JP2004212458A - オートフォーカスシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撮影レンズに入射した被写体光はカメラ本体12の撮像素子に導かれると共にハーフミラー24によりピント状態検出用光路(光軸O′)に分岐され、ピント状態検出用(AF用)の撮像素子32A、32Bに導かれる。ピント状態検出用光路には、AF側絞り27が配設される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオートフォーカスシステムに係り、特に撮影レンズに入射した被写体光を光路長の異なる位置で撮像する複数のピント状態検出用撮像素子を備えた光路長差方式のオートフォーカスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビカメラ等に適用される光路長差方式のオートフォーカスシステムが提案されている(例えば、特許文献1乃至4参照)。光路長差方式のオートフォーカスシステムは、例えば、撮影レンズ内にハーフミラーが配置され、ハーフミラーによって撮影レンズに入射した被写体光がカメラ本体の撮像素子への光路とピント状態検出用光路とに分岐される。そして、ピント状態検出用光路に分岐された被写体光は光路長の異なる位置に配置された例えば2つの撮像素子(以下、ピント状態検出用撮像素子)により撮像される。各ピント状態検出用撮像素子により得られた映像信号は、高域周波数成分を抽出された後に1画面分の範囲毎に積算され、画像の鮮鋭度(コントラスト)を示す焦点評価値が生成される。
【0003】
ここで、例えば、各ピント状態検出用撮像素子は、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値が一致したときにフォーカスが合焦したと判断される位置関係にあり、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値が一致したときに合焦と判断でき、一致していない場合にはいずれの焦点評価値が大きいかによって前ピンか後ピンかを判断できる。即ち、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値に基づいて現在のピント状態(前ピン、後ピン、合焦)を知ることができ、フォーカスを合焦させるためのフォーカスの動作方向やフォーカスが合焦したことを即座に判断することができる。
【0004】
そこで、このような判断により各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値に基づいて撮影レンズのフォーカスが制御され、フォーカスが合焦状態に設定されるようになっている。
【0005】
また、特許文献5には、光路長差方式のオートフォーカスシステムにおいて、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値に基づくフォーカスの制御に関して、例えば、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値の差分を変数とする速度指令値によりフォーカスを速度制御することにより、フォーカスを合焦方向に移動させ合焦位置で停止させるようにしたフォーカス制御の方法が提案されている。
【0006】
以上のような光路長差方式のオートフォーカスシステムによれば次のような利点がある。従来の一般的なコントラスト方式のオートフォーカスシステムでは、例えばカメラ本体の撮像素子から得られた映像信号を使用して焦点評価値を求め、その焦点評価値がピーク点となるように焦点評価値が増加する方向にフォーカスを動かすようにしているが(いわゆる山登り方式)、この場合、焦点評価値の増加方向を判断するためにフォーカスを前後に動作させるワブリングという動作が必要となる。また、焦点評価値の増加方向にフォーカスを動かした際にピーク点を判別するためにフォーカスをそのピーク点を超えて動かす必要がある。そのためフォーカスの動作が不自然になる場合がある。これに対して、光路長差方式のオートフォーカスシステムでは同時に得られる各ピント状態検出用撮像素子からの焦点評価値により合焦か否かや、合焦でない場合の合焦方向を即座に判断することができるため、上述のような動作は不要でありフォーカスの動作が極めて自然である。
【0007】
【特許文献1】
特願2001−168246
【0008】
【特許文献2】
特願2001−168247
【0009】
【特許文献3】
特願2001−168248
【0010】
【特許文献4】
特願2001−168249
【0011】
【特許文献5】
特願2002−243359
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高域周波数成分を多く含んだ被写体を撮影する場合、焦点評価値特性を表す曲線、即ち、フォーカスの位置と焦点評価値との関係を示すグラフ上の曲線が焦点評価値のピーク点付近で急峻な上り、下りの山型を示す。このため、合焦位置に移動させ、合焦位置で停止させるフォーカスの動作制御が平均的な焦点評価値特性のときにおいて適切であっても、高域周波数成分を多く含んだ被写体に対する焦点評価値特性のときには速すぎとなり、光路長差方式のオートフォーカスシステムにおいても、フォーカスが合焦位置を超えてオーバーシュートを起こしたり、フォーカスが合焦位置で停止することができずにハンチングを起こすなどの問題が生じていた。