JP4411299B2 - 導電性パターン - Google Patents

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Description

本発明は、異種金属の拡散移動による経時的特性変化を生じにくい導電性パターンに関する。
従来、電極や配線等となる導電性パターンの形成方法としては、(1)スパッタ法(スパッタ等にて金属を付着させレジストをパターニングし、イオンミリング法等でエッチングしレジストを剥離する方法、(2)スクリーン印刷を用いて導電性ペーストを所望のパターンに印刷し、乾燥・焼成して所望の導電性パターンを形成する方法、(3)転写による方法、(4)導電性ペーストを全面に塗布し、乾燥・焼成して金属膜を形成し、フォトレジストなどのマスクで必要な箇所を覆い、それ以外の部分をエッチング処理して必要な導電性パターンを形成する方法、(5)金属ペーストに感光性を付与し、必要箇所を露光した後、現像して導電性パターンを形成する方法(特許文献1参照)、(6)ゼラチン等の層に導電性を有する液滴を吸収させ、ゼラチン層を焼成除去して導電膜を形成する方法(特許文献2参照)などが知られている。
特開平5−114504号公報 特開平9−213211号公報
しかしながら前記(4)の方法と前記(5)の方法は、特に導電性パターンを白金などの貴金属で構成する場合、エッチング時や現像時に多量の貴金属成分が除去されることから、これを回収して再利用するための手間および設備的負担が大きいという問題がある。また、導電性パターンに限らず、絶縁物も含め、金属化合物パターンの形成においても、上述の問題が発生し、この解決が求められている。
形成したパターンの質に関していえば、前記(1)の膜質は、密度の高い膜質となり、それ自身の電極特性としては問題がないが、異種金属存在下において、異種金属の拡散移動がしやすいため、経時的に特性が変化してしまうという問題がある。特に電子放出素子においては、異種金属の拡散が電子放出特性に悪影響を与える場合がることが指摘されている(特開2000−243327号公報)。また、(2)〜(5)は、密度が低い膜質となり、膜質を安定に制御することが困難なため、例えば基体内に複数のパターンを形成した場合、電気的特性に分布が生じるなどの問題がある。特に、前記(2)の方法は、微細パターンの形成が困難であり、(3)の方法は、膜質の均一なパターンの形成、再現性のあるパターン形成が困難である。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、金属または金属化合物による様々なパターンを形成するに際し、工程途中で除去されるパターン構成材料を最小限に抑制し、特にパターンを白金などの貴金属で構成する場合でも、工程途中で除去されるパターン構成材料の回収再利用にかかる負荷を最小限に止めることができるようにすることを目的とする。また、金属または金属化合物パターンとしての特性の安定性を維持しつつ、異種金属存在下での異種金属の拡散移動を抑制する金属または金属化合物パターン、特に好ましくは電極パターンを得ることを目的とする。
本発明は、電子放出素子の電極と、該電極に接触して配置された配線とを構成する導電性パターンにおいて、前記電極が、10%以上の空隙率を有する白金の電極で、前記配線が、銀の配線であることを特徴とする導電性パターンを提供するものである。
本発明は次の効果を奏するものである。
(1)異種金属存在下において、異種金属の拡散移動を大幅に抑制でき、パターンの特性を維持することができる。
(2)特に電子放出素子を構成する電極に用いた場合、異種金属の拡散による電子放出特性の劣化を防止し、良好な画像形成装置を提供できる。
導電性パターンの製造方法は、基本的には、金属成分を含む溶液を吸収可能な樹脂パターンを基体上に形成し、該樹脂パターンを前記金属成分を含む溶液に浸漬して該溶液を吸収させ、洗浄、焼成工程を経て金属または金属化合物パターンとする方法である。また、他の製造方法は、基本的には、金属成分を含む溶液を吸収可能な樹脂パターンを基体上に形成し、該樹脂パターンに前記金属成分を含む溶液をスプレー法またはスピンコート法で塗布して吸収させ、洗浄、焼成工程を経て金属または金属化合物パターンとする方法である。
本発明の第2に係る金属または金属化合物パターンの製造方法は、基本的には、金属成分を含む溶液を吸収可能な樹脂パターンを基体上に形成し、該樹脂パターンを前記金属成分を含む溶液に浸漬して該溶液を吸収させ、洗浄、焼成工程を経て金属または金属化合物パターンとする方法である。また、本発明の第3に係る金属または金属化合物パターンの製造方法は、基本的には、金属成分を含む溶液を吸収可能な樹脂パターンを基体上に形成し、該樹脂パターンに前記金属成分を含む溶液をスプレー法またはスピンコート法で塗布して吸収させ、洗浄、焼成工程を経て金属または金属化合物パターンとする方法である。
上記樹脂パターンは、使用する溶液を吸収可能な樹脂を、例えば印刷、転写、リフトオフなどによって、所望のパターンとして基体上に付設することで得ることができる。また、この樹脂パターンを構成する樹脂として、感光性樹脂を用いると、感光性樹脂によるパターニング手法を用いて容易に任意の樹脂パターンを得ることができるので好ましい。
本発明で用いる溶液は、金属成分を含むもで、焼成によって金属または金属化合物膜を形成できるものであれば、有機溶剤を50重量%以上含む有機溶剤系溶媒を用いた有機溶剤系溶液でも、水を50重量%以上含む水系溶媒を用いた水系溶液でもよい。この金属成分を含む溶液としては、例えば白金、銀、パラジウム、銅などの有機溶剤溶解性または水溶性の金属有機化合物を有機溶剤系溶媒または水系溶媒中に金属成分として溶解させたものを用いることができる。これらの中でも、化学的に極めて安定な導電性パターンが得やすいことから、特に白金の有機化合物を溶解させたものが好ましく、また、良好な作業環境を維持しやすいこと、廃棄物の自然に与える負荷が小さいことなどからすると、水系溶液であることが好ましい。
上記製造方法によれば、簡易な方法で、無駄な溶液の消費を抑制しつつ、樹脂パターンに沿った金属または金属化合物パターンを容易に得ることができる。
本発明によって形成する金属または金属化合物パターンの代表例としては、電極や配線などの導電性パターンや、金属酸化物からなる絶縁性パターンなどがある。特に本発明による導電性パターンの形成は、例えば、電極を有する電子放出素子の製造、この電子放出素子を複数備えた電子源の製造、さらには、この電子源を用いた画像形成装置の製造に有益なものである。
本発明は、電子放出素子の電極と、該電極に接触して配置された配線とを構成する導電性パターンにおいて、前記電極が、10%以上の空隙率を有する白金の電極で、前記配線が、銀の配線である導電性パターンを提供するものである。この本発明の導電性パターンは、電極への配線の構成材料が拡散することを防止し、パターン全体の良好な特性の維持を可能とするものである。
明細書において、金属とは、合金をも含めて意味するものである。また、第一の金属または第一の金属化合物と、第二の金属または第二の金属化合物が相違するとは、金属または金属化合物自体が相違する場合の他、同一元素から構成されてはいるがその含有比率が異なる場合をも含む。例えば、スズ(Sn)と鉛(Pb)の合金の場合、その比率がSn:Pb=7:3の半田合金で第一の領域を構成し、Sn:Pb=6:4の半田合金で第二領域を構成した場合、第一の領域と第二の領域は互いに相違するものとなる。また、配線などに用いられる銀(Ag)と酸化鉛(PbO)の混合ペーストなども、その混合比が異なるもので第一の領域と第二の領域を形成した場合、両者は互いに異なるものとなる。
本発明は、電子放出素子、電子源、それを用いた画像形成装置などの製造に利用することができる。
