JP2004213753A - 短波長対応のロー・ツー・ハイ記録極性を有する追記型光記録媒体 - Google Patents
短波長対応のロー・ツー・ハイ記録極性を有する追記型光記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004213753A JP2004213753A JP2002381401A JP2002381401A JP2004213753A JP 2004213753 A JP2004213753 A JP 2004213753A JP 2002381401 A JP2002381401 A JP 2002381401A JP 2002381401 A JP2002381401 A JP 2002381401A JP 2004213753 A JP2004213753 A JP 2004213753A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- layer
- organic material
- write
- wavelength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】(1)基板上に、記録再生波長に対して光吸収機能を有する有機材料層、反射層が順次設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
(2)基板上に、反射層、記録再生波長に対して光吸収機能を有する有機材料層、カバー層が順次設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、追記型光記録媒体(WORM:Write Once Read Many)、特に青色レーザ波長或いはそれ以下の領域でも高密度の記録が可能な追記型光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
超高密度の記録が可能となる青色レーザの開発は急速に進んでおり、それに対応した追記型光記録媒体の開発が行われている。
従来の追記型光記録媒体では、有機材料からなる記録層にレーザ光を照射し、主に有機材料の分解・変質による屈折率変化を生じさせることで記録ピットを形成させており、記録層に用いられる有機材料の光学定数や分解挙動が、良好な記録ピットを形成させるための重要な要素となっている。
従って、記録層に用いる有機材料としては、青色レーザ波長に対する光学的性質や分解挙動の適切な材料を選択する必要がある。即ち、未記録時の反射率を高め、またレーザの照射によって有機材料が分解し大きな屈折率変化が生じるようにするため(これによって大きな変調度が得られる)、記録再生波長は大きな吸収帯の長波長側の裾に位置するように選択される。
何故ならば、有機材料の大きな吸収帯の長波長側の裾は、適度な吸収係数を有し且つ大きな屈折率が得られる波長領域となるためである。
しかしながら、青色レーザ波長に対する光学的性質が従来並みの値を有する有機材料は殆ど見出されていない。これは、青色レーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料を得るためには、分子骨格を小さくするか又は共役系を短くする必要があるが、そうすると吸収係数の低下、即ち屈折率の低下を招くためである。
つまり、青色レーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料は多数存在し、吸収係数を制御することは可能となるが、大きな屈折率を持たないため、大きな変調度を得ることができなくなる。
【0003】
青色レーザ対応の有機材料としては、例えば、特許文献1〜5に記載がある。
しかし、これらの公報では、実施例を見ても溶液と薄膜のスペクトルを測定しているのみで、記録再生に関する記載はない。
特許文献6〜8には、実施例に記録の記載があるものの、記録波長は488nmであり、また記録条件や記録密度に関する記載はなく、良好な記録ピットが形成できた旨の記載があるのみである。
特許文献9には、実施例に記録の記載があるものの、記録波長は430nmであり、また記録条件や記録密度に関する記載はなく、良好な変調度が得られた旨の記載があるのみである。
特許文献10〜19には、実施例に記録波長430nm、NA0.65での記録例があるが、最短ピットが0.4μmという低記録密度条件(DVDと同等の記録密度)である。
特許文献20には、記録再生波長は405〜408nmであるが、記録密度に関する具体的な記載がなく、14T−EFM信号の記録という低記録密度条件である。
【0004】
以上のように、現在実用化されている青色半導体レーザの発振波長の中心である405nm近傍においては、従来の追記型光記録媒体の記録層に要求される光学定数と同程度の光学定数を有する有機材料が殆んど存在しない。
また、405nm近傍で記録条件を明確にし、DVDよりも高記録密度で記録された例はない。
更に、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体では、記録再生波長近傍に有機材料の主吸収帯が存在するため、有機材料の光学定数の波長依存性が大きくなり(僅かな波長変動量δλに対して複素屈折率の変動量δnやδkが非常に大きくなる。図1参照)、レーザの個体差や環境温度の変化等による記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変化するという問題があった。
一方、色素開発のコストと労力を低減させるため、色素の吸収極大が書き込み光の波長よりも長波長にある光記録媒体が、特許文献21に記載されているが、この文献記載の発明と本発明との相違については後で説明する。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−181524号公報
【特許文献2】
特開2001−158865号公報
【特許文献3】
特開2000−343824号公報
【特許文献4】
特開2000−343825号公報
【特許文献5】
特開2000−335110号公報
【特許文献6】
特開平11−221964号公報
【特許文献7】
特開平11−334206号公報
【特許文献8】
特開2000−43423号公報
【特許文献9】
特開平11−58955号公報
【特許文献10】
特開2001−39034号公報
【特許文献11】
特開2000−149320号公報
【特許文献12】
特開2000−113504号公報
【特許文献13】
特開2000−108513号公報
【特許文献14】
特開2000−222772号公報
【特許文献15】
特開2000−218940号公報
【特許文献16】
特開2000−222771号公報
【特許文献17】
特開2000−158818号公報
【特許文献18】
特開2000−280621号公報
【特許文献19】
特開2000−280620号公報
【特許文献20】
特開2001−146074号公報
【特許文献21】
特開2002−74740号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、特に追記型光記録媒体では、ハイ・ツー・ロー(High to Low)記録極性が常識である。従って、従来と同様な複素屈折率を有する色素等の有機材料を選択する必要があるが、上述したように、青色レーザ波長以下の記録再生波長領域で、赤色レーザ波長領域と同等の複素屈折率を実現することは非常に困難である。また、青色レーザ波長以下の記録再生波長領域で、赤色レーザ波長領域と同等の複素屈折率を有する有機材料が存在した場合でも、その有機材料の複素屈折率を記録再生波長に最適化することは非常に困難である。
何故ならば、一般的に短波長対応の有機材料は、分子骨格が小さいためドナーやアクセプター効果を有する置換基を導入できる部分が少なくなるし、分子骨格が大きい場合でも共役系が短いため、ドナーやアクセプター効果を有する置換基の効果が十分発揮されなくなるからである。
【0007】
また、従来の場合、ハイ・ツー・ロー記録極性を実現させるには、例えば記録再生波長に対し、有機材料層の吸収帯を短波長側に位置するようにし、かつ記録再生波長をその吸収帯の裾に位置させなければならないが、この条件では、記録再生波長の選択によって、有機材料層をその都度設計しなければならないという問題、或いは、記録再生時のレーザの波長変動に対し、記録再生特性が大幅に変化してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、次のイ)〜ハ)のような追記型光記録媒体の提供を目的とする。
イ)500nm以下の記録再生波長、特に405nm近傍の波長領域であっても記録再生可能な生産性に優れた(生産性良く作製できる)追記型光記録媒体。
ロ)記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等の変化が少ない追記型光記録媒体。
ハ)溝部と溝間部の両方に記録可能な追記型光記録媒体。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、次の1)〜15)の発明によって解決される。
1) 基板上に、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、反射層が順次設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
2) 基板上に、反射層、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、カバー層が順次設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
3) 有機材料層と反射層の間に断熱層を有する1)又は2)記載の追記型光記録媒体。
4) 断熱層が、SiO2、ZnS・SiO2、ZrO2の何れかを主成分とする材料からなる3)記載の追記型光記録媒体。
5) 断熱層が、ZnS、ZrO2、Y2O3及びSiO2からなる3)記載の追記型光記録媒体。
6) 断熱層が、ZrO2、TiO2、SiO2、及びXからなり、XがAl2O3、MgO、CaO、NbO、Y2O3、CeOから選ばれた少なくとも1つである3)記載の追記型光記録媒体。
