S13)のフローチャートである。
図6に示すように、異常発生報知処理では、まず、今回診断メモリ33bに記憶されている最初の診断コードを読み出して(S21)、その読み出した診断コードと過去診断メモリ33cに記憶されている全ての診断コードとを比較する(S22)。この比較によって、両診断メモリ33b,33cに記憶される診断コードが一致する場合には(S23:Yes)、S22の比較に用いた診断コードに対応する診断内容については、車輌2が始動されてから現時点に至るまでに既に検知済みであるので、S24からS28までの処理を実行することなく、今回診断メモリ33bに記憶されている次の診断コードを読み出して(S30)、再びS22の比較を実行する。
【0049】
一方、S22の比較によって、両診断メモリ33b,33cに記憶される診断コードが不一致の場合、或いは、過去診断メモリ33cに診断コードが全く記憶されていない場合は(S23:No)、S22の比較に用いた診断コードは、車輌2が今回始動されてから初めて検知されたものであるので、まずは過去診断メモリ33cに書き加えられる(S24)。これにより、車輌2の今回始動から今回停止迄に発生した診断コードのうち、車輌2の異常動作を示すものが過去診断メモリ33cに蓄積されるのである。
【0050】
S24の処理後は、S22の比較に用いた診断コードに対応する音声メッセージを音声メモリ34から読み出して(S25)、その音声メッセージを続けて2回再生する(S26,S27:No)。これによって、診断コードに対応した車輌2の異常を示す診断内容を音声により車輌2の使用者に報知することができるのである。この報知後は(S27:Yes)、今回診断メモリ33bに記憶されている全ての診断コードについてS22の比較が完了したか否かを判断し(S28)、完了していなければ(S28:No)、今回診断メモリ33bに記憶されている次の診断コードを読み出して(S30)、S22の比較を実行する。よって、今回診断メモリ33bに複数の診断コードが記憶されている場合には、その全ての診断コードに対応する異常内容が全て音声により報知されるのである。
【0051】
一方、今回診断メモリ33bに記憶されている全ての診断コードについてS22の比較が完了した場合は(S28:Yes)、今回診断メモリ33bをクリアして(S29)、その今回診断メモリ33bに記憶されている全ての診断コードを消去し、この異常発生報知処理を終了する。
【0052】
図7は、異常検知器30によるデータ送信中継処理を示したフローチャートである。このデータ送信中継処理は、車輌2のECU11により管理される各種データを、異常検知器30が中継することによって、公衆電話回線網3を介して整備事業者等が使用するPC4へ送信する処理である。このデータ送信中継処理では、携帯電話50がケーブルCB2を介して通信機器用端子37aに接続されるまで処理が待機され(S31:No)、CPU31によって通信機器用端子37aに携帯電話50が接続されたことが検知されると(S31:Yes)、PC4からの着信要求があるまで待機する(S32:No)。その後、PC4からの着信要求があると(S32:Yes)、まず、1分間の計時を開始して(S33)、携帯電話50により応答信号を公衆電話回線網3へ送出する(S34)。
【0053】
応答信号の送出後、回線閉結が完了し(S35:Yes)、PC4から診断コードの送信を要求するコマンドを受信した場合には(S36:Yes)、現時点においてECU11のRAM15に記憶されている診断コードの送信を要求する(S38)。しかし、回線閉結が完了せず(S35:No)、1分間の計時が終了していなければ(S37:No)、処理をS34へ移行してPC4に対して応答信号を再送出する(S34)。また、回線閉結が完了した場合であっても(S35:Yes)、PC4から診断コードの送信を要求するコマンドを未受信の場合には(S36:No)、1分間の計時が終了していなければ(S37:No)、処理をS34へ移行してPC4に対して応答信号を再送出する(S34)。更に、回線閉結が未完了(S35:No)又はPC4から診断コードの送信を要求するコマンドを未受信(S36:No)であって、計時開始から1分が経過した場合には、このデータ送信中継処理を強制的に終了するのである。
【0054】
さて、ECU11に対して診断コードの送信を要求した(S38)後は、ECU11からのデータ受信を待ち(S39:No)、データ受信を確認したら(S39:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶すると共に、ECU11からのデータ受信が終了したか否かを判断する(S40)。ECU11からのデータ受信が終了するまでは(S40:No)、S39及びS40の処理を繰り返し、ECU11のRAM15に記憶される全ての診断コードを異常検知器30へ読み込む。
【0055】
一方、データ受信が終了した場合には(S40:Yes)、S39により受信した診断コードのうち1つを送受信メモリ33aから読み出してチェックする(S41)。このチェックの結果、診断コードが正常コードメモリ33eに記憶される正常コードと一致しない場合には(S42:「その他」)、S41でチェックした診断コードに対応する異常発生時保存データの送信をECU11に対して要求する(S43)。その要求の後は、ECU11からのデータ受信を待ち(S44:No)、データ受信を確認したら(S44:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶すると共に、ECU11からのデータ受信が終了したか否かを判断する(S45)。ECU11からのデータ受信が終了するまでは(S45:No)、S44及びS45の処理を繰り返す。この結果、S41でチェックした診断コードに対応する異常発生時保存データが診断コードと対応づけられて送受信メモリ33aに記憶されるのである。
【0056】
この異常発生時保存データの受信を終了した場合には(S45:Yes)、送受信メモリ33aに記憶されている全ての診断コードについてS41のチェックが終了したか否かを判断し(S46)、終了していなければ(S46:No)、処理をS41へ移行して送受信メモリ33aに記憶されている次の診断コードを読み出してチェックして(S41)、それ以降のS42からS46までの処理を実行する。この結果、S39により取得された全ての診断コードに対応する異常発生時保存データを異常検知器30へ読み込むことができる。
【0057】
また、S41により全診断コードのチェックがなされた場合(S46:Yes)、或いは、S41によりチェックされた診断コードが正常コードであった場合(S42:「正常コード」)、PC4に対して診断コード及び異常発生時保存データの送信準備が完了した旨を通知するため、PC4へ確認コマンドを送信する(S47)。その送信後は、ECU11から受信して送受信メモリ33aに記憶されている診断コードを1つずつチェックし(S48)、そのチェックした診断コードをPC4へ送信すると共に(S49)、そのチェックした診断コードが正常コードであるか否かを判断する(S50)。この判断で診断コードが正常コード以外であれば(S50:「その他」)、その診断コードに対応する異常発生時保存データをPC4へ送信する(S51)。
【0058】
異常発生時保存データの送信後(S51)或いは、S50によりチェックした診断コードが正常コードであった場合(S50:「正常コード」)であって、送受信メモリ33aに記憶されている全ての診断コードについてS50のチェックを終了していなければ(S52:No)、処理をS48へ移行して送受信メモリ33aに記憶されている次の診断コードをチェックし(S48)、それ以降のS49からS52までの処理を実行して、S39及びS44で受信した全ての診断コード及びそれに対応する異常発生時保存データをPC4へ送信する。
【0059】
S52により全診断コードのチェックがなされた場合(S52:Yes)、データ送信の終了を示す終了コマンドをPC4へ送信し(S53)、PC4からデータを受信するまで待機する(S54:No)。その後、PC4からデータを受信した場合には(S54:Yes)、その受信データがデータ送信中継処理の終了指示であるか否かを判断する(S55)。S54により受信したデータがPC4からの終了指示でなく(S55:No)、PC4による現時点データの送信要求であった場合は(S56:Yes)、現時点データ送信中継処理(S57)を実行した後に、処理をS54へ移行して、PC4からデータを受信するまで再び待機する(S54:No)。
【0060】
一方、S54により受信したデータがPC4からの終了指示であった場合(S55:Yes)、或いは、終了指示ではなくてもPC4による現時点データの送信要求でない場合(S55:No,S56:No)は、回線を開放して(58)、このデータ送信中継処理を終了する。
【0061】
図8は、図7に示した現時点データ送信中継処理(S57)のフローチャートである。現時点データ送信中継処理では、まず、図7のS56で受信した送信要求に対応する現時点データを、ECU11に対して要求し(S61)、ECU11からデータを受信するまで待機する(S62:No)。データ受信を確認したら(S62:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶すると共に、ECU11に要求した全データの受信を終了したか逐次チェックし(S63)、ECU11からのデータ受信が終了するまでS62及びS63の処理を繰り返す(S63:No)。この結果、S61で要求した全ての現時点データが送受信メモリ33aに記憶されるのである。
【0062】
