JP4303950B2 - 電荷転送素子の駆動方法及び固体撮像素子の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子の駆動方法、及び転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子を含んで構成される固体撮像素子の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子として、CCDを利用した電荷転送部によって信号電荷を転送し、撮像データを得るものが知られている。この固体撮像素子は、半導体基板表面に複数行、複数列に亘って行列状に配設された複数の光電変換素子と、光電変換素子に隣接して設けられ、光電変換素子の電荷を列方向に転送する複数の垂直転送部と、垂直転送部からの電荷を、行方向に転送する水平転送部と、水平転送部によって転送される電荷に応じた信号を出力する出力部とを有している。
【0003】
垂直転送部を構成する第1のタイプの電荷転送素子は、不純物濃度がほぼ一定のn型電荷転送チャネルと、このチャネル上に膜厚がほぼ一定の絶縁膜を介して設けられた複数の電荷転送電極を含んで構成される。このタイプの電荷転送素子では、個々の電荷転送電極に印加する電圧の相対的な大小関係に応じて、相対的に高いレベルの電圧を印加した電極の下にはポテンシャル・ウェル領域が、相対的に低いレベルの電圧を印加した電極の下にはポテンシャル・バリア領域が形成され、ポテンシャル・ウェル領域の上流側及び下流側にポテンシャル・バリア領域を形成すれば、このポテンシャル・ウェル領域内に電荷を閉じこめることができる。
【0004】
したがって、個々の電極に印加する電圧の高さを適宜制御することにより、2つのポテンシャル・バリア領域によって挟まれたポテンシャル・ウェル領域を所望方向に順次移動させることができ、ポテンシャル・ウェル領域内の電荷を所望方向に転送することができる。
【0005】
なお、本明細書においては、電荷転送素子によって転送される電荷の移動を1つの流れとみなして、個々の部材等の相対的な位置を、必要に応じて「何々の上流」、「何々の下流」等と称して特定する。
【0006】
水平転送部を構成する第2のタイプの電荷転送素子は、n型不純物の濃度が相対的に高い領域(以下、この領域を「n型不純物添加領域」という。)と相対的に低い領域(以下、この領域を「n-型不純物添加領域」という。)とが交互に形成された電荷転送チャネルと、このチャネル上に膜厚がほぼ一定の絶縁膜を介して設けられた複数の電荷転送電極を含んで構成される。電荷転送電極は、通常、n型不純物添加領域及びn-型不純物添加領域それぞれの上方に1つずつ配置され、1つのn-型不純物添加領域上に配置された電荷転送電極と、その下流側のn型不純物添加領域上に配置された電荷転送電極とは共通結線される。共通結線される2つの電荷転送電極は、1つの電極としてもよい。
【0007】
このタイプの電荷転送素子では、個々のn型不純物添加領域はn-型不純物添加領域に対して常にポテンシャル・ウェル領域となり、ポテンシャル・ウェル領域内の電荷は、ポテンシャル・バリア領域(この場合は、n-型不純物添加領域)によって、移動が禁止される。したがって、電荷転送電極に印加する電圧の高さを制御することによって、ポテンシャル・バリア領域からポテンシャル・ウェル領域に向かう方向に電荷を転送することができる。
【0008】
以下の記載では、「ポテンシャル・ウェル領域」を単に「ウェル領域」と、「ポテンシャル・バリア領域」を単に「バリア領域」と記述する。また、第1のタイプの電荷転送素子においては、1つの電荷転送電極とその下方に位置する電荷転送チャネルの一領域とによって構成される要素を、第2のタイプの電荷転送素子においては、1つのn-型不純物添加領域型不純物添加領域とその下流側のn型不純物添加領域、及びそれらの上方に配置された電荷転送電極とによって構成される要素を、「電荷転送段」と記述する。
【0009】
このような垂直転送部及び水平転送部を備えた固体撮像素子は、垂直転送部に読み出された信号電荷を水平転送部に転送し、水平転送部によって転送された信号電荷を電圧信号に変換して出力する。固体撮像素子によって静止画撮影を行う場合は、全ての光電変換素子からの信号電荷をそれぞれ画素信号として利用するが、固体撮像素子を用いた電子スチルカメラにおけるモニタモード(カメラのモニタに撮影画像を表示するモード)や、動画撮影モード(記録画素数が一般に少ない。)では、垂直方向及び水平方向に間引いた信号を得れば充分である。
【0010】
垂直方向の間引きは、光電変換素子から垂直転送部への読み出しを間引いたり、垂直方向の複数の光電変換素子の電荷を垂直転送路で加算(混合)させたりすることによって実現される。また、水平方向の間引きは、垂直転送部と水平転送部との間に、信号電荷を一時蓄積するラインメモリを設け、垂直転送部から水平転送部への転送列を間引いた入り、水平転送部で複数の垂直転送部から電荷を加算(混合)することによって実現される。信号電荷の加算を行うと、信号処理上1つの画素として扱われる信号量(電荷量)が増加しているので、撮影感度を向上させることができる。
