JP2004211869A - 車両用無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用無段変速機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所定勾配以上の坂路上における発車に際して無段変速機の動力伝達部材が滑ることによる耐久力低下を抑制できる車両用無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ第1クラッチC1等の断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、1対の可変プーリ52及び54による伝動ベルト56の挟圧力を変更するベルト挟圧力変更手段148(SA4、SA5)を有するものであるため、上記第1クラッチC1等の断続装置の切り換えが行われる前に上記伝動ベルト56の滑りを防止するための制御を開始することが可能とされ、必要十分な摩擦力により上記ベルト式無段変速機12が駆動される。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用無段変速機の制御装置に関し、特に、所定勾配以上の坂路上における発車に際してその車両用無段変速機の動力伝達部材が滑ることによる耐久力低下を抑制するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に、動力伝達の断続切り換えを行う断続装置と、摩擦力を介して動力伝達を行うと共にその摩擦力を制御できる無段変速機とを、直列的に備えた車両における、その無段変速機の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用無段変速機の制御装置がそれである。斯かる制御装置は、前記無段変速機の推定負荷トルクに基づいてその無段変速機の駆動摩擦力を制御するものであり、前記断続装置が遮断状態から接続状態へ切り換えられる際には、その接続に伴って前記無段変速機に作用する前記駆動力源のイナーシャを考慮して定められたその断続装置の伝達トルクを前記負荷トルクとする接続時切換負荷トルク算出手段を含むことから、前記断続装置が遮断状態から接続状態へ切り換えられる際の前記無段変速機の動力伝達部材の駆動摩擦力例えば伝動ベルトに対する挟圧力が適正化されることで、動力伝達部材の滑りを好適に防止できる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−330121号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記車両が所定勾配以上の坂路上にある場合に前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられると、パーキングロックが解除されるのと略同時に前記駆動輪側からトルクが入力される。従来の車両用無段変速機の制御装置では、斯かる駆動輪側から入力されるトルクが考慮されていなかったため、所定勾配以上の坂路上における発車に際して前記無段変速機の動力伝達部材の滑りが発生し、その滑りによりその無段変速機の耐久力が低下する可能性があった。従って、この動力伝達部材の滑りを防止することが求められるが、シフトポジションの切り換えをトリガとして駆動摩擦力を変更するのでは応答性の問題で間に合わない。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、所定勾配以上の坂路上における発車に際して動力伝達部材が滑ることによる耐久力低下を抑制できる車両用無段変速機の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、車両の駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に、動力伝達の断続切り換えを行う断続装置と、摩擦力を介して動力伝達を行うと共にその摩擦力を制御できる無段変速機とを、直列的に備えた車両におけるその無段変速機の制御装置であって、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を変更する駆動摩擦力変更手段を有することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を変更する駆動摩擦力変更手段を有することから、斯かる断続装置の切り換えが行われる前に動力伝達部材の滑りを防止するための制御を開始することが可能とされ、必要十分な摩擦力により前記無段変速機が駆動される。すなわち、所定勾配以上の坂路上における発車に際して動力伝達部材が滑ることによる耐久力低下を好適に抑制できる車両用無段変速機の制御装置を提供することができる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記車両のシフトポジションが停車レンジであるか否かを判定するシフトポジション判定手段と、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあるか否かを判定する坂路判定手段と、所定のブレーキ装置が作動しているか否かを判定するブレーキ作動判定手段とを、有し、前記駆動摩擦力変更手段は、前記シフトポジション判定手段により前記車両のシフトポジションが停車レンジであると判定され、前記坂路判定手段により前記車両が所定勾配以上の坂路上にあると判定され、且つ前記ブレーキ作動判定手段により所定のブレーキ装置が作動していると判定された場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を変更するものである。このようにすれば、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が遮断状態から接続状態へ切り換えられることを好適な態様で予測して駆動摩擦力を変更できるという利点がある。
【0009】