ECU11からの現時点データの受信を終了した場合(S63:Yes)、PC4に対して現時点データの送信準備が整ったことを示すため、PC4へ確認コマンドを送信し(S64)、S62によりECU11から受信した現時点データをPC4へ送信する(S65)。この送信は、図7のS56で受信した送信要求に対応する全ての現時点データがPC4へ送信されるまで継続され(S66:No)、その全ての現時点データの送信が終了すると(S66:Yes)、現時点データの送信を終了する旨を宣言する終了コマンドをPC4へ送信して(S67)、この現時点データ送信中継処理を終了する。
【0063】
図9は、PC4によるデータ受信処理を示したフローチャートである。このデータ受信処理は、異常検知器30で実行されるデータ送信中継処理(図7参照)に対応して実行される処理であり、車輌2のECU11により管理される各種データを、異常検知器30を介してPC4により受信するための処理である。なお、上述したデータ送信中継処理は、PC4におけるデータ受信処理の実行を受けて、異常検知器30にて実行されるプログラムである。
【0064】
このデータ受信処理の前処理として、まず、車輌2の使用者は、異常検知器30に接続される携帯電話50の電話番号を、整備事業者等へ電話連絡などにより連絡する必要がある。また、車輌2の使用者は、電話番号が整備事業者等に連絡されている携帯電話50をケーブルCB2を介して異常検知器30の通信機器用端子37aに接続しておく必要がある。これらの前処理を受けて、以下のデータ受信処理が実行される。
【0065】
データ受信処理では、まず、ダイヤルカウンタ63aを初期化し(S71)、その後、被呼側となる携帯電話50の電話番号がキーボード71やマウス70により入力されると、その電話番号に基づいて携帯電話50へ発呼し(S72)、被呼側の携帯電話50からの応答があったか否かを確認する(S73)。被呼側の携帯電話50から応答があれば(S73:Yes)、異常検知器30に対して診断コードの送信を要求するコマンドを送信し(S74)、その後、異常検知器30から(図7のS47の処理により)送信される確認コマンドを受信するまで待機する(S75:No)。
【0066】
その後、確認コマンドを受信すると(S75:Yes)、異常検知器30からデータ(図7のS49で送信される診断コード又はS51で送信される異常発生時保存データ)を受信するまで待機し(S76:No)、そのデータの受信を開始すると(S76:Yes)、異常検知器30から(図7のS53の処理により)送信される終了コマンドを受信するまで、異常検知器30からのデータ受信を継続する(S77:No)。その後、終了コマンドを受信すると(S77:Yes)、ディスプレイ69に「現時点データを要求する場合は1を、処理を終了する場合は2を、入力してください」と表示し(S78)、PC4の操作者に対してキー入力を促す。
【0067】
ディスプレイ69への表示後(S78)、キー入力がされたか否かをCPU61により監視し、「1」又は「2」以外のキー入力があった場合にはS78の処理を再実行する(S79:「その他」,S78)。一方、「1」のキー入力があった場合は(S79:「1」)、PC4の操作者により現時点データを要求する意思表示があったものとして現時点データ受信処理を実行する(S80)。この現時点データ受信処理(S80)の終了後、或いは、S79により「2」のキー入力が確認された場合(S79:「2」)は、異常検知器30へ終了指示を送信し(S81)、回線を開放して(S82)、このデータ受信処理を終了する。なお、S81により送信された終了指示は、図7のS55の処理により異常検知器30にて受信される。
【0068】
ところで、被呼側の携帯電話50からの応答がなければ(S73:No)、被呼側の携帯電話50への発呼を一旦中断して(S83)、ダイヤルカウンタ63aに1を加算し(S84)、ダイヤルカウンタ63aの値が3を越えたか否かを確認する(S85)。ダイヤルカウンタ63aの値が3以下であれば(S85:No)、S72へ処理を移行して、被呼側の携帯電話50へ再度発呼するが(S72)、ダイヤルカウンタ63aの値が3を越えれば(S85:Yes)、ディスプレイ69に「接続できません」と表示して(S86)、このデータ受信処理自体を終了する。よって、被呼側の携帯電話50からの応答がなくても、最低3回は携帯電話50へ発呼が行われる。
【0069】
図10は、図9に示した現時点データ受信処理(S80)のフローチャートである。この現時点データ受信処理は、異常検知器30で実行される現時点データ送信中継処理(図8参照)に対応して実行される処理であり、車輌2の現時点データを異常検知器30を介してPC4により受信するための処理である。なお、上述した現時点データ送信中継処理は、PC4における現時点データ受信処理の実行を受けて、異常検知器30にて実行されるプログラムである。
【0070】
現時点データ受信処理では、まず、現時点データの送信を要求するコマンドを異常検知器30へ送信し(S91)、その後、異常検知器30から(図8のS64の処理により)送信される確認コマンドを受信するまで待機する(S92:No)。その後、確認コマンドを受信すると(S92:Yes)、異常検知器30から現時点データを受信するまで待機し(S93:No)、現時点データの受信を開始すると(S93:Yes)、異常検知器30から(図8のS67の処理により)送信される終了コマンドが受信されるまで、異常検知器30からのデータ受信を継続する(S94:No)。その後、終了コマンドを受信すると(S94:Yes)、ディスプレイ69に「現時点データを再要求する場合は1を、処理を終了する場合は2を、入力してください」と表示し(S95)、PC4の操作者に対してキー入力を促す。
【0071】
ディスプレイ69への表示後(S95)、キー入力がされたか否かをCPU61により監視し、「1」又は「2」以外のキー入力があった場合にはS95の処理を再実行する(S96:「その他」,S95)。一方、「1」のキー入力があった場合は(S96:「1」)、PC4の操作者により現時点データを要求する意思表示があったものとして、S91へ処理を移行して現時点データ受信処理を再実行する。また、S96により「2」のキー入力が確認された場合(S96:「2」)は、このデータ受信処理を終了する。
【0072】
なお、上記実施例において、請求項1記載の取得手段としては図5に示すS5及びS6の処理並びにS7のYesの分岐およびS14のYesの分岐が、判断手段としては図6のS22の処理が、報知手段としてはS23のNoの分岐ならびにS25及びS26の処理が、それぞれ該当する。請求項2記載の判断手段における比較手段としてはS22の処理が、報知手段としてはS23のNoの分岐ならびにS25及びS26の処理が、それぞれ該当する。請求項3記載の初期化手段としては図5のS3の処理が該当する。請求項4記載の受信手段としては図7のS36、S55又はS56の処理が、取得送信手段としては図7のS38からS40の処理、S43からS45の処理または図8のS61からS63の処理が、それぞれ該当する。請求項5記載の取得送信手段としては、図7のS43からS45の処理が該当する。請求項6記載の取得送信手段としては、図8のS61からS63の処理が該当する。
【0073】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0074】
例えば、本実施例では、図5のS9の処理によりS7の処理で受信した診断コードが正常コードである場合、その正常コードを今回診断メモリ33aに書き込むことを回避することで、車輌2が正常動作する場合における診断内容の音声報知を禁止したが、車輌2が正常動作する場合においても音声報知を実施しても良い。かかる場合、例えば、図5のS9の処理を削除してS8のYesの分岐をS10に繋げ、且つ、音声メモリ34に正常コードに対応する音声メッセージを記憶しておけば、車輌2が正常動作する場合にも、その旨の音声報知を行うことができる。また、本実施例では、診断周期メモリ33dに10分をセットしたが、かかる診断周期メモリ33dにセットされる時間は必ずしも10分に限定されるものではなく、図5のS1からS13までの処理の実行に要する時間より長ければ、10分未満または10分以上であっても良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明の車輌異常検知装置によれば、車載機器に何らかの異常が発生した場合には、報知手段によって、車輌の制御ユニットに記憶されている診断コードに対応する診断内容が音声により報知されるので、車輌の乗員や使用者に車輌の修理を促すことができるという効果がある。また、報知手段は、判断手段の判断結果に基づいて過去に既に報知済みの診断内容と同一内容のものを重ねて報知することを回避している。よって、運転者は車輌の運行中に同じ音声報知を何度も繰り返し聞く必要がなく注意力が散漫となることを防止できるという効果がある。
【0076】
更に、接続端子は、車輌に既設のダイアグノーシス端子と接続され制御ユニットと通信を行うので、本発明の車輌異常検知装置を車輌に容易に後付けすることができるという効果がある。しかも、診断内容の報知は、報知手段により音声により行われるので、運転者が表示装置等へ視線を移して診断内容を確認する必要がなく、車輌運行の安全を図ることができるという効果がある。
【0077】
請求項2記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、車輌の車載機器に何ら異常がない場合は、その旨を敢えて報知手段により報知しないので、車載機器の正常時における無用な音声報知を排除することができる。よって、無用な音声報知で運転者の集中力が阻害されることがなく、車輌の安全運行を図ることができるという効果がある。
【0078】
