JP2004214820A - 車載アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】車両への搭載性が損なわれることを抑制しつつ、送受信特性を向上させると共に、複数のアンテナを車両に搭載する場合においても、アンテナ同士間での干渉作用を低減する。
【解決手段】車載アンテナを、リアガラスを誘電体基板として、リアガラスの車室内側表面上に配置された平面アンテナと、この平面アンテナから外側に向かい離間した位置で、平面アンテナを両側から挟み込むようにして車室内側表面上に設けられた一対の線状導体12,12とを備えて構成した。一対の線状導体12,12を、放射導体21の幅の長さよりも長く形成し、接地導体22の外縁部から所定距離Lだけ離間した位置で、放射導体21の適宜の1対の対向する2辺に平行となるよう配置した。
【選択図】 図3
【解決手段】車載アンテナを、リアガラスを誘電体基板として、リアガラスの車室内側表面上に配置された平面アンテナと、この平面アンテナから外側に向かい離間した位置で、平面アンテナを両側から挟み込むようにして車室内側表面上に設けられた一対の線状導体12,12とを備えて構成した。一対の線状導体12,12を、放射導体21の幅の長さよりも長く形成し、接地導体22の外縁部から所定距離Lだけ離間した位置で、放射導体21の適宜の1対の対向する2辺に平行となるよう配置した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば車両用窓ガラスの車室内側の同一の表面上に設けられた放射導体および放射導体の外縁部から外側に向かい離間した位置で放射導体の縁部の周囲を囲む略環状の接地導体を備える平面アンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−252520号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例に係る平面アンテナを車両に搭載する際に、例えばフロントガラスやリアガラス等の車両用窓ガラスに配置する場合には、車両の乗員の視野が妨げられてしまうことを防止すると共に、車両の外観性が損なわれてしまうことを防止することが望まれている。
しかしながら、車両の外観性等に基づいて平面アンテナの寸法や配置等を規制すると、所望の送受信特性を得ることが困難になる虞がある。
また、例えば、互いに異なる周波数帯域を対象とする複数のアンテナを車両に搭載する場合に、アンテナ同士間での干渉作用が過剰に大きくなると、所望の送受信特性を得ることが困難になるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両への搭載性が損なわれることを抑制しつつ、送受信特性を向上させると共に、複数のアンテナを車両に搭載する場合においても、アンテナ同士間での干渉作用を低減することが可能な車載アンテナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の車載アンテナは、誘電体基板(例えば、実施の形態でのリアガラス2)の同一の表面(例えば、実施の形態での車室内側表面2A)上に設けられた放射素子(例えば、実施の形態での放射導体21)および該放射素子の外縁部から外側に向かい離間した位置で前記外縁部の周囲を囲む接地導体を備える車載アンテナであって、前記表面上で前記接地導体の外縁部から外側に向かい離間した位置に導電性部材(例えば、実施の形態での線状導体12)を備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成の車載アンテナによれば、誘電体基板の表面上を伝搬する電波を導電性部材によって遮断および反射させることができる。
すなわち、電波の受信時においては、誘電体基板の表面上を伝搬して放射素子へと向かう電波を遮断することによって、受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
一方、電波の送信時においては、放射素子から放射される電波のうち、誘電体基板の表面上を伝搬する電波を導電性部材によって放射素子へと反射させることで、送信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車載アンテナの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車載アンテナ10は、例えば図1および図2に示すように、車両1の窓ガラスのうち、例えばリアガラス2の周縁部2aの車室内側表面2A上に配置されている。
そして、この車載アンテナ10は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Position System)通信網からの測位信号を受信したり、GPSによる位置情報を利用して緊急通報等を行う際に利用されるGPSアンテナや、例えば路側無線装置と車載器との狭域無線通信DSRC(Dedicated Short Range Communications)によって、各種の情報提供サービスから配信されるデータを受信したり、自動料金収受の処理を実行する際に利用されるDSRCアンテナや、例えば人工衛星を利用した放送や各種の情報提供サービスから配信されるデータを受信するアンテナや、例えば人工衛星や適宜の基地局との移動体通信に利用される移動体通信用アンテナ等とされている。
