JP2004210643A - 過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品 - Google Patents

過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品 Download PDF

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Abstract

【課題】過酸化水素の安定性を向上させることができるとともに、毛髪に対して十分な明度を付与することができる過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品を提供する。
【解決手段】染毛第2剤製品は、染毛第2剤が遮光容器に充填されたものである。この染毛第2剤には、過酸化水素(A)、ジブチルヒドロキシトルエン(B)、界面活性剤(C)、油性成分(D)、水(E)及びその他の成分が含有されている。染毛第2剤の粘度は、3000〜20000ミリパスカル秒であることが好ましい。また、染毛第2剤は水中油滴型乳化物であることが好ましい。染毛第2剤は、遮光容器から吐出され、染料、アルカリ剤等が含有される染毛第2剤と混合され、毛髪の染色に使用される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛剤、毛髪脱色・脱染剤、パーマネントウェーブ用剤等に使用される過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品は、過酸化水素とその安定化剤としてフェナセチンが含有されたエアゾール用毛髪脱色剤原液が知られている(例えば、特許文献1参照)。このエアゾール用毛髪脱色剤原液は、エアゾール容器に充填されることによって、容易に保存することができるとともに容易に吐出させて毛髪に適用することができるようになっている。
【0003】
一方、過酸化水素にその酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエンが含有された液体酸素系漂白剤組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。この液体酸素系漂白剤組成物は、被服の漂白に使用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−336415号公報(表1等)
【特許文献2】
特開2001−181695号公報(表3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1に記載の過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品では、微量の金属類の混入に起因する過酸化水素の分解を十分に抑制することができないという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品では、用途が異なり、毛髪への適用は考慮されておらず、毛髪に対するなじみが不十分であるため、毛髪に対する明度が十分に付与されないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、過酸化水素の安定性を向上させることができるとともに、毛髪に対して十分な明度を付与することができる過酸化水素含有組成物及び過酸化水素含有製品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の過酸化水素含有組成物では、毛髪に適用される過酸化水素含有組成物であって、下記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分を含有するものである。
(A):過酸化水素。
(B):ジブチルヒドロキシトルエン。
(C):界面活性剤。
(D):油性成分。
(E):水。
【0009】
請求項2に記載の発明の過酸化水素含有組成物では、請求項1に記載の発明において、粘度が3000〜20000ミリパスカル秒(mPa・s)であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明の過酸化水素含有組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、水中油滴型(O/W型)乳化物であることを特徴とする。請求項4に記載の発明の過酸化水素含有組成物では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、染料及びアルカリ剤を含有する染毛剤第1剤と混合されて毛髪に適用される染毛剤第2剤、又はアルカリ剤を含有する毛髪脱色・脱染剤第1剤と混合されて毛髪に適用される毛髪脱色・脱染剤第2剤であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明の過酸化水素含有製品では、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物が遮光容器に充填されているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を2剤式の染毛製品における染毛第2剤製品に適用した第1の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
過酸化水素含有製品としての染毛第2剤製品は、過酸化水素含有組成物としての染毛剤第2剤(以下、染毛第2剤という。)が遮光容器に充填されたものである。この染毛第2剤は、遮光容器から吐出され、染料、アルカリ剤等が含有される染毛剤第1剤(以下、染毛第1剤という。)と混合されて毛髪の染色に使用される。
