JP2004258085A - オートフォーカスシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光路長差方式のAFにおいて、2つのピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られた映像信号のそれぞれに対して焦点評価値を生成する処理部のフィルタをHPF82A、82BとBPF83A、83Bとで切り替えられるようにする。高精度モードの場合にはHPF82A、82Bを使用し、高速モードの場合にはBPF83A、83Bを使用する。また、高速モードの場合にはフォーカスを高速で移動させるようにし、動体のピント合わせにフォーカスの動作を追従できるようにする。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオートフォーカスシステムに係り、特にフォーカス動作の安定性とフォーカスの精度のいずれかを優先にしてコントラスト方式のオートフォーカスを行うことができるオートフォーカスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビカメラやビデオカメラで採用されるオートフォーカス(AF)の方式はコントラスト方式であることが一般的である。コントラスト方式は、例えば、被写体を撮影して得られる映像信号からフィルタにより高域周波数成分を抽出し、その高域周波数成分に基づいて被写体画像のコントラストの高低(鮮鋭度)を評価する。そして、その評価した値(本明細書では焦点評価値という)が最大(極大)となるように撮影レンズのフォーカス(フォーカスレンズ)を制御するようにしたものである。また、焦点評価値はフォーカス位置との関係を表したグラフにおいてピーク点付近で山形の分布を示し、フォーカスをそのピーク点に設定する方法として、焦点評価値が増加を示す方向にフォーカスを動かして行き、焦点評価値が増加から減少に切り替わるところでフォーカスを停止させる、いわゆる山登り方式が一般的に知られている。
【0003】
このようなコントラスト方式のAFに関連して、従来、ピントを合わせようとしてフォーカスを動かした際に、被写体の条件等によっては焦点評価値の変化が少なく、焦点評価値の増加方向が検出できないという不具合が指摘されている。この場合、フォーカスが焦点評価値のピーク点以外で停止し、ピントが合わないという事態となる。そこで、特許文献1、2に記載されているように、焦点評価値を生成するためにフィルタにより映像信号から抽出する信号の周波数帯域を適宜切り替えるようにして上記不具合を防止する提案がなされている。
【0004】
また、従来、コントラスト方式でのAFであって、光路長が異なる位置に配置された複数の撮像面で被写体を撮像し、各撮像面により撮像して得られた映像信号に基づいてピント合わせを行うようにした光路長差方式のAFが提案されている(例えば、特許文献3乃至6参照)。光路長差方式のAFを採用したシステムでは、例えば、撮影レンズ内にハーフミラーが配置され、ハーフミラーによって撮影レンズに入射した被写体光がカメラ本体の撮像素子への光路とピント状態検出用光路とに分岐される。そして、ピント状態検出用光路に分岐された被写体光は光路長の異なる位置に配置された例えば2つの撮像素子(以下、ピント状態検出用撮像素子)により撮像される。各ピント状態検出用撮像素子により得られた映像信号は、高域周波数成分を抽出された後に1画面分の範囲毎に積算され、ピント状態検出用撮像素子ごとに焦点評価値が生成される。
【0005】
ここで、例えば、各ピント状態検出用撮像素子は、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値が一致したときにフォーカスが合焦したと判断される位置関係にあり、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値が一致したときに合焦と判断でき、一致していない場合にはいずれの焦点評価値が大きいかによって前ピンか後ピンかを判断できる。即ち、各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値に基づいて現在のピント状態(前ピン、後ピン、合焦)を知ることができ、フォーカスを合焦させるためにはフォーカスを無限遠方向と至近方向のいずれに動かすべきか、又は、フォーカスが合焦したことを即座に判断することができる。
【0006】
そこで、このような判断により各ピント状態検出用撮像素子から得られた焦点評価値に基づいて撮影レンズのフォーカスが制御され、合焦状態に設定されるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−74273号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平3−297282号公報
【0009】
【特許文献3】
特願2001−168246号公報
【0010】
【特許文献4】
特願2001−168247号公報
【0011】
【特許文献5】
特願2001−168248号公報
【0012】
【特許文献6】
特願2001−168249号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来、フィルタにより映像信号から抽出する信号の周波数帯域の切替えは、上記特許文献1、2のようにフォーカスを動かしたときの焦点評価値の変化が最適に検出できるようにすることを目的としている。
【0014】
しかしながら、映像信号から抽出する信号の周波数帯域が変わると、単に焦点評価値(フォーカスを動かしたときの焦点評価値の変化率)が変わるだけでなく、焦点評価値に基づいて制御されるフォーカスの動作の安定性やフォーカスの精度にも影響する。例えば、同じ対象を撮影した場合に、映像信号から抽出する信号の周波数帯域が高域側に広い場合と狭い場合を比較すると、高域側に広い場合には、被写体像のコントラストを焦点評価値により適切に判断することができるためフォーカスを焦点評価値のピーク点に合わせたときの精度が高い。一方、この場合、高い周波数成分が多い映像信号(被写体)に対して、フォーカス位置(横軸)と焦点評価値(縦軸)との関係を表す焦点評価値曲線がピーク点付近で急峻な傾きを持つ山型分布となるため、焦点評価値のピーク点と判断されるフォーカス位置の範囲が狭くなる。そのため、その範囲にフォーカスを合わせることが困難となり、ハンチング等によりフォーカスの動作が不安定になるおそれがある。また、光路長差方式のAFにおいてもこれと同様のことが言える。特に、光路長差方式のAFにおいてはフォーカスの制御上、焦点評価値曲線の山型分布が急峻になるほど、フォーカスの動作が高速となるためハンチングが起こり易くなる。
