JP2004214363A - 固体撮像素子及びデジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】垂直解像度が高く、広いダイナミックレンジの動画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供する。
【解決手段】固体撮像素子は、2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】固体撮像素子は、2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子に関し、特に広いダイナミックレンジの動画像と高解像度の静止画像を得られるCCD型転送路を有する固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
正方格子状に多数個配置された画素(フォトダイオード)を有する順次走査型の電荷結合素子型固体撮像素子(以下、CCDイメージセンサとする)を使用して、広いダイナミックレンジの動画像を得ることが行われている。例えば、垂直ブランキング期間内に異なる露光時間の画素の信号電荷を転送チャンネルに2回読み出し、各々垂直方向に近接する2画素の信号電荷を加算する。その後、1回目の読み出しを加算した信号電荷と2回目の読み出しを加算した信号電荷とを混合することなく転送して出力し(CCD動作)、異なる露光時間の2個のCCD出力信号から1枚の画像信号を合成する(画像合成及び画像信号処理)。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】特開平11−75118号公報
【0004】
図8は、上述の従来技術をいわゆる画素ずらし配列のCCDイメージセンサ200に適用した場合の従来例を表すブロック図である。
【0005】
CCDイメージセンサ200は、いわゆる画素ずらし配置に配置される多数個の光電変換素子112、光電変換素子列間に配置される転送チャンネル114と光電変換素子行間に配置される転送電極116とを含む垂直電荷転送路(VCCD)、及び、光電変換素子112から転送チャンネル114に電荷を読み出すためのゲート部111Gを含んで構成される。
【0006】
光電変換素子112に光が入射すると、その光量に応じた量の信号電荷が、光電変換素子112に蓄積される。個々の画素(光電変換素子)112に蓄積された信号電荷は、この画素に対応するVCCDへ読出され、さらに、このVCCDによってHCCD115へ転送される。1つの画素行に属する画素の各々に蓄積された電荷は、対応するVCCDへ同じタイミングで読出され、同じタイミングでHCCD115へ転送される。
【0007】
また、図8のCCDイメージセンサ200でも、垂直ブランキング期間内に2種類の異なる露光時間で画素(フォトダイオード)112に蓄積された信号電荷を、矢印で示すゲート部111Gを介して転送チャンネル114に読み出すこともできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す例では、垂直方向に加算される画素同士が離れているため、転送チャンネル114内で、信号電荷を加算する場合には、n行の光電変換素子112の信号電荷と加算されるのは、n+2行の光電変換素子112の信号電荷であり、画素加算をする光電変換素子の垂直方向のピッチが離れすぎてしまう。よって、得られる画像の垂直方向の解像度が大幅に劣化してしまい、正方格子配列のCCDイメージセンサと同様の手法では、広いダイナミックレンジで高解像度の動画像を得ることは、非常に難しい。
【0009】
本発明の目的は、垂直解像度が高く、広いダイナミックレンジの動画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することである。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、垂直解像度が高く、高解像度の静止画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、固体撮像素子は、2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する。
【0012】
また、本発明の他の観点によれば、デジタルカメラは、2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する固体撮像素子と、被写体を前記固体撮像素子に結像するための光学系と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部と、前記固体撮像素子の出力を信号処理して画像信号を生成する信号処理部とを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の電荷結合素子(CCD)型固体撮像素子1の構成を表すブロック図である。半導体基板上の絶縁膜を剥がし、光電変換素子12、転送電極16を露出した状態を示す。なお、図1に示す構成は、後述の第1及び第2の実施例に共通のものである。
【0014】
図2は、本実施例の固体撮像素子1の拡大断面図である。図1の線x−yで切断した受光領域10を示す。なお、図1の参照番号と同じ番号のものは同様の部材を示す。
【0015】
固体撮像素子1は、多数の光電変換素子12及び垂直電荷転送路(VCCD)21を含む受光領域10、水平電荷転送路(HCCD)22、出力部23、オーバーフロードレイン電極端子24、及び電極端子25a〜25hを含んで構成される。
【0016】
固体撮像素子1の受光領域10は、多数の光電変換素子12(図2のn型不純物添加領域12a及びp+ 型不純物添加領域12bを含む)をいわゆる画素ずらし配置に配置して構成されている。ここで、本明細書でいう「画素ずらし配置」とは、2次元テトラゴナル行列の第1格子と、その格子間位置に格子点を有する第2格子とを合わせた配置を指す。例えば、奇数列(行)中の各光電変換素子12に対し、偶数列(行)中の光電変換素子12の各々が、光電変換素子12の列(行)方向ピッチの約1/2、列(行)方向にずれ、光電変換素子列(行)の各々が奇数行(列)または偶数行(列)の光電変換素子2のみを含む。「画素ずらし配置」は、多数個の光電変換素子12を複数行、複数列に亘って行列状に配置する際の一形態である。
【0017】
なお、ピッチの「約1/2」とは、1/2を含む他に、製造誤差、設計上もしくはマスク製作上起こる画素位置の丸め誤差等の要因によって1/2から外れてはいるものの、得られる固体撮像素子12の性能およびその画像の画質からみて実質的に1/2と同等とみなすことができる値をも含むものとする。上記の「光電変換素子行内での光電変換素子12のピッチの約1/2」についても同様である。
【0018】
各光電変換素子12は、図2に示すようにp型ウェル19内にn型領域12aを形成し、その表面にp型層12bを形成した埋め込みフォトダイオードで形成される。
【0019】
それぞれの光電変換素子12の列間には、光電変換素子12で発生した信号電荷を読み出して垂直方向に転送するn型の転送チャネル領域14が、光電変換素子12の間隙を垂直方向に蛇行するように設けられている。画素ずらし配置により形成された空隙部に蛇行する転送チャネルが配置され、隣接する転送チャネルは光電変換素子を介して離れたり、チャネルストップ領域又はゲート領域11Gを挟んで近接したりする。光電変換素子、転送チャネルによって、受光部の半導体基板のほとんどの面積が有効利用されている。
【0020】
本実施例では、図2に示すように、フォトダイオード12の両側に図中矢印で示すゲート領域11Ga、11Gbが配置され、両側の転送チャンネル14a、14bに電荷を読み出せる。各光電変換素子12に対して2箇所ずつ設けられており、いずれかのゲート領域11Gから、光電変換素子12に蓄積される信号電荷が、転送チャンネル14に読み出される。ゲート領域11Ga及び11Gbは、それぞれが光電変換素子12の対向する辺に設けられており、各ゲート領域11Gを介して、光電変換素子12の信号電荷を異なる転送チャンネル14に読み出すことができる。