請求項3記載の車輌異常検知装置によれば、請求項2記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、前回の車輌運行から今回の車輌運行迄の間に車載機器の異常状況の改善がなされずに車輌が再び始動された場合には、前回の車輌運行中に報知されたものと同一の診断内容を、今回の車輌の始動開始後に報知手段により報知することができる。このため、車輌の使用者は、車輌が始動される度に現存している異常内容を知ることができ、車輌の修理を更に促すことができるという効果がある。
【0079】
請求項4記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、例えば、車輌の使用者等が報知手段による報知で車載機器の異常を知った場合、携帯電話などの携帯端末を通信端子に接続すれば、遠隔地にある外部装置であっても、携帯端末及び通信回線を介して車輌の制御ユニットにより管理されているデータを要求して取得することができる。即ち、外部装置を用いた整備事業者等が遠隔地から車載機器の状況を把握することができるという効果がある。
【0080】
このため、整備事業者等は故障車が入庫される以前に、その故障車の修理に必要な部品等を調達しておくことも可能となり、その分、整備事業者等の作業効率の向上を図ることができるという効果がある。しかも、本発明の車輌異常検知装置は携帯端末が接続可能な通信端子が設けられるのみで、自らは通信機能を有していないので、通信機能を有する高価な部品が不要となり、その分、コスト軽減が図ることができるという効果がある。
【0081】
請求項5記載の車輌異常検知装置によれば、請求項4記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、車載機器に異常状況が発生した場合、その異常発生時における各種センサの出力情報と診断コードとを、取得送信手段により車輌の制御ユニットから取得して外部装置へ送信することができる。よって、外部装置を使用する整備事業者等は、診断コードのみからでは知ることが困難な異常発生時の車載機器の状況を、異常発生時の各種センサの出力情報に基づいて更に詳細に検討することができるという効果がある。
【0082】
請求項6記載の車輌異常検知装置によれば、請求項4又は5に記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、例えば、車載機器に異常状況が発生した場合に携帯端末及び通信回線を介して外部装置と通信可能となった場合、受信手段により前記外部装置からの要求を受けると、取得送信手段は、車輌の制御ユニットへ入力される各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットを介して取得して外部装置へ送信することができる。よって、外部装置を使用する整備事業者等は、車載機器の異常発生時における各種センサの出力情報からのみでは知ることが不可能な、現在の車載機器の状況を、現在の各種センサの出力情報に基づいて更に詳細に検討することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である異常検知器が搭載された自動車などの車輌を含む車輌異常検知システムの概念図である。
【図2】車輌の電気的構成を示したブロック図であって、その車輌と異常検知器との接続状態を示した図である。
【図3】異常検知器の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】整備事業者等のPC(パーソナルコンピュータ)の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】診断コード取得処理のフローチャートである。
【図6】異常発生報知処理のフローチャートである。
【図7】データ送信中継処理のフローチャートである。
【図8】現時点データ送信中継処理のフローチャートである。
【図9】データ受信処理のフローチャートである。
【図10】現時点データ受信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2 車輌
3 公衆電話回線網(通信回線の一部)
4 パーソナルコンピュータ(PC)(外部装置)
5 電話回線(通信回線の一部)
11 電子制御ユニット(ECU)(制御ユニット)
21〜25 センサ(各種センサの一部)
26 スタータスイッチ(各種センサの一部)
29 ダイアグノーシス端子
30 異常検知器(車輌異常検知装置)
33c 過去診断メモリ(判断手段の記憶手段)
37a 通信機器用接続端子(通信端子)
42 外部接続端子(接続端子)
50 携帯電話(携帯端末)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌に搭載されるエンジン等の車載機器の状況に応じた診断内容を検知して車輌の使用者等に報知することができる車輌異常検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車などの車輌には、それに搭載されるエンジン、オートマチックトランスミッション、メータ機器などの各種の車載機器を制御する電子機器である電子制御ユニット(以下「ECU」と称す)が搭載されている。ECUは、車輌の各部位に設置された各種センサから出力される検出信号に基づいて車載機器の状態を検知し、その検知結果に基づいて各車載機器を適切に制御するためのものである。例えば、エンジンを制御する場合、ECUでは、各種センサにより車速、エンジン回転数、エンジン水温などを検知して燃料噴射時間や点火時期などを制御するのである。
【0003】
ところで、現存する車輌の殆どは、車載機器の制御がECUにより行われており、従前のように一般的なサーキットテスターによる電流又は電圧測定では、車輌内の故障部位を特定することが極めて困難となっている。そこで、近年の車輌の故障診断では、車載されたECUとの間で各種データの通信機能を有したダイアグテスタ等と称される外部故障診断器が広く利用されている(実開平2−84485号公報参照)。
【0004】
ECUは、各種センサの出力データに基づいて車載機器の動作状況を逐次診断しており、その診断内容に応じた診断コードをECUの記憶装置に記憶すると共に、車載機器に異常状況が発生した時点の各種センサの出力データやそれに基づいて演算された各種演算データ等を診断コードに関連づけて記憶するように構成されている。外部故障診断器によれば、車輌に設けられたダイアグノーシス端子と接続され、かかるダイアグノーシス端子を介してバスラインに接続されたECUとデータ通信を行って、診断コードや異常発生時の各種データをECUから取得し、その取得した診断コードや各種データに基づいて車載機器の異常診断が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した外部故障診断器は、車輌の使用者等の一般消費者にまで普及している機器ではなく、主に車輌の整備事業者が使用する機器である。このため、車載機器の異常動作に起因してECUに何らかの異常を示す診断コードや各種データが記憶されている場合であっても、整備事業者へ車輌を持ち込み、その車輌を外部故障診断器により診断しなければならない。この際、車輌運行に支障を来すような状況であれば、素人でも容易に車輌の異常を認識することができ、即座に整備事業者へ修理依頼をすることもできるが、車輌運行可能な状態である場合にあっては、車輌使用者等が車輌の異常を認識できないため、かかる異常状態を放置してしまい車輌の具合が悪化してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車輌に搭載されるエンジン等の車載機器の状況に応じた診断内容を検知して車輌の使用者等に報知することができる車輌異常検知装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の車輌異常検知装置は、エンジン等の車載機器の状況を診断しその診断内容に応じた診断コードを記憶する制御ユニットとその制御ユニットと通信可能に接続されるダイアグノーシス端子とを備えた車輌に搭載可能であって、ダイアグノーシス端子と接続可能な接続端子と、その接続端子とダイアグノーシス端子とが接続され且つ車輌が始動開始された場合に制御ユニットから診断コードを定期的に取得する取得手段と、その取得手段により今回取得された診断コードと車輌の始動開始からその取得手段の前回実行迄に取得された過去の診断コードとが一致するか否かを判断する判断手段と、その判断手段による判断の結果、今回の診断コードが過去の診断コードと不一致である場合にのみ、今回の診断コードに対応する診断内容を音声により報知する報知手段とを備えている。
【0008】
この請求項1記載の車輌異常検知装置によれば、車輌の制御ユニットに記憶されている診断コードは、取得手段によって車輌の始動開始から定期的に取得される。この取得される診断コードは、判断手段によって、車輌が始動されてから取得手段の前回実行までに取得された過去の診断コードと一致する否かが判断される。判断の結果、今回取得した診断コードと過去に取得した診断コードとが不一致である場合、今回取得した診断コードに対応する診断内容は、車輌の始動開始から初めて検知されたものと判明する。よって、かかる場合には、今回取得した診断コードに対応する診断内容が報知手段によって車輌の乗員や使用者などに音声により報知される。
【0009】
その一方、判断手段によって今回取得した診断コードと過去に取得した診断コードとが一致する場合には、今回取得した診断コードに対応する診断内容は、車輌の始動開始から現時点までに既に報知済みである。よって、かかる場合には報知手段による診断内容の報知が行われず、同一の診断内容についての重複した報知動作が防止される。
【0010】