【0015】
これに対して、映像信号から抽出する信号の周波数帯域が高域側に狭い場合には、上述のように周波数帯域が高域側に広い場合よりもフォーカスの精度が低い。しかしながら、高い周波数成分が多い映像信号に対しても焦点評価値曲線の山型分布が緩やかな傾きとなるため、焦点評価値のピーク点とみなせる範囲が広くその範囲にフォーカスを合わせることが容易となり、フォーカス動作の安定性が高い。また、フォーカスを高速で動作させてピーク点の範囲に合わせることが容易となる。光路長差方式のAFの場合にも同様のことが言える。
【0016】
このように映像信号から抽出する信号の周波数帯域を変化させた場合にフォーカス動作の安定性とフォーカスの精度とはいずれか一方が優先される関係にあり、また、いずれを優先するかは状況によって異なるため、フォーカス動作の安定性とフォーカスの精度とを考慮し、状況に応じて周波数帯域を切り替えられるようにすることが望ましい。従来では、このような観点から周波数帯域を切り替えるものは提案されていない。
【0017】
また、フォーカス動作の安定性とフォーカスの精度とを考慮して周波数帯域を切り替えるべき状況として、例えば、ピントを合わせる被写体が主として動体なのか静止体なのかが明確になっている場合がある。動体にピントを合わせる(物体を追尾する)場合には、フォーカスをできるだけ安定した動作で迅速かつピントが大幅にずれないように動かすことが望ましい。そのため、精度よりもフォーカス動作の安定性を優先して周波数帯域を設定することが望ましい。更に、フォーカス動作の安定性が高い場合にはフォーカスを高速で動かしても不具合が生じ難くいため、動体の場合にはフォーカス動作の安定性を優先して周波数帯域を設定すると共に、フォーカスの動作速度もできるだけ高速にすることが望ましい。尚、ここでの詳細な説明は省略するが動体を撮影する場合にフォーカスの精度を優先して周波数帯域を設定すると、動体が停止したときにフォーカスの動作が安定しないという問題もある。
【0018】
一方、静止体にピントを合わせる場合には、フォーカスの動作速度はあまり問題とならないため、できるだけ精度が高くなるように周波数帯域を設定することが望ましい。その場合に、高い周波数成分の多い静止体に対してもフォーカスの動作が不安定とならないような速度でフォーカスの動作を制御することが適切である。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、フォーカス動作の安定性とフォーカスの精度とを考慮し、焦点評価値を生成するために映像信号から抽出する信号の周波数帯域を状況に応じて切り替えられるようにしたオートフォーカスシステムを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光学系により結像される被写体像の映像信号から抽出した信号に基づいて前記光学系のフォーカスを合焦位置に自動で設定するコントラスト方式のオートフォーカスを採用したオートフォーカスシステムにおいて、オートフォーカスの処理モードの設定を、フォーカスの精度が高い第1のモードとフォーカス動作の安定性が高い第2のモードとで切り替えるモード切替手段と、前記映像信号から抽出する周波数成分の範囲を示す周波数帯域が高域側に広い第1の特性と、前記周波数帯域が第1の特性よりも高域側に狭い第2の特性とでフィルタの特性を切り替えるフィルタ特性切替手段であって、前記モード切替手段により前記処理モードの設定が前記第1のモードに切り替えられると、前記フィルタの特性を前記第1の特性に切り替え、前記モード切替手段により前記処理モードの設定が前記第2のモードに切り替えられると、前記フィルタの特性を前記第2の特性に切り替えるフィルタ特性切替手段と、を備えたことを特徴としている。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は請求項1に記載の発明において、前記コントラスト方式のオートフォーカスは、光路長が異なる位置に配置された複数の撮像面により撮像して得られた複数の映像信号に基づいて前記光学系のフォーカスを合焦位置に自動で設定する光路長差方式のオートフォーカスであることを特徴としている。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記モード切替手段により前記処理モードが前記第2のモードに設定されている場合において、前記フィルタにより抽出された信号に基づいて前記第1のモード時と同じ制御でフォーカスを駆動した場合のフォーカスの移動速度よりも高速となるようにフォーカスを駆動することを特徴としている。
【0023】
本発明によれば、フォーカス動作の安定性とフォーカスの精度のいずれを優先するかによって第1のモードと第2のモードを選択することによって、映像信号から抽出する信号の周波数帯域をそれぞれの場合に適切な帯域に設定することができるようになり、状況に応じて適切なオートフォーカスが実行されるようになる。また、主として動体を撮影する場合には第1のモードを選択し、主として静止体を撮影する場合には第2のモードを選択することによってそれぞれの場合に適切なオートフォーカスが実行される。特に第1のモードの場合にフォーカスを高速で移動させるようにすると、動きの速い動体に対しても適切にフォーカスを追尾させることができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るオートフォーカスシステムの好ましい実施の形態について詳説する。
【0025】
図1は、本発明に係るオートフォーカスシステムが適用されたテレビカメラシステムのブロック図である。尚、本実施の形態ではオートフォーカスの方式として光路長差方式を採用した場合について説明する。同図に示すように、このテレビカメラシステムは、レンズ装置10とカメラ本体12等から構成されており、カメラ本体12には、放映用の映像を撮影し、所定形式の映像信号を出力又は記録媒体に記録するための撮像素子(以下、映像用撮像素子という)や所要の回路等が搭載されている。
【0026】