また、好適には、前記駆動摩擦力変更手段は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を増加させるものである。このようにすれば、動力伝達部材の滑りを好適に防止でき、前記無段変速機の耐久力低下を好適に抑制できるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記駆動摩擦力変更手段は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を減少させるものである。このようにすれば、十分な遊びを与えて動力伝達部材を積極的に滑らせることで、前記無段変速機の耐久力低下を好適に抑制できるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記無段変速機は、有効径が可変である1対の可変プーリと、その1対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを含むベルト式無段変速機であり、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記可変プーリによる伝動ベルトに対するベルト挟圧力を変更するベルト挟圧力変更手段を有するものである。このようにすれば、斯かるベルト式無段変速機の耐久力低下を抑制できるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記駆動摩擦力変更手段は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の摩擦力を発生させる油圧シリンダの元圧を供給する電動式オイルポンプの回転数延いては吐出量を変更するオイルポンプ回転数変更手段を含むものである。このようにすれば、例えば前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記電動式オイルポンプの回転数を低下乃至作動を停止させることで前記油圧シリンダの元圧を低減させ、軽負荷な状態で前記伝動ベルトを滑らせることで、前記無段変速機の耐久力低下を更に好適に抑制できるという利点がある。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用されたハイブリッド駆動制御装置(以下、単に制御装置と称する)10を説明する概略構成図であり、図2は、ベルト式無段変速機(以下、単に変速機と称する)12を含む骨子図である。この制御装置10は、燃料の燃焼により動力を発生する駆動力源であるエンジン14と、電気エネルギにより動力を発生する駆動力源及び発電機として用いられるモータジェネレータ16と、ダブルピニオン型の遊星歯車装置18とを備えて構成されており、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両等に横置きに搭載されて使用される。上記遊星歯車装置18のサンギヤ18sは、上記エンジン14に連結され、キャリア18cは、上記モータジェネレータ16に連結され、リングギヤ18rは、ブレーキB1を介してケース20に連結されるようになっている。また、キャリア18cは、第1クラッチC1を介して上記変速機12の入力軸22に連結され、リングギヤ18rは、第2クラッチC2を介してその入力軸22に連結されるようになっている。すなわち、これら第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1が、前記エンジン14及びモータジェネレータ16と駆動輪30との間の動力伝達経路に備えられて動力伝達の断続切り換えを行う断続装置として機能する。斯かる入力軸22に入力された動力は、上記変速機12によりトルク変換された後、その変速機12の出力軸24からカウンタ歯車26を経て差動装置28に伝達され、その差動装置28により左右1対の駆動輪(前輪)30に分配される。また、その駆動輪30を含む各車輪には、ブレーキ装置として機能する車輪ブレーキ装置29が配設されている。この車輪ブレーキ装置29は、ブレーキペダル31の踏み込み量に応じて後述するVSCECU113より出力される信号に従い摩擦制動力を発生させるドラムブレーキあるいはディスクブレーキ等である。
【0015】
図3、図5、及び図6は、上記制御装置10に備えられた油圧制御回路32の要部を示す回路図である。上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置であり、図3に示す油圧制御回路32から供給される作動油によって摩擦係合させられるようになっている。すなわち、電動式オイルポンプ34により発生させられた元圧PCがマニュアルバルブ38を介して図1に示すシフトレバー36のシフトポジションに応じて第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1へ供給されるようになっている。斯かるシフトレバー36は、運転者によって操作されるシフト操作部材で、「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の5つのシフトポジションに選択操作されるようになっており、ケーブルやリンク等を介して上記マニュアルバルブ38に連結されている。そしてこのシフトレバー36の操作に従ってそのマニュアルバルブ38の弁子位置が機械的に切り換えられるようになっている。
【0016】
「B」ポジションは、前進走行時に前記変速機12のダウンシフト等により比較的大きな動力源ブレーキが発生させられるシフトポジション、「D」ポジションは、前進走行するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート38aからシャトル弁40を介して前記第1クラッチC1へと、また前記第2クラッチC2へと元圧PCが供給される。「N」ポジションは、動力源からの動力伝達を遮断するシフトポジション、「R」ポジションは、後進走行するシフトポジション、「P」ポジションは、動力源からの動力伝達を遮断すると共に図示しないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転を阻止するシフトポジションであり、これ等のシフトポジションでは出力ポート38bから前記ブレーキB1へ元圧PCが供給される。この出力ポート38bから出力された元圧PCは、戻しポート38cへも入力され、上記「R」ポジションでは、その戻しポート38cから出力ポート38dを経てシャトル弁40から前記第1クラッチC1へ元圧PCが供給されるようになっている。
【0017】
前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1には、それぞれコントロール弁42、44、46が設けられ、それ等の油圧PC1、PC2、PB1が制御されるようになっている。前記第1クラッチC1の油圧PC1についてはオン−オフ弁48によって調圧され、前記第2クラッチC2の油圧PC2及びブレーキB1の油圧PB1についてはリニアソレノイド弁50によって調圧されるようになっている。
【0018】
図4は、前記変速機12の構成を説明するためにその一部を切り欠いて示す図である。この図4に示すように、前記変速機12は、前記入力軸22に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ52と、前記出力軸24に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ54と、それら入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54のV溝に巻き掛けられた動力伝達部材(バリエータ)である伝動ベルト56とを備えて構成されており、その伝動ベルト56と入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54のV溝の内壁面との間の摩擦力を介して動力伝達が行われるようになっている。ここで、上記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54は、それぞれのV溝幅すなわち伝動ベルト56の掛かり径を変更するための入力側油圧シリンダ(アクチュエータ)58及び出力側油圧シリンダ(アクチュエータ)60を備えて構成されており、斯かる入力側油圧シリンダ58に供給或いはそれから排出される作動油の流量が後述する図6に示す油圧制御回路32内の変速制御弁装置62によって制御されることにより、上記1対の可変プーリ52及び54のV溝幅が変化して上記伝動ベルト56の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力側回転速度NIN/出力側回転速度NOUT )が連続的に変化させられるようになっている。
【0019】
上記入力側可変プーリ52は、前記入力軸22に固定された固定回転体64と、その固定回転体64との間にV溝を形成する状態で前記入力軸22に軸方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に取付られた可動回転体66と、前記入力軸22に固定されてその可動回転体66と摺動可能に嵌合するシリンダボデー68とから構成されており、ピストンとして機能する上記可動回転体66及びシリンダボデー68により前記入力側油圧シリンダ58が構成されている。また、上記出力側可変プーリ54は、前記出力軸24に固定された固定回転体70と、その固定回転体70との間にV溝を形成する状態で前記出力軸24に軸方向の移動可能且つ軸まわりの相対回転不能に取付られた可動回転体72と、前記出力軸24に固定されてその可動回転体72と摺動可能に嵌合するシリンダボデー74とから構成されており、ピストンとして機能する上記可動回転体72及びシリンダボデー74により前記出力側油圧シリンダ60が構成されている。これら入力側油圧シリンダ58及び出力側油圧シリンダ60は、その摺動部分に作動油の漏出を防止するためのシール部材76が設けられているにも拘らず、多少の作動油の漏れが発生するようになっている。
【0020】
前記出力側可変プーリ54の油圧シリンダ60内の油圧Pは、その出力側可変プーリ54の前記伝動ベルト56に対する挟圧力及びその伝動ベルト56の張力に対応するものであり、前記1対の可変プーリ52及び54のV溝内壁面に対する前記伝動ベルト56の押圧力、延いては前記変速機12の駆動摩擦力に密接に関係している。そのため、斯かる油圧Pは、ベルト張力制御圧、ベルト挟圧力制御圧、ベルト押圧力制御圧、或いは駆動摩擦力制御圧とも称されるべきものであり、前記変速機12の駆動に際しては、必要十分な圧力すなわち前記伝動ベルト56に滑りを発生させない範囲内で可及的に小さな圧力となるように、前記油圧制御回路32により調圧されるようになっている。
【0021】
図5は、前記変速機12のベルト張力制御圧の調圧作動に関連する回路図、図6は、前記変速機12の変速比制御に関連する回路図である。図5において、前記電動式オイルポンプ34により圧送された作動油は、図示しないライン圧調圧弁によりライン圧Pに調圧された後、リニアソレノイド弁78及び挟圧力制御弁80に元圧として供給される。そのリニアソレノイド弁78は、図1に示すHVECU104からの励磁電流が連続的に制御されることにより、前記電動式オイルポンプ34から供給された作動油の油圧から、その励磁電流に対応した大きさの制御圧Pを発生させて挟圧力制御弁80に供給する。この挟圧力制御弁80は、制御圧Pが高くなるに従って上昇させられる油圧Pを発生させ、前記出力側油圧シリンダ60に供給することにより、前記伝動ベルト56に対する挟圧力すなわち伝動ベルト56の張力を制御する。斯かる油圧Pは、その上昇に伴って前記1対の可変プーリ52及び54と前記伝動ベルト56との間の摩擦力を増加させる。また、上記リニアソレノイド弁78には、カットバック弁82のオン時にそれから出力される制御圧Pが供給される油室78aが設けられる一方、そのカットバック弁82のオフ時には、その油室78aへの制御圧Pの供給が遮断されて油室78aが大気に開放されるようになっており、上記カットバック弁82のオン時にはオフ時よりも制御圧Pの特性が低圧側へ切り換えられるようになっている。
【0022】
図6に示す変速制御弁装置62は、前記ライン圧Pの作動油を専ら前記入力側油圧シリンダ58へ供給し且つその作動油流量を制御することによりアップ方向の変速速度を制御するアップ変速制御弁84と、その入力側油圧シリンダ58から排出される作動油の流量を制御することによりダウン方向の変速速度を制御するダウン変速制御弁86とから構成されている。上記アップ変速制御弁84は、ライン圧Pを導くライン油路Lと前記入力側油圧シリンダ58との間を開閉するスプール弁子84vと、そのスプール弁子84vを閉弁方向に付勢するスプリング84sと、アップ側電磁弁88から出力される制御圧を導く制御油室84cとを備えている。また、上記ダウン変速制御弁86は、ドレン油路Dと前記入力側油圧シリンダ58との間を開閉するスプール弁子86vと、そのスプール弁子86vを閉弁方向に付勢するスプリング86sと、ダウン側電磁弁90から出力される制御圧を導く制御油室86cとを備えている。上記アップ側電磁弁88及びダウン側電磁弁90は、図1に示すHVECU104によってデューティ駆動されることにより連続的に変化する制御圧を上記制御油室84c及び制御油室86cへ供給し、前記変速機12の変速比γをアップ側及びダウン側へ連続的に変化させる。なお、上記ダウン変速制御弁86には、そのスプール弁子86vの閉位置においてライン油路Lと前記入力側油圧シリンダ58との間を僅かな流通断面積の流通路92が形成されるようになっており、上記アップ変速制御弁84及びダウン変速制御弁86が共に閉状態であるときには、変速比γを変化させないために、ライン油路Lから絞り94、一方向弁96、及び流通路92を通して作動油が僅かに供給されるようになっている。前記入力側油圧シリンダ58及び出力側油圧シリンダ60は、その回転軸心に対して偏った荷重が加えられること等により、前記シール部材76が摺動部分に設けられているにも拘らず作動油の僅かな漏れが存在するからである。
【0023】
そして、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1の作動状態に応じて、図7に示す各走行モードが成立させられる。すなわち、「B」ポジション又は「D」ポジションでは、「ETCモード」、「直結モード」、「モータ走行モード(前進)」の何れかが成立させられる。「ETCモード」では、前記第2クラッチC2を係合すると共に前記第1クラッチC1及びブレーキB1を開放した状態、換言すればサンギヤ18s、キャリア18c、及びリングギヤ18rが相対回転可能な状態で、前記エンジン14及びモータジェネレータ16を共に作動させてサンギヤ18s及びキャリア18cにトルクを加え、リングギヤ18rを回転させて車両を前進走行させる。「直結モード」では、前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2を係合すると共に前記ブレーキB1を開放した状態で、前記エンジン14を作動させて車両を前進走行させる。「モータ走行モード(前進)」では、前記第1クラッチC1を係合すると共に前記第2クラッチC2及びブレーキB1を開放した状態で、前記モータジェネレータ16を作動させて車両を前進走行させる。この「モータ走行モード(前進)」では、アクセル・オフ時等に前記モータジェネレータ16を回生制御することにより、車両の運動エネルギによる発電を行い図1に示すバッテリ98を充電すると共に車両に制動力を作用させることができる。
【0024】
図8は、上記前進モードにおける前記遊星歯車装置18の作動状態を示す共線図で、「S」はサンギヤ18s、「R」はリングギヤ18r、「C」はキャリア18cを表している。また、それ等の間隔はギヤ比ρ(=サンギヤ18sの歯数/リングギヤ18rの歯数)に対応している。具体的には、「S」と「C」の間隔を1とすると、「R」と「C」の間隔がρになり、図8ではρが0.6程度である。また、(a)のETCモードにおけるトルク比は、エンジントルクT:CVT入力軸トルクTin:モータトルクT=ρ:1:1−ρであり、モータトルクTはエンジントルクTより小さくて済むと共に、定常状態ではそれ等のモータトルクT及びエンジントルクTを加算したトルクがCVT入力軸トルクTinになる。
【0025】
図4に戻って、「N」ポジション又は「P」ポジションでは、「ニュートラル」又は「充電・Eng始動モード」の何れかが成立させられる。「ニュートラル」では、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1の何れも開放する。「充電・Eng始動モード」では、前記第1クラッチC1及び第2クラッチC2を開放すると共に前記ブレーキB1を係合し、前記モータジェネレータ16を逆回転させて前記エンジン14を始動したり、そのエンジン14により前記遊星歯車装置18を介して前記モータジェネレータ16を回転駆動すると共に発電制御することにより、電気エネルギを発生させて前記バッテリ98を充電したりする。
【0026】
「R」ポジションでは、「モータ走行モード(後進)」、「フリクション走行モード」、又は「エンジン走行モード」が成立させられる。「モータ走行モード(後進)」では、前記第1クラッチC1を係合すると共に第2第2クラッチC2及びブレーキB1を開放した状態で、前記モータジェネレータ16を逆方向へ回転駆動してキャリア18c、延いては前記入力軸22を逆回転させることにより車両を後進走行させる。「フリクション走行モード」では、前記第1クラッチC1を係合すると共に前記第2クラッチC2を開放した状態で、前記エンジン14を始動してサンギヤ18sを正方向へ回転させると共に、そのサンギヤ18sの回転に伴ってリングギヤ18rが正方向へ回転させられている状態で、前記ブレーキB1をスリップ係合させてそのリングギヤ18rの回転を制限することにより、キャリア18cに逆方向の回転力を作用させて後進走行させる。この「フリクション走行モード」では、図1に示すように前記エンジン14のクランクシャフトに連結されたスタータ102を発電制御して電気エネルギを発生させると共に、その電気エネルギを前記モータジェネレータ16に供給して逆方向へ回転させることにより、後進走行をアシストするようになっている。このスタータ102は、前記エンジン14を始動する際にクランキングするための電動機であるが、発電機としても使用できるモータジェネレータが用いられてもよい。なお、上記「フリクション走行モード」では、前記ブレーキB1の負荷増を防止するため、前記バッテリ98の蓄電量SOCが不足している時を含めて、いかなる条件下においても前記モータジェネレータ16の発電制御が禁止されている。「エンジン走行モード」では、前記第1クラッチC1及びブレーキB1を係合すると共に前記第2クラッチC2を開放した状態で、前記エンジン14によりサンギヤ18sを正方向へ回転させることにより、前記ブレーキB1によって回転が阻止されているリングギヤ18rの作用でキャリア18cを逆方向へ回転させ、車両を後進走行させる。この「エンジン走行モード」では、必要に応じて前記モータジェネレータ16を発電制御することにより、電気エネルギを発生させてバッテリ98を充電する。
【0027】
図9は、上記「フリクション走行モード」及び「エンジン走行モード」における前記遊星歯車装置18の作動状態を示す共線図で、前記図8に相当する図である。(a)の「フリクション走行モード」では、前記ブレーキB1の係合トルクTB1に対して(1−ρ)×TB1のトルクがキャリア18c「C」に作用させられると共に、前記スタータ102の発電トルクTに応じて発生した電気エネルギのみで回転駆動される前記モータジェネレータ16の力行トルクTmdが、同じくキャリア18c「C」に作用させられ、それ等を加算したトルク{(1−ρ)×TB1+Tmd}が前記入力軸22に出力される。前記ブレーキB1の係合トルクTB1は、前記リニアソレノイド弁50による油圧PB1の調圧制御によって制御される。また、前記スタータ102の発電制御で発生した電気エネルギの一部は、前記電動式オイルポンプ34や図示しないエアコン等の補機類で消費され、残りが前記モータジェネレータ16に供給されて力行制御に使用される。なお、図9に示すR/L(ロード/ロード)は走行抵抗である。また、(b)の「エンジン走行モード」では、エンジントルクTに対してT×(1−ρ)/ρのトルクがキャリア18c「C」に作用させられ、前記モータジェネレータ16が発電制御される場合には、そのトルクT×(1−ρ)/ρから発電トルクTmeを差し引いたトルク{T×(1−ρ)/ρ−Tme}が前記入力軸22に出力される。なお、この「エンジン走行モード」においても、厳密には補機類を作動させるためにスタータ102が発電制御され、エンジントルクTからそのスタータ102の発電トルクTを差し引いたトルク(T−T)によってキャリア18c「C」に逆回転方向のトルクが作用させられる。
【0028】
図1に戻って、前記制御装置10は、HVECU104によって制御されるようになっている。このHVECU104は、CPU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラム等に従って信号処理を実行することにより、電子スロットルECU106、エンジンECU108、M/GECU110、T/MECU112、VSCECU113、前記油圧制御回路32のオン−オフ弁48、リニアソレノイド弁50、前記エンジン14のスタータ102等を制御する。この電子スロットルECU106は、前記エンジン14の電子スロットル弁114を開閉制御するもので、エンジンECU108は、前記エンジン14の燃料噴射量や可変バルブタイミング機構、点火時期等によりエンジン出力を制御するもので、M/GECU110は、インバータ116を介して前記モータジェネレータ16の力行トルクや回生制動トルク等を制御するもので、T/MECU112は、前記変速機12の変速比γやベルト挟圧力等を制御するもので、VSCECU113は、前記車両の旋回方向の挙動を安定化するために換言すればアンダーステアおよびオーバステアを防止するために、前記車輪ブレーキ装置29による各車輪の制動力や車両の駆動力を選択的に制御するものである。
【0029】
上記HVECU104には、アクセル操作量センサ120からアクセルペダル118の操作量θACを表す信号が供給されると共に、シフトポジションセンサ122からシフトレバー36のシフトポジションを表す信号が供給される。また、エンジン回転速度センサ124、モータ回転速度センサ126、入力軸回転速度センサ128、出力軸回転速度センサ130、冷却水温センサ132、ATF温度センサ134、SOCセンサ136、及びGセンサ138から、それぞれエンジン回転速度(回転数)N、モータ回転速度(回転数)N、入力軸回転速度Nin、出力軸回転速度Nout 、前記エンジン14の冷却水温Thw、ATF温度ThATF、前記バッテリ98の蓄電量SOC、及び車両の進行方向傾斜角度φpr等を表す信号がそれぞれ供給される。また、前記VSCECU113には、前記ブレーキペダル31に備えられたブレーキスイッチ139からフットブレーキ操作の有無を表す信号が供給される。上記ATF温度センサ134により検出されるATF温度ThATFは、前記油圧制御回路32の作動流体すなわち前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1等の摩擦係合装置を係合させたり冷却したりするためのオイル温度である。また、上記Gセンサ138は、比較的大きな質量をもった部材とその部材に作用する力すなわち加速度を検出する圧電素子とを備えた圧電型センサや、比較的大きな質量をもった部材とその部材に加えられる加速度による変位を元位置に保つような平衡力を電磁力にて発生させる電磁コイルとを備えてその電磁コイルの駆動電流に基づいて加速度を検出するサーボ型センサ等であり、車両の進行方向傾斜角度φprの他にも横方向加速度、左右の車輪速度差、ステアリングの舵角等を検出する。
【0030】
前記HVECU104は、基本的に図10に示す各機能を備えており、前記T/MECU112を介して前記変速機12の駆動を制御する。図10に示すシフトポジション判定手段140は、前記車両のシフトポジションが停車レンジであるか否かを判定する。具体的には、前記シフトポジションセンサ122から供給される前記シフトレバー36のシフトポジションを表す信号が「P」ポジションを示しているか否かを判定する。また、坂路判定手段142は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあるか否かを判定する。具体的には、前記Gセンサ138から供給される車両の進行方向傾斜角度φprを表す信号が臨界角度φcr以上の勾配を示しているか否かを判定する。また、ブレーキ作動判定手段144は、前記車輪ブレーキ装置29が車輪に制動力を発生させるために作動しているか否かを判定する。具体的には、前記ブレーキスイッチ139から前記車輪ブレーキ装置29の操作が行われていることを示す信号が供給されているか否かを判定する。
【0031】
また、坂路断続装置接続予測手段146は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ断続装置である前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1のうち少なくとも1つが遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測されるか否かを判定する。具体的には、上記シフトポジション判定手段140、坂路判定手段142、及びブレーキ作動判定手段144の何れの判定も肯定された場合、すなわち上記シフトポジション判定手段140にて前記車両のシフトポジションが「P」レンジであると判定され、前記坂路判定手段142にて前記車両が所定勾配以上の坂路上にあると判定され、且つ前記ブレーキ作動判定手段144にて前記車輪ブレーキ装置29が作動していると判定された場合に前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1のうち少なくとも1つが遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測されると判定する。この判定は、「P」レンジから他のシフトポジションへ変更される場合には、前記車輪ブレーキ装置29の踏み込みが必要とされる車両の一般的な仕様に基づいている。
【0032】
また、ベルト挟圧力変更手段148は、駆動摩擦力変更手段に対応するものであり、前記坂路断続装置接続予測手段146にて前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ断続装置である前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1のうち少なくとも1つが遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測されると判定された場合に、前記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54によるベルト挟圧力延いては前記変速機12の駆動摩擦力を変更する。具体的には、前記ATF温度センサ134により供給されるATF温度ThATF及び前記Gセンサ138により供給される車両の進行方向傾斜角度φpr等に基づいて所望のベルト挟圧力を設定し、前記リニアソレノイド弁78から供給される制御圧P延いては油圧Pを変更することにより、前記挟圧力制御弁80及び出力側油圧シリンダ60を介して前記伝動ベルト56の張力を変更する。
【0033】
また、オイルポンプ回転数変更手段150は、前記坂路断続装置接続予測手段146にて前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ断続装置である前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1のうち少なくとも1つが遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測されると判定された場合に、前記電動式オイルポンプ34の回転数延いてはそのオイル吐出量を変更する。このオイルポンプ吐出量の変更は、前記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54によるベルト挟圧力を変更するものであり、すなわち、このオイルポンプ回転数変更手段150は、上記ベルト挟圧力変更手段148に含まれる補助的な駆動摩擦力変更手段である。
【0034】
図11は、前記HVECU104による前記制御装置10の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
【0035】
この図11に示すベルト挟圧力制御ルーチンでは、先ず、前記シフトポジション判定手段140に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記車両のシフトポジションが停車レンジであるか否かが判断される。具体的には、前記シフトポジションセンサ122から供給される前記シフトレバー36のシフトポジションを表す信号が「P」ポジションを示しているか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、SA6において、「P」ポジション時における通常のベルト挟圧力設定制御が実行された後、SA7において、そのベルト挟圧力設定に応じたオイルポンプ回転数設定制御が実行され、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合には、前記坂路判定手段142に対応するSA2において、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあるか否かが判断される。
【0036】
SA2では、具体的には、前記Gセンサ138から供給される車両の進行方向傾斜角度φprを表す信号が臨界角度φcr以上の勾配を示しているか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合には、SA6及びSA7が実行され、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA2の判断が肯定される場合には、前記ブレーキ作動判定手段144に対応するSA3において、前記車輪ブレーキ装置29が車輪に制動力を発生させるために作動しているか否かが判断される。
【0037】
SA3では、具体的には、前記ブレーキスイッチ139から前記車輪ブレーキ装置29の操作が行われていることを示す信号が供給されているか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、SA6及びSA7が実行され、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA3の判断が肯定される場合には、ベルト挟圧力変更手段148に対応するSA4及びSA5において、ベルト挟圧力増圧設定制御が実行される。
【0038】
SA4では、具体的には、前記リニアソレノイド弁78から供給される制御圧P延いては油圧Pを増加させることにより、前記挟圧力制御弁80及び出力側油圧シリンダ60を介して前記伝動ベルト56の張力を増加させ、前記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54によるベルト挟圧力を増圧させ、延いては前記変速機12の駆動摩擦力を増加させる。ここで、前記ATF温度センサ134により供給されるATF温度ThATFが低温であるほど、或いは前記Gセンサ138により供給される車両の進行方向傾斜角度φprが急勾配であるほど、ベルト挟圧力が高圧とされるように制御される。このようにベルト挟圧力を所定圧以上に増加させることで、前記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54と動力伝達部材である前記伝動ベルト56との間に十分な摩擦力が発生させられ、それらの部材相互間での滑りが好適に防止される。
【0039】
また、前記オイルポンプ回転数変更手段150に対応するSA5において、オイル吐出量増加設定制御が実行される。具体的には、前記電動式オイルポンプ34の回転数延いてはオイル吐出量が増加させられる。このSA5の制御は、SA4の制御と略同期して実行され、所望されるベルト挟圧力を好適に実現するオイル吐出量となるように前記電動式オイルポンプ34の回転数が設定され、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御動作では、SA1乃至SA3が前記坂路断続装置接続予測手段146に対応し、SA4及びSA5が前記ベルト挟圧力変更手段148に対応すると共に、駆動摩擦力変更手段に対応する。
【0040】
このように、本実施例によれば、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ断続装置である前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、及びブレーキB1のうち少なくとも1つが動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記変速機12の駆動摩擦力を変更する駆動摩擦力変更手段すなわちベルト挟圧力変更手段148(SA4、SA5)を有するものであることから、前記第1クラッチC1等の断続装置の切り換えが行われる前に動力伝達部材である前記伝動ベルト56の滑りを防止するための制御を開始することが可能とされ、必要十分な摩擦力により前記変速機12が駆動される。すなわち、所定勾配以上の坂路上における発車に際して動力伝達部材が滑ることによる耐久力低下を好適に抑制できる車両用無段変速機の制御装置を提供することができる。
【0041】
また、前記車両のシフトポジションが停車レンジすなわち「P」レンジであるか否かを判定するシフトポジション判定手段140(SA1)と、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあるか否かを判定する坂路判定手段142(SA2)と、前記車輪ブレーキ装置29が作動しているか否かを判定するブレーキ作動判定手段144(SA3)とを有し、前記ベルト挟圧力変更手段148は、前記シフトポジション判定手段140により前記車両のシフトポジションが「P」レンジであると判定され、前記坂路判定手段142により前記車両が所定勾配以上の坂路上にあると判定され、且つ前記ブレーキ作動判定手段144により前記車輪ブレーキ装置29が作動していると判定された場合に、前記変速機12の駆動摩擦力を変更するものであるため、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1等の断続装置が遮断状態から接続状態へ切り換えられることを好適な態様で予測して駆動摩擦力を変更できるという利点がある。
【0042】
また、前記変速機12は、有効径が可変である1対の可変プーリすなわち入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54と、その1対の可変プーリ52及び54に巻き掛けられた伝動ベルト56とを含むベルト式無段変速機であり、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1等の断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記1対の可変プーリ52及び54によるベルト挟圧力を変更するベルト挟圧力変更手段148を有するものであるため、斯かるベルト式無段変速機12の耐久力低下を抑制できるという利点がある。
【0043】
また、前記ベルト挟圧力変更手段148は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1等の断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記変速機12の駆動摩擦力を増加させるものであるため、動力伝達部材の滑りを好適に防止でき、前記変速機12の耐久力低下を好適に抑制できるという利点がある。
【0044】
なお、前述した図11の代わりに、図12のフローチャートに従ってベルト挟圧力制御を実行しても構わない。この図12に示すSB1乃至SB3、SB6、及びSB7は、図11におけるSA1乃至SA3、SA6、及びSA7にそれぞれ対応し同様の制御を実行することから、以下の説明においてそれらのステップを省略する。
【0045】
この図12に示すベルト挟圧力制御ルーチンでは、SB4において、前記リニアソレノイド弁78から供給される制御圧P延いては油圧Pを減少させることにより、前記挟圧力制御弁80及び出力側油圧シリンダ60を介して前記伝動ベルト56の張力を減少させ、前記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54によるベルト挟圧力を減圧させ、延いては前記変速機12の駆動摩擦力を減少させる。このようにベルト挟圧力を所定圧以下に減少させることで、前記入力側可変プーリ52及び出力側可変プーリ54と動力伝達部材である前記伝動ベルト56との間に十分な遊びが与えられ、それらの部材相互間での摺動が好適に防止される。なお、ここでのベルト挟圧力は、斯かる十分な遊びを実現しうる範囲内で可及的に高圧とされるように制御される。
【0046】
また、前記オイルポンプ回転数変更手段150に対応するSB5において、オイル吐出量減少設定制御が実行される。具体的には、前記電動式オイルポンプ34の回転数延いてはそのオイル吐出量が減少させられる。このSB5の制御は、SB4の制御と略同期して実行され、所望されるベルト挟圧力を好適に実現するオイル吐出量となるように前記電動式オイルポンプ34の回転数が設定され、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御動作では、SB4及びSB5が前記ベルト挟圧力変更手段148に対応すると共に、駆動摩擦力変更手段に対応する。
【0047】
このように、前記ベルト挟圧力変更手段148(SB4、SB5)は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1等の断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記変速機12の駆動摩擦力を減少させるものであるため、十分な遊びを与えて前記伝動ベルト56を積極的に滑らせることで、前記変速機12の耐久力低下を好適に抑制できるという利点がある。
【0048】
また、前記ベルト挟圧力変更手段148は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1等の断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記変速機12の摩擦力を発生させる油圧シリンダの元圧を供給する前記電動式オイルポンプ34の回転数延いては吐出量を変更するオイルポンプ回転数変更手段150を含むものであるため、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記第1クラッチC1等の断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記電動式オイルポンプ34の回転数を低下乃至作動を停止させることで前記出力側油圧シリンダ60の元圧を低減させ、軽負荷な状態で前記伝動ベルト56を滑らせることで、前記変速機12の耐久力低下を更に好適に抑制できるという利点がある。
【0049】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0050】
例えば、前述の実施例では、駆動力源として前記エンジン14及びモータジェネレータ16を備えたハイブリッド車両について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動力源として燃料の燃焼により動力を発生するエンジンのみを備えた車両、電気エネルギにより動力を発生するモータジェネレータのみを備えた車両、或いは燃料電池を駆動力源とする燃料電池自動車等、様々な態様の車両に広く適用される。
【0051】
また、前述の実施例では、有効径が可変な1対の可変プーリ52及び54に伝動ベルト56が巻き掛けられたベルト式無段変速機12について説明したが、同心のコーン部材の間に介在させられたローラの回転軸心をそのコーン部材の回転軸心に直交する位置から回転させることによって変速比を無段階に変化させる形式のトロイダル型無段変速機等の他の態様の無段変速機に本発明が適用されても構わない。このトロイダル型無段変速機の場合には、前記ローラが動力伝達部材として機能する。要するに、本発明は、動力伝達部材が回転要素の間に挟圧状態で介在させられた無段変速機に広く適用される。
【0052】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド駆動制御装置を説明する概略構成図である。
【図2】図1のハイブリッド駆動制御装置にベルト式無段変速機を加えた骨子図である。
【図3】図1のハイブリッド駆動制御装置に備えられた油圧制御回路の要部を示す回路図である。
【図4】図2に示すベルト式無段変速機の構成を説明するためにその一部を切り欠いて示す図である。
【図5】図1のハイブリッド駆動制御装置に備えられた油圧制御回路の要部を示す回路図であり、特に、ベルト挟圧力制御に関する回路を示す図である。
【図6】図1のハイブリッド駆動制御装置に備えられた油圧制御回路の要部を示す回路図であり、特に、変速比制御に関する回路を示す図である。
【図7】図1のハイブリッド駆動制御装置において成立させられる幾つかの走行モードと複数の断続装置の作動状態との関係を示す図である。
【図8】図7のETCモード、直結モード、及びモータ走行モード(前進)における遊星歯車装置の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図9】図7のフリクション走行モード及びエンジン走行モードにおける遊星歯車装置の各回転要素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図10】図1のHVECUが有する制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図11】図1のHVECUによるベルト挟圧力制御作動の一例を説明するフローチャートである。
【図12】図1のHVECUによるベルト挟圧力制御作動の他の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:ハイブリッド駆動制御装置
12:ベルト式無段変速機
14:エンジン(駆動力源)
16:モータジェネレータ(駆動力源)
29:車輪ブレーキ装置(ブレーキ装置)
30:駆動輪
52:入力側可変プーリ
54:出力側可変プーリ
56:伝動ベルト(動力伝達部材)
60:出力側油圧シリンダ
140:シフトポジション判定手段
142:坂路判定手段
144:ブレーキ作動判定手段
148:ベルト挟圧力変更手段(駆動摩擦力変更手段)
B1:ブレーキ(断続装置)
C1:第1クラッチ(断続装置)
C2:第2クラッチ(断続装置)

Claims (6)

  1. 車両の駆動力源と駆動輪との間の動力伝達経路に、動力伝達の断続切り換えを行う断続装置と、摩擦力を介して動力伝達を行うと共に該摩擦力を制御できる無段変速機とを、直列的に備えた車両における該無段変速機の制御装置であって、
    前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を変更する駆動摩擦力変更手段を有することを特徴とする車両用無段変速機の制御装置。
  2. 前記車両のシフトポジションが停車レンジであるか否かを判定するシフトポジション判定手段と、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあるか否かを判定する坂路判定手段と、所定のブレーキ装置が作動しているか否かを判定するブレーキ作動判定手段とを、有し、前記駆動摩擦力変更手段は、前記シフトポジション判定手段により前記車両のシフトポジションが停車レンジであると判定され、前記坂路判定手段により前記車両が所定勾配以上の坂路上にあると判定され、且つ前記ブレーキ作動判定手段により所定のブレーキ装置が作動していると判定された場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を変更するものである請求項1の車両用無段変速機の制御装置。
  3. 前記駆動摩擦力変更手段は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を増加させる請求項1又は2の車両用無段変速機の制御装置。
  4. 前記駆動摩擦力変更手段は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の駆動摩擦力を減少させる請求項1又は2の車両用無段変速機の制御装置。
  5. 前記無段変速機は、有効径が可変である1対の可変プーリと、該1対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを、含むベルト式無段変速機であり、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記可変プーリによる伝動ベルトに対するベルト挟圧力を変更するベルト挟圧力変更手段を有するものである請求項1から4の何れかの車両用無段変速機の制御装置。
  6. 前記駆動摩擦力変更手段は、前記車両が所定勾配以上の坂路上にあり且つ前記断続装置が動力伝達の遮断状態から接続状態へ切り換えられることが予測される場合に、前記無段変速機の摩擦力を発生させる油圧シリンダの元圧を供給する電動式オイルポンプの回転数を変更するオイルポンプ回転数変更手段を含むものである請求項1から5の何れかの車両用無段変速機の制御装置。
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