JP2004214034A - ディスプレイ用高精細電極の形成方法およびディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗値が低く信頼性の高いディスプレイ用高精細電極を簡易な工程で形成する方法、および高精細電極を備えたディスプレイを提供する。
【解決手段】本発明のディスプレイ用高精細電極の形成方法は、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する工程と、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し、露光部に前記イオン交換性基を生成する工程と、露光により生成された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する工程とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のディスプレイ用高精細電極の形成方法は、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する工程と、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し、露光部に前記イオン交換性基を生成する工程と、露光により生成された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する工程とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ用高精細電極の形成方法およびディスプレイに係わり、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネル等の薄型でフラットなディスプレイ用の電極として好適する高精細電極の形成方法、およびそのような方法により形成された電極を備えたディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(CRT)に代わる表示装置として、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶ディスプレイに代表される薄型でフラットなディスプレイが開発されている。これらのディスプレイは、パーソナルコンピューター用などのオフィスビジネス用途としてだけではなく、公共の場所での情報表示装置としても市場成長を遂げつつある。
【0003】
これらのディスプレイの中でもPDPは、自発光型であるので視認性が良く、しかも薄型で大画面表示が可能であることから、CRTに代わる新しい表示装置として期待されており、特に面放電AC型PDPは、製造しやすく長寿命であることから開発が急速に進行している。
【0004】
従来から、このようなPDP用の高精細電極を形成するには、ガラス等の基板上に感光性ぺーストをスクリーン印刷等で塗布し、感光性の金属膜を形成した後、所定の電極パターンに従って紫外線等の光を照射して露光し、次いでアルカリ等を含む現像液で現像を行うことにより、電極パターンを有する金属膜のみを基板上に残す方法が採られている。その後、パターニングされた金属膜を焼成することにより、ペースト中に含有された有機成分等を揮散・気化させるとともに、含有された金属粒子の結合を促し、導電性に優れた金属電極パターンを得ている。さらに、信頼性の高い電極を形成するために、前記した行程を複数回行う方法が採られていた。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−236892公報(図4、第3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電極形成方法においては、所望の電極を得るために多くの工程を必要とし、またその工程を複数回行うことによって信頼性の高い電極を形成しているため、製造コストが高くなるという問題があった。また、得られる電極の抵抗値もより低いことが望まれていた。
【0007】
さらに、ペースト中に含有された有機成分を揮散させて、金属粒子間の結合を促すために、基板を高温雰囲気下で処理すること(焼成)が行われているが、この焼成工程で基板材料の熱膨張などに起因する焼き縮みが生じ、電極パターンの形状精度の低下が生じ、最悪の場合は電極パターンが剥離するという問題があった。そして、このような精度の低下が電極の高精細化の妨げとなり、より優れた画質(解像度)実現のネックとなっていた。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、PDPなどのディスプレイにおいて、簡易な工程で抵抗値が低く信頼性の高い高精細電極を形成する方法、および高精細電極を備えたディスプレイを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様はディスプレイ用高精細電極の形成方法であり、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し、露光部に前記イオン交換性基を生成する第3の工程と、露光により生成された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様はディスプレイ用高精細電極の形成方法であり、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、イオン交換性基を有する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部以外の部分を露光し、露光部の前記イオン交換性基を消失させ、かつ未露光部に前記イオン交換性基を残存させる第3の工程と、残存された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様はディスプレイ用高精細電極の形成方法であり、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、イオン交換性基を有する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し次いで加熱することによって、露光部の前記イオン交換性基を残存させ、かつ未露光部の前記イオン交換性基を消失させる第3の工程と、残存された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1乃至第3の態様のディスプレイ用高精細電極の形成方法において、第4の工程で、感光性組成物層のパターン部に結合させる金属イオンまたは金属が、Ag、Au、Cu、Pb、Sn、Li、Zn、Alから成る群から選択される少なくとも1種の金属またはそのイオンであることができる。また、第4の工程で形成された導電性パターンの表面に、無電解メッキを施す工程を備えることができる。
【0013】
本発明の第4の態様はディスプレイであり、絶縁性基板上に、前記したディスプレイ用高精細電極の形成方法により形成された電極を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、表面平滑な絶縁性基板上に、低抵抗値でパターン精度が高くかつ焼き縮みや剥離がない高精細電極を簡易な工程で形成することができる。そして、このように形成された高精細電極を備えることで、信頼性の高いPDPなどのディスプレイを実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第1の実施形態を説明するための断面図である。
【0017】
第1の実施形態では、まず第1の工程において、図1(a)に示すように、平滑な表面を有し、かつ内部に孔や空隙部がなく充実した構造を有する絶縁性基板1の一方の表面(片面)を、粗面化する。符号1aは、絶縁性基板1の粗面化された表面を示す。
【0018】
絶縁性基板1としては、ガラスのような無機絶縁材料から成る基板を使用することが望ましいが、アクリル樹脂のような透明樹脂製の基板を使用することもできる。
【0019】
粗面化の方法としては、サンドブラストなどの機械的研磨方法、プラズマエッチングのようなドライエッチングによる方法、アルカリ溶液などを使用した化学的方法などを用いることができる。これらの方法により、表面粗さ(平均粗さ)が0.2〜5μmになるように粗面化を行う。
【0020】
次いで、第2の工程において、図1(b)に示すように、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに、紫外線等の活性光線の照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層2を形成する。
【0021】
なお、本発明において、イオン交換性基とはイオン交換能を有する官能基を意味する。また、光照射すなわち露光によりイオン交換性基を生成する化合物は、露光による化学反応を契機にする多段階反応により、イオン交換性基を生じるものであってもよい。
【0022】
イオン交換能を有する官能基としては、親水性の官能基が挙げられ、−COOX基、−SO3X基、−PO3X2基(Xは、水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属および周期律表1,2族に属する典型金属、およびアンモニウム基から選択される)および−NH2OHなどが挙げられる。特に、陽イオン交換能を有する基(陽イオン交換性基)であるものが、金属イオンとイオン交換し易いため望ましい。陽イオン交換性基としては、−COOX基、−SO3X基あるいは−PO3X2基などの酸性基が挙げられる。
【0023】
光照射により前記したイオン交換性基を生成する化合物の例としては、ナフトキノンジアジド誘導体、o−ニトロベンジルエステル誘導体、p−ニトロベンジルエステルスルフォネート誘導体などが挙げられる。
【0024】
イオン交換性基を生成する化合物として、ナフトキノンジアジド誘導体を用いた場合の露光反応を、下記化学式(1)に示す。
【化1】
【0025】