【0014】
染毛第2剤には、過酸化水素(A)、ジブチルヒドロキシトルエン(B)、界面活性剤(C)、油性成分(D)、水(E)及びその他の成分が含有されている。
【0015】
(A)成分の過酸化水素は、酸化剤として毛髪に含まれるメラニンを脱色するとともに染料を酸化するために配合される。染毛第2剤中における(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜15.0重量%、さらに好ましくは2.0〜9.0重量%、最も好ましくは3.0〜6.0重量%である。この含有量が0.1重量%未満では、メラニンを十分に脱色することができないおそれがあるとともに、染毛剤第1剤に含有される染料を十分に酸化することができないおそれがある。一方、15.0重量%を超えて配合すると、毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれがある。
【0016】
(B)成分のジブチルヒドロキシトルエンは、過酸化水素の安定化剤として過酸化水素の分解を抑制するために配合される。染毛第2剤中における(B)成分の含有量は、好ましくは0.001〜1.0重量%、さらに好ましくは0.005〜0.5重量%、最も好ましくは0.01〜0.3重量%である。この含有量が0.001重量%未満では、過酸化水素の安定性を十分に確保することができないおそれがある。一方、1.0重量%を超えて配合すると、それ以上の効果は得られにくく、染毛第2剤中において(B)成分が析出する等の不具合が生じるおそれがある。
【0017】
(C)成分の界面活性剤は、染毛第2剤の均一性及び安定性を保持するために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0018】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0019】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0020】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0021】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0022】
これらの(C)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(C)成分の中でも、染毛第2剤の均一性及び安定性を向上させることができることから、染毛第2剤中にはアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種を含有させることが好ましい。また、染毛第2剤中にはアニオン性界面活性剤の中でも、硫酸系アニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種を含有させることが好ましい。硫酸系アニオン性界面活性剤としては、上記のアルキル硫酸塩、POEアルキル硫酸塩、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの硫酸系アニオン性界面活性剤の中でも、アルキル硫酸塩から選ばれる少なくとも一種を含有させることがさらに好ましい。
【0023】
染毛第2剤中における界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0重量%、さらに好ましくは0.5〜7.0重量%、最も好ましくは1.0〜5.0重量%である。この含有量が0.1重量%未満では、染毛第2剤に安定性を十分に付与することができないおそれがある。一方、10.0重量%を超えると、染色性が低下するおそれがある。
【0024】
(D)成分の油性成分は、染毛第2剤の均一性及び安定性を保持するとともに毛髪に軟らかさと潤いを与えるために配合される。油性成分の具体例としては、多価アルコール、炭化水素、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。
【0025】
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン等が挙げられる。
【0026】
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0027】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【0028】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0029】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0030】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0031】
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0032】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0033】
これらの(D)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(D)成分の中でも、染毛第2剤の均一性及び安定性を向上させることができることから、染毛第2剤中には、多価アルコールから選ばれる少なくとも一種を含有させることが好ましい。
【0034】