電子放出素子の例としては、電気的絶縁性の基体上に対向して形成した一対の素子電極に接続して導電性薄膜を形成した後、この導電性薄膜にフォーミングと称される通電処理を施し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質させて、亀裂を含む電気的に高抵抗な箇所を形成したもので、その後、素子電極間に電圧を印加して、導電性薄膜面に平行な電流を流すと、上記亀裂を含む電気的に高抵抗な箇所(電子放出部)から電子放出を生じる現象を利用した表面伝導型の電子放出素子を挙げることができる。また、他の例としては、「FE型」と称される電界放出型の電子放出素子や、「MIM型」と称される金属/絶縁層/金属型の構成を有する電子放出素子を挙げることができる。
複数の電子放出素子と、該複数の電子放出素子を駆動するための配線とを備えた電子源としては、一対の素子電極を有する電子放出素子をX方向およびY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の一方の素子電極と他方の素子電極をそれぞれ配線に共通に接続すると共に、この配線と直交する方向で、該電子放出素子の上方に配した制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電子を制御駆動できるようにしたはしご状配置のものがある。
これとは別に、電子放出素子をX方向およびY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の素子電極の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の素子電極の他方を、Y方向の配線に共通に接続したものも挙げられる。これは、いわゆる単純マトリクス配置である。
さらに、画像形成装置としては、上記のような電子源と、この電子源の電子放出素子より放出された電子線の照射により画像を形成する画像形成部材とを組み合わせたものを挙げることができる。画像形成部材として、電子によって可視光を発光する蛍光体を有するものを用いれば、テレビやコンピューターディスプレイとして用いられる表示パネルとすることができる。また、画像形成部材として、感光体ドラムを用い、電子線の照射によりこの感光体ドラムに形成される潜像をトナーを用いて現像できるようにすれば、コピー機やプリンターとすることができる。
以下、本発明の好ましい形態について、使用する材料(樹脂、金属成分を含む溶液)、金属または金属化合物パターンの形成方法、金属または金属化合物パターン(コンタミ成分の拡散移動とシート抵抗値の安定性、空隙率の算出方法)、さらには本発明を用いた電子放出素子、電子源および画像形成装置の製造方法の順に説明する。
(1)樹脂
本発明で使用する樹脂としては、感光性のものが好ましく、これを用いて形成した樹脂パターンが、後述する金属成分を含む溶液を吸収できるものであれば特に制限はなく、水溶性の感光性樹脂でも、溶剤溶解性の感光性樹脂でもよい。水溶性の感光性樹脂とは、後述する現像工程における現像を水もしくは水を50重量%以上含む現像剤で行うことができる感光性樹脂をいい、溶剤溶解性の感光性樹脂とは、現像工程における現像を有機溶剤もしくは有機溶剤を50重量%以上含む現像剤で行う感光性樹脂をいう。
感光性樹脂としては、樹脂構造中に感光基を有するタイプのものであっても、例えば環化ゴム−ビスアジド系レジストのように、樹脂に感光剤が混合されたタイプのものでもよい。いずれのタイプの感光性樹脂成分においても、光反応開始剤や光反応禁止剤を適宜混合しておくことができる。また、現像液に可溶な感光性樹脂塗膜が光照射によって現像液に不溶化するタイプ(ネガタイプ)であっても、現像液に不溶な感光性樹脂塗膜が光照射によって現像液に可溶化するタイプ(ポジタイプ)であってもよい。
本発明においては、上記のように、一般の感光性樹脂を広く用いることができる。特に好ましくは、金属成分の吸収を向上させ、材料の利用効率を高める上で、また、より形状の整ったパターンを形成できる点、後述する金属成分を含む溶液中の金属成分と反応し、イオン交換可能な樹脂が好ましい。イオン交換が可能な樹脂としては、上述のパターンの形状制御の点で特に好ましいことから、カルボン酸基を有するものが好ましい。また、良好な作業環境を維持しやすいこと、廃棄物の自然に与える負荷が小さいことなどから、水溶性の感光性樹脂を用いることが好ましい。
さらに水溶性の感光性樹脂について説明すると、この水溶性の感光性樹脂としては、水を50重量%以上含有し、50重量%未満の範囲で、例えば乾燥速度を速めるためのメチルアルコールやエチルアルコールなどの低級アルコールを加えた現像剤や感光性樹脂成分の溶解促進や安定性向上などを図るための成分を加えた現像剤を使用するものを用いることができる。但し、環境負荷を軽減する観点から、水の含有率が70重量%以上の現像剤で現像できるものが好ましく、さらに好ましくはしくは水の含有率が90重量%以上の現像剤で現像できるものであり、水だけを現像剤として現像できるものが最も好ましい。この水溶性の感光性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂やポリビニルピロリドン系樹脂などの水溶性の樹脂を用いたものを挙げることができる。
(2)金属成分を含む溶液
本発明で用いる金属成分を含む溶液は、焼成によって金属または金属化合物膜を形成できるものであれば、有機溶剤を50重量%以上含む有機溶剤系溶媒を用いた有機溶剤系溶液でも、水を50重量%以上含む水系溶媒を用いた水系溶液でもよい。この金属成分を含む溶液としては、例えば白金、銀、パラジウム、銅などの有機溶剤溶解性または水溶性の金属有機化合物を有機溶剤系溶媒または水系溶媒中に金属成分として溶解させたものを用いることができる。これらの中でも、導電性パターンを形成する場合、化学的に極めて安定な導電性パターンが得やすいことから、特に白金の有機化合物を溶解させたものが好ましい。
本発明で用いる金属成分を含む溶液としては、上記感光性樹脂と同様に、良好な作業環境を維持しやすいこと、廃棄物の自然に与える負荷が小さいことなどから、水系溶液であることが好ましい。この水溶液の水系溶媒としては、水を50重量%以上含有し、50重量%未満の範囲で、例えば乾燥速度を速めるためのメチルアルコールやエチルアルコールなどの低級アルコールを加えたものや上述した金属有機化合物の溶解促進や安定性向上などを図るための成分を加えたものとすることができる。しかし、環境負荷を軽減する観点から、水の含有率が70重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは水の含有率が90重量%以上であり、総て水であることが最も好ましい。
特に、焼成することにより導電性パターンを形成可能な水溶性の金属有機化合物としては、例えば金、白金、銀、パラジウム、銅などの錯化合物であるものを挙げることができる。
上記錯化合物としては、その配位子が、分子内に少なくとも1つ以上の水酸基を有する含窒素化合物であるものが好ましい。さらに、分子内に少なくとも1つ以上の水酸基を有する含窒素化合物で配位子が構成された錯化合物の中でも、例えばエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ブタノールアミンなどのアルコールアミン、セリノール、TRISなど、炭素数が8以下の含窒素化合物のいずれか単独もしくは複数種類で配位子が構成された錯化合物がより好ましい。
