JP2004216838A - 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインクセット - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインクセット Download PDF

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Abstract

【課題】画像データ中の特定の領域に芳香性を有する香料を含んだインクを吐出することができないという課題があった。
【解決手段】画質改善インクCLに芳香性を備えた香料を添加して香料インクCLを構成し、適宜ユーザの利用状況に応じて画質改善モードと香料モードとを選択可能とし、香料モードが選択された場合は、香料インクCLを付加することによって印刷媒体に芳香性を備えさせたい画像領域あるいは色域領域に対して、所定量の香料インクCLを付加することが可能になる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインクセットに関し、特に、芳香性を有する香料を含んだインクを吐出可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインクセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の印刷制御装置は、美麗なフルカラー画像とすることに加え、印字物に各種の芳香性を持たせて香りを文書に付与させるものがある。このとき、搬送手段によって搬送され被記録媒体上に、インクジェット記録手段により画像情報に応じた記録を行う際に、被記録媒体上に芳香性を有する香料を含んだインクを吐出することが可能な手段をインクの吐出手段とは別に設けている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−323407号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の印刷制御装置においては、画像データ中の特定の領域に芳香性を有する香料を含んだインクを吐出することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像データ中の特定の領域に芳香性を有する香料を含んだインクを吐出することが可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインクセットの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記目的を達成するため、所定の着色材を含む有色インクの吐出量と同着色材が含まれない略透明のインクに所定の香料が添加された香料インクの吐出量との吐出状態を表す印刷データを生成する際に、条件指示受付手段にて香料インクの吐出量を規定する吐出条件の指示を受け付ける。そして、印刷データ生成手段では、印刷対象の画像データを形成する各画素の要素色の階調に基づいて規定される有色インクの吐出量と、条件指示受付手段にて受け付けられた香料インクの吐出量の指示とに従って吐出状態を表す印刷データを生成する。これによって、所望の画像上の所望の領域に所定量の香料インクを付加することが可能となり、同所定の領域に所望の芳香性を備えさせることが可能になる。また、香料インクを略透明のインクにて形成することによって画質の色味を変えることを防止することが可能になる。
【0007】
香料インクの吐出量を規定する吐出領域を指示する手法の一例として、条件指示受付手段では、画像データにて香料インクを吐出する吐出領域の指示を受け付ける。すなわち、画像データ上で香料インクを吐出させるための吐出領域を指示し、条件指示受付手段でこの指示を受け付ける。これによって、所望の画像領域に香料インクを所定の吐出量に従って吐出させることが可能となる。香料インクを吐出させる領域を指示する際に、吐出量が異なる領域を指示できると、領域ごとに匂いの強弱を付けることができて好適である。そこで、条件指示受付手段にて吐出領域の指示を受け付けるに際しては、香料インクの吐出量が異なる複数の領域を受け付けるようにする。これによって、画像データ上で複数の領域を選択しつつ、各領域にそれぞれ異なる吐出量で香料インクを吐出させることが可能となり、領域毎に匂いの強弱が異なる印刷物を取得することが可能になる。
【0008】
香料インクの吐出量を規定する吐出量域を指示する他の手法の一例として、条件指示受付手段では、画像データにて香料インクの吐出する階調範囲の指示を受け付ける。この場合、画像データは複数の画素にて形成され、各画素が階調値にて表現されているとする。従って、香料インクを吐出させる領域を指示する際には、階調範囲にて指示し、条件指示受付手段ではこの階調範囲の指示を受け付ける。そして、印刷データ生成手段は、この階調範囲の階調値を有する画素に対して香料インクを吐出させる。これによって、所望の階調を有する領域、すなわち、所望の色成分を有している領域、すなわち所望の色域領域に対して香料インクを吐出させることが可能となる。
【0009】
