JP2004210982A - 熱膨張性マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平均粒子径が小さいにもかかわらず優れた熱膨張性を発現し、かつ、バインダー樹脂に対して優れた分散性を有し、乾燥体としての使用適性にも優れる熱膨張性マイクロカプセルの効率的かつ簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されてなる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法であって、少なくともラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法、および、可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種類の可塑剤である上記製造方法、ならびに、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上である上記製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されてなる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法であって、少なくともラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法、および、可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種類の可塑剤である上記製造方法、ならびに、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上である上記製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱膨張性マイクロカプセル(熱発泡性マイクロカプセル)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱膨張性マイクロカプセルは、軽量化を目的とした塗料やプラスチック材料などの様々な分野や用途に広く利用されている。この熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂からなるシェルポリマーに揮発性膨張剤が内包されてなるものである。
【0003】
このような熱膨張性マイクロカプセルは、例えば、少なくともラジカル重合性モノマーと揮発性膨張剤とを含有する重合性組成物を水系分散媒体中で懸濁重合もしくは乳化重合することにより製造されている。すなわち、重合反応の進行に伴って、生成するポリマーによりシェルが形成され、このシェル中に揮発性膨張剤が包み込まれることにより熱膨張性マイクロカプセルとなされる。
【0004】
近年、熱膨張性マイクロカプセルには、より小さい平均粒子径や軽量化が求められているとともに、熱膨張後のマイクロカプセルの平均粒子径もより小さいことが求められている。すなわち、従来の熱膨張性マイクロカプセルに比較して、平均粒子径がより小さく、かつ、膨張倍率(発泡倍率)がより高いことが要求されている。
【0005】
熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径を小さくためには、例えば、重合反応時の分散剤の添加量を調節する方法や、重合反応時に界面活性剤を添加する方法等が一般的に採られている。
【0006】
しかし、このような方法で熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径を小さくすると、平均粒子径が30μm程度より小さくなった場合、膨張倍率が低下するという問題点が顕著に現れる。
【0007】
これは、熱膨張性マイクロカプセルのシェルポリマーの厚さ(壁厚)が同じであれば、平均粒子径が小さくなると、揮発性膨張剤の割合に比較して、シェルポリマーの割合が多くなるため、熱膨張性マイクロカプセルに内包されている少量の揮発性膨張剤ではもはや十分に熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることができなくなることによるものと考えられる。
【0008】
また、平均粒子径の小さな熱膨張性マイクロカプセルは、シェルポリマーの厚さが薄くなると、シェルポリマー中に小孔が発生しやすくなって、熱膨張時に十分に膨張(発泡)することなく、揮発性膨張剤がむなしく抜けてしまうことも一因と考えられる。
【0009】
このような問題点に対応するために、例えば、低沸点有機溶剤および親水基と炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基とを有する化合物を重合体(シェルポリマー)の殻内に内包する、平均粒子径1〜10μm、最高体積膨張倍率10倍以上の熱膨張性マイクロカプセルが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
しかし、上記熱膨張性マイクロカプセルの場合、平均粒子径を1〜10μmにするためにシェルポリマーの重合時に分散剤や分散助剤を十分(多量)に添加しているため、平均粒子径は小さくなっているものの、分散剤や分散助剤がシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルの表面極性に悪影響を及ぼし、熱膨張性マイクロカプセルや熱膨張後のマイクロカプセルのバインダー樹脂(混合対象樹脂)に対する分散性が不十分になるという問題点がある。
【0011】
また、熱膨張性マイクロカプセルを可塑剤中に浸漬して、熱膨張性マイクロカプセル中に可塑剤を含浸させた後に熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる方法もあるが、この方法の場合、熱膨張性マイクロカプセルを作製した後に可塑剤中に浸漬するので、可塑剤が大量に必要となるとともに、可塑剤は実質的に揮発しないため、熱膨張性マイクロカプセルを乾燥体として使用したい時には不適当であるという問題点がある。
【0012】
【特許文献1】