上記化学式に示すように、絶縁体に形成されたナフトキノンジアジドは、露光工程および次の工程で水を存在させることにより、−COOH基を発生する。
【0026】
なお、感光性組成物層2は、後工程において金属イオン含有水溶液やアルカリ性または酸性水溶液に曝される。イオン交換反応によりイオン化した感光性組成物は、水溶液に溶解しやすいため、絶縁性基板表面からの剥離を防止するために、イオン交換性基を生じる官能基が、ポリマーなどの高分子化合物に化学的に結合しているものを使用することが好ましい。
【0027】
ここで、ポリマーの分子量は、1000以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましい。分子量が1000以下のポリマーでは、絶縁性基板に対する塗布性が悪化して、均一な塗布が困難となる。また、後工程のメッキ工程などで、アルカリ性または酸性水溶液中への曝露により劣化を生じやすくなる。
【0028】
また、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物の他の例としては、ポリマーの構造中に含有されるカルボキシル基やスルフォネート基などのイオン交換性基に、保護基を導入した化合物が挙げられる。後工程の露光によって保護基が分解することにより、カルボキシル基やスルフォネート基などのイオン交換性基が生成する。保護基としてはo−ニトロベンジルエステル基が挙げられる。
【0029】
さらに、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物として、オニウム塩誘導体、スルフォニウムエステル誘導体、カルボン酸誘導体などを使用することができる。
【0030】
オニウム塩誘導体としては、CF3SO3 −、p−CH3PhSO3 −、p−NO2PhSO3 −等を対アニオンとするジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩等が挙げられる。より具体的には、ジフェニルヨードニウム、4,4’−ジブチルフェニルヨードニウム、トリフェニルスルフォニウム、ナフチルスルフォニウム等のトリフルオロ酢酸塩系誘導体、トリフルオロメタンスルフォン酸塩誘導体、およびトルエンスルフォン酸誘導体が挙げられる。
【0031】
スルフォニウムエステル誘導体としては、ベンゾイントシレート系誘導体、o−ニトロベンジルトシレート系誘導体、アリールスルフォン酸のp−ニトロベンジルエステル系誘導体、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルフォネート系誘導体等が挙げられる。
【0032】
また、カルボン酸誘導体としては、上述したフェノール樹脂やポリアミド酸やポリアクリル酸の水酸基、あるいはカルボキシル基が保護されたポリマー等であり、前記ポリマーとしては、フェノールノボラック樹脂誘導体、キシレノールノボラック樹脂誘導体、ビニルフェノール樹脂誘導体、クレゾールノボラック樹脂誘導体等のフェノール系樹脂誘導体やポリアミド酸誘導体やポリアクリル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘導体等のカルボキシル基含有ポリマー誘導体等が挙げられる。
【0033】
第2の工程においては、このような光照射によりイオン交換性基を生成する化合物と有機溶剤とを混合し、液状またはペースト状とした感光性組成物を、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに塗布する。有機溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール等を使用することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法などを用いることができる。
【0034】
次いで、第3の工程において、図1(c)に示すように、絶縁性基板1上に形成された前記した感光性組成物層2の上に、形成すべき電極パターンに相当する所望の孔パターン(ネガ型パターン)を有する露光マスク3を配置する。そして、図1(d)に示すように、この露光マスク3を介して紫外線等の活性光線4を照射する。露光部にイオン交換性基が生成し、感光性組成物層2にイオン交換性基による潜像5のパターンが形成される。
【0035】
なお、露光に際しては、必ずしも露光マスク3を用いる必要はない。例えば、レーザービームなどを用いて電極パターン通りに描画して露光してもよい。また、光の干渉によって生じる干渉縞などの周期的な光強度パターンを用いて露光してもよい。
【0036】
次いで、図1(e)に示すように露光マスク3を除去した後、第4の工程において、図1(f)に示すように、感光性組成物層に形成された潜像5パターンのイオン交換性基に金属または金属イオンを結合させ、金属または金属イオンを含む導電性パターン6を形成する。その後、有機溶剤による洗浄を行い、感光性組成物層2の未露光部を溶解・除去する。
【0037】
イオン交換性基への金属または金属イオンの結合を生じさせるには、例えば金属塩を含有する水溶液などに、露光後の絶縁性基板を浸漬させるだけでよい。金属または金属イオンとして用いられる元素としては、銅、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、錫、チタン、鉛、白金、金、クロミウム、モリブデン、鉄、イリジウム、タングステン、およびロジウム等が挙げられる。
【0038】
これらの金属元素は、硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、および炭酸塩のような金属塩として溶液中に含有させる。特に、硫酸銅の使用が好ましい。これらの金属塩は、溶液における金属イオンの濃度が0.001〜10M、好ましくは0.01〜1Mとなるよう配合することが好ましい。なお、金属塩を溶解させる溶媒としては、水あるいは有機溶媒、例えばメタノールやイソプロパノール等を使用することができる。
【0039】
なお、第4の工程における金属または金属イオンの結合量を増すため、この工程の前に、酸またはアルカリ溶液に接触させることにより、潜像5パターンのイオン交換性基の中和あるいは膨潤を行ってもよい。特に、アルカリ溶液として、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、ナトリウムメトキサイドやカリウムエトキサイド等の金属アルコキサイドや水素化ホウ素ナトリウム等の水溶液の少なくとも1種を用い、これらの溶液に浸漬する方法と採ることが望ましい。
【0040】
次いで、必要に応じて、イオン交換により形成された導電性パターン6の導電性を向上させるために、イオン交換性基に結合した金属イオンを還元剤と接触させて金属化させる。
【0041】
用いられる還元剤は特に限定されないが、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウムや、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩等が挙げられる。こうした還元剤を含有する溶液に絶縁性基板を浸漬することによって、金属イオン等が結合した導電性パターン6を金属化させることができる。
【0042】
次いで、導電性をさらに向上させるために、図1(g)に示すように、導電性パターン6の上に無電解メッキを施し、無電解メッキ層7を形成する。
【0043】
メッキ用の金属としては、電気抵抗が少なく、比較的腐食しにくい銅が最も好ましい。具体的には、前工程で得られた導電性パターン6を触媒核として、無電解メッキ液と接触させる。
【0044】
無電解メッキ液としては、例えば、銅、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、白金、金、ロジウム等の金属イオンを含有するものが挙げられる。
【0045】
こうして、ガラス等の絶縁性基板1上に、ネガ型の電極パターンを精度よく形成することができる。形成される電極パターンは、導電性パターン6を核として無電解メッキが施されているので、電気抵抗が低く十分な導電性を有している。また、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに形成されており、電極パターンの密着性が良好で剥離しにくいので、PDPなどのディスプレイ用の高精細電極として好適に使用することができる。
【0046】
次に、本発明の第2および第3の実施形態を、図2および図3に基づいてそれぞれ説明する。なお、これらの実施形態において、第1の実施形態と同様な構成については、重複を避けるため説明を省略し、異なる構成について主に説明するものとする。
【0047】
第2の実施形態では、図2(a)に示すように、ガラス基板のような絶縁性基板1の片面を粗面化した後、図2(b)に示すように、この絶縁性基板1の粗面化された表面1aに、イオン交換性基を有しかつこのイオン交換性基が露光により消失する化合物を含む感光性組成物の層8を形成する。
【0048】
露光によりイオン交換性基を消失する化合物としては、露光前にはイオン交換能を有する官能基を有し、露光後に水に溶解あるいは膨潤しにくい疎水的な性質を有する官能基を生じる化合物が挙げられる。ここで、イオン交換能を有する官能基としては、親水性の官能基が挙げられ、−COOX基、−SO3X基、−PO3X2基(Xは、水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属および周期律表1,2族に属する典型金属から選択される)のような陽イオン交換性基が挙げられる。
【0049】
第2の実施形態では、前記したカルボキシル基含有化合物に加えて、光酸発生剤およびアルコールがそれぞれ配合された感光性組成物が使用される。
【0050】
この組成物においては、光酸発生剤の露光により発生した酸がエステル化反応の触媒となるので、露光部でカルボキシル基に対するアルコールのエステル化反応が進行し、未露光部でエステル化反応が進行しない。そのため、露光部ではイオン交換性基であるカルボキシル基がエステル化により消失し、未露光部ではカルボキシル基がそのまま残存される。