【0011】
水平転送部において信号電荷の加算を行う固体撮像素子は、特許文献1に示されている。図5は、水平転送部において信号電荷の加算を行う固体撮像素子の一例の概略構成を平面的に示す図であり、半導体基板表面に複数行、複数列に亘って行列状に配設された複数の光電変換素子10と、光電変換素子10に隣接して設けられ、光電変換素子10で発生した信号電荷を列方向Yに転送する複数の垂直転送部20と、垂直転送部20の端部に設けられ、垂直転送部20からの信号電荷を一時蓄積するラインメモリ30と、ラインメモリ30からの信号電荷を行方向Xに転送する水平転送部40と、水平転送部40によって転送される信号電荷に応じた信号を出力する出力部50、光電変換素子10の信号電荷を垂直転送部20に読み出す電荷読み出し部60を含む。なお、図5では、光電変換素子10、ラインメモリ30、電荷読み出し部60は、一部のみに番号を付してある。
【0012】
光電変換素子10は、埋込型のフォトダイオードで実現され、入射光量に応じた信号電荷を発生し蓄積する。各光電変換素子10の上方には、色フィルタ(図示せず)が設けられ、各光電変換素子10は、フィルタの色に対応した分光感度の信号電荷を発生し蓄積する。色フィルタは、例えば赤色(以下、単に「R」と記述する場合もある)、緑色(以下、単に「G」と記述する場合もある)、青色(以下、単に「B」と記述する場合もある)の3原色で構成される。
【0013】
垂直転送部20は、光電変換素子10から読み出された電荷を蓄積し、転送する垂直転送チャネルとその上方に設けられた垂直転送電極(図5においては、垂直転送チャネル領域に対応する領域を概略的に垂直転送部20として記載してある。)を含む第1のタイプの電荷転送素子で構成される。光電変換素子10の信号電荷は、電荷読み出し部60を介して垂直転送部20に読み出される。光電変換素子10、垂直転送部20、電荷読み出し部60の形状及び配置、垂直転送電極(図示せず)の形状、配置等は、種々のものが周知であるので、詳細な記載は省略する。
【0014】
ラインメモリ30は、垂直転送部20に続く1つの電荷転送段として構成される。ラインメモリ30を構成する電荷転送段は、第2のタイプの電荷転送素子の電荷転送段と同様の構成を有し、上流の垂直転送部20側にn-型不純物添加領域、下流の水平転送部40側にn型不純物添加領域が形成されている。したがって、上流側に隣接する垂直転送部20の電荷転送段に信号電荷を蓄積した後、その電荷転送段に相対的に低いレベルの電圧を印加し、ラインメモリに相対的に高いレベルの電圧を印加することにより、垂直転送部20からの信号電荷をラインメモリ30に転送し、蓄積することができる。
【0015】
図6に、垂直転送部20の転送段とそれに続くラインメモリ30の関係を模式的に示す。図6においては、1つの光電変換素子10に対して電荷転送段が4段(それぞれの電荷転送段に対応する垂直転送電極V1、V2、V3、V4で示す。)形成され、その最下流に連続してラインメモリ30(転送制御電極をLMで示す。)が設けられる。
【0016】
水平転送部40は、第2のタイプの電荷転送素子で構成され、1つの垂直転送部20に対応して1つの電荷転送段を有する。そして、垂直転送部20の下流端に設けられたラインメモリ30に蓄積された信号電荷が対応する電荷転送段に転送され、蓄積され、出力部50に転送される。
【0017】
図7は、図5に示す固体撮像素子の、垂直転送部、ラインメモリ、及び水平転送部の構成を概略的に示す部分平面図であり、図8は、図7のA−A断面を示す図である。なお、図8は、垂直転送部、ラインメモリ、水平転送部の各電極及び不純物領域相互の位置関係を示すもので、各要素の寸法(例えば、水平転送電極H1下方のn型不純物領域の寸法)は、正確ではない。
【0018】
チャネルストップ領域22(一部のみ番号を付してある。)に区画された垂直転送チャネル21(一部のみ番号を付してある。)上には、最下流の光電変換素子に対応する垂直転送電極V1、V2、V3、V4が設けられ、続いて転送制御電極LM(この例では、第1の転送制御電極LM1と第2の転送制御電極LM2が設けられるが、電圧が印加されるので、単に「LM」と記述する。)が設けられる。図8の断面図に示すように。垂直転送チャネル21は、n型不純物領域で形成され、垂直転送チャネル21に続いてラインメモリ30のn-型不純物領域31、n型不純物領域32が設けられる。
【0019】
水平転送部40は、行方向に帯状に延在する1本の水平転送チャネル41と、水平転送チャネル41の上方に形成された多数個の第1水平転送電極Haと第2水平転送電極Hb(図7では一部にのみ番号を付してある。)とを有する。第1水平転送電極Haは、水平転送チャネルのn型不純物領域43上方に設けられ、第2水平転送電極Hbは、水平転送チャネルのn-型不純物領域42上方に設けられる。第2水平転送電極Hbは、ラインメモリの転送制御電極LMと第1水平転送電極Haとの間の領域に回り込んでおり、回り込んだ部分の下方もn-型不純物領域となっている。