【0021】
このように、各光電変換素子12毎に、転送チャンネル14に対して、信号電荷を読み出す読み出しゲート領域11Gを2箇所に設けることにより、斜め方向に隣り合う光電変換素子12の信号電荷を、転送チャンネル14内で加算することができる。
【0022】
なお、本実施例では、説明の便宜上、偶数列の転送チャンネル14を転送チャンネル14aとし、奇数列を転送チャンネル14bとしているが、それらの構成及び機能は同一のものである。また、光電変換素子12から転送チャンネル14aに信号電荷を読み出すためのゲート領域11Gをゲート領域11Gaとし、転送チャンネル14bに信号電荷を読み出すためのゲート領域11Gをゲート領域11Gbとしている。
【0023】
転送チャンネル14上方には、後述する絶縁膜(ゲート酸化膜)15aを挟んで、転送電極16(第1層転送電極16b、16c及び第2層転送電極16a、16d)が光電変換素子12の間隙を蛇行するように水平方向に形成されている。転送電極のほとんど全部の面積が転送チャネル上に配置されている。
【0024】
転送電極16は、垂直転送チャネル14とともに垂直電荷転送路(VCCD)21を形成し、光電変換素子12で生じた信号電荷を電極端子25a〜25hを介して供給される後述するような8相駆動パルス(ΦV1A〜ΦV4B)で読み出すとともに、垂直方向に転送する。転送電極16の各々は、多層ポリシリコン電極(構造)で形成されている。多層ポリシリコン電極の形成方法は周知の例による。
【0025】
垂直電荷転送路21によって垂直方向に転送された信号電荷は、水平電荷転送路(HCCD)22によって、水平方向に転送され、出力部23を介して固体撮像素子1の外部に出力される。
【0026】
オーバーフロードレイン電極端子24は、光電変換素子12に蓄積された信号電荷を、リセットするためのオーバーフロードレイン電極に信号を入力するための端子である。
【0027】
図3は、本発明の第1の実施例による白黒用固体撮像装置を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。なお、図1及び図2の参照番号と同じ番号のものは同様の部材を示す。なお、図中の「N」及び「M」は、1以上の整数である。
【0028】
各光電変換素子から右側又は左側の転送チャンネルのみに信号電荷を読み出せば、図8で説明したプログレッシブ読み出しによる全画素読み出しができる。
【0029】
動画モードにおいては、通常間引き読み出しを行って画素数を減らしている。本実施例では、VCCD内で画素加算を行い、読み出し信号電荷数を半減するが、2回の撮像を行い、加算2画素あたり2つの信号電荷をVCCD内で作り、ダイナミックレンジを拡大する。
【0030】
図3(B)のタイミングt1〜タイミングt8のパルスは、垂直ブランキング期間(V−BLK期間)内に印加される。なお、信号電荷は、有効走査期間内と、タイミングt3からタイミングt8までに光電変換素子12に蓄積される。タイミングt3からタイミングt8までの期間は、有効走査期間よりも短く設定されている。よって、有効走査期間に蓄積される信号電荷は、長時間露光(ロングシャッター)による信号電荷であり、タイミングt3からタイミングt8までの期間に蓄積される信号電荷は、短時間露光(ショートシャッター)による信号電荷である。
【0031】
図3(B)のタイミングt2において、読み出しパルスをΦV1A、ΦV2A、ΦV4A、及びΦV3Bに対応する転送電極に印加し、有効走査期間内に蓄積された信号電荷(長時間露光による信号電荷)が、光電変換素子12から、転送チャンネル14に読み出される。この時、図中の矢印で示すように、ライン4N、4N−1、4N−4の光電変換素子12からは、各光電変換素子の奇数列(2M−3、2M−1、2M+1、2M+3…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出され、ライン4N−2、4N−3の光電変換素子12からは、各光電変換素子の偶数列(2M−2、2M、2M+2、2M+4…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出される。これにより、図中、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14に信号電荷が格納される。この時、斜線のハッチングを施した転送電極16の下にある転送チャンネル14は、バリアー領域として機能する。
【0032】
ライン4N−2とライン4N−3の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの2つの転送電極16の直下にある偶数列の転送チャンネル14内で、加算される。また、ライン4Nとライン4N−1の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの4つの転送電極16の直下にある奇数列の転送チャンネル14内で、加算される。
【0033】
以上のように、図3(B)に示すようなタイミングで読み出しパルスを与えることにより、斜め方向に隣接する光電変換素子12の信号電荷を加算することができる。
【0034】
転送チャンネル14に格納された長時間露光による信号電荷は、その後のタイミングt3、t4において、図中、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14に転送される。こうすることにより、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14は、空になり、次の読み出しの信号電荷を格納することができるようになる。
【0035】
次に、タイミングt7において、再度、読み出しパルスをΦV1A、ΦV2A、ΦV4A、及びΦV3Bに対応する転送電極に印加し、タイミングt3からタイミングt8までに蓄積された信号電荷(短時間露光による信号電荷)が、光電変換素子12から、転送チャンネル14に読み出される。この時、図中の矢印で示すように、ライン4N、4N−1、4N−4の光電変換素子12からは、各光電変換素子の奇数列(2M−3、2M−1、2M+1、2M+3…)に配置される転送チャンネル14に短時間露光による信号電荷が読み出され、ライン4N−2、4N−3の光電変換素子12からは、各光電変換素子の偶数列(2M−2、2M、2M+2、2M+4…)に配置される転送チャンネル14に短時間露光による信号電荷が読み出される。なお、タイミングt6〜タイミングt9の動作は、タイミングt1〜タイミングt5までの動作と同一である。
【0036】
タイミングt7における読み出しパルスの印加直後は、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14にタイミングt2において読み出された加算信号電荷(2画素加算された長時間露光による信号電荷)が格納されており、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14には、タイミングt3からタイミングt8までに蓄積された加算信号電荷(2画素加算された短時間露光による信号電荷)が、格納されている。
【0037】
その後の、長時間露光による加算信号電荷及び短時間露光による加算信号電荷は、それぞれ独立して(混ざり合うことなく)、垂直方向に転送され、HCCD22等を介して外部に出力される。
【0038】
以上のように、本発明の第1の実施例によれば、転送チャンネル14内で、斜め方向に近接する2つの光電変換素子12に蓄積される信号電荷を加算することができる。また、長時間露光の加算信号電荷と、短時間露光の加算信号電荷を同時に、かつ独立に転送し、出力することができる。よって、垂直解像度の高い広いダイナミックレンジの動画像を得ることができる。
【0039】
図4は、本発明の第2の実施例を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。なお、図1、図2及び図3の参照番号と同じ番号のものは同様の部材を示す。