上記錯化合物が好適に用いられる理由としては、水溶性の高さならびに結晶性の低さを挙げることができる。例えば一般に市販されているアンミン錯体などでは、乾燥中に結晶が析出して均一な膜が得にくくなる場合がある。また、脂肪族アルキルアミンなどの「フレキシブル」な配位子とすると結晶性を下げることが可能であるが、アルキル基の疎水性により水溶性が低下してしまうことがある。これに対して上記のような配位子とすることで、水溶性の高さと結晶性の低さを両立させることが可能となる。
さらには、得られる金属または金属化合物パターンの膜質向上ならびに基体との密着性を向上させるために、例えばロジウム、ビスマス、ルテニウム、バナジウム、クロム、錫、鉛、ケイ素などの単体または化合物が前記金属化合物の成分としてを含まれていることが好ましい。
(3)金属または金属化合物パターンの形成方法
樹脂として感光性樹脂を用いた金属または金属化合物パターンの形成は、以下の樹脂パターン形成工程(塗布工程、乾燥工程、露光工程、現像工程)、吸収工程、必要に応じて行われる洗浄工程、焼成工程、さらに、必要に応じて行われるミリング工程を経て行うことができる。
塗布工程は、金属または金属化合物パターンを形成すべき基体上に前述の感光性樹脂を塗布する工程である。この塗布は、各種印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷など)、スピンナー法、ディッピング法、スプレー法、スタンプ法、ローリング法、スリットコーター法、インクジェット法などを用いて行うことができる。
乾燥工程は、上記塗布工程において基体上に塗布した感光性樹脂塗膜中の溶媒を揮発させて塗膜を乾燥する工程である。この塗膜の乾燥は、室温下で行うこともできるが、乾燥時間を短縮するために加熱下で行うことが好ましい。加熱乾燥は、例えば無風オーブン、乾燥機、ホットプレートなどを用いて行うことができる。塗布する電極・配線形成用組成物の配合や塗布量などによっても相違するが、一般的には50〜100℃の温度下に1〜30分間置くことで行うことができる。
露光工程は、上記乾燥工程において乾燥された基体上の感光性樹脂塗膜を、所定の樹脂パターン(例えば所定の電極や配線の形状)に応じて露光する工程である。露光工程で光照射して露光する範囲は、使用する感光性樹脂がネガタイプであるかポジタイプであるかによって相違する。光照射によって現像液に不溶化するネガタイプの場合、樹脂パターンとして残すべき領域に光を照射して露光するが、光照射によって現像液に可溶化するポジタイプの場合、ネガタイプとは逆に、樹脂パターンとして残すべき領域以外の領域に光を照射して露光する。光照射領域と非照射領域の選択は通常のフォトレジストによるマスク形成における手法と同様にして行うことができる。
現像工程は、上記露光工程で露光された感光性樹脂塗膜について、所望の樹脂パターンとして残すべき領域以外の領域の感光性樹脂塗膜を除去する工程である。感光性樹脂がネガタイプの場合、光照射を受けていない感光性樹脂塗膜は現像液に可溶で、光照射を受けた露光部の感光性樹脂塗膜が現像液に不溶化するので、現像液に不溶化していない非光照射部の感光性樹脂塗膜を現像液で溶解除去することで現像を行うことができる。また、感光性樹脂がポジタイプの場合、光照射を受けていない感光性塗膜は現像液に対して不溶で、光照射を受けた露光部の感光性樹脂塗膜が現像液に可溶化するので、現像液に可溶化した光照射部の感光性樹脂塗膜を現像液で溶解除去することで現像を行うことができる。
なお、水溶性の感光性樹脂を用いた場合、現像液としては、例えば水や通常の水溶性フォトレジストに用いられる現像液と同様のものを用いることができる。また、有機溶媒樹脂の場合は、有機溶媒や溶剤系フォトレジストに用いられる現像液と同様のものを用いることができる。ここでは、樹脂パターンの形成工程として、感光性樹脂を用いた場合を説明したが、感光性樹脂以外の樹脂を用いた場合は、印刷、転写、リフトオフなどによって樹脂パターンの形成を行なえばよい。
吸収工程は、上記で形成した樹脂パターンに前述した金属成分を含む溶液を吸収させる工程である。吸収は、形成した樹脂パターンを前記金属成分を含む溶液と接触させることで行われる。具体的には、例えば前記金属成分を含む溶液に浸漬させるディッピング法や、樹脂パターンに例えばスプレー法やスピンコート法で前記金属成分を含む溶液を塗布する塗布法などで行うことができる。金属成分を含む溶液を接触させるに先合って、例えば前記水系溶液を用いる場合に、前記水系溶媒を用いて樹脂パターンを膨潤させておくこともできる。
洗浄工程は、樹脂パターンに金属成分を含む溶液を吸収させた後、樹脂系パターンに付着した余剰の該溶液や、樹脂パターン以外の箇所に付着した余剰の該溶液を除去・洗浄する工程である。この洗浄工程は、前記金属を含む溶液中の溶媒と同様の洗浄液を用い、この洗浄液に前記樹脂パターンを形成した基体を浸漬する方法や、該洗浄液を前記樹脂パターンを形成した基体に吹き付けることなどによって行うことができる。
洗浄工程は、例えばエアーの吹き付けや振動などでも良く、余剰の溶液を十分振り落とすことができればよい。また、洗浄工程においては、前記金属成分を含む溶液が若干除去される場合もあるが、その量は極めて微量であり、これを回収して再利用するとしても、従来に比して負荷を大幅に軽減することができる。
焼成工程は、上記現像工程および吸収工程さらに必要に応じて上記洗浄工程を経た樹脂パターンを(ネガタイプでは光照射部の感光性樹脂塗膜、ポジタイプでは非光照射部の感光性樹脂塗膜)を焼成し、樹脂パターン中の有機成分を分解除去し、樹脂パターンに吸収されている金属成分を含む溶液中の金属成分で金属または金属化合物パターンを形成する工程である。焼成は、貴金属の導電性パターンを形成する場合には大気中で行うことができるが、銅やパラジウムなどの酸化しやすい金属の場合には、真空もしくは脱酸素雰囲気下(例えば窒素などの不活性ガス雰囲気下など)で行うこともできる。また、絶縁性パターンの形成の場合は、Pbなどを酸素雰囲気下(大気中など)で焼成することで、絶縁性パターンを形成することができる。
焼成は、樹脂パターンに含まれる有機成分の種類などによっても相違するが、通常400℃〜600℃の温度下に数分〜数十分置くことで行うことができる。焼成は、例えば熱風循環炉などで行うことができる。この焼成によって、基体上に、所定のパターンに沿った形状の金属または金属化合物の膜として、金属または金属化合物パターンを形成することができる。
また、必要に応じて、上記焼成工程後、ミリング工程を行なう場合もある。ミリング工程は、基体面に形成した金属または金属化合物膜をパターニングする工程である。イオンミリング法は一般的に用いられている方法であればどれも可能である。使用するレジストはポジレジストでもネガレジストでも可能である。露光は、所定のマスクを用いて露光し現像することで所定のパターンを得ることができる。露出面をイオンミリング法などでエッチングする。エッチングは金属面をエッチングできればどの方法でも可能である。最後にレジストを剥離するが、剥離液は、使用したレジストの種類でおのおの選択される。
以上、本発明の好ましい形態を説明した。これによって、材料の利用効率がよく、ローコストで金属または金属化合物パターンを形成することが可能となる。
なお、上記の好ましい形態で金属または金属化合物パターンを形成する場合、形成するパターンの電気的特性、異種金属の拡散防止機能を制御するには、樹脂パターンの吸収能力、例えば樹脂パターンの厚みの制御、また吸収工程における吸収条件、例えば浸漬時間や塗布時間の制御が重要である。これによって、形成したパターンの空隙率を所望に制御することが可能となる。また、所望の空隙率のパターンを得るには、上記製造方法に限られるものではなく、例えば、後述の実施例11、13の方法でも所望の空隙率のパターンを得ることが可能である。
次に、本願発明の空隙率について詳述する。
(4)金属または金属化合物等のパターンの空隙率