染毛第2剤中における(D)成分の含有量は、好ましくは0.1〜20.0重量%、さらに好ましくは1.0〜10.0重量%、最も好ましくは2.0〜6.0重量%である。この含有量が0.1重量%未満の場合、均一性及び安定性を保持することができないおそれがある。一方、20.0重量%を超えると、十分な染毛力が得られないおそれがある。
【0035】
(E)成分である水は(A)、(B)、(C)及び(D)成分の溶媒又は分散媒として染毛第2剤を水溶液、水性分散液又は乳化物にするために適量配合される。染毛第2剤中における水の含有量は、好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。水の含有量が50重量%未満では、水溶液、分散液又は乳化物を安定して形成することが困難となるおそれがある。一方、95重量%を超えて配合すると、染毛第2剤の均一性及び安定性を確保しにくくなる。
【0036】
この染毛第2剤には、その他の成分として過酸化水素をさらに安定化させるために1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と、その塩とから選ばれる少なくとも一種(F)が配合されることが好ましい。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩の具体例としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸二ナトリウム等が挙げられる。染毛第2剤中における(F)成分の含有量は、好ましくは0.001〜1.0重量%、さらに好ましくは0.005〜0.5重量%、最も好ましくは0.01〜0.3重量%である。この含有量が0.001重量%未満では、過酸化水素の安定性をさらに向上させることができないおそれがある。一方、1.0重量%を超えて配合すると、染毛第2剤の乳化安定性が確保できないおそれがある。
【0037】
また、(F)成分を配合する場合には、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸とその塩の両方を染毛第2剤に含有させることが、(F)成分自体の溶解性を向上させる点で好ましい。1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸とその塩を併用する場合、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸とその塩の重量比は、1:1〜2:1の割合が好ましい。この割合より1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が多くなると、(F)成分の溶解性が低下するおそれがある。一方、この割合より1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩が多くなっても、(F)成分の溶解性が低下するおそれがある。
【0038】
この染毛第2剤には、pH調整によって過酸化水素の安定性を向上させるために、その他の成分として上記(F)成分以外の酸及びそのアルカリ塩から選ばれる少なくとも一種が配合されることが好ましい。(F)成分以外の酸及びそのアルカリ塩から選ばれる少なくとも一種の具体例としては、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、これらのアルカリ塩等が挙げられる。酸のアルカリ塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。pHを調整する際には、これらの酸及びアルカリ塩を組み合わせて染毛第2剤にpH緩衝性を付与することが好ましい。染毛第2剤中における(F)成分以外の酸及びそのアルカリ塩から選ばれる少なくとも一種の含有量は、好ましくは染毛第2剤のpHの範囲が2〜6となる量、さらに好ましくは染毛第2剤のpHの範囲が3〜5となる量である。染毛第2剤のpHが2未満であると、過酸化水素の安定性が損なわれるおそれがある。一方、このpHが6を超えても、過酸化水素の安定性が損なわれるおそれがある。
【0039】
さらに、染毛第2剤に配合することができるその他の成分としては、水溶性高分子化合物、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等が挙げられる。
【0040】
この染毛第2剤の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。これらの剤型の中でも、染毛第2剤を乳化物とし、特に染毛第2剤の均一性及び安定性を向上させることができることから、水中油滴型(O/W型)乳化物であることが好ましい。染毛第2剤がO/W型乳化物であると、水相中の(A)成分に対して細分化された油相中の(B)成分を効率的に作用させることができ、(A)成分の分解を(B)成分によってさらに抑制することができる。また、O/W型乳化物であると、その乳化安定性によって染毛第2剤の経時的な粘度変化を抑制することができる。
【0041】
染毛第2剤の粘度は、好ましくは3000〜20000ミリパスカル秒(mPa・s)、さらに好ましくは5000〜15000mPa・s、最も好ましくは7000〜12000mPa・sである。この粘度が3000mPa・s未満であると、染毛第1剤との混合調製によって得られた混合物が毛髪に適用される際、混合物が毛髪から垂れ落ち易くなるおそれがある。一方、20000mPa・sを超えると、染毛第1剤と混合調製しにくくなるとともに、混合物が毛髪になじみにくくなるおそれがある。
【0042】