【0040】
上述の第1の実施例では、各フィールド(垂直ブランキング期間)毎に同じ画素の組が加算されていたが、この第2の実施例では、1フィールドごとに加算する画素の組み合わせを変えてインターレース走査を行う。
【0041】
これは、図3(B)に示す第1の実施例によるタイミングと、図4(B)に示すタイミングを交互に変えることで実現することができる。すなわち、上述した第1の実施例による動作を1回行った後、図4(B)に示すタイミングに基づく動作を1回行い、その後、これを繰り返すことにより、異なる画素の組み合わせによる加算信号電荷を転送・出力する。
【0042】
以下に、図4(B)のタイミングに基づく動作を説明する。
【0043】
図4(B)のタイミングt13〜タイミングt18のパルスは、垂直ブランキング期間(V−BLK期間)内に印加される。なお、信号電荷は、有効走査期間内(図3のタイミングt8〜タイミングt11)と、タイミングt13からタイミングt17までに光電変換素子12に蓄積される。タイミングt13からタイミングt17までの期間は、有効走査期間よりも短く設定されている。よって、有効走査期間に蓄積される信号電荷は、長時間露光(ロングシャッター)による信号電荷であり、タイミングt13からタイミングt17までの期間に蓄積される信号電荷は、短時間露光(ショートシャッター)による信号電荷である。
【0044】
図4(B)のタイミングt12において、読み出しパルスをΦV1A、ΦV3A、ΦV4A、及びΦV2Bに対応する転送電極に印加し、有効走査期間内に蓄積された信号電荷(長時間露光による信号電荷)が、光電変換素子12から、転送チャンネル14に読み出される。この時、図中の矢印で示すように、ライン4N+1、4N、4N−3、4N−4の光電変換素子12からは、各光電変換素子の奇数列(2M−3、2M−1、2M+1、2M+3…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出され、ライン4N−1、4N−2の光電変換素子12からは、各光電変換素子の偶数列(2M−2、2M、2M+2、2M+4…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出される。これにより、図中、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14に信号電荷が格納される。この時、斜線のハッチングを施した転送電極16の下にある転送チャンネル14は、バリアー領域として機能する。
【0045】
ライン4N−1とライン4N−2の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの転送電極16の直下にある偶数列の転送チャンネル14内で、加算される。また、ライン4Nとライン4N+1の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの転送電極16の直下にある奇数列の転送チャンネル14内で、加算される。
【0046】
以上のように、図4(B)に示すようなタイミングで読み出しパルスを与えることにより、図3に示した光電変換素子12の組み合わせとは異なる組み合わせで、斜め方向に隣接する光電変換素子12の信号電荷を加算することができる。
【0047】
転送チャンネル14に格納された長時間露光による信号電荷は、その後のタイミングt14からt15において、図中、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14に転送される。こうすることにより、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14は、空になり、次の読み出しの信号電荷を格納することができるようになる。
【0048】
次に、タイミングt16において、再度、タイミングt12と同様の動作を行い、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14にタイミングt12において読み出された加算信号電荷(2画素加算された長時間露光による信号電荷)が格納されており、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14には、タイミングt13からタイミングt17までに蓄積された加算信号電荷(2画素加算された短時間露光による信号電荷)が、格納されている。
【0049】
その後の、長時間露光による加算信号電荷及び短時間露光による加算信号電荷は、それぞれ独立して(混ざり合うことなく)、垂直方向に転送され、HCCD22等を介して外部に出力される。
【0050】
以上のように、本発明の第2の実施例によれば、第1の組み合わせ(図3の組み合わせ)による2つの光電変換素子の信号電荷を転送チャンネル14内で加算し、その後、第2の組み合わせ(図4)による2つの光電変換素子の信号電荷を転送チャンネル14内で加算することができる。また、それぞれの組み合わせにつき、長時間露光の加算信号電荷と、短時間露光の加算信号電荷を同時に、かつ独立に転送し、出力することができる。よって、垂直解像度の高い広いダイナミックレンジのインターレース動画像を得ることができる。
【0051】
図5は、本発明の第1又は第2実施例による固体撮像素子1を用いたデジタルカメラのシステム構成例を表す概略的ブロック図である。
【0052】
デジタルカメラ100は、例えば、受光領域10を含む固体撮像素子1、レンズ等を含む光学系101、制御部102、駆動部103、アナログ・デジタルコンバータ(ADC)104、信号処理部105等を含んで構成される。
【0053】
制御部102は、光学系101、駆動部103、ADC104及び信号処理部105に対して制御信号を供給する。光学系101は、入射する入射光(画像)を、固体撮像素子1の受光領域10に結像するように設定されている。
【0054】
駆動部103は、制御部102から供給される制御信号に基づき、図3(B)及び図4(B)に示す駆動パルス群(ΦV1A〜ΦV4B)及び駆動に必要な他のパルス群を固体撮像素子に供給するとともに、ADC104に対して、アナログデジタル変換用の駆動パルス群を供給する。
【0055】
固体撮像素子1は、入射光を長時間露光と短時間露光で信号電荷に変換して、駆動部103から供給される駆動パルス群(ΦV1A〜ΦV4B)及び駆動に必要な他のパルス群に基づき、画素加算を行い、長時間露光の加算信号電荷と短時間露光の加算信号電荷を独立して、ADC104に出力する。
【0056】
ADC104は、固体撮像素子1からのCCD出力(長時間露光の加算信号電荷と短時間露光の加算信号電荷を)を、駆動部103から供給される駆動パルス群に基づき、アナログ電荷信号からデジタル画像信号に変換する。
【0057】
信号処理部105は、少なくとも、長時間露光の加算信号電荷に基づくデジタル画像信号と短時間露光の加算信号電荷に基づくデジタル画像信号を処理して、1枚の画像(1画面分の画像)を生成する。
【0058】
なお、上述の第1及び第2の実施例では、広いダイナミックレンジの画像を得るために長時間露光と短時間露光の信号電荷を同時に独立して出力する例を挙げたが、これらの実施例を変形することにより、スミアを低減することもできる。
【0059】
この場合には、読み出し回数を1回として、長時間露光の信号電荷を転送し、上述の実施例で短時間露光の信号電荷を転送した電荷の井戸を空のままにして出力する。こうすることにより、該空の井戸には、スミアに相当する電位が蓄積される。そのため、信号処理部105において、長時間露光の信号電荷の列方向に近接する空の井戸の出力信号を減算することにより、スミア補正を行うことができる。この場合に動作タイミングは、図3(B)の動作タイミングにおいて、タイミングt7の読み出しパルスを出力しないようにする。また、図4(B)の動作タイミングにおいて、タイミングt16の読み出しパルスを出力しないようにする。
【0060】
上述の第1及び第2の実施例では、白黒センサを使用した例を説明したが、図2で光電変換素子12の上方にモザイク状のカラーフィルタを設けたカラーセンサを使用することにより、カラー画像を得ることができる。