特許第3236062号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、平均粒子径が小さいにもかかわらず優れた熱膨張性を発現し、かつ、バインダー樹脂に対して優れた分散性を有し、乾燥体としての使用適性にも優れる熱膨張性マイクロカプセルの効率的かつ簡便な製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、シェルポリマーの厚さが薄くても小孔を発生することがなく、シェルポリマーにより揮発性膨張剤が効果的に封じ込められており、かつ、シェルポリマーが優れた柔軟性を有し、加熱により膨張しても破れにくいことが重要であると考え、そのためには、シェルポリマーの重合時に可塑剤を共存させることが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、請求項1に記載の発明(本発明)による熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されてなる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法であって、少なくともラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明による熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、上記請求項1に記載の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法において、可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種類の可塑剤であることを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項3に記載の発明による熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、上記請求項1または請求項2に記載の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法において、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上であることを特徴とする。
【0018】
本発明の製造方法で用いられるラジカル重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルなどのニトリル系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸イソボニルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;酢酸ビニル等が挙げられるが、なかでも、ニトリル系モノマーが好適に用いられ、とりわけ、アクリロニトリルやメタクリロニトリルが特に好適に用いられる。これらのラジカル重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用された混合モノマーであっても良い。なお、本発明で言う例えば(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0019】
ラジカル重合性モノマーがニトリル系モノマーと他のラジカル重合性モノマーとからなる混合モノマーである場合、ニトリル系モノマーの割合は、特に限定されるものではないが、70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上である。
【0020】
上記混合モノマー中におけるニトリル系モノマーの割合が70重量%未満であると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルのガスバリア性が低下して、熱膨張済みのマイクロカプセルが高温下で再び収縮する現象、いわゆる“へたり現象”が発生することがある。
【0021】
上記ラジカル重合性モノマーには、必要に応じて、架橋性モノマー(架橋剤)が添加されていても良い。
【0022】
上記架橋性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸−1,3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、なかでも、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。これらの架橋性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
全モノマー中における上記架橋性モノマーの割合は、特に限定されるものではないが、0.1〜1重量%であることが好ましい。全モノマー中における架橋性モノマーの割合が0.1重量%未満であると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルが全く架橋されないことがあり、逆に全モノマー中における架橋性モノマーの割合が1重量%を超えると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルが過度に架橋されて、硬くなりすぎることがある。
【0024】
上記ラジカル重合性モノマー(架橋性モノマーも含む)には、必要に応じて、ラジカル重合開始剤が添加されていても良い。
【0025】
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルワレロニトリル)、t−ブチルパーオキシビバレート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
本発明の製造方法で用いられる揮発性膨張剤は、上記ラジカル重合性モノマーが重合されてなるシェルポリマーの軟化点(一般的には、約120〜150℃)以下の温度でガス状になる物質であることが必要である。上記揮発性膨張剤が上記シェルポリマーの軟化点を超える温度でガス状になる物質であると、熱膨張時(熱発泡時)に熱膨張性マイクロカプセルの収縮や破泡が起こりやすくなる。
【0027】
上記揮発性膨張剤としては、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、ブテン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、石油エーテル等や、塩化メチル、メチレンクロライド、CCl3 F、CCl2 F2 などのハロゲン化アルキル、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシランなどのテトラアルキルシラン等の低沸点液状有機化合物;アゾビスイソブチロニトリル等の加熱により分解してガス状になる熱分解性有機化合物等が挙げられる。これらの揮発性膨張剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】
上記揮発性膨張剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、揮発性膨張剤1〜40重量部であることが好ましい。
【0029】