イ:コンタミ成分の拡散移動とシート抵抗値の安定性
まず、本件の膜質構造の空隙率60%以下(密度40%以上)の規定に関して説明する。なお、ここでは、電極として用いる場合の金属パターンを例に説明する。
前述したとおり、スパッタ法で作製した金属膜の膜質は、空隙率はほぼ0%(密度100%)で、密度が純金属に近いものになっている。このため、電極特性として安定した電極として使用されている。この電極を異種金属やコンタミ金属化合物などと接合した場合、これらの異種金属やコンタミ金属化合物が拡散移動することがわかってきた。例えば、Pt電極上にAgなどを印刷した場合にPt電極上にはAgが大量に拡散する。このため、Pt電極上に異種金属が拡散することで、電極の電気的特性が変化し、問題となることがある。
特に電子放出素子を構成する電極にAgなどが拡散する場合、異種金属の拡散は電子放出特性に大きな影響を及ぼすことが明らかなった(特開2000−243327号公報)。我々の研究の結果、このような異種金属の拡散は、金属または金属化合物のパターンに空隙を設けることで抑制できることが判明した。空隙率は好ましくは10%以上有することが異種金属の拡散防止の点で効果が大きく、特に好ましくは20%以上有するのが良い。また、なかでも、電子放出素子へのAgなどの異種金属の拡散が起こる場合は、拡散量に依存して電子放出特性が大きく変化するため、異種金属の拡散量を電子放出特性に悪影響を及ぼさない程度に抑える必要がある。そのためには、空隙率が10%以上であることが好ましく、特に好ましくは、空隙率が20%以上であることが良いことが明らかになった。
一方、空隙率60%以上(密度40%以下)の場合は、膜質がポーラスになる。このような電極が異種金属やコンタミ金属化合物等と接合した場合、拡散しようとする異種金属の移動路がポーラスなため移動しにくい環境を作っていることがわかったが、このような空隙率60%以上のポーラスな電極は、抵抗の安定性が悪く、安定な特性を得られない場合がある。これは電極などの導電性パターンに限らず、絶縁性のパターンにおいても、電気的特性(絶縁性)が不十分であり、問題である。また、PDPなどの大型の基体に電極を形成する際に、このようなポーラスな電極は膜厚分布が±20%程度変動するようなこともあり、このような場合は、抵抗値の変動が膜厚分布以上に大きくなり、電極を使用するデバイスとしては問題となる。
本発明の金属または金属化合物パターンは、シート抵抗値の変動を最小限に抑制するとともに、電極特性が問題のない領域で使用することができる。さらに電子放出素子の電極などの場合は、異種金属やコンタミ金属化合物の拡散移動を抑制し、電子放出特性の低下を抑制できることに特徴がある。
ロ:空隙率の算出方法
本願発明で記載している空隙率は密度の測定値に基づき算出する。まず、密度の算出方法について上記のPt電極を例に説明する。密度は体積あたりのPtの存在量で規定している。
Pt密度=(本件のPt存在量/膜厚)/(refのPt存在量/膜厚)
ここで、refとは、スパッタ法で作成したパターンである。Ptの存在量は、EPMA(電子プローブ・マイクロアナライザー)を用いて測定した。この密度を基に、空隙率は、Ptの空隙率=1−Pt密度で規定している。また、膜厚は、触針式の膜厚計で測定した。
(5)電子放出素子、電子源および画像形成装置の製造方法
上述した本発明の金属または金属化合物パターンの製造方法、特に導電性パターンの形成方法は、電極を備えた電子放出素子、電極を有する複数の電子放出素子と該複数の電子放出素子を駆動するための配線とを備えた電子源、さらにはこの電子源と該電子源の電子放出素子から放出される電子線の照射により画像を形成する画像形成部材とを具備する画像形成装置の製造方法に好適に用いることができる。すなわち、上記電子放出素子の製造に際しては、電極を本発明の方法で形成し、上記電子源または画像形成装置の製造に際しては、使用する電子放出素子の電極と配線の一方または両者を本発明の方法で形成することによって、製造工程中で除去される電極および/または配線構成材料の量を大幅に少なくし、製造に際してのこの除去物の処理にかかる手間を大幅に簡略化することが可能となる。
本発明の金属または金属化合物パターンの製造方法を用いて製造した電極を有する電子放出素子としては、前述のように、例えば表面伝導型電子放出素子、電界放出型(FE型)電子放出素子、金属/絶縁層/金属型(MIM型)電子放出素子などの冷陰極素子が好ましく、これらの中でも、多数の電子放出素子の電極を本発明の方法で一度に形成しやすい表面伝導型電子放出素子が好ましい。また、本発明の方法によれば、複数の電子放出素子の素子電極の形成と同時に、各電子放出素子を駆動するために必要な配線をも形成することができ、複数の電子放出素子を備えた電子源の製造が容易となり、さらにこの電子源と、電子源を構成する電子放出素子からの電子線の照射により画像を形成する画像形成部材とを組み合わせることで製造される画像形成装置の製造時の負荷も大幅に軽減されるものである。
以下、実施例を用いて本発明をより詳しく説明するが、この実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1
感光性樹脂(三洋化成製、サンレジナーBMR−850)に、アミン系シランカップリング剤(信越化学製、KBM−603)を0.06wt%添加した溶液を、ガラス基体(縦75mm×横75mm×厚さ2.8mm)にロールコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃にて2分間乾燥した。次いでネガフォトマスクを用い、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体とマスクをコンタクトさせ、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理し、目的の樹脂パターンを得た。樹脂パターンの膜厚は1.55μmであった。
この樹脂パターン形成基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt−Pb溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体・白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)に60秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、樹脂パターン間のPt錯体溶液を洗浄し、エアーを吹き付けて水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み20nmの白金電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、60Ω/□であった。
実施例2
金属有機化合物溶液をPt溶液(酢酸テトラアンミン白金(II)錯体・白金含有量2重量%)にした以外は、実施例1と同様にして白金電極を形成した。この電極の厚みは25nm、シート抵抗値は、40Ω/□であった。
実施例3
金属有機化合物溶液をPt−Pb溶液(酢酸テトラアンミン白金(II)錯体・白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)にした以外は、実施例1と同様にして白金電極を形成した。この電極の厚みは30nm、シート抵抗値は、55Ω/□であった。
実施例4
本発明の導電性パターンの形成方法を用いて、複数の表面伝導型の電子放出素子を製造すると共に、この複数の表面伝導型の電子放出素子を駆動するための配線を形成して電子源を製造し、さらにこの電子源を用いて画像形成装置を製造した。以下、図1および図2に基づいて製造手順を説明する。