【0020】
垂直転送電極V1、V2、V3、V4は、4相の駆動パルスφV1〜φV4で駆動され、水平転送電極Ha、Hbは、8相の駆動パルスφH1〜φH8で駆動される。同じ電荷転送段を構成する垂直転送電極Ha、Hbには、同一の駆動パルスが印加されるので、必要に応じて、垂直転送電極HaとHbを、対応する印加される駆動パルスφH1〜φH8に合わせ、H1〜H8と記述する。
【0021】
図9は、図8に示した部分の不純物領域の電位レベルを、垂直転送電極V1〜V4、転送制御電極LM、及び水平転送電極H1、H7、H8に印加される駆動パルスのレベルの変化に対応させて示したものである。図9における「H」は、対応する電極に相対的に高いレベル(以下、単に「ハイレベル」と記述する。)の電圧が印加されている状態(以下、単に「ハイレベル」と記述する。)を示し、「L」は、対応する電極に相対的に低いレベルの電圧が印加されている状態(以下、単に「ローレベル」と記述する。)を示す。
【0022】
図9(a)は、電極V1、V4、H1、H7がローレベル、電極V2、V3、LM、H8がハイレベルとなっており、垂直転送部20の信号電荷が電極V2、V3の下方に蓄積されている状態を示す。この状態から、図9(b)に示すように、電極V4をハイレベルにすると、電極V4下方のバリア領域がなくなるので、信号電荷は電極LM下方のラインメモリ30に移動する。
【0023】
次いで、図9(c)に示すように、電極V4をローレベルにしてバリア領域を形成して垂直転送部20への移動を禁止した後、電極H1をハイレベルにする。しかし、ラインメモリ30と水平転送部40との間にはn-不純物領域が存在するので、ラインメモリ30の信号電荷は移動しない。図9(d)に示すように電極LMをローレベルにすると、信号電荷は電極H1下方に移動する。この状態が、垂直転送部20から水平転送部40に信号電荷が移動した状態である。
【0024】
水平転送部40における移動は、隣接する電極のレベルを変化させ、上流側をローレベルにすることによって行う。図9(e)に示すように、電極H1、H8が共にローレベルの場合も、図X(d)と同様信号電荷は移動しない。図9(d)の状態から電極H1をローレベルにしたり、図9(e)の状態から電極H8をハイレベルにしたりして、上流側の電極をローレベル、下流側の電極をハイレベルにすると、上流側に蓄積された信号電荷は下流側に移動する。
【0025】
以上説明したラインメモリ30から水平転送部40及び水平転送部40内の電荷移動を整理すると、図10のようになる。図10に示すように電荷が移動する条件は、電荷が蓄積された領域に対応する電極の電圧レベルがローレベルで、その電極の次の電極の電圧レベルがハイレベルの場合のみであるので、転送制御電極LM及び水平転送電極H1〜H8に印加する電圧のレベルを制御することにより、電荷の移動を自由に制御できる。
【0026】
次に、図5〜図10を用いて説明した従来の固体撮像素子の動作を説明する。図11及び図12は、全ての光電変換素子で発生し蓄積した信号電荷を読み出して転送し、各光電変換素子に対応した撮影画像信号を出力する場合の動作を説明する図である。図11及び図12においては、便宜的に32個の光電変換素子が、4行8列に配置されているものとして記載したが、実際には数十万個ないし数百万個の光電変換素子が設けられる。また、各光電変換素子上に配置される色フィルタは、Gを正方格子状、RとBを斜め市松状に配列した一般的なGストライプ配列とする。水平転送電極(図示せず)には、8相の水平転送パルスが印加される。
【0027】
図11(a)は、光電変換素子10に各色フィルタに対応した分光感度の検出光に対応した信号電荷が発生し蓄積された状態を示す。なお、図11及び図12における「R」、「G」、「B」は、それぞれ赤、緑、青に対応した信号電荷を示す(蓄積される信号電荷が記載される他の図においても同様である。)。また、参照番号は、一部省略して付してある。
【0028】
図11(b)は、光電変換素子10に蓄積された信号電荷を垂直転送部20に読み出した状態を示し、図11(c)は、垂直転送を行って、最下流の光電変換素子行の信号電荷がラインメモリ30に転送された状態を示す。垂直転送部20への読み出し及び垂直転送部20における転送は、垂直転送電極及び垂直転送電極と一体の読み出し電極(いずれも図示せず)に対する駆動パルスを制御することによって行われる。
【0029】
ラインメモリ30に蓄積された信号電荷を水平転送部40に転送し、さらに水平転送部40を出力部50に向けて転送するには、ラインメモリ30の転送制御電極LMをローレベル、奇数番の水平転送電極H1、H3、H5、H7をハイレベル、偶数番の水平転送電極H2、H4、H6、H8をローレベルにする。各電極にこのような電圧を印加すると、奇数番列の信号電荷が、奇数番の水平転送電極H1、H3、H5、H7の下方の電荷転送段に転送される(図12(a)参照)。そして、ラインメモリ30の転送制御電極LMをハイレベルにした後、水平転送電極H1〜H8に対する印加電圧をハイレベルとローレベルとで繰り返し反転させることにより、水平転送部40の信号電荷を出力部50に転送する。
