JP2004214252A - 片面回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップと基板とのファインピッチ接合化に貢献するため、メッキ条件等の諸条件を変更することなく、さらに工程数を増やさずに、樹脂面と回路面の凹みのない平坦な片面回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケル板を電解メッキ用リードとして、電解メッキにより配線パターンを形成し、その上に絶縁膜を形成し、最後にニッケル板をエッチングにより除去する。配線パターンを電解メッキにより形成する工程は、金、ニッケル、銅をこの順に電解メッキする工程であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】ニッケル板を電解メッキ用リードとして、電解メッキにより配線パターンを形成し、その上に絶縁膜を形成し、最後にニッケル板をエッチングにより除去する。配線パターンを電解メッキにより形成する工程は、金、ニッケル、銅をこの順に電解メッキする工程であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップを搭載する片面回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできている。これらの電子機器に使用される半導体パッケージは、小型化かつ多ピン化してきており、また、半導体パッケージを含めた電子部品を実装する、実装用基板も小型化してきている。さらには電子機器への収納性を高めるため、リジット基板とフレキシブル基板を積層し一体化して、折り曲げを可能としたリジットフレックス基板が、実装用基板として使われるようになってきている。
【0003】
半導体パッケージはその小型化に伴って、従来のようなリードフレームを使用した形態のパッケージでは、小型化に限界がきているため、最近では回路基板上にチップを実装したものとして、BGA(Ball Grid Array)や、CSP(Chip Scale Package)と言った、エリア実装型の新しいパッケージ方式が提案されている。これらの半導体パッケージにおいて、従来型半導体パッケージのリードフレームの機能を有する、半導体パッケージ用基板と呼ばれる、プラスチックやセラミックス等各種材料を使って構成される、基板の端子と半導体チップの電極との電気的接続方法として、ワイヤーボンディング方式やTAB(Tape Automated Bonding)方式、さらにはFC(Frip Chip)方式などが知られているが、最近では、半導体パッケージの小型化に有利なFC接続方式を用いた、BGAやCSPの構造が盛んに提案されている。これに伴い、半導体パッケージに用いられる基板はより高密度化、高信頼性が要求されている。このような基板の配線パターンを形成する方法として、銅箔をエッチングする方法(サブトラクティブ法)、電解メッキをする方法(アディティブ法)等があり、配線密度の高密度化に対応可能なアディティブ法が特に注目され始めている。また、チップと基板の接合方法は、半田バンプによるものが大多数であったが、配線密度の高密度化に伴い、スタッドバンプやメッキバンプ、バンプレス等による方法の検討が行われている。
上記の接合方法のメッキバンプ及びバンプレス接合を行うには、平坦な基板を用いる必要があるということが分かっている。しかし、アディティブ法による基板の作成に最も多く用いられている銅板をベースに行う方法は、銅板と金メッキの間のメッキバリア層および、絶縁層密着性向上のための銅回路メッキ粗化により、銅板エッチング後の基板は、樹脂面よりも回路面が2〜4μm凹んだ形状になるため、チップのバンプが回路面と接触する事が出来ず接合できないという問題点があった。
【0004】
平坦な回路基板の製造方法として特許文献1に、「第一の金属によるキャリヤ金属箔の片面に第一の金属とエッチング条件が異なる第二の金属による薄層を形成し、第二の金属による薄層の面に第二の金属とエッチング条件が異なる第三の金属による所定の配線パターンを形成し、所定の配線パターンが形成されたキャリヤ金属箔を配線パターン面が内側になるようにして絶縁基材と重ね合わせ配線パターンを絶縁基材内に埋め込み、第一の金属によるキャリヤ金属箔及び第二の金属による薄層の所望の部分をエッチング除去することにより作成する配線板の製造法」と記載されている。この方法によれば、平坦な回路基板が作成できるが、銅板ベースに作成する方法に比べ、第一の金属に第二の金属による薄層を形成する工程と、エッチング時に上記二層を別々に除去するという工程が増えてしまう。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−299816号公報(第4―5頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メッキ条件等の諸条件を変更することなく、さらに従来の製造方法よりも工程数を増やさずに、回路凹みのない基板を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] ニッケル板を電解メッキ用リードとして、配線パターンを電解メッキにより形成する工程と、ニッケル板をエッチングにより除去する工程とを含んでなることを特徴とする片面回路基板の製造方法、