ラジカル重合性モノマー100重量部に対する揮発性膨張剤の添加量が1重量部未満であると、熱膨張性マイクロカプセルの膨張倍率(発泡倍率)が不十分となることがあり、逆にラジカル重合性モノマー100重量部に対する揮発性膨張剤の添加量が40重量部を超えると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルの厚み(壁厚)が薄くなる傾向が生じて、熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することなく、揮発性膨張剤がむなしく抜け出てしまうことがある。
【0030】
本発明の製造方法で用いられる可塑剤は、特に限定されるものではなく、公知の如何なる可塑剤であっても良いが、なかでも、ジオクチルフタレート(DOP)やジイソノニルフタレート(DINP)などのフタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくと1種類の可塑剤が好適に用いられ、なかでも、フタル酸エステル系可塑剤がより好適に用いられ、とりわけ、DOPやDINPが特に好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
熱膨張性マイクロカプセルの重合時に上記可塑剤を共存させることにより、重合系中に分散剤を添加することなく、粒子径が小さく均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。また、上記可塑剤を共存させることにより、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの主用途の一つである例えば塗料組成物中に分散させる際に、特に均一に分散しうるものとなる。
【0032】
上記可塑剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、可塑剤0.01〜10重量部であることが好ましい。
【0033】
ラジカル重合性モノマー100重量部に対する可塑剤の添加量が0.01重量部未満であると、可塑剤を共存させることによる上記効果を十分に得られなくなることがあり、逆にラジカル重合性モノマー100重量部に対する可塑剤の添加量が10重量部を超えると、可塑剤がシェルポリマーからしみ出して熱膨張性マイクロカプセルの表面を覆うため、熱膨張性マイクロカプセルの乾燥が困難となって、乾燥体としての使用適性が損なわれることがある。
【0034】
本発明の製造方法は、少なくとも上記ラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させることにより、熱膨張性マイクロカプセルを得る。
【0035】
上記水相成分は、特に限定されるものではなく、例えば、水そのものであっても良いし、水に無機分散剤や有機分散剤が添加されてなるものであっても良い。
【0036】
上記水としては、特に限定されるものではないが、例えば、脱イオン水が好適に用いられる。また、上記水相成分は、酸を添加してpHを約3〜4に調整しておくことが好ましい。
【0037】
上記無機分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの無機分散剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0038】
上記有機分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジエタノールアミン−アジピン酸縮合物、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル等が挙げられる。これらの有機分散剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記無機分散剤および有機分散剤は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0039】
熱膨張性マイクロカプセルの重合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、懸濁重合法や乳化重合法等が挙げられるが、なかでも、不純物の混入が僅かで安定度が高く、粒子径がより均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができ、かつ、重合液中からの熱膨張性マイクロカプセルの分離操作も容易であることから、懸濁重合法を採ることが好ましい。
【0040】
本発明の製造方法による熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上であることが好ましい。
【0041】
熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1μm未満であると、バインダー樹脂中において十分な熱膨張性を発現しなくなることがあり、逆に熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が25μmを超えると、より小さい平均粒子径や軽量化等の近年の要求に応えられなくなることがある。
【0042】
また、熱膨張性マイクロカプセルの最大膨張温度における最大膨張量が600μm未満であると、バインダー樹脂中における熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張機能が不十分となることがある。
【0043】
【作用】
本発明の製造方法によれば、ラジカル重合性モノマーの重合時に可塑剤を共存させるので、粒子径が小さく均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができるとともに、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの主用途の一つである例えば塗料組成物中に分散させる際に、特に均一に分散しうるものとなる。
【0044】
また、本発明の製造方法によれば、シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤を内包させるので、熱膨張時に収縮や破泡が起こりにくく、優れた熱膨張性を発現する熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0046】
(実施例1)
ラジカル重合性モノマーとしてアクリロニトリル61部、メタクリロニトリル35部、酢酸ビニル3部、メチルメタクリレート1部およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.19部、揮発性膨張剤としてn−ペンタン18部およびn−ヘキサン7部、ラジカル重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート1.2部、t−ブチルパーオキシビバレート1部およびジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート0.3部、および、可塑剤としてジイソノニルフタレート(DINP)1部からなる油相成分を調製した。また、脱イオン水7300部、コロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)1260部、ポリビニルピロリドン8部、塩化ナトリウム2200部、亜硝酸ナトリウム0.23部および塩酸8.5部からなる水相成分を調製した。