請求項2記載の車輌異常検知装置は、請求項1記載の車輌異常検知装置において、前記判断手段は、車輌の始動開始から前記取得手段の前回実行迄に取得された診断コードのうち、車載機器の異常発生を示す診断コードを記憶する記憶手段と、前記取得手段により異常発生を示す診断コードが取得された場合にその取得された診断コードと前記記憶手段に記憶される診断コードとを比較する比較手段とを備え、前記報知手段は、その比較手段による比較の結果、今回取得された診断コードと前記記憶手段に記憶される診断コードとが不一致である場合にのみ、今回の診断コードに対応する診断内容を音声により報知するものである。
【0011】
この請求項2記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1記載の車輌異常検知装置と同様に作用する上、車輌の異常発生を示す診断コードは、車輌の始動開始から記憶手段へ順次記憶される。この記憶手段に記憶された診断コードは、比較手段によって取得手段により今回取得された診断コードと比較され、この比較の結果、今回取得された診断コードと記憶手段に記憶される診断コードとが不一致である場合にのみ、報知手段によって、今回取得の診断コードに対応する診断内容が音声により報知される。即ち、車載機器に何ら異常がない旨を示す診断コードを取得手段が取得した場合には、その旨の報知はなされないのである。
【0012】
請求項3記載の車輌異常検知装置は、請求項2記載の車輌異常検知装置において、車輌が始動された場合に前記記憶手段を初期化する初期化手段を備えている。
【0013】
請求項3記載の車輌異常検知装置によれば、請求項2記載の車輌異常検知装置と同様に作用する上、車輌が始動された場合、記憶手段は初期化手段により初期化されるので、前回の車輌運行中に記憶された診断コードが記憶手段から消去される。よって、前回の車輌運行から今回の車輌運行迄の間に車載機器の異常状況の改善がなされずに車輌が再び始動された場合、前回の車輌運行中に報知されたものと同一の診断内容が報知手段により今回の車輌の始動開始後に報知される。
【0014】
請求項4記載の車輌異常検知装置は、請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置において、通信回線を介して外部装置と各種データの送受信が可能な携帯端末を接続可能な通信端子と、その通信端子に接続される携帯端末を介して前記外部装置からの要求を受信する受信手段と、その受信手段により前記外部装置から要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットにより管理されるデータを、車輌の制御ユニットから取得して前記外部装置へ送信する取得送信手段とを備えている。
【0015】
請求項4記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置と同様に作用する上、通信端子に携帯端末が接続され、通信回線を介して外部装置から各種データの要求がなされると、その要求が携帯端末を介して受信手段により受信される。外部装置からの要求が受信手段により受信されると、車輌の制御ユニットにて管理されるデータは、取得送信手段によって、車輌の制御ユニットから取得され外部装置へ送信される。よって、外部装置は、遠隔地にある車輌の制御ユニットが管理するデータを取得することができる。
【0016】
請求項5記載の車輌異常検知装置は、請求項4記載の車輌異常検知装置において、車輌の制御ユニットは、車載機器に異常が発生した場合、その異常発生時における各種センサの出力情報を、その異常発生時の診断コードに対応つけて記憶するものであり、前記取得送信手段は、前記受信手段により前記外部装置から要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットに記憶された診断コード及びその診断コードに対応する各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットから取得して前記外部装置へ送信するものである。
【0017】
請求項6記載の車輌異常検知装置は、請求項4又は5に記載の車輌異常検知装置において、前記取得送信手段は、前記受信手段により前記外部装置からの要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットへ入力される各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットを介して取得して前記外部装置へ送信するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の車輌異常検知装置の一実施例である異常検知器30(図2参照)が搭載された自動車などの車輌2を含む車輌異常検知システム1の概念図である。
車輌異常検知報知システム1は、複数の車輌2,2,2と、公衆電話回線網3と、車輌2を整備する整備工場やディーラ(以下「整備事業者等」という。)が利用するパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)4とを備えている。
【0019】
複数の車輌2,2,2のそれぞれは後述する携帯電話50を介して公衆電話回線網3と接続可能とされ、整備事業者等のPC4は電話線5を介して公衆電話回線網3と接続されている。このシステム1によれば、車輌2のエンジン等の車載機器(図示せず)の状況に関するデータ等は、図2に示す携帯電話50が接続された異常検知器30によって、公衆電話回線網3を介して整備事業者等のPC4へ送信される。
【0020】
図2は、車輌2の電気的構成を示したブロック図であって、その車輌2と異常検知器30との接続状態を示した図である。図2には、車載機器であるエンジン(図示せず)を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)11が図示されており、このECU11は、バスライン18を介して、車輌本体10に搭載されるオートマチック・トランスミッション、ブレーキシステム、エアーバックシステムなどの他の車載機器を制御する他のECU(図示せず)と接続されている。
【0021】
ECU11は、主に、マイコン12と入出力回路17とを備えており、図示は省略するが、イグニッションスイッチを介して車載バッテリと接続された電源回路によって、イグニッションスイッチがオンされた場合に電力供給されて作動される。マイコン12は、演算装置であるCPU13と、書換不能な不揮発性メモリであるROM14と、書換可能な揮発性メモリであるRAM15とを備えており、これらのCPU13、ROM14及びRAM15がバスラインを介してI/Oポート16と接続されている。
【0022】
I/Oポート16には入出力回路17が接続されており、この入出力回路17には、A/F(空燃比)センサ21、エンジン回転数を検出する回転センサ22、エアフローメータ23、水温センサ24、スロットルセンサ25、スタータスイッチ26などが接続されている。マイコン12によれば、ROM14に記憶されている制御プログラムがCPU13により実行されると、入出力回路17及びI/Oポート16を介して各種センサ等21〜26の出力信号が入力され、それに基づいてエンジンが最適な動作をするように、インジェクタ27やイグナイタ28へ制御信号が出力される。
【0023】
また、マイコン12では、ROM14に記憶される制御プログラムに従い、各種センサ等21〜26の出力信号に基づいて、エンジンの始動開始後から定期的にエンジンの動作状況に関する自己診断が実行されており、この自己診断に基づいた診断内容を示す診断コードが生成されている。具体的に、マイコン12は、エンジンの動作状況が正常な場合にはその旨を示す診断コード(正常コード)を、エンジンの動作状況が異常な場合にはその症状に応じて異なった診断コード(異常コード)を生成するものである。
【0024】
なお、診断コードの例示としては、エンジン正常時に生成される正常コードとしての「P0000」、或いは、異常コードとしてエミッション(排ガス)不良時に生成される「P0130」や、ノッキングレベル悪化時に生成される「P0325」などが挙げられる。
【0025】
更に、マイコン12による自己診断によって、エンジンの動作状況に異常が確認された場合には、その異常発生時の各種センサ等21〜26の出力信号に基づいて得られるデータである異常発生時保存データが、その異常内容を示す診断コードに対応づけられてマイコン12のRAM15へ記憶される。異常発生時保存データの具体例としては、例えば、エンジン負荷、エンジン水温、吸入管絶対圧力、エンジン回転数、車速、及び、その他のエンジンの動作状況を示す各種データが該当する。
【0026】
なお、RAM15にはイグニッションスイッチを介さずに車載バッテリからの電力供給を受けるバックアップ電源回路が接続されており、RAM15に記憶されるデータはイグニッションスイッチのオフ時(車輌停止時)でも保持される。
【0027】
ECU11の入出力回路17には、ダイアグノーシス端子29が接続されており、このダイアグノーシス端子29にはケーブルCB1を介して異常検知器30が接続されている。この異常検知器30は、またケーブルCB2を介して携帯電話50と接続可能とされており、この携帯電話50を介することで公衆電話回線網3を経て整備事業者等のPC4と各種データの送受信が可能となるのである。
【0028】
図3は、異常検知器30の電気的構成を示したブロック図である。図3に示すように、異常検知器30には、CPU31、ROM32、RAM33、音声メモリ34、計時回路35,音声LSI36、モデム37、通信機器用端子37a、バッファ38、アンプ39及びインターフェイス41が設けられており、これらはバスライン43を介して互いに接続されている。この異常検知器30は、ダイアグノーシス端子29に接続される外部接続端子42を介して上記したECU11の電源回路と接続されており、イグニッションスイッチがオンされた場合にECU11の電源回路から電力供給される。