[2] 片面回路基板の製造方法が、更に配線パターン上に絶縁膜を形成する工程を含んでなる[1]項記載の片面回路基板の製造方法、
[3] 配線パターンを電解メッキにより形成する工程が、金、ニッケル、銅をこの順に電解メッキする工程である[1]又は[2]項記載の片面回路基板の製造方法、
[4] 電解メッキ用リードとして用いられるニッケル板の厚みが、10〜100μmである[1]、[2]又は[3]項記載の片面回路基板の製造方法、
[5] 電解メッキ用リードとして用いられるニッケル板が表面処理されたニッケル板である[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の片面回路基板の製造方法、
[6] 樹脂面からの回路面のへこみが0.5μm以下である[1]〜[5]項のいずれか1項に記載の片面回路基板の製造方法
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の一実施例の製造工程を示す断面図である。
【0009】
本発明の片面回路基板の製造方法としては、まず、ニッケル板1上にパターニングされたメッキレジスト2を形成する(図1(b))。この際、使用するニッケル板1の厚みは、10〜100μmであり、好ましくは20〜50μmである。厚みが前記下限未満では支持性が不足し、工程中でシワになったり折れ曲がったりしてハンドリングが難しく、厚みが前記上限を超えると後にエッチングで除去する工程で時間がかかり生産性が悪い。また、ここで使用するニッケル板1は、表面処理されている方が好ましい。表面処理されていないと、メッキレジスト2との密着性が悪く後に行うメッキ時にニッケル板1面とメッキレジスト2面間にメッキ液の染み込みが起こる可能性がある。ニッケル板1上にパターニングするメッキレジスト2は、例えば、ニッケル板1上に紫外線感光性のドライフィルムレジストをラミネートし、ネガフィルム等を用いて選択的に感光し、その後現像することにより形成できる。
【0010】
次に、ニッケル板1を電解メッキ用リード(給電用電極)として、金メッキ3を電解メッキにより形成する(図1(c))。この金メッキ3は、ニッケル板1上のメッキレジスト2が形成されていない部分に形成され、レジスト金属としての役割がある。なお、レジスト金属を形成する目的は、ニッケル板1をエッチングする際に使用する薬液により、配線パターンが浸食・腐食されるのを防ぐことである。
【0011】
次に、ニッケル板1を電解メッキ用リード(給電用電極)として、金属バリア層4を電解メッキにより形成する(図1(c))。この金属バリア層4を形成する目的は、先に形成した金メッキ3パターンと後に形成する銅配線パターン5間での、金―銅拡散を防ぐことにある。この電解メッキにより、ニッケル板1上のメッキレジスト2が形成されていない部分に、金属バリア層4が形成される。金属バリア層4の材質としては、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良いが、例えば、ニッケル、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。
【0012】
次に、ニッケル板1を電解メッキ用リード(給電用電極)として、銅配線パターン5を電解メッキにより形成する(図1(c))。この電解メッキにより、ニッケル板1上のメッキレジスト2が形成されていない部分に、銅配線パターン5が形成される。配線パターンに銅を用いる目的は、低抵抗で安定していることにある。
【0013】
次に、メッキレジスト2を除去し、続いて、銅配線パターン5の粗化を行う(図1(d))。この粗化を行うことにより、銅配線パターン5と後述の絶縁膜6との密着性を確保することができる。
次に、形成した配線パターン上に絶縁膜6を形成する(図1(e))。絶縁膜6を構成する樹脂は、この製造方法に適するものであればどのようなものでも使用できる。また、絶縁膜6の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。
【0014】
次に、ニッケル板1をエッチングにより除去する(図1(f))。ニッケル板1と銅配線パターン5との間にレジスト金属としての役割を果たす金メッキ3が形成されており、この金メッキ3は、ニッケル板1をエッチングにより除去する際に使用する薬液に対して耐性を有しているため、ニッケル板1をエッチングしても金が浸食・腐食されることがなく、結果的に銅配線パターン5が浸食・腐食されることはない。
【0015】
以上の工程により、樹脂面と回路面間の凹みが0.5μm以下の片面回路基板を製造することができる。
