JP2004216937A - 車両の機器動作状況表示システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車内の温度を調整する車両用空調装置などの第1機器に、車両に搭載されたリアウインドウ曇り除去装置などの第2機器を動作させる操作部12を配設するとともに、その動作状況を知らせるための表示手段(LED13)を設け、第1機器と第2機器とを通信手段(通信線1A,1B)によって通信可能に接続し、第1機器に搭載した操作部12の操作により通信手段を介して第2機器を動作させるようにした車両の機器動作状況表示システムにおいて、第1機器は、操作部12の操作を検出すると、表示手段を直接的に動作させるとともに、操作部の操作情報を通信手段を介して第2機器に送信して動作させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の機器を通信線によって接続した車両において、第1機器に別体の第2機器を動作させるための操作部を配設するとともに、その動作状況を表示する表示手段を前記操作部などに搭載した機器動作状況表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両には、車内の温度を調節する車両用空調装置や、リアウインドウの曇り除去装置などの複数の機器が配設されている。そして、これらの機器の操作部は、車両のダッシュボードに集中して配設され、全ての機器を運転者が操作できるように構成されている。
【0003】
前記車両用空調装置は、車内の温度を調整するもので、その中央処理装置が車両のダッシュボードに配設されている。また、この空調装置は、自動制御機能を搭載したマイコン制御方式のものと、自動制御機能を搭載していない電気回路による電気制御方式のものと、2種類有する。
【0004】
前記リアウインドウ曇り除去装置は、リアウインドに配設され、前記操作部が操作されるとタイマ制御により所定時間のみ動作される。また、この曇り除去装置の操作部には、その動作状況を知らせるために、LEDなどからなる表示手段が設けられ、装置の動作中には表示手段を点灯させる一方、動作が停止している時には表示手段を消灯させるようにしている。この曇り除去装置は、その制御にマイコンが必要である。しかし、タイマ制御のためだけに曇り除去装置にマイコンを搭載するとコスト高になるため、曇り除去装置の制御は、他の機器のマイコンを利用して行う構成としている。
【0005】
ここで、前記曇り除去装置の操作部の近傍には、前記空調装置が配設されているが、この空調装置にはマイコンを実装しないものが存在するため、従来では、前記曇り除去装置は、電気接続箱などのマイコンを確実に実装している機器を利用して制御する構成としている。
【0006】
しかし、前記電気接続箱は、車両のボンネット内など、運転席から離れた位置に設置されている。そのため、曇り除去装置の操作部と電気接続箱とを接続するための配線が非常に面倒である。
【0007】
そこで、近年の車両は、車内外の諸条件を検出するセンサなど削減や、車内でのワイヤハーネスの配線の複雑化などの問題を解消するために、前記空調装置、電気接続箱、エンジン制御装置およびメーターなどの複数の機器を通信線によってネットワーク接続し、多重通信可能な構成とされている。なお、以下の説明において、車両の多重通信可能な構成を、CAN(Controller Area Network)と称する。
【0008】
このCANを搭載した車両では、接続する機器は全てマイコンが必要である。そのため、前記電気接続箱の代わりに空調装置のマイコンによって曇り除去装置を制御することが可能である。しかし、この場合、空調装置および電気接続箱の両方のプログラムを変更する必要があるため、コスト高になる。
【0009】
そのため、前記曇り除去装置の操作部は、近傍に位置する空調装置に接続され、その操作部の操作を空調装置が検出すると、その操作情報をCANを介して前記電気接続箱に送信する。これにより、その操作情報を受信した電気接続箱は、曇り除去装置を動作させるように構成している。
【0010】
なお、本発明の車両の機器動作状況表示システムに関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−188126号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記CANを適用した車両では、操作部が直接的に接続されていない第2の機器を動作させるためには、操作部を接続した第1の機器での処理時間と、CANを介して送信される送信時間との合わせた時間が必要である。しかも、前記操作部の表示手段を動作させるには、更に第2の機器での処理時間と第1の機器への送信時間とが必要である。その結果、前記操作部を操作し、表示手段が点灯するまでに遅延時間が発生するため、運転者に違和感を感じさせてしまうという問題がある。
【0013】