【0047】
次に、上記油相成分と上記水相成分とを混合し、ホモジナイザーを用いて、回転数6000rpmで5分間攪拌混合した後、392〜490kPaの加圧下、60℃で20時間重合反応を行って、熱膨張性マイクロカプセル重合液を作製した。次いで、遠心脱水装置を用いて、上記熱膨張性マイクロカプセル重合液を予備脱水した後、40℃の静置乾燥機中で得られた熱膨張性マイクロカプセルを乾燥して、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0048】
(実施例2)および(実施例3)
油相成分を表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0049】
(比較例1)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を1740部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0050】
(比較例2)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させなかったこと以外は実施例2の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0051】
(比較例3)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を1740部としたこと以外は実施例2の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0052】
(比較例4)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、代わりにオクタノール1部を含有させたこと以外は実施例2の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0053】
(比較例5)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させなかったこと以外は実施例3の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0054】
(比較例6)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を1740部としたこと以外は実施例3の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0055】
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例6で得られた熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径を測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0056】
また、実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例6で得られた熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度、最大膨張温度および最大膨張量を以下の方法で測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
〔膨張開始温度、最大膨張温度および最大膨張量の測定方法〕
熱膨張性マイクロカプセル250μgを直径7mm、深さ1mmの円筒形のアルミニウム容器に入れ、TMA(TAインスツルメンツ社製)を用いて、上から加圧端子により0.1Nの力を加えた状態で、80℃から220℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、加圧端子の垂直方向における変位量を測定した。ここで、変位が観測され始めた温度を熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度とし、最大変位量となった温度を熱膨張性マイクロカプセルの最大膨張温度とし、上記最大変位量を熱膨張性マイクロカプセルの最大膨張量とした。
【0057】
【表1】
【0058】
表1から明らかなように、本発明の製造方法による実施例1〜実施例3の熱膨張性マイクロカプセルは、いずれも平均粒子径が25μm以下と小さかったにもかかわらず、最大膨張量が600μm以上と大きく、優れた熱膨張性を発現した。
【0059】
これに対し、油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を多くした比較例1および比較例3の熱膨張性マイクロカプセルは、いずれも平均粒子径は小さかったものの、最大膨張量が小さく、熱膨張性が劣っていた。また、油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させなかった比較例2、比較例4および比較例5の熱膨張性マイクロカプセルは、いずれも最大膨張量が大きく、熱膨張性は優れていたものの、平均粒子径が大きかった。さらに、油相成分中に可塑剤を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を多くした比較例6の熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が大きく、しかも最大膨張量が小さく、熱膨張性が劣っていた。
【0060】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、ラジカル重合性モノマーの重合時に可塑剤を共存させるので、粒子径が小さく均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができるとともに、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの主用途の一つである例えば塗料組成物中に分散させる際に、特に均一に分散しうるものとなる。
【0061】