【0061】
図6は、本発明の実施例による固体撮像素子に補色系のカラーフィルタを設けた場合の画素の平面配置を概略的に示す。同図に示すように、この固体撮像素子2では、多数個の緑色画素G、マゼンタ色画素M、シアン色画素Cおよび黄色画素Yが画素ずらし配置されている。
【0062】
個々の画素行は、マゼンタ色画素Mと緑色画素Gとが交互に繰り返し配置された第1類画素行PR1、黄色画素Yとシアン色画素Cとが交互に繰り返し配置された第2類画素行PR2、マゼンタ色画素Mと緑色画素Gとの配置が第1類画素行PR1での配置と逆になっている第3類画素行PR3、または、黄色画素Yとシアン色画素Cとの配置が第2類画素行PR2での配置と逆になっている第4類画素行PR4に分類することができる。
【0063】
第1類画素行PR1、第2類画素行PR2、第3類画素行PR3および第4類画素行PR4が、下流側(図6の紙面下側)から上流側(図6の紙面上側)へ向かってこの順番で繰り返し配置されている。紙面最下段の第1類画素行PR1が、最も下流の画素行に相当する。
【0064】
なお、本明細書においては、画素(光電変換素子)から後述する単位信号生成部(出力回路部)への電荷の移動を1つの流れとみなして、個々の部材等の相対的な位置を、必要に応じて「何々の上流」、「何々の下流」等と称して特定するものとする。
【0065】
固体撮像素子2は通常の全画素読み出しでカラー静止画を撮像することができる。この場合、緑色、シアン色、黄色、マゼンダ色の4個の独立な色に対する色信号が得られるので、これらの色信号から静止画のカラー画像が生成できる。
【0066】
図7は、固体撮像素子2を用いて本発明の第1の実施例による2画素加算を行ったとき画素加算の組み合わせの一例を示す。
【0067】
図7において2点鎖線で囲まれている2つの画素同士を画素加算する。第1類画素行PR1(図6参照)と第2類画素行PR2(図6参照)との間では、マゼンタ色画素Mと黄色画素Yとを対象に、また、緑色画素Gとシアン色画素Cとを対象に、2画素加算が行わる。第3類画素行PR3(図6参照)と第4類画素行PR4(図6参照)との間では、シアン色画素Cとマゼンタ色画素Mとを対象に、また、黄色画素Yと緑色画素Gとを対象に、2画素加算が行わる。
【0068】
図7の説明で明らかなように、2画素加算の場合、4種類の加算信号(緑色画素G+シアン色画素C、マゼンタ色画素M+黄色画素Y、緑色画素G+黄色画素Y、マゼンタ色画素M+シアン色画素C)が出力信号として得られる。これらの4種の加算信号は色差線順次方式カラーフィルタ配列を持つCCDセンサの出力信号と同じであり、これらの加算信号からカラー画像信号が生成できる。
【0069】
また、図3(B)及び図4(B)では、読み出しパルスを4個同時に出力したが、それぞれの位相を変えて出力するようにしてもよい。さらに、図3(B)及び図4(B)では、全てのパルスを垂直ブランキング期間内に出力されるものとしたが、一部のパルスが垂直ブランキング期間外に出力されるようにしてもよい。
【0070】
また、露光時間は、オーバーフロードレインにパルスを印加することで、調整が可能である。このようにすることで、長時間露光時間のみ、または長時間露光時間と短時間露光時間の双方の制御を行うことができる。
【0071】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組合せ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、垂直解像度が高く、広いダイナミックレンジの動画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することができる。
【0073】
また、本発明によれば、垂直解像度が高く、高解像度の静止画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電荷結合素子(CCD)型固体撮像素子1の構成を表すブロック図である。
【図2】本実施例の固体撮像素子1の拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。
【図5】本発明の第1又は第2実施例による固体撮像素子1を用いたデジタルカメラのシステム構成例を表す概略的ブロック図である。
【図6】本発明の実施例による固体撮像素子に補色系のカラーフィルタを設けた場合の画素の平面配置を概略的に示す。
【図7】本発明の第1の実施例による2画素加算を行った場合における画素加算の組み合わせの一例を示す。
【図8】画素ずらし配列のCCDイメージセンサに従来の2画素加算を適用した場合の従来例を表すブロック図である。
【符号の説明】
1、2…固体撮像素子、10…受光領域、13…半導体基板、11G…ゲート領域、12…光電変換素子、14…転送チャンネル、15…絶縁膜、16…転送電極、17…遮光膜、18…平坦化層、19…p型ウェル、20…マイクロレンズ、21…VCCD、22…HCCD、23…出力部、24…オーバーフロードレイン電極端子、25…電極端子、100…デジタルカメラ、101…光学系、102…制御部、103…駆動系、104…ADC、105…信号処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子に関し、特に広いダイナミックレンジの動画像と高解像度の静止画像を得られるCCD型転送路を有する固体撮像素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
正方格子状に多数個配置された画素(フォトダイオード)を有する順次走査型の電荷結合素子型固体撮像素子(以下、CCDイメージセンサとする)を使用して、広いダイナミックレンジの動画像を得ることが行われている。例えば、垂直ブランキング期間内に異なる露光時間の画素の信号電荷を転送チャンネルに2回読み出し、各々垂直方向に近接する2画素の信号電荷を加算する。その後、1回目の読み出しを加算した信号電荷と2回目の読み出しを加算した信号電荷とを混合することなく転送して出力し(CCD動作)、異なる露光時間の2個のCCD出力信号から1枚の画像信号を合成する(画像合成及び画像信号処理)。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】特開平11−75118号公報
【0004】
図8は、上述の従来技術をいわゆる画素ずらし配列のCCDイメージセンサ200に適用した場合の従来例を表すブロック図である。
【0005】
CCDイメージセンサ200は、いわゆる画素ずらし配置に配置される多数個の光電変換素子112、光電変換素子列間に配置される転送チャンネル114と光電変換素子行間に配置される転送電極116とを含む垂直電荷転送路(VCCD)、及び、光電変換素子112から転送チャンネル114に電荷を読み出すためのゲート部111Gを含んで構成される。
【0006】
光電変換素子112に光が入射すると、その光量に応じた量の信号電荷が、光電変換素子112に蓄積される。個々の画素(光電変換素子)112に蓄積された信号電荷は、この画素に対応するVCCDへ読出され、さらに、このVCCDによってHCCD115へ転送される。1つの画素行に属する画素の各々に蓄積された電荷は、対応するVCCDへ同じタイミングで読出され、同じタイミングでHCCD115へ転送される。
【0007】
また、図8のCCDイメージセンサ200でも、垂直ブランキング期間内に2種類の異なる露光時間で画素(フォトダイオード)112に蓄積された信号電荷を、矢印で示すゲート部111Gを介して転送チャンネル114に読み出すこともできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示す例では、垂直方向に加算される画素同士が離れているため、転送チャンネル114内で、信号電荷を加算する場合には、n行の光電変換素子112の信号電荷と加算されるのは、n+2行の光電変換素子112の信号電荷であり、画素加算をする光電変換素子の垂直方向のピッチが離れすぎてしまう。よって、得られる画像の垂直方向の解像度が大幅に劣化してしまい、正方格子配列のCCDイメージセンサと同様の手法では、広いダイナミックレンジで高解像度の動画像を得ることは、非常に難しい。