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、光路長差方式のオートフォーカスシステムにおいて、被写体によって不自然なフォーカス動作とならず、安定したフォーカス動作で確実に合焦させることができるオートフォーカスシステムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮影レンズに入射した被写体光を被写体画像取得用の光路からピント状態検出用光路に分岐する被写体光分岐手段と、該被写体光分岐手段によって前記ピント状態検出用光路に導かれた被写体光を光路長の異なる位置で撮像する複数の撮像手段と、前記各撮像手段により撮像された画像の鮮鋭度を示す焦点評価値を生成する焦点評価値生成手段と、前記各撮像手段のそれぞれに対応して前記焦点評価値生成手段により生成された焦点評価値に基づいて前記撮影レンズのフォーカスを制御することにより、前記撮影レンズのフォーカスを合焦させるフォーカス制御手段と、を備えたオートフォーカスシステムにおいて、前記ピント状態検出用光路に絞りを配置し、該絞りの開口量を調整することにより、前記ピント状態検出用光路に導かれた被写体光の焦点深度を調整できるようにしたことを特徴としている。
【0015】
本発明によれば、ピント状態検出用光路に絞りを配置し、ピント状態検出用光路に導かれた被写体光の焦点深度を調整できるようにしたため、焦点評価値のピーク付近での特性を変更することが可能となる。従って、高域周波数成分を多く含む被写体に対しても焦点評価値のピーク付近での特性が急峻とならないように調整することが可能となり、オーバーシュートやハンチング等の不具合なく、自然且つ安定した動作で確実にフォーカスを合焦させることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るオートフォーカスシステムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0017】
図1は、本発明に係るオートフォーカスシステムが適用されたテレビカメラシステムのブロック図である。同図に示すように、このテレビカメラシステムは、レンズ装置10とカメラ本体12等から構成されており、カメラ本体12には、放映用の映像を撮影し、所定形式の映像信号を出力又は記録媒体に記録するための撮像素子(以下、映像用撮像素子という)や所要の回路等が搭載されている。
【0018】
レンズ装置10は、カメラ本体12に着脱可能に装着され、主に光学系(撮影レンズ)と制御系とから構成されている。まず、撮影レンズの構成について説明すると、撮影レンズには、フォーカスレンズ(群)16、ズームレンズ(群)18、絞り20、前側リレーレンズ22Aと後側リレーレンズ22Bとからなるリレーレンズ(リレー光学系)等が配置されている。そして、リレー光学系の前側リレーレンズ22Aと後側リレーレンズ22Bとの間には、撮影レンズに入射した被写体光をピント状態検出用光路に分岐するためのハーフミラー24が配置されている。
【0019】
ハーフミラー24は、撮影レンズの光軸Oに対して略45度傾斜して設置されており、前側リレーレンズ22Aを通過した被写体光の一部(例えば1/3の光量)がピント状態検出用光路にピント状態検出用の被写体光として直角に反射するようになっている。
【0020】
ハーフミラー24を透過した被写体光は、映像用(被写体画像取得用)の被写体光として撮影レンズの後端側から射出されたのち、カメラ本体12の撮像部14に入射する。撮像部14の構成については省略するが、撮像部14に入射した被写体光は、例えば色分解光学系により、赤色光、緑色光、青色光の3色に分解され、各色ごとの映像用撮像素子の撮像面に入射する。これによって放映用のカラー映像が撮影される。なお、図中のピント面Pは、各映像用撮像素子の撮像面に対して光学的に等価な位置を撮影レンズの光軸O上に示したものである。
【0021】
一方、ハーフミラー24で反射された被写体光は、ピント状態検出用(オートフォーカス(AF)用)の被写体光として光軸Oに対して垂直な光軸O′に沿ってピント状態検出用光路を進行し、リレーレンズ26に入射する。そして、このリレーレンズ26で集光され、絞り27を介してピント状態検出部28に入射する。尚、絞り27を絞り20と区別してAF側絞り27というものとする。
【0022】
ピント状態検出部28は、光分割光学系を構成する2つのプリズム30A、30Bと、ピント状態検出用の一対の撮像素子32A、32B(以下、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bという)とで構成されている。
【0023】
上述したようにハーフミラー24で反射した被写体光は、光軸O′に沿って進行し、まず、第1プリズム30Aに入射する。そして、第1プリズム30Aのハーフミラー面Mで反射光と透過光に等分割される。このうち反射光は一方のピント状態検出用撮像素子32Aの撮像面に入射し、透過光は他方のピント状態検出用撮像素子32Bに入射する。尚、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bのそれぞれの撮像面には、例えば、撮影レンズに入射した全被写体光のうちの1/6の光量が入射する。
【0024】
図2は、カメラ本体12の映像用撮像素子に入射する被写体光の光軸と一対のピント状態検出用撮像素子32A、32Bに入射する被写体光の光軸を同一直線上に表示したものである。同図に示すように、一方のピント状態検出用撮像素子32Aに入射する被写体光の光路長は、他方のピント状態検出用撮像素子32Bに入射する被写体光の光路長よりも短く設定され、映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に入射する被写体光の光路長は、その中間の長さとなるように設定されている。すなわち、一対のピント状態検出用撮像素子32A、32B(の撮像面)は、それぞれ映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に対して前後等距離(d)の位置に配置されている。