【0030】
続いて、ラインメモリ30に残された偶数番列の信号電荷を水平転送部40に転送するため、ラインメモリ30の転送制御電極LMをローレベル、偶数番の水平転送電極H2、H4、H6、H8をハイレベル、奇数番の水平転送電極H1、H3、H5、H7をローレベルにする。各電極にこのような電圧を印加すると、図12(b)に示すように、偶数番列の信号電荷が水平転送部40に転送される。そして、奇数番列の信号電荷の転送と同様、ラインメモリ30の転送制御電極LMをハイレベルにした後、水平転送電極H1〜H8に対する印加電圧をハイレベルとローレベルとで繰り返し反転させることにより、水平転送部40の信号電荷を出力部50に転送することができる。
【0031】
次に、水平転送部40において、信号電荷を加算して間引く場合の動作について説明する。光電変換素子10に入射光量に対応した信号電荷が蓄積され、垂直転送部20に読み出され、ラインメモリ30に転送されるまでの動作は、図11で説明した動作と同様であるので、説明を省略する。
【0032】
図13〜図15は、ラインメモリ30の転送制御電極LM及び水平転送部40の水平転送電極H1〜H8に印加される駆動パルスφLMとφH1〜φH8のタイミングチャート、及び駆動パルスφLMとφH1〜φH8の状態に対応したラインメモリ30及び水平転送部40の状態を示すものである。この例では、説明のため便宜的に16列分の垂直転送部に対応するラインメモリ30及び水平転送部40のみを示してあり、図の右上方に、それらの概略平面図を示してある。また、各タイミングにおけるラインメモリ30及び水平転送部40の各転送段に対してハイレベルの電圧が印加されている場合、ハッチングを付して示してある。符号、番号は、一部のみに付してある。
【0033】
時刻t1は、垂直転送部から転送された1行分の信号電荷がラインメモリ30に蓄積されている状態であり、図11(c)と同様の状態である。このタイミングでは、駆動パルスφLMがハイレベルに、駆動パルスφH1〜φH8がローレベルに保持される。
【0034】
次いで、ラインメモリ30に蓄積された信号電荷の水平転送部40への転送、及び水平転送部40内の転送を行うが、まず、水平転送電極H5に対応する列の信号電荷(赤色フィルタに対応した分光感度の検出光に対応した信号電荷であり、以下「R電荷」と記述する。同様に、緑色フィルタに対応する信号電荷は「G電荷」、青色フィルタに対応する信号電荷は「B電荷」と記述する。)を転送する。
【0035】
水平転送電極H5に対応する列のR電荷の水平転送部40への転送は、駆動パルスφH5をハイレベルとし(時刻t2参照)、駆動パルスφLMをローレベルとすることによって行う(時刻t3参照)。次いで、駆動パルスφLMをハイレベルにして、ラインメモリ30に蓄積された他の信号電荷の移動ができない状態にした後(時刻t4参照)、水平転送部40のR電荷を、水平転送電極H1下方まで転送する(時刻t8参照)。この間、駆動パルスφH1〜φH5を、図10に示すような電荷が移動する状態に制御する(時刻t5〜t7参照)。ラインメモリ30に蓄積された水平転送電極H1に対応する列の信号電荷は、R電荷であるので、その電荷を水平転送部40に転送すると、電荷の加算ができることになる。
【0036】
次いで、水平転送電極H4、H8に対応する列のG電荷、及び水平転送電極H7に対応する列のB電荷の転送を行うため、駆動パルスφH4、φH7、φH8をハイレベルにする(時刻t9参照)。そして、駆動パルスφLMをローレベルにしてこれらの信号電荷を水平転送部40に転送し(時刻t10参照)、駆動パルスφLMを再度ハイレベルにする(時刻t11参照)。
【0037】
続いて、水平転送電極H7下方のB電荷を水平転送電極H6下方に転送し(時刻t12参照)、水平転送電極H4、H6、H8下方のG電荷、B電荷、G電荷を同時に、水平転送電極H4下方のG電荷が水平転送電極H2下方に達するまで転送する(時刻t13、t14参照)。この時B電荷は水平転送電極H4下方に蓄積されているが、さらにこのB電荷を水平転送電極H3下方に転送する(時刻t15参照)。時刻t15では、図15から明らかなように、水平転送部40に蓄積される信号電荷が、ラインメモリ30に蓄積されたままの信号電荷を同じ色の電荷となっている。
【0038】
この状態で駆動パルスφLMをローレベルにすると、ラインメモリ30に蓄積された水平転送電極H1に対応する列のR電荷、水平転送電極H2、H6に対応する列のG電荷、及び水平転送電極H3に対応する列のB電荷が、水平転送部40に転送されるので、同じ色の信号電荷が水平転送部40で加算されることになる(時刻t16参照)。
【0039】