レンズ装置10は、カメラ本体12に着脱可能に装着され、主に光学系(撮影レンズ)と制御系とから構成されている。まず、撮影レンズの構成について説明すると、撮影レンズには、フォーカスレンズ(群)16、ズームレンズ(群)18、絞り20、前側リレーレンズ22Aと後側リレーレンズ22Bとからなるリレーレンズ(リレー光学系)等が配置されている。そして、リレー光学系の前側リレーレンズ22Aと後側リレーレンズ22Bとの間には、撮影レンズに入射した被写体光をピント状態検出用光路に分岐するためのハーフミラー24が配置されている。
【0027】
ハーフミラー24は、撮影レンズの光軸Oに対して略45度傾斜して設置されており、前側リレーレンズ22Aを通過した被写体光の一部(例えば1/3の光量)がピント状態検出用光路にピント状態検出用の被写体光として直角に反射するようになっている。
【0028】
ハーフミラー24を透過した被写体光は、映像用(被写体画像取得用)の被写体光として撮影レンズの後端側から射出されたのち、カメラ本体12の撮像部14に入射する。撮像部14の構成については省略するが、撮像部14に入射した被写体光は、例えば色分解光学系により、赤色光、緑色光、青色光の3色に分解され、各色ごとの映像用撮像素子の撮像面に入射する。これによって放映用のカラー映像が撮影される。なお、図中のピント面Pは、各映像用撮像素子の撮像面に対して光学的に等価な位置を撮影レンズの光軸O上に示したものである。
【0029】
一方、ハーフミラー24で反射された被写体光は、ピント状態検出用(オートフォーカス(AF)用)の被写体光として光軸Oに対して垂直な光軸O′に沿ってピント状態検出用光路を進行し、リレーレンズ26で集光されてピント状態検出部28に入射する。
【0030】
ピント状態検出部28は、光分割光学系を構成する2つのプリズム30A、30Bと、ピント状態検出用の一対の撮像素子32A、32B(以下、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bという)とで構成されている。
【0031】
上述したようにハーフミラー24で反射した被写体光は、光軸O′に沿って進行し、まず、第1プリズム30Aに入射する。そして、第1プリズム30Aのハーフミラー面Mで反射光と透過光に等分割される。このうち反射光は一方のピント状態検出用撮像素子32Aの撮像面に入射し、透過光は他方のピント状態検出用撮像素子32Bに入射する。尚、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bのそれぞれの撮像面には、例えば、撮影レンズに入射した全被写体光のうちの1/6の光量が入射する。
【0032】
図2は、カメラ本体12の映像用撮像素子に入射する被写体光の光軸と一対のピント状態検出用撮像素子32A、32Bに入射する被写体光の光軸を同一直線上に表示したものである。同図に示すように、一方のピント状態検出用撮像素子32Aに入射する被写体光の光路長は、他方のピント状態検出用撮像素子32Bに入射する被写体光の光路長よりも短く設定され、映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に入射する被写体光の光路長は、その中間の長さとなるように設定されている。すなわち、一対のピント状態検出用撮像素子32A、32B(の撮像面)は、それぞれ映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に対して前後等距離(d)の位置に配置されている。
【0033】
従って、ハーフミラー24で分岐されたピント形態検出用の被写体光は、一対のピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより、映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に対して前後等距離の位置で撮像される。尚、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bは後述のようにピント状態検出(オートフォーカス制御)のための映像信号を取得するものであり、カラー映像を撮像するものである必要はなく、本実施の形態では白黒画像を撮像するCCDであるものとする。
【0034】
次に、レンズ装置10におけるオートフォーカス制御に関連する制御系について説明する。図3は、フォーカス制御に関連する制御系の構成を示したブロック図である。上記フォーカスレンズ16は、図3に示すようにフォーカスモータ50に連結されており、フォーカスモータ50が駆動されると、フォーカスレンズ16が光軸方向に移動しフォーカスが変更される。フォーカスモータ50には、フォーカスモータ駆動回路52から駆動電圧が与えられ、フォーカスモータ駆動回路52にはCPU54からの制御信号が与えられるようになっている。
【0035】
CPU54からの制御信号は、例えば、フォーカスモータ50の回転速度、即ち、フォーカスレンズ16の移動速度(フォーカス指示速度)に対応する電圧値を示しており、その電圧値がフォーカスモータ駆動回路52に与えられると、フォーカスモータ駆動回路52によって電圧増幅され、その増幅された電圧が駆動電圧としてフォーカスモータ50に印加される。これによって、フォーカスモータ50の回転速度がCPU54によって制御される。
【0036】
また、CPU54には、フォーカスレンズ位置検出器56からフォーカスレンズ16の現在位置に対応した値のフォーカス位置信号がCPU54に与えられるようになっている。従って、CPU54の処理において、上述のようにフォーカスモータ50の回転速度を制御することにより、フォーカスレンズ16の移動速度を所望の速度に制御することができ、また、フォーカスレンズ位置検出器56からのフォーカス位置信号を取得しながらフォーカスモータ50の回転速度を制御することにより、フォーカスレンズ16の設定位置を所望の位置に制御することができるようになっている。
【0037】
尚、フォーカスの制御は、図示しない所定のスイッチによってマニュアルフォーカス制御に切り替えることも可能であり、マニュアルフォーカス制御の場合には、操作者のマニュアル操作に従ってフォーカスデマンド等からの指令信号がCPU54に与えられ、その指令信号に基づいてフォーカスレンズ16の位置等が上述のように制御される。
【0038】