この染毛第2剤は、遮光容器に充填されている。遮光容器の形状としては有底円筒状、チューブ状等が挙げられる。遮光容器の材料としては金属材料、合成樹脂材料等が挙げられる。金属材料としては、ステンレス鋼板、アルミニウム鋼板、鋼板にクロムメッキを施したティンフリー鋼板、鋼板に錫メッキを施したブリキ等が挙げられる。合成樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。合成樹脂材料によって遮光容器を構成する場合、予め合成樹脂に顔料等を配合することによって遮光性を付与した合成樹脂材料から成形したもの、合成樹脂製の容器を遮光性のフィルムで被覆したもの、合成樹脂製の容器の内面又は外面を遮光性の塗料でコーティングしたもの等が挙げられる。遮光容器は、これらの材料から単独で構成してもよく、これらの材料を組み合わせて構成してもよい。
【0043】
遮光容器の具体例としては、エアゾール容器、スクイズ式遮光容器、ポンプ式遮光容器、チューブ状遮光容器等が挙げられる。遮光容器本体は、遮光性に優れることから金属材料から構成されることが好ましい。また、遮光容器本体を金属材料から構成した場合、遮光容器本体の内部に合成樹脂製の内袋を設けることにより、二重遮光容器とすることがより好ましい。染毛第2剤はこの内袋に充填されることによって、金属材料からなる遮光容器本体と染毛第2剤の接触が防止される。よって、(A)成分の分解が金属材料によって促進されることを抑制することができる。この内袋は単層の合成樹脂フィルム又は積層された合成樹脂フィルムから成形され、その合成樹脂としては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン等が挙げられる。この内袋における染毛第2剤と接触する部分を構成する合成樹脂としては、(A)成分に対する耐薬品性に優れることから、ポリオレフィン系合成樹脂、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0044】
また、金属材料から構成された遮光容器は、染毛第2剤を容易に密閉保存することができるとともに、染毛第2剤を容易に吐出させることができることから、エアゾール容器であることが好ましい。このエアゾール容器には、染毛第2剤が噴射剤とともに充填される。噴射剤の具体例としては、液化石油ガス(LPG)、窒素ガス、炭酸ガス、圧縮空気、ジメチルエーテル(DME)等が挙げられ、常法に従って所定量充填される。このエアゾール容器は、上記の内袋を備えた二重エアゾール容器であることがより好ましい。
【0045】
次に、染毛第1剤について詳述する。この染毛第1剤は染料、アルカリ剤及びその他の成分を含有している。第1剤に含有される染料の具体例としては、酸化染料中間体、直接染料、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、ジフェニルアミン、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。
【0046】
酸化染料中間体は、染毛第2剤中に含有する過酸化水素により酸化されることによって毛髪を染色する。酸化染料中間体の具体例としては、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルイレンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類、及びそれらの塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩類等が挙げられる。
【0047】
これらの中でも、染毛力が強いことからパラフェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、N−フェニル−パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロパラフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類が好ましい。これらの酸化染料中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。染料の配合量は染毛第1剤中に0.01〜15.0重量%が好ましい。0.01重量%未満では十分な染毛力は得られにくい。一方、15.0重量%を超えて配合してもそれ以上の染毛力は得られにくい。
【0048】
染毛第1剤に含有されるアルカリ剤は、過酸化水素の作用を促進することによって毛髪に明度を付与するために配合される。アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。
【0049】
これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。このアルカリ剤の配合量は、染毛第1剤のpHが8〜12の範囲となる量に設定することが好ましい。染毛第1剤のpHが8未満では過酸化水素の作用を十分に促進することができない。一方、12を超えると毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【0050】
染毛第1剤に含有されるその他の成分としては、界面活性剤、油性成分、水溶性高分子化合物、還元剤、pH調整剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等が挙げられる。
【0051】
さて、過酸化水素含有組成物としての染毛第2剤を調製するには(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及びその他の成分を攪拌混合する。このとき、界面活性剤及び油性成分の乳化作用によって、水に不溶なジブチルヒドロキシトルエンを水相中に均一に分散することができる。この染毛第2剤は、遮光容器に充填されることによって、染毛第2剤製品が得られる。このとき、染毛第2剤には、ジブチルヒドロキシトルエンが配合され、このジブチルヒドロキシトルエンは界面活性剤及び油性成分によって水相中に均一に分散されている。従って、ジブチルヒドロキシトルエンは水相中に溶解している過酸化水素の分解を十分に抑制することができ、過酸化水素の安定性を向上させることができる。