そして、駆動パルスφLMを再度ハイレベルにし(時刻t17参照)、水平転送電極H1下方の加算されたR電荷を、水平転送電極H8下方に転送する(時刻t18参照)。そして、水平転送電極H2及びH6下方の加算されたG電荷と、水平転送電極H8下方の加算されたR電荷とを、同時に水平転送電極H1、H5、H7下方に転送する(時刻t19参照)。
【0040】
図15から明らかなように、時刻t19においては、奇数番の水平転送電極下方にのみ加算された信号電荷が蓄積されており、駆動パルスφH1〜φH8は、1つおきに反転状態となっているので、駆動パルスφH1〜φH8の反転を繰り返すことにより、加算された信号電荷を順次出力部へ転送することができる。
【0041】
以上のように、垂直転送部20と水平転送部40との間に信号電荷を蓄積するラインメモリ30を設け、ラインメモリ30から水平転送部40への電荷転送、及び水平転送部40内の電荷転送を制御することによって、水平転送部40内で信号電荷の加算が可能となり、間引きされた撮影画像信号を得ることができる。なお、図13〜図15では、Gストライプ配列の1つの配列の行の信号電荷の転送について説明したが、配列が異なる他の行についても、R電荷とB電荷の位置が異なるだけで同様に加算転送される。また、他のフィルタ配列でも、転送順序を変更することにより、水平転送部40での加算が可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0042】
水平転送部40における信号電荷の加算は、第2のタイプの電荷転送素子においては、連続する電荷転送段に信号電荷を蓄積でき、上流側への電荷移動が基本的にないことを利用しているが、駆動の仕方によっては次のような問題が生じる場合がある。
【0043】
図16は、連続する3段の電荷転送段に対する印加電圧の組合せに応じて、中央の電荷転送段に蓄積された電荷がどのようになるかを示したものである。図16(a)は、水平転送部40の3段の電荷転送段の断面を模式的に示すもので、それぞれの転送段には駆動パルスφH1、φH2、φH3が印加されるものとする。図16(b)〜図16(i)は、駆動パルスφH1、φH2、φH3の電圧レベルの組合せ(それぞれの図の上方に「H」又は「L」で示す。)に応じた水平転送チャネルの電位と、蓄積電荷の振る舞いを示す図である。
【0044】
図10で説明したように、図16(f)と図16(g)の組合せで、中央の電荷転送段に蓄積された電荷が下流側に移動するが、他の組合せでは上流側にも下流側にも移動しない。しかし、図16(e)の組合せでは、蓄積された電荷が上流側に移動する場合がある。下流側のn-型不純物層の電位と上流側の電極電位との電位差が大きくなって互いに引っ張り合い、電位差が縮まる現象が生じるためである。その結果、中央の電荷転送段の電位の井戸が小さくなってしまい、信号電荷の量によっては上流側に流入してしまう。この現象のため、素子が有する最大電荷転送容量が減少することになり、電荷加算を行って得られるメリットを享受できなくなる。すなわち、電荷転送段が飽和してしまい、電荷加算による所望のダイナミックレンジが得られなくなるとともに、他の加算すべきでない信号電荷に加算され、カラー画像の場合は色信号が混ざって偽色信号をもたらすことになる。
【0045】
図13〜図15に示す転送制御においては、時刻t10〜t12、t14〜t18に示すタイミングで、上記した組合せが生じており、偽色信号をもたらすおそれがある。この現象は、水平転送電極の水平方向のピッチが短くなるほど顕著な傾向を示すので(ショートチャネル効果)、固体撮像素子の微細化が進むにつれて問題は大きくなる。なお、電荷転送段の電位の井戸が小さくなる現象は、図16(d)の場合も生じるが、この場合は、上流側の電位が低いので、上流側に電荷が流入することはない。
【0046】
【特許文献1】
特開2002−112119号公報
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子を、飽和特性を損なうことがないように駆動する電荷転送素子の駆動方法を提供するものである。また、転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子を含んで構成される固体撮像素子を、電荷転送素子の飽和特性を損なうことがないように駆動する固体撮像素子の駆動方法を提供するものである。
【0048】
【課題を解決するための手段】
本発明の駆動方法は、転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子の駆動方法であって、前記電荷転送段の1つに対応して1つの電荷蓄積領域を有するラインメモリから転送され、前記電荷転送段に蓄積される電荷を、前記電荷転送段それぞれに相対的に高レベルの電圧又は相対的に低レベルの電圧を印加することによって転送するに際して、前記ラインメモリの一部から選択的に、前記電荷転送段へ電荷を転送するステップと、前記電荷転送段に転送された電荷の一部を、前記電荷転送素子内で下流側に転送するステップと、前記ラインメモリの残部から選択的に前記電荷転送段へ電荷を転送し、前記電荷転送素子内で転送された電荷の少なくとも一部に対して加算するステップとを含み、電荷を蓄積した前記電荷転送段に前記高レベルの電圧が印加されている時に、下流側に隣接する前記電荷転送段に前記低レベルの電圧が印加され、かつ上流側に隣接する前記電荷転送段に電荷を蓄積した状態で前記高レベルの電圧が印加されることがないように前記電荷転送素子を駆動するものである。