そこで、本発明では、CANを搭載した車両において、各装置の動作状況を表示する表示手段を迅速に動作させ、違和感を感じさせることのない車両の機器動作状況表示システムを提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の車両の機器動作状況表示システムは、車内の温度を調整する車両用空調装置などの第1機器に、車両に搭載されたリアウインドウ曇り除去装置などの第2機器を動作させる操作部を配設するとともに、その動作状況を知らせるための表示手段を設け、前記第1機器と第2機器とを通信手段によって通信可能に接続し、第1機器に搭載した操作部の操作により通信手段を介して第2機器を動作させるようにした車両の機器動作状況表示システムにおいて、前記第1機器は、前記操作部の操作を検出すると、前記表示手段を直接的に動作させるとともに、前記操作部の操作情報を通信手段を介して第2機器に送信して動作させる構成としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る車両の機器動作状況表示システムを示す。この動作状況表示システムは、多重通信可能な通信手段であるCANを構成するそれぞれ2本ずつの通信線1A,1Bと、これらを電気接続するメーター2により、該メーター2を含む車両用空調装置の中央処理装置3、電気接続箱4、エンジン制御装置5およびオーディオ6などの複数の機器を通信可能に接続したものである。
【0017】
前記通信線1Aは、通信速度が125kbpsのミドルスピードラインであり、中央処理装置3、電気接続箱4およびオーディオ6が接続されている。また、通信線1Bは、通信速度が500kbpsのハイスピードラインであり、エンジン制御装置5が接続されている。そして、これらの通信線1A,1Bは、メーター2を介して接続されている。
【0018】
第1機器である前記空調装置の中央処理装置3には、車内の内気温度を検出する内気温検出センサ7と、冷風に熱交換するエバポレータの表面温度を検出するエバポレータ温検出センサ8と、日射量を検出する日射量検出センサ9とが、ワイヤハーネスによって直接接続されている。また、空調装置を構成する部品であるブロアモータ10が、パワーMOSFET10aを介して印加電圧を制御可能に接続されている。さらに、電熱線16からなるリアウインドウ15の曇り除去装置を動作させるための操作部12と、その動作状況を知らせるための表示手段であるLED13が直接接続されている。
【0019】
そして、この中央処理装置3に実装されたマイコンは、図示しない操作ユニットからの入力信号を受けると、前記センサ7,8,9から直接入力される検出値、および、後述するセンサ14,18から通信線1A,1Bを介して間接的に入力される検出値などによる車内外諸条件に基づいて制御プログラムを実行し、前記各構成部品を駆動制御する。
【0020】
そして、本実施形態では、中央処理装置3のマイコンは、前記操作部12の操作を検出すると、第2機器である曇り除去装置を構成する電気接続箱4のマイコンの指示に拘わらず、前記LED13をオン、オフ制御する。また、LED13のオン(点灯)状態では、電気接続箱4から曇り除去装置の停止によるLED13を消灯させる制御信号を受信すると、LED13をオフ(消灯)するように構成している。
【0021】
前記電気接続箱4には、車外の外気温度を検出する外気温検出センサ14がワイヤハーネスによって直接接続されるとともに、リアウインドウ15に電熱線16への通電をオン、オフするリレー17が接続されている。この電気接続箱4のマイコンは、前記外気温検出センサ14による検出温度を通信線1Aを介して中央処理装置3に所定時間毎に送信する。
【0022】
また、本実施形態の電気接続箱4は、従来と同様に、前記リアウインドウ15の電熱線16およびリレー17とで、曇り除去装置を構成するもので、その曇り除去装置の制御プログラムは、従来と同一に構成している。具体的には、この電気接続箱4のマイコンは、通信線1Aを介して中央処理装置3から操作部12のオン操作の情報を入力すると、前記リレー17のコイル17aに通電してスイッチ17bをオン状態とするとともに、予め設定されたタイマを計測する。そして、このタイマがカウントアップすると、前記リレー17のコイル17aへの通電を停止してスイッチ17bをオフ状態とするとともに、LED13を消灯するように中央処理装置3に制御信号を出力する。また、中央処理装置3から操作部12のオフ操作の情報を入力すると、前記リレー17のコイル17aへの通電を停止してスイッチ17bをオフ状態とする。
【0023】
前記エンジン制御装置5には、エンジンの冷却水の水温を検出する水温検出センサ18がワイヤハーネスによって直接接続されている。このエンジン制御装置5のマイコンは、前記水温検出センサ18による検出温度を通信線1B,1Aを介して中央処理装置3およびメーター2に所定時間毎に送信する。また、このエンジン制御装置5には、コンプレッサを駆動制御するコンプレッサマグネットクラッチ11がリレー11aを介して接続されている。そして、このコンプレッサのコンプレッサマグネットクラッチ11は、通信線1A,1Bを介して送信される中央処理装置3の指示によって駆動される。
【0024】
次に、前記車両の機器動作状況表示システムの動作について説明する。
【0025】
