JP2004083454A - 染毛剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に混合することが可能であり、毛髪に塗布しやすく、使用時の垂れ落ちが少ない適度な粘性を有し、染毛剤として使い勝手と染毛効果に優れた染毛剤組成物の提供を目的とする。
【解決手段】アルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状の第1剤と、酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、20℃において2,000〜7,000mPa・sの粘度を有することを特徴とする染毛剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】アルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状の第1剤と、酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、20℃において2,000〜7,000mPa・sの粘度を有することを特徴とする染毛剤組成物。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛剤組成物に関し、詳しくは、使用直前に第1剤と第2剤を混合して用いる染毛剤に係り、第1剤と第2剤の混合性に優れ、また、毛髪に塗布しやすく、使用時のたれ落ちが少ない適度な粘性を有する染毛剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化型染毛剤は、別々の容器に保存された第1剤と第2剤を使用直前に混合してから使用する2剤混合式の形態が用いられている。これら2剤混合式の染毛剤の第1剤にはアルカリ剤、第2剤には過酸化水素水が配合されており、第1剤と第2剤を混合してから使用される。また、毛髪に塗布した際には垂れ落ち等の心配がなく、均一に染毛されることが要求される。そのため、従来、混合のしやすさや使用時の垂れ落ち等を考慮して、液状の第1剤と液状の第2剤、又はクリーム状の第1剤とクリーム状の第2剤を組み合わせた染毛剤組成物が主流を占めている。液状の第1剤と液状の第2剤を組み合わせた染毛剤においては、第1剤にオレイン酸アンモニウムなどの乳化剤を配合して、第2剤により希釈された時に粘性のあるゲルを生成して粘調性を有するように調製している。一方、クリーム状の第1剤とクリーム状の第2剤を組み合わせた染毛剤組成物は、コンディショニング成分や毛髪損傷を防止する油剤などを多量に配合することが可能であり、また垂れ落ちも少ないことから、クリーム状の染毛剤組成物が盛んに開発されている。
【0003】
しかしながら、液状の染毛剤においては、コンディショニング成分や毛髪損傷を防止する油剤などを多量に配合することが出来ず、処方上の制約があり機能性に優れたものを開発するには限界がある。また、クリーム状の染毛剤においては、計量や混合するための専用のトレーと刷毛やブラシなどの道具が必要であり、一度に大量の薬液を調節できないために、使用する際には何度も混合液を作る手間も必要とし、染毛操作において非常に手間がかかる。また、一般的にクリーム状染毛剤の混合時の粘度は20,000〜50,000mPa・s程度の粘度を有するものであり、混合する際は、高い粘性のクリーム同士を混ぜ、染毛液は高い粘性を有し、頭髪部に伸ばしにくく、均一に塗布することが難しいために色ムラが発生するなどの問題点を有していた。
【0004】
これらの問題点を解決する方法として、特開2002−68946号公報には、クリーム状の第1剤と液状の第2剤を組み合わせた毛髪化粧料組成物が開示されている。この発明においては、第1剤と第2剤の比重を特定の範囲に調整して混合性の改善を図っているが、第1剤と第2剤の粘度の差が大きいために、混合容器に入れて混合する時には強い力で何回も振とうする必要があり、また十分混合されたことを確認することが難しく、混合が不十分な場合には、第1剤のクリームと第2剤の液が毛髪上で分離し、垂れ落ちやムラ染めの原因となる問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、第2剤が充填されたボトル容器中に第1剤を入れて軽く数回振る程度で、容易に混合することが可能であり、毛髪に塗布しやすく、使用時の垂れ落ちが少ない適度な粘性を有し、染毛剤として使い勝手と染毛効果に優れた染毛剤組成物の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記した目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するアルカリ剤を含有したクリーム状の第1剤と、1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する酸化剤を含有した粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、2,000〜7,000mPa・sの粘度を有する染毛剤組成物が上記の難点を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、アルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状の第1剤と、酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、20℃において2,000〜7,000mPa・sの粘度を有することを特徴とする染毛剤組成物にある。また、本発明は、前記第1剤と第2剤の粘度の比(第1剤の粘度/第2剤の粘度)が3〜18である上記染毛剤組成物にある。また、本発明は、更に第1剤に塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体を含有することを特徴とする前記いずれか記載の染毛剤組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の第1剤はアルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状を呈するものであればその種類は問わない。アルカリ剤としては、アンモニア,炭酸水素アンモニウム,リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、アルギニン,リジン等の塩基性アミノ酸、グアニジン,2−アミノ−2−メチルプロパン等の有機アミン、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機アルカリが使用される。更に、これらの塩との組み合わせによる緩衝溶液(例えば、リン酸−リン酸のナトリウム塩)が用いられる。好ましいアルカリ剤としては、アンモニア、アンモニウム塩、モノエタノールアミンである。また、これらのアルカリ剤はそれぞれ単独、または2種以上を混合して使用することができる。
【0010】
アルカリ剤の配合量は、所望する脱色力によって適宜配合されるが、一般的な配合量としては第1剤と第2剤を混合した際、pHが9〜12の範囲に調整する為に適宜調整する。pHが9未満の場合は、脱色力に劣り、またpHが12を越えると皮膚刺激や毛髪の損傷が激しく望ましくない。
【0011】
ここでクリーム状とは、油性成分を分散媒とし、水を分散相としているコロイド状態を指し、水中油滴型(O/W型)乳化物である。従って、形態としてはゲル、ペースト、ゼリーのものも含まれ、粘度挙動として、20℃において5,000〜30,000mPa・sであり、好ましくは、20℃において10,000〜25,000mPa・sである。5,000mPa・sより低い粘度の場合、クリームの状態が経日により変化しやすく、また使用温度により粘性の変化が激しく、求める混合時粘度を得難く好ましくない。また30,000mPa・sを超えると、第2剤との混合性が著しく悪くなり、また混合時に所望する粘性が得られず好ましくない。
【0012】
第1剤および後述する第2剤、混合時粘度に関しては、化粧品原料基準・一般試験法における粘度測定法「第2法」によって測定される粘度である。即ち、ブルックフィールド型粘度計を用い、粘性液中を一定の角速度で回転するローターに働く液性の粘性抵抗トルクを検出するものである。例えば、測定対象が10,000mPa・s未満の場合には、3号ローターを用い、1分間12回転で30秒後の粘度を測定し、10,000〜50,000mPa・sの場合には、4号ローターを用い、1分間12回転で30秒後の粘度が測定される。
【0013】
更に本発明においては、第1剤に塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体を含有することにより、混合性を向上させることができる。塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体であり、塩化ジメチルジアリルアンモニウム70〜99質量%(以下、単に%と記す)とアクリル酸1〜30%とを共重合させたものが好ましく、塩化ジメチルジアリルアンモニウム85〜98%とアクリル酸2〜15%とを共重合させたものが更に好ましい。平均分子量としては50,000〜3,000,000である。具体的な例としては、オンデオ ナルコカンパニーから入手可能であるマーコート280、マーコート295、polygon社から入手可能であるPolysol HQなどが挙げられ、これらの中でもマーコート295がより好ましい。塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体の第1剤への配合量は、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体の純分換算として0.1〜5.0%が好ましく、より好ましくは0.2〜3.0%である。0.1%未満の場合は、混合性を向上させる効果に乏しく、5.0%を超えると安定性上問題があり好ましくない。