【0051】
なお、光酸発生剤としては、CF3SO3 −、p−CH3PhSO3 −、p−NO2PhSO3 −等を対アニオンとするオニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩等の塩、有機ハロゲン化合物、およびオルトキノン−ジアジドスルホン酸エステルなどを用いることができる。
【0052】
アルコールとしては、炭素数が10〜25個の1価のアルコールを使用することができる。
【0053】
次いで、図2(c)に示すように、絶縁性基板1上に形成された前記した感光性組成物層8の上に、形成すべき電極パターンに相当する所望のポジ型パターンを有する露光マスク3を配置した後、図2(d)に示すように、この露光マスク3を介して紫外線等の活性光線4を照射する。感光性組成物層8の露光部でイオン交換性基が消失し、未露光部でイオン交換性基が残存されるので、イオン交換性基によるポジ型の潜像5パターンが形成される。なお、符号8aは、イオン交換性基が消失した感光性組成物層を示す。
【0054】
次いで、図2(e)に示すように露光マスク3を除去した後、露光工程で形成された潜像5パターンのイオン交換性基に、銅、銀などの金属または金属イオンを結合させる。その後、有機溶剤による洗浄を行い、感光性組成物層8の露光部を溶解・除去する。こうして、図2(f)に示すように、金属または金属イオンを含む導電性パターン6が形成される。
【0055】
次いで、必要に応じてイオン交換性基に結合した金属イオンを還元剤と接触させて金属化させた後、図2(g)に示すように、導電性パターン6の上に無電解メッキを施し、無電解メッキ層7を形成する。
【0056】
こうして、ガラス等の絶縁性基板1上に、ポジ型の電極パターンを精度よく形成することができる。形成される電極パターンは、導電性パターン6を核として無電解メッキが施されているので、電気抵抗が低く十分な導電性を有している。また、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに形成されており、電極パターンの密着性が良好で剥離しにくいので、PDPなどのディスプレイ用の高精細電極として好適に使用することができる。
【0057】
第3の実施形態では、図3(a)に示すように、ガラス基板のような絶縁性基板1の片面を粗面化した後、図3(b)に示すように、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに、イオン交換性基を有し、このイオン交換性基が露光後も残存しかつ未露光部でイオン交換性基が消失する化合物を含む感光性組成物の層9を形成する。
【0058】
ここで、露光前からイオン交換性基を有し、露光後に未露光部でイオン交換性基が消失する化合物としては、塩基性物質の存在下で光照射により脱炭酸反応を起こして分解することのできるカルボキシル基を含有する化合物が挙げられる。第3の実施形態では、このようなカルボキシル基含有化合物に加えて、光酸発生剤および塩基性化合物がそれぞれ配合された感光性組成物が使用される。
【0059】
この組成物においては、露光により光酸発生剤から発生した酸が、脱炭酸反応に関わる塩基性化合物を中和する。そのため、露光部で脱炭酸反応が生起することなくイオン交換性基であるカルボキシル基がそのまま残り、未露光部でカルボキシル基の脱炭酸反応が進行し、イオン交換性基が消失する。なお、この感光性組成物の使用では、光照射(露光)した後さらに加熱することにより、安定した脱炭酸反応を起こすことができる。
【0060】
脱炭酸反応を起こして分解することのできるカルボキシル基含有化合物としては、任意の化合物を選択することができるが、塩基性化合物により脱炭酸反応が進行し易い化合物の使用が好ましい。そのような化合物としては、カルボキシル基のα位またはβ位に電子吸引性基または不飽和結合を有するものが挙げられる。ここで、電子吸引性基は、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、カルボニル基、またはハロゲンであることが好ましい。
【0061】
このようなカルボキシル基含有化合物の具体例としては、α−シアノカルボン酸誘導体、α−ニトロカルボン酸誘導体、α−フェニルカルボン酸誘導体、β,γ−オレフィンカルボン酸などが挙げられる。
【0062】
光酸発生剤としては、CF3SO3 −、p−CH3PhSO3 −、p−NO2PhSO3 −等を対アニオンとするオニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩等の塩、有機ハロゲン化合物、およびオルトキノン−ジアジドスルホン酸エステルなどを用いることができる。
【0063】
塩基性化合物としては、カルボキシル基含有化合物の脱炭酸反応の触媒として作用し、かつ光酸発生剤から放出される酸によって中和され触媒作用を失うものであれば、任意のものを用いることができる。好ましくは、含窒素化合物であり、具体的にはアンモニア、第1級アミン類、第2級アミン類、および第3級アミン類等が挙げられる。
【0064】
次いで、図3(c)に示すように、絶縁性基板1上に形成された前記した感光性組成物層9の上に、形成すべき電極パターンに相当する所望の孔パターンを有する露光マスク3を配置した後、図3(d)に示すように、この露光マスク3を介して紫外線等の活性光線4を照射する。感光性組成物層7の未露光部でイオン交換性基が消失し、露光部でイオン交換性基が残存されるので、イオン交換性基によるネガ型の潜像5パターンが形成される。なお、符号9aは、イオン交換性基が消失した感光性組成物層を示す。
【0065】
次いで、加熱することにより、前記した脱炭酸反応によるイオン交換性基の消失を安定化した後、図3(e)に示すように露光マスク3を除去してから、感光性組成物層に形成された潜像5パターンのイオン交換性基に、銅、銀などの金属または金属イオンを結合させる。その後、有機溶剤による洗浄を行い、イオン交換性基が消失した感光性組成物層9a(未露光部)を溶解・除去する。こうして、図3(f)に示すように、金属または金属イオンを含む導電性パターン6が形成される。
【0066】
次いで、必要に応じてイオン交換性基に結合した金属イオンを還元剤と接触させて金属化させた後、図3(g)に示すように、導電性パターン6の上に無電解メッキを施し、無電解メッキ層7を形成する。
【0067】
こうして、ガラス等の絶縁性基板1上に、ネガ型の電極パターンを精度よく形成することができる。形成される電極パターンは、導電性パターン6を核として無電解メッキが施されているので、電気抵抗が低く十分な導電性を有している。また、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに形成されており、電極パターンの密着性が良好で剥離しにくいので、PDPなどのディスプレイ用の高精細電極として好適に使用することができる。
【0068】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0069】
実施例1
ガラス基板(厚さ2.1mm)の片面に、以下に示すサンドブラスト処理を行った。すなわち、研掃剤として平均粒径0.5μmのアルミナ粉を用い、これをエアーノズルから3kg/cm2の噴射圧力でガラス基板の表面に噴射した。このようなサンドブラスト処理の結果、ガラス基板の表面が、0.2〜5μmの粗さ(平均粗さ)に粗面化された。
【0070】
一方、ナフトキノンジアジド誘導体を有するフェノール樹脂であるC−546(コーヨーケミカル株式会社の商品名)をアセトンに溶解し、1wt%の感光剤溶液を調製した。次いで、ガラス基板の粗面化された表面を洗浄した後、この表面に前記溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、ガラス基板の粗面化された表面に、厚さ0.1μmの感光性組成物層が形成された。
【0071】
次いで、このガラス基板に対して所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射し、露光部にイオン交換性基であるインデンカルボン酸基を生成させた。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性の有無によるネガ型の潜像パターンを形成した。
【0072】
次いで、潜像パターンが形成されたガラス基板を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に1時間浸漬した後、蒸留水により洗浄した。次に、50mmol/lに調整した酢酸銅水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水による洗浄を行った。こうして、前記した潜像パターンに銅イオンが結合あるいは吸着され、導電性パターンが形成された。
【0073】
次いで、このガラス基板をテトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った後、さらに無電解銅メッキ液(荏原ユージライト社製PB−503)に2時間浸漬して無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0074】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0075】
比較例1
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0076】
実施例2
まず、p−ニトロベンジルエステルスルフォネート誘導体を有するフェノール樹脂をアセトンに溶解し、1wt%の感光性溶液を調製した。
【0077】
次いで、実施例1と同様にして粗面化されたガラス基板の表面を洗浄した後、その上に、前記した感光剤溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、厚さ0.1μmの感光性組成物層を形成した。