【0008】
車載アンテナ10は、例えば、リアガラス2を誘電体基板として、リアガラス2の車室内側表面2A上に配置された平面アンテナ11と、この平面アンテナ11から外側に向かい離間した位置で、平面アンテナ11を両側から挟み込むようにして車室内側表面2A上に設けられた一対の線状導体12,12とを備えて構成されている。
平面アンテナ11は、例えば図3に示すように、リアガラス2の車室内側表面2A上に配置された導電性薄膜等からなる放射導体21および接地導体22を備えて構成されている。
【0009】
放射導体21は、例えば2対の対向する2辺を有する略4角形の導電性薄膜において、隣接する2辺が略直交してなる2対の対向する2つの隅部のうち、一対の2つの隅部が切除されて、略直線状の摂動部21a,21aが形成されなり、これらの摂動部21a,21aによって、円偏波のモードが生起されるように構成されている。
そして、放射導体21は、適宜の給電線(図示略)に接続され、適宜の高周波電流が給電されている。
【0010】
接地導体22は、例えば略4角形環状の導電性薄膜とされ、適宜のアース線(図示略)に接続されて常時接地されており、車室内側表面2A上に設けられた放射導体21の外縁部から外側に向かい離間した位置で、この外縁部の周囲を囲むように配置されている。
これにより、放射導体21の外縁部と、接地導体22の内縁部との間においては、誘電体基板とされるリアガラス2の車室内側表面2Aが露出しており、平面アンテナ11は、いわば放射導体21と接地導体22との間で共振回路が形成されることでアンテナとして機能するようになっている。
【0011】
ここで、平面アンテナ11のアンテナ特性、例えば送受信対象となる電波の共振周波数および周波数帯域を所望の値に設定するようにして、誘電体基板とされるリアガラス2の誘電率や、放射導体21の2対の対向する2辺の各長さや、放射導体21の外縁部と接地導体22の内縁部との間の距離等が適宜の値に設定されている。
【0012】
一対の線状導体12,12は、例えば放射導体21の2対の対向する2辺の各長さよりも長く形成され、平面アンテナ11の外縁部つまり接地導体22の外縁部から所定距離Lだけ離間した位置で、平面アンテナ11を両側から挟み込むようにして、例えば放射導体21の適宜の1対の対向する2辺に平行となるよう配置されている。
この所定距離Lは、後述するように、例えば平面アンテナ11の送受信特性のうち、特に仰角に応じた感度特性が所望の状態となるようにして、例えば送受信対象となる電波の共振周波数に応じた波長λの1/2倍や1/4倍等の値に設定される。
なお、図3においては、車室内側表面2A上において平面アンテナ11の外縁部から適宜の距離だけ離間した位置に、平面アンテナ11とは異なる周波数帯域(例えば、AMおよびFM帯等)の電波を受信するための線状アンテナAFが配置されている。そして、一対の線状導体12,12のうち一方の線状導体12は、平面アンテナ11と線状アンテナAFとの間に配置されている。
【0013】
本実施の形態による車載アンテナ10は上記構成を備えており、次に、この車載アンテナ10の動作特性について添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
この車載アンテナ10では、誘電体基板とされるリアガラス2の表面上を伝搬する電波を線状導体12よって遮断および反射させることができる。
すなわち、電波の受信時においては、リアガラス2の表面上を伝搬して平面アンテナ11へと向かう電波を遮断することによって、受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
一方、電波の送信時においては、平面アンテナ11から放射される電波のうち、リアガラス2の表面上を伝搬する電波を線状導体12によって平面アンテナ11へと反射させることで、電磁エネルギーを効率よく増幅することができ、送信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
【0015】
例えば図4に示すように、接地導体22の外縁部から各線状導体12までの所定距離Lを、所望の共振周波数の電波の波長λの1/4倍の値に設定した場合において、この電波に対する車載アンテナ10の感度つまり利得の鉛直軸(図1に示すZ軸)周りの平均値(平均感度)dBaの仰角θに応じた変化は、線状導体12を省略した場合の平均感度dBに比べて、相対的に低仰角でより大きな値となることがわかる。
なお、後述するように、例えば所定距離Lを波長λの1/2倍の値に設定した場合には、線状導体12を省略した場合の平均感度dBに比べて、相対的に高仰角でより大きな値の平均感度を確保することができる。
【0016】