【0014】
本発明における第1剤においては、脱色剤として用いられる場合には、毛髪の着色剤である染料等は配合されない場合が多いが、染毛剤として使用される場合には、酸化染料、直接染料が配合される。酸化染料としては、例えばフェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルエンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等)、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、2−メチルレゾルシン、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、フロログルシン等のカップラーが挙げられる。これら酸化染料の配合量は、第1剤の0.01〜10%が好ましく、0.1〜5.0%が更に好ましい。配合量が0.01%未満の場合は十分な染毛効果が得られない場合があり、10%を超えても染毛効果が特に向上せず、安全性上懸念されるので好ましくない。
【0015】
直接染料としては、例えば、ニトロ系の染料では3−アミノ−4−ヒドロキシニトロベンゼン、2−アミノ−5−ヒドロキシニトロベンゼン、2−アミノ−3−ヒドロキシニトロベンゼン、2−アミノ−5−N,N−ビス−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−クロロ−5−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−メチル−5−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3,4−ビス−(N−β−ヒドロキシエチルアミノ)ニトロベンゼン、2−アミノ−4−メチル−5−N−β,γ−ジヒドロキシプロピルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−メチル−5−β−アミノエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−ヒドロキシニトロベンゼン、及び特に有利なものとして;3,4−ジアミノニトロベンゼン、2,5−ジアミノニトロベンゼン、2−アミノ−5−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−N,N−ビス−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−メチルアミノ−5−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノニトロベンゼン、2−N−メチルアミノ−5−N−メチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−ヒドロキシニトロベンゼン、3−メトキシ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、4−ニトロ−3−メチルアミノフェノキシエタノール、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3−アミノ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3−β−ヒドロキシエチロキシ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−5−N−メチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−3−メチルニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−β,γ−ジヒドロキシプロピロキシニトロベンゼン、3−ヒドロキシ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3−ヒドロキシ−4−アミノニトロベンゼン、2,5−N,N′−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−メチルアミノ−4−o−β,γ−ジヒドロキシプロピロキシニトロベンゼン、2−N−β−アミノエチルアミノ−5−N,N−ビス−(β−ヒドロキシエチル)アミノニトロベンゼン、2−N−β−アミノエチルアミノ−4−メトキシニトロベンゼン、2−N−β−アミノエチルアミノ−5−β−ヒドロキシエチロキシニトロベンゼン、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン等が挙げられる。また酸性染料では、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号;油溶性染料である赤色215号、赤色218号、赤色225号、橙色201号、橙色206号、黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色501号、赤色505号、橙色403号、黄色404号、黄色405号、青色403号;分散染料である赤色215号、赤色218号、赤色223号、赤色225号、橙色201号、橙色206号、黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色501号、赤色505号、黄色404号、黄色405号、青色403号;塩基性染料である赤色213号、赤色214号等が挙げられる。また、Williams社の塩基性染料では、Sienna Brown、Mahogany、Madder Red、Steel Blue、Straw Yellow、分散染料であるDisperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4等が挙げられる。
【0016】
これらの直接染料は、単独又は2種以上を組合わせて用いることができ、直接染料を第1剤に配合する場合、その配合量は第1剤の0.001〜2.0%が好ましく、0.01〜1.0%が更に好ましい。配合量が0.001%未満の場合は十分な染毛効果が得られず、2.0%を超えても染毛効果が特に向上せず、また皮膚への染着性が向上して好ましくない。
【0017】
第1剤においては、粘度を有するクリーム状を呈するために、油性成分および界面活性剤等が配合される。油性成分としては、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ワセリン、ラノリン、シリコーン誘導体、高級脂肪酸及び高級アルコール等が挙げられる。油性成分であるシリコーン誘導体の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル等が挙げられ、高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、これらの油性成分から1種または2種以上を選択して用いられる。一般的な油性成分の配合量は、好ましくは、第1剤組成物中に1.0〜50%である。
【0018】
また、界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤及びカチオン界面活性剤等が挙げられ、これらの界面活性剤から1種または2種以上を選択して用いられ、界面活性剤の配合量は、好ましくは第1剤組成物中の0.05〜10.0%である。
【0019】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル,ポリオキシエチレンステアリルエーテル,ポリオキシエチレンベヘニルエーテル,ポリオキシエチレンオレイルエーテル,ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン,モノステアリン酸リオキシエチレンソルビタン,モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン,モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン,トリオレイン酸リオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン,モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリン等のポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット,ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット,モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット,ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレンヒマシ油等のヒマシ油誘導体、モノオレイン酸ポリエチレングリコール,モノステアリン酸ポリエチレングリコール,モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル,親油型モノオレイン酸グリセリン,親油型モノステアリン酸グリセリン,自己乳化型モノステアリン酸グリセリン等の高級脂肪酸グリセリンエステル、モノオレイン酸ソルビタン,セスキオレイン酸ソルビタン,トリオレイン酸ソルビタン,モノステアリン酸ソルビタン,モノパルミチン酸ソルビタン,モノラウリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン,ポリオキシエチレンラノリンアルコール,ポリオキシエチレンソルビトールラノリン等のラノリン誘導体、ラウリン酸ジエタノールアミド,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルアミンオキシドが挙げられる。