【0029】
CPU31は、携帯電話50を介して送受信される各種信号に基づいて、バスライン43に接続された各部を制御し、異常発生時の音声報知動作やPC4とのデータ送受信動作などを実行する。ROM32は、この異常検知器30で実行される制御プログラム32aなどを格納した書換不能なメモリであり、図5から図8のフローチャートに示すプログラムは、この制御プログラム32aの一部としてROM32内に格納されている。
【0030】
RAM33は、異常検知器30の各動作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、送受信メモリ33a、今回診断メモリ33b、過去診断メモリ33c、診断周期メモリ33d、正常コードメモリ33eなどを備えている。なお、RAM33には、上記したECU11のバックアップ電源回路が接続されており、RAM33に記憶されるデータはイグニッションスイッチのオフ時(車輌停止時)でも保持される。
【0031】
送受信メモリ33aは、異常検知器30がPC4又はECU11との間で送受信する各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。送受信メモリ33aに記憶される各種のデータとしては、上述したECU11のRAM15に記憶される診断コード、異常発生時保存データ、各種センサ等21〜26の出力信号、その出力信号に基づいて得られる各種の現時点データ、PC4からの各種データや各種コマンドなどがある。
【0032】
今回診断メモリ33bは、ECU11のRAM15から取得された最新の診断コードを記憶するためのメモリであり、過去診断メモリ33cは、車輌の始動開始(イグニッションスイッチのオン)から現時点までに発生した異常(故障)内容を示す診断コードの内で、既に異常内容に関する音声報知が済んでいる診断コードを記憶するためのメモリである。
【0033】
診断周期メモリ33dは、ECU11のRAM15から診断コードを定期的に取得する場合に、その取得動作を実行するための時間間隔である診断周期を記憶するためのメモリである。車輌の始動開始直後にCPU31により最初の診断コードの取得された後は、この診断周期メモリ33dに記憶される診断周期の値分の時間が経過する毎に、ECU11のRAM15から診断コードが取得される。
なお、ECU11では、この診断周期メモリ33dに記憶される診断周期より短いスパンで自己診断が繰り返し実行されている。
【0034】
正常コードメモリ33eは、ECU11のマイコン12が生成する診断コードの内で、エンジンが正常動作する場合に発生する診断コードである正常コードの値(内容)を記憶するためのメモリであり、上記の診断コードの例示によれば「P0000」を記憶するためのメモリである。ECU11のRAM15から取得した診断コードが正常コードメモリ33eに記憶される診断コード(正常コード)と一致する場合、異常検知器30では、エンジンが正常動作しているものと判断できる。
【0035】
音声メモリ34は、複数種類ある診断コードが示す異常内容に対応した音声メッセージをそれぞれ記憶するためのメモリである。計時回路35は、時刻の計時を行うためのものであり、計時回路35により計時された時刻はCPU31によって読み出され、各処理に使用される。音声LSI36は、異常検知器30内で生成されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換してアンプ39へ出力する音声合成処理を行うためのものであり、アンプ39は、音声LSI36から出力されたアナログ音声信号を増幅してスピーカ40へ出力するものである。
【0036】
モデム37は、通信データを変調及び復調して伝送すると共に伝送制御用の各種手続信号を送受信するためのものであり、一端に携帯電話50が接続可能なケーブルCB2の他端と接続可能な通信機器用端子37aを備えている。バッファ38は、PC4との間で送受信される通信データを一時的に記憶するためのものである。PC4へ送信される各種データや各種コマンドは、送受信メモリ33aに一旦記憶され、このバッファ38を経由してモデム37により変調される。一方、PC4から受信した各種データや各種コマンドは、モデム37により復調され、バッファ38を経由して、送受信メモリ33aに記憶される。
【0037】
インターフェイス41は、セントロニクス規格に準拠したパラレルインターフェイスであり、異常検知器30は、このインターフェイス41に接続された外部接続端子42と、その外部接続端子42に接続されるケーブルCB1を介して、車輌2のECU11とデータの送受信が可能にされている。携帯電話50は、公衆電話回線網3からの呼出信号に対応する応答等の動作を行う携帯型の通信端末であり、異常検知器30は、この携帯電話50を介して公衆電話回線網3に接続される。
【0038】
図4は、整備事業者等のPC4の電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、PC4は、演算装置であるCPU61と、そのCPU61で実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM62と、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM63と、入出力ポート65、ハードディスク(以下「HD」という。)66、モデム67、インターフェイス68、ディスプレイ69、マウス70、キーボード71を備えている。
【0039】
RAM63は、ダイヤルカウンタ63aと、受信メモリ63bとを備えている。ダイヤルカウンタ63aは、異常検知器30に接続された携帯電話50への発呼回数をカウントするためのものであり、このダイヤルカウンタ63aの値が所定値、例えば、3回となった場合に、携帯電話50への発呼処理を中止するのである。受信メモリ63bは、携帯電話50を介して故障検知報知器30から受信した各種の通信データを記憶するためのメモリである。この受信メモリ63bに記憶された通信データは、HD66に記憶されたり、或いは、インタフェイス68を介して外部診断器80へ出力される。
【0040】
HD66には、各種の制御プログラム66aが記憶されており、図9及び図10のフローチャートに示すプログラムは、この制御プログラム66aの一部としてHD66内に格納されている。また、CPU61、ROM62、RAM63は、バスライン64を介して互いに接続されており、バスライン64はまた、入出力ポート65にも接続されている。入出力ポート65には、HD66、モデム67、インターフェイス68、ディスプレイ69、マウス70及びキーボード71がそれぞれ接続されている。
【0041】
PC4は、モデム67を介して電話線5と接続され、この電話線5を介して公衆電話回線網3と接続されている。また、PC4は、セントロニクス規格に準拠したパラレルインターフェイスであるインターフェイス68に接続されたケーブルCB3を介して、外部診断器80との間で各種のデータやコマンドの送受信を行っている。ここで、外部診断器80とは、従来より車輌2のダイアグノーシス端子29と接続され、ECU11から診断コード、異常発生時保存データ又は現時点データを読み出して表示するために使用されていたものである。後述する図9又は図10で受信された各種データは、PC4の受信メモリ63bからインターフェイス68を介して外部診断器80へ送信される。外部診断器80では、PC4より受信した各種データを解析して車輌2に発生した異常を示す診断内容や各種の数値データ値を表示することができる。この表示に基づいて整備事業者等は車輌2の状況を把握することができるのである。
【0042】
次に、上記のように構成された車輌異常検知システム1の各処理について、図5から図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図5から図8に示す処理は、異常検知器30で実行されるものであり、図9及び図10に示す処理は、PC4で実行されるものである。
【0043】
図5は、異常検知器30による診断コード取得処理のフローチャートであり、この処理は、まず、イグニッションスイッチのオン(車輌2の始動開始)と同時に実行される。この処理が実行されると、まず、1分間の計時を開始して(S1)、その計時が終了するまで処理を待機し(S2:No)、1分間が経過すると(S2:Yes)、過去診断メモリ33cをクリアする(S3)。このクリアによって、車輌2が前回始動されてから停止される迄に過去診断メモリ33cに記憶された診断コードが消去される。
【0044】
S3の処理後、診断周期メモリ33dに10分をセットし(S4)、そのセットした値分の計時を開始した(S5)後、ECU11のRAM15に記憶されている診断コードの送信をECU11に対して要求する(S6)。その要求の後、ECU11からのデータ受信を待ち(S7:No)、データ受信を確認したら(S7:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶へすると共に、その送受信メモリ33aに記憶されたデータに診断コードがあるか否かをチェックする(S8)。
【0045】
送受信メモリ33aに診断コードが記憶されていれば(S8:Yes)、正常コードメモリ33eの正常コードに基づいて、受信した診断コードが正常コードであるか否かを判断する(S9)。受信した診断コードが正常コードであれば(S9:Yes)、S10からS13までの処理をスキップして、処理をS14へ移行する。一方、受信した診断コードが異常コードであれば(S9:No)、S7で受信した異常コードを今回診断メモリ33bへ書き込み(S10)、処理を次のステップ(S11)へ移行する。また、S7で受信して送受信メモリ33aに記憶されたデータが診断コードでなければ(S8:No)、車輌2が正常動作をしているものと判断されるので、S9及びS10の処理をスキップして、処理をS11へ移行する。