本発明による片面回路基板の製造方法の特徴は、ニッケル板をベースに用いることにより、チップとのメッキバンプ接合およびバンプレス接合を目的とする平坦な片面回路基板を製造することができるということにある。
【0016】
【実施例】
実施例1
25μm厚の電解ニッケル箔(福田金属箔粉工業製、NIF-MT-25:商品名)をニッケル粗化液(メック製、NR-1870:商品名)を用いて表面処理し、次に、ドライフィルムレジスト(JSR製、FDR-2500:商品名)をロールラミネートし、所定のガラスマスクを用いて露光を行い、現像液(三菱ガス化学製、EF105A:商品名)を用いて現像し、配線パターンの形成に必要なメッキレジストを形成した。次に、電解ニッケル箔を電解メッキ用リードとして、金を電解メッキにより電流密度0.5A/dm2で1μm形成し、次に、バリア層としてニッケルを電解メッキにより電流密度2.0A/dm2で2μm形成し、さらに電流密度3.0A/dm2で電解銅メッキすることにより配線パターンを形成した。配線パターンは、線幅/線間/厚み=20μm/20μm/7μmとした。次に、レジスト剥離液(三菱ガス化学製、R-100:商品名)を用いてレジストを除去し、銅粗化液(旭電化工業製、SO-G:商品名)を用いて銅配線パターンを粗化した後、絶縁層としてシリコーン変性ポリイミドフィルムを真空プレスにより配線パターンの凹凸を埋め込みながら成形し、50μm厚の絶縁膜を形成した。この時の真空プレスの条件は、140℃、3.97MPaである。最後にニッケルエッチング液(メック製、NH-1862:商品名)を用いて電解ニッケル箔を除去して、回路凹みのない平坦な片面回路基板を得ることができた。
【0017】
このようにして得られた片面回路基板と、NCFとメッキバンプ有りチップおよび、ACFとメッキバンプ無しチップを用いてFCボンダー(澁谷工業製)で接合評価を行った。前者の場合、基板の端子とチップの電極との電気的接続をすべて取るのに、1.4MPaの荷重が必要だった。後者の場合、50箇所ある基板の端子とチップの電極とをすべて導通させることができた。
【0018】
比較例1
70μm厚の電解銅箔(三井金属製、3EC-VLP:商品名)を銅粗化液(旭電化工業製、SO-G:商品名)を用いて表面処理し、次に、ドライフィルムレジスト(JSR製、FDR-2500:商品名)をロールラミネートし、所定のガラスマスクを用いて露光を行い、現像液(三菱ガス化学製、EF105A:商品名)を用いて現像し、配線パターンの形成に必要なメッキレジストを形成した。次に、電解銅箔を電解メッキ用リードとして、金―銅拡散防止用バリア層ニッケルを電解メッキにより2μm形成し、金を電解メッキにより1μm形成し、次に、再びバリア層としてニッケルを電解メッキにより2μm形成し、さらに電解銅メッキすることにより配線パターンを形成した。配線パターンは、線幅/線間/厚み=20μm/20μm/7μmとした。次に、レジスト剥離液(三菱ガス化学製、R-100:商品名)を用いてレジストを除去し、銅粗化液(旭電化工業製、SO-G:商品名)を用いて銅配線パターンを粗化した後、絶縁層としてシリコーン変性ポリイミドフィルムを真空プレスにより配線パターンの凹凸を埋め込みながら成形し、50μm厚の絶縁膜を形成した。この時の真空プレスの条件は、140℃、3.97MPaである。最後に銅エッチング液(メック製、NH-1862:商品名)を用いて電解銅箔を除去して、3μm凹んだ片面回路基板を作成した。
【0019】
このようにして得られた片面回路基板と、NCFとメッキバンプ有りチップを用いてFCボンダー(澁谷工業製)で接合評価を行ったところ、基板の端子とチップの電極との電気的接続をすべて取るのに、2.9MPaの荷重が必要だった。ACFとメッキバンプ無しチップを用いてFCボンダー(澁谷工業製)で接合評価を行ったところ、50箇所ある基板の端子とチップの電極の内、29箇所しか導通させることができなかった。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、メッキ条件等の諸条件を変更することなく、さらに工程数を増やさずに、平坦な片面回路基板を製造することができ、チップとのメッキバンプ接合において低荷重化を可能にし、さらに、バンプレス接合を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ニッケル板
2 メッキレジスト
3 金メッキ
4 金属バリア層
5 銅配線パターン
6 絶縁膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体チップを搭載する片面回路基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の高機能化並びに軽薄短小化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできている。これらの電子機器に使用される半導体パッケージは、小型化かつ多ピン化してきており、また、半導体パッケージを含めた電子部品を実装する、実装用基板も小型化してきている。さらには電子機器への収納性を高めるため、リジット基板とフレキシブル基板を積層し一体化して、折り曲げを可能としたリジットフレックス基板が、実装用基板として使われるようになってきている。