一方、上記一対のピント状態検出用撮像素子32A、32Bで撮像された画像(映像)は、1画面を構成する複数の走査線(水平ライン)にそって各画素値を順次伝送する映像信号として出力され、焦点評価値生成部58に入力される。焦点評価値生成部58の構成、処理については後述するが、焦点評価値生成部58において、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより得られた映像信号から、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bにより撮像された各画像のコントラスト(鮮鋭度)の高低を示す焦点評価値が生成され、それらの生成された焦点評価値がCPU54に与えられるようになっている。尚、ピント状態検出用撮像素子32Aからの映像信号に基づいて生成された焦点評価値を、チャンネルA(chA)の焦点評価値といい、ピント状態検出用撮像素子32Bからの映像信号に基づいて生成された焦点評価値を、チャンネルB(chB)の焦点評価値という。
【0039】
CPU54は、詳細を後述するように、焦点評価値生成部58からchAとchBの焦点評価値を取得し、その取得した焦点評価値に基づいて撮影レンズのピント状態が合焦となるようにフォーカスレンズ16を制御する。
【0040】
ここで、焦点評価値生成部58の構成及び処理について説明する。図4に示すように、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから出力された映像信号は、それぞれ焦点評価値生成部58のA/D変換器80A、80Bに入力され、デジタル信号に変換される。尚、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bは、いずれも白黒画像を撮影するCCDであり、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから出力される映像信号は、それぞれの画面を構成する各画素の輝度値を示す輝度信号である。
【0041】
A/D変換器80A、80Bによってデジタル信号に変換された映像信号はそれぞれハイパスフィルタ(HPF)82A、82Bとバンドパスフィルタ(BPF)83A、83Bに入力されるようになっており、HPF82A、82B又はBPF83A、83Bのいずれかのフィルタによって各映像信号に含まれる所定周波数帯域の信号が抽出される。そして、HPF82A、82B又はBPF83A、83Bによりそれぞれ抽出された信号は、フィルタ切替スイッチ88A、88Bを介してゲート回路84A、84Bに入力される。
【0042】
ここで、フィルタ切替スイッチ88A、88BはそれぞれCPU54の制御信号によってHPF82A、82B側と、BPF83A、83B側に接続が切り替えられるようになっており、フィルタ切替スイッチ88A、88BがHPF82A、82B側に接続されている場合には、各映像信号を通過させるフィルタがHPF82A、82Bに設定され、HPF82A、82Bによって抽出された周波数帯域成分の信号がゲート回路84A、84Bに入力される。一方、フィルタ切替スイッチ88A、88BがBPF83A、83B側に接続されている場合には、各映像信号を通過させるフィルタがBPF83A、83Bに設定され、BPF83A、83Bによって抽出された周波数帯域成分の信号がゲート回路84A、84Bに入力されるようになっている。即ち、フィルタ切替スイッチ88A、88Bによって各映像信号を通過させるフィルタの種類がHPF82A、82B又はBPF83A、83Bに切り替えられ、各映像信号から抽出する信号の周波数帯域が切り替えられる。尚、フィルタの切替えについての詳細は後述する。
【0043】
ゲート回路84A、84Bに入力された信号は、画面上の所定のフォーカスエリア内(例えば、画面中央部)の画素に対応する範囲の信号のみを抽出され、それぞれ加算器86A、86Bに入力される。そして、加算器86A、86Bにより加算される。これにより、フィルタ(HPF82A、82B又はBPF83A、83B)によって映像信号から抽出された信号のうち、フォーカスエリア内における信号の値の総和が求められる。加算器86A、86Bによって得られた値は、フォーカスエリア内における画像のコントラスト(鮮鋭度)の高低を示す焦点評価値であり、加算器86Aで得られた焦点評価値はチャンネルA(chA)の焦点評価値として、加算器86Bで得られた焦点評価値はチャンネルB(chB)の焦点評価値としてCPU54に与えられる。
【0044】
続いて、上記焦点評価値に基づくピント状態検出及びフォーカス(フォーカスレンズ16)の制御について説明すると、上述のように焦点評価値生成部58から取得されるchAとchBの焦点評価値により映像用撮像素子の撮像面(ピント面P)に対する撮影レンズの現在のピント状態を検出することができる。
【0045】
図5は、横軸に撮影レンズのフォーカスレンズ16の位置(フォーカス位置)、縦軸に焦点評価値をとり、ある被写体を撮影した際のフォーカス位置と焦点評価値との関係を示したグラフである。図中点線で示す曲線Cは、映像用撮像素子(又は映像用撮像素子と共役の位置に配置された撮像素子)からの映像信号により焦点評価値を求めたと仮定した場合にその焦点評価値をフォーカス位置に対して示したものであり、図中実線で示す曲線A、Bは、それぞれピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られるchAとchBの焦点評価値をフォーカス位置に対して示したものである。同図において、曲線Cの焦点評価値が最大(極大)となる位置F3が合焦位置である。
【0046】
撮影レンズのフォーカス位置が同図のF1に設定された場合、chAの焦点評価値FVA1は、曲線Aの位置F1に対応する値となり、chBの焦点評価値FVB1は、曲線Bの位置F1に対応する値となる。そして、この場合、chAの焦点評価値FVA1の方が、chBの焦点評価値FVB1よりも大きくなり、このことから、フォーカス位置が合焦位置(F3)よりも至近側に設定された状態、すなわち、前ピンの状態であることが分かる。
【0047】
一方、撮影レンズのフォーカス位置が同図のF2に設定された場合、chAの焦点評価値FVA2は、曲線Aの位置F2に対応する値となり、chBの焦点評価値FVB2は、曲線Bの位置F2に対応する値となる。そして、この場合、chAの焦点評価値FVA2の方が、chBの焦点評価値FVB2よりも小さくなり、このことから、フォーカス位置が合焦位置(F3)よりも無限遠側に設定された状態、すなわち、後ピンの状態であることが分かる。
【0048】