【0078】
次いで、このガラス基板に対して、所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射し、露光部にイオン交換性基であるスルフォン酸基を生成させた。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性の有無によるネガ型の潜像パターンを形成した。
【0079】
次いで、潜像パターンが形成されたガラス基板に対して、実施例1と同様に、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液への浸漬、蒸留水による洗浄、酢酸銅水溶液への浸漬、蒸留水による洗浄、テトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液への浸漬、蒸留水による洗浄を順に行った後、さらに無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0080】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0081】
比較例2
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0082】
実施例3
研掃剤として平均粒径0.5μmのアルミナ粉を用い、これをエアーノズルから3kg/cm2の噴射圧力でガラス基板(厚さ2.6mm)の片面に噴射し、サンドブラスト処理を行った。その結果、ガラス基板の表面が0.2〜5μmの粗さ(平均粗さ)に粗面化された。
【0083】
一方、α−フェニルカルボン酸誘導体(ポリ−α−フェニルビニル酢酸)をアセトン中に溶解し、1wt%のアセトン溶液を調製した。この溶液に、アルコールとして1−エイコサノールを、α−フェニルカルボン酸誘導体に対して10wt%の割合で添加し、さらに光酸発生剤としてTPS−103(みどり化学株式会社の商品名)を、α−フェニルカルボン酸誘導体に対して5wt%の割合で添加した。
【0084】
次いで、ガラス基板の粗面化された表面を洗浄した後、その上に前記溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、ガラス基板の粗面化された表面に、厚さ0.3μmの感光性組成物層が形成された。
【0085】
次に、このガラス基板に対して所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射した。露光により光酸発生剤から酸が発生し、この酸が触媒となり、カルボキシル基に対するアルコールのエステル化反応が進行する。したがって、露光部でカルボキシル基のエステル化によりカルボキシル基が消失し、未露光部ではエステル化反応が進行しないので、カルボキシル基がそのまま残存される。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性基が残存する領域(未露光部)とイオン交換性基を消失した領域(露光部)がそれぞれ形成され、イオン交換性の有無によるポジ型の潜像パターンが形成された。
【0086】
次いで、こうして潜像パターンが形成されたガラス基板を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水により洗浄した後、50mmol/lに調整した酢酸銅水溶液に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った。こうして、前記した潜像パターンに銅イオンが結合あるいは吸着され、導電性パターンが形成された。
【0087】
次いで、このガラス基板をテトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った後、さらに無電解銅メッキ液(荏原ユージライト社製PB−503)に2時間浸漬し無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0088】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0089】
比較例3
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0090】
実施例4
研掃剤として平均粒径0.5μmのアルミナ粉を用い、これをエアーノズルから3kg/cm2の噴射圧力でガラス基板(厚さ2.6mm)の表面に噴射し、サンドブラスト処理を行った。その結果、ガラス基板の表面が0.2〜5μmの粗さ(平均粗さ)に粗面化された。
【0091】
一方、α−シアノカルボン酸誘導体(ポリ−α−シアノビニル酢酸)をアセトン中に溶解し、1wt%のアセトン溶液を調製した。この溶液に、塩基性化合物としてトリエチルアミンを、α−シアノカルボン酸誘導体に対して10wt%の割合で添加し、さらに光酸発生剤としてNAI−101(みどり化学株式会社の商品名)を、α−シアノカルボン酸誘導体に対して5wt%の割合で添加した。
【0092】
次いで、ガラス基板の粗面化された表面を洗浄した後、その上に前記溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、ガラス基板の粗面化された表面に、厚さ0.1μmの感光性組成物層が形成された。
【0093】
次に、このガラス基板に対して所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射した。露光により光酸発生剤から酸が発生し、この酸が、脱炭酸反応の触媒である塩基性化合物(トリエチルアミン)を中和するので、露光部では脱炭酸反応が生起せずに、カルボキシル基がそのまま残存する。これに対して、未露光部では、塩基性化合物が触媒となって脱炭酸反応が進行するので、イオン交換性基であるカルボキシル基が消失する。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性基が残存する領域(露光部)とイオン交換性基を消失した領域(未露光部)がそれぞれ形成され、イオン交換性の有無によるネガ型の潜像パターンが形成された。
【0094】
次いで、さらに加熱を行い、脱炭酸反応によるイオン交換性基の消失を安定化した後、潜像パターンが形成されたガラス基板を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水により洗浄した。その後、50mmol/lに調整した酢酸銅水溶液に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った。こうして、前記した潜像パターンに銅イオンが結合あるいは吸着され、導電性パターンが形成された。
【0095】
次いで、このガラス基板をテトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った後、さらに無電解銅メッキ液(荏原ユージライト社製PB−503)に2時間浸漬し無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0096】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0097】
比較例4
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0098】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明によれば、表面平滑な絶縁性基板上に、低抵抗でパターン精度が高くかつ焼き縮みや剥離のないディスプレイ用電極を、簡易な工程で形成することができる。そして、このように形成された高精細電極を備えることで、信頼性の高いPDPなどのディスプレイを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第1の実施形態を説明するための断面図。
【図2】本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第2の実施形態を説明するための断面図。
【図3】本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第3の実施形態を説明するための断面図。
【符号の説明】
1………絶縁性基板、1a………粗面化された表面、2、8,9………感光性組成物層、3………露光マスク、4………活性光線、5………イオン交換性基による潜像、6………導電性パターン、7………無電解メッキ層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ用高精細電極の形成方法およびディスプレイに係わり、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネル等の薄型でフラットなディスプレイ用の電極として好適する高精細電極の形成方法、およびそのような方法により形成された電極を備えたディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(CRT)に代わる表示装置として、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶ディスプレイに代表される薄型でフラットなディスプレイが開発されている。これらのディスプレイは、パーソナルコンピューター用などのオフィスビジネス用途としてだけではなく、公共の場所での情報表示装置としても市場成長を遂げつつある。
【0003】
これらのディスプレイの中でもPDPは、自発光型であるので視認性が良く、しかも薄型で大画面表示が可能であることから、CRTに代わる新しい表示装置として期待されており、特に面放電AC型PDPは、製造しやすく長寿命であることから開発が急速に進行している。
【0004】