【0003】
半導体パッケージはその小型化に伴って、従来のようなリードフレームを使用した形態のパッケージでは、小型化に限界がきているため、最近では回路基板上にチップを実装したものとして、BGA(Ball Grid Array)や、CSP(Chip Scale Package)と言った、エリア実装型の新しいパッケージ方式が提案されている。これらの半導体パッケージにおいて、従来型半導体パッケージのリードフレームの機能を有する、半導体パッケージ用基板と呼ばれる、プラスチックやセラミックス等各種材料を使って構成される、基板の端子と半導体チップの電極との電気的接続方法として、ワイヤーボンディング方式やTAB(Tape Automated Bonding)方式、さらにはFC(Frip Chip)方式などが知られているが、最近では、半導体パッケージの小型化に有利なFC接続方式を用いた、BGAやCSPの構造が盛んに提案されている。これに伴い、半導体パッケージに用いられる基板はより高密度化、高信頼性が要求されている。このような基板の配線パターンを形成する方法として、銅箔をエッチングする方法(サブトラクティブ法)、電解メッキをする方法(アディティブ法)等があり、配線密度の高密度化に対応可能なアディティブ法が特に注目され始めている。また、チップと基板の接合方法は、半田バンプによるものが大多数であったが、配線密度の高密度化に伴い、スタッドバンプやメッキバンプ、バンプレス等による方法の検討が行われている。
上記の接合方法のメッキバンプ及びバンプレス接合を行うには、平坦な基板を用いる必要があるということが分かっている。しかし、アディティブ法による基板の作成に最も多く用いられている銅板をベースに行う方法は、銅板と金メッキの間のメッキバリア層および、絶縁層密着性向上のための銅回路メッキ粗化により、銅板エッチング後の基板は、樹脂面よりも回路面が2〜4μm凹んだ形状になるため、チップのバンプが回路面と接触する事が出来ず接合できないという問題点があった。
【0004】
平坦な回路基板の製造方法として特許文献1に、「第一の金属によるキャリヤ金属箔の片面に第一の金属とエッチング条件が異なる第二の金属による薄層を形成し、第二の金属による薄層の面に第二の金属とエッチング条件が異なる第三の金属による所定の配線パターンを形成し、所定の配線パターンが形成されたキャリヤ金属箔を配線パターン面が内側になるようにして絶縁基材と重ね合わせ配線パターンを絶縁基材内に埋め込み、第一の金属によるキャリヤ金属箔及び第二の金属による薄層の所望の部分をエッチング除去することにより作成する配線板の製造法」と記載されている。この方法によれば、平坦な回路基板が作成できるが、銅板ベースに作成する方法に比べ、第一の金属に第二の金属による薄層を形成する工程と、エッチング時に上記二層を別々に除去するという工程が増えてしまう。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−299816号公報(第4―5頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、メッキ条件等の諸条件を変更することなく、さらに従来の製造方法よりも工程数を増やさずに、回路凹みのない基板を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] ニッケル板を電解メッキ用リードとして、配線パターンを電解メッキにより形成する工程と、ニッケル板をエッチングにより除去する工程とを含んでなることを特徴とする片面回路基板の製造方法、
[2] 片面回路基板の製造方法が、更に配線パターン上に絶縁膜を形成する工程を含んでなる[1]項記載の片面回路基板の製造方法、
[3] 配線パターンを電解メッキにより形成する工程が、金、ニッケル、銅をこの順に電解メッキする工程である[1]又は[2]項記載の片面回路基板の製造方法、
[4] 電解メッキ用リードとして用いられるニッケル板の厚みが、10〜100μmである[1]、[2]又は[3]項記載の片面回路基板の製造方法、
[5] 電解メッキ用リードとして用いられるニッケル板が表面処理されたニッケル板である[1]〜[4]項のいずれか1項に記載の片面回路基板の製造方法、
[6] 樹脂面からの回路面のへこみが0.5μm以下である[1]〜[5]項のいずれか1項に記載の片面回路基板の製造方法
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の一実施例の製造工程を示す断面図である。
【0009】