7) 有機材料層中の有機材料は、その主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、かつ記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する1)〜6)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
8) 基板上に、有機材料層とこれに隣接する光吸収層が設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
9) 基板上に、光吸収層、有機材料層、反射層が順次設けられた構造を有する8)記載の追記型光記録媒体。
10) 基板上に、反射層、有機材料層、光吸収層、カバー層が順次設けられた構造を有する8)記載の追記型光記録媒体。
11) 光吸収層の光吸収機能により、有機材料層に複素屈折率変化、体積変化、空洞部の何れかを生じて記録極性がロー・ツー・ハイ化する8)〜10)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
12) 光吸収層の光吸収機能により、光吸収層が変形して記録極性がロー・ツー・ハイ化する8)〜10)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
13) 有機材料層中の有機材料の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置する8)〜12)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
14) 更に有機材料層中の有機材料が、(記録再生波長における有機材料層の光吸収機能)<(記録再生波長における光吸収層の光吸収機能)の関係を満足する13)記載の追記型光記録媒体。
15) 基板に案内溝を有し、溝部(グルーブ)と溝間部(ランド)の両方に記録部が形成される1)〜14)の何れかに記載の追記型光記録媒体。
【0009】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
従来、追記型光記録媒体には高反射率化が要求されてきた。これはROMとの互換性を重視してきたためである。
しかしながら、現在開発が行われている青色レーザ波長に対応した光記録媒体では、相変化を利用した書き換え型の光記録媒体がROMに先行して開発されており、書き換え型の光記録媒体は、青色波長領域での標準媒体となっている。
この書き換え型の光記録媒体は、一般的に反射率が10%程度以下の低反射率である。従って、青色レーザ波長以下の短波長領域では、もはや高反射率化という課題はさほど重要でなくなる。また、青色レーザ波長以下の短波長領域では、反射層自体の反射率も低下するため、ROMが実現された場合でも、必ずしも従来のような高い反射率を有することは期待できない。
そこで本発明では、青色レーザ波長以下(500nm以下)の記録再生波長において、追記型光記録媒体の記録極性をロー・ツー・ハイ(Low to High)化することを提案する。
【0010】
なお、前述の特許文献21に記載の技術では、従来の色素(有機化合物)と記録再生波長の関係を逆転させた追記型光記録媒体を実現させているが、この技術は色素の主吸収帯の短波長側の裾に記録再生波長を合わせたものであって、色素の記録再生波長への整合が容易になった訳ではない(図2参照)。また、この技術においては、記録極性に関する記載がなく、本発明とは技術思想が異なる。
本発明の第一の態様では、記録再生波長を主吸収帯に合わせるのではなく、主吸収帯に帰属せず主吸収帯よりも短波長側にある吸収帯近傍に記録再生波長を設定する(図3参照。図中の斜線領域に記録再生波長を設定する)。
言い換えれば、記録再生波長近傍に、主吸収帯に帰属しない吸収帯(主吸収帯よりも吸収機能が小さく、スペクトルがブロードな吸収帯)を有し、この吸収帯よりも長波長側に主吸収帯を有する有機化合物を用いる(図3参照)。
【0011】
なお、本発明でいう「主吸収帯」とは、図4に示すように、可視域の範囲で最も吸収の大きな吸収帯を指し、一般的にはHOMO−LUMO(ホモ−ルモ)の遷移に基づく吸収帯を指す。
従って、例えば、図5に示すような吸収スペクトルを有する色素(有機材料)では、300nm以下の波長域に最も大きな吸収帯を有するが、本発明ではこの吸収帯を主吸収帯とは呼ばず、700nm近傍の吸収帯(可視域で最も大きな吸収帯)を主吸収帯と呼ぶ。
また、本発明でいう「主吸収帯に帰属せず、主吸収帯よりも短波長側にある吸収帯」とは、図4に示すように、主吸収帯とは別の遷移に基づく吸収帯を指す(HOMO−LUMOの遷移に基づく吸収帯ではない)。
【0012】
本発明では記録極性をロー・ツー・ハイ化するが、そのメリットとしては次のイ)〜ニ)などが挙げられる。
イ) 有機材料の主吸収帯と記録再生波長の位置関係を細かく制御する必要がないため、CD−RやDVD−R等で検討されてきた一般的な色素、或いは合成の容易な化合物を利用することが可能である。
ロ) 従来の追記型光記録媒体と同じか又は断熱層を追加しただけの層構成であり、光記録媒体の構成が単純である。
ハ) 有機材料の主吸収帯近傍に記録再生波長を設定しないため、短波長化が容易である(記録再生波長の選択の自由度が大きい)
ニ) 記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等の変化を小さくすることができる(大きな吸収係数を有する主吸収帯の吸収機能を利用しないため、記録再生波長近傍での有機材料の複素屈折率変動が少ないことによる)
【0013】
本発明の第一の態様では、記録極性をロー・ツー・ハイ化するため、基板上に、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、反射層が順次設けられた光記録媒体構成、或いは、基板上に、反射層、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、カバー層が順次設けられた光記録媒体構成を採用する。
この光記録媒体構成では、有機材料層以外の層は記録を実現させるだけの光吸収機能を持たないため、有機材料層が主たる光吸収機能を担う必要がある。
本発明で用いることのできる有機化合物としては、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有するものであれば何ら制限はないが、ロー・ツー・ハイ記録を容易に実現させるため、主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する有機材料を用いることが好ましい。
【0014】
なお、この記録再生波長近傍に存在する、主吸収帯に帰属しない吸収帯は、記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する必要がある。
例えば、図5の吸収スペクトルを有する色素(有機材料)では、主吸収帯に帰属しない吸収帯が、記録を実現させるのに十分な光吸収能を持っているが、図8の吸収スペクトルを有する色素(有機材料)では、主吸収帯に帰属しない吸収帯が記録再生波長域とずれており、記録を実現させるのに十分な光吸収能を持っていない(図5、図8中の破線領域は、現在実用化されている青色レーザ波長405nmを中心に、その変動可能性範囲を含めた記録再生波長範囲を示したものである)。
従って、基板上に、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、反射層が順次設けられた光記録媒体構成、或いは、基板上に、反射層、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、カバー層が順次設けられた光記録媒体構成を採用する場合は、有機材料層として、例えば図5のような吸収スペクトルを有する有機材料を用いることが好ましい。
【0015】
有機材料層として、主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する有機材料を用いることで、容易に記録極性のロー・ツー・ハイ化が実現でき、また有機材料層が主たる光吸収機能を担うため、光記録媒体構成の単純化を図ることができる。
以上説明した本発明の第一の態様においては、有機材料層の光吸収機能によって、次のイ)〜ニ)の記録原理により記録部を形成する。
イ)基板を変形させる。
ロ)有機材料層の複素屈折率を変化させる。
ハ)有機材料層の体積を変化させる。
ニ)有機材料層に空洞部を形成させる。
しかし、本発明には、上記第一の態様だけでなく「主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する有機材料」を必ずしも使用しなくてよい第二の態様も包含される。
【0016】
本発明の第二の態様では、記録極性をロー・ツー・ハイ化するため、基板上に、光吸収層と有機材料層が隣接する構造を有する光記録媒体構成を採用する。
この光記録媒体構成では、光吸収層に主たる光吸収機能を担わせることができ、有機材料層から主たる光吸収機能を除くことが可能となるため、有機材料の選択の自由度を大幅に高めることができる。
この光記録媒体構成では、有機材料として、前述したような、「主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する有機材料」が選択できるだけでなく、任意の有機材料を用いることができる。即ち、記録再生波長と有機材料層の吸収帯の位置関係や、記録再生波長域での有機材料層の吸収機能等に大きな制限はない。
例えば、記録再生波長域で殆ど吸収を持たない図8に示すような吸収スペクトルを示す有機材料を用いることも可能である。
但し、未記録時の反射率を高め、また記録再生特性の向上を図るためには、(記録再生波長における有機材料層の光吸収機能)<(記録再生波長における光吸収層の光吸収機能)の関係を満足することが好ましい。
【0017】
この光記録媒体構成では、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体に対して光吸収層を追加したため、従来には無かった光吸収層の変形等の記録原理を利用することができ、記録極性のロー・ツー・ハイ化がより容易に実現できる。