【0025】
従って、ハーフミラー24で分岐されたピント形態検出用の被写体光は、一対のピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより、映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に対して前後等距離の位置で撮像される。尚、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bは後述のようにピント状態検出(オートフォーカス制御)のための映像信号を取得するものであり、カラー映像を撮像するものである必要はなく、本実施の形態では白黒画像を撮像するCCDであるものとする。
【0026】
次に、レンズ装置10におけるオートフォーカス制御に関連する制御系について説明する。図3は、フォーカス制御に関連する制御系の構成を示したブロック図である。上記フォーカスレンズ16は、図3に示すようにフォーカスモータ50に連結されており、フォーカスモータ50が駆動されると、フォーカスレンズ16が光軸方向に移動しフォーカスが変更される。フォーカスモータ50には、フォーカスモータ駆動回路52から駆動電圧が与えられ、フォーカスモータ駆動回路52にはCPU54からの制御信号が与えられる。
【0027】
CPU54からの制御信号は、例えば、フォーカスモータ50の回転速度、即ち、フォーカスレンズ16の移動速度に対応する電圧値を示しており、その電圧値がフォーカスモータ駆動回路52に与えられると、フォーカスモータ駆動回路52によって電圧増幅され、その増幅された電圧が駆動電圧としてフォーカスモータ50に印加される。これによって、フォーカスモータ50の回転速度がCPU54によって制御される。
【0028】
また、CPU54には、フォーカスレンズ位置検出器56からフォーカスレンズ16の現在位置に対応した値のフォーカス位置信号がCPU54に与えられるようになっている。従って、CPU54の処理において、上述のようにフォーカスモータ50の回転速度を制御することにより、フォーカスレンズ16の動作速度を所望の速度に制御することができ、また、フォーカスレンズ位置検出器56からのフォーカス位置信号を取得しながらフォーカスモータ50の回転速度を制御することにより、フォーカスレンズ16の設定位置を所望の位置に制御することができるようになっている。
【0029】
尚、フォーカスの制御は、図示しない所定のスイッチによってマニュアルフォーカス制御に切り替えることも可能であり、マニュアルフォーカス制御の場合には、操作者のマニュアル操作に従ってフォーカスデマンド等からの指令信号がCPU54に与えられ、その指令信号に基づいてフォーカスレンズ16の位置等が上述のように制御される。
【0030】
一方、上記一対のピント状態検出用撮像素子32A、32Bで撮像された画像(映像)は、1画面を構成する複数の走査線(水平ライン)にそって各画素値を順次伝送する映像信号として出力され、焦点評価値生成部58に入力される。焦点評価値生成部58の構成、処理については後述するが、焦点評価値生成部58において、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより得られた映像信号から、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより撮像された各画像のコントラスト(鮮鋭度)の高低を示す焦点評価値が生成され、それらの生成された焦点評価値がCPU54に与えられるようになっている。尚、ピント状態検出用撮像素子32Aからの映像信号に基づいて生成された焦点評価値を、チャンネルA(chA)の焦点評価値といい、ピント状態検出用撮像素子32Bからの映像信号に基づいて生成された焦点評価値を、チャンネルB(chB)の焦点評価値という。
【0031】
CPU54は、詳細を後述するように、焦点評価値生成部58からchAとchBの焦点評価値を取得し、その取得した焦点評価値に基づいて撮影レンズのピント状態が合焦となるようにフォーカスレンズ16の位置を制御する。
【0032】
ここで、焦点評価値生成部58の構成及び処理について説明する。図4に示すように、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから出力された映像信号は、それぞれ焦点評価値生成部58のA/D変換器80A、80Bに入力され、デジタル信号に変換される。尚、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bは、いずれも白黒画像を撮影するCCDであり、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから出力される映像信号は、それぞれの画面を構成する各画素の輝度値を示す輝度信号である。
【0033】
A/D変換器80A、80Bによってデジタル信号に変換された映像信号はそれぞれハイパスフィルタ(HPF)82A、82Bに入力され、各映像信号に含まれる高域周波数成分の信号が抽出される。そして、HPF82A、82Bによりそれぞれ抽出された高域周波数成分の信号は、ゲート回路84A、84Bに入力される。
【0034】