また、本発明の製造方法によれば、シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤を内包させるので、熱膨張時に収縮や破泡が起こりにくく、優れた熱膨張性を発現する熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。
【0062】
以上述べたように、本発明の製造方法によれば、平均粒子径が小さいにもかかわらず優れた熱膨張性を発現し、かつ、バインダー樹脂に対して優れた分散性を有し、乾燥体としての使用適性にも優れる熱膨張性マイクロカプセルを効率的かつ簡便に製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱膨張性マイクロカプセル(熱発泡性マイクロカプセル)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱膨張性マイクロカプセルは、軽量化を目的とした塗料やプラスチック材料などの様々な分野や用途に広く利用されている。この熱膨張性マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂からなるシェルポリマーに揮発性膨張剤が内包されてなるものである。
【0003】
このような熱膨張性マイクロカプセルは、例えば、少なくともラジカル重合性モノマーと揮発性膨張剤とを含有する重合性組成物を水系分散媒体中で懸濁重合もしくは乳化重合することにより製造されている。すなわち、重合反応の進行に伴って、生成するポリマーによりシェルが形成され、このシェル中に揮発性膨張剤が包み込まれることにより熱膨張性マイクロカプセルとなされる。
【0004】
近年、熱膨張性マイクロカプセルには、より小さい平均粒子径や軽量化が求められているとともに、熱膨張後のマイクロカプセルの平均粒子径もより小さいことが求められている。すなわち、従来の熱膨張性マイクロカプセルに比較して、平均粒子径がより小さく、かつ、膨張倍率(発泡倍率)がより高いことが要求されている。
【0005】
熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径を小さくためには、例えば、重合反応時の分散剤の添加量を調節する方法や、重合反応時に界面活性剤を添加する方法等が一般的に採られている。
【0006】
しかし、このような方法で熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径を小さくすると、平均粒子径が30μm程度より小さくなった場合、膨張倍率が低下するという問題点が顕著に現れる。
【0007】
これは、熱膨張性マイクロカプセルのシェルポリマーの厚さ(壁厚)が同じであれば、平均粒子径が小さくなると、揮発性膨張剤の割合に比較して、シェルポリマーの割合が多くなるため、熱膨張性マイクロカプセルに内包されている少量の揮発性膨張剤ではもはや十分に熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることができなくなることによるものと考えられる。
【0008】
また、平均粒子径の小さな熱膨張性マイクロカプセルは、シェルポリマーの厚さが薄くなると、シェルポリマー中に小孔が発生しやすくなって、熱膨張時に十分に膨張(発泡)することなく、揮発性膨張剤がむなしく抜けてしまうことも一因と考えられる。
【0009】
このような問題点に対応するために、例えば、低沸点有機溶剤および親水基と炭素数8〜18の脂肪族炭化水素基とを有する化合物を重合体(シェルポリマー)の殻内に内包する、平均粒子径1〜10μm、最高体積膨張倍率10倍以上の熱膨張性マイクロカプセルが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
しかし、上記熱膨張性マイクロカプセルの場合、平均粒子径を1〜10μmにするためにシェルポリマーの重合時に分散剤や分散助剤を十分(多量)に添加しているため、平均粒子径は小さくなっているものの、分散剤や分散助剤がシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルの表面極性に悪影響を及ぼし、熱膨張性マイクロカプセルや熱膨張後のマイクロカプセルのバインダー樹脂(混合対象樹脂)に対する分散性が不十分になるという問題点がある。
【0011】
また、熱膨張性マイクロカプセルを可塑剤中に浸漬して、熱膨張性マイクロカプセル中に可塑剤を含浸させた後に熱膨張性マイクロカプセルを膨張させる方法もあるが、この方法の場合、熱膨張性マイクロカプセルを作製した後に可塑剤中に浸漬するので、可塑剤が大量に必要となるとともに、可塑剤は実質的に揮発しないため、熱膨張性マイクロカプセルを乾燥体として使用したい時には不適当であるという問題点がある。
【0012】
【特許文献1】
特許第3236062号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、平均粒子径が小さいにもかかわらず優れた熱膨張性を発現し、かつ、バインダー樹脂に対して優れた分散性を有し、乾燥体としての使用適性にも優れる熱膨張性マイクロカプセルの効率的かつ簡便な製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、シェルポリマーの厚さが薄くても小孔を発生することがなく、シェルポリマーにより揮発性膨張剤が効果的に封じ込められており、かつ、シェルポリマーが優れた柔軟性を有し、加熱により膨張しても破れにくいことが重要であると考え、そのためには、シェルポリマーの重合時に可塑剤を共存させることが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、請求項1に記載の発明(本発明)による熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されてなる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法であって、少なくともラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明による熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、上記請求項1に記載の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法において、可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種類の可塑剤であることを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項3に記載の発明による熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、上記請求項1または請求項2に記載の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法において、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上であることを特徴とする。