上述したように、本実施の形態による車載アンテナ10によれば、誘電体基板とされるリアガラス2の表面上を伝搬する電波を線状導体12によって遮断および反射させることができ、車載アンテナ10の送受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態へと向上させることができると共に、他のアンテナが存在する場合であっても、アンテナ同士間での干渉作用を低減することができる。
【0017】
なお、上述した本実施の形態においては、平面アンテナ11を両側から挟み込むようにして一対の線状導体12,12を配置したが、これに限定されず、例えば図5に示す本実施形態の第1変形例に係る車載アンテナ10のように、例えば平面アンテナ11の外縁部つまり接地導体22の外縁部から所定距離Lだけ離間した位置で、この外縁部の周囲を囲む環状導体31を配置してもよい。
また、例えば図6に示す本実施形態の第2変形例に係る車載アンテナ10のように、上述した実施の形態における一対の線状導体12,12のうち他方の線状導体12を省略し、車室内側表面2A上における平面アンテナ11の接地導体22の外縁部から外側に向かい延設されるようにして薄膜状導体32を設けてもよい。
この第2変形例において、接地導体22の外縁部から線状導体12までの所定距離Lを、所望の共振周波数の電波の波長λの1/2倍の値に設定した場合の平均感度dBbは、例えば図4に示すように、線状導体12および薄膜状導体32を省略した場合の平均感度dBに比べて、相対的に低仰角でより小さな値に抑制され、相対的に高仰角でより大きな値を確保することができる。
これにより、送受信の対象となる電波に応じて車載アンテナ10の仰角特性を適宜の状態に設定することができる。
【0018】
なお、上述した本実施の形態においては、平面アンテナ11を導電性薄膜からなる放射導体21および接地導体22によって構成したが、これに限定されず、例えば放射導体21の代わりに、半導体等からなる放射素子を備えてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明の車載アンテナによれば、誘電体基板の表面上を伝搬する電波を導電性部材によって遮断および反射させることができ、車載アンテナの送受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載アンテナを搭載した車両の斜視図である。
【図2】図1に示す車載アンテナの断面図である。
【図3】図1に示す車載アンテナの平面図である。
【図4】図1に示す車載アンテナおよび図1に示す車載アンテナから一対の線状導体を省略した場合および本実施形態の第2変形例に係る車載アンテナの平均感度の仰角θに応じた変化の一例を示すグラフ図である。
【図5】本実施形態の第1変形例に係る車載アンテナの平面図である。
【図6】本実施形態の第2変形例に係る車載アンテナの平面図である。
【符号の説明】
2 リアガラス(誘電体基板)
10 車載アンテナ
11 平面アンテナ
12 線状導体
21 放射導体(放射素子)
22 接地導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば車両用窓ガラスの車室内側の同一の表面上に設けられた放射導体および放射導体の外縁部から外側に向かい離間した位置で放射導体の縁部の周囲を囲む略環状の接地導体を備える平面アンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−252520号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例に係る平面アンテナを車両に搭載する際に、例えばフロントガラスやリアガラス等の車両用窓ガラスに配置する場合には、車両の乗員の視野が妨げられてしまうことを防止すると共に、車両の外観性が損なわれてしまうことを防止することが望まれている。
しかしながら、車両の外観性等に基づいて平面アンテナの寸法や配置等を規制すると、所望の送受信特性を得ることが困難になる虞がある。
また、例えば、互いに異なる周波数帯域を対象とする複数のアンテナを車両に搭載する場合に、アンテナ同士間での干渉作用が過剰に大きくなると、所望の送受信特性を得ることが困難になるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両への搭載性が損なわれることを抑制しつつ、送受信特性を向上させると共に、複数のアンテナを車両に搭載する場合においても、アンテナ同士間での干渉作用を低減することが可能な車載アンテナを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の車載アンテナは、誘電体基板(例えば、実施の形態でのリアガラス2)の同一の表面(例えば、実施の形態での車室内側表面2A)上に設けられた放射素子(例えば、実施の形態での放射導体21)および該放射素子の外縁部から外側に向かい離間した位置で前記外縁部の周囲を囲む接地導体を備える車載アンテナであって、前記表面上で前記接地導体の外縁部から外側に向かい離間した位置に導電性部材(例えば、実施の形態での線状導体12)を備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成の車載アンテナによれば、誘電体基板の表面上を伝搬する電波を導電性部材によって遮断および反射させることができる。