これに対して、撮影レンズのフォーカス位置がF3、すなわち合焦位置に設定された場合、chAの焦点評価値FVA3は、曲線Aの位置F3に対応する値となり、chBの焦点評価値FVB3は、曲線Bの位置F3に対応する値となる。このとき、chAの焦点評価値FVA3とchBの焦点評価値FVB3は等しくなり、このことから、フォーカス位置が合焦位置(F3)に設定された状態であることが分かる。
【0049】
このように、焦点評価値生成部58から得られるchAとchBの焦点評価値により、撮影レンズの現在のピント状態が前ピン、後ピン、合焦のいずれの状態であるかを検出することができる。
【0050】
従って、焦点評価値生成部58から得られるchAとchBの焦点評価値に基づいてフォーカスレンズ16の位置を制御することにより、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させることができる。即ち、chAとchBの焦点評価値が、前ピンであると判断される状態の場合には、フォーカスレンズ16を無限遠方向に移動させ、後ピンであると判断される状態の場合には、フォーカスレンズ16を至近方向に移動させ、合焦であると判断される状態となった場合には、フォーカスレンズ16をその位置で停止させることによって、フォーカスレンズ16を合焦位置に移動させることができる。
【0051】
そこで、CPU54は、chA、chBの焦点評価値に基づいてフォーカスレンズ16を次のように制御する。まず、焦点評価値生成部58から取得されるchAの焦点評価値をFVA、chBの焦点評価値をFVBとすると、FVA>FVBの場合(FVA/FVB>1の場合)には前ピンの状態であることから、フォーカスレンズ16の駆動方向を無限遠方向に設定するとともに、フォーカスレンズ16の移動速度(フォーカス指示速度)CVを次式▲1▼、
【0052】
【数1】
CV=k*(FVA/FVB−1)…▲1▼
により設定する。但し、係数kは後述する所定の定数である。一方、FVA<FVBの場合(FVA/FVB<1の場合)には後ピンの状態であることから、フォーカスレンズ16の駆動方向を至近方向に設定するとともに、フォーカスレンズ16の移動速度CVを次式▲2▼、
【0053】
【数2】
CV=k*(FVB/FVA−1)…▲2▼
により設定する。但し、▲2▼式の係数kは▲1▼式の係数kと同一値を示す。また、FVA=FVBの場合(FVA/FVB=1)には合焦状態であることから、フォーカスレンズ16の移動速度CVを0(停止)に設定する。
【0054】
尚、本実施の形態においてフォーカスレンズ16の移動速度CVを求める具体的方法は、まず、chAとchBの焦点評価値の比R=FVA/FVBを求め、その比Rが1より小さい(R<1)か否かを判定する。そして、この条件を満たす場合には、焦点評価値の比Rの逆数をRの値に設定し直す(即ち、R=1/Rとする)。上記条件を満たさない場合には焦点評価値の比Rの値をそのままにする。この焦点評価値の比Rを用いて、フォーカスレンズ16の移動速度CVを、次式、
【0055】
【数3】
CV=k*(R−1)…▲3▼
により求める。尚、FVA=FVBの場合にはR=1であるから上式によりCV=0となる。
【0056】
CPU54は、chAとchBの焦点評価値FVA、FVBを取得し、焦点評価値FVA、FVBに基づいて上述のようにフォーカスレンズ16の移動方向及び移動速度CVを設定すると、その設定した移動方向及び移動速度CVでフォーカスレンズ16を駆動するための制御信号を図3のフォーカスモータ駆動回路52に出力する。そして、この処理を繰り返し実行することにより、撮影レンズのフォーカスを合焦状態に設定する。
【0057】
次に、上記焦点評価値生成部58において各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bから得られた映像信号を通過させるフィルタ(HPF82A、82B、BPF83A、83B)の切替えについて説明する。図4に示されているようにCPU54には撮影レンズ又はコントローラ等に設けられたモード切替スイッチ100の設定状態を示す信号が与えられるようになっており、CPU54は、そのモード切替スイッチ100の設定状態に応じて、焦点評価値生成部58のフィルタ切替スイッチ88A、88BをHPF82A、82B側又はBPF83A、83B側に切り替える。具体的には、モード切替スイッチ100は、手動により高精度モードと高速モードの設定が可能となっており、モード切替スイッチ100が高精度モードに設定された場合には、フィルタ切替スイッチ88A、88BがHPF82A、82B側に接続され、モード切替スイッチ100が高速モードに設定された場合には、フィルタ切替スイッチ88A、88BがBPF83A、83B側に接続されるようになっている。これにより、各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bからの映像信号を通過させるフィルタが高精度モードの場合にはHPF82A、82Bに設定され、各映像信号の周波数成分のうち、HPF82A、82Bで抽出される周波数帯域成分の信号により焦点評価値が生成される。一方、高速モードの場合にはフィルタがBPF83A、83Bに設定され、各映像信号の周波数成分のうち、BPF83A、83Bで抽出される周波数帯域成分の信号により焦点評価値が生成される。
【0058】
また、高精度モードと高速モードとでは、フォーカスレンズ16の移動速度CVを求める上式▲3▼の係数kの値も変更されるようになっており、高精度モードの場合には係数kは例えば1に設定され、高速モードの場合には係数kは1より大きい所定値に設定にされる。尚、高精度モードの場合の係数kの値は1に限らない。また、高速モードの場合の係数kは、少なくとも高精度モードの場合の係数kより大きい値に設定される。即ち、高速モードでのフォーカスレンズ16の移動速度が、高精度モードと同じ制御によりフォーカスレンズ16を駆動した場合よりも速くなるように係数kの値が設定される。
【0059】
ここで、高精度モードと高速モードとの効果上の相違を説明する。図6、図7は、、それぞれHPF82A、82BとBPF83A、83Bの周波数特性を示したグラフである。尚、HPF82AとHPF82B、及び、BPF83AとBPF83Bは、それぞれ同じ特性を有する。HPF82A、82Bは、図6に示すように所定周波数fcをカットオフ周波数とし、入力信号に対してそのカットオフ周波数fcよりも高域側の周波数成分を出力信号として通過させる特性を有する。一方、BPF83A、83Bは図7に示すようにHPF82A、82Bのカットオフ周波数fcと同一の周波数を低域側カットオフ周波数fc1、それより高域側の所定周波数を高域側カットオフ周波数fc2とし、入力信号に対して低域側カットオフ周波数fc1と高域側カットオフ周波数fc2の間の周波数成分を出力信号として通過させる特性を有する。