【0052】
次いで、染毛第2剤製品を使用する場合には、遮光容器から染毛第2剤を吐出させ、染毛第1剤と混合することにより、染毛第1剤と染毛第2剤の混合物を調製する。この混合物の必要量をコーム(櫛)又は刷毛に付着させ、毛髪に塗布する。このとき、染毛第2剤中の過酸化水素の安定性が向上されていたため、過酸化水素による脱色作用を十分に発揮させることができる。また、染毛第2剤には、界面活性剤、油性成分及び水が含有され、この染毛第2剤は界面活性剤と油性成分の乳化作用により均一性が向上されるとともに適度な粘度が付与されている。従って、毛髪によくなじむとともに、過酸化水素が毛髪に均一に作用し、毛髪に対して十分な明度を付与することができる。
【0053】
以上詳述した第1の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 第1の実施形態の過酸化水素含有組成物においては、染毛第2剤には過酸化水素(A)、ジブチルヒドロキシトルエン(B)、界面活性剤(C)、油性成分(D)及び水(E)が含有されている。従って、ジブチルヒドロキシトルエンは水相中に溶解している過酸化水素の分解を十分に抑制することができ、過酸化水素の安定性を向上させることができる。また、毛髪によくなじむとともに、過酸化水素が毛髪に均一に作用し、毛髪に対して十分な明度を付与することができる。
【0054】
・ 第1の実施形態の過酸化水素含有組成物においては、染毛第2剤の粘度は3000〜20000mPa・sが好ましい。粘度をこの範囲に設定した場合、染毛第2剤の安定化がさらに進み、過酸化水素の安定性をより向上させることができる。また、染毛第1剤と染毛第2剤の混合物を毛髪に塗布する際、染毛第2剤に起因する毛髪からの垂れ落ちを抑制することができる。さらに、過酸化水素の安定性が向上されるとともに、毛髪になじみやすくすることができる。従って、毛髪に対して十分な明度を付与することができるとともに毛髪を均一に染色することができる。
【0055】
・ 第1の実施形態の過酸化水素含有組成物においては、染毛第2剤はO/W型乳化物であることが好ましい。この場合、水相中の(A)成分に対して細分化された油相中の(B)成分を効率的に作用させることができ、(A)成分の分解を(B)成分によってさらに抑制することができる。また、O/W乳化物であると、その乳化安定性によって染毛第2剤の経時的な粘度変化を抑制することができる。
【0056】
・ 第1の実施形態の過酸化水素含有組成物においては、染毛第2剤に適用している。この場合、毛髪を十分に脱色することができ、染め上がりの色を均一にすることができる。
【0057】
・ 第1の実施形態の過酸化水素含有製品においては、染毛第2剤が遮光容器に充填されたものである。ここで、過酸化水素の安定化剤としてジブチルヒドロキシトルエンを含有させた染毛第2剤は、光にあたると黄変し、その結果、過酸化水素の安定性が低下するという問題があった。染毛第2剤を遮光容器に充填することにより、ジブチルヒドロキシトルエンによって過酸化水素の分解が抑制された染毛第2剤をさらに安定して保存することができ、過酸化水素の安定性を向上させることができる過酸化水素含有製品を提供することができる。
【0058】
・ 第1の実施形態の過酸化水素含有製品においては、染毛第2剤はエアゾール容器に充填されることが好ましい。ここで、過酸化水素の安定化剤としてフェナセチンを含有させた従来の過酸化水素含有組成物の場合、エアゾール容器に充填させると、微量の金属類の混入に加え、その加圧条件下によって過酸化水素の分解がさらに促進されるという問題があった。本実施形態における染毛第2剤はエアゾール容器の加圧条件下でも過酸化水素の分解を十分に抑制することができ、過酸化水素の安定性を向上させることができる過酸化水素含有製品を提供することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を毛髪脱色・脱染製品に適用した第2の実施形態について説明する。本発明の過酸化水素含有製品は、1剤式の毛髪脱色剤製品として、毛髪の脱色に使用される。また、過酸化水素含有製品は2剤式の毛髪脱色・脱染剤製品の脱色・脱染剤第2剤製品として、毛髪の脱色及び脱染に使用される。さらに、この過酸化水素含有製品は、3剤式の脱色・脱染剤製品の脱色・脱染剤第2剤製品として使用される。
<1剤式の毛髪脱色剤製品>
過酸化水素含有製品としての1剤式の毛髪脱色剤製品は、過酸化水素含有組成物としての毛髪脱色剤が噴射剤とともに遮光容器に充填されたものである。この毛髪脱色剤は、遮光容器から吐出され、毛髪の脱色に使用される。この毛髪脱色剤は第1の実施形態における染毛第2剤と同じものを使用することができる。
<2剤式の毛髪脱色・脱染剤製品>
過酸化水素含有製品としての毛髪脱色・脱染第2剤製品は、過酸化水素含有組成物としての毛髪脱色・脱染第2剤(以下、脱色第2剤という。)が遮光容器に充填されたものである。この脱色第2剤は、遮光容器から吐出され、アルカリ剤等が含有される脱色・脱染第1剤(以下、脱色第1剤という。)と混合されて毛髪の脱色及び脱染に使用される。この脱色第2剤は、第1の実施形態における染毛第2剤と同じものを使用することができる。
【0059】
脱色第1剤としては、第1の実施形態における染毛第1剤から染料を除いたもの、又はアルカリ剤、過硫酸塩等を含有する粉末状又はクリーム状の脱色第1剤が使用される。
【0060】