すなわち、電波の受信時においては、誘電体基板の表面上を伝搬して放射素子へと向かう電波を遮断することによって、受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
一方、電波の送信時においては、放射素子から放射される電波のうち、誘電体基板の表面上を伝搬する電波を導電性部材によって放射素子へと反射させることで、送信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車載アンテナの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車載アンテナ10は、例えば図1および図2に示すように、車両1の窓ガラスのうち、例えばリアガラス2の周縁部2aの車室内側表面2A上に配置されている。
そして、この車載アンテナ10は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Position System)通信網からの測位信号を受信したり、GPSによる位置情報を利用して緊急通報等を行う際に利用されるGPSアンテナや、例えば路側無線装置と車載器との狭域無線通信DSRC(Dedicated Short Range Communications)によって、各種の情報提供サービスから配信されるデータを受信したり、自動料金収受の処理を実行する際に利用されるDSRCアンテナや、例えば人工衛星を利用した放送や各種の情報提供サービスから配信されるデータを受信するアンテナや、例えば人工衛星や適宜の基地局との移動体通信に利用される移動体通信用アンテナ等とされている。
【0008】
車載アンテナ10は、例えば、リアガラス2を誘電体基板として、リアガラス2の車室内側表面2A上に配置された平面アンテナ11と、この平面アンテナ11から外側に向かい離間した位置で、平面アンテナ11を両側から挟み込むようにして車室内側表面2A上に設けられた一対の線状導体12,12とを備えて構成されている。
平面アンテナ11は、例えば図3に示すように、リアガラス2の車室内側表面2A上に配置された導電性薄膜等からなる放射導体21および接地導体22を備えて構成されている。
【0009】
放射導体21は、例えば2対の対向する2辺を有する略4角形の導電性薄膜において、隣接する2辺が略直交してなる2対の対向する2つの隅部のうち、一対の2つの隅部が切除されて、略直線状の摂動部21a,21aが形成されなり、これらの摂動部21a,21aによって、円偏波のモードが生起されるように構成されている。
そして、放射導体21は、適宜の給電線(図示略)に接続され、適宜の高周波電流が給電されている。
【0010】
接地導体22は、例えば略4角形環状の導電性薄膜とされ、適宜のアース線(図示略)に接続されて常時接地されており、車室内側表面2A上に設けられた放射導体21の外縁部から外側に向かい離間した位置で、この外縁部の周囲を囲むように配置されている。
これにより、放射導体21の外縁部と、接地導体22の内縁部との間においては、誘電体基板とされるリアガラス2の車室内側表面2Aが露出しており、平面アンテナ11は、いわば放射導体21と接地導体22との間で共振回路が形成されることでアンテナとして機能するようになっている。
【0011】
ここで、平面アンテナ11のアンテナ特性、例えば送受信対象となる電波の共振周波数および周波数帯域を所望の値に設定するようにして、誘電体基板とされるリアガラス2の誘電率や、放射導体21の2対の対向する2辺の各長さや、放射導体21の外縁部と接地導体22の内縁部との間の距離等が適宜の値に設定されている。
【0012】
一対の線状導体12,12は、例えば放射導体21の2対の対向する2辺の各長さよりも長く形成され、平面アンテナ11の外縁部つまり接地導体22の外縁部から所定距離Lだけ離間した位置で、平面アンテナ11を両側から挟み込むようにして、例えば放射導体21の適宜の1対の対向する2辺に平行となるよう配置されている。
この所定距離Lは、後述するように、例えば平面アンテナ11の送受信特性のうち、特に仰角に応じた感度特性が所望の状態となるようにして、例えば送受信対象となる電波の共振周波数に応じた波長λの1/2倍や1/4倍等の値に設定される。
なお、図3においては、車室内側表面2A上において平面アンテナ11の外縁部から適宜の距離だけ離間した位置に、平面アンテナ11とは異なる周波数帯域(例えば、AMおよびFM帯等)の電波を受信するための線状アンテナAFが配置されている。そして、一対の線状導体12,12のうち一方の線状導体12は、平面アンテナ11と線状アンテナAFとの間に配置されている。
【0013】
本実施の形態による車載アンテナ10は上記構成を備えており、次に、この車載アンテナ10の動作特性について添付図面を参照しながら説明する。
【0014】
この車載アンテナ10では、誘電体基板とされるリアガラス2の表面上を伝搬する電波を線状導体12よって遮断および反射させることができる。