ゲート回路84A、84Bに入力された高域周波数成分の信号は、画面上の所定のフォーカスエリア内(例えば、画面中央部)の画素に対応する範囲の信号のみを抽出され、それぞれ加算器86A、86Bに入力される。そして、加算器86A、86Bにより加算される。これにより、フォーカスエリア内における映像信号の高域周波数成分の値の総和が求められる。加算器86A、86Bによって得られた値は、フォーカスエリア内における画像の鮮鋭度の高低を示す焦点評価値であり、加算器86Aで得られた焦点評価値はチャンネルA(chA)の焦点評価値として、加算器86Bで得られた焦点評価値はチャンネルB(chB)の焦点評価値としてCPU54に与えられる。
【0035】
尚、同図に示す同期信号発生回路88からは、各種同期信号が各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bやゲート回路84A、84B等の各回路に与えられており、各回路の処理の同期が図られている。
【0036】
続いて、上記焦点評価値に基づくピント状態検出及びフォーカス(フォーカスレンズ16)の制御について説明すると、上記のように焦点評価値生成部58から取得されるchAとchBの焦点評価値により映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に対する撮影レンズの現在のピント状態を検出することができる。
【0037】
図5は、横軸に撮影レンズのフォーカスレンズ16の位置(フォーカス位置)、縦軸に焦点評価値をとり、ある被写体を撮影した際のフォーカス位置に対する焦点評価値の分布特性を示した図である。図中点線で示す曲線Cは、映像用撮像素子(又は映像用撮像素子と共役の位置に配置された撮像素子)からの映像信号により焦点評価値を求めたと仮定した場合にその焦点評価値をフォーカス位置に対して示したものであり、図中実線で示す曲線A、Bは、それぞれピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られるchAとchBの焦点評価値をフォーカス位置に対して示したものである。同図において、曲線Cの焦点評価値が最大(極大)となる位置F3が合焦位置である。
【0038】
撮影レンズのフォーカス位置が同図のF1に設定された場合、chAの焦点評価値VA1は、曲線Aの位置F1に対応する値となり、chBの焦点評価値VB1は、曲線Bの位置F1に対応する値となる。そして、この場合、chAの焦点評価値VA1の方が、chBの焦点評価値VB1よりも大きくなり、このことから、フォーカス位置が合焦位置(F3)よりも至近側に設定された状態、すなわち、前ピンの状態であることが分かる。
【0039】
一方、撮影レンズのフォーカス位置が同図のF2に設定された場合、chAの焦点評価値VA2は、曲線Aの位置F2に対応する値となり、chBの焦点評価値VB2は、曲線Bの位置F2に対応する値となる。そして、この場合、chAの焦点評価値VA2の方が、chBの焦点評価値VB2よりも小さくなり、このことから、フォーカス位置が合焦位置(F3)よりも無限遠側に設定された状態、すなわち、後ピンの状態であることが分かる。
【0040】
これに対して、撮影レンズのフォーカス位置がF3、すなわち合焦位置に設定された場合、chAの焦点評価値VA3は、曲線Aの位置F3に対応する値となり、chBの焦点評価値VB3は、曲線Bの位置F3に対応する値となる。このとき、chAの焦点評価値VA3とchBの焦点評価値VB3は等しくなり、このことから、フォーカス位置が合焦位置(F3)に設定された状態であることが分かる。
【0041】
このように、焦点評価値生成部58から得られるchAとchBの焦点評価値により、撮影レンズの現在のピント状態が前ピン、後ピン、合焦のいずれの状態であるかを検出することができる。
【0042】
従って、焦点評価値生成部58から得られるchAとchBの焦点評価値に基づいてフォーカスレンズ16の位置を制御することにより、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させることができる。即ち、chAとchBの焦点評価値が、前ピンであると判断される状態の場合には、フォーカスレンズ16を無限遠方向に移動させ、後ピンであると判断される状態の場合には、フォーカスレンズ16を至近方向に移動させ、合焦であると判断される状態となった場合には、フォーカスレンズ16をその位置で停止させることによって、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させることができる。
【0043】
そこで、CPU54は、chA、chBの焦点評価値に基づいてフォーカスレンズ16を次のように制御する。まず、焦点評価値生成部58から取得されるchAの焦点評価値をAFV#A、chBの焦点評価値をAFV#Bとすると、AFV#A>AFV#Bの場合には前ピンの状態であることからCPU54は、現在設定されているフォーカスレンズ16の移動目標位置を無限遠側に後述する移動量分(正の値)だけ変化させ、その新たな移動目標位置にフォーカスレンズ16を移動させる制御信号を上記フォーカスモータ駆動回路52に出力する。反対にAFV#A<AFV#Bの場合には後ピンの状態であることから、現在設定されているフォーカスレンズ16の移動目標位置を至近側に後述する移動量分(負の値)だけ変化させ、その新たな移動目標位置にフォーカスレンズ16を移動させる制御信号を上記フォーカスモータ駆動回路52に出力する。このような処理を繰り返し、AFV#A=AFV#Bとなった場合にはフォーカスレンズ16の移動を停止させる。これによってフォーカスレンズ16が合焦位置に移動する。
【0044】