従来から、このようなPDP用の高精細電極を形成するには、ガラス等の基板上に感光性ぺーストをスクリーン印刷等で塗布し、感光性の金属膜を形成した後、所定の電極パターンに従って紫外線等の光を照射して露光し、次いでアルカリ等を含む現像液で現像を行うことにより、電極パターンを有する金属膜のみを基板上に残す方法が採られている。その後、パターニングされた金属膜を焼成することにより、ペースト中に含有された有機成分等を揮散・気化させるとともに、含有された金属粒子の結合を促し、導電性に優れた金属電極パターンを得ている。さらに、信頼性の高い電極を形成するために、前記した行程を複数回行う方法が採られていた。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−236892公報(図4、第3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電極形成方法においては、所望の電極を得るために多くの工程を必要とし、またその工程を複数回行うことによって信頼性の高い電極を形成しているため、製造コストが高くなるという問題があった。また、得られる電極の抵抗値もより低いことが望まれていた。
【0007】
さらに、ペースト中に含有された有機成分を揮散させて、金属粒子間の結合を促すために、基板を高温雰囲気下で処理すること(焼成)が行われているが、この焼成工程で基板材料の熱膨張などに起因する焼き縮みが生じ、電極パターンの形状精度の低下が生じ、最悪の場合は電極パターンが剥離するという問題があった。そして、このような精度の低下が電極の高精細化の妨げとなり、より優れた画質(解像度)実現のネックとなっていた。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、PDPなどのディスプレイにおいて、簡易な工程で抵抗値が低く信頼性の高い高精細電極を形成する方法、および高精細電極を備えたディスプレイを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様はディスプレイ用高精細電極の形成方法であり、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し、露光部に前記イオン交換性基を生成する第3の工程と、露光により生成された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様はディスプレイ用高精細電極の形成方法であり、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、イオン交換性基を有する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部以外の部分を露光し、露光部の前記イオン交換性基を消失させ、かつ未露光部に前記イオン交換性基を残存させる第3の工程と、残存された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様はディスプレイ用高精細電極の形成方法であり、平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、イオン交換性基を有する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し次いで加熱することによって、露光部の前記イオン交換性基を残存させ、かつ未露光部の前記イオン交換性基を消失させる第3の工程と、残存された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1乃至第3の態様のディスプレイ用高精細電極の形成方法において、第4の工程で、感光性組成物層のパターン部に結合させる金属イオンまたは金属が、Ag、Au、Cu、Pb、Sn、Li、Zn、Alから成る群から選択される少なくとも1種の金属またはそのイオンであることができる。また、第4の工程で形成された導電性パターンの表面に、無電解メッキを施す工程を備えることができる。
【0013】
本発明の第4の態様はディスプレイであり、絶縁性基板上に、前記したディスプレイ用高精細電極の形成方法により形成された電極を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、表面平滑な絶縁性基板上に、低抵抗値でパターン精度が高くかつ焼き縮みや剥離がない高精細電極を簡易な工程で形成することができる。そして、このように形成された高精細電極を備えることで、信頼性の高いPDPなどのディスプレイを実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第1の実施形態を説明するための断面図である。
【0017】
第1の実施形態では、まず第1の工程において、図1(a)に示すように、平滑な表面を有し、かつ内部に孔や空隙部がなく充実した構造を有する絶縁性基板1の一方の表面(片面)を、粗面化する。符号1aは、絶縁性基板1の粗面化された表面を示す。
【0018】
絶縁性基板1としては、ガラスのような無機絶縁材料から成る基板を使用することが望ましいが、アクリル樹脂のような透明樹脂製の基板を使用することもできる。
【0019】
粗面化の方法としては、サンドブラストなどの機械的研磨方法、プラズマエッチングのようなドライエッチングによる方法、アルカリ溶液などを使用した化学的方法などを用いることができる。これらの方法により、表面粗さ(平均粗さ)が0.2〜5μmになるように粗面化を行う。
【0020】
次いで、第2の工程において、図1(b)に示すように、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに、紫外線等の活性光線の照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層2を形成する。
【0021】
なお、本発明において、イオン交換性基とはイオン交換能を有する官能基を意味する。また、光照射すなわち露光によりイオン交換性基を生成する化合物は、露光による化学反応を契機にする多段階反応により、イオン交換性基を生じるものであってもよい。
【0022】
イオン交換能を有する官能基としては、親水性の官能基が挙げられ、−COOX基、−SO3X基、−PO3X2基(Xは、水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属および周期律表1,2族に属する典型金属、およびアンモニウム基から選択される)および−NH2OHなどが挙げられる。特に、陽イオン交換能を有する基(陽イオン交換性基)であるものが、金属イオンとイオン交換し易いため望ましい。陽イオン交換性基としては、−COOX基、−SO3X基あるいは−PO3X2基などの酸性基が挙げられる。
【0023】
光照射により前記したイオン交換性基を生成する化合物の例としては、ナフトキノンジアジド誘導体、o−ニトロベンジルエステル誘導体、p−ニトロベンジルエステルスルフォネート誘導体などが挙げられる。
【0024】
イオン交換性基を生成する化合物として、ナフトキノンジアジド誘導体を用いた場合の露光反応を、下記化学式(1)に示す。
【化1】
【0025】
上記化学式に示すように、絶縁体に形成されたナフトキノンジアジドは、露光工程および次の工程で水を存在させることにより、−COOH基を発生する。
【0026】
なお、感光性組成物層2は、後工程において金属イオン含有水溶液やアルカリ性または酸性水溶液に曝される。イオン交換反応によりイオン化した感光性組成物は、水溶液に溶解しやすいため、絶縁性基板表面からの剥離を防止するために、イオン交換性基を生じる官能基が、ポリマーなどの高分子化合物に化学的に結合しているものを使用することが好ましい。
【0027】
ここで、ポリマーの分子量は、1000以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましい。分子量が1000以下のポリマーでは、絶縁性基板に対する塗布性が悪化して、均一な塗布が困難となる。また、後工程のメッキ工程などで、アルカリ性または酸性水溶液中への曝露により劣化を生じやすくなる。
【0028】
また、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物の他の例としては、ポリマーの構造中に含有されるカルボキシル基やスルフォネート基などのイオン交換性基に、保護基を導入した化合物が挙げられる。後工程の露光によって保護基が分解することにより、カルボキシル基やスルフォネート基などのイオン交換性基が生成する。保護基としてはo−ニトロベンジルエステル基が挙げられる。
【0029】
さらに、光照射によりイオン交換性基を生成する化合物として、オニウム塩誘導体、スルフォニウムエステル誘導体、カルボン酸誘導体などを使用することができる。
【0030】
オニウム塩誘導体としては、CF3SO3 −、p−CH3PhSO3 −、p−NO2PhSO3 −等を対アニオンとするジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルフォニウム塩等が挙げられる。より具体的には、ジフェニルヨードニウム、4,4’−ジブチルフェニルヨードニウム、トリフェニルスルフォニウム、ナフチルスルフォニウム等のトリフルオロ酢酸塩系誘導体、トリフルオロメタンスルフォン酸塩誘導体、およびトルエンスルフォン酸誘導体が挙げられる。
【0031】
スルフォニウムエステル誘導体としては、ベンゾイントシレート系誘導体、o−ニトロベンジルトシレート系誘導体、アリールスルフォン酸のp−ニトロベンジルエステル系誘導体、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルフォネート系誘導体等が挙げられる。
【0032】