まず、車両用空調装置におけるマイコンの制御は、メインの空調制御フローに、曇り除去装置制御処理を追加した点でのみ相違する。そのため、具体的な説明は省略し、前記曇り除去装置制御処理についてのみ説明する。
【0026】
この曇り除去装置制御処理では、車両用空調装置のマイコンは、図2に示すように、まず、ステップS101で、操作部12の操作を検出したか否かを検出する。そして、操作部12の操作を検出した場合にはステップS102に進み、操作を検出しない場合にはステップS106に進む。
【0027】
ステップS102では、その操作部12のLED13が点灯しているか否かを検出する。そして、LED13が点灯している場合、即ち、曇り除去装置が動作している場合にはステップS103に進み、LED13を消灯させてステップS105に進む。一方、LED13が消灯している場合、即ち、曇り除去装置が動作していない場合にはステップS104に進み、LED13を点灯させてステップS105に進む。
【0028】
ステップS105では、運転者が曇り除去装置の動作および停止のいずれの操作をしたかを意味する操作情報を通信線1Aを介して電気接続箱4に送信してリターンする。
【0029】
一方、ステップS101で操作部12の操作を検出しない場合には、ステップS106で、電気接続箱4から動作状況の表示手段であるLED13の制御信号を受信したか否かを検出する。そして、制御信号を受信した場合にはステップS107に進み、制御信号を受信しない場合にはリターンする。
【0030】
ステップS107では、受信した制御信号を解析し、その信号がLED13を点灯させる信号であるか否かを検出する。そして、制御信号が点灯させる信号である場合にはステップS108に進み、LED13を点灯させてリターンする。一方、制御信号が消灯させる信号である場合にはステップS109に進み、LED13を消灯させてリターンする。
【0031】
次に、電気接続箱4のマイコンによる曇り除去装置の制御は、従来と同一の制御プログラムによって実行される。
【0032】
具体的には、この曇り除去装置制御処理では、電気接続箱4のマイコンは、図3に示すように、まず、ステップS201で、空調装置の中央処理装置3から操作部12の操作情報を受信したか否かを検出する。そして、操作情報を受信した場合にはステップS202に進み、操作情報を受信しない場合にはステップS208に進む。
【0033】
ステップS202では、タイマによってカウント中であるか否かを検出する。そして、カウント中でない場合にはステップS203に進み、カウント中である場合にはステップS205に進む。
【0034】
ステップS203では、リレー17のコイル17aへの通電を開始してスイッチ17bをオン状態とした後、ステップS204で、曇り除去装置の動作を停止するためのタイマのカウントをスタートさせてステップS207に進む。これにより、曇り除去装置が実際に動作を開始する。
【0035】
また、ステップS205では、リレー17のコイル17aへの通電を停止してスイッチ17bをオフ状態とした後、ステップS206で、タイマをリセットしてステップS207に進む。これにより、曇り除去装置の動作が停止する。
【0036】
ステップS207では、曇り除去装置の動作に応じてLED13をオンまたはオフさせる制御信号を中央処理装置3に送信してリターンする。ここで、本実施形態では、電気接続箱4のマイコンが中央処理装置3にLED13を点灯させる信号を送信した場合、前記中央処理装置3のLED13は既に点灯している。また、運転者の操作部12の操作により曇り除去装置の動作を停止した場合にも同様に中央処理装置3のLED13は既に消灯している。即ち、タイマがカウントアップすることにより、電気接続箱4のマイコンによって曇り除去装置の動作を停止した場合のみ、その送信した制御信号が中央処理装置3に反映されることになる。
【0037】
一方、ステップ201で、操作部12の操作を検出しない場合には、ステップS208で、タイマがカウント中であるか否かを検出する。そして、カウント中である場合にはステップS209に進み、カウント中でない場合にはリターンする。
【0038】
ステップS209では、曇り除去操作の動作時間を制限するタイマがカウントアップしたか否かを検出する。そして、カウントアップした場合には前記と同様のステップS205に進み、カウントアップしていな場合にはリターンする。
【0039】
このように、本実施形態の機器動作状況表示システムでは、操作部12が操作された場合、第2機器である曇り除去装置の動作状態を表示するためのLED13を、前記操作部12を接続した第1機器である空調装置の中央処理装置3により点灯または消灯させるため、LED13の点灯または消灯が遅延することにより運転者に違和感を感じさせることを防止できる。また、本実施形態では、電気接続箱4による曇り除去装置の制御プログラムは従来と同一としているため、システム全体がコストアップすることを抑制できる。
【0040】
なお、本発明の車両の機器動作状況表示システムは、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0041】