【0009】
本発明の目的は、垂直解像度が高く、広いダイナミックレンジの動画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することである。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、垂直解像度が高く、高解像度の静止画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、固体撮像素子は、2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する。
【0012】
また、本発明の他の観点によれば、デジタルカメラは、2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する固体撮像素子と、被写体を前記固体撮像素子に結像するための光学系と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部と、前記固体撮像素子の出力を信号処理して画像信号を生成する信号処理部とを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の電荷結合素子(CCD)型固体撮像素子1の構成を表すブロック図である。半導体基板上の絶縁膜を剥がし、光電変換素子12、転送電極16を露出した状態を示す。なお、図1に示す構成は、後述の第1及び第2の実施例に共通のものである。
【0014】
図2は、本実施例の固体撮像素子1の拡大断面図である。図1の線x−yで切断した受光領域10を示す。なお、図1の参照番号と同じ番号のものは同様の部材を示す。
【0015】
固体撮像素子1は、多数の光電変換素子12及び垂直電荷転送路(VCCD)21を含む受光領域10、水平電荷転送路(HCCD)22、出力部23、オーバーフロードレイン電極端子24、及び電極端子25a〜25hを含んで構成される。
【0016】
固体撮像素子1の受光領域10は、多数の光電変換素子12(図2のn型不純物添加領域12a及びp+ 型不純物添加領域12bを含む)をいわゆる画素ずらし配置に配置して構成されている。ここで、本明細書でいう「画素ずらし配置」とは、2次元テトラゴナル行列の第1格子と、その格子間位置に格子点を有する第2格子とを合わせた配置を指す。例えば、奇数列(行)中の各光電変換素子12に対し、偶数列(行)中の光電変換素子12の各々が、光電変換素子12の列(行)方向ピッチの約1/2、列(行)方向にずれ、光電変換素子列(行)の各々が奇数行(列)または偶数行(列)の光電変換素子2のみを含む。「画素ずらし配置」は、多数個の光電変換素子12を複数行、複数列に亘って行列状に配置する際の一形態である。
【0017】
なお、ピッチの「約1/2」とは、1/2を含む他に、製造誤差、設計上もしくはマスク製作上起こる画素位置の丸め誤差等の要因によって1/2から外れてはいるものの、得られる固体撮像素子12の性能およびその画像の画質からみて実質的に1/2と同等とみなすことができる値をも含むものとする。上記の「光電変換素子行内での光電変換素子12のピッチの約1/2」についても同様である。
【0018】
各光電変換素子12は、図2に示すようにp型ウェル19内にn型領域12aを形成し、その表面にp型層12bを形成した埋め込みフォトダイオードで形成される。
【0019】
それぞれの光電変換素子12の列間には、光電変換素子12で発生した信号電荷を読み出して垂直方向に転送するn型の転送チャネル領域14が、光電変換素子12の間隙を垂直方向に蛇行するように設けられている。画素ずらし配置により形成された空隙部に蛇行する転送チャネルが配置され、隣接する転送チャネルは光電変換素子を介して離れたり、チャネルストップ領域又はゲート領域11Gを挟んで近接したりする。光電変換素子、転送チャネルによって、受光部の半導体基板のほとんどの面積が有効利用されている。
【0020】
本実施例では、図2に示すように、フォトダイオード12の両側に図中矢印で示すゲート領域11Ga、11Gbが配置され、両側の転送チャンネル14a、14bに電荷を読み出せる。各光電変換素子12に対して2箇所ずつ設けられており、いずれかのゲート領域11Gから、光電変換素子12に蓄積される信号電荷が、転送チャンネル14に読み出される。ゲート領域11Ga及び11Gbは、それぞれが光電変換素子12の対向する辺に設けられており、各ゲート領域11Gを介して、光電変換素子12の信号電荷を異なる転送チャンネル14に読み出すことができる。
【0021】
このように、各光電変換素子12毎に、転送チャンネル14に対して、信号電荷を読み出す読み出しゲート領域11Gを2箇所に設けることにより、斜め方向に隣り合う光電変換素子12の信号電荷を、転送チャンネル14内で加算することができる。
【0022】
なお、本実施例では、説明の便宜上、偶数列の転送チャンネル14を転送チャンネル14aとし、奇数列を転送チャンネル14bとしているが、それらの構成及び機能は同一のものである。また、光電変換素子12から転送チャンネル14aに信号電荷を読み出すためのゲート領域11Gをゲート領域11Gaとし、転送チャンネル14bに信号電荷を読み出すためのゲート領域11Gをゲート領域11Gbとしている。
【0023】
転送チャンネル14上方には、後述する絶縁膜(ゲート酸化膜)15aを挟んで、転送電極16(第1層転送電極16b、16c及び第2層転送電極16a、16d)が光電変換素子12の間隙を蛇行するように水平方向に形成されている。転送電極のほとんど全部の面積が転送チャネル上に配置されている。
【0024】
転送電極16は、垂直転送チャネル14とともに垂直電荷転送路(VCCD)21を形成し、光電変換素子12で生じた信号電荷を電極端子25a〜25hを介して供給される後述するような8相駆動パルス(ΦV1A〜ΦV4B)で読み出すとともに、垂直方向に転送する。転送電極16の各々は、多層ポリシリコン電極(構造)で形成されている。多層ポリシリコン電極の形成方法は周知の例による。
【0025】
垂直電荷転送路21によって垂直方向に転送された信号電荷は、水平電荷転送路(HCCD)22によって、水平方向に転送され、出力部23を介して固体撮像素子1の外部に出力される。
【0026】
オーバーフロードレイン電極端子24は、光電変換素子12に蓄積された信号電荷を、リセットするためのオーバーフロードレイン電極に信号を入力するための端子である。
【0027】
図3は、本発明の第1の実施例による白黒用固体撮像装置を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。なお、図1及び図2の参照番号と同じ番号のものは同様の部材を示す。なお、図中の「N」及び「M」は、1以上の整数である。
【0028】
各光電変換素子から右側又は左側の転送チャンネルのみに信号電荷を読み出せば、図8で説明したプログレッシブ読み出しによる全画素読み出しができる。
【0029】
動画モードにおいては、通常間引き読み出しを行って画素数を減らしている。本実施例では、VCCD内で画素加算を行い、読み出し信号電荷数を半減するが、2回の撮像を行い、加算2画素あたり2つの信号電荷をVCCD内で作り、ダイナミックレンジを拡大する。
【0030】
図3(B)のタイミングt1〜タイミングt8のパルスは、垂直ブランキング期間(V−BLK期間)内に印加される。なお、信号電荷は、有効走査期間内と、タイミングt3からタイミングt8までに光電変換素子12に蓄積される。タイミングt3からタイミングt8までの期間は、有効走査期間よりも短く設定されている。よって、有効走査期間に蓄積される信号電荷は、長時間露光(ロングシャッター)による信号電荷であり、タイミングt3からタイミングt8までの期間に蓄積される信号電荷は、短時間露光(ショートシャッター)による信号電荷である。
【0031】
