JP2004210494A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート巻付き検出の回数を減らし、長期にわたり良好なシート巻付き検出を可能とした画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面が導電性を有するシート搬送用の回転体118と、前記回転体の表面に導電部材10を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体と該回転体に当接させた導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段3を備えた画像形成装置において、シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを巻付き検知要求記憶手段6に記憶し、該記憶手段によりシート巻付き検出を行う要求が記憶されている時に巻付き検知実行手段5で前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行い、シート巻付きが発生していないと検出された場合に巻付き検出要求解除手段5が巻付き検知要求の記憶を解除する。
【選択図】図1
【解決手段】表面が導電性を有するシート搬送用の回転体118と、前記回転体の表面に導電部材10を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体と該回転体に当接させた導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段3を備えた画像形成装置において、シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを巻付き検知要求記憶手段6に記憶し、該記憶手段によりシート巻付き検出を行う要求が記憶されている時に巻付き検知実行手段5で前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行い、シート巻付きが発生していないと検出された場合に巻付き検出要求解除手段5が巻付き検知要求の記憶を解除する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複写機・プリンタなど電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセス方式を応用した画像形成装置は、レーザビームプリンタや複写機に代表され、その静粛性から広く利用されている。このような画像形成装置では、公知の電子写真技術、すなわち露光、現像、転写のプロセスを経て、記録部材上にトナーで可視化した像を担持させ、このトナー像を記録部材に加熱加圧して定着させることで、印刷を行っている。そして、記録部材(以下、シートと称す)を加熱加圧させるため、加熱するためのヒータを内蔵した定着ローラと、該定着ローラとの定着ニップ部(当接ニップ)でシートを加圧する加圧ローラから成る定着加圧回転体対で構成された定着装置を備えている。しかし、定着装置において、定着加圧ローラ対でシートを挟持搬送する際に、シートがいずれかのローラに巻付いてしまうことがあった。巻付いたことがわからずにローラ回転を続けると、シートがさらに巻付いて重度のジャム(紙詰まり)となり、最悪の場合にはシートの除去が難しくなる。
【0003】
そこで、画像形成装置において、ローラの表面を導電性とし、該ローラ表面に導電部材を当接させて、高圧を給電したときの導電部材の電圧を検知して、ローラにシートが巻付いているかどうかを検出することを可能としたものがある(例えば、特許文献1〜4参照)。さらに、導電部材をローラ表面へ当接・離間する機構を設けて、普段は導電部材をローラ表面から離間させておき、シート巻付き検出の行う際に当接させるようにしてローラ表面を傷つけることを防止すべく工夫をしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開2000−255835号公報
【特許文献2】
特開2001−213546号公報
【特許文献3】
特開2002−55555号公報
【特許文献4】
特開2002−132079号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導電部材をローラ表面に当接してのシート巻付き検出の回数が増えていくと、ローラ表面に付着したトナーなどが少しずつ導電部材に付着していく。そして、最終的には、導電部材に付着したトナーが絶縁体となり、導電部材の電圧検知にて、シートが巻付いていなくても、誤検知によってシート巻付きとなってしまう。従って、定着器(定着装置)の寿命は、この汚れによるシート巻付きの誤検知が発生しない範囲に設定する必要がある。
【0005】
一方、画像形成装置に対するユーザのメンテナンス作業を少なくさせるため、交換部品である定着器の寿命を少しでも伸ばして、交換回数を減らしたいというユーザからの要望がある。
【0006】
本発明の目的は、シート巻付き検出の回数を減らし、長期にわたり良好なシート巻付き検出を可能とした画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0008】
シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出を行う要求が記憶されている時に前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置、である。
【0009】
このような構成において、シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを巻付き検知要求記憶手段に記憶しておいて、シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行い、シート巻付きが発生していないと検出された場合に巻付き検知要求の記憶を解除する。これにより、シート巻付き検出の回数を減らすことができるので、導電部材へのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、トナー付着による誤検知を適切に防止でき、長期にわたり良好なシート巻付き検出が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1の実施例)
図1は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施例を示すレーザビームプリンタ100の概略構成図である。図1において、レーザプリンタ100は記録紙(シート)Pを収納するデッキ101を有し、デッキ101内の記録紙Pの有無を検知するデッキ紙有無センサ102、デッキ101内の記録紙Pのサイズを検知する紙サイズ検知センサ103、デッキ101から記録紙Pを繰り出すピックアップローラ104、前記ピックアップローラ104によって繰り出された記録紙Pを搬送するデッキ給紙ローラ105、前記デッキ給紙ローラ105と対をなし、記録紙Pの重送を防止するためのリタードローラ106が設けられている。
【0012】
そして、デッキ給紙ローラ105の下流にはデッキ101と、後述する両面反転部からの給紙搬送状態を検知するする給紙センサ107、さらに下流へと記録紙Pを搬送するための給紙搬送ローラ108、記録紙Pを同期搬送するレジストローラ対109、前記レジストローラ対109への記録紙Pの搬送状態を検知するレジ前センサ110が配設されている。また、レジストローラ対の下流には、後述するレーザスキャナ部111からのレーザ光に基づいて感光ドラム1上にトナー像を形成するプロセスカートリッジ112と、感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録紙P上に転写するためのローラ部材113(以後転写ローラと記す)が配設されている。
【0013】
さらに、転写ローラ113の下流には搬送ガイド115が配設され、該搬送ガイドの下流には記録紙P上に転写されたトナー像を熱定着するために内部に加熱用のハロゲンヒータ116を備えた定着ローラ117と表面が導電性の加圧ローラ118対、加圧ローラ118表面へ高圧を給電するための導電ブラシ11、加圧ローラへの記録紙Pの巻付きを検出する導電性部材である巻付きセンサ10などを備えた定着部(定着装置)が配設されている。定着部では、定着ローラ117と加圧ローラ118との当接ニップ部で記録紙上にトナー像を担持した記録紙Pを挟持搬送してトナー像を記録紙上に永久固着する。
【0014】
そして、定着部の下流には該定着部からの記録紙Pの搬送状態を検知する定着排紙センサ119、定着部から搬送されてきた記録紙Pを排紙部か両面反転部に行き先を切り替えるための両面フラッパ120が配設されており、排紙部側の下流には排紙部の紙搬送状態を検知する排紙センサ121、記録紙を排紙する排紙ローラ対122が配設されている。一方記録紙Pの両面に印字するために片面印字終了後の記録紙Pを表裏反転させ、再度画像形成部へと給紙するための両面反転部側には、正逆転によって記録紙Pをスイッチバックさせる反転ローラ対123、反転ローラへの紙搬送状態を検知する反転センサ124、記録紙Pの横方向位置を合わせるための横方向レジスト部(不図示)から記録紙Pを搬送するためのDカットローラ125、両面反転部の記録紙P搬送状態を検知する両面センサ126、両面反転部から給紙部へと記録紙Pを搬送するための両面搬送ローラ対127が配設されている。
【0015】
また、前記スキャナ部111には、後述外部装置128から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット129、レーザユニット129からのレーザ光を感光ドラム1上に走査するためのポリゴンミラー130とスキャナモータ131、結像レンズ群132、及び折り返しミラー133により構成されている。
【0016】
そして、前記プロセスカートリッジ112は公知の電子写真プロセスに必要な感光ドラム1、帯電ローラ2と現像ブレード134、トナー格納容器135等を具備しており、レーザプリンタ100に対して着脱可能に構成されている。また、3は高電圧電源(以下、高圧電源部と称す)であり、後述する加圧ローラ高圧回路の他に、帯電ローラ2、現像ブレード134、転写ローラ113、に所望の電圧を給電する高圧回路を有している。136はメインモータで、各部に動力を供給している。