本発明の片面回路基板の製造方法としては、まず、ニッケル板1上にパターニングされたメッキレジスト2を形成する(図1(b))。この際、使用するニッケル板1の厚みは、10〜100μmであり、好ましくは20〜50μmである。厚みが前記下限未満では支持性が不足し、工程中でシワになったり折れ曲がったりしてハンドリングが難しく、厚みが前記上限を超えると後にエッチングで除去する工程で時間がかかり生産性が悪い。また、ここで使用するニッケル板1は、表面処理されている方が好ましい。表面処理されていないと、メッキレジスト2との密着性が悪く後に行うメッキ時にニッケル板1面とメッキレジスト2面間にメッキ液の染み込みが起こる可能性がある。ニッケル板1上にパターニングするメッキレジスト2は、例えば、ニッケル板1上に紫外線感光性のドライフィルムレジストをラミネートし、ネガフィルム等を用いて選択的に感光し、その後現像することにより形成できる。
【0010】
次に、ニッケル板1を電解メッキ用リード(給電用電極)として、金メッキ3を電解メッキにより形成する(図1(c))。この金メッキ3は、ニッケル板1上のメッキレジスト2が形成されていない部分に形成され、レジスト金属としての役割がある。なお、レジスト金属を形成する目的は、ニッケル板1をエッチングする際に使用する薬液により、配線パターンが浸食・腐食されるのを防ぐことである。
【0011】
次に、ニッケル板1を電解メッキ用リード(給電用電極)として、金属バリア層4を電解メッキにより形成する(図1(c))。この金属バリア層4を形成する目的は、先に形成した金メッキ3パターンと後に形成する銅配線パターン5間での、金―銅拡散を防ぐことにある。この電解メッキにより、ニッケル板1上のメッキレジスト2が形成されていない部分に、金属バリア層4が形成される。金属バリア層4の材質としては、この製造方法に適するものであればどのようなものでも良いが、例えば、ニッケル、錫、銀、パラジウム等が挙げられる。
【0012】
次に、ニッケル板1を電解メッキ用リード(給電用電極)として、銅配線パターン5を電解メッキにより形成する(図1(c))。この電解メッキにより、ニッケル板1上のメッキレジスト2が形成されていない部分に、銅配線パターン5が形成される。配線パターンに銅を用いる目的は、低抵抗で安定していることにある。
【0013】
次に、メッキレジスト2を除去し、続いて、銅配線パターン5の粗化を行う(図1(d))。この粗化を行うことにより、銅配線パターン5と後述の絶縁膜6との密着性を確保することができる。
次に、形成した配線パターン上に絶縁膜6を形成する(図1(e))。絶縁膜6を構成する樹脂は、この製造方法に適するものであればどのようなものでも使用できる。また、絶縁膜6の形成は、使用する樹脂に応じて適した方法で良く、樹脂ワニスを印刷、カーテンコート、バーコート等の方法で直接塗布したり、ドライフィルムタイプの樹脂を真空ラミネート、真空プレス等の方法で積層する方法が挙げられる。
【0014】
次に、ニッケル板1をエッチングにより除去する(図1(f))。ニッケル板1と銅配線パターン5との間にレジスト金属としての役割を果たす金メッキ3が形成されており、この金メッキ3は、ニッケル板1をエッチングにより除去する際に使用する薬液に対して耐性を有しているため、ニッケル板1をエッチングしても金が浸食・腐食されることがなく、結果的に銅配線パターン5が浸食・腐食されることはない。
【0015】
以上の工程により、樹脂面と回路面間の凹みが0.5μm以下の片面回路基板を製造することができる。
本発明による片面回路基板の製造方法の特徴は、ニッケル板をベースに用いることにより、チップとのメッキバンプ接合およびバンプレス接合を目的とする平坦な片面回路基板を製造することができるということにある。
【0016】
【実施例】
実施例1
25μm厚の電解ニッケル箔(福田金属箔粉工業製、NIF-MT-25:商品名)をニッケル粗化液(メック製、NR-1870:商品名)を用いて表面処理し、次に、ドライフィルムレジスト(JSR製、FDR-2500:商品名)をロールラミネートし、所定のガラスマスクを用いて露光を行い、現像液(三菱ガス化学製、EF105A:商品名)を用いて現像し、配線パターンの形成に必要なメッキレジストを形成した。次に、電解ニッケル箔を電解メッキ用リードとして、金を電解メッキにより電流密度0.5A/dm2で1μm形成し、次に、バリア層としてニッケルを電解メッキにより電流密度2.0A/dm2で2μm形成し、さらに電流密度3.0A/dm2で電解銅メッキすることにより配線パターンを形成した。配線パターンは、線幅/線間/厚み=20μm/20μm/7μmとした。次に、レジスト剥離液(三菱ガス化学製、R-100:商品名)を用いてレジストを除去し、銅粗化液(旭電化工業製、SO-G:商品名)を用いて銅配線パターンを粗化した後、絶縁層としてシリコーン変性ポリイミドフィルムを真空プレスにより配線パターンの凹凸を埋め込みながら成形し、50μm厚の絶縁膜を形成した。この時の真空プレスの条件は、140℃、3.97MPaである。最後にニッケルエッチング液(メック製、NH-1862:商品名)を用いて電解ニッケル箔を除去して、回路凹みのない平坦な片面回路基板を得ることができた。
【0017】