工程1:300mm×300mm×厚さ2.8mmのガラス製の基体1上に、図1に示されるような多数の素子電極対(第一の領域)を実施例1と同様な手法で作成した。
本実施例における素子電極対は、幅60μm、長さ480μmの素子電極Aと、幅120μm、長さ200μmの素子電極Bとを電極間ギャップ20μmで対向させたものとした。また、素子電極対間のピッチは、横方向300μm、縦方向650μmとし、素子電極対数720×240としてマトリクス形状に配置した。素子電極対の形成と同時に1cm×1cmの白金膜パターンを形成し、そのシート抵抗を測定したところ、26Ω/□であった。
工程2:図2に示されるように、各列の素子電極対の一方の素子電極Aを接続するX方向配線2(第二の領域)をAgペーストを用いてスクリーン印刷法で付設した。次に、厚さ20μmの層間絶縁層(図面上は省略されている)をスクリーン印刷法により付設した上に、さらに各行の素子電極対の一方の素子電極Bを接続するY方向配線3(第二の領域)をX方向配線2と同様にして付設し、焼成を行ってX方向配線2とY方向配線3とした。
工程3:工程2でX方向配線2とY方向配線3を形成した基体1を純水で洗浄した。
工程4:ポリビニルアルコールを0.05重量%濃度、2−プロパノールを15重量%濃度、エチレングリコールを1重量%濃度で溶解した水溶液に、酢酸パラジウム−モノエタノールアミン錯体をパラジウムが約0.15重量%濃度となるように溶解して淡黄色水溶液を得た。
上記水溶液の液滴を、インクジェット法によって、各素子電極対を成す素子電極A,B上から、当該素子電極A,Bに跨り、かつ電極ギャップ内に付設されるよう、同じ箇所に4回付与した(ドット径=約100μm)。
上記水溶液の液滴を付設した基体1を350℃の焼成炉にて30分間焼成し、各素子電極対間に、当該素子電極対を成す素子電極A,B間を連絡するパラジウム薄膜4を形成した後、当該基体1をリアプレート5に固定した。
工程5:前記基体1とは別のガラス製の基体7の内面に蛍光膜8とメタルバック9が形成されたフェースプレート10と、上記リアプレートを向き合わせ、支持枠6を介して封着して外囲器11を構成した。支持枠6には予め通排気に使用される給排気管を接着した。
工程6:給排気管を介して外囲器内を1.3×10-5Paまで排気後、各X方向配線2に連なるX方向端子Dx1〜Dxnと、各Y方向配線3に連なるY方向端子Dy1〜Dymを用い、各列の素子電極対間に電圧を加え、素子電極A,B間のパラジウム薄膜4に数十μmの亀裂部を発生させるフォーミングをライン毎に行い、表面伝導型電子放出素子を形成した。
工程7:外囲器11内を1.3×10-5Paまで排気後、外囲器11内が1.3×10-2Paとなるまでベンゾニトリルを給排気管から導入し、上記フォーミングと同様にして、各素子電極対間にパルス電圧を供給し、上記パラジウム薄膜の亀裂部にカーボンを堆積させる活性化を行った。パルス電圧は各ラインに対して25分間印加した。
工程8:給排気管より外囲器11内の排気を充分に行った後、250℃で3時間外囲器11全体を加熱しながらさらに排気し、最後にゲッタをフラッシュし、給排気管を封止した。
このようにして図2に示されるような表示パネルを製造し、不図示の走査回路・制御回路・変調回路・直流電圧源などからなる駆動回路を接続し、パネル状の画像形成装置を製造した。
X方向端子Dx1〜DxnとY方向端子Dy1〜Dymを通じて、各表面伝導型電子放出素子に時分割で所定電圧を印加し、高電圧端子12を通じてメタルバック9に高電圧を印加することによって、任意のマトリクス画像パターンを良好な画像品質で表示することができた。
なお、パネルを分解し、電子放出素子へのAgの拡散を測定したところ、銀の拡散は十分防止できていることが確認できた。また、本実施例では、素子電極に実施例1の製法を用いたが、配線電極が他の金属と接触するような構成においては、配線に実施例1の製法を用いれば同様の効果を得ることができる。
実施例5
金属有機化合物溶液をPt−Pb溶液(酢酸テトラアンミン白金(II)錯体・白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)にした以外は、実施例4と同様にして画像形成装置を製造した。任意のマトリクス画像パターンを良好な画像品質で表示することができた。
実施例6(Pt疎−パターン−吸収−ベーク)
感光性樹脂(三洋化成製、サンレジナーBMR−850)に、アミン系シランカップリング剤(信越化学製、KBM−603)を0.06wt%添加した溶液を、ガラス基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃で2分間乾燥した。次いでネガフォトマスクを用い、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体とマスクをコンタクトさせ、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理し、目的のパターンを得た。パターン形成後の膜厚は0.98μmであった。
この基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt錯体溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%)に30秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt錯体溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成し、厚み30nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、80Ω/□であった。
実施例7(Pt/Pb疎−パターン−吸収−ベーク)
感光性樹脂(三洋化成製、サンレジナーBMR−850)に、アミン系シランカップリング剤(信越化学製、KBM−603)を0.06wt%添加した溶液を、ガラス基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃で2分間乾燥した。次いでネガフォトマスクを用い、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体とマスクをコンタクトさせ、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理し、目的のパターンを得た。パターン形成後の膜厚は1.08μmであった。
このパターン形成基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt−Pb溶液(酢酸白金(II)モノメタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)に30秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt−Pb溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み40nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、120Ω/□であった。
実施例7−2(Pt/Ru疎−パターン−吸収−ベーク)
金属有機化合物溶液をPt−Ru溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/塩化ルテニウム(III)・ルテニウム含有量200ppm)、浸漬時間を120秒にした以外は、実施例7と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み42nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、12Ω/□であった。