【0018】
本発明の製造方法で用いられるラジカル重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルなどのニトリル系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸イソボニルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;酢酸ビニル等が挙げられるが、なかでも、ニトリル系モノマーが好適に用いられ、とりわけ、アクリロニトリルやメタクリロニトリルが特に好適に用いられる。これらのラジカル重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用された混合モノマーであっても良い。なお、本発明で言う例えば(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
【0019】
ラジカル重合性モノマーがニトリル系モノマーと他のラジカル重合性モノマーとからなる混合モノマーである場合、ニトリル系モノマーの割合は、特に限定されるものではないが、70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上である。
【0020】
上記混合モノマー中におけるニトリル系モノマーの割合が70重量%未満であると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルのガスバリア性が低下して、熱膨張済みのマイクロカプセルが高温下で再び収縮する現象、いわゆる“へたり現象”が発生することがある。
【0021】
上記ラジカル重合性モノマーには、必要に応じて、架橋性モノマー(架橋剤)が添加されていても良い。
【0022】
上記架橋性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸−1,3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、なかでも、トリメタクリル酸トリメチロールプロパンやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。これらの架橋性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
全モノマー中における上記架橋性モノマーの割合は、特に限定されるものではないが、0.1〜1重量%であることが好ましい。全モノマー中における架橋性モノマーの割合が0.1重量%未満であると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルが全く架橋されないことがあり、逆に全モノマー中における架橋性モノマーの割合が1重量%を超えると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルが過度に架橋されて、硬くなりすぎることがある。
【0024】
上記ラジカル重合性モノマー(架橋性モノマーも含む)には、必要に応じて、ラジカル重合開始剤が添加されていても良い。
【0025】
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルワレロニトリル)、t−ブチルパーオキシビバレート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
本発明の製造方法で用いられる揮発性膨張剤は、上記ラジカル重合性モノマーが重合されてなるシェルポリマーの軟化点(一般的には、約120〜150℃)以下の温度でガス状になる物質であることが必要である。上記揮発性膨張剤が上記シェルポリマーの軟化点を超える温度でガス状になる物質であると、熱膨張時(熱発泡時)に熱膨張性マイクロカプセルの収縮や破泡が起こりやすくなる。
【0027】
上記揮発性膨張剤としては、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン、ブテン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、石油エーテル等や、塩化メチル、メチレンクロライド、CCl3 F、CCl2 F2 などのハロゲン化アルキル、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシランなどのテトラアルキルシラン等の低沸点液状有機化合物;アゾビスイソブチロニトリル等の加熱により分解してガス状になる熱分解性有機化合物等が挙げられる。これらの揮発性膨張剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】
上記揮発性膨張剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、揮発性膨張剤1〜40重量部であることが好ましい。
【0029】
ラジカル重合性モノマー100重量部に対する揮発性膨張剤の添加量が1重量部未満であると、熱膨張性マイクロカプセルの膨張倍率(発泡倍率)が不十分となることがあり、逆にラジカル重合性モノマー100重量部に対する揮発性膨張剤の添加量が40重量部を超えると、シェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルの厚み(壁厚)が薄くなる傾向が生じて、熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することなく、揮発性膨張剤がむなしく抜け出てしまうことがある。
【0030】
本発明の製造方法で用いられる可塑剤は、特に限定されるものではなく、公知の如何なる可塑剤であっても良いが、なかでも、ジオクチルフタレート(DOP)やジイソノニルフタレート(DINP)などのフタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくと1種類の可塑剤が好適に用いられ、なかでも、フタル酸エステル系可塑剤がより好適に用いられ、とりわけ、DOPやDINPが特に好適に用いられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
熱膨張性マイクロカプセルの重合時に上記可塑剤を共存させることにより、重合系中に分散剤を添加することなく、粒子径が小さく均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。また、上記可塑剤を共存させることにより、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの主用途の一つである例えば塗料組成物中に分散させる際に、特に均一に分散しうるものとなる。