このような手法を採用した場合においても、匂いの強弱を付けることが可能になると好適である。そこで、条件指示受付手段では、階調範囲の指示を受け付けるに際し、香料インクの吐出量が異なる複数の階調範囲を受け付ける。これにより、異なる階調範囲に異なる吐出量の香料インクを吐出させることにより匂いの強弱を付けることが可能になる。ここで、階調範囲を指示する手法は、直接的に香料インクを吐出させる階調範囲を指示するようにしても良いし、間接的にこの階調範囲を指示するようにしても良い。この間接的に階調範囲を指示する手法の一例として、条件指示受付手段では、画像データにて指定された所定領域に含まれる画素にて形成される階調範囲を指示として受け付ける。すなわち、画像データ上で香料インクを吐出させた色成分を指定することによって、同じ色成分を有する画像データ上の各画素に香料インクを吐出させることが可能になる。従って、ユーザは香料インクを吐出させたい色成分を有する全ての領域を画像データ上にて指定する必要はなく、一カ所のみを指定すれば良いことになる。
【0010】
印刷装置に装着されている香料インクの添加材は印刷して匂いを確認して初めて分かる場合がある。かかる場合、印刷前にこの添加材の情報を把握できると、香料インクを吐出させたときにどのような匂いが発生するかを認識することができて好適である。そこで、インク情報取得手段にて香料インクが充填されているインクカートリッジから同香料インクの添加材を認識可能なインク情報を取得する。そして、インク情報表示手段にてこの取得した添加材を認識可能なインク情報を表示する。これによって、ユーザは印刷装置に装着された香料インクがどのような匂いを発する添加材を含んでいるかを印刷前に把握することが可能になり、この把握に基づいて香料インクを吐出させるか否かを選択することができる。印刷時の画質を向上させるために画質改善インクが利用されている。この画質改善インクは略透明の液体にて形成されている。そして、印刷モード、印刷媒体の種別に応じて適宜吐出される。従って、画質改善インクに香料を添加しておき、香料印刷モードでは指示された領域に画質改善インクを利用するようにすれば、香料インクのために他のインクカートリッジを設ける必要もなく、印刷装置の構成を簡素化することができる。
【0011】
上述してきた印刷制御装置は、実体のある装置に限定されるものではなく、印刷制御方法としても発明が成立することは言うまでもない。また、コンピュータの資源を利用して上述した各機能を実現可能にする印刷制御プログラムとしても発明が成立することは言うまでもない。上述してきた印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムを採用することによって、香料を添加した香料インクを使用して適宜所望の領域に所望の強度の香料インクを吐出させることが可能になるといった有用な効果を取得することが可能になる。一方、このような有用な効果を取得することができるインクセットについても本発明の技術的思想が成立することは言うまでもない。そこで、インクジェトプリンタにて使用されるインクセットに、所定の着色材を含む有色インクが充填された有色インクカートリッジと、着色材を含まない略透明の液体にて形成されるとともに所定の香料が添加された香料インクが充填された香料インクカートリッジとを備えさせたインクセットを提供する。かかる場合において、上述と同様に香料インクを画質改善インクにて形成するようにしても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)プリンタの構成:
(3)色変換テーブルの構成:
(4)色変換処理の処理内容:
(5)色変換処理の処理内容の変形例:
(6)まとめ:
【0013】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。同図において、この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのプリンタ20とを備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90とは、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。また、このオペレーティングシステムには、ビデオドライバ91や、プリンタ20のインターフェースとなるプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバ91,96を介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。
【0014】
このアプリケーションプログラム95は、画像のレタッチなどを実施可能なアプリケーションプログラムであり、処理対象となる画像に対して、所望の処理を行ったり、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。ここで、アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給する印刷データPDに変換する。このプリンタドライバ96の内部には、解像度変換部97と、色変換部98と、ハーフトーン処理部99と、印刷データ生成部100と、色変換テーブル102と、後述する香料インク範囲設定画面に関する制御を実行する吐出条件指示受付部103とが備えられている。