実施例7−3(Pt/Sn疎−パターン−吸収−ベーク)
金属有機化合物溶液をPt−Sn溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/塩化スズ(II)・スズ含有量200ppm)、浸漬時間を30秒にした以外は、実施例7と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み56nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、80Ω/□であった。
実施例7−4(Pt/V疎−パターン−吸収−ベーク)
金属有機化合物溶液をPt−V溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/硫酸バナジル(IV)・バナジウム含有量200ppm)、浸漬時間を60秒にした以外は、実施例7と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み38nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、64Ω/□であった。
実施例8(Pt/Pb疎−吸収−バーンアウト−ミリング)
樹脂(ポリビニルアルコール)を、ガラス基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃で2分間乾燥した。次いで、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体全面を、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理した。この膜厚は1.85μmであった。
この基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt−Pb溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)に120秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt−Pb溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み60nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、160Ω/□であった。
次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジスト LC100/10cpをスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターン、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μmの白金の電極を形成した。
実施例8−2(Pt/Zn疎−吸収−バーンアウト−ミリング)
金属有機化合物溶液をPt−Zn溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/酢酸亜鉛(II)・亜鉛含有量200ppm)、浸漬時間を15秒にした以外は、実施例8と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み44nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、250Ω/□であった。
実施例8−3(Pt/Rh疎−吸収−バーンアウト−ミリング)
金属有機化合物溶液をPt−Rh溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/硝酸ロジウム(III)・ロジウム含有量200ppm)、浸漬時間を60秒にした以外は、実施例8と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み51nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、190Ω/□であった。
実施例8−4(Pt/Cr疎−吸収−バーンアウト−ミリング)
金属有機化合物溶液をPt−Cr溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/酢酸クロム(III)・クロム含有量200ppm)、浸漬時間を60秒にした以外は、実施例8と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み43nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、99Ω/□であった。
実施例9(Pt/Pb密−吸収−バーンアウト−ミリング)
樹脂(ポリビニルアルコール)を、ガラス基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃で2分間乾燥した。次いで、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体全面を、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理した。この膜厚は2.3μmであった。
この基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt−Pb溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)に60秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt−Pb溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み60nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、39Ω/□であった。
次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジストLC100/10cp)をスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターン、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μmの白金の電極を形成した。
実施例9−1(Pt/Bi疎−吸収−バーンアウト−ミリング)
金属有機化合物溶液をPt−Bi溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/EDTANH4−酢酸ビスマス(III)・ビスマス含有量200ppm)、浸漬時間を90秒にした以外は、実施例9と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み32nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、66Ω/□であった。
実施例9−2(Pt/Si疎−吸収−バーンアウト−ミリング)
金属有機化合物溶液をPt−Si溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%/3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン・ケイ素含有量200ppm)、浸漬時間を60秒にした以外は、実施例9と同様にして白金電極を形成した。