【0032】
上記可塑剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合性モノマー100重量部に対し、可塑剤0.01〜10重量部であることが好ましい。
【0033】
ラジカル重合性モノマー100重量部に対する可塑剤の添加量が0.01重量部未満であると、可塑剤を共存させることによる上記効果を十分に得られなくなることがあり、逆にラジカル重合性モノマー100重量部に対する可塑剤の添加量が10重量部を超えると、可塑剤がシェルポリマーからしみ出して熱膨張性マイクロカプセルの表面を覆うため、熱膨張性マイクロカプセルの乾燥が困難となって、乾燥体としての使用適性が損なわれることがある。
【0034】
本発明の製造方法は、少なくとも上記ラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させることにより、熱膨張性マイクロカプセルを得る。
【0035】
上記水相成分は、特に限定されるものではなく、例えば、水そのものであっても良いし、水に無機分散剤や有機分散剤が添加されてなるものであっても良い。
【0036】
上記水としては、特に限定されるものではないが、例えば、脱イオン水が好適に用いられる。また、上記水相成分は、酸を添加してpHを約3〜4に調整しておくことが好ましい。
【0037】
上記無機分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの無機分散剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0038】
上記有機分散剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジエタノールアミン−アジピン酸縮合物、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル等が挙げられる。これらの有機分散剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、上記無機分散剤および有機分散剤は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0039】
熱膨張性マイクロカプセルの重合方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、懸濁重合法や乳化重合法等が挙げられるが、なかでも、不純物の混入が僅かで安定度が高く、粒子径がより均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができ、かつ、重合液中からの熱膨張性マイクロカプセルの分離操作も容易であることから、懸濁重合法を採ることが好ましい。
【0040】
本発明の製造方法による熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上であることが好ましい。
【0041】
熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1μm未満であると、バインダー樹脂中において十分な熱膨張性を発現しなくなることがあり、逆に熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が25μmを超えると、より小さい平均粒子径や軽量化等の近年の要求に応えられなくなることがある。
【0042】
また、熱膨張性マイクロカプセルの最大膨張温度における最大膨張量が600μm未満であると、バインダー樹脂中における熱膨張性マイクロカプセルの熱膨張機能が不十分となることがある。
【0043】
【作用】
本発明の製造方法によれば、ラジカル重合性モノマーの重合時に可塑剤を共存させるので、粒子径が小さく均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができるとともに、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの主用途の一つである例えば塗料組成物中に分散させる際に、特に均一に分散しうるものとなる。
【0044】
また、本発明の製造方法によれば、シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤を内包させるので、熱膨張時に収縮や破泡が起こりにくく、優れた熱膨張性を発現する熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0046】
(実施例1)
ラジカル重合性モノマーとしてアクリロニトリル61部、メタクリロニトリル35部、酢酸ビニル3部、メチルメタクリレート1部およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.19部、揮発性膨張剤としてn−ペンタン18部およびn−ヘキサン7部、ラジカル重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート1.2部、t−ブチルパーオキシビバレート1部およびジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート0.3部、および、可塑剤としてジイソノニルフタレート(DINP)1部からなる油相成分を調製した。また、脱イオン水7300部、コロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)1260部、ポリビニルピロリドン8部、塩化ナトリウム2200部、亜硝酸ナトリウム0.23部および塩酸8.5部からなる水相成分を調製した。
【0047】
次に、上記油相成分と上記水相成分とを混合し、ホモジナイザーを用いて、回転数6000rpmで5分間攪拌混合した後、392〜490kPaの加圧下、60℃で20時間重合反応を行って、熱膨張性マイクロカプセル重合液を作製した。次いで、遠心脱水装置を用いて、上記熱膨張性マイクロカプセル重合液を予備脱水した後、40℃の静置乾燥機中で得られた熱膨張性マイクロカプセルを乾燥して、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0048】
(実施例2)および(実施例3)
油相成分を表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0049】
(比較例1)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を1740部としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0050】