図3(B)のタイミングt2において、読み出しパルスをΦV1A、ΦV2A、ΦV4A、及びΦV3Bに対応する転送電極に印加し、有効走査期間内に蓄積された信号電荷(長時間露光による信号電荷)が、光電変換素子12から、転送チャンネル14に読み出される。この時、図中の矢印で示すように、ライン4N、4N−1、4N−4の光電変換素子12からは、各光電変換素子の奇数列(2M−3、2M−1、2M+1、2M+3…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出され、ライン4N−2、4N−3の光電変換素子12からは、各光電変換素子の偶数列(2M−2、2M、2M+2、2M+4…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出される。これにより、図中、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14に信号電荷が格納される。この時、斜線のハッチングを施した転送電極16の下にある転送チャンネル14は、バリアー領域として機能する。
【0032】
ライン4N−2とライン4N−3の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの2つの転送電極16の直下にある偶数列の転送チャンネル14内で、加算される。また、ライン4Nとライン4N−1の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの4つの転送電極16の直下にある奇数列の転送チャンネル14内で、加算される。
【0033】
以上のように、図3(B)に示すようなタイミングで読み出しパルスを与えることにより、斜め方向に隣接する光電変換素子12の信号電荷を加算することができる。
【0034】
転送チャンネル14に格納された長時間露光による信号電荷は、その後のタイミングt3、t4において、図中、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14に転送される。こうすることにより、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14は、空になり、次の読み出しの信号電荷を格納することができるようになる。
【0035】
次に、タイミングt7において、再度、読み出しパルスをΦV1A、ΦV2A、ΦV4A、及びΦV3Bに対応する転送電極に印加し、タイミングt3からタイミングt8までに蓄積された信号電荷(短時間露光による信号電荷)が、光電変換素子12から、転送チャンネル14に読み出される。この時、図中の矢印で示すように、ライン4N、4N−1、4N−4の光電変換素子12からは、各光電変換素子の奇数列(2M−3、2M−1、2M+1、2M+3…)に配置される転送チャンネル14に短時間露光による信号電荷が読み出され、ライン4N−2、4N−3の光電変換素子12からは、各光電変換素子の偶数列(2M−2、2M、2M+2、2M+4…)に配置される転送チャンネル14に短時間露光による信号電荷が読み出される。なお、タイミングt6〜タイミングt9の動作は、タイミングt1〜タイミングt5までの動作と同一である。
【0036】
タイミングt7における読み出しパルスの印加直後は、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14にタイミングt2において読み出された加算信号電荷(2画素加算された長時間露光による信号電荷)が格納されており、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14には、タイミングt3からタイミングt8までに蓄積された加算信号電荷(2画素加算された短時間露光による信号電荷)が、格納されている。
【0037】
その後の、長時間露光による加算信号電荷及び短時間露光による加算信号電荷は、それぞれ独立して(混ざり合うことなく)、垂直方向に転送され、HCCD22等を介して外部に出力される。
【0038】
以上のように、本発明の第1の実施例によれば、転送チャンネル14内で、斜め方向に近接する2つの光電変換素子12に蓄積される信号電荷を加算することができる。また、長時間露光の加算信号電荷と、短時間露光の加算信号電荷を同時に、かつ独立に転送し、出力することができる。よって、垂直解像度の高い広いダイナミックレンジの動画像を得ることができる。
【0039】
図4は、本発明の第2の実施例を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。なお、図1、図2及び図3の参照番号と同じ番号のものは同様の部材を示す。
【0040】
上述の第1の実施例では、各フィールド(垂直ブランキング期間)毎に同じ画素の組が加算されていたが、この第2の実施例では、1フィールドごとに加算する画素の組み合わせを変えてインターレース走査を行う。
【0041】
これは、図3(B)に示す第1の実施例によるタイミングと、図4(B)に示すタイミングを交互に変えることで実現することができる。すなわち、上述した第1の実施例による動作を1回行った後、図4(B)に示すタイミングに基づく動作を1回行い、その後、これを繰り返すことにより、異なる画素の組み合わせによる加算信号電荷を転送・出力する。
【0042】
以下に、図4(B)のタイミングに基づく動作を説明する。
【0043】
図4(B)のタイミングt13〜タイミングt18のパルスは、垂直ブランキング期間(V−BLK期間)内に印加される。なお、信号電荷は、有効走査期間内(図3のタイミングt8〜タイミングt11)と、タイミングt13からタイミングt17までに光電変換素子12に蓄積される。タイミングt13からタイミングt17までの期間は、有効走査期間よりも短く設定されている。よって、有効走査期間に蓄積される信号電荷は、長時間露光(ロングシャッター)による信号電荷であり、タイミングt13からタイミングt17までの期間に蓄積される信号電荷は、短時間露光(ショートシャッター)による信号電荷である。
【0044】
図4(B)のタイミングt12において、読み出しパルスをΦV1A、ΦV3A、ΦV4A、及びΦV2Bに対応する転送電極に印加し、有効走査期間内に蓄積された信号電荷(長時間露光による信号電荷)が、光電変換素子12から、転送チャンネル14に読み出される。この時、図中の矢印で示すように、ライン4N+1、4N、4N−3、4N−4の光電変換素子12からは、各光電変換素子の奇数列(2M−3、2M−1、2M+1、2M+3…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出され、ライン4N−1、4N−2の光電変換素子12からは、各光電変換素子の偶数列(2M−2、2M、2M+2、2M+4…)に配置される転送チャンネル14に長時間露光による信号電荷が読み出される。これにより、図中、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14に信号電荷が格納される。この時、斜線のハッチングを施した転送電極16の下にある転送チャンネル14は、バリアー領域として機能する。
【0045】
ライン4N−1とライン4N−2の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの転送電極16の直下にある偶数列の転送チャンネル14内で、加算される。また、ライン4Nとライン4N+1の光電変換素子12から読み出された信号電荷は、白抜きの転送電極16の直下にある奇数列の転送チャンネル14内で、加算される。
【0046】
以上のように、図4(B)に示すようなタイミングで読み出しパルスを与えることにより、図3に示した光電変換素子12の組み合わせとは異なる組み合わせで、斜め方向に隣接する光電変換素子12の信号電荷を加算することができる。
【0047】