電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み78nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、105Ω/□であった。
実施例10(Pt密−吸収−バーンアウト−ミリング)
樹脂(ポリビニルアルコール)を、ガラス基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃で2分間乾燥した。次いで、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体全面を、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理した。この膜厚は2.3μmであった。
この基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%)に120秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt錯体溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み40nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、18Ω/□であった。
次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジストLC100/10cpをスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターン、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μmの白金の電極を形成した。
実施例11(Ptブレンド密−バーンアウト−ミリング)
金属有機化合物の水溶液[酢酸テトラキス(モノエタノールアミノ)白金(II)錯体、白金含有量5重量%]と、樹脂(ポリビニルアルコール)の水溶液を以下の比率で混合し、組成物10−Aを調製した。
金属有機化合物: 50重量部
ポリビニルアルコール樹脂:50重量部
この組成物2−Aをガラス製の基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで80℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗膜の厚みは2.1μmであった。
次いで、塗膜を有する基体を熱風循環炉に入れ、500℃で30分間焼成したところ、厚み60nmの白金を形成することができた。また、同時に形成した1cm×1cmの白金膜パターンを用いてシート抵抗値を測定したところ、14Ω/□であった。
次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジストLC100/10cpをスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターン、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μmの白金の電極を形成した。
実施例12(ブレンド−吸収−バーンアウト−ミリング)
感光性樹脂(三洋化成製、サンレジナーBMR−850)に、アミン系シランカップリング剤(信越化学製、KBM−603)を0.06wt%添加した溶液を、ガラス基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃で2分間乾燥した。次いで基体全面に、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体とマスクをコンタクトさせ、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理し、目的のパターンを得た。パターン形成後の膜厚は1.55μmであった。
この基体を、Pt錯体溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体、白金含有量2重量%)に120秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt錯体溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成し、厚み76nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、9Ω/□であった。
次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジストLC100/10cpをスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターン、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μmの白金の電極を形成した。
実施例13(Pt有機ブレンド密−バーンアウト−ミリング)
有機金属化合物[ビス(アセチルアセトナト)白金(II)]と、アクリル系共重合体樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液を以下の比率で混合し、組成物13−Aを調製した。
金属有機化合物: 50重量部
アクリル系共重合体樹脂: 50重量部
この組成物13−Aをガラス製の基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで80℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗膜の厚みは1.5μmであった。
次いで、塗膜を有する基体を熱風循環炉に入れ、550℃で1時間焼成したところ、厚み42nmの白金を形成することができた。この白金のシート抵抗値を測定したところ、35Ω/□であった。
次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジストLC100/10cpをスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターン、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μmの白金の電極を形成した。
実施例14(有機系−Pt疎−パターン−吸収−ベーク)
環化ゴムと、4,4’−ジアジドカルコンのキシレン溶液を以下の比率で混合し、組成物13−Aを調製した。
環化ゴム: 95重量部
4,4’−ジアジドカルコン: 5重量部
この組成物14−Aをガラス製の基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスピンコーターで全面に塗布し、ホットプレートで80℃で2分間乾燥した。乾燥後の塗膜の厚みは1.5μmであった。
次いで、ネガフォトマスクを用い、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体とマスクをコンタクトさせ、露光時間10秒で露光した。次いで、現像液としてキシレンを用い、ディッピングで30秒間処理し、目的のパターンを得た。パターン形成後の膜厚は1.0μmであった。
この基体を、Pt錯体アセトン溶液(ビス(アセチルアセトナト)白金(II)、白金含有量2重量%)に30秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、パターン間のPt錯体溶液を洗浄し、エアーで水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成し、厚み25nmの白金の電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、100Ω/□であった。