【0060】
従って、映像信号を通過させるフィルタをHPF82A、82Bに設定した場合と、BPF83A、83Bに設定した場合とを比較すると、HPF82A、82Bに設定した場合の方が、より高い周波数成分を含む信号により焦点評価値が生成され、コントラストの高低を正確に評価できるという点でフォーカスの精度が高い。即ち、高精度モードの方が高速モードよりも高い精度でピント合わせすることができる。
【0061】
一方、フィルタをHPF82A、82Bに設定した場合には、高い周波数成分が少ない被写体(映像信号)に対してフォーカスレンズ16の移動速度をあまり高速にすることができない。図8、図9はそれぞれフィルタをHPF82A、82Bに設定した状態で、高い周波数成分が多い映像信号(被写体)により生成した焦点評価値の例と、高い周波数成分が少ない(低い周波数成分の多い)映像信号により生成した焦点評価値の例とを示したグラフである。これらのグラフに示すように、高い周波数成分が多い映像信号ほど、焦点評価値の曲線は急峻な傾きもつ山型分布を示す。そして、chAの焦点評価値の曲線AとchBの焦点評価値の曲線Bとが交差する合焦位置に対して所定量ずれた位置P(ここでは至近側にずれた位置)にフォーカスレンズ16が設定されているとすると、chAとchBの焦点評価値の比R(上式▲3▼におけるR)は、図8、図9から明らかなよう高い周波数成分が多い映像信号の方が大きい。即ち、高い周波数成分が多い映像信号の方がフォーカスレンズ16が高速で移動する。しかしながら、フォーカスレンズ16の移動速度が大きくなるほど、ハンチング等が起り易く、フォーカスレンズ16を合焦位置に停止させることが困難となる。従って、高い周波数成分が多い被写体を撮影する可能性があることを考慮すると、焦点評価値の比Rに対して移動速度の大きさを決定する上式▲3▼の係数kの値をあまり大きくすることはできない(本実施の形態では係数kは1に設定される)。その結果、高い周波数成分が少ない被写体に対してはフォーカスレンズ16の移動速度が遅くなる。
【0062】
また、一般に、動体を被写体とする場合、その物体が静止している状態では高い周波数成分の多い映像信号が得られるとしても、動体が移動している間は、小さなボケを伴いながら追いかけることが多いため高い周波数成分が少なくなる。従って、フィルタをHPF82A、82Bに設定した状態で、動体を撮影すると、動体の位置変化にオートフォーカスによるピント合わせが追従できないという事態が生じ得る。また、動体のオートフォーカス用として単に係数kを大きな値に切り替えるモードを設定できるようにしたとすると、動体が静止したときに高い周波数成分が多くなり、フォーカスレンズ16を合焦位置に停止させることができなくなる不具合が生じ得るため、単に係数kの値を切り替えるだけでは動体を適切に追尾することができない。
【0063】
従って、高精度モードは、動体のピント合わせを行うことは不向きであるが、フォーカスレンズ16の移動速度(ピント合せの速度)が低速でも問題にならず、静止体や動きの遅い被写体等を高精度でピント合わせする場合に好適である。
【0064】
これに対して、フィルタをBPF83A、83Bに設定した場合、高い周波数成分が遮断されるため、高い周波数成分が多い被写体を撮影した場合であっても、高い周波数成分が少ない被写体と同様の焦点評価値曲線が得られる。即ち、フィルタをHPF82A、82Bに設定した場合に図8に示したような焦点評価値曲線が得られる映像信号に対して、フィルタをBPF83A、83Bに設定した場合には図9に示したような焦点評価値曲線が得られる。そのため、係数kの値をある程度大きくしても高い周波数成分の多い映像信号に対してハンチング等が生じるという不具合は殆ど生じない。尚、本実施の形態では高速モードでの係数kの値は、高精度モードの場合よりも少なくとも大きい値(k>1)に設定されるものとしている。
【0065】
一方、動体を被写体とする場合、上述のようにその動体が移動している間は、高い周波数成分が少なくなるため、フィルタをHPF82A、82Bに設定した場合と焦点評価値の比Rには大差がない。そのため、係数kの値が大きい高速モードの方が高精度モードよりも動体に対してフォーカスレンズ16の移動速度が速く、動体の位置変化に対してオートフォーカスによるピント合わせが適切に追従するようになる。仮に動体が停止して高い周波数成分が多くなったとしてもBPF83A、83Bにより高い周波数成分が遮断されるため、ハンチング等の不具合が生じることはない。
【0066】
従って、高速モードは、精度よりもフォーカスレンズ16を高速で移動させる(ピント合せを高速で行う)ことが優先される動体等のピント合わせに好適である。
【0067】
尚、本実施の形態では、高精度モードの場合に設定するフィルタをHPF82A、82Bとしたが、HPFの代わりに高域側カットオフ周波数が高速モードにおけるBPF83A、83Bの高域側カットオフ周波数fc2よりも高いBPFを使用するようにしてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、BPF83A、83Bの低域側カットオフ周波数fc1がHPF82A、82Bのカットオフ周波数fcに等しいとしたが、BPF83A、83Bの低域側カットオフ周波数fc1をHPF82A、82Bのカットオフ周波数fcよりも更に低くしておくと、動体を追尾する場合などに多少のボケ状態でもフォーカスの動作方向の判別が可能となり、また高い周波数成分を遮断したために低くなった感度も補うことができるため好適である。
【0069】
また、本実施の形態では、高精度モードと高速モードとでフィルタをHPF82A、82BとBPF83A、83Bとでフィルタ切替スイッチ88A、88Bにより切り替えるようにしたが、これに限らず周波数特性の変更が可能なフィルタを用い、高精度モードと高速モードとでそのフィルタの周波数特性を変更するようにしてもよい。
【0070】
また、高精度モードでのフォーカス動作の安定性を向上させるために、高精度モードにおけるフォーカスレンズ16の移動速度が所定の速度を超えないようにする処置、例えば移動速度にリミットを設けるなどの処置を施すようにしてもよい。
【0071】