すなわち、電波の受信時においては、リアガラス2の表面上を伝搬して平面アンテナ11へと向かう電波を遮断することによって、受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
一方、電波の送信時においては、平面アンテナ11から放射される電波のうち、リアガラス2の表面上を伝搬する電波を線状導体12によって平面アンテナ11へと反射させることで、電磁エネルギーを効率よく増幅することができ、送信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に設定することができる。
【0015】
例えば図4に示すように、接地導体22の外縁部から各線状導体12までの所定距離Lを、所望の共振周波数の電波の波長λの1/4倍の値に設定した場合において、この電波に対する車載アンテナ10の感度つまり利得の鉛直軸(図1に示すZ軸)周りの平均値(平均感度)dBaの仰角θに応じた変化は、線状導体12を省略した場合の平均感度dBに比べて、相対的に低仰角でより大きな値となることがわかる。
なお、後述するように、例えば所定距離Lを波長λの1/2倍の値に設定した場合には、線状導体12を省略した場合の平均感度dBに比べて、相対的に高仰角でより大きな値の平均感度を確保することができる。
【0016】
上述したように、本実施の形態による車載アンテナ10によれば、誘電体基板とされるリアガラス2の表面上を伝搬する電波を線状導体12によって遮断および反射させることができ、車載アンテナ10の送受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態へと向上させることができると共に、他のアンテナが存在する場合であっても、アンテナ同士間での干渉作用を低減することができる。
【0017】
なお、上述した本実施の形態においては、平面アンテナ11を両側から挟み込むようにして一対の線状導体12,12を配置したが、これに限定されず、例えば図5に示す本実施形態の第1変形例に係る車載アンテナ10のように、例えば平面アンテナ11の外縁部つまり接地導体22の外縁部から所定距離Lだけ離間した位置で、この外縁部の周囲を囲む環状導体31を配置してもよい。
また、例えば図6に示す本実施形態の第2変形例に係る車載アンテナ10のように、上述した実施の形態における一対の線状導体12,12のうち他方の線状導体12を省略し、車室内側表面2A上における平面アンテナ11の接地導体22の外縁部から外側に向かい延設されるようにして薄膜状導体32を設けてもよい。
この第2変形例において、接地導体22の外縁部から線状導体12までの所定距離Lを、所望の共振周波数の電波の波長λの1/2倍の値に設定した場合の平均感度dBbは、例えば図4に示すように、線状導体12および薄膜状導体32を省略した場合の平均感度dBに比べて、相対的に低仰角でより小さな値に抑制され、相対的に高仰角でより大きな値を確保することができる。
これにより、送受信の対象となる電波に応じて車載アンテナ10の仰角特性を適宜の状態に設定することができる。
【0018】
なお、上述した本実施の形態においては、平面アンテナ11を導電性薄膜からなる放射導体21および接地導体22によって構成したが、これに限定されず、例えば放射導体21の代わりに、半導体等からなる放射素子を備えてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明の車載アンテナによれば、誘電体基板の表面上を伝搬する電波を導電性部材によって遮断および反射させることができ、車載アンテナの送受信特性、特に仰角に応じた感度特性を所望の状態に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載アンテナを搭載した車両の斜視図である。
【図2】図1に示す車載アンテナの断面図である。
【図3】図1に示す車載アンテナの平面図である。
【図4】図1に示す車載アンテナおよび図1に示す車載アンテナから一対の線状導体を省略した場合および本実施形態の第2変形例に係る車載アンテナの平均感度の仰角θに応じた変化の一例を示すグラフ図である。
【図5】本実施形態の第1変形例に係る車載アンテナの平面図である。
【図6】本実施形態の第2変形例に係る車載アンテナの平面図である。
【符号の説明】
2 リアガラス(誘電体基板)
10 車載アンテナ
11 平面アンテナ
12 線状導体
21 放射導体(放射素子)
22 接地導体
Claims (1)
- 誘電体基板の同一の表面上に設けられた放射素子および該放射素子の外縁部から外側に向かい離間した位置で前記外縁部の周囲を囲む接地導体を備える車載アンテナであって、
前記表面上で前記接地導体の外縁部から外側に向かい離間した位置に導電性部材を備えることを特徴とする車載アンテナ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002379994A JP2004214820A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 車載アンテナ |
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