【0015】
アプリケーションプログラム95から画像データを入力すると、解像度変換部97は、同アプリケーションプログラム95で形成された画像データの解像度(すなわち、単位長さ当たりの画素数)を印刷解像度に変換する。こうして解像度変換された画像データは複数の画素にて形成されており、各画素には、RGBデータの3つの色成分の階調値を含む画像情報が含まれている。色変換部98は、吐出条件指示受付部103が受け付けた所定の吐出条件に基づいて変更される色変換テーブル102を参照しつつ、画像データを形成する各画素のRGBの色成分値を、プリンタ20が利用可能な複数のインクの吐出量に相当する多階調データのインク値に変換する色変換処理を実行する。この色変換処理については後述する。
【0016】
ハーフトーン処理部99は、いわゆるハーフトーン処理を実行して、色変換部98にて変換された各インクのインク値からハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、印刷データ生成部100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータとを含んでいる。なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。この記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等のコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0017】
(2)プリンタの構成:
図2は、プリンタ20の概略構成図である。同図において、プリンタ20は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッド28を駆動して、インクの吐出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送りモータ23、キャリッジモータ24、印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とから構成されている。キャリッジ31をプラテン26の軸方向に往復動させる機構は、プラテン26の軸と平行に架設され、キャリッジ31に摺動可能に保持する摺動軸34とキャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0018】
このキャリッジ31には、ブラックインク用のカートリッジ71とシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを収容したカラーインク用のカートリッジ72と、画質改善用の画質改善インクを収容したカートリッジ73とが搭載可能になっている。本実施形態においては、この画質改善インクに所定の香料を添加している。従って、画質改善インクが本発明にかかる香料インクを構成している。また、キャリッジ31の下部の印刷ヘッド28には、これらのインクに対応して計5個のインク吐出用ヘッド61〜65が形成されている。また、キャリッジ31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導く図示しない導入管が立設されている。このカートリッジ71および,72が本発明にかかる有色インクカートリッジを構成するとともに、カートリッジ73が香料インクカートリッジを構成する。
【0019】
図3は、制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図である。同図において、制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等のインターフェースを専用に行うI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ23およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54とを備えている。I/F専用回路50は、パラレルインターフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。
【0020】
I/F専用回路50が内蔵する回路は、パラレルインターフェース回路に限らず、ユニバーサルシリアルバスインターフェース回路などコンピュータ90との接続の容易性を考慮して決めることができる。プリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。印刷ヘッドユニット60の印刷ヘッド28には利用可能なインクのインクカートリッジ61〜65が搭載されている。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品としてプリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。印刷ヘッド28の下面には利用可能なインクを吐出するためのノズルが設けられている。以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ20は、紙送りモータ23により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を駆動して、各インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上に印刷画像を成形する。