【0020】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸トリエタノールアミン,ラウリル硫酸アンモニウム,セチル硫酸ナトリウム,ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のアルキル及びアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル塩の硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、硫酸化油硫酸化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸,及びその塩(ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩)等のリン酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩,ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム,ラウロイルロチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸ナトリウム,スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム,ポリオキシエチレンスルホコハク酸二ナトリウム,ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム,スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム,ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム,N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム,N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどN−アシルグルタミン酸塩等の高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、オレイン酸,スアリン酸,ラウリン酸,パルミチン酸などのナトリウム塩,カリウム塩,トリエタノールアミン塩あるいはアンモニウム塩等の脂肪酸石鹸が挙げられる。
【0021】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩が挙げられ、具体例としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0022】
両性界面活性剤の具体例としては、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アミノ酢酸型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシルカルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
【0023】
更に、第1剤には、保湿剤としてグリセリンやプロピレングリコールの湿潤剤、安定剤として亜硫酸塩、ピロ硫酸塩、アスコルビン酸、チオグリコール酸、システイン等、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸及びその塩等、その他防腐剤、金属封鎖剤、コラーゲン等のタンパク質誘導体、香料等、また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社発行)に収載される成分が必要に応じて適宜選択されて配合される。
【0024】
本発明の第2剤は酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状を呈するものであればその種類は問わない。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酸化尿素、過酸化メラミン等が挙げられ、その中でも過酸化水素が好ましい。また、これらの酸化剤はそれぞれ単独、または2種以上を混合して使用することができる。酸化剤の配合量は、所望する脱色力によって適宜配合されるが、第2剤中に1.0〜10.0%が好ましく、2.0〜6.0%がより好ましい。この配合量が1.0%未満の場合は十分な酸化効果が得られず、10.0%を超えると毛髪の損傷を引き起こし好ましくない。
【0025】
第2剤の形態である粘性液状とは、油性成分を分散媒として水を分散相としているコロイド状態のO/W型乳液や半透明なゲル、水溶性ポリマーを水中に分散したゲルやゼリーを示し、粘度挙動として、20℃において1,000〜5,000mPa・sであり、好ましくは、20℃において1,500〜3,000mPa・sである。1,000mPa・sより低い粘度の場合、混合分散性が悪く、適正な粘性の混合液を得ようとした場合には、第1剤のクリームが高粘度のものが要求されて、混合容器の壁面等に付着したり、また安定性も悪く分離等が生じて、好ましくない。また5,000mPa・sを超えると、第1剤との混合性が極端に悪くなり、殆ど混合できなくなり好ましくない。
【0026】
第2剤においては、粘性液状を呈するために、油性成分および界面活性剤等が配合され、これらは、上記した第1剤に配合されうる油性成分、界面活性剤、その他の成分の中から選ばれる少なくとも一種を第2剤に配合してもよい。
【0027】
また、第2剤のpHは2〜5が好ましく、2.5〜3.5が更に好ましい。pHがこの範囲を超えると酸化剤の安定性が著しく低下して安定性の点で問題を生じる。
【0028】
第1剤と第2剤を混合した時にその粘度は、20℃において、2,000〜7,000mPa・sであり、3,000〜5,000mPa・sが更に好ましい。2,000mPa・s未満では、粘性が低く塗布時に毛髪から垂れ落ちを生じ、7,000mPa・sを超えると混合性が悪く、混合物の流動性が低下することにより、アプリケーターから染毛剤が吐出しにくくなり、アプリケーター内に染毛剤が残り好ましくない。
【0029】
また、前記第1剤と第2剤の粘度の比(第1剤の粘度/第2剤の粘度)は3〜18が好ましい。この粘度の比が3未満の場合は、所望する混合時粘度を得ることが難しく、粘性が低くなり垂れ落ち等が発生する。また粘度の比が18を超えると、混合性に劣り好ましくない。
【0030】
また、第1剤と第2剤を混合する際には、第1剤と第2剤を質量比で1:3〜2:1の割合で混合するのが好ましく、1:2〜1:1の割合で混合するのがより好ましい。
【0031】
本発明においては、第1剤と第2剤の混合物に、更に第3剤を混合することも可能である。第3剤としては、油剤やタンパク質素材を主成分としたトリートメント成分や反応促進効果を有する過硫酸塩等を主成分としたものである。過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中から一種または二種以上と適度な賦形剤や分散剤を配合して第3剤が形成される。第3剤における過硫酸塩の配合量としては、脱色剤組成物全量中に、1.0〜50%となるように配合されることが好ましく、特に好ましくは、3.0〜20%である。1.0%未満では脱色力の向上効果に乏しく、50%を超えると粘性に影響を与え、溶解しないケースが発生して好ましくない。
【0032】
また、本発明においては、第1剤、第2剤の一方又は双方に通常の化粧料に用いられる他の成分、例えば、香料、芳香族アルコール、多価アルコール等のアルコール類、カチオン界面活性剤、防腐剤、紫外線防止剤、金属封鎖剤、還元剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することが可能である。また、本発明に係る染毛剤組成物は種々の目的、例えば、頭髪の染色、頭髪の脱色脱染、皮膚体毛の脱色剤、かつら等の装飾具の染毛や脱色剤等として用いることも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明するが、これらにより本発明の技術的範囲が限定解釈されるべきものではない。尚、実施例に先立って各実施例で採用した試験法及び評価法を説明する。
【0034】
(1)粘度測定
実施例、比較例に示した第1剤及び第2剤の粘度は、20℃の温度条件下で、B型粘度計(ビスメトロン、芝浦システム社製)を用いて測定した。また、混合時粘度は、第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で振り、混合完了後にB型粘度計(ビスメトロン、芝浦システム社製)を用いて、20℃の条件下で粘度を測定した。尚、第1剤と第2剤を混合した際にヘッドスペースを25%となるように第1剤と第2剤の量を適宜調節した。
【0035】
(2)混合のしやすさ
実施例、比較例に示した染毛剤組成物の第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、色素(酸性染料赤色106号)の1%水溶液を1滴加えた後、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で振り、混合完了状態まで振った回数を計測した。また、第1剤と第2剤を混合した際にヘッドスペースを25%となるように第1剤と第2剤の量を適宜調節した。混合完了状態の確認は、混合液中に未分散のクリームの有無によって判定した。尚、評価基準は以下の通りである。
【0036】
評価基準(混合しやすさ試験)
◎:非常に良好(振とう回数が5回未満)