粉末状又はクリーム状の脱色第1剤に含有されるアルカリ剤は、脱色第2剤に含有される過酸化水素の作用を促進することにより、脱色力及び脱染力を得るために配合される。アルカリ剤の具体例としては、ケイ酸塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム等)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。脱色第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、好ましくは5.0〜20.0重量%、より好ましくは7.0〜18.0重量%である。この含有量が5.0重量%未満であると十分な脱色力及び脱染力を発揮できないおそれがある。一方、20.0重量%を超えると混合調製時、特に強制混合時に激しく発泡及び発熱するおそれがある。
【0061】
粉末状又はクリーム状の脱色第1剤に含有される過硫酸塩は、酸化助剤として脱色力及び脱染力を得るために配合される。過硫酸塩の具体例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムが挙げられる。脱色第1剤中における過硫酸塩の含有量は30.0〜90.0重量%、好ましくは40.0〜85.0重量%である。この含有量が30.0重量%未満では十分な脱色力及び脱染力を発揮できないおそれがある。一方、90重量%を超えて配合してもそれ以上の効果が得られにくい。
<3剤式の毛髪脱色・脱染剤製品>
過酸化水素含有製品としての毛髪脱色・脱染第2剤製品は、過酸化水素含有組成物としての毛髪脱色・脱染第2剤が遮光容器に充填されたものである。この毛髪脱色・脱染第2剤は、遮光容器から吐出され、アルカリ剤等が含有される毛髪脱色・脱染第1剤及びメタケイ酸ナトリウム、過硫酸塩等が含有される毛髪脱色・脱染第3剤と混合され、毛髪の脱色及び脱染に使用される。
【0062】
3剤式の毛髪脱色・脱染第1剤は、第1の実施形態における染毛第1剤から染料を除いたものが使用される。また、毛髪脱色・脱染第2剤には、第1の実施形態における染毛第2剤と同じものが使用される。さらに、毛髪脱色・脱染第3剤には、2剤式の毛髪脱色・脱染剤製品に記載のアルカリ剤、過硫酸塩等が含有される粉末状又はクリーム状の脱色第1剤が使用される。
(第3の実施形態)
以下、本発明を二浴式パーマネントウェーブ用剤製品に適用した第3の実施形態について説明する。
【0063】
本発明の過酸化水素含有製品は、二浴式パーマネントウェーブ用剤製品のパーマネントウェーブ第2剤製品として、毛髪のウェーブ形成又は縮毛及び癖毛の矯正に使用される。パーマネントウェーブ第2剤製品は、過酸化水素含有組成物としてのパーマネントウェーブ第2剤が遮光容器に充填されたものである。このパーマネントウェーブ第2剤は、遮光容器から吐出され、還元剤、アルカリ剤等を含有するパーマネントウェーブ第1剤と共に使用される。
【0064】
パーマネントウェーブ第2剤は、第1の実施形態に記載の染毛第2剤と同じものが使用される。
パーマネントウェーブ第1剤に含有される還元剤としては、チオグリコール酸、チオグリコール酸塩、チオグリコール酸のエステル、システイン、システイン塩、メルカプト化合物、亜硫酸、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸、チオ硫酸塩等が挙げられる。チオグリコール酸塩としては、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン等、チオグリコール酸のエステルとしては、グリセリンチオグリコレート等が挙げられる。
【0065】
システイン塩としては、システイン塩酸塩、N−アセチル−L−システイン等、メルカプト化合物としては、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、システアミン等が挙げられる。亜硫酸塩としては、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム等、亜硫酸水素塩としては、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム等、チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0066】
パーマネントウェーブ第1剤中における還元剤の含有量は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。この含有量が0.01重量%未満では毛髪に十分なウェーブを形成できないおそれがある。一方、15重量%を超えると、過度の還元作用によって毛髪に損傷が生じるおそれがある。
【0067】
パーマネントウェーブ第1剤に含有されるアルカリ剤としては、第1の実施形態におけるアルカリ剤と同じものが使用される。また、パーマネントウェーブ第1剤に含有されるその他の成分としては、第1の実施形態の染毛第1剤に含有されるその他の成分が使用される。
【0068】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
表1に示す染毛剤第1剤及び染毛剤第2剤を調製し、染毛剤第2剤の粘度をB型粘度計によって測定した。次いで、染毛剤第2剤について下記の(a)から(c)の項目の評価を行った。続いて、染毛剤第1剤及び染毛剤第2剤を混合し、毛束に塗布することによって染毛処理を施した。この染毛処理後の毛束について、下記の(d)及び(e)の項目の評価を行った。粘度の測定結果を表1、(a)〜(e)の評価結果を表2に示す。
【0069】
なお、染毛剤第1剤と染毛剤第2剤は重量比において1:1の割合で混合される。また、表1における各成分の配合を示す数値の単位は重量%を示す。
(a)過酸化水素の安定性