【0046】
S11へ移行した処理では、ECU11からのデータ受信が終了したか否かを判断する(S11)。具体的には、送受信メモリ33aに記憶されているデータに、ECU11からのデータ送信終了を示すデータ(又はコマンド)があるか否かをチェックし、そのようなデータを未受信の場合にはデータ受信が継続しているものと判断し(S11:No)、処理をS7へ移行する。一方、ECU11からデータ送信終了を示すデータを受信した場合、即ち、ECU11からのデータ受信が終了した場合には(S11:Yes)、今回診断メモリ33bにデータが記憶されているか否かをチェックする(S12)。
【0047】
今回診断メモリ33bにデータが記憶されている場合には(S12:Yes)、車輌2が異常動作しているものと判断し、その旨を車輌2の使用者に報知するために、異常発生報知処理を実行して(S13)、処理を次のステップ(S14)へ移行する。一方、今回診断メモリ33bにデータが存在しない場合には(S12:No)、車輌2が正常動作しているものと判断し、何も報知することなく、S13の処理をスキップして、処理をS14へ移行する。S14へ移行された処理では、S5で開始された計時が終了するまで待機し(S14:No)、計時が終了すると(S14:Yes)、処理をS5へ移行して、車輌2が停止されるまでS5からS14までの処理を繰り返し実行する。即ち、異常検知器30は、車輌2の始動開始後、S4により診断周期メモリ33dにセットされた値分の時間が経過する度に、車輌2のECU11のRAM15に記憶されている診断コードを確認するのである。
【0048】
図6は、図5に示した異常発生報知処理(S13)のフローチャートである。
図6に示すように、異常発生報知処理では、まず、今回診断メモリ33bに記憶されている最初の診断コードを読み出して(S21)、その読み出した診断コードと過去診断メモリ33cに記憶されている全ての診断コードとを比較する(S22)。この比較によって、両診断メモリ33b,33cに記憶される診断コードが一致する場合には(S23:Yes)、S22の比較に用いた診断コードに対応する診断内容については、車輌2が始動されてから現時点に至るまでに既に検知済みであるので、S24からS28までの処理を実行することなく、今回診断メモリ33bに記憶されている次の診断コードを読み出して(S30)、再びS22の比較を実行する。
【0049】
一方、S22の比較によって、両診断メモリ33b,33cに記憶される診断コードが不一致の場合、或いは、過去診断メモリ33cに診断コードが全く記憶されていない場合は(S23:No)、S22の比較に用いた診断コードは、車輌2が今回始動されてから初めて検知されたものであるので、まずは過去診断メモリ33cに書き加えられる(S24)。これにより、車輌2の今回始動から今回停止迄に発生した診断コードのうち、車輌2の異常動作を示すものが過去診断メモリ33cに蓄積されるのである。
【0050】
S24の処理後は、S22の比較に用いた診断コードに対応する音声メッセージを音声メモリ34から読み出して(S25)、その音声メッセージを続けて2回再生する(S26,S27:No)。これによって、診断コードに対応した車輌2の異常を示す診断内容を音声により車輌2の使用者に報知することができるのである。この報知後は(S27:Yes)、今回診断メモリ33bに記憶されている全ての診断コードについてS22の比較が完了したか否かを判断し(S28)、完了していなければ(S28:No)、今回診断メモリ33bに記憶されている次の診断コードを読み出して(S30)、S22の比較を実行する。よって、今回診断メモリ33bに複数の診断コードが記憶されている場合には、その全ての診断コードに対応する異常内容が全て音声により報知されるのである。
【0051】
一方、今回診断メモリ33bに記憶されている全ての診断コードについてS22の比較が完了した場合は(S28:Yes)、今回診断メモリ33bをクリアして(S29)、その今回診断メモリ33bに記憶されている全ての診断コードを消去し、この異常発生報知処理を終了する。
【0052】
図7は、異常検知器30によるデータ送信中継処理を示したフローチャートである。このデータ送信中継処理は、車輌2のECU11により管理される各種データを、異常検知器30が中継することによって、公衆電話回線網3を介して整備事業者等が使用するPC4へ送信する処理である。このデータ送信中継処理では、携帯電話50がケーブルCB2を介して通信機器用端子37aに接続されるまで処理が待機され(S31:No)、CPU31によって通信機器用端子37aに携帯電話50が接続されたことが検知されると(S31:Yes)、PC4からの着信要求があるまで待機する(S32:No)。その後、PC4からの着信要求があると(S32:Yes)、まず、1分間の計時を開始して(S33)、携帯電話50により応答信号を公衆電話回線網3へ送出する(S34)。
【0053】
応答信号の送出後、回線閉結が完了し(S35:Yes)、PC4から診断コードの送信を要求するコマンドを受信した場合には(S36:Yes)、現時点においてECU11のRAM15に記憶されている診断コードの送信を要求する(S38)。しかし、回線閉結が完了せず(S35:No)、1分間の計時が終了していなければ(S37:No)、処理をS34へ移行してPC4に対して応答信号を再送出する(S34)。また、回線閉結が完了した場合であっても(S35:Yes)、PC4から診断コードの送信を要求するコマンドを未受信の場合には(S36:No)、1分間の計時が終了していなければ(S37:No)、処理をS34へ移行してPC4に対して応答信号を再送出する(S34)。更に、回線閉結が未完了(S35:No)又はPC4から診断コードの送信を要求するコマンドを未受信(S36:No)であって、計時開始から1分が経過した場合には、このデータ送信中継処理を強制的に終了するのである。
【0054】
さて、ECU11に対して診断コードの送信を要求した(S38)後は、ECU11からのデータ受信を待ち(S39:No)、データ受信を確認したら(S39:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶すると共に、ECU11からのデータ受信が終了したか否かを判断する(S40)。ECU11からのデータ受信が終了するまでは(S40:No)、S39及びS40の処理を繰り返し、ECU11のRAM15に記憶される全ての診断コードを異常検知器30へ読み込む。
【0055】
一方、データ受信が終了した場合には(S40:Yes)、S39により受信した診断コードのうち1つを送受信メモリ33aから読み出してチェックする(S41)。このチェックの結果、診断コードが正常コードメモリ33eに記憶される正常コードと一致しない場合には(S42:「その他」)、S41でチェックした診断コードに対応する異常発生時保存データの送信をECU11に対して要求する(S43)。その要求の後は、ECU11からのデータ受信を待ち(S44:No)、データ受信を確認したら(S44:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶すると共に、ECU11からのデータ受信が終了したか否かを判断する(S45)。ECU11からのデータ受信が終了するまでは(S45:No)、S44及びS45の処理を繰り返す。この結果、S41でチェックした診断コードに対応する異常発生時保存データが診断コードと対応づけられて送受信メモリ33aに記憶されるのである。
【0056】
この異常発生時保存データの受信を終了した場合には(S45:Yes)、送受信メモリ33aに記憶されている全ての診断コードについてS41のチェックが終了したか否かを判断し(S46)、終了していなければ(S46:No)、処理をS41へ移行して送受信メモリ33aに記憶されている次の診断コードを読み出してチェックして(S41)、それ以降のS42からS46までの処理を実行する。この結果、S39により取得された全ての診断コードに対応する異常発生時保存データを異常検知器30へ読み込むことができる。
【0057】
また、S41により全診断コードのチェックがなされた場合(S46:Yes)、或いは、S41によりチェックされた診断コードが正常コードであった場合(S42:「正常コード」)、PC4に対して診断コード及び異常発生時保存データの送信準備が完了した旨を通知するため、PC4へ確認コマンドを送信する(S47)。その送信後は、ECU11から受信して送受信メモリ33aに記憶されている診断コードを1つずつチェックし(S48)、そのチェックした診断コードをPC4へ送信すると共に(S49)、そのチェックした診断コードが正常コードであるか否かを判断する(S50)。この判断で診断コードが正常コード以外であれば(S50:「その他」)、その診断コードに対応する異常発生時保存データをPC4へ送信する(S51)。
【0058】
異常発生時保存データの送信後(S51)或いは、S50によりチェックした診断コードが正常コードであった場合(S50:「正常コード」)であって、送受信メモリ33aに記憶されている全ての診断コードについてS50のチェックを終了していなければ(S52:No)、処理をS48へ移行して送受信メモリ33aに記憶されている次の診断コードをチェックし(S48)、それ以降のS49からS52までの処理を実行して、S39及びS44で受信した全ての診断コード及びそれに対応する異常発生時保存データをPC4へ送信する。
【0059】