また、カルボン酸誘導体としては、上述したフェノール樹脂やポリアミド酸やポリアクリル酸の水酸基、あるいはカルボキシル基が保護されたポリマー等であり、前記ポリマーとしては、フェノールノボラック樹脂誘導体、キシレノールノボラック樹脂誘導体、ビニルフェノール樹脂誘導体、クレゾールノボラック樹脂誘導体等のフェノール系樹脂誘導体やポリアミド酸誘導体やポリアクリル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘導体等のカルボキシル基含有ポリマー誘導体等が挙げられる。
【0033】
第2の工程においては、このような光照射によりイオン交換性基を生成する化合物と有機溶剤とを混合し、液状またはペースト状とした感光性組成物を、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに塗布する。有機溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール等を使用することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法などを用いることができる。
【0034】
次いで、第3の工程において、図1(c)に示すように、絶縁性基板1上に形成された前記した感光性組成物層2の上に、形成すべき電極パターンに相当する所望の孔パターン(ネガ型パターン)を有する露光マスク3を配置する。そして、図1(d)に示すように、この露光マスク3を介して紫外線等の活性光線4を照射する。露光部にイオン交換性基が生成し、感光性組成物層2にイオン交換性基による潜像5のパターンが形成される。
【0035】
なお、露光に際しては、必ずしも露光マスク3を用いる必要はない。例えば、レーザービームなどを用いて電極パターン通りに描画して露光してもよい。また、光の干渉によって生じる干渉縞などの周期的な光強度パターンを用いて露光してもよい。
【0036】
次いで、図1(e)に示すように露光マスク3を除去した後、第4の工程において、図1(f)に示すように、感光性組成物層に形成された潜像5パターンのイオン交換性基に金属または金属イオンを結合させ、金属または金属イオンを含む導電性パターン6を形成する。その後、有機溶剤による洗浄を行い、感光性組成物層2の未露光部を溶解・除去する。
【0037】
イオン交換性基への金属または金属イオンの結合を生じさせるには、例えば金属塩を含有する水溶液などに、露光後の絶縁性基板を浸漬させるだけでよい。金属または金属イオンとして用いられる元素としては、銅、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、錫、チタン、鉛、白金、金、クロミウム、モリブデン、鉄、イリジウム、タングステン、およびロジウム等が挙げられる。
【0038】
これらの金属元素は、硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、および炭酸塩のような金属塩として溶液中に含有させる。特に、硫酸銅の使用が好ましい。これらの金属塩は、溶液における金属イオンの濃度が0.001〜10M、好ましくは0.01〜1Mとなるよう配合することが好ましい。なお、金属塩を溶解させる溶媒としては、水あるいは有機溶媒、例えばメタノールやイソプロパノール等を使用することができる。
【0039】
なお、第4の工程における金属または金属イオンの結合量を増すため、この工程の前に、酸またはアルカリ溶液に接触させることにより、潜像5パターンのイオン交換性基の中和あるいは膨潤を行ってもよい。特に、アルカリ溶液として、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、ナトリウムメトキサイドやカリウムエトキサイド等の金属アルコキサイドや水素化ホウ素ナトリウム等の水溶液の少なくとも1種を用い、これらの溶液に浸漬する方法と採ることが望ましい。
【0040】
次いで、必要に応じて、イオン交換により形成された導電性パターン6の導電性を向上させるために、イオン交換性基に結合した金属イオンを還元剤と接触させて金属化させる。
【0041】
用いられる還元剤は特に限定されないが、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウムや、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩等が挙げられる。こうした還元剤を含有する溶液に絶縁性基板を浸漬することによって、金属イオン等が結合した導電性パターン6を金属化させることができる。
【0042】
次いで、導電性をさらに向上させるために、図1(g)に示すように、導電性パターン6の上に無電解メッキを施し、無電解メッキ層7を形成する。
【0043】
メッキ用の金属としては、電気抵抗が少なく、比較的腐食しにくい銅が最も好ましい。具体的には、前工程で得られた導電性パターン6を触媒核として、無電解メッキ液と接触させる。
【0044】
無電解メッキ液としては、例えば、銅、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、白金、金、ロジウム等の金属イオンを含有するものが挙げられる。
【0045】
こうして、ガラス等の絶縁性基板1上に、ネガ型の電極パターンを精度よく形成することができる。形成される電極パターンは、導電性パターン6を核として無電解メッキが施されているので、電気抵抗が低く十分な導電性を有している。また、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに形成されており、電極パターンの密着性が良好で剥離しにくいので、PDPなどのディスプレイ用の高精細電極として好適に使用することができる。
【0046】
次に、本発明の第2および第3の実施形態を、図2および図3に基づいてそれぞれ説明する。なお、これらの実施形態において、第1の実施形態と同様な構成については、重複を避けるため説明を省略し、異なる構成について主に説明するものとする。
【0047】
第2の実施形態では、図2(a)に示すように、ガラス基板のような絶縁性基板1の片面を粗面化した後、図2(b)に示すように、この絶縁性基板1の粗面化された表面1aに、イオン交換性基を有しかつこのイオン交換性基が露光により消失する化合物を含む感光性組成物の層8を形成する。
【0048】
露光によりイオン交換性基を消失する化合物としては、露光前にはイオン交換能を有する官能基を有し、露光後に水に溶解あるいは膨潤しにくい疎水的な性質を有する官能基を生じる化合物が挙げられる。ここで、イオン交換能を有する官能基としては、親水性の官能基が挙げられ、−COOX基、−SO3X基、−PO3X2基(Xは、水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属および周期律表1,2族に属する典型金属から選択される)のような陽イオン交換性基が挙げられる。
【0049】
第2の実施形態では、前記したカルボキシル基含有化合物に加えて、光酸発生剤およびアルコールがそれぞれ配合された感光性組成物が使用される。
【0050】
この組成物においては、光酸発生剤の露光により発生した酸がエステル化反応の触媒となるので、露光部でカルボキシル基に対するアルコールのエステル化反応が進行し、未露光部でエステル化反応が進行しない。そのため、露光部ではイオン交換性基であるカルボキシル基がエステル化により消失し、未露光部ではカルボキシル基がそのまま残存される。
【0051】
なお、光酸発生剤としては、CF3SO3 −、p−CH3PhSO3 −、p−NO2PhSO3 −等を対アニオンとするオニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩等の塩、有機ハロゲン化合物、およびオルトキノン−ジアジドスルホン酸エステルなどを用いることができる。
【0052】
アルコールとしては、炭素数が10〜25個の1価のアルコールを使用することができる。
【0053】
次いで、図2(c)に示すように、絶縁性基板1上に形成された前記した感光性組成物層8の上に、形成すべき電極パターンに相当する所望のポジ型パターンを有する露光マスク3を配置した後、図2(d)に示すように、この露光マスク3を介して紫外線等の活性光線4を照射する。感光性組成物層8の露光部でイオン交換性基が消失し、未露光部でイオン交換性基が残存されるので、イオン交換性基によるポジ型の潜像5パターンが形成される。なお、符号8aは、イオン交換性基が消失した感光性組成物層を示す。
【0054】
次いで、図2(e)に示すように露光マスク3を除去した後、露光工程で形成された潜像5パターンのイオン交換性基に、銅、銀などの金属または金属イオンを結合させる。その後、有機溶剤による洗浄を行い、感光性組成物層8の露光部を溶解・除去する。こうして、図2(f)に示すように、金属または金属イオンを含む導電性パターン6が形成される。
【0055】
次いで、必要に応じてイオン交換性基に結合した金属イオンを還元剤と接触させて金属化させた後、図2(g)に示すように、導電性パターン6の上に無電解メッキを施し、無電解メッキ層7を形成する。
【0056】
こうして、ガラス等の絶縁性基板1上に、ポジ型の電極パターンを精度よく形成することができる。形成される電極パターンは、導電性パターン6を核として無電解メッキが施されているので、電気抵抗が低く十分な導電性を有している。また、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに形成されており、電極パターンの密着性が良好で剥離しにくいので、PDPなどのディスプレイ用の高精細電極として好適に使用することができる。
【0057】
第3の実施形態では、図3(a)に示すように、ガラス基板のような絶縁性基板1の片面を粗面化した後、図3(b)に示すように、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに、イオン交換性基を有し、このイオン交換性基が露光後も残存しかつ未露光部でイオン交換性基が消失する化合物を含む感光性組成物の層9を形成する。
【0058】