ここで、フォーカスレンズ位置検出器56から取得されるフォーカスレンズ16の現在位置を示すフォーカス位置信号の値(フォーカス位置データ)をF#POSIとし、上述のように設定されるフォーカスレンズ16の移動目標位置をAF#CTRLとすると、CPU54は移動目標位置AF#CTRLから現在位置F#POSIを引いた値、即ち、AF#CTRL−F#POSIを制御信号の値F#SPEEDとしてフォーカスモータ駆動回路52に出力する。フォーカスモータ駆動回路52に出力される制御信号は、フォーカスモータ駆動回路52に指令するフォーカスモータ42の回転速度(フォーカスレンズ16の移動速度)に対応した値であり、上述のように設定した制御信号の値F#SPEEDをフォーカスモータ駆動回路52に出力することで、移動目標位置AF#CTRLと現在位置F#POSIとの差(AF#CTRL−F#POSI)に対応した速度でフォーカスレンズ16が移動することになる。
【0045】
続いて、フォーカスレンズ16の新たな移動目標位置を設定する際に現在の移動目標位置に加算する移動量について説明する。上述のようにフォーカスレンズ16の現在位置F#POSIと移動目標位置AF#CTRLとの差は、フォーカスレンズ16の移動速度に対応しており、新たな移動目標位置AF#CTRLを設定する際に現在の移動目標位置に加算する上記移動量が大きいほど、フォーカスレンズ16の移動速度が速くなり、上記移動量が小さい程、フォーカスレンズ16の移動速度が小さくなる。
【0046】
一方、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させる場合に、フォーカスレンズ16を合焦位置に安定した動作で確実に停止させるためには、フォーカスレンズ16が合焦位置に近づいていく程、上記移動量を小さくしてフォーカスレンズ16の移動速度を遅くし、合焦位置に到達した場合に移動量を0としてフォーカスレンズ16の移動速度を0にする必要がある。
【0047】
そこで、CPU54は、上記chAとchBの焦点評価値の差ΔAFV(=AFV#A−AFV#B)を求め、その差ΔAFV(=AFV#A−AFV#B)に所定のAFゲインAFGをかけた値ΔAFV*AFGを上記移動量として設定する。これにより、フォーカスレンズ16が合焦位置に到達した場合、即ち、焦点評価値の差ΔAFVが0(AFV#A=AFV#B)となった場合には、上記移動量ΔAFV*AFGが0となり、フォーカスレンズ16がその合焦位置で停止する。また、図5から分かるようにフォーカスレンズ16が合焦位置付近から合焦位置に近づいていく際に、焦点評価値の差ΔAFVが減少して移動量ΔAFV*AFGが徐々に0に近づいていき、フォーカスレンズ16の移動速度も徐々に減速する。
【0048】
尚、上述のようにchAとchBの焦点評価値の差ΔAFVに所定のAFゲインAFGをかけた値ΔAFV*AFGを上記移動量とするのではなく、次のように上記移動量を設定することもできる。即ち、CPU54は、まず、chAの焦点評価値AFV#AとchBの焦点評価値AFV#Bの比ΔAFV=AFV#A/AFV#Bを求める。そして、AFV#A>AFV#B(ΔAFV>1)の場合、即ち、前ピンの状態(図5参照)の場合には、移動量を(ΔAFV−1)*AFGとする。尚、AFGは、所定のAFゲインの値を示す。一方、AFV#A≦AFV#B(ΔAFV≦1)の場合、即ち、後ピンの状態(又は合焦の状態)の場合には、移動量を−(1/ΔAFV−1)*AFGとする。
【0049】
これにより、フォーカスレンズ16が合焦位置に到達した場合には、ΔAFV=1であるから移動量が0となり、フォーカスレンズ16がその合焦位置で停止する。また、フォーカスレンズ16が合焦位置付近から合焦位置に近づいていく際に、(ΔAFV−1)又は(1/ΔAFV−1)が減少して移動量が徐々に0に近づいていき、フォーカスレンズ16の移動速度も徐々に減速する。
【0050】
尚、フォーカスを合焦位置に設定するための制御は上述した方法に限らず、他の方法を用いることもできる。
【0051】
次に、レンズ装置10における絞り制御及びピント状態検出用撮像素子32A、32Bの電子シャッター制御に関連する制御系について説明する。図1に示したようにレンズ装置10の撮影レンズには、光軸O上の絞り20と光軸O′上(ピント状態検出用光路)のAF側絞り27とが配置されている。絞り20は、一般の撮影レンズにおける絞りと同じ目的であり、主にカメラ本体12の映像用撮像素子に入射する被写体光の光量を適正光量に調整することを目的とする。
【0052】
一方、AF側絞り27は、主にピント状態検出用撮像素子32A、32Bに入射する被写体光(以下、AF用被写体光という)の焦点深度を適正にすることを目的とする。例えば、高域周波数成分を多く含む被写体を撮影する場合、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られる焦点評価値の分布形状は、図6のSA、SBのようにピーク点付近で急峻な傾斜を持つ山型の曲線となる。この状況において上述のようにchAとchBの焦点評価値の差分に基づいてフォーカスの動作速度を制御すると、合焦点F3の近傍でもフォーカスの動作速度が速いために、合焦点F3でフォーカスを停止させることが困難となる。このため、オーバーシュートやハンチングなどの不安定なフォーカス動作を招くおそれがある。
【0053】
しかしながら、焦点評価値特性は、AF用被写体光の焦点深度によって変化し、焦点深度を深くすることによってピーク点付近の焦点評価値特性を緩やかにすることができる。そのため、AF側絞り27をピント状態検出用光路に配置し、AF側絞り27によってAF用被写体光の焦点深度を適正にすることで、高域周波数成分を多く含む被写体に対しても図6の点線で示すSA′、SB′のようにピーク点付近の焦点評価値特性を緩やかし、上述の不具合が生じないようにしている。