○:良好 (振とう回数が5回以上、10回未満)
△:やや悪い (振とう回数が10回以上、30回未満)
×:悪い (振とう回数が30回以上)
【0037】
(3)混合後の流動性
実施例、比較例に示した染毛剤組成物の第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で10回振り、5分間静置した。その後、プラスチック製容器の上下を引っくり返し、混合した染液の約50%が下に落ちるまでの時間を計測し、混合後の流動性を判定した。また、第1剤と第2剤を混合した際にヘッドスペースを50%となるように第1剤と第2剤の量を適宜調節した。尚、評価基準は以下の通りである。
【0038】
評価基準(混合後の流動性試験)
◎:非常に良好(移動するまでに5秒未満)
○:良好 (移動するまでに5秒以上10秒未満)
△:やや悪い (移動するまでに10秒以上30秒未満)
×:悪い (移動するまでに30秒以上または移動しない)
【0039】
(4)垂れ落ちのなさ
実施例、比較例に示した染毛剤組成物の第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で10回振り、混合した染液10gを、日本人黒髪からなる毛束(5g、15cm)に均一に刷毛を用いて塗り、30℃の恒温槽内に吊るし、30分間放置した。放置中に染液の垂れ落ちを以下の評価基準に基づいて評価した。
【0040】
評価基準(垂れ落ちのなさ)
◎:非常に良好(垂れ落ちた染液が0.5g未満)
○:良好 (垂れ落ちた染液が0.5g以上、1.0g未満)
△:やや悪い (垂れ落ちた染液が1.0g以上、3.0g未満)
×:悪い (垂れ落ちた染液が3.0g以上)
【0041】
(5)染毛効果
第1剤と第2剤を混合した染液5gを、日本人白髪からなる毛束(5g、15cm)に均一に塗布し、20分間放置し、次いで、十分洗浄した後に乾燥させて。20名の被験者によって染毛状態を観察した。評価基準は、以下の通りである。
【0042】
評価基準(脱色性試験)
◎:非常に良好: ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が18人以上
○:良好 : ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が12人以上、18人未満
△:やや悪い : ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が8人以上、12人未満
×:悪い : ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が8人未満
【0043】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示す配合組成の染毛剤を常法に従って製造し、密閉容器に充填し、20℃にて一週間保存してから第1剤及び第2剤の粘度を測定し、第1剤と第2剤を1:1の比率で混合したものについて、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1より明らかなように、本発明の染毛剤組成物(実施例1〜5)は、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果のいずれの項目においても優れていた。一方、実施例と同一の第2剤を使用し、第1剤の20℃における粘度が5,000mPa・s未満である比較例1及び2の染毛剤組成物は、混合性と混合後の流動性に優れているものの、染液の垂れ落ちと染毛性が悪く染毛剤として実用上耐えられないものである。また、実施例と同一の第2剤を使用し、第1剤の20℃における粘度が30,000mPa・sを超える比較例3及び4の染毛剤組成物は、いずれの項目においても劣っていた。
【0046】
実施例6〜9、比較例5〜8
表2に示す配合組成の脱色剤を常法に従って製造し、密閉容器に充填し、20℃にて一週間保存してから第1剤及び第2剤の粘度を測定し、第1剤と第2剤を1:2の比率で混合したものについて、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。その結果を併せて表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2より明らかなように、本発明の染毛剤組成物(実施例6〜9)は、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果のいずれの項目においても優れていた。一方、実施例と同一の第1剤を使用し、第2剤の20℃における粘度が1,000mPa・s未満である比較例5及び6の染毛剤組成物は、混合性と混合後の流動性にやや劣り、染液の垂れ落ちと染毛性が悪く染毛剤として実用上耐えられないものである。また、実施例と同一の第1剤を使用し、第2剤の20℃における粘度が5,000mPa・sを超える比較例7及び8の染毛剤組成物は、混合性や混合後の流動性が極めて悪かった。
【0049】
実施例10
下記組成の染毛剤第1剤および第2剤を調製し、第1剤と第2剤を1:1の比率で混合し、混合粘度、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。
【0050】
(第1剤の製法)
成分5〜9を80℃にて加温溶解したものに、成分18、21の一部を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1〜4、10、11、19、21の残部を均一に溶解したものを加え、40℃にて成分12〜17、20を加えてホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、14,000mPa・sのクリーム状の第1剤を得た。
【0051】
【0052】
(第2剤の製法)
成分2〜6を80℃にて加温溶解したものに、成分7〜11を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1を加えて、ホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に1週間静置した後、粘度測定を行い、1,800mPa・sの第2剤を得た。
【0053】
(評価結果)
第1剤と第2剤の粘度比は7.8、混合時粘度は4,200mPa・sであった。また、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果については、いずれの項目においても優れていた。
【0054】
実施例11
下記組成の染毛剤第1剤および第2剤を調製し、第1剤と第2剤を2:3の比率で混合し、混合粘度、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。
【0055】
(第1剤の製法)
成分4〜9を85℃にて加温溶解したものに、成分16、20の一部を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1〜3、10、17、18、19、20の残部を均一に溶解したものを加え、40℃にて成分11〜15を加えてホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、14,000mPa・sのクリーム状の第1剤を得た。
【0056】
【0057】
(第2剤の製法)
成分2〜6を80℃にて加温溶解したものに、成分7〜11を90℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1を加えて、ホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、1,300mPa・sの第2剤を得た。
【0058】
(評価結果)
第1剤と第2剤の粘度比は10.8、混合時粘度は4,500mPa・sであった。また、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果については、いずれの項目においても優れていた。
【0059】
実施例12
下記組成の頭髪用ブリーチ剤を調製し、第1剤と第2剤を1:1の比率で混合し、更に第3剤を第1剤と第2剤の混合液に対して1:10の比率で混合して評価を行った。
【0060】
(第1剤の製法)
成分1〜5を80℃にて加温溶解したものに、成分6〜13、15の一部を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、40℃にて成分14を加え、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、15,000mPa・sのクリーム状の第1剤を得た。
【0061】
【0062】
(第2剤の製法)
成分2〜6を80℃にて加温溶解したものに、成分7〜10を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1を加えて、ホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、1,700mPa・sの第2剤を得た。
【0063】
【0064】(第3剤の製法)
成分1〜5を攪拌混合して粉末状の第3剤を得た。
【0065】
(評価結果)
第1剤と第2剤の粘度比は8.8、混合時粘度は4,200mPa・sであった。また、第3剤添加後の混合時粘度は4,800mPa・sであった。また、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果については、いずれの項目においても優れていた。
【0066】
【発明の効果】