ここで、露光前からイオン交換性基を有し、露光後に未露光部でイオン交換性基が消失する化合物としては、塩基性物質の存在下で光照射により脱炭酸反応を起こして分解することのできるカルボキシル基を含有する化合物が挙げられる。第3の実施形態では、このようなカルボキシル基含有化合物に加えて、光酸発生剤および塩基性化合物がそれぞれ配合された感光性組成物が使用される。
【0059】
この組成物においては、露光により光酸発生剤から発生した酸が、脱炭酸反応に関わる塩基性化合物を中和する。そのため、露光部で脱炭酸反応が生起することなくイオン交換性基であるカルボキシル基がそのまま残り、未露光部でカルボキシル基の脱炭酸反応が進行し、イオン交換性基が消失する。なお、この感光性組成物の使用では、光照射(露光)した後さらに加熱することにより、安定した脱炭酸反応を起こすことができる。
【0060】
脱炭酸反応を起こして分解することのできるカルボキシル基含有化合物としては、任意の化合物を選択することができるが、塩基性化合物により脱炭酸反応が進行し易い化合物の使用が好ましい。そのような化合物としては、カルボキシル基のα位またはβ位に電子吸引性基または不飽和結合を有するものが挙げられる。ここで、電子吸引性基は、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、カルボニル基、またはハロゲンであることが好ましい。
【0061】
このようなカルボキシル基含有化合物の具体例としては、α−シアノカルボン酸誘導体、α−ニトロカルボン酸誘導体、α−フェニルカルボン酸誘導体、β,γ−オレフィンカルボン酸などが挙げられる。
【0062】
光酸発生剤としては、CF3SO3 −、p−CH3PhSO3 −、p−NO2PhSO3 −等を対アニオンとするオニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩等の塩、有機ハロゲン化合物、およびオルトキノン−ジアジドスルホン酸エステルなどを用いることができる。
【0063】
塩基性化合物としては、カルボキシル基含有化合物の脱炭酸反応の触媒として作用し、かつ光酸発生剤から放出される酸によって中和され触媒作用を失うものであれば、任意のものを用いることができる。好ましくは、含窒素化合物であり、具体的にはアンモニア、第1級アミン類、第2級アミン類、および第3級アミン類等が挙げられる。
【0064】
次いで、図3(c)に示すように、絶縁性基板1上に形成された前記した感光性組成物層9の上に、形成すべき電極パターンに相当する所望の孔パターンを有する露光マスク3を配置した後、図3(d)に示すように、この露光マスク3を介して紫外線等の活性光線4を照射する。感光性組成物層7の未露光部でイオン交換性基が消失し、露光部でイオン交換性基が残存されるので、イオン交換性基によるネガ型の潜像5パターンが形成される。なお、符号9aは、イオン交換性基が消失した感光性組成物層を示す。
【0065】
次いで、加熱することにより、前記した脱炭酸反応によるイオン交換性基の消失を安定化した後、図3(e)に示すように露光マスク3を除去してから、感光性組成物層に形成された潜像5パターンのイオン交換性基に、銅、銀などの金属または金属イオンを結合させる。その後、有機溶剤による洗浄を行い、イオン交換性基が消失した感光性組成物層9a(未露光部)を溶解・除去する。こうして、図3(f)に示すように、金属または金属イオンを含む導電性パターン6が形成される。
【0066】
次いで、必要に応じてイオン交換性基に結合した金属イオンを還元剤と接触させて金属化させた後、図3(g)に示すように、導電性パターン6の上に無電解メッキを施し、無電解メッキ層7を形成する。
【0067】
こうして、ガラス等の絶縁性基板1上に、ネガ型の電極パターンを精度よく形成することができる。形成される電極パターンは、導電性パターン6を核として無電解メッキが施されているので、電気抵抗が低く十分な導電性を有している。また、絶縁性基板1の粗面化された表面1aに形成されており、電極パターンの密着性が良好で剥離しにくいので、PDPなどのディスプレイ用の高精細電極として好適に使用することができる。
【0068】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0069】
実施例1
ガラス基板(厚さ2.1mm)の片面に、以下に示すサンドブラスト処理を行った。すなわち、研掃剤として平均粒径0.5μmのアルミナ粉を用い、これをエアーノズルから3kg/cm2の噴射圧力でガラス基板の表面に噴射した。このようなサンドブラスト処理の結果、ガラス基板の表面が、0.2〜5μmの粗さ(平均粗さ)に粗面化された。
【0070】
一方、ナフトキノンジアジド誘導体を有するフェノール樹脂であるC−546(コーヨーケミカル株式会社の商品名)をアセトンに溶解し、1wt%の感光剤溶液を調製した。次いで、ガラス基板の粗面化された表面を洗浄した後、この表面に前記溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、ガラス基板の粗面化された表面に、厚さ0.1μmの感光性組成物層が形成された。
【0071】
次いで、このガラス基板に対して所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射し、露光部にイオン交換性基であるインデンカルボン酸基を生成させた。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性の有無によるネガ型の潜像パターンを形成した。
【0072】
次いで、潜像パターンが形成されたガラス基板を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に1時間浸漬した後、蒸留水により洗浄した。次に、50mmol/lに調整した酢酸銅水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水による洗浄を行った。こうして、前記した潜像パターンに銅イオンが結合あるいは吸着され、導電性パターンが形成された。
【0073】
次いで、このガラス基板をテトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った後、さらに無電解銅メッキ液(荏原ユージライト社製PB−503)に2時間浸漬して無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0074】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0075】
比較例1
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0076】
実施例2
まず、p−ニトロベンジルエステルスルフォネート誘導体を有するフェノール樹脂をアセトンに溶解し、1wt%の感光性溶液を調製した。
【0077】
次いで、実施例1と同様にして粗面化されたガラス基板の表面を洗浄した後、その上に、前記した感光剤溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、厚さ0.1μmの感光性組成物層を形成した。
【0078】
次いで、このガラス基板に対して、所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射し、露光部にイオン交換性基であるスルフォン酸基を生成させた。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性の有無によるネガ型の潜像パターンを形成した。
【0079】
次いで、潜像パターンが形成されたガラス基板に対して、実施例1と同様に、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液への浸漬、蒸留水による洗浄、酢酸銅水溶液への浸漬、蒸留水による洗浄、テトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液への浸漬、蒸留水による洗浄を順に行った後、さらに無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0080】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0081】
比較例2
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例2と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0082】
実施例3
研掃剤として平均粒径0.5μmのアルミナ粉を用い、これをエアーノズルから3kg/cm2の噴射圧力でガラス基板(厚さ2.6mm)の片面に噴射し、サンドブラスト処理を行った。その結果、ガラス基板の表面が0.2〜5μmの粗さ(平均粗さ)に粗面化された。
【0083】
一方、α−フェニルカルボン酸誘導体(ポリ−α−フェニルビニル酢酸)をアセトン中に溶解し、1wt%のアセトン溶液を調製した。この溶液に、アルコールとして1−エイコサノールを、α−フェニルカルボン酸誘導体に対して10wt%の割合で添加し、さらに光酸発生剤としてTPS−103(みどり化学株式会社の商品名)を、α−フェニルカルボン酸誘導体に対して5wt%の割合で添加した。
【0084】
次いで、ガラス基板の粗面化された表面を洗浄した後、その上に前記溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、ガラス基板の粗面化された表面に、厚さ0.3μmの感光性組成物層が形成された。
【0085】
次に、このガラス基板に対して所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射した。露光により光酸発生剤から酸が発生し、この酸が触媒となり、カルボキシル基に対するアルコールのエステル化反応が進行する。したがって、露光部でカルボキシル基のエステル化によりカルボキシル基が消失し、未露光部ではエステル化反応が進行しないので、カルボキシル基がそのまま残存される。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性基が残存する領域(未露光部)とイオン交換性基を消失した領域(露光部)がそれぞれ形成され、イオン交換性の有無によるポジ型の潜像パターンが形成された。