このようにして得られた片面回路基板と、NCFとメッキバンプ有りチップおよび、ACFとメッキバンプ無しチップを用いてFCボンダー(澁谷工業製)で接合評価を行った。前者の場合、基板の端子とチップの電極との電気的接続をすべて取るのに、1.4MPaの荷重が必要だった。後者の場合、50箇所ある基板の端子とチップの電極とをすべて導通させることができた。
【0018】
比較例1
70μm厚の電解銅箔(三井金属製、3EC-VLP:商品名)を銅粗化液(旭電化工業製、SO-G:商品名)を用いて表面処理し、次に、ドライフィルムレジスト(JSR製、FDR-2500:商品名)をロールラミネートし、所定のガラスマスクを用いて露光を行い、現像液(三菱ガス化学製、EF105A:商品名)を用いて現像し、配線パターンの形成に必要なメッキレジストを形成した。次に、電解銅箔を電解メッキ用リードとして、金―銅拡散防止用バリア層ニッケルを電解メッキにより2μm形成し、金を電解メッキにより1μm形成し、次に、再びバリア層としてニッケルを電解メッキにより2μm形成し、さらに電解銅メッキすることにより配線パターンを形成した。配線パターンは、線幅/線間/厚み=20μm/20μm/7μmとした。次に、レジスト剥離液(三菱ガス化学製、R-100:商品名)を用いてレジストを除去し、銅粗化液(旭電化工業製、SO-G:商品名)を用いて銅配線パターンを粗化した後、絶縁層としてシリコーン変性ポリイミドフィルムを真空プレスにより配線パターンの凹凸を埋め込みながら成形し、50μm厚の絶縁膜を形成した。この時の真空プレスの条件は、140℃、3.97MPaである。最後に銅エッチング液(メック製、NH-1862:商品名)を用いて電解銅箔を除去して、3μm凹んだ片面回路基板を作成した。
【0019】
このようにして得られた片面回路基板と、NCFとメッキバンプ有りチップを用いてFCボンダー(澁谷工業製)で接合評価を行ったところ、基板の端子とチップの電極との電気的接続をすべて取るのに、2.9MPaの荷重が必要だった。ACFとメッキバンプ無しチップを用いてFCボンダー(澁谷工業製)で接合評価を行ったところ、50箇所ある基板の端子とチップの電極の内、29箇所しか導通させることができなかった。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、メッキ条件等の諸条件を変更することなく、さらに工程数を増やさずに、平坦な片面回路基板を製造することができ、チップとのメッキバンプ接合において低荷重化を可能にし、さらに、バンプレス接合を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ニッケル板
2 メッキレジスト
3 金メッキ
4 金属バリア層
5 銅配線パターン
6 絶縁膜
Claims (6)
- ニッケル板を電解メッキ用リードとして、配線パターンを電解メッキにより形成する工程と、ニッケル板をエッチングにより除去する工程とを含んでなることを特徴とする片面回路基板の製造方法。
- 片面回路基板の製造方法が、更に配線パターン上に絶縁膜を形成する工程を含んでなる請求項1記載の片面回路基板の製造方法。
- 配線パターンを電解メッキにより形成する工程が、金、ニッケル、銅をこの順に電解メッキする工程である請求項1又は2記載の片面回路基板の製造方法。
- 電解メッキ用リードとして用いられるニッケル板の厚みが、10〜100μmである請求項1,2又は3記載の片面回路基板の製造方法。
- 電解メッキ用リードとして用いられるニッケル板が表面処理されたニッケル板である請求項1〜4いずれか1項に記載の片面回路基板の製造方法。
- 樹脂面からの回路面のへこみが0.5μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の片面回路基板の製造方法。
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JP2002378958A JP2004214252A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 片面回路基板の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100828490B1 (ko) | 2007-05-02 | 2008-05-13 | 김정식 | 리드프레임 제조방법 |
JP2018019076A (ja) * | 2016-07-28 | 2018-02-01 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | プリント回路基板 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002378958A patent/JP2004214252A/ja active Pending
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