【0050】
本発明の駆動方法は、半導体基板表面に複数行、複数列に亘って行列状に配設された複数の光電変換素子と、前記光電変換素子に隣接して設けられ、前記光電変換素子で発生した電荷を列方向に転送する複数の垂直転送部と、垂直転送部の端部に設けられ、垂直転送部から転送される電荷を一時蓄積するラインメモリと、前記ラインメモリに蓄積された電荷を、行方向に転送する水平転送部とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、前記水平転送部は、転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子を含んで構成され、前記電荷転送素子は、1つの前記垂直転送部に対応して1つの前記電荷転送段を有しており、前記電荷転送段に蓄積される電荷を、前記電荷転送段それぞれに相対的に高レベルの電圧又は相対的に低レベルの電圧を印加することによって転送するに際して、前記ラインメモリの一部から選択的に、前記水平転送部を構成する前記電荷転送素子の前記電荷転送段へ電荷を転送するステップと、前記電荷転送段に転送された電荷の一部を、前記電荷転送素子内で下流側に転送するステップと、前記ラインメモリの残部から選択的に前記電荷転送段へ電荷を転送し、前記電荷転送素子内で転送された電荷の少なくとも一部に対して加算するステップとを含み、電荷を蓄積した前記電荷転送段に前記高レベルの電圧が印加されている時に、下流側に隣接する前記電荷転送段に前記低レベルの電圧が印加され、かつ上流側に隣接する前記電荷転送段に電荷を蓄積した状態で前記高レベルの電圧が印加されることがないように前記固体撮像素子を駆動するものである。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。本実施の形態の駆動方法が適用される固体撮像素子は、図5〜図10を用いて説明した従来の固体撮像素子と同様の構成を有するものである。光電変換素子で蓄積した信号電荷を全て読み出して転送し、各光電変換素子に対応した撮影画像信号を出力する場合の動作は従来と同じである(図11及び図12参照)。
【0053】
図1〜図3は、本発明の駆動方法の実施の形態を説明する図であり、信号電荷を加算して間引いた画像信号を得る場合の動作について説明するものである。図1〜図3は、従来の技術で示した図13〜図15と同様、ラインメモリ30の転送制御電極LM及び水平転送部40の水平転送電極H1〜H8に印加される駆動パルスφLMとφH1〜φH8のタイミングチャート、及び駆動パルスの状態に対応したラインメモリ30及び水平転送部40の状態を示すものである。なお、図1〜図3の記載方法は、図13〜図15と同様である。
【0054】
時刻t1は、垂直転送部から転送された1行分の信号電荷がラインメモリ30に蓄積されている状態であり、図11(c)及び図13の時刻t1と同様の状態である。このタイミングでは、駆動パルスφLMがハイレベルに、駆動パルスφH1〜φH8がローレベルに保持される。
【0055】
次いで、ラインメモリ30に蓄積された信号電荷の水平転送部40への転送、及び水平転送部40内の転送を行うが、まず、水平転送電極H5及びH7に対応する列のR電荷及びB電荷を転送する。
【0056】
水平転送電極H5に対応する列のR電荷、及び水平転送電極H7に対応する列のB電荷の水平転送部40への転送は、駆動パルスφH5及びφH7をハイレベルとし(時刻t2参照)、駆動パルスφLMをローレベルとすることによって行う(時刻t3参照)。次いで、駆動パルスφLMをハイレベルにして、ラインメモリ30に蓄積された他の信号電荷の移動ができない状態にした後(時刻t4参照)、水平転送部40のR電荷を、水平転送電極H2下方まで転送する(時刻t7参照)。この間、駆動パルスφH2〜φH5を、図10に示すような電荷が移動する状態に制御する(時刻t5〜t6参照)。この間、水平転送部40のB電荷は、そのまま保持される。また、時刻t5において、駆動パルスφH8がハイレベルとなっているが、駆動パルスφH4とφH8を同一のタイミングで駆動して駆動パルスの作成を簡単化しているためである。
【0057】
続いて、駆動パルスφH1〜φH8を全てローレベルにした後(時刻t8参照)、水平転送電極H4及びH8に対応する列のG電荷の転送を行うため、駆動パルスφH4及びφH8をハイレベルにする(時刻t9参照)。そして、駆動パルスφLMをローレベルにしてこれらの信号電荷を水平転送部40に転送し(時刻t10参照)、駆動パルスφLMを再度ハイレベルにする(時刻t11参照)。図から明らかなように、この状態では、水平転送部40の信号電荷は、1つおきの電荷転送段に蓄積されており、図16で説明したような問題は生じない。