基板上に、光吸収層と有機材料層が隣接する構造を有する光記録媒体構成の具体例としては、基板上に、光吸収層、有機材料層、反射層が順次設けられた構造を有する光記録媒体、或いは、基板上に、反射層、有機材料層、光吸収層、カバー層が順次設けられた構造を有する光記録媒体等が挙げられる。
以上説明した本発明の第二の態様においては、光吸収層の光吸収機能によって、次のイ)〜ホ)の記録原理により記録部を形成する。
イ)光吸収層を変形させる。
ロ)基板を変形させる。
ハ)有機材料層の複素屈折率を変化させる。
ニ)有機材料層の体積を変化させる。
ホ)有機材料層に空洞部を形成させる。
但し、上記の条件を満足しても、必ずしも記録極性をロー・ツー・ハイ化できる訳ではなく、各層の膜厚や複素屈折率を適宜最適化する必要があることは言うまでもない。
【0018】
また、本発明では、
イ)記録再生波長に対して主吸収帯が長波長側に存在する有機材料を選択するか、或いは、主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する有機材料を選択する、
ロ)有機材料層に隣接して光吸収層を設ける、
ことにより、従来のように、有機材料の吸収スペクトルと記録再生波長の関係を保つ必要がなくなり、記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等の変化を従来に比べて大幅に低減できる(図3参照。従来の追記型光記録媒体の吸収スペクトルと記録再生波長の関係を図1〜図2に示す。本発明の追記型光記録媒体では、記録再生波長近傍での複素屈折率の変化が非常に緩やかになる)。
【0019】
更に本発明の第一の態様では、有機材料層の複素屈率変化や体積変化を効率よく発生させ、また記録感度を向上させるため、有機材料層と反射層の間に断熱層を設けることも好ましい。この断熱層は、いわゆる断熱効果を担うだけでなく、未記録時の反射率を制御したり、変調度を制御するためにも利用可能である。
従来の有機材料層を用いた追記型光記録媒体では、一般的にスピンコート法によって有機材料層が形成されるため、有機材料層の膜厚が(溝部の膜厚)>(溝間部の膜厚)となってしまう。また、有機材料のみが光吸収機能を担い、有機材料が光学定数変化等を起こして主たる変調度を発生させていた。
従って、溝部では良好な記録が行えても、溝間部では有機材料層膜厚が薄くなるため、光吸収機能の低下と、記録による位相差変化量の低下を招き、一般的には良好な記録が行えない(特に基板上に有機材料層、反射層が順次積層された光記録媒体の溝間部では、反射層の高熱伝導性によって、有機材料層内の温度が記録部を形成させるだけの温度に達し難い)。
【0020】
但し、有機材料層を蒸着法や、塗布条件を最適化したスピンコート法の適用により、溝間部でも溝部と同様な記録再生特性を得ることは可能である。
一方、本発明の第一の態様では、有機材料と反射層の間に断熱層を導入するため、溝間部で有機材料層膜厚が薄くなって十分な光吸収機能を確保できなくても、断熱層によって反射層からの熱の拡散を抑制でき、有機材料層を記録部が形成できるまでの温度に高めることができる。その結果、記録部を溝部と溝間部の何れか一方だけでなく、両方に形成することができる。
なお、溝部と溝間部で、記録感度や変調度等の記録再生特性は異ってもよい(必ずしも同一である必要はない)。
【0021】
また、本発明の第二の態様では、従来光吸収機能を担っていた有機材料層から、主たる光吸収機能を除き、有機材料層に隣接して光吸収層を設ける。
この光記録媒体の光吸収層は、後述するようにセラミックス、金属、半金属等の材料から構成され、通常はスパッタ法や蒸着法によって成膜されるため、溝部と溝間部での光吸収機能に差が生じない。
従って、例えばスピンコート法によって成膜された有機材料層が光吸収層上に設けられた光記録媒体では、溝部と溝間部の有機材料層の膜厚の違いによって、変調度等の差異を生じる場合はあるが、容易に溝間部と溝部に記録部を形成させることが可能となる。そのため容易に高密度化できる。
但し、前述のように、本発明では溝部と溝間部の一方にのみ記録部を形成させてもよい。
【0022】
本発明の光記録媒体は、基本的には基板又は基板とカバー層、有機材料層、断熱層、反射層、或いは基板又は基板とカバー層、有機材料層、光吸収層、反射層から構成されるものであるが、更に必要に応じて下引層、上引層、保護層等を設けても良い。
基板の材質としては、基本的には記録光及び再生光に対し透明であればよい。
このような材料としては、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、ガラス、ガラス上に光硬化性樹脂等の放射線硬化性樹脂からなる樹脂層を設けたもの等を使用することができる。これらの中で、高生産性、コスト、耐吸湿性などの点からは、射出成型ポリカーボネートが好ましく、耐薬品性、耐吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましい。また、高速応答、或いは空隙が発生しないなどの点からは、ガラス基板が好ましい。
有機材料層や光吸収層に接して樹脂基板又は樹脂層を設け、その樹脂基板又は樹脂層上に記録再生光の案内溝やピットを有していてもよい。
【0023】
有機材料層に用いる有機材料としては色素が好ましい例として挙げられる。
色素としては含金属アゾ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アゾ系色素、スクアリリウム系色素、含金属インドアニリン系色素、トリアリールメタン系色素、メロシアニン系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、キサンテン系色素、オキサジン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられる。
また、有機材料層は、有機材料の安定や耐光性向上のために、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α−ジケトン等)等や、記録感度向上のために金属系化合物等の記録感度向上剤を含有していても良い。
ここで金属系化合物とは、遷移金属等の金属が原子、イオン、クラスター等の形で化合物に含まれるものを言い、例えばエチレンジアミン系錯体、アゾメチン系錯体、フェニルヒドロキシアミン系錯体、フェナントロリン系錯体、ジヒドロキシアゾベンゼン系錯体、ジオキシム系錯体、ニトロソアミノフェノール系錯体、ピリジルトリアジン系錯体、アセチルアセトナート系錯体、メタロセン系錯体、ポルフィリン系錯体のような有機金属化合物が挙げられる。金属原子としては特に限定されないが、遷移金属であることが好ましい。
また、必要に応じて他系統の色素を併用することもできる。
【0024】
更に、必要に応じて、バインダー、レベリング剤、消泡剤等を併用することもできる。
好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
有機材料層の膜厚は、記録方法などにより適切な膜厚が異なる為、特に限定するものではないが、通常50〜300nmである。
有機材料層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。量産性、コスト面からはスピンコート法が好ましく、また、厚みの均一な記録層が得られるという点からは、塗布法よりも真空蒸着法等の方が好ましい。
【0025】
スピンコート法による成膜の場合、回転数は500〜15000rpmが好ましく、スピンコートの後、場合によっては加熱或いは溶媒蒸気に当てる等の処理を行っても良い。
ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の塗布方法により記録層を形成する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であればよく、特に限定されない。
例えば、ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、tert−ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒等が挙げられる。
この他、有機材料層としては、高分子材料、相変化材料、フォトクロミック材料、サーモクロミック材料等も好ましく用いることができる。
【0026】
光吸収層としては、十分な記録感度を確保するという点で、記録再生波長に対する吸収係数がある程度大きいものを用いることが好ましく、SiC、B4C、TiC、WCなどの炭化物系の非酸化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイアモンド等の炭素系の非酸化物、フェライト等に代表されるセラミックス;Te−TeO2、Te−TeO2−Pd、Sb2Se3/Bi2Te3、Ge−Te−Sb−S、Te−TeO2−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge−Te−Sn、Sn−Se−Te、Sb−Se−Te、Sb−Se、Ga−Se−Te、Ga−Se−Te−Ge、In−Se、In−Se−Tl−Co、Ge−Sb−Te、In−Se−Te、Ag−In−Sb−Te、Ag−Zn、Cu−Al−Ni、In−Sb、In−Sb−Se、In−Sb−Te等の相変化記録材料;ニッケル、クロム、チタン、タンタル等の純粋金属;銅/アルミニウム、ニッケル/鉄などの合金;シリコン等の半金属;Ge等の半導体等を用いることが可能である。
そのうち、光吸収層として、Si、Geを含有する材料を用いることが好ましく、例えば、Si、Ge、SiC等が好ましい例として挙げられる。
光吸収層の膜厚は、通常5〜150nmである。
【0027】