本発明の染毛剤組成物は、第1剤と第2剤を軽く振る程度で容易に混合でき、また、毛髪に塗布しやすく、使用時の垂れ落ちが少ない適度な粘性を有し、染毛性に優れた効果を奏するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛剤組成物に関し、詳しくは、使用直前に第1剤と第2剤を混合して用いる染毛剤に係り、第1剤と第2剤の混合性に優れ、また、毛髪に塗布しやすく、使用時のたれ落ちが少ない適度な粘性を有する染毛剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化型染毛剤は、別々の容器に保存された第1剤と第2剤を使用直前に混合してから使用する2剤混合式の形態が用いられている。これら2剤混合式の染毛剤の第1剤にはアルカリ剤、第2剤には過酸化水素水が配合されており、第1剤と第2剤を混合してから使用される。また、毛髪に塗布した際には垂れ落ち等の心配がなく、均一に染毛されることが要求される。そのため、従来、混合のしやすさや使用時の垂れ落ち等を考慮して、液状の第1剤と液状の第2剤、又はクリーム状の第1剤とクリーム状の第2剤を組み合わせた染毛剤組成物が主流を占めている。液状の第1剤と液状の第2剤を組み合わせた染毛剤においては、第1剤にオレイン酸アンモニウムなどの乳化剤を配合して、第2剤により希釈された時に粘性のあるゲルを生成して粘調性を有するように調製している。一方、クリーム状の第1剤とクリーム状の第2剤を組み合わせた染毛剤組成物は、コンディショニング成分や毛髪損傷を防止する油剤などを多量に配合することが可能であり、また垂れ落ちも少ないことから、クリーム状の染毛剤組成物が盛んに開発されている。
【0003】
しかしながら、液状の染毛剤においては、コンディショニング成分や毛髪損傷を防止する油剤などを多量に配合することが出来ず、処方上の制約があり機能性に優れたものを開発するには限界がある。また、クリーム状の染毛剤においては、計量や混合するための専用のトレーと刷毛やブラシなどの道具が必要であり、一度に大量の薬液を調節できないために、使用する際には何度も混合液を作る手間も必要とし、染毛操作において非常に手間がかかる。また、一般的にクリーム状染毛剤の混合時の粘度は20,000〜50,000mPa・s程度の粘度を有するものであり、混合する際は、高い粘性のクリーム同士を混ぜ、染毛液は高い粘性を有し、頭髪部に伸ばしにくく、均一に塗布することが難しいために色ムラが発生するなどの問題点を有していた。
【0004】
これらの問題点を解決する方法として、特開2002−68946号公報には、クリーム状の第1剤と液状の第2剤を組み合わせた毛髪化粧料組成物が開示されている。この発明においては、第1剤と第2剤の比重を特定の範囲に調整して混合性の改善を図っているが、第1剤と第2剤の粘度の差が大きいために、混合容器に入れて混合する時には強い力で何回も振とうする必要があり、また十分混合されたことを確認することが難しく、混合が不十分な場合には、第1剤のクリームと第2剤の液が毛髪上で分離し、垂れ落ちやムラ染めの原因となる問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、第2剤が充填されたボトル容器中に第1剤を入れて軽く数回振る程度で、容易に混合することが可能であり、毛髪に塗布しやすく、使用時の垂れ落ちが少ない適度な粘性を有し、染毛剤として使い勝手と染毛効果に優れた染毛剤組成物の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記した目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するアルカリ剤を含有したクリーム状の第1剤と、1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する酸化剤を含有した粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、2,000〜7,000mPa・sの粘度を有する染毛剤組成物が上記の難点を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、アルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状の第1剤と、酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、20℃において2,000〜7,000mPa・sの粘度を有することを特徴とする染毛剤組成物にある。また、本発明は、前記第1剤と第2剤の粘度の比(第1剤の粘度/第2剤の粘度)が3〜18である上記染毛剤組成物にある。また、本発明は、更に第1剤に塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体を含有することを特徴とする前記いずれか記載の染毛剤組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の第1剤はアルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状を呈するものであればその種類は問わない。アルカリ剤としては、アンモニア,炭酸水素アンモニウム,リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、アルギニン,リジン等の塩基性アミノ酸、グアニジン,2−アミノ−2−メチルプロパン等の有機アミン、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機アルカリが使用される。更に、これらの塩との組み合わせによる緩衝溶液(例えば、リン酸−リン酸のナトリウム塩)が用いられる。好ましいアルカリ剤としては、アンモニア、アンモニウム塩、モノエタノールアミンである。また、これらのアルカリ剤はそれぞれ単独、または2種以上を混合して使用することができる。
【0010】
アルカリ剤の配合量は、所望する脱色力によって適宜配合されるが、一般的な配合量としては第1剤と第2剤を混合した際、pHが9〜12の範囲に調整する為に適宜調整する。pHが9未満の場合は、脱色力に劣り、またpHが12を越えると皮膚刺激や毛髪の損傷が激しく望ましくない。
【0011】
ここでクリーム状とは、油性成分を分散媒とし、水を分散相としているコロイド状態を指し、水中油滴型(O/W型)乳化物である。従って、形態としてはゲル、ペースト、ゼリーのものも含まれ、粘度挙動として、20℃において5,000〜30,000mPa・sであり、好ましくは、20℃において10,000〜25,000mPa・sである。5,000mPa・sより低い粘度の場合、クリームの状態が経日により変化しやすく、また使用温度により粘性の変化が激しく、求める混合時粘度を得難く好ましくない。また30,000mPa・sを超えると、第2剤との混合性が著しく悪くなり、また混合時に所望する粘性が得られず好ましくない。
【0012】
第1剤および後述する第2剤、混合時粘度に関しては、化粧品原料基準・一般試験法における粘度測定法「第2法」によって測定される粘度である。即ち、ブルックフィールド型粘度計を用い、粘性液中を一定の角速度で回転するローターに働く液性の粘性抵抗トルクを検出するものである。例えば、測定対象が10,000mPa・s未満の場合には、3号ローターを用い、1分間12回転で30秒後の粘度を測定し、10,000〜50,000mPa・sの場合には、4号ローターを用い、1分間12回転で30秒後の粘度が測定される。
【0013】
更に本発明においては、第1剤に塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体を含有することにより、混合性を向上させることができる。塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体は、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との共重合体であり、塩化ジメチルジアリルアンモニウム70〜99質量%(以下、単に%と記す)とアクリル酸1〜30%とを共重合させたものが好ましく、塩化ジメチルジアリルアンモニウム85〜98%とアクリル酸2〜15%とを共重合させたものが更に好ましい。平均分子量としては50,000〜3,000,000である。具体的な例としては、オンデオ ナルコカンパニーから入手可能であるマーコート280、マーコート295、polygon社から入手可能であるPolysol HQなどが挙げられ、これらの中でもマーコート295がより好ましい。塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体の第1剤への配合量は、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体の純分換算として0.1〜5.0%が好ましく、より好ましくは0.2〜3.0%である。0.1%未満の場合は、混合性を向上させる効果に乏しく、5.0%を超えると安定性上問題があり好ましくない。
【0014】
本発明における第1剤においては、脱色剤として用いられる場合には、毛髪の着色剤である染料等は配合されない場合が多いが、染毛剤として使用される場合には、酸化染料、直接染料が配合される。酸化染料としては、例えばフェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルエンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等)、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、2−メチルレゾルシン、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、フロログルシン等のカップラーが挙げられる。これら酸化染料の配合量は、第1剤の0.01〜10%が好ましく、0.1〜5.0%が更に好ましい。配合量が0.01%未満の場合は十分な染毛効果が得られない場合があり、10%を超えても染毛効果が特に向上せず、安全性上懸念されるので好ましくない。