【0086】
次いで、こうして潜像パターンが形成されたガラス基板を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水により洗浄した後、50mmol/lに調整した酢酸銅水溶液に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った。こうして、前記した潜像パターンに銅イオンが結合あるいは吸着され、導電性パターンが形成された。
【0087】
次いで、このガラス基板をテトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った後、さらに無電解銅メッキ液(荏原ユージライト社製PB−503)に2時間浸漬し無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0088】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0089】
比較例3
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0090】
実施例4
研掃剤として平均粒径0.5μmのアルミナ粉を用い、これをエアーノズルから3kg/cm2の噴射圧力でガラス基板(厚さ2.6mm)の表面に噴射し、サンドブラスト処理を行った。その結果、ガラス基板の表面が0.2〜5μmの粗さ(平均粗さ)に粗面化された。
【0091】
一方、α−シアノカルボン酸誘導体(ポリ−α−シアノビニル酢酸)をアセトン中に溶解し、1wt%のアセトン溶液を調製した。この溶液に、塩基性化合物としてトリエチルアミンを、α−シアノカルボン酸誘導体に対して10wt%の割合で添加し、さらに光酸発生剤としてNAI−101(みどり化学株式会社の商品名)を、α−シアノカルボン酸誘導体に対して5wt%の割合で添加した。
【0092】
次いで、ガラス基板の粗面化された表面を洗浄した後、その上に前記溶液をディップ法により塗布し、乾燥させた。こうして、ガラス基板の粗面化された表面に、厚さ0.1μmの感光性組成物層が形成された。
【0093】
次に、このガラス基板に対して所定のパターンを有する露光マスクを介して紫外線を照射した。露光により光酸発生剤から酸が発生し、この酸が、脱炭酸反応の触媒である塩基性化合物(トリエチルアミン)を中和するので、露光部では脱炭酸反応が生起せずに、カルボキシル基がそのまま残存する。これに対して、未露光部では、塩基性化合物が触媒となって脱炭酸反応が進行するので、イオン交換性基であるカルボキシル基が消失する。こうして、ガラス基板の表面に形成された感光性組成物層に、イオン交換性基が残存する領域(露光部)とイオン交換性基を消失した領域(未露光部)がそれぞれ形成され、イオン交換性の有無によるネガ型の潜像パターンが形成された。
【0094】
次いで、さらに加熱を行い、脱炭酸反応によるイオン交換性基の消失を安定化した後、潜像パターンが形成されたガラス基板を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水により洗浄した。その後、50mmol/lに調整した酢酸銅水溶液に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った。こうして、前記した潜像パターンに銅イオンが結合あるいは吸着され、導電性パターンが形成された。
【0095】
次いで、このガラス基板をテトラヒドロホウ酸ナトリウム水溶液中に1時間浸漬し、蒸留水による洗浄を行った後、さらに無電解銅メッキ液(荏原ユージライト社製PB−503)に2時間浸漬し無電解銅メッキを施すことにより、ガラス基板上に所望の電極パターン(厚さ5μm)を形成した。
【0096】
こうして形成された電極パターンは、パターン精度が高く導電性が良好であり、かつガラス基板との密着性が良好で剥離が生じにくかった。
【0097】
比較例4
表面のサンドブラスト処理(粗面化)を行うことなく、ガラス基板の平滑な表面にそのまま感光剤溶液を塗布した。それ以外は、実施例3と同様にして、ガラス基板の表面に所望の電極パターンを形成した。形成された電極パターンは、ガラス基板との密着性が悪く、ピーリングテストにより剥離が生じた。
【0098】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明によれば、表面平滑な絶縁性基板上に、低抵抗でパターン精度が高くかつ焼き縮みや剥離のないディスプレイ用電極を、簡易な工程で形成することができる。そして、このように形成された高精細電極を備えることで、信頼性の高いPDPなどのディスプレイを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第1の実施形態を説明するための断面図。
【図2】本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第2の実施形態を説明するための断面図。
【図3】本発明に係るディスプレイ用高精細電極の形成方法の第3の実施形態を説明するための断面図。
【符号の説明】
1………絶縁性基板、1a………粗面化された表面、2、8,9………感光性組成物層、3………露光マスク、4………活性光線、5………イオン交換性基による潜像、6………導電性パターン、7………無電解メッキ層
Claims (6)
- 平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、
光照射によりイオン交換性基を生成する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、
前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し、露光部に前記イオン交換性基を生成する第3の工程と、
露光により生成された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程
とを備えることを特徴とするディスプレイ用高精細電極の形成方法。 - 平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、
イオン交換性基を有する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、
前記感光性組成物層の所望のパターン部以外の部分を露光し、露光部の前記イオン交換性基を消失させ、かつ未露光部に前記イオン交換性基を残存させる第3の工程と、
残存された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程
とを備えることを特徴とするディスプレイ用高精細電極の形成方法。 - 平滑な表面を有する絶縁性基板の前記表面を粗面化する第1の工程と、
イオン交換性基を有する化合物を含む感光性組成物の層を、前記絶縁性基板の粗面化された表面に形成する第2の工程と、
前記感光性組成物層の所望のパターン部を露光し次いで加熱することによって、露光部の前記イオン交換性基を残存させ、かつ未露光部の前記イオン交換性基を消失させる第3の工程と、
残存された前記イオン交換性基を有するパターン部に、金属イオンまたは金属を結合させ、導電性パターンを形成する第4の工程
とを備えることを特徴とするディスプレイ用高精細電極の形成方法。 - 前記第4の工程で、前記感光性組成物層のパターン部に結合させる金属イオンまたは金属が、Ag、Au、Cu、Pb、Sn、Li、Zn、Alから成る群から選択される少なくとも1種の金属またはそのイオンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のディスプレイ用高精細電極の形成方法。
- 前記第4の工程で形成された導電性パターンの表面に、無電解メッキを施す工程を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のディスプレイ用高精細電極の形成方法。
- 絶縁性基板上に、請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法により形成された電極を有することを特徴とするディスプレイ。
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JP2002382570A JP2004214034A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | ディスプレイ用高精細電極の形成方法およびディスプレイ |
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Cited By (2)
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JP2007280626A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
WO2009110027A1 (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-11 | 株式会社日立製作所 | プラズマディスプレイパネル |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002382570A patent/JP2004214034A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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