断熱層としては、例えば、Al2O3、MgO、BeO、ZrO2、UO2、ThO2などの単純酸化物系の酸化物;SiO2、2MgO・SiO2、MgO・SiO2、CaO・SiO3、ZrO2・SiO2、3Al2O3・2SiO2、2MgO・2Al2O3・5SiO2、Li2O・Al2O3・4SiO2などのケイ酸塩系の酸化物;Al2TiO5、MgAl2O4、Ca10(PO4)6(OH)2、BaTiO3、LiNbO3、PZT=Pb(Zr,Ti)O3、PLZT=(Pb,La)(Zr,Ti)O3、フェライトなどの複酸化物系の酸化物;Si3N4、Si6−ZAlZOZN8−Z、AlN、BN、TiNなどの窒化物系の非酸化物;SiC、B4C、TiC、WCなどの炭化物系の非酸化物;LaB6、TiB2、ZrB2などのホウ化物系の非酸化物;CdS、MoS2などの硫化物系の非酸化物;MoSi2などのケイ化物系の非酸化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイアモンド等の炭素系の非酸化物を用いることができる。
記録再生光に対する透明性や生産性の観点からは、SiO2を主体(主成分)とすること、或いはZnS・SiO2を主体(主成分)とすることが好ましい例として挙げられる。また、断熱効果を十分得るためには、ZrO2を主体(主成分)とすることも好ましい。ここで、主成分とは、断熱層材料全体の50重量%以上を占めることを意味する。
更に、ZnS、ZrO2、Y2O3、SiO2からなる酸化物又はZrO2、TiO2、SiO2、及びXからなり、XがAl2O3、MgO、CaO、NbO、或いはY2O3、CeOなどの希土類酸化物から選ばれた少なくとも1つである材料も好ましい。
断熱層の厚みは、通常5〜200nm程度とする。
【0028】
有機材料層の上には、直接又は断熱層や上引層等を介して、反射層を形成してもよく、その好ましい膜厚は、50〜300nmである。
反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta、Cr、Pdなどの金属を単独で或いは合金にして用いることができる。中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射層の材料として適している。
また、上記金属を主成分として他の元素を含んでいても良く、他の元素としては、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属を挙げることができる。
中でもAgを主成分とするものは、コストが安く高反射率が出易い点から特に好ましい。
金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能である。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
また、基板の上や反射層の下に反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系又は有機系の上引層、下引層、或いは接着層を設けることもできる。
【0029】
反射層の上に形成する保護層の材料としては、反射層を外力から保護するものであれば特に限定されない。有機材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機材料としては、SiO2、SiN4、MgF2、SnO2等が挙げられる。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し乾燥することによって形成することができる。
UV硬化性樹脂は、そのまま又は適当な溶剤に溶解した塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのアクリレート系樹脂を用いることができる。
これらの材料は単独で用いても混合して用いても良いし、1層だけでなく多層膜にして用いても良い。
保護層の形成方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等が用いられるが、中でもスピンコート法が好ましい。
保護層の膜厚は、一般に0.1〜100μmの範囲であるが、本発明においては、3〜30μmが好ましい。
また、反射層面に更に基板を貼り合わせてもよく、また反射層面相互を内面とし対向させ光学記録媒体2枚を貼り合わせても良い。
基板鏡面側に、表面保護やゴミ等の付着防止のために紫外線硬化樹脂層や、無機系薄膜等を成膜してもよい。
【0030】
カバー層は、高密度化を図るため高NAのレンズを用いる場合に必要となる。
例えば高NA化すると、再生光が透過する部分の厚さを薄くする必要がある。これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直からズレる角度(いわゆるチルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数の積の2乗に比例する)により発生する収差の許容量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差の影響を受け易いためである。
従って、基板の厚さを薄くしてチルト角に対する収差の影響をなるべく小さくするようにしている。
そこで、例えば基板上に凹凸を形成して記録層とし、その上に反射層を設け、更にその上に光を透過する薄膜である光透過性のカバー層を設けるようにし、カバー層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体や、基板上に反射層を設け、その上に記録層を設け、更にこの上に光透過性を有するカバー層を設けるようにし、カバー層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体が提案されている。
【0031】
このようにすれば、カバー層を薄型化していくことで対物レンズの高NA化に対応可能である。つまり、薄いカバー層を設け、このカバー層側から記録再生することで、更なる高記録密度化を図ることができる。
なお、このようなカバー層は、ポリカーボネートシートや、紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。また、本発明で言うカバー層には、カバー層を接着するための層を含めてもよい。
カバー層の厚みは、通常0.01〜0.5mm程度とする。
本発明の光記録媒体に使用されるレーザ光は、高密度記録のため波長は短いほど好ましいが、特に350〜530nmのレーザ光が好ましく、その代表例としては、中心波長405nmのレーザ光が挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0033】
実施例1
溝深さ55nmのトラッキング用案内溝を有する基板上に、下記〔化1〕で示される色素からなる有機材料層(平均厚さ約60nm)、Ag反射層(厚さ150nm)、紫外線硬化型樹脂からなる保護層(厚さ5μm)を順次積層した追記型光記録媒体を作製した。
〔化1〕で示される色素の吸収スペクトルは、図5のようであり、CD−Rに適した吸収スペクトルを有する。
また、この〔化1〕の色素は、本発明で言うところの、「記録再生波長に対して光吸収機能を有する有機材料」であり、更に、「主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する有機材料」である。
【化1】
【0034】
この光記録媒体に対して、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、溝部(グルーブ部)に下記の条件で記録を行った結果、記録極性をロー・ツー・ハイ化することができた。
この光記録媒体では、記録パワー7.5mW近傍において最良ジッタが得られ、ジッタ(σ/Tw)は9.5%が得られた。
また、この時のイコライズ後の再生信号のアイパターンを図6に示すが、非常に良好な記録が実現できることが確認できた。
更に、図7に、記録パワーを変えて記録した時の、ジッタ変化、及び未記録部(△)と記録部(■)の再生信号レベル変化(反射率変化)の測定結果を示す。
図7から分るように、記録コントラストも十分大きく、また良好なジッタ特性が得られた。
【0035】
実施例2
断熱層の導入により、最良ジッタが得られる記録パワーが低下し、しかも良好なジッタが得られることを確認するため、色素層(有機材料層)と反射層の間に、表1で示される断熱層を挿入した点以外は、実施例1と同様にして追記型光記録媒体を作製した。
この光記録媒体に対して、実施例1と同様にして溝部(グルーブ部)に記録を行い、最適記録パワーと最良ジッタを測定した。結果を表1に示す。
なお、記録極性は、何れもロー・ツー・ハイであることを確認した。
更に、断熱層を導入しない実施例1の光記録媒体の場合、溝間部(ランド部)には、11.0mW以下の記録パワー範囲でジッタを測定できるレベルの記録が行えなかったが、断熱層を導入した本実施例の光記録媒体では、溝間部でもジッタを測定可能な記録が行えることが確認できた。
但し、本実施例では、溝部と溝間部の溝形状や、色素の塗布状態の制御、或いは色素層の膜厚を最適化していないため、溝間部への記録では、溝部への記録に比べて最適記録パワーが平均で約2.0mW程度上昇し、最良ジッタも12.0%程度となった。
【表1】
【0036】
実施例3
溝深さ55nmのトラッキング用案内溝を有する基板上に、SiCからなる光吸収層(厚さ10nm)、〔化2〕で示される色素からなる有機材料層(平均厚さ約60nm)、Ag反射層(厚さ150nm)、紫外線硬化型樹脂からなる保護層(厚さ5μm)を順次積層した追記型光記録媒体を作製した。
〔化2〕で示される色素の吸収スペクトルは、図8のようであり、CD−Rに適した吸収スペクトルを有する。
また、この〔化2〕の色素は、記録再生波長域に殆ど吸収を持たず、本発明で言うところの、「(記録再生波長における有機材料層の光吸収機能)<(記録再生波長における光吸収層の光吸収機能)の関係を満足する有機材料」である。
【化2】
この光記録媒体に対して、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、溝間部(ランド部)に下記の条件で記録を行った。
その結果、記録極性はロー・ツー・ハイであり、記録パワー8.5mW近傍において最良ジッタが得られ、ジッタ(σ/Tw)は10.0%であった。
またこの時のイコライズ後の再生信号のアイパターンは図6とほぼ同様であり、非常に良好な記録を実現できることが確認できた。
更に、記録パワーを変えて記録した時の、ジッタ変化の測定結果は、図9に示す通りであり、良好なジッタ特性が得られることを確認できた。