【0058】
次に、駆動パルスφH2及びφH6をハイレベルにした後(時刻t12参照)、駆動パルスφH1〜φH8を反転させ、1つおきの電荷転送段に蓄積された信号電荷を同時に転送する(時刻t13参照)。この状態では、R電荷については、ラインメモリ30に残った信号電荷と水平転送部40の信号電荷が同じ列に位置しており、電荷の加算ができる。そのため、駆動パルスφH3及びφH7をローレベルにした後(時刻t14参照)、駆動パルスφLMをローレベルにして、ラインメモリ30に蓄積された水平転送電極H1に対応する列のR電荷を水平転送部40に転送する(時刻t15参照)。この時、駆動パルスφH5もハイレベルであるが、水平転送電極H5に対応する列のラインメモリ30には電荷が蓄積されていないので問題は生じない。そして、駆動パルスφLMを再度ハイレベルにする(時刻t16参照)
【0059】
この状態でも、水平転送部40の信号電荷は、1つおきの電荷転送段に蓄積されているので、駆動パルスφH1、φH3、φH5及びφH7をローレベルにし、駆動パルスφH2、φH4、φH6及びφH8をハイレベルにして、1つおきの電荷転送段に蓄積された信号電荷を同時に転送する(時刻t17参照)。この状態では、G電荷について、ラインメモリ30に残った信号電荷と水平転送部40の信号電荷が同じ列に位置しており、電荷の加算ができるので、駆動パルスφLMをローレベルにして、ラインメモリ30に蓄積されたG電荷を水平転送部40に転送する(時刻t18参照)。この時、ラインメモリ30にB電荷も残っているが、駆動パルスφH4がローレベルなので転送されない。
【0060】
そして、駆動パルスφLMを再度ハイレベルにした後(時刻t19参照)、駆動パルスφH1〜φH8を反転させ、1つおきの電荷転送段に蓄積された信号電荷を同時に転送する(時刻t20参照)。この状態では、ラインメモリ30に残ったB電荷に対応する電荷転送段に蓄積される電荷もB電荷であるので、駆動パルスφLMをローレベルにして、ラインメモリ30に蓄積されたB電荷を水平転送部40に転送し(時刻t21参照)、さらに駆動パルスφLMを再度ハイレベルにもどす(時刻t22参照)。
【0061】
時刻t22においては、奇数番の水平転送電極下方にのみ加算された信号電荷が蓄積されており、駆動パルスφH1〜φH8は、1つおきに反転状態となっているので、駆動パルスφH1〜φH8の反転を繰り返すことにより、加算された信号電荷を順次出力部へ転送することができる。
【0062】
以上の説明から明らかなように、このような手順で駆動パルスφLM、φH1〜φH8を制御すると、図16で説明したような問題が生じる状態とならないように電荷加算を行うことができる。
【0063】
図1〜図3で説明した手順は、図16で説明したような問題が生じる状態、すなわち、電荷を蓄積した電荷転送段に高レベルの電圧が印加されている時に、下流側に隣接する電荷転送段に低レベルの電圧が印加され、かつ上流側に隣接する電荷転送段に前記高レベルの電圧が印加される状態が、全く生じないように制御するものである。しかし、このような状態で常に電荷転送段が飽和するとはかぎらないので、図16で説明したような問題が生じる状態となる頻度を減らすことでも、電荷転送段の飽和に伴う不都合を減少させることができる。
【0064】
図4は、そのような駆動方法の一例を説明する図であり、図1〜図3で説明した実施の形態の時刻t14以降の駆動方法を変更したものである。時刻t13は、R電荷について、ラインメモリ30から水平転送部40に転送することにより、電荷の加算ができる状態であるが、この駆動方法では、加算を行わなず、駆動パルスφH1〜φH8を反転させ、1つおきの電荷転送段に蓄積された信号電荷をさらに1段だけ同時に転送する(時刻t14参照)。
い。
【0065】
そして、駆動パルスφH3とφH4を反転させて、B電荷を1段転送する(時刻t15参照)。この時、同時に駆動パルスφH1とφH8も反転させるが、電極H8下方のR電荷は、図10の移動条件を満たさないのでそのままである。この状態では、電極H2とH3に高レベルの電圧が印加されているが、電極H1にも高レベルの電圧が印加されているので、図16で説明したような問題は生じない。
【0066】
図4から明らかなように、この状態ではG電荷とB電荷が加算可能であるので、駆動パルスφLMをローレベルにして、ラインメモリ30のG電荷とB電荷を水平転送部40に転送して加算し(時刻t16参照)、駆動パルスφLMをハイレベルに戻す(時刻t17参照)。
【0067】
続いて、駆動パルスφH1とφH8を反転させて電極H1の下方のR電荷を電極H8下方に転送し、R電荷の加算を行う(時刻t18参照)。そして、加算されたG電荷とR電荷を同時に転送し、加算動作を終了する(時刻t19参照)。この状態は、図3の時刻t22と同じ状態であり、駆動パルスφH1〜φH8の反転を繰り返すことにより、加算された信号電荷を順次出力部へ転送することができる。