次に、高精度モードと高速モードとを切替え可能にしたCPU54での処理手順について図10のフローチャートで説明する。まず、CPU54は所要の初期設定を行った後(ステップS10)、モード切替スイッチ100が高速モードに設定されているか否かを判定する(ステップS12)。YESと判定した場合には焦点評価値生成部58のフィルタをBPF83A、83Bに設定する(ステップS14)。また、フォーカスレンズ16の移動速度CVを求める上式▲3▼の係数kを所定値k0に設定する(ステップS16)。尚、k0は1より大きい。
【0072】
一方、ステップS12においてNO、即ち、高精度モードと判定した場合には焦点評価値生成部58のフィルタをHPF82A、82Bに設定する(ステップS18)。また、上式▲3▼の係数kを1に設定する(ステップS20)。
【0073】
続いて、CPU54は、焦点評価値生成部58からchAとchBの焦点評価値FVA、FVBを読み込み(ステップS22)、焦点評価値の比R(=FVA/FVB)を求める(ステップS24)。そして、比Rが1より小さいか否かを判定する(ステップS26)。YESと判定した場合には、後ピンの状態であることからフォーカス駆動方向を至近側に設定すると共に(ステップS28)、焦点評価値の比Rの値を逆数に変換する(R=1/R)(ステップS30)。一方、ステップS26においてNOと判定した場合には、前ピン又は合焦の状態であることからフォーカス駆動方向を無限遠側に設定する(ステップS32)。尚、合焦(R=1)の場合にはフォーカスレンズ16の移動速度が後述の処理で0に設定されるため、移動方向は問題にならない。
【0074】
次にCPU54はフォーカスレンズ16の移動速度CVを上式▲3▼により求める(ステップS34)。即ち、ステップS16又はステップS20で設定した係数kの値と、ステップS24又はステップS30で設定した比Rの値を用いてCV=k*(R−1)を算出する。そして、図3に示したフォーカスモータ駆動回路52に制御信号を出力し、移動速度CVによりフォーカスレンズ16を駆動する(ステップS36)。
【0075】
以上の処理が終了するとステップS12に戻り、ステップS12からステップS36までの処理を繰り返す。
【0076】
以上、上記実施の形態では、オートフォーカスの2つの処理モードを高精度でピント合わせを行うための高精度モードと、高速でピント合わせを行うための高速モードとしたが、各モードの特徴から主に静止体のピント合わせに好適な高精度モードを静止体モード、主に動体のピント合わせに好適な高速モードを動体モードとし、オートフォーカスを静止体のピント合わせに使用するか、動体のピント合わせに使用するかによって静止体モードと動体モードを切り替えられるようにしてもよい。
【0077】
また、従来、オートフォーカスのモードとして連続AFとワンショットAFが知られている。連続AFは、オートフォーカスの処理が繰り返されるモードで、一旦、フォーカスが合焦点に合わせられた後でも被写体の変化等に伴って合焦点が変化すればと、フォーカスもそれに追従し、フォーカスが合焦点に合わせられる。一方、ワンショットAFは、オートフォーカスの処理が一度だけ行われるモードで、オートフォーカスの処理によりフォーカスが合焦点に一度合わせられると、それ以後は合焦点が変化してもフォーカスは移動しない。このようなモードの選択が可能なオートフォーカスシステムにおいて、連続AFが選択された場合には動体にピント合わせを行うことが予想されるため、連続AFが選択されたことに連動して高速モード(動体モード)を選択し、ワンショットAFが選択された場合には静止体又は動きの遅い被写体にピント合わせを行うことが予想されるため、ワンショットAFが選択されたことに連動して高精度モード(静止体モード)を選択するようにしてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では高速モードにおける係数kの値を高精度モードの場合よりも大きい値に設定するようにしたが、係数kの値をモードによって変更しなくても効果がある。即ち、焦点評価値生成部58のフィルタを切り替えるだけでも効果がある。例えば、フィルタをBPF83A、83Bに設定した場合、高い周波数成分を多く含む映像信号に対しても焦点評価値曲線が緩やかな傾きの山型の曲線を示すため、HPF82A、82Bの場合よりも、フォーカス精度は低いが、フォーカス動作が安定する。即ち、係数kを変更しない場合であっても上記高速モード(動体モード)と同様に動体のピント合わせに適しており、例えば、このモードを高精度モードに対してフォーカス動作の安定性が高い安定モードとすることができる。
【0079】
また、上記実施の形態では、モード切替スイッチ100により高精度モードと高速モードを手動により切り替えられるようにしたが、自動で切り替えるようにすることも可能である。例えば、オートフォーカスにより動体にピント合わせを行っている場合にはピント状態が合焦状態と非合焦状態とを頻繁に繰り返す。これに対して静止体にピント合わせを行っている場合にはピント状態はあまり変化しない。このことから、ピント状態を監視し、ピント状態が合焦状態と非合焦状態とを頻繁に繰り返すようであれば高速モードに自動で設定し、そうでなければ高精度モードに設定するというようにモードを自動で切り替えられるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、2つのピント検出用撮像素子32A、32Bから2つの映像信号を取得してピント合わせを行う光路長差方式のAFを採用した場合について説明したが、本発明は、光路長が異なる位置に配置された複数(2つに限定されない)の撮像面により撮像されて得られる映像信号に基づいてピント合わせを行う光路長差方式のAFを採用した場合に適用できる。
【0081】
また、上記実施の形態では、ピント状態検出用撮像素子32A、32Bが別体であることを前提として、被写体光を各ピント状態検出用撮像素子32A、32Bに分割して入射させるようにしたが、これらの撮像素子を一体化し、光路長の異なる位置に撮像面を有する単体の撮像素子をピント状態検出用撮像素子として用いることもできる。この場合には、ピント状態検出用撮像素子に入射する被写体光を分割するための部材が不要となる。
【0082】