【0037】
以上の実施例から明らかなように、〔化1〕や〔化2〕に示すような、赤色レーザ波長に対応した色素を用いても、青色領域で良好な記録再生特性を実現できる。
また、〔化1〕や〔化2〕の色素の吸収スペクトル(図5、図8)から分るように、青色レーザ波長領域での吸収係数の変化が緩やかであるため、複素屈折率(n、k)の波長依存性も従来に比べて非常に小さい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、500nm以下の記録再生波長、特に405nm近傍の波長領域であっても記録再生可能で生産性に優れ、記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等の変化が少なく、溝部と溝間部の両方に記録可能な追記型光記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体では、僅かな波長変動量δλに対して複素屈折率の変動量δnやδkが非常に大きくなることを示す図。
【図2】特許文献21に記載の技術では、従来と同様、色素の記録再生波長への整合が容易になった訳ではないことを示す図。
【図3】本発明は、記録再生波長を主吸収帯に合わせるものではなく、主吸収帯に帰属せず、主吸収帯よりも短波長側にある吸収帯近傍(図中の斜線領域)に記録再生波長を設定することを示す図。
【図4】本発明でいう「主吸収帯」を説明するための図。
【図5】実施例1で用いた色素の吸収スペクトルを示す図。
【図6】実施例1の追記型光記録媒体の再生信号のアイパターンを示す図。
【図7】実施例1で、記録パワーを変えて記録した時の、ジッタ変化、及び未記録部(△)と記録部(■)の変化の測定結果を示す図。
【図8】実施例3で用いた色素の吸収スペクトルを示す図。
【図9】実施例3で、記録パワーを変えて記録した時の、ジッタ変化の測定結果を示す図。
【符号の説明】
n 複素屈折率の実部
k 複素屈折率の虚部
δλ 波長変動量
δn 複素屈折率の変動量
δk 複素屈折率の変動量
Claims (15)
- 基板上に、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、反射層が順次設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
- 基板上に、反射層、記録再生波長に対して記録を実現させるのに十分な光吸収機能を有する有機材料層、カバー層が順次設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
- 有機材料層と反射層の間に断熱層を有する請求項1又は2記載の追記型光記録媒体。
- 断熱層が、SiO2、ZnS・SiO2、ZrO2の何れかを主成分とする材料からなる請求項3記載の追記型光記録媒体。
- 断熱層が、ZnS、ZrO2、Y2O3及びSiO2からなる請求項3記載の追記型光記録媒体。
- 断熱層が、ZrO2、TiO2、SiO2、及びXからなり、XがAl2O3、MgO、CaO、NbO、Y2O3、CeOから選ばれた少なくとも1つである請求項3記載の追記型光記録媒体。
- 有機材料層中の有機材料は、その主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置し、かつ記録再生波長近傍には主吸収帯に帰属しない吸収帯を有する請求項1〜6の何れかに記載の追記型光記録媒体。
- 基板上に、有機材料層とこれに隣接する光吸収層が設けられた構造を有し、記録極性がロー・ツー・ハイであり、波長500nm以下の光により記録再生可能な追記型光記録媒体。
- 基板上に、光吸収層、有機材料層、反射層が順次設けられた構造を有する請求項8記載の追記型光記録媒体。
- 基板上に、反射層、有機材料層、光吸収層、カバー層が順次設けられた構造を有する請求項8記載の追記型光記録媒体。
- 光吸収層の光吸収機能により、有機材料層に複素屈折率変化、体積変化、空洞部の何れかを生じて記録極性がロー・ツー・ハイ化する請求項8〜10の何れかに記載の追記型光記録媒体。
- 光吸収層の光吸収機能により、光吸収層が変形して記録極性がロー・ツー・ハイ化する請求項8〜10の何れかに記載の追記型光記録媒体。
- 有機材料層中の有機材料の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に位置する請求項8〜12の何れかに記載の追記型光記録媒体。
- 更に有機材料層中の有機材料が、(記録再生波長における有機材料層の光吸収機能)<(記録再生波長における光吸収層の光吸収機能)の関係を満足する請求項13記載の追記型光記録媒体。
- 基板に案内溝を有し、溝部(グルーブ)と溝間部(ランド)の両方に記録部が形成される請求項1〜14の何れかに記載の追記型光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381401A JP3897695B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 短波長対応のロー・ツー・ハイ記録極性を有する追記型光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381401A JP3897695B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 短波長対応のロー・ツー・ハイ記録極性を有する追記型光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004213753A true JP2004213753A (ja) | 2004-07-29 |
JP3897695B2 JP3897695B2 (ja) | 2007-03-28 |
Family
ID=32817328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002381401A Expired - Fee Related JP3897695B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 短波長対応のロー・ツー・ハイ記録極性を有する追記型光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3897695B2 (ja) |
Cited By (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1628291A2 (en) * | 2004-08-20 | 2006-02-22 | NEC Corporation | Method for manufacturing optical disk media of high-to-low and low-to-high reflectance types |
JP2006205683A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2006236419A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
EP1724765A2 (en) * | 2005-04-14 | 2006-11-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
JP2007026541A (ja) * | 2004-07-16 | 2007-02-01 | Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd | 光記録媒体及び光記録媒体の光記録方法 |
EP1863021A2 (en) * | 2006-05-31 | 2007-12-05 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Multi-layer optical disc, information recording method and information reproducing method |
JP2009211806A (ja) * | 2009-06-16 | 2009-09-17 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2009255593A (ja) * | 2009-08-10 | 2009-11-05 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2009283130A (ja) * | 2009-08-31 | 2009-12-03 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2010080051A (ja) * | 2009-11-30 | 2010-04-08 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
US7778145B2 (en) | 2004-07-16 | 2010-08-17 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium and optical recording method of the same |
US7829965B2 (en) * | 2005-05-18 | 2010-11-09 | International Business Machines Corporation | Touching microlens structure for a pixel sensor and method of fabrication |
JP2010282706A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Taiyo Yuden Co Ltd | 光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体 |