(比較例2)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させなかったこと以外は実施例2の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0051】
(比較例3)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を1740部としたこと以外は実施例2の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0052】
(比較例4)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、代わりにオクタノール1部を含有させたこと以外は実施例2の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0053】
(比較例5)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させなかったこと以外は実施例3の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0054】
(比較例6)
油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を1740部としたこと以外は実施例3の場合と同様にして、粉体状の熱膨張性マイクロカプセルを製造した。
【0055】
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例6で得られた熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径を測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0056】
また、実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例6で得られた熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度、最大膨張温度および最大膨張量を以下の方法で測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
〔膨張開始温度、最大膨張温度および最大膨張量の測定方法〕
熱膨張性マイクロカプセル250μgを直径7mm、深さ1mmの円筒形のアルミニウム容器に入れ、TMA(TAインスツルメンツ社製)を用いて、上から加圧端子により0.1Nの力を加えた状態で、80℃から220℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、加圧端子の垂直方向における変位量を測定した。ここで、変位が観測され始めた温度を熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度とし、最大変位量となった温度を熱膨張性マイクロカプセルの最大膨張温度とし、上記最大変位量を熱膨張性マイクロカプセルの最大膨張量とした。
【0057】
【表1】
【0058】
表1から明らかなように、本発明の製造方法による実施例1〜実施例3の熱膨張性マイクロカプセルは、いずれも平均粒子径が25μm以下と小さかったにもかかわらず、最大膨張量が600μm以上と大きく、優れた熱膨張性を発現した。
【0059】
これに対し、油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を多くした比較例1および比較例3の熱膨張性マイクロカプセルは、いずれも平均粒子径は小さかったものの、最大膨張量が小さく、熱膨張性が劣っていた。また、油相成分中に可塑剤(DINP)を含有させなかった比較例2、比較例4および比較例5の熱膨張性マイクロカプセルは、いずれも最大膨張量が大きく、熱膨張性は優れていたものの、平均粒子径が大きかった。さらに、油相成分中に可塑剤を含有させず、かつ、水相成分中のコロイダルシリカ分散脱イオン水(固形分20重量%)の含有量を多くした比較例6の熱膨張性マイクロカプセルは、平均粒子径が大きく、しかも最大膨張量が小さく、熱膨張性が劣っていた。
【0060】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、ラジカル重合性モノマーの重合時に可塑剤を共存させるので、粒子径が小さく均一なシェルポリマーひいては熱膨張性マイクロカプセルを得ることができるとともに、得られる熱膨張性マイクロカプセルは、熱膨張性マイクロカプセルの主用途の一つである例えば塗料組成物中に分散させる際に、特に均一に分散しうるものとなる。
【0061】
また、本発明の製造方法によれば、シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤を内包させるので、熱膨張時に収縮や破泡が起こりにくく、優れた熱膨張性を発現する熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。
【0062】
以上述べたように、本発明の製造方法によれば、平均粒子径が小さいにもかかわらず優れた熱膨張性を発現し、かつ、バインダー樹脂に対して優れた分散性を有し、乾燥体としての使用適性にも優れる熱膨張性マイクロカプセルを効率的かつ簡便に製造することができる。
Claims (3)
- シェルポリマーに該ポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されてなる熱膨張性マイクロカプセルの製造方法であって、少なくともラジカル重合性モノマー、揮発性膨張剤および可塑剤を含有する油相成分を水を主成分とする水相成分中で重合させることを特徴とする熱膨張性マイクロカプセルの製造方法。
- 可塑剤が、フタル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤およびエポキシ系可塑剤からなる群より選択される少なくとも1種類の可塑剤であることを特徴とする請求項1に記載の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法。
- 熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径が1〜25μmであり、最大膨張温度における最大膨張量が600μm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱膨張性マイクロカプセルの製造方法。
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