比較例1(リソPt)
ガラス製の基体(75mm×75mm×厚さ2.8mm)にスパッタ法にてはじめにTiを5nm付着し、続いてPtを45nm付着した。次いで、この基体にレジスト(シプレイ社製、ポジ型レジストLC100/10cpをスピンナーで塗布(1200rpm/5秒、膜厚1.3ミクロン)し、それを、イオンミリング法にてエッチングした(エッチング条件は、加速電圧500V、電流600mA、減速電圧200V、ガス種アルゴン255CCM、搬送スピード5mm/sec)後、レジストをレジスト剥離液(シプレイ社製、1112A)を用いて剥離し、目的としたパターンを得た。また、同時に形成した1cm×1cmの白金膜パターンを用いてシート抵抗値を測定したところ、5.5Ω/□であった。
上記で作製した基体について、EPMA(電子プローブ・マイクロアナライザー)を用いて、基体上のPt量の測定を行った。
結果を表1に示す。
Figure 0004411299
また、比較例および上述のいくつかの実施例で作成した基体の電極上の一部にマスクをし、Agをスパッタで500nm付着させ、この基体を、熱風循環炉で400℃で1時間焼成した。この基体について、Pt電極上のAgをスパッタしたエッヂ部から500μmの位置のAgの値をEPMAにて測定した。
結果を表2に示す。
なお、表2における各判定項目の判定基準は以下の通りである。
〔拡散抑制の判定〕
○:Pt電極上のAgのエッヂ部近傍に変色が確認できる
△:Pt電極上のAgのエッヂ部近傍にやや変色が見られる
×:Pt電極の変色なし
〔抵抗安定性の判定〕
○:複数の電極間で、抵抗値の分布が膜厚の分布より小さい
×:複数の電極間で、抵抗値の分布が膜厚の分布以上に大きい
〔製造コストの判定〕
○:低コスト
×:高コスト
〔総合判定〕
◎:上記3項目すべて○
○:上記3項目中に△が1つ有り
△:銃器3項目中に×が1つ有り
×:上記3項目中に×が2つ以上有り
Figure 0004411299
実施例15
実施例4と同様の方法を用いて、複数の表面伝導型の電子放出素子を製造すると共に、この複数の表面伝導型の電子放出素子を駆動するための配線を形成して電子源を製造し、さらにこの電子源を用いて画像形成装置を製造した。ここで、一対の素子電極の形状は、配線との接触部から電子放出部までの距離が500μmとなるようにした。
なお、一対の素子電極としては、上述本発明の実施例1,2、6〜9、9−2、10、11、13の方法で作製した。また、空隙率と電子放出特性の関係を比較するため、実施例9−2における樹脂パターンの膜厚、金属溶液のへの浸漬時間を所望に制御し、異なる空隙率のパターンを得たものを比較例2、実施例1’として作成した。
このようにして図2に示されるような表示パネルを製造し、不図示の走査回路・制御回路・変調回路・直流電圧源などからなる駆動回路を接続し、パネル状の画像形成装置を製造した。
X方向端子Dx1〜DxnとY方向端子Dy1〜Dymを通じて、各表面伝導型電子放出素子に時分割で所定電圧を印加し、高電圧端子12を通じてメタルバック9に高電圧を印加することによって、画像パターンを表示した。
結果を表3に示す
Figure 0004411299
尚、電子放出特性の比較とは、放出電流量の比較であり、具体的には、電子放出素子を駆動して電子を放出させた際に、メタルバック(アノード)に流れる電流量を測定し、比較した。上記のとおり、電子放出特性と空隙率の関係において、良好な電子放出特性をえるには、空隙率10%以上が好ましく、特に好ましくは空隙率20%以上であると言える。また上記の抵抗の安定性を考慮すれば、空隙率60%以下をみたすことが好ましい。また、電極パターンとしても、Agの拡散から好ましくは空隙率10%以上より好ましくは空隙率20%以上がよく、抵抗の安定性からは空隙率60%以下が好ましいと言える。
実施例16
本実施例および実施例17においては、イオン交換機能を有する樹脂を用いて、樹脂パターンを形成した。具体的には、カルボン酸基を有する樹脂を用いた。これによって、金属材料の吸収がより向上し、材料の利用効率を高めた、ローコストな製法を提供できるとともに、より形状の整ったパターンの形成が可能となる。以下、詳述する。
本実施例においては、特登録2527271号に記載のポリマー成分(メタクリル酸−メチルメタクリル酸−エチルアクリレート−n−ブチルアクリレート−アゾビスイソブチロニトリル重合体)を含む感光性樹脂を、ガラス基体(縦75mm×横75mm×厚さ2.8mm)にロールコーターで全面に塗布し、ホットプレートで45℃にて2分間乾燥した。次いでネガフォトマスクを用い、光源を超高圧水銀ランプ(照度:8.0mW/cm2)にて、基体とマスクをコンタクトさせ、露光時間2秒で露光した。次いで、現像液として純水を用い、ディッピングで30秒間処理し、目的の樹脂パターンを得た。樹脂パターンの膜厚は1.35μmであった。
この樹脂パターン形成基体を純水中に30秒浸漬した後、Pt−Pb溶液(酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体・白金含有量2重量%/酢酸鉛(II)・鉛含有量200ppm)に60秒浸漬した。
次いで、基体を引き上げ、流水で5秒間洗浄し、樹脂パターン間のPt錯体溶液を洗浄し、エアーを吹き付けて水切りをし、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み15nmの白金電極を形成した。この電極のシート抵抗値は、80Ω/□であった。
実施例17
実施例16で作製した樹脂パターンを用い、Pt−Pb溶液に浸漬する代わりに、該溶液をインクジェット装置(キヤノン社製、バブルジェット(登録商標)プリンタヘッドBC−01)によって、樹脂パターン上に2回付与し、80℃のホットプレートで3分乾燥した。
その後、熱風循環炉にて、500℃で30分間焼成して、電極間距離20μm、幅60μm、長さ120μm、厚み15nmの白金電極を形成した。本実施例の場合、洗浄工程を必要としないため、工程数を短縮できた。また、この電極のシート抵抗値は、85Ω/□であった。
上記実施例16、17においても、材料の利用効率よくパターンを形成するとともに、より形状の整ったパターンを形成することができた。また、上記実施例16、17の方法で製造した電極パターンを実施例4の画像形成装置の素子電極に用いたところ、良好な電子放出特性を得られ、良好な画像表示ができた。
実施例4および実施例15で形成した素子電極パターンの模式図である。 実施例4および実施例15で製造した画像形成装置の表示パネル部分を示す模式図である。
符号の説明
A 素子電極
B 素子電極
x1〜Dxn X方向端子
y1〜Dym Y方向端子
1 基体
2 X方向配線
3 Y方向配線
4 パラジウム薄膜
5 リアプレート
6 支持枠
7 基体
8 蛍光膜
9 メタルバック
10 フェースプレート
11 外囲器
12 高電圧端子

Claims (3)

  1. 電子放出素子の電極と、該電極に接触して配置された配線とを構成する導電性パターンにおいて、前記電極が、10%以上の空隙率を有する白金の電極で、前記配線が、銀の配線であることを特徴とする導電性パターン。
  2. 前記電極の空隙率が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性パターン。
  3. 前記電極の空隙率が20%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターン。
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