US7876666B2 (en) | 2004-04-02 | 2011-01-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Write-once information recording medium and coloring matter material therefor |
JP2011054272A (ja) * | 2010-10-25 | 2011-03-17 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
US7914969B2 (en) * | 2005-04-14 | 2011-03-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US7960093B2 (en) | 2005-03-15 | 2011-06-14 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
JP2011141946A (ja) * | 2011-04-04 | 2011-07-21 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体、再生方法、再生装置、記録方法、記録装置、記録材料及び材料 |
JP2011175732A (ja) * | 2011-04-28 | 2011-09-08 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法、記録方法、再生装置及び記録装置 |
US8045430B2 (en) | 2002-09-30 | 2011-10-25 | Lg Electronics Inc. | Write-once type optical disc, and method and apparatus for managing defective areas on write-once type optical disc using TDMA information |
US8072853B2 (en) | 2003-01-27 | 2011-12-06 | Lg Electronics Inc. | Optical disc of write once type, method, and apparatus for managing defect information on the optical disc |
US8107336B2 (en) | 2003-05-09 | 2012-01-31 | Lg Electronics Inc. | Write once optical disc, and method and apparatus for recovering disc management information from the write once optical disc |
US8134896B2 (en) | 2003-10-20 | 2012-03-13 | Lg Electronics Inc. | Write-once optical disc, and method and apparatus for recording/reproducing data on/from the optical disc |
US8137894B2 (en) | 2005-02-22 | 2012-03-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
EP1748431B1 (en) * | 2005-07-29 | 2012-05-30 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical information recording medium |
JP2012128945A (ja) * | 2012-04-02 | 2012-07-05 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
US8232042B2 (en) * | 2005-03-31 | 2012-07-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
JP2012181919A (ja) * | 2012-06-11 | 2012-09-20 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法、記録方法、再生装置及び記録装置 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381401A patent/JP3897695B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (84)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8045430B2 (en) | 2002-09-30 | 2011-10-25 | Lg Electronics Inc. | Write-once type optical disc, and method and apparatus for managing defective areas on write-once type optical disc using TDMA information |
US8072853B2 (en) | 2003-01-27 | 2011-12-06 | Lg Electronics Inc. | Optical disc of write once type, method, and apparatus for managing defect information on the optical disc |
US8107336B2 (en) | 2003-05-09 | 2012-01-31 | Lg Electronics Inc. | Write once optical disc, and method and apparatus for recovering disc management information from the write once optical disc |
US8134896B2 (en) | 2003-10-20 | 2012-03-13 | Lg Electronics Inc. | Write-once optical disc, and method and apparatus for recording/reproducing data on/from the optical disc |
US7876666B2 (en) | 2004-04-02 | 2011-01-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Write-once information recording medium and coloring matter material therefor |
US7778145B2 (en) | 2004-07-16 | 2010-08-17 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium and optical recording method of the same |
JP2007026541A (ja) * | 2004-07-16 | 2007-02-01 | Mitsubishi Kagaku Media Co Ltd | 光記録媒体及び光記録媒体の光記録方法 |
JP4550682B2 (ja) * | 2004-07-16 | 2010-09-22 | 三菱化学メディア株式会社 | 光記録媒体及び光記録媒体の光記録方法 |
EP1628291A3 (en) * | 2004-08-20 | 2007-05-09 | NEC Corporation | Method for manufacturing optical disk media of high-to-low and low-to-high reflectance types |
EP1628291A2 (en) * | 2004-08-20 | 2006-02-22 | NEC Corporation | Method for manufacturing optical disk media of high-to-low and low-to-high reflectance types |
US8787138B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-07-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8724442B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8942076B2 (en) | 2005-01-31 | 2015-01-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8792320B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-07-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8665687B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8787139B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-07-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8780684B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-07-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8942077B2 (en) | 2005-01-31 | 2015-01-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8780685B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-07-15 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8730783B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8730782B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8958279B2 (en) | 2005-01-31 | 2015-02-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