S52により全診断コードのチェックがなされた場合(S52:Yes)、データ送信の終了を示す終了コマンドをPC4へ送信し(S53)、PC4からデータを受信するまで待機する(S54:No)。その後、PC4からデータを受信した場合には(S54:Yes)、その受信データがデータ送信中継処理の終了指示であるか否かを判断する(S55)。S54により受信したデータがPC4からの終了指示でなく(S55:No)、PC4による現時点データの送信要求であった場合は(S56:Yes)、現時点データ送信中継処理(S57)を実行した後に、処理をS54へ移行して、PC4からデータを受信するまで再び待機する(S54:No)。
【0060】
一方、S54により受信したデータがPC4からの終了指示であった場合(S55:Yes)、或いは、終了指示ではなくてもPC4による現時点データの送信要求でない場合(S55:No,S56:No)は、回線を開放して(58)、このデータ送信中継処理を終了する。
【0061】
図8は、図7に示した現時点データ送信中継処理(S57)のフローチャートである。現時点データ送信中継処理では、まず、図7のS56で受信した送信要求に対応する現時点データを、ECU11に対して要求し(S61)、ECU11からデータを受信するまで待機する(S62:No)。データ受信を確認したら(S62:Yes)、その受信データを送受信メモリ33aへ順次記憶すると共に、ECU11に要求した全データの受信を終了したか逐次チェックし(S63)、ECU11からのデータ受信が終了するまでS62及びS63の処理を繰り返す(S63:No)。この結果、S61で要求した全ての現時点データが送受信メモリ33aに記憶されるのである。
【0062】
ECU11からの現時点データの受信を終了した場合(S63:Yes)、PC4に対して現時点データの送信準備が整ったことを示すため、PC4へ確認コマンドを送信し(S64)、S62によりECU11から受信した現時点データをPC4へ送信する(S65)。この送信は、図7のS56で受信した送信要求に対応する全ての現時点データがPC4へ送信されるまで継続され(S66:No)、その全ての現時点データの送信が終了すると(S66:Yes)、現時点データの送信を終了する旨を宣言する終了コマンドをPC4へ送信して(S67)、この現時点データ送信中継処理を終了する。
【0063】
図9は、PC4によるデータ受信処理を示したフローチャートである。このデータ受信処理は、異常検知器30で実行されるデータ送信中継処理(図7参照)に対応して実行される処理であり、車輌2のECU11により管理される各種データを、異常検知器30を介してPC4により受信するための処理である。なお、上述したデータ送信中継処理は、PC4におけるデータ受信処理の実行を受けて、異常検知器30にて実行されるプログラムである。
【0064】
このデータ受信処理の前処理として、まず、車輌2の使用者は、異常検知器30に接続される携帯電話50の電話番号を、整備事業者等へ電話連絡などにより連絡する必要がある。また、車輌2の使用者は、電話番号が整備事業者等に連絡されている携帯電話50をケーブルCB2を介して異常検知器30の通信機器用端子37aに接続しておく必要がある。これらの前処理を受けて、以下のデータ受信処理が実行される。
【0065】
データ受信処理では、まず、ダイヤルカウンタ63aを初期化し(S71)、その後、被呼側となる携帯電話50の電話番号がキーボード71やマウス70により入力されると、その電話番号に基づいて携帯電話50へ発呼し(S72)、被呼側の携帯電話50からの応答があったか否かを確認する(S73)。被呼側の携帯電話50から応答があれば(S73:Yes)、異常検知器30に対して診断コードの送信を要求するコマンドを送信し(S74)、その後、異常検知器30から(図7のS47の処理により)送信される確認コマンドを受信するまで待機する(S75:No)。
【0066】
その後、確認コマンドを受信すると(S75:Yes)、異常検知器30からデータ(図7のS49で送信される診断コード又はS51で送信される異常発生時保存データ)を受信するまで待機し(S76:No)、そのデータの受信を開始すると(S76:Yes)、異常検知器30から(図7のS53の処理により)送信される終了コマンドを受信するまで、異常検知器30からのデータ受信を継続する(S77:No)。その後、終了コマンドを受信すると(S77:Yes)、ディスプレイ69に「現時点データを要求する場合は1を、処理を終了する場合は2を、入力してください」と表示し(S78)、PC4の操作者に対してキー入力を促す。
【0067】
ディスプレイ69への表示後(S78)、キー入力がされたか否かをCPU61により監視し、「1」又は「2」以外のキー入力があった場合にはS78の処理を再実行する(S79:「その他」,S78)。一方、「1」のキー入力があった場合は(S79:「1」)、PC4の操作者により現時点データを要求する意思表示があったものとして現時点データ受信処理を実行する(S80)。この現時点データ受信処理(S80)の終了後、或いは、S79により「2」のキー入力が確認された場合(S79:「2」)は、異常検知器30へ終了指示を送信し(S81)、回線を開放して(S82)、このデータ受信処理を終了する。なお、S81により送信された終了指示は、図7のS55の処理により異常検知器30にて受信される。
【0068】
ところで、被呼側の携帯電話50からの応答がなければ(S73:No)、被呼側の携帯電話50への発呼を一旦中断して(S83)、ダイヤルカウンタ63aに1を加算し(S84)、ダイヤルカウンタ63aの値が3を越えたか否かを確認する(S85)。ダイヤルカウンタ63aの値が3以下であれば(S85:No)、S72へ処理を移行して、被呼側の携帯電話50へ再度発呼するが(S72)、ダイヤルカウンタ63aの値が3を越えれば(S85:Yes)、ディスプレイ69に「接続できません」と表示して(S86)、このデータ受信処理自体を終了する。よって、被呼側の携帯電話50からの応答がなくても、最低3回は携帯電話50へ発呼が行われる。
【0069】
図10は、図9に示した現時点データ受信処理(S80)のフローチャートである。この現時点データ受信処理は、異常検知器30で実行される現時点データ送信中継処理(図8参照)に対応して実行される処理であり、車輌2の現時点データを異常検知器30を介してPC4により受信するための処理である。なお、上述した現時点データ送信中継処理は、PC4における現時点データ受信処理の実行を受けて、異常検知器30にて実行されるプログラムである。
【0070】
現時点データ受信処理では、まず、現時点データの送信を要求するコマンドを異常検知器30へ送信し(S91)、その後、異常検知器30から(図8のS64の処理により)送信される確認コマンドを受信するまで待機する(S92:No)。その後、確認コマンドを受信すると(S92:Yes)、異常検知器30から現時点データを受信するまで待機し(S93:No)、現時点データの受信を開始すると(S93:Yes)、異常検知器30から(図8のS67の処理により)送信される終了コマンドが受信されるまで、異常検知器30からのデータ受信を継続する(S94:No)。その後、終了コマンドを受信すると(S94:Yes)、ディスプレイ69に「現時点データを再要求する場合は1を、処理を終了する場合は2を、入力してください」と表示し(S95)、PC4の操作者に対してキー入力を促す。
【0071】
ディスプレイ69への表示後(S95)、キー入力がされたか否かをCPU61により監視し、「1」又は「2」以外のキー入力があった場合にはS95の処理を再実行する(S96:「その他」,S95)。一方、「1」のキー入力があった場合は(S96:「1」)、PC4の操作者により現時点データを要求する意思表示があったものとして、S91へ処理を移行して現時点データ受信処理を再実行する。また、S96により「2」のキー入力が確認された場合(S96:「2」)は、このデータ受信処理を終了する。
【0072】
なお、上記実施例において、請求項1記載の取得手段としては図5に示すS5及びS6の処理並びにS7のYesの分岐およびS14のYesの分岐が、判断手段としては図6のS22の処理が、報知手段としてはS23のNoの分岐ならびにS25及びS26の処理が、それぞれ該当する。請求項2記載の判断手段における比較手段としてはS22の処理が、報知手段としてはS23のNoの分岐ならびにS25及びS26の処理が、それぞれ該当する。請求項3記載の初期化手段としては図5のS3の処理が該当する。請求項4記載の受信手段としては図7のS36、S55又はS56の処理が、取得送信手段としては図7のS38からS40の処理、S43からS45の処理または図8のS61からS63の処理が、それぞれ該当する。請求項5記載の取得送信手段としては、図7のS43からS45の処理が該当する。請求項6記載の取得送信手段としては、図8のS61からS63の処理が該当する。
【0073】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0074】
例えば、本実施例では、図5のS9の処理によりS7の処理で受信した診断コードが正常コードである場合、その正常コードを今回診断メモリ33aに書き込むことを回避することで、車輌2が正常動作する場合における診断内容の音声報知を禁止したが、車輌2が正常動作する場合においても音声報知を実施しても良い。かかる場合、例えば、図5のS9の処理を削除してS8のYesの分岐をS10に繋げ、且つ、音声メモリ34に正常コードに対応する音声メッセージを記憶しておけば、車輌2が正常動作する場合にも、その旨の音声報知を行うことができる。また、本実施例では、診断周期メモリ33dに10分をセットしたが、かかる診断周期メモリ33dにセットされる時間は必ずしも10分に限定されるものではなく、図5のS1からS13までの処理の実行に要する時間より長ければ、10分未満または10分以上であっても良い。