例えば、前記実施形態では、中央処理装置3に接続したLED13が既に点灯または消灯しているにも拘わらず、電気接続箱4から点灯または消灯させる制御信号を送信する構成としたが、タイマがカウントアップした場合のみ、消灯させる制御信号を送信するように構成してもよい。
【0042】
また、前記実施形態では、第1機器である空調装置の中央処理装置3に、第2機器である曇り除去装置を動作させる操作部12を設けたが、これら第1機器および第2機器は種々の組合せで変更可能である。例えば、外気温と空調温度とを切り替えて表示するための操作部およびLED(表示手段)を中央処理装置3(第1機器)に接続し、検出した外気温または設定した空調温度をオーディオ6の液晶表示に表示させる構成とし、その操作部のLEDを前記曇り除去装置と同様に表示させてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両の機器動作状況表示システムでは、操作部が操作された場合、第2機器の動作状態を表示するための表示手段を、前記操作部を接続した第1機器により動作させるため、運転者による操作部の操作と表示手段の動作とが遅延することにより運転者に違和感を感じさせることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機器動作状況表示システムの構成を示す概略図である。
【図2】第1機器である空調装置の中央処理装置におけるマイコンの制御を示すフローチャートである。
【図3】第2機器である曇り除去装置を構成する電気接続箱におけるマイコンの制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A,1B…通信線(通信手段)
3…中央処理装置(第1機器)
4…電気接続箱(第2機器)
12…操作部
13…LED(表示手段)
Claims (1)
- 車内の温度を調整する車両用空調装置などの第1機器に、車両に搭載されたリアウインドウ曇り除去装置などの第2機器を動作させる操作部を配設するとともに、その動作状況を知らせるための表示手段を設け、前記第1機器と第2機器とを通信手段によって通信可能に接続し、第1機器に搭載した操作部の操作により通信手段を介して第2機器を動作させるようにした車両の機器動作状況表示システムにおいて、
前記第1機器は、前記操作部の操作を検出すると、前記表示手段を直接的に動作させるとともに、前記操作部の操作情報を通信手段を介して第2機器に送信して動作させるようにしたことを特徴とする車両の機器動作状況表示システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003003356A JP2004216937A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 車両の機器動作状況表示システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003003356A JP2004216937A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 車両の機器動作状況表示システム |
Publications (1)
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---|---|
JP2004216937A true JP2004216937A (ja) | 2004-08-05 |
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---|---|---|---|
JP2003003356A Pending JP2004216937A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 車両の機器動作状況表示システム |
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JP (1) | JP2004216937A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007200330A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Valeo Systemes Thermiques | シリアル通信バスによる通信システムおよび通信方法 |
-
2003
- 2003-01-09 JP JP2003003356A patent/JP2004216937A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007200330A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Valeo Systemes Thermiques | シリアル通信バスによる通信システムおよび通信方法 |
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