JP4660217B2 (ja) * | 2005-01-31 | 2011-03-30 | 株式会社東芝 | 記憶媒体、再生方法、記録方法、再生装置及び記録装置 |
US8665682B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8730777B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8730784B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8040786B2 (en) | 2005-01-31 | 2011-10-18 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8971165B2 (en) | 2005-01-31 | 2015-03-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US9036457B2 (en) | 2005-01-31 | 2015-05-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8665683B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8127323B2 (en) | 2005-01-31 | 2012-02-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording medium |
JP2006205683A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
US8638650B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-01-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8817586B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-08-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8724438B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8717860B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-06 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8717861B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-05-06 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8665686B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8711668B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-04-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8705332B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-04-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8681597B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8675467B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-18 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8665684B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8665685B2 (en) | 2005-01-31 | 2014-03-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8379504B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-02-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8427916B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-04-23 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8446803B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-05-21 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8472292B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-06-25 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8547818B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-10-01 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8542568B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-09-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8542567B2 (en) | 2005-01-31 | 2013-09-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Information storage medium, reproducing method, and recording method |
US8531936B2 (en) | 2005-02-22 | 2013-09-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8137894B2 (en) | 2005-02-22 | 2012-03-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
JP2006236419A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-09-07 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
US7960093B2 (en) | 2005-03-15 | 2011-06-14 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8232042B2 (en) * | 2005-03-31 | 2012-07-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US7914969B2 (en) * | 2005-04-14 | 2011-03-29 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8142981B2 (en) * | 2005-04-14 | 2012-03-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8374069B2 (en) | 2005-04-14 | 2013-02-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8325584B2 (en) | 2005-04-14 | 2012-12-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
EP1724765A2 (en) * | 2005-04-14 | 2006-11-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8252510B2 (en) * | 2005-04-14 | 2012-08-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US8588047B2 (en) | 2005-04-14 | 2013-11-19 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Storage medium, reproducing method, and recording method |
US7829965B2 (en) * | 2005-05-18 | 2010-11-09 | International Business Machines Corporation | Touching microlens structure for a pixel sensor and method of fabrication |