【0075】
【発明の効果】
本発明の車輌異常検知装置によれば、車載機器に何らかの異常が発生した場合には、報知手段によって、車輌の制御ユニットに記憶されている診断コードに対応する診断内容が音声により報知されるので、車輌の乗員や使用者に車輌の修理を促すことができるという効果がある。また、報知手段は、判断手段の判断結果に基づいて過去に既に報知済みの診断内容と同一内容のものを重ねて報知することを回避している。よって、運転者は車輌の運行中に同じ音声報知を何度も繰り返し聞く必要がなく注意力が散漫となることを防止できるという効果がある。
【0076】
更に、接続端子は、車輌に既設のダイアグノーシス端子と接続され制御ユニットと通信を行うので、本発明の車輌異常検知装置を車輌に容易に後付けすることができるという効果がある。しかも、診断内容の報知は、報知手段により音声により行われるので、運転者が表示装置等へ視線を移して診断内容を確認する必要がなく、車輌運行の安全を図ることができるという効果がある。
【0077】
請求項2記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、車輌の車載機器に何ら異常がない場合は、その旨を敢えて報知手段により報知しないので、車載機器の正常時における無用な音声報知を排除することができる。よって、無用な音声報知で運転者の集中力が阻害されることがなく、車輌の安全運行を図ることができるという効果がある。
【0078】
請求項3記載の車輌異常検知装置によれば、請求項2記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、前回の車輌運行から今回の車輌運行迄の間に車載機器の異常状況の改善がなされずに車輌が再び始動された場合には、前回の車輌運行中に報知されたものと同一の診断内容を、今回の車輌の始動開始後に報知手段により報知することができる。このため、車輌の使用者は、車輌が始動される度に現存している異常内容を知ることができ、車輌の修理を更に促すことができるという効果がある。
【0079】
請求項4記載の車輌異常検知装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、例えば、車輌の使用者等が報知手段による報知で車載機器の異常を知った場合、携帯電話などの携帯端末を通信端子に接続すれば、遠隔地にある外部装置であっても、携帯端末及び通信回線を介して車輌の制御ユニットにより管理されているデータを要求して取得することができる。即ち、外部装置を用いた整備事業者等が遠隔地から車載機器の状況を把握することができるという効果がある。
【0080】
このため、整備事業者等は故障車が入庫される以前に、その故障車の修理に必要な部品等を調達しておくことも可能となり、その分、整備事業者等の作業効率の向上を図ることができるという効果がある。しかも、本発明の車輌異常検知装置は携帯端末が接続可能な通信端子が設けられるのみで、自らは通信機能を有していないので、通信機能を有する高価な部品が不要となり、その分、コスト軽減が図ることができるという効果がある。
【0081】
請求項5記載の車輌異常検知装置によれば、請求項4記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、車載機器に異常状況が発生した場合、その異常発生時における各種センサの出力情報と診断コードとを、取得送信手段により車輌の制御ユニットから取得して外部装置へ送信することができる。よって、外部装置を使用する整備事業者等は、診断コードのみからでは知ることが困難な異常発生時の車載機器の状況を、異常発生時の各種センサの出力情報に基づいて更に詳細に検討することができるという効果がある。
【0082】
請求項6記載の車輌異常検知装置によれば、請求項4又は5に記載の車輌異常検知装置の奏する効果に加え、例えば、車載機器に異常状況が発生した場合に携帯端末及び通信回線を介して外部装置と通信可能となった場合、受信手段により前記外部装置からの要求を受けると、取得送信手段は、車輌の制御ユニットへ入力される各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットを介して取得して外部装置へ送信することができる。よって、外部装置を使用する整備事業者等は、車載機器の異常発生時における各種センサの出力情報からのみでは知ることが不可能な、現在の車載機器の状況を、現在の各種センサの出力情報に基づいて更に詳細に検討することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である異常検知器が搭載された自動車などの車輌を含む車輌異常検知システムの概念図である。
【図2】車輌の電気的構成を示したブロック図であって、その車輌と異常検知器との接続状態を示した図である。
【図3】異常検知器の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】整備事業者等のPC(パーソナルコンピュータ)の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】診断コード取得処理のフローチャートである。
【図6】異常発生報知処理のフローチャートである。
【図7】データ送信中継処理のフローチャートである。
【図8】現時点データ送信中継処理のフローチャートである。
【図9】データ受信処理のフローチャートである。
【図10】現時点データ受信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
2 車輌
3 公衆電話回線網(通信回線の一部)
4 パーソナルコンピュータ(PC)(外部装置)
5 電話回線(通信回線の一部)
11 電子制御ユニット(ECU)(制御ユニット)
21〜25 センサ(各種センサの一部)
26 スタータスイッチ(各種センサの一部)
29 ダイアグノーシス端子
30 異常検知器(車輌異常検知装置)
33c 過去診断メモリ(判断手段の記憶手段)
37a 通信機器用接続端子(通信端子)
42 外部接続端子(接続端子)
50 携帯電話(携帯端末)
Claims (6)
- エンジン等の車載機器の状況を診断しその診断内容に応じた診断コードを記憶する制御ユニットとその制御ユニットと通信可能に接続されるダイアグノーシス端子とを備えた車輌に搭載可能な車輌異常検知装置であって、
ダイアグノーシス端子と接続可能な接続端子と、
その接続端子とダイアグノーシス端子とが接続され且つ車輌が始動開始された場合に制御ユニットから診断コードを定期的に取得する取得手段と、
その取得手段により取得された今回の診断コードと車輌の始動開始からその取得手段の前回実行迄に取得された過去の診断コードとが一致するか否かを判断する判断手段と、
その判断手段による判断の結果、今回の診断コードが過去の診断コードと不一致である場合にのみ、今回の診断コードに対応する診断内容を音声により報知する報知手段とを備えていることを特徴とする車輌異常検知装置。 - 前記判断手段は、車輌の始動開始から前記取得手段の前回実行迄に取得された診断コードのうち、車載機器の異常発生を示す診断コードを記憶する記憶手段と、前記取得手段により異常発生を示す診断コードが取得された場合にその取得された診断コードと前記記憶手段に記憶される診断コードとを比較する比較手段とを備え、
前記報知手段は、その比較手段による比較の結果、今回取得された診断コードと前記記憶手段に記憶される診断コードとが不一致である場合にのみ、今回の診断コードに対応する診断内容を音声により報知するものであることを特徴とする請求項1記載の車輌異常検知装置。 - 車輌が始動された場合に前記記憶手段を初期化する初期化手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の車輌異常検知装置。
- 通信回線を介して外部装置と各種データの送受信が可能な携帯端末を接続可能な通信端子と、
その通信端子に接続される携帯端末を介して前記外部装置からの要求を受信する受信手段と、
その受信手段により前記外部装置から要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットにより管理されるデータを、車輌の制御ユニットから取得して前記外部装置へ送信する取得送信手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車輌異常検知装置。 - 車輌の制御ユニットは、車載機器に異常が発生した場合、その異常発生時における各種センサの出力情報を、その異常発生時の診断コードに対応つけて記憶するものであり、
前記取得送信手段は、前記受信手段により前記外部装置から要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットに記憶された診断コード及びその診断コードに対応する各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットから取得して前記外部装置へ送信するものであることを特徴とする請求項4記載の車輌異常検知装置。 - 前記取得送信手段は、前記受信手段により前記外部装置からの要求を受けた場合に、車輌の制御ユニットへ入力される各種センサの出力情報を、車輌の制御ユニットを介して取得して前記外部装置へ送信するものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の車輌異常検知装置。
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-
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