【0015】
直接染料としては、例えば、ニトロ系の染料では3−アミノ−4−ヒドロキシニトロベンゼン、2−アミノ−5−ヒドロキシニトロベンゼン、2−アミノ−3−ヒドロキシニトロベンゼン、2−アミノ−5−N,N−ビス−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−クロロ−5−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−メチル−5−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3,4−ビス−(N−β−ヒドロキシエチルアミノ)ニトロベンゼン、2−アミノ−4−メチル−5−N−β,γ−ジヒドロキシプロピルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−メチル−5−β−アミノエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−4−ヒドロキシニトロベンゼン、及び特に有利なものとして;3,4−ジアミノニトロベンゼン、2,5−ジアミノニトロベンゼン、2−アミノ−5−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−N,N−ビス−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−メチルアミノ−5−N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アミノニトロベンゼン、2−N−メチルアミノ−5−N−メチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−ヒドロキシニトロベンゼン、3−メトキシ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、4−ニトロ−3−メチルアミノフェノキシエタノール、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−アミノニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3−アミノ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3−β−ヒドロキシエチロキシ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−5−N−メチルアミノニトロベンゼン、2−アミノ−3−メチルニトロベンゼン、2−N−β−ヒドロキシエチルアミノ−5−β,γ−ジヒドロキシプロピロキシニトロベンゼン、3−ヒドロキシ−4−N−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、3−ヒドロキシ−4−アミノニトロベンゼン、2,5−N,N′−β−ヒドロキシエチルアミノニトロベンゼン、2−N−メチルアミノ−4−o−β,γ−ジヒドロキシプロピロキシニトロベンゼン、2−N−β−アミノエチルアミノ−5−N,N−ビス−(β−ヒドロキシエチル)アミノニトロベンゼン、2−N−β−アミノエチルアミノ−4−メトキシニトロベンゼン、2−N−β−アミノエチルアミノ−5−β−ヒドロキシエチロキシニトロベンゼン、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン等が挙げられる。また酸性染料では、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色227号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号;油溶性染料である赤色215号、赤色218号、赤色225号、橙色201号、橙色206号、黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色501号、赤色505号、橙色403号、黄色404号、黄色405号、青色403号;分散染料である赤色215号、赤色218号、赤色223号、赤色225号、橙色201号、橙色206号、黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色501号、赤色505号、黄色404号、黄色405号、青色403号;塩基性染料である赤色213号、赤色214号等が挙げられる。また、Williams社の塩基性染料では、Sienna Brown、Mahogany、Madder Red、Steel Blue、Straw Yellow、分散染料であるDisperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4等が挙げられる。
【0016】
これらの直接染料は、単独又は2種以上を組合わせて用いることができ、直接染料を第1剤に配合する場合、その配合量は第1剤の0.001〜2.0%が好ましく、0.01〜1.0%が更に好ましい。配合量が0.001%未満の場合は十分な染毛効果が得られず、2.0%を超えても染毛効果が特に向上せず、また皮膚への染着性が向上して好ましくない。
【0017】
第1剤においては、粘度を有するクリーム状を呈するために、油性成分および界面活性剤等が配合される。油性成分としては、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ワセリン、ラノリン、シリコーン誘導体、高級脂肪酸及び高級アルコール等が挙げられる。油性成分であるシリコーン誘導体の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル等が挙げられ、高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、これらの油性成分から1種または2種以上を選択して用いられる。一般的な油性成分の配合量は、好ましくは、第1剤組成物中に1.0〜50%である。
【0018】
また、界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤及びカチオン界面活性剤等が挙げられ、これらの界面活性剤から1種または2種以上を選択して用いられ、界面活性剤の配合量は、好ましくは第1剤組成物中の0.05〜10.0%である。
【0019】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル,ポリオキシエチレンステアリルエーテル,ポリオキシエチレンベヘニルエーテル,ポリオキシエチレンオレイルエーテル,ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン,モノステアリン酸リオキシエチレンソルビタン,モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン,モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン,トリオレイン酸リオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン,モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリン等のポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット,ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット,モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット,ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油,ポリオキシエチレンヒマシ油等のヒマシ油誘導体、モノオレイン酸ポリエチレングリコール,モノステアリン酸ポリエチレングリコール,モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル,親油型モノオレイン酸グリセリン,親油型モノステアリン酸グリセリン,自己乳化型モノステアリン酸グリセリン等の高級脂肪酸グリセリンエステル、モノオレイン酸ソルビタン,セスキオレイン酸ソルビタン,トリオレイン酸ソルビタン,モノステアリン酸ソルビタン,モノパルミチン酸ソルビタン,モノラウリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン,ポリオキシエチレンラノリンアルコール,ポリオキシエチレンソルビトールラノリン等のラノリン誘導体、ラウリン酸ジエタノールアミド,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルアミンオキシドが挙げられる。