【0068】
このような駆動を行うと、図1〜図3に示した駆動に比較して短いタイミングで電荷加算を行うことができる。また、図16で説明したような問題が生じる状態は、時刻t18における電極H1〜H3に対応する電荷転送段のみであり、電荷転送段の飽和の確率が大きく減少している。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電荷転送素子の飽和特性を損なうことがないような駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水平転送部における電荷加算動作を説明する図
【図2】本発明の水平転送部における電荷加算動作を説明する図
【図3】本発明の水平転送部における電荷加算動作を説明する図
【図4】水平転送部における電荷加算動作の他の例を説明する図
【図5】水平転送部において信号電荷の加算を行う固体撮像素子の一例の概略構成を平面的に示す平面図
【図6】垂直転送部の転送段とそれに続くラインメモリの関係を模式的に示す図
【図7】図5に示す固体撮像素子の、垂直転送部、ラインメモリ、及び水平転送部の構成を概略的に示す部分平面図
【図8】図7のA−A断面を示す図
【図9】図8に示した部分の不純物領域の電位レベルを、垂直転送電極、転送制御電極、水平転送電極に印加される駆動パルスのレベルの変化に対応させて示す図
【図10】転送制御電極及び水平転送電極の印加電圧レベルと電荷移動の関係を示す図
【図11】全ての各光電変換素子に対応した撮影画像信号を出力する場合の動作を説明する図
【図12】画素混合を行い、間引いた画像信号を得る場合の動作を説明する図
【図13】水平転送部における電荷加算動作を従来例を説明する図
【図14】水平転送部における電荷加算動作を従来例を説明する図
【図15】水平転送部における電荷加算動作を従来例を説明する図
【図16】連続する3段の電荷転送段に対する印加電圧の組合せに応じた蓄積電荷の振る舞いを説明する図
【符号の説明】
10・・・光電変換素子
20・・・垂直転送部
30・・・ラインメモリ
40・・・水平転送部
50・・・出力部
60・・・電荷読み出し部
Claims (2)
- 転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子の駆動方法であって、
前記電荷転送段の1つに対応して1つの電荷蓄積領域を有するラインメモリから転送され、前記電荷転送段に蓄積される電荷を、前記電荷転送段それぞれに相対的に高レベルの電圧又は相対的に低レベルの電圧を印加することによって転送するに際して、
前記ラインメモリの一部から選択的に、前記電荷転送段へ電荷を転送するステップと、
前記電荷転送段に転送された電荷の一部を、前記電荷転送素子内で下流側に転送するステップと、
前記ラインメモリの残部から選択的に前記電荷転送段へ電荷を転送し、前記電荷転送素子内で転送された電荷の少なくとも一部に対して加算するステップとを含み、
電荷を蓄積した前記電荷転送段に前記高レベルの電圧が印加されている時に、下流側に隣接する前記電荷転送段に前記低レベルの電圧が印加され、かつ上流側に隣接する前記電荷転送段に電荷を蓄積した状態で前記高レベルの電圧が印加されることがないように前記電荷転送素子を駆動する駆動方法。 - 半導体基板表面に複数行、複数列に亘って行列状に配設された複数の光電変換素子と、前記光電変換素子に隣接して設けられ、前記光電変換素子で発生した電荷を列方向に転送する複数の垂直転送部と、垂直転送部の端部に設けられ、垂直転送部から転送される電荷を一時蓄積するラインメモリと、前記ラインメモリに蓄積された電荷を、行方向に転送する水平転送部とを含む固体撮像素子の駆動方法であって、
前記水平転送部は、転送方向に対して上流側のバリア領域と下流側のウェル領域とを含む電荷転送段を複数有する電荷転送素子を含んで構成され、
前記電荷転送素子は、1つの前記垂直転送部に対応して1つの前記電荷転送段を有しており、
前記電荷転送段に蓄積される電荷を、前記電荷転送段それぞれに相対的に高レベルの電圧又は相対的に低レベルの電圧を印加することによって転送するに際して、
前記ラインメモリの一部から選択的に、前記水平転送部を構成する前記電荷転送素子の前記電荷転送段へ電荷を転送するステップと、
前記電荷転送段に転送された電荷の一部を、前記電荷転送素子内で下流側に転送するステップと、
前記ラインメモリの残部から選択的に前記電荷転送段へ電荷を転送し、前記電荷転送素子内で転送された電荷の少なくとも一部に対して加算するステップとを含み、
電荷を蓄積した前記電荷転送段に前記高レベルの電圧が印加されている時に、下流側に隣接する前記電荷転送段に前記低レベルの電圧が印加され、かつ上流側に隣接する前記電荷転送段に電荷を蓄積した状態で前記高レベルの電圧が印加されることがないように前記固体撮像素子を駆動する駆動方法。
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