転送チャンネル14に格納された長時間露光による信号電荷は、その後のタイミングt14からt15において、図中、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14に転送される。こうすることにより、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14は、空になり、次の読み出しの信号電荷を格納することができるようになる。
【0048】
次に、タイミングt16において、再度、タイミングt12と同様の動作を行い、点のハッチングを施した転送電極16直下の転送チャンネル14にタイミングt12において読み出された加算信号電荷(2画素加算された長時間露光による信号電荷)が格納されており、白抜きの転送電極16の直下にある転送チャンネル14には、タイミングt13からタイミングt17までに蓄積された加算信号電荷(2画素加算された短時間露光による信号電荷)が、格納されている。
【0049】
その後の、長時間露光による加算信号電荷及び短時間露光による加算信号電荷は、それぞれ独立して(混ざり合うことなく)、垂直方向に転送され、HCCD22等を介して外部に出力される。
【0050】
以上のように、本発明の第2の実施例によれば、第1の組み合わせ(図3の組み合わせ)による2つの光電変換素子の信号電荷を転送チャンネル14内で加算し、その後、第2の組み合わせ(図4)による2つの光電変換素子の信号電荷を転送チャンネル14内で加算することができる。また、それぞれの組み合わせにつき、長時間露光の加算信号電荷と、短時間露光の加算信号電荷を同時に、かつ独立に転送し、出力することができる。よって、垂直解像度の高い広いダイナミックレンジのインターレース動画像を得ることができる。
【0051】
図5は、本発明の第1又は第2実施例による固体撮像素子1を用いたデジタルカメラのシステム構成例を表す概略的ブロック図である。
【0052】
デジタルカメラ100は、例えば、受光領域10を含む固体撮像素子1、レンズ等を含む光学系101、制御部102、駆動部103、アナログ・デジタルコンバータ(ADC)104、信号処理部105等を含んで構成される。
【0053】
制御部102は、光学系101、駆動部103、ADC104及び信号処理部105に対して制御信号を供給する。光学系101は、入射する入射光(画像)を、固体撮像素子1の受光領域10に結像するように設定されている。
【0054】
駆動部103は、制御部102から供給される制御信号に基づき、図3(B)及び図4(B)に示す駆動パルス群(ΦV1A〜ΦV4B)及び駆動に必要な他のパルス群を固体撮像素子に供給するとともに、ADC104に対して、アナログデジタル変換用の駆動パルス群を供給する。
【0055】
固体撮像素子1は、入射光を長時間露光と短時間露光で信号電荷に変換して、駆動部103から供給される駆動パルス群(ΦV1A〜ΦV4B)及び駆動に必要な他のパルス群に基づき、画素加算を行い、長時間露光の加算信号電荷と短時間露光の加算信号電荷を独立して、ADC104に出力する。
【0056】
ADC104は、固体撮像素子1からのCCD出力(長時間露光の加算信号電荷と短時間露光の加算信号電荷を)を、駆動部103から供給される駆動パルス群に基づき、アナログ電荷信号からデジタル画像信号に変換する。
【0057】
信号処理部105は、少なくとも、長時間露光の加算信号電荷に基づくデジタル画像信号と短時間露光の加算信号電荷に基づくデジタル画像信号を処理して、1枚の画像(1画面分の画像)を生成する。
【0058】
なお、上述の第1及び第2の実施例では、広いダイナミックレンジの画像を得るために長時間露光と短時間露光の信号電荷を同時に独立して出力する例を挙げたが、これらの実施例を変形することにより、スミアを低減することもできる。
【0059】
この場合には、読み出し回数を1回として、長時間露光の信号電荷を転送し、上述の実施例で短時間露光の信号電荷を転送した電荷の井戸を空のままにして出力する。こうすることにより、該空の井戸には、スミアに相当する電位が蓄積される。そのため、信号処理部105において、長時間露光の信号電荷の列方向に近接する空の井戸の出力信号を減算することにより、スミア補正を行うことができる。この場合に動作タイミングは、図3(B)の動作タイミングにおいて、タイミングt7の読み出しパルスを出力しないようにする。また、図4(B)の動作タイミングにおいて、タイミングt16の読み出しパルスを出力しないようにする。
【0060】
上述の第1及び第2の実施例では、白黒センサを使用した例を説明したが、図2で光電変換素子12の上方にモザイク状のカラーフィルタを設けたカラーセンサを使用することにより、カラー画像を得ることができる。
【0061】
図6は、本発明の実施例による固体撮像素子に補色系のカラーフィルタを設けた場合の画素の平面配置を概略的に示す。同図に示すように、この固体撮像素子2では、多数個の緑色画素G、マゼンタ色画素M、シアン色画素Cおよび黄色画素Yが画素ずらし配置されている。
【0062】
個々の画素行は、マゼンタ色画素Mと緑色画素Gとが交互に繰り返し配置された第1類画素行PR1、黄色画素Yとシアン色画素Cとが交互に繰り返し配置された第2類画素行PR2、マゼンタ色画素Mと緑色画素Gとの配置が第1類画素行PR1での配置と逆になっている第3類画素行PR3、または、黄色画素Yとシアン色画素Cとの配置が第2類画素行PR2での配置と逆になっている第4類画素行PR4に分類することができる。
【0063】
第1類画素行PR1、第2類画素行PR2、第3類画素行PR3および第4類画素行PR4が、下流側(図6の紙面下側)から上流側(図6の紙面上側)へ向かってこの順番で繰り返し配置されている。紙面最下段の第1類画素行PR1が、最も下流の画素行に相当する。
【0064】
なお、本明細書においては、画素(光電変換素子)から後述する単位信号生成部(出力回路部)への電荷の移動を1つの流れとみなして、個々の部材等の相対的な位置を、必要に応じて「何々の上流」、「何々の下流」等と称して特定するものとする。
【0065】
固体撮像素子2は通常の全画素読み出しでカラー静止画を撮像することができる。この場合、緑色、シアン色、黄色、マゼンダ色の4個の独立な色に対する色信号が得られるので、これらの色信号から静止画のカラー画像が生成できる。
【0066】
図7は、固体撮像素子2を用いて本発明の第1の実施例による2画素加算を行ったとき画素加算の組み合わせの一例を示す。
【0067】
図7において2点鎖線で囲まれている2つの画素同士を画素加算する。第1類画素行PR1(図6参照)と第2類画素行PR2(図6参照)との間では、マゼンタ色画素Mと黄色画素Yとを対象に、また、緑色画素Gとシアン色画素Cとを対象に、2画素加算が行わる。第3類画素行PR3(図6参照)と第4類画素行PR4(図6参照)との間では、シアン色画素Cとマゼンタ色画素Mとを対象に、また、黄色画素Yと緑色画素Gとを対象に、2画素加算が行わる。
【0068】
図7の説明で明らかなように、2画素加算の場合、4種類の加算信号(緑色画素G+シアン色画素C、マゼンタ色画素M+黄色画素Y、緑色画素G+黄色画素Y、マゼンタ色画素M+シアン色画素C)が出力信号として得られる。これらの4種の加算信号は色差線順次方式カラーフィルタ配列を持つCCDセンサの出力信号と同じであり、これらの加算信号からカラー画像信号が生成できる。
【0069】
また、図3(B)及び図4(B)では、読み出しパルスを4個同時に出力したが、それぞれの位相を変えて出力するようにしてもよい。さらに、図3(B)及び図4(B)では、全てのパルスを垂直ブランキング期間内に出力されるものとしたが、一部のパルスが垂直ブランキング期間外に出力されるようにしてもよい。
【0070】
また、露光時間は、オーバーフロードレインにパルスを印加することで、調整が可能である。このようにすることで、長時間露光時間のみ、または長時間露光時間と短時間露光時間の双方の制御を行うことができる。
【0071】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組合せ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、垂直解像度が高く、広いダイナミックレンジの動画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することができる。
【0073】
また、本発明によれば、垂直解像度が高く、高解像度の静止画像が得られる画素ずらし構造のCCD型固体撮像素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電荷結合素子(CCD)型固体撮像素子1の構成を表すブロック図である。
【図2】本実施例の固体撮像素子1の拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例を説明するための受光領域の拡大平面図及びタイミングチャートである。
【図5】本発明の第1又は第2実施例による固体撮像素子1を用いたデジタルカメラのシステム構成例を表す概略的ブロック図である。
【図6】本発明の実施例による固体撮像素子に補色系のカラーフィルタを設けた場合の画素の平面配置を概略的に示す。
【図7】本発明の第1の実施例による2画素加算を行った場合における画素加算の組み合わせの一例を示す。
【図8】画素ずらし配列のCCDイメージセンサに従来の2画素加算を適用した場合の従来例を表すブロック図である。
【符号の説明】
1、2…固体撮像素子、10…受光領域、13…半導体基板、11G…ゲート領域、12…光電変換素子、14…転送チャンネル、15…絶縁膜、16…転送電極、17…遮光膜、18…平坦化層、19…p型ウェル、20…マイクロレンズ、21…VCCD、22…HCCD、23…出力部、24…オーバーフロードレイン電極端子、25…電極端子、100…デジタルカメラ、101…光学系、102…制御部、103…駆動系、104…ADC、105…信号処理部
Claims (7)
- 2次元表面を画定する半導体基板と、
前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、
各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、
前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、
前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、
列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部と
を有する固体撮像素子。 - 2次元表面を画定する半導体基板と、前記半導体基板の受光領域に、正方行列の第1正方格子と前記第1正方格子の格子間位置に格子点を有する第2正方格子とのそれぞれの格子点に配置された多数個の光電変換素子と、各光電変換素子の間隙を縫うように垂直方向に配列された複数の転送電極を有する垂直電荷転送路と、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第1の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第1の読み出しゲートと、前記複数個の光電変換素子の各々に対応し、該対応する光電変換素子に蓄積される信号電荷を、第2の行方向に隣接する前記垂直電荷転送路に読み出す第2の読み出しゲートと、列方向に連続する4個の前記光電変換素子行に対応する前記第1の読み出しゲート及び第2の読み出しゲートを独立して制御可能な制御部とを有する固体撮像素子と、
被写体を前記固体撮像素子に結像するための光学系と、
前記固体撮像素子を駆動する駆動部と、
前記固体撮像素子の出力を信号処理して画像信号を生成する信号処理部と
を有するデジタルカメラ。 - 前記駆動部は、前記固体撮像素子を駆動するため、(4N−3)行と(4N−2)行の前記光電変換素子の長時間露光の信号電荷を偶数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、(4N−1)行と(4N)行の前記光電変換素子の長時間露光の信号電荷を奇数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、その所定時間後に、(4N−3)行と(4N−2)行の前記光電変換素子の短時間露光の信号電荷を偶数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、(4N−1)行と(4N)行の前記光電変換素子の短時間露光の信号電荷を奇数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、前記加算された長時間露光と短時間露光の信号電荷を混合することなく転送して独立に出力させる第1のパルス群を発生可能であり、
前記信号処理部は、前記固体撮像素子から出力される前記加算された長時間露光と短時間露光の信号電荷を信号処理して1枚の画像を生成する第1の信号処理を行うことが可能である請求項2記載のデジタルカメラ。 - 前記駆動部は、前記固体撮像素子を駆動するため、第1の期間内には、前記第1のパルス群を発生し、第2の期間内には、(4N−2)行と(4N−1)行の前記光電変換素子の長時間露光の信号電荷を偶数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、(4N+1)行と(4N)行の前記光電変換素子の長時間露光の信号電荷を奇数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、その所定時間後に、(4N−2)行と(4N−1)行の前記光電変換素子の短時間露光の信号電荷を偶数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、(4N+1)行と(4N)行の前記光電変換素子の短時間露光の信号電荷を奇数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、前記加算された長時間露光と短時間露光の信号電荷を混合することなく転送して独立に出力させる第2のパルス群を発生可能であり、
前記信号処理部は、前記第1及び第2の駆動パルスに基づき前記固体撮像素子から出力される前記加算された長時間露光と短時間露光の信号電荷を信号処理して1枚の画像を生成する第2の信号処理を行うことができる請求項3記載のデジタルカメラ。 - 前記駆動部は、前記固体撮像素子を駆動するため、(4N−3)行と(4N−2)行の前記光電変換素子の長時間露光の信号電荷を偶数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、(4N−1)行と(4N)行の前記光電変換素子の長時間露光の信号電荷を奇数列の前記垂直電荷転送路に読み出して加算し、信号電荷が無い空の井戸と加算された信号電荷がある井戸が混合しないように転送し、それぞれ独立に出力させる第3のパルス群を発生可能であり、
前記信号処理部は、前記第3の駆動パルスに基づき前記固体撮像素子から出力される前記加算された信号電荷から該信号電荷の列方向に近接する空の井戸で転送されるスミア電荷を減算し、信号処理して画像を生成する第3の信号処理を行うことができる請求項2記載のデジタルカメラ。 - 前記駆動部は、前記固体撮像素子を駆動するため、(2N−1)行の前記光電変換素子の信号電荷を奇数列の前記垂直電荷転送路に読み出し、(2N)行の前記光電変換素子の信号電荷を偶数列の前記垂直電荷転送路に読み出し、各信号電荷を独立に転送し出力させる第4のパルス群を発生可能であり、
前記信号処理部は、前記第4の駆動パルスに基づき前記固体撮像素子から出力される前記独立して出力される信号電荷を信号処理して画像を生成する第4の信号処理を行うことができる請求項2記載のデジタルカメラ。 - 前記駆動部は、請求項3から6に記載の前記第1〜第4のパルス群の中から一つを選択的に発生可能であり、
前記信号処理部は、前記駆動部が選択するパルス群に対応する請求項3から6に記載の前記第1〜第4の信号処理を行うことが可能な請求項2記載のデジタルカメラ。
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