US7898049B2 (en) | 2005-05-18 | 2011-03-01 | International Business Machines Corporation | Touching microlens structure for a pixel sensor and method of fabrication |
US8717858B2 (en) | 2005-07-29 | 2014-05-06 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Write-once type information storage medium (disk structure of recording type information storage medium having structure in which recording layer formed on transparent susbstrate is defined as inside), and information reproducing method or information recording method as well as storage medium manufacturing |
EP1748431B1 (en) * | 2005-07-29 | 2012-05-30 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical information recording medium |
EP2469512A3 (en) * | 2005-07-29 | 2012-08-01 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical head and information recording/reproducing apparatus |
EP2469536A3 (en) * | 2005-07-29 | 2012-08-01 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical head and information recording/reproducing apparatus |
US8218416B2 (en) | 2006-05-31 | 2012-07-10 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Multi-layer optical disc, information recording method and information reproducing method |
EP1863021A2 (en) * | 2006-05-31 | 2007-12-05 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Multi-layer optical disc, information recording method and information reproducing method |
US7869339B2 (en) | 2006-05-31 | 2011-01-11 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Multi-layer optical disc, information recording method and information reproducing method |
EP1863021B1 (en) * | 2006-05-31 | 2010-11-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Multi-layer optical disc, information recording method and information reproducing method |
JP2010282706A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Taiyo Yuden Co Ltd | 光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体 |
JP4630935B2 (ja) * | 2009-06-16 | 2011-02-09 | 株式会社東芝 | 記憶媒体、再生方法、再生装置、記録方法及び記録装置 |
JP2009211806A (ja) * | 2009-06-16 | 2009-09-17 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2009255593A (ja) * | 2009-08-10 | 2009-11-05 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2009283130A (ja) * | 2009-08-31 | 2009-12-03 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2010080051A (ja) * | 2009-11-30 | 2010-04-08 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2011054272A (ja) * | 2010-10-25 | 2011-03-17 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2011141946A (ja) * | 2011-04-04 | 2011-07-21 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体、再生方法、再生装置、記録方法、記録装置、記録材料及び材料 |
JP2011175732A (ja) * | 2011-04-28 | 2011-09-08 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法、記録方法、再生装置及び記録装置 |
JP2012128945A (ja) * | 2012-04-02 | 2012-07-05 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法及び記録方法 |
JP2012181919A (ja) * | 2012-06-11 | 2012-09-20 | Toshiba Corp | 記憶媒体、再生方法、記録方法、再生装置及び記録装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3897695B2 (ja) | 2007-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3897695B2 (ja) | 短波長対応のロー・ツー・ハイ記録極性を有する追記型光記録媒体 | |
US20060110569A1 (en) | Optical recording medium | |
JP4117878B2 (ja) | 追記型光記録媒体とその記録方法 | |
US8846298B2 (en) | Write-once-read-many optical disk having low-to-high recording property accommodating short wavelength recording | |
TWI298881B (ja) | ||
JP2005044491A (ja) | 光記録媒体およびその製造方法 | |
JP4750504B2 (ja) | 光記録媒体及びアゾ系金属キレート色素添加剤 | |
JP2004001375A (ja) | 追記型光記録媒体及び該光記録媒体用記録剤 | |
JP2005302261A (ja) | 光記録媒体 | |
JP2004247024A (ja) | 光記録媒体及びその記録再生方法 | |
JP4266773B2 (ja) | 短波長対応の追記型光記録媒体 | |
JP2003303447A (ja) | 光記録媒体 | |
JP5283573B2 (ja) | 光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体 | |
JP2005131816A (ja) | 短波長対応の追記型光記録媒体 | |
JP2001067732A (ja) | 光記録媒体 | |
JP3922690B2 (ja) | 光記録媒体とその記録方法 | |
JP3608873B2 (ja) | 光記録媒体 | |
JP2004253096A (ja) | 追記型光記録媒体 | |
JP2004127472A (ja) | 光記録媒体とその記録方法 | |
KR20010090164A (ko) | 고밀도 광기록매체 | |
JP5205521B2 (ja) | 光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体 | |
JP2003170664A (ja) | 情報記録媒体 | |
JP2004213745A (ja) | 追記型光記録媒体 | |
JP2008091001A (ja) | 光記録媒体 | |
JP2000082238A (ja) | 光記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061113 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061128 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3897695 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140105 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |