JP2004211043A - 共重合ポリエステルチップの乾燥法 - Google Patents
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Abstract
【課題】乾燥時の融着(ブロッキング)による操業性悪化や加水分解、酸化分解、熱分解等の粘度低下による品質劣化が生じない共重合ポリエステルチップの乾燥方法を提供する。
【解決手段】(1)金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有してなる共重合ポリエステルチップを乾燥するに際し、当該共重合ポリエステルチップを、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、真空下又は常圧下で予備乾燥して、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することを特徴とする共重合ポリエステルチップの乾燥法。
【選択図】なし
【解決手段】(1)金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有してなる共重合ポリエステルチップを乾燥するに際し、当該共重合ポリエステルチップを、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、真空下又は常圧下で予備乾燥して、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することを特徴とする共重合ポリエステルチップの乾燥法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共重合ポリエステルチップの乾燥法に関するものである。更に詳しくは、共重合ポリエステルチップの乾燥の工程で、乾燥時の融着(ブロッキング)による操業性悪化や加水分解、酸化分解、熱分解等の粘度低下による品質劣化が生じない共重合ポリエステルチップの乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN−2,6)等のポリエステルホモポリマーは、優れた熱的、機械的、物理的、化学的特性を保持しており、写真感光材料用途(カラーフイルム、X−線、印刷感材等)、磁気記録用途(オーディオ、ビデオ、フロッピー等)、電気用途(コンデンサー、電気絶縁材料等)、蒸着用途、包装用途等に適し、多量に使用されている。
【0003】
しかしながら、これらポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN−2,6)等のポリエステルホモポリマーから作製のフイルムは、熱的、機械的、物理的、化学的特性に優れるが、一旦巻癖が付くととれにくく、巻癖解消性に優れたフイルムの開発が求められていた。その方法の一つに特開平6−240020号公報に、本発明の共重合ポリエステルポリマーを使用して、互いに異なるポリエステルを積層し、いずれか一種のポリエステル層に親水性成分を共重合した共重合ポリエステルからなる積層ポリエステル改良技術が開示されている。この技術は、現像処理後の巻きぐせ解消性をTACと同程度まで向上させることが出来るとして提案されている。しかしながら、金属スルホネート基を含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する共重合ポリエステルは、通常のポリエステルに比べて、ガラス転移温度(Tg℃)や結晶化温度(Tc℃)、融点(Tm℃)が低くなる。エステル結合量も多く、特に、金属スルホネート基およびポリアルキレングリコール類は、吸湿性が強く、乾燥中に持ち込んだ水分により加水分解を起こして、粘度低下が生じ、品質低下をもたらすという欠点がある。また共重合成分の中でもとりわけ、ポリアルキレングリコール類は、酸化分解し易く、酸素と反応して、アルデヒドを発生し、また容易に着色して、黄味を増すので、工程より酸素を極力除いてやる必要がある。従って、これらの問題に対して、真空下、または窒素などの不活性気体の雰囲気下で、低温で結晶化し、除湿する等の工夫が要求される。
【0004】
一般に、PETやPEN−2,6等のホモポリエステルは、水分を多く含有した状態で加熱すると、エステル結合が加水分解を起こして重合度が低下し、糸やフイルムに成形して得られる製品の品質が低下する原因となる。そのため、成形する前に十分に乾燥して水分を除去する必要がある。
【0005】
ホモポリエステルの乾燥方法については、従来から、数々の方法が提案されている。例えば、(1)結晶化が始まる温度より少し低い温度に設定された乾燥機にポリエステルチップを仕込み、その後減圧しながら徐々に昇温し、120〜180℃の温度範囲で乾燥を行う方法がある。通常のホモポリエステルの場合、徐々に昇温すると結晶化の方が可塑化よりも優先し、そのため融着(ブロッキング)が生じ難いことから何等問題はない。あるいは、(2)真空下で、凡そ120℃以上、結晶化温度(凡そ170〜180℃)以下の温度で、数時間以上加熱する、(3)空気雰囲気下(常圧)で、凡そ120℃以上、結晶化温度(凡そ170〜180℃)以下の温度で、数時間以上加熱する(4)不活性ガス雰囲気下(常圧)で、凡そ120℃以上、結晶化温度(凡そ170〜180℃)以下の温度で、数時間以上加熱して、結晶化と除湿を行うことが行われている。
【0006】
しかし、金属スルホネート基を含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する共重合ポリエステルは、可塑化温度が非常に低く、また乾燥温度を徐々に昇温しても、可塑化の方が結晶化よりも優先するため、乾燥中にチップ同士が融着(ブロッキング)したり、乾燥機の内壁にチップが層状に付着し、これらの塊状チップが、乾燥機から押し出し機への供給部で詰まり、チップの供給ができなくなる等の問題がある。また、昇温スピードをさらに遅くする方法では、乾燥に長時間を要し、操業性等に問題が生じる。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、金属スルホネート基を含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する共重合ポリエステルチップの乾燥法に関するものであり、更に詳しくは、共重合ポリエステルチップの乾燥工程で、融着(ブロッキング)を起こさず、水分率を抑えて、共重合ポリエステルチップの乾燥時および溶融、押し出し時に、加水分解、酸化分解、熱分解等を抑える共重合ポリエステルチップの乾燥法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記共重合ポリエステルチップの乾燥法により達成されたものである。
【0009】
すなわち、前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有してなる共重合ポリエステルチップを乾燥するに際し、当該共重合ポリエステルチップを、乾燥機内の共重合ポリエステルチップを攪拌しながら、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、真空下又は常圧下で予備乾燥して、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することを特徴とする共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップを15kPa以下の真空下で予備乾燥することを特徴とする特許請求項1に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップを窒素ガス雰囲気下で予備乾燥することを特徴とする特許請求項1に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、予備乾燥後の当該共重合ポリエステルチップを15kPa以下の真空下で本乾燥することを特徴とする特許請求項1〜3に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、予備乾燥後の当該共重合ポリエステルチップを、窒素ガス雰囲気下で本乾燥することを特徴とする特許請求項1〜3に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップの予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.05(dl/g)以下であることを特徴とする特許請求項1〜5に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップの予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.03(dl/g)以下であることを特徴とする特許請求項1〜5に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0016】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
本発明の共重合ポリエステルは、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分とし、ジカルボン酸とジオールとの繰り返し単位を主構成成分とし、好ましくは芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分とする共重合ポリエステルを挙げることができる。更に又、この発明においては、共重合ポリエステルとして、前記共重合ポリエステルと前記ポリエステルとのブレンド物をも挙げることができる。
【0018】
前記二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあり、グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシレングリコールなどがある。共重合ポリエステルとしては、なかでもテレフタル酸とエチレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートと2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
【0019】
又、共重合ポリエステルの固有粘度は、特に限定されないが、0.35〜0.75(dl/g)、好ましくは、0.50〜0.65(dl/g)のものが使用される。
【0020】
共重合ポリエステルにおける共重合成分としての金属スルホネート基を含有する芳香族ジカルボン酸は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくは下記化1で示されるエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属例えばカリウム、リチウムなどで置換した化合物を挙げることができる。
【0021】
【化1】
【0022】
前記共重合ポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で共重合成分として、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有しているのが好ましい。
【0023】
前記ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等やこれらの誘導体などを挙げることができる。使用することのできるポリアルキレングリコール類の分子量は特に限定されないが、好ましくは、300〜20,000、より好ましくは600〜10,000、特に好ましくは1,000〜5,000である。特にポリアルキレングリコールが好ましく、このうち特に(a)式で示される表わされるポリエチレングリコールが好ましい。
【0024】
H(O−CH2CH2)n−OH (a)
また、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコールの末端−Hを−CH2 COORに置換した(b)式で示されるポリエチレンオキシジカルボン酸(R:Hまたは炭素数1〜10のアルキル基、n:正の整数)や、(c)式で示されるようなポリエーテルジカルボン酸(R’:Hまたは炭素数2〜10のアルキレン基、n:正の整数)などを用いても同様の効果が得られる。
【0025】
ROOCCH2−(O−CH2CH2)n−OCH2COOR (b)
ROOCCH2−(O−R’)n−OCH2COOR (c)
(b)式で示される化合物、(c)式で示される化合物いずれの場合もその分子量は300〜20,000が好ましく、更に好ましくは600〜10,000であり、特に1,000〜5,000のものが好ましく用いられる。
【0026】
飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えばそのエステル形成誘導体が好ましく、アジピン酸、セバシン酸のエステルであるアジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチルなどが用いられる。好ましくはアジピン酸ジメチルである。
【0027】
本発明に用いられる共重合ポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の成分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドされていてもかまわない。特に易切断性に寄与する脂環式炭化水素ジカルボン酸エステル、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールを、反応生成物に対して10〜40重量%共重合させても良いし、シクロヘキサンジメタノールポリマーを10〜40重量%ブレンドしても良い。
【0028】
本発明に用いられる共重合ポリエステルは、重合段階でリン酸、亜リン酸およびそれらのエステルならびに無機粒子(シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化チタンなど)、有機架橋粒子(ポリメチルメタアクリレートなど)が含まれていてもよいし、重合後ポリマーに無機粒子などがブレンドされていてもよい。さらに重合段階、重合後のいずれかの段階で適宜に顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加してもかまわない。
【0029】
共重合ポリエステルを得るには、酸成分とグリコール成分とをエステル交換した後に、前述の共重合成分を添加し、溶融重合を行っても良いし、又、共重合成分をエステル交換する前に添加し、エステル交換した後に溶融重合を行っても良いし、または溶融重合で得られたポリマーを固相重合するなど公知の合成方法を採用することができる。
【0030】
このエステル交換時に用いる触媒としては、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸マンガン、酢酸カルシウムの水和物が好ましく、さらにはこれらを混合したものが好ましい。前記エステル交換時および/または重合時に反応を阻害したりポリマーを着色したりしない範囲で水酸化物や脂肪族カルボン酸の金属塩、第四級アンモニウム塩などを添加することも有効であり、中でも水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、テトラエチルヒドロキシアンモニウムなどが好ましく、特に酢酸ナトリウムが好ましい。
【0031】
また、共重合ポリエステルには、種々の添加剤を含有せしめることができる。たとえば、染料などを混合して用いても良い。
【0032】
本発明の共重合ポリエステルは、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有するものである。
【0033】
本発明における共重合ポリエステルの乾燥に用いる乾燥機の形状や大きさには特に制限はなく、タンブラー型やパドル型、あるいはその他どのようなものでもよいが、共重合ポリエステルチップの融着(ブロッキング)を防ぐという観点からは、共重合ポリエステルチップを攪拌しながら乾燥するタイプが良い。
【0034】
本発明の乾燥方法は、水分率が0.03重量%以上の共重合ポリエステルチップ(以下、吸湿PETと略す。)に適用するものである。水分率が0.03重量%未満の吸湿PETは、通常のPETと同様にして乾燥を行うことができ、予備乾燥は必要ない。
【0035】
水分率が0.03重量%以上の吸湿PETの場合、通常のPETと同様にして乾燥したり、予備乾燥を行わず、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で乾燥すると、水分により、昇温、乾燥時に吸湿PETが加水分解され、融着や粘度低下が起こるので好ましくない。
【0036】
真空下又は常圧下で、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、乾燥機内の吸湿PETチップを攪拌しながら、予備乾燥する。予備乾燥が、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度範囲であれば、吸湿PETチップを静置した状態では、若干チップの融着(ブロッキング)を防ぎ得ないが、攪拌しながら、予備乾燥するので、融着(ブロッキング)は問題なく、使用可能である。また、予備乾燥温度も十分高く、水分の除去も速く、加水分解を防いで粘度低下を抑えることが出来る。そして、予備乾燥後の水分率は0.03重量%未満にする必要がある。
【0037】
吸湿PETの予備乾燥は、真空下又は常圧下のどちらで行っても良いが、融着(ブロッキング)を防ぐため、吸湿PETチップを攪拌しながら予備乾燥する。乾燥方法は、真空下で行う場合は、15kPa以下の真空下で予備乾燥することが好ましく、常圧下でおこなう場合は、空気雰囲気下でもかまわないが、酸化を防ぐという意味では、窒素ガス雰囲気下で予備乾燥することが好ましい。前者の真空乾燥の方が酸化劣化もなく、乾燥時間も短く、好ましい。
【0038】
本乾燥に使用の吸湿PETチップの予備乾燥後水分率は、0.03重量%未満であることが良い。
【0039】
予備乾燥後の当該吸湿PETチップは、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+55℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥する。本乾燥は、結晶化温度(Tc℃)以下、好ましくは結晶化温度(Tc℃)より10℃低い(Tc−10)℃を上限とすべきである。結晶化温度(Tc℃)より高い温度で乾燥すると、チップ同士の融着や粘度低下、乾燥機の内壁への付着等の問題が生じるので好ましくない。乾燥温度の下限は、予備乾燥の温度より高温で、(ガラス転移温度(Tg℃)+55℃)である。本発明の共重合ポリエステルは、そのガラス転移温度(Tg℃)範囲が、55℃〜70℃にあり、乾燥温度は110〜125℃以上に相当する。この温度範囲は、吸着水が除去される温度で、効率良く吸湿PET(共重合ポリエステル)チップが乾燥される。乾燥後の吸湿PETチップの水分率は、0.005重量%以下、特に0.003重量%以下とするのが好ましい。
【0040】
予備乾燥後の当該吸湿PETチップの本乾燥は、融着(ブロッキング)を防ぐため、吸湿PETチップを攪拌しながら本乾燥することが好ましい。乾燥方法は、真空下で行う場合は、15kPa以下、好ましくは、5kPa以下の真空下で本乾燥することが好ましく、常圧下でおこなう場合は、空気雰囲気下でもかまわないが、酸化を防ぐという意味では、窒素ガス雰囲気下で本乾燥することが好ましい。前者の真空乾燥は、酸化劣化もなく、乾燥時間も短いが設備が大掛かりになる。後者の窒素ガス雰囲気下の乾燥は、酸化劣化もなく、設備投資も比較的安価に済ませられる。
【0041】
このようにして得られた吸湿PETチップは、出発の固有粘度にも依るが、固有粘度が0.50〜0.65(dl/g)のもので、予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.05(dl/g)以下、好ましくは0.03(dl/g)以下のものが得られる。
【0042】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例において、共重合ポリエステルの特性値は次のようにして測定し、操業性評価結果と併せて、総合評価結果を表に纏めた。
【0043】
本発明におけるフィルム物性値の測定方法を以下に記す。
【0044】
<水分率>
水分率三菱化学社製水分気化装置VA−06型と、同社水分測定装置CA−06型を用いて測定した。
【0045】
<ガラス転移温度(Tg℃)と結晶化温度(Tc℃)>
差動走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプルフィルム10mgをヘリウムチッ素気流中、20℃/分で昇温して測定した。Tgは、ベースラインから偏奇しはじめる温度と新たなベースラインに戻る温度の算術平均温度もしくは、Tgに吸熱ピークが現われた時はこの吸熱ピークの最大値を示す温度をTgとして定義した。Tcは、吸熱ピークの最大値を示す温度をTcとして定義した。
【0046】
<固有粘度低下>
ウベローデ型粘度計を用いて行った。重量比が約55:45(流下時間42.0±0.1秒に調整)であるフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの混合溶媒を用い、サンプルを溶かして濃度0.2、0.6、1.0(g/dl)の溶液(温度20℃)を調製した。ウベローデ型粘度計によって、それぞれの濃度(C)における比粘度(ηsp)を求め、濃度零に補外し固有粘度[η]を求めた。乾燥以降、溶融、押し出し工程での固有粘度低下をΔ[η]で表す。固有粘度[η]の単位は(dl/g)である。
【0047】
<操業性評価>
乾燥後、乾燥機から共重合ポリエステルチップを押し出し機に供給し、共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)の有無と、乾燥機の内壁への付着の有無を目視で確認し、押し出し機に問題なく移動、供給出来たかを確認した。
◎:共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)、および乾燥機の内壁への付着も無く、問題なく押し出し機に移動、供給出来たもの。
○:共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)が若干発生したが、乾燥機の内壁への付着も無く、問題なく押出し機に移動、供給出来たもの。
×:共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)が発生し、乾燥機の内壁への付着もあって、押し出し機に移動、供給出来なかったもの。
【0048】
<総合評価>
以下の基準に従って、総合評価を実施した。
◎:操業性が◎で、かつΔ[η]が、0.03(dl/g)以下である場合。
○:操業性が○〜◎で、かつΔ[η]が、0.03(dl/g)を越えて0.05(dl/g)以下である場合。
×:操業性が×か、Δ[η]が、0.05(dl/g)を越えるいずれかの場合。
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0050】
【実施例】1〜5
【比較例】1〜2
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール64重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウムの水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略称;SIP)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部(5モル%/全エステル結合)、ポリエチレングリコール(略称:PEG)(数平均分子量:4,000)11重量部(8.0重量%/反応生成物の全重量)、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(CIBA−GEIGY社製)を生成物ポリマーに対して1重量%になるように添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.57の共重合ポリエステルチップを得、実施例1〜4、比較例1〜2に使用した。得られた共重合ポリエステルチップを差動走査熱量計で測定したところ、ガラス転移温度(Tg℃)は、65℃であり、結晶化温度(Tc℃)は、176℃であった。
【0051】
【実施例】1−1〜1−3
この共重合ポリエステルチップを、重合後6ヶ月間、室温に放置して保管したもので、予備乾燥時の初期水分率は0.81重量%で、ほぼ当該共重合ポリエステルの平衡含水率に近いものであった。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、15kPaの真空下、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、窒素雰囲気に置換し、窒素気流下、常圧で、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、4時間本乾燥した。
【0052】
【実施例】2−1〜2−3
この共重合ポリエステルチップを、重合後2日間、室温に放置して保管したもので、予備乾燥時の初期水分率は0.42重量%であった。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、15kPaの真空下、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、空気雰囲気下、常圧で、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、120℃に加熱して、表1に記載の時間本乾燥した。
【0053】
【実施例】3−1〜3−3
上記実施例2と同じ共重合ポリエステルチップ(初期水分率が0.42重量%)を使用した。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、窒素気流下、常圧で、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0054】
【実施例】4−1
この共重合ポリエステルチップを、重合後1時間、室温に放置して使用したもので、初期水分率は0.015重量%であった。予備乾燥を省略して、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0055】
【実施例】5−1
この共重合ポリエステルチップを、重合後3時間、室温に放置して使用したもので、初期水分率は0.030重量%であった。予備乾燥を省略して、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0056】
【比較例】1−1〜1−3
実施例2〜3と同じ共重合ポリエステルチップ(初期水分率が0.42重量%)を使用した。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、窒素気流下、常圧で、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0057】
【比較例】2
この共重合ポリエステルチップを、重合後5時間室温に放置して、使用したもので、初期水分率は0.041重量%であった。予備乾燥を省略して、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
表1,2の結果より、本発明の共重合ポリエステルチップの乾燥法は、初期水分率が、0.030重量%のものは、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することが好ましいことが理解される。また、初期水分率が0.03重量%未満のものは、予備乾燥することなく、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することが出来ることが理解される。
【0061】
【発明の効果】
本発明の乾燥法により、共重合ポリエステルチップの乾燥の工程で、乾燥時の融着(ブロッキング)による操業性悪化や加水分解、酸化分解、熱分解等の粘度低下による品質劣化を生じさせない熱可塑性樹脂を作製することが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、共重合ポリエステルチップの乾燥法に関するものである。更に詳しくは、共重合ポリエステルチップの乾燥の工程で、乾燥時の融着(ブロッキング)による操業性悪化や加水分解、酸化分解、熱分解等の粘度低下による品質劣化が生じない共重合ポリエステルチップの乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN−2,6)等のポリエステルホモポリマーは、優れた熱的、機械的、物理的、化学的特性を保持しており、写真感光材料用途(カラーフイルム、X−線、印刷感材等)、磁気記録用途(オーディオ、ビデオ、フロッピー等)、電気用途(コンデンサー、電気絶縁材料等)、蒸着用途、包装用途等に適し、多量に使用されている。
【0003】
しかしながら、これらポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN−2,6)等のポリエステルホモポリマーから作製のフイルムは、熱的、機械的、物理的、化学的特性に優れるが、一旦巻癖が付くととれにくく、巻癖解消性に優れたフイルムの開発が求められていた。その方法の一つに特開平6−240020号公報に、本発明の共重合ポリエステルポリマーを使用して、互いに異なるポリエステルを積層し、いずれか一種のポリエステル層に親水性成分を共重合した共重合ポリエステルからなる積層ポリエステル改良技術が開示されている。この技術は、現像処理後の巻きぐせ解消性をTACと同程度まで向上させることが出来るとして提案されている。しかしながら、金属スルホネート基を含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する共重合ポリエステルは、通常のポリエステルに比べて、ガラス転移温度(Tg℃)や結晶化温度(Tc℃)、融点(Tm℃)が低くなる。エステル結合量も多く、特に、金属スルホネート基およびポリアルキレングリコール類は、吸湿性が強く、乾燥中に持ち込んだ水分により加水分解を起こして、粘度低下が生じ、品質低下をもたらすという欠点がある。また共重合成分の中でもとりわけ、ポリアルキレングリコール類は、酸化分解し易く、酸素と反応して、アルデヒドを発生し、また容易に着色して、黄味を増すので、工程より酸素を極力除いてやる必要がある。従って、これらの問題に対して、真空下、または窒素などの不活性気体の雰囲気下で、低温で結晶化し、除湿する等の工夫が要求される。
【0004】
一般に、PETやPEN−2,6等のホモポリエステルは、水分を多く含有した状態で加熱すると、エステル結合が加水分解を起こして重合度が低下し、糸やフイルムに成形して得られる製品の品質が低下する原因となる。そのため、成形する前に十分に乾燥して水分を除去する必要がある。
【0005】
ホモポリエステルの乾燥方法については、従来から、数々の方法が提案されている。例えば、(1)結晶化が始まる温度より少し低い温度に設定された乾燥機にポリエステルチップを仕込み、その後減圧しながら徐々に昇温し、120〜180℃の温度範囲で乾燥を行う方法がある。通常のホモポリエステルの場合、徐々に昇温すると結晶化の方が可塑化よりも優先し、そのため融着(ブロッキング)が生じ難いことから何等問題はない。あるいは、(2)真空下で、凡そ120℃以上、結晶化温度(凡そ170〜180℃)以下の温度で、数時間以上加熱する、(3)空気雰囲気下(常圧)で、凡そ120℃以上、結晶化温度(凡そ170〜180℃)以下の温度で、数時間以上加熱する(4)不活性ガス雰囲気下(常圧)で、凡そ120℃以上、結晶化温度(凡そ170〜180℃)以下の温度で、数時間以上加熱して、結晶化と除湿を行うことが行われている。
【0006】
しかし、金属スルホネート基を含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する共重合ポリエステルは、可塑化温度が非常に低く、また乾燥温度を徐々に昇温しても、可塑化の方が結晶化よりも優先するため、乾燥中にチップ同士が融着(ブロッキング)したり、乾燥機の内壁にチップが層状に付着し、これらの塊状チップが、乾燥機から押し出し機への供給部で詰まり、チップの供給ができなくなる等の問題がある。また、昇温スピードをさらに遅くする方法では、乾燥に長時間を要し、操業性等に問題が生じる。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、金属スルホネート基を含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する共重合ポリエステルチップの乾燥法に関するものであり、更に詳しくは、共重合ポリエステルチップの乾燥工程で、融着(ブロッキング)を起こさず、水分率を抑えて、共重合ポリエステルチップの乾燥時および溶融、押し出し時に、加水分解、酸化分解、熱分解等を抑える共重合ポリエステルチップの乾燥法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記共重合ポリエステルチップの乾燥法により達成されたものである。
【0009】
すなわち、前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有してなる共重合ポリエステルチップを乾燥するに際し、当該共重合ポリエステルチップを、乾燥機内の共重合ポリエステルチップを攪拌しながら、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、真空下又は常圧下で予備乾燥して、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することを特徴とする共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップを15kPa以下の真空下で予備乾燥することを特徴とする特許請求項1に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップを窒素ガス雰囲気下で予備乾燥することを特徴とする特許請求項1に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、予備乾燥後の当該共重合ポリエステルチップを15kPa以下の真空下で本乾燥することを特徴とする特許請求項1〜3に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、予備乾燥後の当該共重合ポリエステルチップを、窒素ガス雰囲気下で本乾燥することを特徴とする特許請求項1〜3に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップの予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.05(dl/g)以下であることを特徴とする特許請求項1〜5に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、当該共重合ポリエステルチップの予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.03(dl/g)以下であることを特徴とする特許請求項1〜5に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法である。
【0016】
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
本発明の共重合ポリエステルは、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合成分とし、ジカルボン酸とジオールとの繰り返し単位を主構成成分とし、好ましくは芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分とする共重合ポリエステルを挙げることができる。更に又、この発明においては、共重合ポリエステルとして、前記共重合ポリエステルと前記ポリエステルとのブレンド物をも挙げることができる。
【0018】
前記二塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあり、グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシレングリコールなどがある。共重合ポリエステルとしては、なかでもテレフタル酸とエチレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートと2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。
【0019】
又、共重合ポリエステルの固有粘度は、特に限定されないが、0.35〜0.75(dl/g)、好ましくは、0.50〜0.65(dl/g)のものが使用される。
【0020】
共重合ポリエステルにおける共重合成分としての金属スルホネート基を含有する芳香族ジカルボン酸は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくは下記化1で示されるエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属例えばカリウム、リチウムなどで置換した化合物を挙げることができる。
【0021】
【化1】
【0022】
前記共重合ポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で共重合成分として、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を含有しているのが好ましい。
【0023】
前記ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等やこれらの誘導体などを挙げることができる。使用することのできるポリアルキレングリコール類の分子量は特に限定されないが、好ましくは、300〜20,000、より好ましくは600〜10,000、特に好ましくは1,000〜5,000である。特にポリアルキレングリコールが好ましく、このうち特に(a)式で示される表わされるポリエチレングリコールが好ましい。
【0024】
H(O−CH2CH2)n−OH (a)
また、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコールの末端−Hを−CH2 COORに置換した(b)式で示されるポリエチレンオキシジカルボン酸(R:Hまたは炭素数1〜10のアルキル基、n:正の整数)や、(c)式で示されるようなポリエーテルジカルボン酸(R’:Hまたは炭素数2〜10のアルキレン基、n:正の整数)などを用いても同様の効果が得られる。
【0025】
ROOCCH2−(O−CH2CH2)n−OCH2COOR (b)
ROOCCH2−(O−R’)n−OCH2COOR (c)
(b)式で示される化合物、(c)式で示される化合物いずれの場合もその分子量は300〜20,000が好ましく、更に好ましくは600〜10,000であり、特に1,000〜5,000のものが好ましく用いられる。
【0026】
飽和脂肪族ジカルボン酸としては、例えばそのエステル形成誘導体が好ましく、アジピン酸、セバシン酸のエステルであるアジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチルなどが用いられる。好ましくはアジピン酸ジメチルである。
【0027】
本発明に用いられる共重合ポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の成分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドされていてもかまわない。特に易切断性に寄与する脂環式炭化水素ジカルボン酸エステル、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールを、反応生成物に対して10〜40重量%共重合させても良いし、シクロヘキサンジメタノールポリマーを10〜40重量%ブレンドしても良い。
【0028】
本発明に用いられる共重合ポリエステルは、重合段階でリン酸、亜リン酸およびそれらのエステルならびに無機粒子(シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化チタンなど)、有機架橋粒子(ポリメチルメタアクリレートなど)が含まれていてもよいし、重合後ポリマーに無機粒子などがブレンドされていてもよい。さらに重合段階、重合後のいずれかの段階で適宜に顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加してもかまわない。
【0029】
共重合ポリエステルを得るには、酸成分とグリコール成分とをエステル交換した後に、前述の共重合成分を添加し、溶融重合を行っても良いし、又、共重合成分をエステル交換する前に添加し、エステル交換した後に溶融重合を行っても良いし、または溶融重合で得られたポリマーを固相重合するなど公知の合成方法を採用することができる。
【0030】
このエステル交換時に用いる触媒としては、マンガン、カルシウム、亜鉛、コバルト等の金属の酢酸塩、脂肪酸塩、炭酸塩等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸マンガン、酢酸カルシウムの水和物が好ましく、さらにはこれらを混合したものが好ましい。前記エステル交換時および/または重合時に反応を阻害したりポリマーを着色したりしない範囲で水酸化物や脂肪族カルボン酸の金属塩、第四級アンモニウム塩などを添加することも有効であり、中でも水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、テトラエチルヒドロキシアンモニウムなどが好ましく、特に酢酸ナトリウムが好ましい。
【0031】
また、共重合ポリエステルには、種々の添加剤を含有せしめることができる。たとえば、染料などを混合して用いても良い。
【0032】
本発明の共重合ポリエステルは、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有するものである。
【0033】
本発明における共重合ポリエステルの乾燥に用いる乾燥機の形状や大きさには特に制限はなく、タンブラー型やパドル型、あるいはその他どのようなものでもよいが、共重合ポリエステルチップの融着(ブロッキング)を防ぐという観点からは、共重合ポリエステルチップを攪拌しながら乾燥するタイプが良い。
【0034】
本発明の乾燥方法は、水分率が0.03重量%以上の共重合ポリエステルチップ(以下、吸湿PETと略す。)に適用するものである。水分率が0.03重量%未満の吸湿PETは、通常のPETと同様にして乾燥を行うことができ、予備乾燥は必要ない。
【0035】
水分率が0.03重量%以上の吸湿PETの場合、通常のPETと同様にして乾燥したり、予備乾燥を行わず、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で乾燥すると、水分により、昇温、乾燥時に吸湿PETが加水分解され、融着や粘度低下が起こるので好ましくない。
【0036】
真空下又は常圧下で、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、乾燥機内の吸湿PETチップを攪拌しながら、予備乾燥する。予備乾燥が、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度範囲であれば、吸湿PETチップを静置した状態では、若干チップの融着(ブロッキング)を防ぎ得ないが、攪拌しながら、予備乾燥するので、融着(ブロッキング)は問題なく、使用可能である。また、予備乾燥温度も十分高く、水分の除去も速く、加水分解を防いで粘度低下を抑えることが出来る。そして、予備乾燥後の水分率は0.03重量%未満にする必要がある。
【0037】
吸湿PETの予備乾燥は、真空下又は常圧下のどちらで行っても良いが、融着(ブロッキング)を防ぐため、吸湿PETチップを攪拌しながら予備乾燥する。乾燥方法は、真空下で行う場合は、15kPa以下の真空下で予備乾燥することが好ましく、常圧下でおこなう場合は、空気雰囲気下でもかまわないが、酸化を防ぐという意味では、窒素ガス雰囲気下で予備乾燥することが好ましい。前者の真空乾燥の方が酸化劣化もなく、乾燥時間も短く、好ましい。
【0038】
本乾燥に使用の吸湿PETチップの予備乾燥後水分率は、0.03重量%未満であることが良い。
【0039】
予備乾燥後の当該吸湿PETチップは、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+55℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥する。本乾燥は、結晶化温度(Tc℃)以下、好ましくは結晶化温度(Tc℃)より10℃低い(Tc−10)℃を上限とすべきである。結晶化温度(Tc℃)より高い温度で乾燥すると、チップ同士の融着や粘度低下、乾燥機の内壁への付着等の問題が生じるので好ましくない。乾燥温度の下限は、予備乾燥の温度より高温で、(ガラス転移温度(Tg℃)+55℃)である。本発明の共重合ポリエステルは、そのガラス転移温度(Tg℃)範囲が、55℃〜70℃にあり、乾燥温度は110〜125℃以上に相当する。この温度範囲は、吸着水が除去される温度で、効率良く吸湿PET(共重合ポリエステル)チップが乾燥される。乾燥後の吸湿PETチップの水分率は、0.005重量%以下、特に0.003重量%以下とするのが好ましい。
【0040】
予備乾燥後の当該吸湿PETチップの本乾燥は、融着(ブロッキング)を防ぐため、吸湿PETチップを攪拌しながら本乾燥することが好ましい。乾燥方法は、真空下で行う場合は、15kPa以下、好ましくは、5kPa以下の真空下で本乾燥することが好ましく、常圧下でおこなう場合は、空気雰囲気下でもかまわないが、酸化を防ぐという意味では、窒素ガス雰囲気下で本乾燥することが好ましい。前者の真空乾燥は、酸化劣化もなく、乾燥時間も短いが設備が大掛かりになる。後者の窒素ガス雰囲気下の乾燥は、酸化劣化もなく、設備投資も比較的安価に済ませられる。
【0041】
このようにして得られた吸湿PETチップは、出発の固有粘度にも依るが、固有粘度が0.50〜0.65(dl/g)のもので、予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.05(dl/g)以下、好ましくは0.03(dl/g)以下のものが得られる。
【0042】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例において、共重合ポリエステルの特性値は次のようにして測定し、操業性評価結果と併せて、総合評価結果を表に纏めた。
【0043】
本発明におけるフィルム物性値の測定方法を以下に記す。
【0044】
<水分率>
水分率三菱化学社製水分気化装置VA−06型と、同社水分測定装置CA−06型を用いて測定した。
【0045】
<ガラス転移温度(Tg℃)と結晶化温度(Tc℃)>
差動走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプルフィルム10mgをヘリウムチッ素気流中、20℃/分で昇温して測定した。Tgは、ベースラインから偏奇しはじめる温度と新たなベースラインに戻る温度の算術平均温度もしくは、Tgに吸熱ピークが現われた時はこの吸熱ピークの最大値を示す温度をTgとして定義した。Tcは、吸熱ピークの最大値を示す温度をTcとして定義した。
【0046】
<固有粘度低下>
ウベローデ型粘度計を用いて行った。重量比が約55:45(流下時間42.0±0.1秒に調整)であるフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの混合溶媒を用い、サンプルを溶かして濃度0.2、0.6、1.0(g/dl)の溶液(温度20℃)を調製した。ウベローデ型粘度計によって、それぞれの濃度(C)における比粘度(ηsp)を求め、濃度零に補外し固有粘度[η]を求めた。乾燥以降、溶融、押し出し工程での固有粘度低下をΔ[η]で表す。固有粘度[η]の単位は(dl/g)である。
【0047】
<操業性評価>
乾燥後、乾燥機から共重合ポリエステルチップを押し出し機に供給し、共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)の有無と、乾燥機の内壁への付着の有無を目視で確認し、押し出し機に問題なく移動、供給出来たかを確認した。
◎:共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)、および乾燥機の内壁への付着も無く、問題なく押し出し機に移動、供給出来たもの。
○:共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)が若干発生したが、乾燥機の内壁への付着も無く、問題なく押出し機に移動、供給出来たもの。
×:共重合ポリエステルチップ同士の融着(ブロッキング)が発生し、乾燥機の内壁への付着もあって、押し出し機に移動、供給出来なかったもの。
【0048】
<総合評価>
以下の基準に従って、総合評価を実施した。
◎:操業性が◎で、かつΔ[η]が、0.03(dl/g)以下である場合。
○:操業性が○〜◎で、かつΔ[η]が、0.03(dl/g)を越えて0.05(dl/g)以下である場合。
×:操業性が×か、Δ[η]が、0.05(dl/g)を越えるいずれかの場合。
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0050】
【実施例】1〜5
【比較例】1〜2
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール64重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシウムの水和物0.1重量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行った。得られた生成物に5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸(略称;SIP)のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部(5モル%/全エステル結合)、ポリエチレングリコール(略称:PEG)(数平均分子量:4,000)11重量部(8.0重量%/反応生成物の全重量)、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1010(CIBA−GEIGY社製)を生成物ポリマーに対して1重量%になるように添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.57の共重合ポリエステルチップを得、実施例1〜4、比較例1〜2に使用した。得られた共重合ポリエステルチップを差動走査熱量計で測定したところ、ガラス転移温度(Tg℃)は、65℃であり、結晶化温度(Tc℃)は、176℃であった。
【0051】
【実施例】1−1〜1−3
この共重合ポリエステルチップを、重合後6ヶ月間、室温に放置して保管したもので、予備乾燥時の初期水分率は0.81重量%で、ほぼ当該共重合ポリエステルの平衡含水率に近いものであった。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、15kPaの真空下、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、窒素雰囲気に置換し、窒素気流下、常圧で、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、4時間本乾燥した。
【0052】
【実施例】2−1〜2−3
この共重合ポリエステルチップを、重合後2日間、室温に放置して保管したもので、予備乾燥時の初期水分率は0.42重量%であった。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、15kPaの真空下、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、空気雰囲気下、常圧で、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、120℃に加熱して、表1に記載の時間本乾燥した。
【0053】
【実施例】3−1〜3−3
上記実施例2と同じ共重合ポリエステルチップ(初期水分率が0.42重量%)を使用した。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、窒素気流下、常圧で、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0054】
【実施例】4−1
この共重合ポリエステルチップを、重合後1時間、室温に放置して使用したもので、初期水分率は0.015重量%であった。予備乾燥を省略して、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0055】
【実施例】5−1
この共重合ポリエステルチップを、重合後3時間、室温に放置して使用したもので、初期水分率は0.030重量%であった。予備乾燥を省略して、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0056】
【比較例】1−1〜1−3
実施例2〜3と同じ共重合ポリエステルチップ(初期水分率が0.42重量%)を使用した。この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、窒素気流下、常圧で、110℃に加熱して、表1に記載の時間予備乾燥した。引き続いて、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0057】
【比較例】2
この共重合ポリエステルチップを、重合後5時間室温に放置して、使用したもので、初期水分率は0.041重量%であった。予備乾燥を省略して、15kPaの真空下、この共重合チップを攪拌機で攪拌して融着を防ぎながら、150℃に加熱して、3時間本乾燥した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
表1,2の結果より、本発明の共重合ポリエステルチップの乾燥法は、初期水分率が、0.030重量%のものは、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することが好ましいことが理解される。また、初期水分率が0.03重量%未満のものは、予備乾燥することなく、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することが出来ることが理解される。
【0061】
【発明の効果】
本発明の乾燥法により、共重合ポリエステルチップの乾燥の工程で、乾燥時の融着(ブロッキング)による操業性悪化や加水分解、酸化分解、熱分解等の粘度低下による品質劣化を生じさせない熱可塑性樹脂を作製することが出来る。
Claims (7)
- 金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対し2〜7モル%含有すると共に、ポリアルキレングリコール類および/または飽和脂肪族ジカルボン酸を反応生成物の全重量に対して3〜10重量%を含有してなる共重合ポリエステルチップを乾燥するに際し、当該共重合ポリエステルチップを、乾燥機内の共重合ポリエステルチップを攪拌しながら、ガラス転移温度(Tg℃)以上、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以下の温度で、真空下又は常圧下で予備乾燥して、水分率を0.03重量%未満とした後、真空下又は常圧下で、(ガラス転移温度(Tg℃)+45℃)以上、結晶化温度(Tc℃)以下の温度で、本乾燥することを特徴とする共重合ポリエステルチップの乾燥法。
- 当該共重合ポリエステルチップを15kPa以下の真空下で予備乾燥することを特徴とする特許請求項1に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法。
- 当該共重合ポリエステルチップを窒素ガス雰囲気下で予備乾燥することを特徴とする特許請求項1に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法。
- 予備乾燥後の当該共重合ポリエステルチップを15kPa以下の真空下で本乾燥することを特徴とする特許請求項1〜3に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法。
- 予備乾燥後の当該共重合ポリエステルチップを、窒素ガス雰囲気下で本乾燥することを特徴とする特許請求項1〜3に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法。
- 当該共重合ポリエステルチップの予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.05(dl/g)以下であることを特徴とする特許請求項1〜5に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法。
- 当該共重合ポリエステルチップの予備乾燥以降、本乾燥、溶融押出し工程での固有粘度低下が、0.03(dl/g)以下であることを特徴とする特許請求項1〜5に記載の共重合ポリエステルチップの乾燥法。
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JP2016000800A (ja) * | 2014-06-11 | 2016-01-07 | 億高應用材料有限公司 | 近赤外線遮蔽膜、近赤外線遮蔽膜の製造方法および近赤外線遮蔽組成物 |
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