【0054】
図7に示すように絞り20及びAF側絞り27は、それぞれアイリスモータ100、110に連結されており、アイリスモータ100、110がアイリス駆動回路102、112によって駆動されると、それに従って絞り20、AF側絞り27のそれぞれの開口量(絞り値)が変化するようになっている。CPU54は、各アイリス位置検出器104、114から絞り20、AF側絞り27の現在の絞り値に応じた値を示すアイリス位置信号を取得しながら、それらの信号値が目標のアイリス位置を示す値となるようにアイリス駆動回路102、112に制御信号を出力し、アイリスモータ100、110を駆動する。これによって、絞り20、AF側絞り27の絞り値が変化し、それぞれCPU54が意図した目標の絞り値に設定される。
【0055】
絞り20の適正な絞り値は、例えば、カメラ本体12の映像用撮像素子により得られた映像信号に基づいてその映像信号の輝度レベルが適切となるようにカメラ本体12の処理回路によって決定される。そして、その絞り値を示す制御信号がカメラ本体12からCPU54に与えられ、上述の制御により絞り20がその絞り値に設定される。
【0056】
これに対して、AF側絞り27の適正な絞り値は、上述のようにAF用被写体光の焦点深度(ピーク付近での焦点評価値特性)が適正となるように決定される。但し、その焦点深度は、AF側絞り27の絞り値のみでなく絞り20の絞り値によっても変化するため、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bに至るまでの光学系全体として絞り20とAF絞り27の両方を考慮した絞り値が適正な焦点深度を実現するものとなるように、絞り20の絞り値を考慮してAF側絞り27の絞り値が設定される。
【0057】
ここで、本実施の形態では、AF用被写体光の焦点深度を調整する目的で絞り20の絞り値を変更しないものとする。このため、AF側絞り27の絞り値によりAF用被写体光の焦点深度を適正に調整できるのは、絞り20のみによる焦点深度が適正な焦点深度よりも浅い場合である。この場合に、AF側絞り27の絞り値を調整して焦点深度を適正にしたとすると、その焦点深度はAF側絞り27の絞り値によるところが大きく、絞り20の絞り値にはほとんど影響されないものとすることができる。また、絞り20の絞り値に影響されるとしても適正とみなせる焦点深度の値にある程度の幅がある。従って、絞り20の絞り値に応じてAF側絞り27の絞り値を変更することなく、AF側絞り27の絞り値を所定の値に設定することによって焦点深度を適正にすることができる。
【0058】
従って、後述する図8のフローチャートの絞り制御では、原則としてAF側絞り27は、焦点深度を適正にするとして事前に決められた絞り値(例えば、Fナンバー11)に設定される。
【0059】
尚、絞り20のみによる焦点深度が適正な焦点深度よりも深い場合には、AF側絞り27の調整によって焦点深度を適正にすることはできない。この場合に、AF側絞り27が前述のように焦点深度を適正にする絞り値に設定されていれば、焦点深度はAF側絞り27の絞り値にほとんど影響されないため、AF側絞り27によって焦点深度を更に深くしてしまう不具合は生じない。
【0060】
一方、適正な焦点深度となるようにAF側絞り27の絞り値を設定した場合、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより得られる画像(映像信号)の輝度レベルが適正でなく焦点評価値のレベルが適正でなくなるおそれがある。そのため、輝度レベルの調整を主としてピント状態検出用撮像素子32A、32Bに対する電子シャッター機能により行う。電子シャッター機能は、周知のように各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bの受光部における電荷蓄積時間(電子シャッター時間)を可変する露出制御機能であり、電子シャッター時間、即ち、電子シャッター速度は、CPU54からの指令信号に基づいて図7に示したCCD駆動回路120A、120Bによって制御されるようになっている。また、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られる映像信号の輝度レベルは、例えばピント状態検出用撮像素子32Aにより映像信号を取得した輝度レベル検出回路122により検出され、CPU54に与えられる。尚、輝度レベルは、例えば、フォーカスエリア内の各画素に対応する映像信号の信号値を積算したものを評価値とすることができる。
【0061】
CPU54は、上述のように検出される輝度レベルが適正な値(基準レベル)となるように各CCD駆動回路120A、120Bに指令信号を出力して電子シャッター速度を変更する。但し、被写体が暗すぎて電子シャッター速度を最も遅く(電子シャッター時間を最も長く)しても輝度レベルが基準レベルに達しない場合には、AF側絞り27の絞り値を変更し(開口量を大きくする)、輝度レベルが適正な値となるように制御する。
【0062】