【0020】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸トリエタノールアミン,ラウリル硫酸アンモニウム,セチル硫酸ナトリウム,ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のアルキル及びアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル塩の硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、硫酸化油硫酸化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸,及びその塩(ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩)等のリン酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩,ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム,ラウロイルロチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸ナトリウム,スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム,ポリオキシエチレンスルホコハク酸二ナトリウム,ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム,スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム,ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム,N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム,N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどN−アシルグルタミン酸塩等の高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、オレイン酸,スアリン酸,ラウリン酸,パルミチン酸などのナトリウム塩,カリウム塩,トリエタノールアミン塩あるいはアンモニウム塩等の脂肪酸石鹸が挙げられる。
【0021】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩が挙げられ、具体例としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0022】
両性界面活性剤の具体例としては、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アミノ酢酸型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシルカルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、ラウリルスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
【0023】
更に、第1剤には、保湿剤としてグリセリンやプロピレングリコールの湿潤剤、安定剤として亜硫酸塩、ピロ硫酸塩、アスコルビン酸、チオグリコール酸、システイン等、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸及びその塩等、その他防腐剤、金属封鎖剤、コラーゲン等のタンパク質誘導体、香料等、また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社発行)に収載される成分が必要に応じて適宜選択されて配合される。
【0024】
本発明の第2剤は酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状を呈するものであればその種類は問わない。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カルシウム、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酸化尿素、過酸化メラミン等が挙げられ、その中でも過酸化水素が好ましい。また、これらの酸化剤はそれぞれ単独、または2種以上を混合して使用することができる。酸化剤の配合量は、所望する脱色力によって適宜配合されるが、第2剤中に1.0〜10.0%が好ましく、2.0〜6.0%がより好ましい。この配合量が1.0%未満の場合は十分な酸化効果が得られず、10.0%を超えると毛髪の損傷を引き起こし好ましくない。
【0025】
第2剤の形態である粘性液状とは、油性成分を分散媒として水を分散相としているコロイド状態のO/W型乳液や半透明なゲル、水溶性ポリマーを水中に分散したゲルやゼリーを示し、粘度挙動として、20℃において1,000〜5,000mPa・sであり、好ましくは、20℃において1,500〜3,000mPa・sである。1,000mPa・sより低い粘度の場合、混合分散性が悪く、適正な粘性の混合液を得ようとした場合には、第1剤のクリームが高粘度のものが要求されて、混合容器の壁面等に付着したり、また安定性も悪く分離等が生じて、好ましくない。また5,000mPa・sを超えると、第1剤との混合性が極端に悪くなり、殆ど混合できなくなり好ましくない。
【0026】
第2剤においては、粘性液状を呈するために、油性成分および界面活性剤等が配合され、これらは、上記した第1剤に配合されうる油性成分、界面活性剤、その他の成分の中から選ばれる少なくとも一種を第2剤に配合してもよい。
【0027】
また、第2剤のpHは2〜5が好ましく、2.5〜3.5が更に好ましい。pHがこの範囲を超えると酸化剤の安定性が著しく低下して安定性の点で問題を生じる。
【0028】
第1剤と第2剤を混合した時にその粘度は、20℃において、2,000〜7,000mPa・sであり、3,000〜5,000mPa・sが更に好ましい。2,000mPa・s未満では、粘性が低く塗布時に毛髪から垂れ落ちを生じ、7,000mPa・sを超えると混合性が悪く、混合物の流動性が低下することにより、アプリケーターから染毛剤が吐出しにくくなり、アプリケーター内に染毛剤が残り好ましくない。
【0029】
また、前記第1剤と第2剤の粘度の比(第1剤の粘度/第2剤の粘度)は3〜18が好ましい。この粘度の比が3未満の場合は、所望する混合時粘度を得ることが難しく、粘性が低くなり垂れ落ち等が発生する。また粘度の比が18を超えると、混合性に劣り好ましくない。
【0030】
また、第1剤と第2剤を混合する際には、第1剤と第2剤を質量比で1:3〜2:1の割合で混合するのが好ましく、1:2〜1:1の割合で混合するのがより好ましい。
【0031】
本発明においては、第1剤と第2剤の混合物に、更に第3剤を混合することも可能である。第3剤としては、油剤やタンパク質素材を主成分としたトリートメント成分や反応促進効果を有する過硫酸塩等を主成分としたものである。過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中から一種または二種以上と適度な賦形剤や分散剤を配合して第3剤が形成される。第3剤における過硫酸塩の配合量としては、脱色剤組成物全量中に、1.0〜50%となるように配合されることが好ましく、特に好ましくは、3.0〜20%である。1.0%未満では脱色力の向上効果に乏しく、50%を超えると粘性に影響を与え、溶解しないケースが発生して好ましくない。
【0032】
また、本発明においては、第1剤、第2剤の一方又は双方に通常の化粧料に用いられる他の成分、例えば、香料、芳香族アルコール、多価アルコール等のアルコール類、カチオン界面活性剤、防腐剤、紫外線防止剤、金属封鎖剤、還元剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することが可能である。また、本発明に係る染毛剤組成物は種々の目的、例えば、頭髪の染色、頭髪の脱色脱染、皮膚体毛の脱色剤、かつら等の装飾具の染毛や脱色剤等として用いることも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明するが、これらにより本発明の技術的範囲が限定解釈されるべきものではない。尚、実施例に先立って各実施例で採用した試験法及び評価法を説明する。
【0034】
(1)粘度測定
実施例、比較例に示した第1剤及び第2剤の粘度は、20℃の温度条件下で、B型粘度計(ビスメトロン、芝浦システム社製)を用いて測定した。また、混合時粘度は、第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で振り、混合完了後にB型粘度計(ビスメトロン、芝浦システム社製)を用いて、20℃の条件下で粘度を測定した。尚、第1剤と第2剤を混合した際にヘッドスペースを25%となるように第1剤と第2剤の量を適宜調節した。
【0035】
(2)混合のしやすさ
実施例、比較例に示した染毛剤組成物の第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、色素(酸性染料赤色106号)の1%水溶液を1滴加えた後、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で振り、混合完了状態まで振った回数を計測した。また、第1剤と第2剤を混合した際にヘッドスペースを25%となるように第1剤と第2剤の量を適宜調節した。混合完了状態の確認は、混合液中に未分散のクリームの有無によって判定した。尚、評価基準は以下の通りである。
【0036】
評価基準(混合しやすさ試験)
◎:非常に良好(振とう回数が5回未満)
○:良好 (振とう回数が5回以上、10回未満)
△:やや悪い (振とう回数が10回以上、30回未満)
×:悪い (振とう回数が30回以上)
【0037】
(3)混合後の流動性
実施例、比較例に示した染毛剤組成物の第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で10回振り、5分間静置した。その後、プラスチック製容器の上下を引っくり返し、混合した染液の約50%が下に落ちるまでの時間を計測し、混合後の流動性を判定した。また、第1剤と第2剤を混合した際にヘッドスペースを50%となるように第1剤と第2剤の量を適宜調節した。尚、評価基準は以下の通りである。