各例の染毛剤第2剤を45℃の恒温槽にて1ヶ月間保存した後、残存した過酸化水素量を酸化還元滴定法によって定量し、残存率を算出した。評価は、残存率98%以上のもの(5)、残存率96%以上98%未満のもの(4)、94%以上96%未満のもの(3)、92%以上94%未満のもの(2)及び92%未満のもの(1)とする5段階で評価した。
【0070】
(b)乳化安定性
染毛第2剤の成分の乳化状態を目視にて観察し、優(5)、良(4)、可(3)、やや不良(2)及び不良(1)の5段階で官能評価した。
【0071】
(c)染毛剤第2剤の色
染毛剤第2剤を遮光容器又は透明容器に充填し、室温にて14日間放置した後、染毛剤第2剤の色を目視にて観察した。
【0072】
(d)明度
染毛処理後の毛束の明度を目視にて観察し、優(5)、良(4)、可(3)、やや不良(2)及び不良(1)の5段階で官能評価した。
【0073】
(e)均染性
染毛処理後の毛束の均染性を目視にて観察し、優(5)、良(4)、可(3)、やや不良(2)及び不良(1)の5段階で官能評価した。
【0074】
【表1】
Figure 2004210643
【0075】
【表2】
Figure 2004210643
表2の結果から明らかなように、実施例1〜7では、過酸化水素はいずれも94%以上残存しており、過酸化水素の安定性について良好な結果であった。また、実施例1〜7では、明度、均染性及び乳化安定性についても良好な結果であった。さらに、実施例1〜7では遮光容器に充填されていたため、14日後の染毛剤第2剤は黄変することなく、光に起因する過酸化水素の安定性低下が抑制されていることがわかった。
【0076】
これに対して、比較例1及び比較例4では(B)成分が配合されていないため、過酸化水素の残存率は94%未満となり、過酸化水素の安定性は不良であった。比較例2及び比較例3では(D)成分が配合されていないため、染毛剤として重要な要素である明度及び均染性が不良となっている。比較例3の染毛剤第2剤は、透明容器に充填されているため14日後の染毛剤第2剤の黄変が確認された。
【0077】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態において過酸化水素含有組成物は染毛剤第2剤等に適用している。これらの他に、過酸化水素含有組成物は、シャンプー、リンス、トリートメント、スタイリング剤等の毛髪脱色用ヘアケア剤に適用することもできる。
【0078】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) さらに、(F)成分として1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸と、その塩とから選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物。
【0079】
(2) 前記(C)界面活性剤としてアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物。
【0080】
(3) 前記(C)界面活性剤として硫酸系アニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物。この場合、乳化安定性を向上させることができ、経時的な粘度変化を抑制することができる。
【0081】
(4) さらに、pH調整剤として上記(F)成分以外の酸及びそのアルカリ塩から選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1から請求項4及び上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物。
【0082】
(5) 請求項1から請求項4及び上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物がエアゾール容器に充填されている過酸化水素含有製品。
【0083】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項4に記載の発明の過酸化水素含有組成物によれば、過酸化水素の安定性を向上させることができるとともに、毛髪に対して十分な明度を付与することができる。
【0084】
請求項5に記載の発明の過酸化水素含有製品によれば、過酸化水素の安定性を向上させることができるとともに、毛髪に対して十分な明度を付与することができる過酸化水素含有製品を提供することができる。

Claims (5)

  1. 毛髪に適用される過酸化水素含有組成物であって、下記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分を含有することを特徴とする過酸化水素含有組成物。
    (A):過酸化水素。
    (B):ジブチルヒドロキシトルエン。
    (C):界面活性剤。
    (D):油性成分。
    (E):水。
  2. 粘度が3000〜20000ミリパスカル秒(mPa・s)である請求項1に記載の過酸化水素含有組成物。
  3. 水中油滴型(O/W型)乳化物である請求項1又は請求項2に記載の過酸化水素含有組成物。
  4. 染料及びアルカリ剤を含有する染毛剤第1剤と混合されて毛髪に適用される染毛剤第2剤、又はアルカリ剤を含有する毛髪脱色・脱染剤第1剤と混合されて毛髪に適用される毛髪脱色・脱染剤第2剤である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の過酸化水素含有組成物が遮光容器に充填されている過酸化水素含有製品。
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