次に、CPU54におけるAF側絞り27の制御及び電子シャッターの制御に関する具体的な処理手順について図8のフローチャートを用いて説明する。まず、CPU54は所要の初期設定を行った後(ステップS10)、AF側絞り27を絞り値(Fナンバー)F11まで絞る(ステップS12)。尚、絞り値F11は、AF用被写体光の焦点深度を適正にする絞り値として事前に決められた値である。次にCPU54は、輝度レベル検出回路122から各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより撮像された画像(映像信号)の輝度レベルAを読み込む(ステップS14)。そして、その輝度レベルAが基準レベルより大きいか否かを判定する(ステップS16)。YESと判定した場合、続いて、AF側絞り27が絞り値F11より開いているか(絞り値がF11より小さいか)否かを判定する(ステップS18)。尚、AF側絞り27は、後述するステップS32により絞り値F11より開いている場合がある。ここで、YESと判定した場合には、AF側絞り27を所定量閉じる(ステップS20)。尚、この処理でAF側絞り27の絞り値がF11より閉じられることはない。
【0063】
一方、ステップS18においてNOと判定した場合には、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bの電子シャッター速度が最高速度(電子シャッター時間が最短)か否かを判定する(ステップS22)。NOと判定した場合には、電子シャッター速度を一定値分速くする(電子シャッターを一定量分閉じる)(ステップS24)。ステップS18においてYESと判定した場合には、なにも実行しない。尚、ステップS18においてYESと判定されるほどAF用被写体光が明るいという場合はほとんどあり得ないため特別な処置を講じなくても特に問題はない。
【0064】
以上のステップS20又はステップS24の処理が終了すると、又は、ステップS18においてYESと判定すると、続いて、CPU54は、撮影レンズのフォーカスを合焦させるためのAF処理により、上述のように各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られるchA、chBの焦点評価値に基づいて撮影レンズのフォーカスを制御する(ステップS26)。そして、ステップS14からの処理を繰り返す。
【0065】
一方、ステップS16においてNOと判定した場合、続いて、電子シャッター速度は最低速度(開放)か否かを判定する(ステップS28)。尚、輝度レベルAが基準レベルに一致している場合には、AF側絞り27及び電子シャッターの制御を行うことなく、AF処理(ステップS26)を実行するようにしてもよい。また、基準レベルの値に幅を持たせ、その範囲内に輝度レベルAが入る場合には、AF側絞り27及び電子シャッターの制御を行うことなく、AF処理(ステップS26)を実行するようにしてもよい。ステップS28においてNOと判定した場合、電子シャッター速度を一定値分遅くする(電子シャッターを一定量分開く)(ステップS30)。即ち、輝度レベルが基準レベルより低い場合には、できるだけ電子シャッター速度の調整で輝度レベルを上げる。
【0066】
ステップS28においてYESと判定した場合には、続いて、AF側絞り27が開放か否かを判定する(ステップS30)。ここで、NOと判定した場合には、AF側絞り27を一定量開く(ステップS32)。一方、YESと判定した場合には、なにも行わない。
【0067】
以上のステップS30又はステップS34の処理が終了すると、又は、ステップS30においてYESと判定すると、上述したステップS26のAF処理を実行する。そして、ステップS14からの処理を繰り返す。
【0068】
尚、図8のフローチャートに示した処理は、絞り20の絞り値にかかわらず、AF側絞り27の絞り値が所定値(F11)の場合にAF用被写体光の焦点深度が適正であるとしてステップS12やステップS18の処理を行っていたが、絞り20の絞り値とAF側絞り27の絞り値の両方を考慮した光学系全体の絞り値が所定値(例えばF11)のときに焦点深度が適正であるとしてステップS12やステップS18の処理を行うようにしてもよい。
【0069】
次に、CPU54におけるAF側絞り27の制御及び電子シャッターの制御に関する具体的な処理手順について他の実施の形態を説明する。図8に示した処理では、焦点深度(焦点評価値特性)を適正にする絞り値が事前に決められている場合について説明したが、焦点評価値特性が適正かどうかを実際に取得した焦点評価値に基づいて判断しながらAF側絞り27を制御して焦点深度を変更し、焦点評価値特性を適正にすることもできる。
【0070】
図9は、この場合のCPU54における処理手順を示したフローチャートである。まず、CPU54は所要の初期設定を行った後(ステップS40)、焦点評価値生成部58から得られる2個分のchA又はchBの焦点評価値から焦点評価値の変化量を算出する(ステップS42)。尚、chAとchBの焦点評価値の変化量を両方求めて、そのうち大きい方を採用してもよい。続いてCPU54は、輝度レベル検出回路122から各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより撮像された画像(映像信号)の輝度レベルAを読み込む(ステップS44)。
【0071】
次に、CPU54は、ステップS42で算出した焦点評価値の変化量が規定値以上か否かを判定する(ステップS46)。YESと判定した場合にはAF側絞り27を所定量閉じ、焦点深度を深くする(ステップS48)。一方、NOと判定した場合には、AF側絞り27を所定量開き、焦点深度を浅くする(ステップS50)。
【0072】