【0038】
評価基準(混合後の流動性試験)
◎:非常に良好(移動するまでに5秒未満)
○:良好 (移動するまでに5秒以上10秒未満)
△:やや悪い (移動するまでに10秒以上30秒未満)
×:悪い (移動するまでに30秒以上または移動しない)
【0039】
(4)垂れ落ちのなさ
実施例、比較例に示した染毛剤組成物の第2剤を100mLのプラスチック製容器に入れ、そこに第1剤を注入する。次いで、栓をしてから手で上下に30cmの距離を往復させる方法で10回振り、混合した染液10gを、日本人黒髪からなる毛束(5g、15cm)に均一に刷毛を用いて塗り、30℃の恒温槽内に吊るし、30分間放置した。放置中に染液の垂れ落ちを以下の評価基準に基づいて評価した。
【0040】
評価基準(垂れ落ちのなさ)
◎:非常に良好(垂れ落ちた染液が0.5g未満)
○:良好 (垂れ落ちた染液が0.5g以上、1.0g未満)
△:やや悪い (垂れ落ちた染液が1.0g以上、3.0g未満)
×:悪い (垂れ落ちた染液が3.0g以上)
【0041】
(5)染毛効果
第1剤と第2剤を混合した染液5gを、日本人白髪からなる毛束(5g、15cm)に均一に塗布し、20分間放置し、次いで、十分洗浄した後に乾燥させて。20名の被験者によって染毛状態を観察した。評価基準は、以下の通りである。
【0042】
評価基準(脱色性試験)
◎:非常に良好: ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が18人以上
○:良好 : ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が12人以上、18人未満
△:やや悪い : ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が8人以上、12人未満
×:悪い : ムラ染めがなく染毛効果が良いと答えた被験者の数が8人未満
【0043】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示す配合組成の染毛剤を常法に従って製造し、密閉容器に充填し、20℃にて一週間保存してから第1剤及び第2剤の粘度を測定し、第1剤と第2剤を1:1の比率で混合したものについて、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1より明らかなように、本発明の染毛剤組成物(実施例1〜5)は、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果のいずれの項目においても優れていた。一方、実施例と同一の第2剤を使用し、第1剤の20℃における粘度が5,000mPa・s未満である比較例1及び2の染毛剤組成物は、混合性と混合後の流動性に優れているものの、染液の垂れ落ちと染毛性が悪く染毛剤として実用上耐えられないものである。また、実施例と同一の第2剤を使用し、第1剤の20℃における粘度が30,000mPa・sを超える比較例3及び4の染毛剤組成物は、いずれの項目においても劣っていた。
【0046】
実施例6〜9、比較例5〜8
表2に示す配合組成の脱色剤を常法に従って製造し、密閉容器に充填し、20℃にて一週間保存してから第1剤及び第2剤の粘度を測定し、第1剤と第2剤を1:2の比率で混合したものについて、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。その結果を併せて表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
表2より明らかなように、本発明の染毛剤組成物(実施例6〜9)は、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果のいずれの項目においても優れていた。一方、実施例と同一の第1剤を使用し、第2剤の20℃における粘度が1,000mPa・s未満である比較例5及び6の染毛剤組成物は、混合性と混合後の流動性にやや劣り、染液の垂れ落ちと染毛性が悪く染毛剤として実用上耐えられないものである。また、実施例と同一の第1剤を使用し、第2剤の20℃における粘度が5,000mPa・sを超える比較例7及び8の染毛剤組成物は、混合性や混合後の流動性が極めて悪かった。
【0049】
実施例10
下記組成の染毛剤第1剤および第2剤を調製し、第1剤と第2剤を1:1の比率で混合し、混合粘度、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。
【0050】
(第1剤の製法)
成分5〜9を80℃にて加温溶解したものに、成分18、21の一部を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1〜4、10、11、19、21の残部を均一に溶解したものを加え、40℃にて成分12〜17、20を加えてホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、14,000mPa・sのクリーム状の第1剤を得た。
【0051】
【0052】
(第2剤の製法)
成分2〜6を80℃にて加温溶解したものに、成分7〜11を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1を加えて、ホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に1週間静置した後、粘度測定を行い、1,800mPa・sの第2剤を得た。
【0053】
(評価結果)
第1剤と第2剤の粘度比は7.8、混合時粘度は4,200mPa・sであった。また、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果については、いずれの項目においても優れていた。
【0054】
実施例11
下記組成の染毛剤第1剤および第2剤を調製し、第1剤と第2剤を2:3の比率で混合し、混合粘度、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果を評価した。
【0055】
(第1剤の製法)
成分4〜9を85℃にて加温溶解したものに、成分16、20の一部を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1〜3、10、17、18、19、20の残部を均一に溶解したものを加え、40℃にて成分11〜15を加えてホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、14,000mPa・sのクリーム状の第1剤を得た。
【0056】
【0057】
(第2剤の製法)
成分2〜6を80℃にて加温溶解したものに、成分7〜11を90℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1を加えて、ホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、1,300mPa・sの第2剤を得た。
【0058】
(評価結果)
第1剤と第2剤の粘度比は10.8、混合時粘度は4,500mPa・sであった。また、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果については、いずれの項目においても優れていた。
【0059】
実施例12
下記組成の頭髪用ブリーチ剤を調製し、第1剤と第2剤を1:1の比率で混合し、更に第3剤を第1剤と第2剤の混合液に対して1:10の比率で混合して評価を行った。
【0060】
(第1剤の製法)
成分1〜5を80℃にて加温溶解したものに、成分6〜13、15の一部を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、40℃にて成分14を加え、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、15,000mPa・sのクリーム状の第1剤を得た。
【0061】
【0062】
(第2剤の製法)
成分2〜6を80℃にて加温溶解したものに、成分7〜10を80℃にて加温したものを加えて乳化する。次いで冷却を行い、50℃にて成分1を加えて、ホモミキサーにて均一に混合し、20℃まで冷却を行った。20℃の恒温槽に一週間静置した後、粘度測定を行い、1,700mPa・sの第2剤を得た。
【0063】
【0064】(第3剤の製法)
成分1〜5を攪拌混合して粉末状の第3剤を得た。
【0065】
(評価結果)
第1剤と第2剤の粘度比は8.8、混合時粘度は4,200mPa・sであった。また、第3剤添加後の混合時粘度は4,800mPa・sであった。また、混合しやすさ、混合後の流動性、垂れ落ちのなさ、染毛効果については、いずれの項目においても優れていた。
【0066】
【発明の効果】
本発明の染毛剤組成物は、第1剤と第2剤を軽く振る程度で容易に混合でき、また、毛髪に塗布しやすく、使用時の垂れ落ちが少ない適度な粘性を有し、染毛性に優れた効果を奏するものである。
Claims (3)
- アルカリ剤を含有し、20℃において5,000〜30,000mPa・sの粘度を有するクリーム状の第1剤と、酸化剤を含有し、20℃において1,000〜5,000mPa・sの粘度を有する粘性液状の第2剤からなり、第1剤と第2剤を混合したとき、20℃において2,000〜7,000mPa・sの粘度を有することを特徴とする染毛剤組成物。
- 前記第1剤と第2剤の粘度の比(第1剤の粘度/第2剤の粘度)が3〜18である請求項1記載の染毛剤組成物。
- 更に第1剤に塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の染毛剤組成物。
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