【0021】
図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノズルNzの配列を示した構成図である。同図において、印刷ヘッド28の下面には、シアンインクC、マゼンタインクM、イエローインクY、ブラックインクK、画質改善インクCLをそれぞれ吐出するためのノズル群が形成されている。なお、画質改善インクCL以外に利用することができるインクは、4つのインクC、M、Y、Kに限られるものではなく、印刷画像の画質の好みなどに応じて、lc(ライトシアン)、lm(ライトマゼンタ)等を加えて任意に設定することができる。画質改善インクCLとしては、他のインクと同様の光沢を有するとともに、他のインクの発色性を改善させる無色透明なインクを用いるのが好ましい。
【0022】
このような画質改善インクCLとしては、例えば、特開平8−60059号公報に記載のインクを使用することができる。このような画質改善インクCLを利用することによって、他のインクの吐出量を再調整することなく、印刷画像の画質を改善させことが可能になる。また、画質改善インクCLに耐水性、耐光性を良くするインクを用いることによって、印刷画像の耐水性、耐光性を改善することもできる。この場合、CMYKインクの吐出量が少ない領域により多くの画質改善インクCLを吐出することにより、印刷媒体の耐水性、耐光性を改善することができる。また、CMYKインクの吐出量が多い領域により多くの画質改善インクCLを吐出することにより、インクを吐出した領域の耐水性、耐光性を改善することができる。
【0023】
(3)色変換テーブルの構成:
かかる場合、画質改善インクCLの吐出量は、画像データを形成する各画素のRGBデータの階調に対応して変換されるCMYKインクの吐出量に応じて変化させる。この画質改善インクCLの吐出量は、同吐出量を特定するインク値を色変換テーブル102に予め規定しておき、色変換時に、この画質改善インクCLのインク値に基づいて同画質改善インクCLを吐出する。ここで、色変換テーブルの構成の一例を図5に示す。同図において、色変換テーブル102では、RGBの色成分値と、CMYKインクの吐出量を特定するインク値および画質改善インクCLの吐出量を特定するインク値とが各色256階調(8ビット)にて構成されている。
【0024】
また、RGBの色成分値については階調値を16等分して参照点を形成している。従って、RGBの各色を軸とする直交空間に形成されるRGB空間の色立体について、RGBの各軸に17個の格子点を与えつつ構成した立方格子が参照点となる。すなわち、参照点は、合計17**3個(**は乗数を表す)であり、色変換テーブル102においては、17**3個について、RGBの色成分値と、CMYKインクのインク値および画質改善インクCLのインク値との対応関係を規定している。このように、RGBの色成分値と、CMYKインクのインク値および画質改善インクのインク値との対応関係は、印刷媒体の仕様、印刷モード等に応じて複数規定されている。すなわち、色変換テーブル102は複数備えられ、ユーザの印刷媒体の種別、印刷モードの選択に基づいて適宜色変換に使用する色変換テーブル102が切り替えられる。
【0025】
本実施形態においては、上述したように画質改善インクCLに香料が添加されている。従って、画質改善インクCLを吐出した場合は、印刷媒体の耐水性、耐光性を改善する効果の他に、印刷媒体に対して添加された香料の芳香性を具備させることが可能になっている。ここで、画質改善インクCLは印刷媒体の種別等に応じて適宜その吐出量が制御される。これは上述したように、選択された印刷媒体の種別、印刷モードに基づき色変換テーブル102が切り替えられることによって実現される。このように、画質を改善させるための画質改善インクCLの吐出制御を行いつつ、間接的に印刷媒体に香料の芳香性を具備させることができる。一方、画質を改善させるための画質改善インクCLの吐出制御に関わりなく、芳香性を具備させたい領域を直接的に指示する手法も勘案できる。そこで、本実施形態においては、画質改善インクCLを画質を改善させるための画質改善モードと、画像の所定の領域に芳香性を持たせるための香料モードとの2つのモードにて吐出させるようにする。本実施形態では画質改善モードについては詳述しない。ユーザが香料モードを選択すると、香料が添加された画質改善インクCL(以下、香料インクCLと呼ぶ。)を画像の何れの領域に吐出させたいかを設定可能なインターフェース画面をコンピュータ90のディスプレイに表示する。
【0026】
(4)色変換処理の処理内容:
図6は、香料インクCLの吐出領域を指示可能な香料インク範囲設定画面の画面構成を示した画面構成図である。同図において、香料インク範囲設定画面M100は、範囲設定画像M101と、インク量多め設定ボタンM102と、インク量普通設定ボタンM103と、インク量少なめ設定ボタンM104と、OKボタンM105と、キャンセルボタンM106とから構成されてている。かかる香料インク範囲設定画面M100にて、ユーザは範囲設定画像M101にてマウス等の入力デバイスを利用して香料インクCLの吐出領域を設定可能になっている。このとき、範囲設定画像M101にて所定の領域を指定しつつ、インク量多め設定ボタンM102、インク量普通設定ボタンM103、インク量少なめ設定ボタンM104の何れかを選択する。この香料インク範囲設定画面M100の表示および設定の受け付けは吐出条件指示受付部103にて実行される。
【0027】
本実施形態においては、多め領域R1は、範囲設定画像M101にて領域を指定しつつインク量多め設定ボタンM102を選択した領域であり、ふつう領域R2は、範囲設定画像M101にて領域を指定しつつインク量普通設定ボタンM103を選択した領域であり、少なめ領域R3は、範囲設定画像M101にて領域を指定しつつインク量少なめ設定ボタンM104を選択した領域である。ユーザは領域の指定等を終了すると、OKボタンM105を押し下げる。一方、指定等をキャンセルしたい場合は、キャンセルボタンM106を押し下げる。すると、本実施形態においては、図7に示すように、多め領域R1に含まれる画素の画素データに指定フラグ3が設定され、ふつう領域R2に含まれる画素の画素データに指定フラグ2が設定され、少なめ領域R3に含まれる画素の画素データに指定フラグ1が設定されることになる。そして、この指定フラグの状態を応じて適宜色変換テーブル102に規定されている香料インクCLのインク値が変更され、色変換が実行される。
【0028】
図8は、上述した香料インクCLを所定の領域に吐出させる際に実行される色変換処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、色変換処理を実行するに際し、最初に色変換テーブル102を読み出す(ステップS100)。次に、所定のインターフェース画面にて香料モードが選択されたか否かを判別する(ステップS105)。香料モードが選択されていると判別した場合は、図6に示した香料インク範囲設定画面M100を表示する(ステップS110)。そして、吐出範囲の設定およびインク量設定の所定操作が行われるとともにOKボタンM105が押し下げられたと判別した場合(ステップS115)、色変換テーブル102に規定されている香料インクCLのインク値を初期化する。ここでは「0」、すなわち吐出量0に初期化する(ステップS120)。
【0029】
以降、画像データについて1画素づつ色変換を実行するために、画素データを入力するとともに(ステップS125)、この入力した画素データが有するRGBの色成分値を取得する(ステップS130)。そして、色変換テーブル102から同色成分値に対応したCMYKCLのインク値を取得する。ここでは、香料インクCLのインク値は0である(ステップS135)。次に、画素データに香料インクCLを吐出することを指定する指定フラグが含まれているか否かを判別する(ステップS140)。指定フラグが含まれていると判別した場合は、この指定フラグが「3」、すなわち、画素データが多め領域R1に含まれる画素を構成するデータであるか否かを判別する(ステップS145)。指定フラグが「3」ではないと判別した場合は、指定フラグが「2」、すなわち、画素データがふつう境域R2に含まれる画素を構成するデータであるか否かを判別する(ステップS150)。
【0030】
ここで、指定フラグが「2」ではないと判別された場合、画素データに含まれている指定フラグは「1」、すなわち、画素データは少なめ領域R3に含まれる画素を構成するデータになる(ステップS155)。かかる場合、香料インクCLのインク値を「0」から少なめの吐出量を規定する所定のインク値に変更する(ステップS160)。一方、ステップS145にて指定フラグが「3」であると判別された場合は、香料インクCLのインク値を「0」から多めの吐出量を規定する所定のインク値に変更する(ステップS165)。また、ステップS150にて指定フラグが「2」であると判別された場合は、香料インクCLのインク値を「0」から普通の吐出量を規定する所定のインク値に変更する(ステップS170)。そして、ステップS135にて取得されたCMYKCLのインク値もしくはステップS160、S165,S170にて変更された香料インクCLのインク値を有するCMYKCLのインク値に基づいてステップS130にて取得したRGBの色成分値を色変換する(ステップS175)。
【0031】
一方、香料モードではない場合、すなわち、画質改善モードである場合は、色変換テーブル102を予め規定されているRGBの色成分値とCMYKCLのインク値との対応関係(印刷媒体、印刷モードに応じて画質を改善するために規定された対応関係)に基づいて初期化する(ステップS180)。そして、画素データを入力し(ステップS185)、同画素データが有するRGBの色成分値を取得する(ステップS190)。そして、色変換テーブル102から同色成分値に対応したCMYKCLのインク値を取得するとともに(ステップS195)、ステップS190にて取得したRGBの成分値を同取得したCMYKCLのインク値に基づいて色変換する(ステップS200)。以上の処理を全画素について実行する(ステップS205)。
【0032】
上述した実施形態においては、図6に示した香料インク範囲設定画面M100にて指定された領域に所定インク量の香料インクCLを吐出させた。すなわち、画像上の位置にて特定される所定の画像領域に香料インクCLを吐出させることによって、印刷媒体の所望の領域に香料にて形成される芳香性を具備させることを可能にした。このように印刷媒体の所望の領域に芳香性を具備させると言う観点においては、領域を色成分値の階調範囲にて指示するようにしても良い、これにより、ユーザは好みの色合いを有する領域を指示することによって、この色合いを有する画像上の各範囲(色域領域)について香料の芳香性を具備させることが可能になる。
【0033】
(5)色変換処理の処理内容の変形例:
かかる本実施形態における色変換処理の処理内容を図9のフローチャートに示す。同図において、色変換処理を実行するに際し、最初に色変換テーブル102を読み出す(ステップS300)。次に、所定のインターフェース画面にて香料モードが選択されたか否かを判別する(ステップS305)。香料モードが選択されていると判別した場合は、図6に示した香料インク範囲設定画面M100を表示する(ステップS310)。そして、吐出範囲の設定およびインク量設定の所定操作が行われるとともに、OKボタンM105が押し下げられたと判別した場合(ステップS315)、色変換テーブル102に規定されている香料インクCLの設定を修正する色変換テーブル修正処理を実行する(ステップS320)。
【0034】
色変換テーブル修正処理が終了すると、同修正された色変換テーブル102に基づいて以降、画像データについて1画素づつ色変換を実行するため、画素データを入力し(ステップS325)、この入力した画素データが有するRGBの色成分値を取得する(ステップS330)。そして、色変換テーブル102から同色成分値に対応したCMYKCLのインク値を取得するとともに(ステップS335)、ステップS330にて取得したRGBの色成分値を同取得したCMYKCLのインク値に基づいて色変換する(ステップS340)。一方、香料モードではない場合、すなわち、画質改善モードである場合は、色変換テーブル102を予め規定されているRGBの色成分値とCMYKCLのインク値との対応関係(印刷媒体、印刷モードに応じて画質を改善するために規定された対応関係)に基づいて初期化し(ステップS350)、ステップS325〜S340の処理を実行する。以上の処理を全画素について実行する(ステップS345)。
【0035】
図10は、上述した色変換処理のステップS320にて実行される色変換テーブル修正処理の処理内容を示したフローチャートである。同図において、最初に色変換テーブル102に規定されている香料インクCLのインク値を初期化する。ここでは「0」、すなわち吐出量0に初期化する(ステップS400)。次に、色変換テーブル102に規定されているRGBの色成分値を取得する(ステップS405)。このRGBの色成分値が香料インク範囲設定画面M100にて指定された領域に存在する画素の階調範囲に含まれるか否かを判別する(ステップS410)。階調範囲に含まれる場合は、存在する領域が多め領域R1であるか否かを判別する(ステップS415)。多め領域R1に存在する場合は「0」に初期化されている香料インクCLのインク値を多めの吐出量を規定する所定のインク値に設定変更する(ステップS420)。
【0036】
ステップS415にて多め領域R1に存在しないと判別された場合は、ふつう領域R2に存在するか否かを判別し(ステップS425)、ふつう領域R2に存在すると判別された場合は「0」に初期化されている香料インクCLのインク値を多めの吐出量を規定する所定のインク値に設定変更する(ステップS430)。また、ステップS425にてふつう領域R2に存在しないと判別された場合は、少なめ領域R3に存在すると判別し、「0」に初期化されている香料インクCLのインク値を少なめ吐出量を規定する所定のインク値に設定変更する(ステップS435)。そして、これら設定変更された香料インクCLのインク値を色変換テーブル102に反映させるため、同色変換テーブル102を設定変更に基づいて修正する(ステップS440)。以上の処理を17**3個の全格子点について実行する(ステップS445)。このように修正された色変換テーブル102に基づいて上述した色変換処理を実行することにより、所定の色域領域に香料インクCLを付加することが可能になる。
【0037】
(6)まとめ:
このように、画質改善インクCLに芳香性を備えた香料を添加して香料インクCLを構成し、適宜ユーザの利用状況に応じて画質改善モードと香料モードとを選択可能とし、香料モードが選択された場合は、香料インクCLを付加することによって印刷媒体に芳香性を備えさせたい画像領域あるいは色域領域に対して、所定量の香料インクCLを付加することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】プリンタの概略構成図。
【図3】プリンタのブロック図。
【図4】印刷ヘッドのノズルNzの配列を示した構成図。
【図5】色変換テーブルの構成図。
【図6】香料インク範囲設定画面の画面構成図。
【図7】画像データの構成図。
【図8】色変換処理のフローチャート。
【図9】色変換処理のフローチャート。
【図10】色変換テーブル修正処理のフローチャート。
【符号の説明】
20…プリンタ 21…CRT 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーション 96…プリンタドライバ 97…解像度変換部 98…色変換部 99…ハーフトーン処理部 100…印刷データ生成部 102…色変換テーブル 103…吐出条件指示受付部

Claims (12)

  1. 所定の着色材を含む有色インクの吐出量と同着色材が含まれない略透明のインクに所定の香料が添加された香料インクの吐出量との吐出状態を表す印刷データを生成する印刷制御装置であって、
    上記香料インクの吐出量を規定する吐出条件の指示を受け付ける条件指示受付手段と、
    印刷対象の画像データを形成する各画素の要素色の階調に基づいて規定される上記有色インクの吐出量と上記受け付けられた香料インクの吐出量の指示とに従って上記吐出状態を表す印刷データを生成する印刷データ生成手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 上記条件指示受付手段は、上記画像データにて上記香料インクを吐出する吐出領域の指示を受け付けることを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 上記条件指示受付手段は、上記吐出領域の指示を受け付けるに際して、上記香料インクの吐出量が異なる複数の領域を受け付け可能なことを特徴とする上記請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 上記条件指示受付手段は、上記画像データにて上記香料インクの吐出する階調範囲の指示を受け付けることを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
  5. 上記条件指示受付手段は、上記階調範囲の指示を受け付けるに際して、上記香料インクの吐出量が異なる複数の階調範囲を受け付け可能なことを特徴とする上記請求項4に記載の印刷制御装置。
  6. 上記条件指示受付手段は、上記画像データにて指定された所定領域に含まれる画素にて形成される階調範囲を上記指示として受け付けることを特徴とする上記請求項4または請求項5のいずれかに記載の印刷制御装置。
  7. 上記香料インクが充填されるインクカートリッジから同香料インクの添加材を認識可能なインク情報を取得するインク情報取得手段と、同インク情報取得手段にて取得した上記添加材を認識可能なインク情報を表示するインク情報表示手段とを有することを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置。
  8. 上記香料インクは、画質を改善するための画質改善インクであることを特徴とする上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
  9. 所定の着色材を含む有色インクの吐出量と同着色材を含まない略透明のインクに所定の香料が添加された香料インクの吐出量との吐出状態を表す印刷データを生成する印刷制御方法であって、
    上記香料インクの吐出量を規定する吐出条件の指示を受け付ける条件指示受付工程と、
    印刷対象の画像データを形成する各画素の要素色の階調に基づいて規定される上記有色インクの吐出量と上記受け付けられた香料インクの吐出量の指示とに従って上記吐出状態を表す印刷データを生成する印刷データ生成工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  10. 所定の着色材を含む有色インクの吐出量と同着色材を含まない略透明のインクに所定の香料が添加された香料インクの吐出量との吐出状態を表す印刷データを生成する機能をコンピュータにて実現可能にする印刷制御プログラムであって、
    上記香料インクの吐出量を規定する吐出条件の指示を受け付ける条件指示受付機能と、
    印刷対象の画像データを形成する各画素の要素色の階調に基づいて規定される上記有色インクの吐出量と上記受け付けられた香料インクの吐出量の指示とに従って上記吐出状態を表す印刷データを生成する印刷データ生成機能とを具備することを特徴とする印刷制御プログラム。
  11. インクジェトプリンタにて使用されるインクセットであって、
    所定の着色材を含む有色インクが充填された有色インクカートリッジと、
    上記着色材を含まない略透明の液体にて形成されるとともに所定の香料が添加された香料インクが充填された香料インクカートリッジとを具備することを特徴とするインクセット。
  12. 上記香料インクは、画質を改善するための画質改善インクにて形成されることを特徴とする上記請求項11に記載のインクセット。
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