ステップS48又はステップS50の処理が終了すると、次にCPU54は、ステップS44で得た輝度レベルAが基準レベルより大きいか否かを判定する(ステップS52)。YESと判定した場合には、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bの電子シャッター速度が最高速度(電子シャッター時間が最短)か否かを判定する(ステップS54)。NOと判定した場合には、電子シャッター速度を一定値分速くする(電子シャッターを一定量分閉じる)(ステップS56)。ステップS54においてYESと判定した場合には、なにも行わない。そして、CPU54は、撮影レンズのフォーカスを合焦させるためのAF処理により、上述のように各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られるchA、chBの焦点評価値に基づいて撮影レンズのフォーカスを制御する(ステップS58)。続いて、ステップS42からの処理を繰り返す。
【0073】
一方、ステップS52においてNOと判定した場合、電子シャッター速度は最低速度(開放)か否かを判定する(ステップS60)。NOと判定した場合には、電子シャッター速度を一定値分遅くする(電子シャッターを一定量分開く)(ステップS62)。YESと判定した場合には、なにも行わない。そして、CPU54は、上述したステップS58のAF処理を実行する。続いて、ステップS42からの処理を繰り返す。
【0074】
以上、上記実施の形態では、2つのピント検出用撮像素子32A、32Bから2つの焦点評価値を取得してAF制御を行う場合について説明したが、これに限らず、光路長が異なる位置に配置された3つ以上の撮像素子から得られる3つ以上の焦点評価値に基づいてAF制御を行う場合でも本発明を適用することができる。
【0075】
また、上記実施の形態では、本発明をテレビカメラシステムに適用した場合を例に説明したが、本発明はこれに限らず、ビデオカメラや静止画を撮影するスチルカメラにも適用することができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るオートフォーカスシステムによれば、ピント状態検出用光路に絞りを配置し、ピント状態検出用光路に導かれた被写体光の焦点深度を調整できるようにしたため、焦点評価値のピーク付近での特性を変更することが可能となる。従って、高域周波数成分を多く含む被写体に対しても焦点評価値のピーク付近での特性が急峻とならないように調整することが可能となり、オーバーシュートやハンチング等の不具合なく、自然且つ安定した動作で確実にフォーカスを合焦させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るオートフォーカスシステムが適用されたテレビカメラシステムのブロック図である。
【図2】図2は、映像用撮像素子に入射する被写体光の光軸と一対のピント状態検出用撮像素子に入射する被写体光の光軸を同一直線上に表示した図である。
【図3】図3は、フォーカス制御に関連するレンズ装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図4】図4は、焦点評価値生成部の構成を示したブロック図である。
【図5】図5は、横軸に撮影レンズのフォーカス位置、縦軸に焦点評価値をとり、ある被写体を撮影した際のフォーカス位置に対する焦点評価値の様子を示した図である。
【図6】図6は、コントラストが極めて高い場合の焦点評価値特性を示した図である。
【図7】図7は、絞り制御及び電子シャッター制御に関連するレンズ装置の制御系の構成を示したブロック図である。コントラストが極めて高い場合の焦点評価値特性を示した図である。
【図8】図8は、AF側絞りの制御及び電子シャッターの制御に関する処理手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、AF側絞りの制御及び電子シャッターの制御に関する他の実施の形態の処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…レンズ装置、12…カメラ本体、14…撮像部、16…フォーカスレンズ(群)、18…ズームレンズ(群)、20…絞り、22A…前側リレーレンズ、22B…後側リレーレンズ、24…ハーフミラー、26…リレーレンズ、27…AF側絞り、28…ピント状態検出部、30A…第1プリズム、30B…第2プリズム、32A、32B…ピント状態検出用撮像素子、50…フォーカスモータ、52…フォーカスモータ駆動回路、54…CPU、56…フォーカスレンズ位置検出器、58…焦点評価値生成部、80A、80B…A/D変換器、82A、82B…ハイパスフィルタ(HPF)、84A、84B…ゲート回路、86A、86B…加算器、100、110…アイリスモータ、102、112…アイリス駆動回路、104、114…アイリス位置検出器、120A、120B…CCD駆動回路、122…輝度レベル検出回路
Claims (1)
- 撮影レンズに入射した被写体光を被写体画像取得用の光路からピント状態検出用光路に分岐する被写体光分岐手段と、該被写体光分岐手段によって前記ピント状態検出用光路に導かれた被写体光を光路長の異なる位置で撮像する複数の撮像手段と、前記各撮像手段により撮像された画像の鮮鋭度を示す焦点評価値を生成する焦点評価値生成手段と、前記各撮像手段のそれぞれに対応して前記焦点評価値生成手段により生成された焦点評価値に基づいて前記撮影レンズのフォーカスを制御することにより、前記撮影レンズのフォーカスを合焦させるフォーカス制御手段と、を備えたオートフォーカスシステムにおいて、
前記ピント状態検出用光路に絞りを配置し、該絞りの開口量を調整することにより、前記ピント状態検出用光路に導かれた被写体光の焦点深度を調整できるようにしたことを特徴とするオートフォーカスシステム。
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-
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