また、上記実施の形態では、光路長差方式のオートフォーカスを採用した場合について説明したが、本発明は、1つの映像信号に基づくコントラスト方式のオートフォーカスを採用した場合においても同様に適用できる。例えば、1つの映像信号からフィルタにより高域周波数成分の信号を抽出し、抽出した信号により生成した焦点評価値に基づいてフォーカスを焦点評価値のピーク点に設定するコントラスト方式のオートフォーカスの場合に、高精度モードが選択されるとフィルタを上記実施の形態と同様のHPFに設定し、安定モード(又は高速モード)が選択されるとフィルタを上記実施の形態と同様のBPFに設定するようにしてもよい。フィルタをHPFに設定した場合には、BPFよりも高い周波数成分を含む信号により焦点評価値が生成されるため焦点評価値のピーク点にフォーカスを設定した場合のフォーカスの精度は高い。一方、フィルタをHPFに設定した場合には、高い周波数成分の多い映像信号に対して焦点評価値曲線のピーク点付近での傾きが急峻となり、フォーカスがピーク点に設定されたと判断されるフォーカス位置の範囲が極めて狭くなるため、フォーカスをその範囲に停止させることが難しく、ハンチング等によりフォーカス動作が不安定になるおそれがある。
【0083】
これに対して、フィルタをBPFに設定した場合には、HPFの場合よりもフォーカスの精度は低い。しかしながら、高い周波数成分の多い映像信号に対しても焦点評価値曲線のピーク点付近での傾きが緩やかであり、フォーカスがピーク点に設定されたと判断されるフォーカス位置の範囲がHPFの場合より広い。このため、フォーカスをその範囲に容易に停止させることができ、フォーカス動作の安定性が高い。また、フォーカスを高速で動かすことも可能であり、上記実施の形態のように少なくとも高い周波数成分が少ない映像信号(動体の撮影時等)に対してフォーカスの移動速度がHPFの場合よりも高速となるようにフォーカスの移動速度に関する設定を霧帰ることもできる。
【0084】
また、上記実施の形態では、本発明をテレビカメラシステムに適用した場合を例に説明したが、本発明はこれに限らず、ビデオカメラや静止画を撮影するスチルカメラにも適用することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るオートフォーカスシステムによれば、フォーカス動作の安定性とフォーカスの精度のいずれを優先するかによって第1のモード(高精度モード)と第2のモード(安定モード)を選択することによって、映像信号から抽出する信号の周波数帯域をそれぞれの場合に適切な帯域に設定することができるようになり、状況に応じて適切なオートフォーカスが実行されるようになる。また、主として動体を撮影する場合には第1のモードを選択し、主として静止体を撮影する場合には第2のモードを選択することによってそれぞれの場合に適切なオートフォーカスが実行される。特に第1のモードの場合にフォーカスを高速で移動させるようにすると、動きの速い動体に対しても適切にフォーカスを追尾させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るオートフォーカスシステムが適用されたテレビカメラシステムのブロック図である。
【図2】図2は、映像用撮像素子に入射する被写体光の光軸と一対のピント状態検出用撮像素子に入射する被写体光の光軸を同一直線上に表示した図である。
【図3】図3は、フォーカス制御に関連するレンズ装置の制御系の構成を示したブロック図である。
【図4】図4は、焦点評価値生成部の構成を示したブロック図である。
【図5】図5は、横軸に撮影レンズのフォーカス位置、縦軸に焦点評価値をとり、ある被写体を撮影した際のフォーカス位置に対する焦点評価値の様子を示した図である。
【図6】図6は、HPFの周波数特性を示した図である。
【図7】図7は、BPFの周波数特性を示した図である。
【図8】図8は、高い周波数成分が多い映像信号により生成した焦点評価値の曲線を例示した図である。
【図9】図9は、高い周波数成分が少ない映像信号により生成した焦点評価値の曲線を例示した図である。
【図10】図10は、高精度モードと高速モードとを切替え可能にしたCPUでの処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…レンズ装置、12…カメラ本体、14…撮像部、16…フォーカスレンズ(群)、18…ズームレンズ(群)、20…絞り、22A…前側リレーレンズ、22B…後側リレーレンズ、24…ハーフミラー、26…リレーレンズ、28…ピント状態検出部、32A、32B…ピント状態検出用撮像素子、50…フォーカスモータ、52…フォーカスモータ駆動回路、54…CPU、56…フォーカスレンズ位置検出器、58…焦点評価値生成部、80A、80B…A/D変換器、82A、82B…ハイパスフィルタ(HPF)、83A、83B…バンドパスフィルタ(BPF)、84A、84B…ゲート回路、86A、86B…加算器、88A、88B…フィルタ切替スイッチ、100…モード切替スイッチ
Claims (3)
- 光学系により結像される被写体像の映像信号から抽出した信号に基づいて前記光学系のフォーカスを合焦位置に自動で設定するコントラスト方式のオートフォーカスを採用したオートフォーカスシステムにおいて、
オートフォーカスの処理モードの設定を、フォーカスの精度が高い第1のモードとフォーカス動作の安定性が高い第2のモードとで切り替えるモード切替手段と、
前記映像信号から抽出する周波数成分の範囲を示す周波数帯域が高域側に広い第1の特性と、前記周波数帯域が第1の特性よりも高域側に狭い第2の特性とでフィルタの特性を切り替えるフィルタ特性切替手段であって、前記モード切替手段により前記処理モードの設定が前記第1のモードに切り替えられると、前記フィルタの特性を前記第1の特性に切り替え、前記モード切替手段により前記処理モードの設定が前記第2のモードに切り替えられると、前記フィルタの特性を前記第2の特性に切り替えるフィルタ特性切替手段と、
を備えたことを特徴とするオートフォーカスシステム。 - 前記コントラスト方式のオートフォーカスは、光路長が異なる位置に配置された複数の撮像面により撮像して得られた複数の映像信号に基づいて前記光学系のフォーカスを合焦位置に自動で設定する光路長差方式のオートフォーカスであることを特徴とする請求項1のオートフォーカスシステム。
- 前記モード切替手段により前記処理モードが前記第2のモードに設定されている場合において、前記フィルタにより抽出された信号に基づいて前記第1のモード時と同じ制御でフォーカスを駆動した場合のフォーカスの移動速度よりも高速となるようにフォーカスを駆動することを特徴とする請求項1又は2のオートフォーカスシステム。
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