【0017】
さらに、4はレーザプリンタ100を制御するプリンタ制御部であり、RAM5a、ROM5b、タイマ5c、デジタル入出力ポート(以下I/Oポートと記す)5d等を具備したMPU(マイクロコンピュータ)5、不揮発メモリ6、および各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。前記プリンタ制御部4はインターフェイス138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に接続されている。
【0018】
また、オペレータが操作する操作パネル(不図示)およびオペレータへの情報通知のための表示部(不図示)を備えている。
【0019】
図2は、本例の画像形成装置における巻付き検知機構を示した概略構成図である。巻付きセンサ10は加圧ローラ118の通紙領域内で加圧ローラ118の軸方向の両側に配設された記録紙Pを分離するための分離機構である一対の分離爪12間に配置されている。この巻付きセンサ10は、加圧ローラ118の回転方向において、記録紙分離位置の下流側で加圧ローラ表面に当接させている。また、巻付きセンサ10は加圧ローラ118に当接・離間できる構成となっている。これについては追って説明する。高圧電源3より導電ブラシ11を通じて加圧ローラ表面へ高圧を給電し、巻付きセンサ10より該高圧電源3の後述する検知回路により電圧を測定することで、巻付き検知を行う。
【0020】
図3は、本例の画像形成装置における巻付きセンサの当接・離間機構の概略構成図であり、図2の矢印Aの方向から見た図である。巻付きセンサ10は回転軸73に固定されており、回転軸73を中心として回転する構成となっている。回転軸73は部材76、プランジャ部材77、バネ部材78を介して電磁ソレノイド75に接続しており、巻付きセンサ10は電磁クラッチ75の駆動状態により位置が決定する。電磁クラッチ75の駆動は図1に示されるプリンタ制御部4によりオン・オフされる。
【0021】
図3の(a)は電磁ソレノイドがオフの状態の場合であり、プランジャ部材77は自由な状態で、バネ部材78により部材76を押し上げ、巻付きセンサ10は加圧ローラ118の表面から離間された状態となる。一方、図3の(b)は電磁ソレノイドがオンの状態の場合であり、電磁ソレノイド75のプランジャ部材77は矢印Bの方向に引っ張られ、巻付きセンサ10は加圧ローラ118の表面に当接した状態となる。ここで、巻付きセンサ10の加圧ローラへの当接圧を980mN(100gf)以下にすることにより、巻付きセンサ10と加圧ローラ118間に紙が挟まった場合と無い場合の巻付きセンサ電圧差を大きくとることが可能となり、誤検知の防止となる。
【0022】
図4は、第1の実施例における巻付き検知回路の構成図である。図中13はインバータトランスで、インバータトランス13の二次側巻線に発生する出力電圧は高圧コンデンサ14,15と高圧ダイオード16,17で構成する倍電圧整流回路によって整流された後、給電ブラシ11に印加されている。
【0023】
また、インバータトランス13の一次側はCPU5のI/Oポート5dから出力されるクロック信号をベース抵抗21、小信号トランジスタ19、この小信号トランジスタ19のコレクタ側に接続された、プルアップ抵抗20とトランジスタ18を介してオンオフさせているのと、出力電圧を制御するために、出力電圧を抵抗22,23で分圧した電圧をオペアンプ24の−端子に、抵抗25,26で電源電圧+24Vを分圧した基準電圧を+端子に入力し、オペアンプの出力を抵抗27,28とトランジスタ29とアルミ電解コンデンサ30とからなるトランス駆動回路を介してインバータトランスの入力電圧を調整している。ここで、ダイオード31はトランジスタ29の保護ダイオードで、ダイオード32はフライバック電流をインバータトランスに流すためのものである。
【0024】
さらにCPU5のI/Oポート5dからの信号によってオペアンプ24の+端子をトランジスタ33と抵抗34を介して接地することにより、基準電圧を0Vにし、高圧出力をオフすることを可能としている。
【0025】
一方、巻付き検知センサ10の電圧は抵抗35,36で分圧されコンパレータ39の−端子に入力し、高圧出力電圧を抵抗37,38で分圧しコンパレータ39の+端子に入力する。これらの各抵抗値は、巻付き検知センサ10の電圧が、高圧出力電圧の85%以下となった場合にコンパレータ39の+端子電圧が−端子電圧より大きくなりコンパレータ39の出力がプルアップ抵抗40を介してHighになるように設定する。
【0026】
また、コンパレータ39の負入力には抵抗46と抵抗47を電源電圧5Vで分圧した電圧がダイオード45を介して印加される。抵抗46と抵抗47の分圧値は、高圧出力電圧が出力時にコンパレータ39の+端子に入力される電圧の10%の電圧に設定する。コンパレータ39の出力はCPUのI/Oポート5dの入力端子に接続されている。
【0027】
このことにより記録紙Pが加圧ローラ118と、巻付き検知センサ10に挟まっていることをCPU5で検知可能としている。
【0028】
本例の画像形成装置のプリンタ制御部における一連の処理をフローチャートにて説明する。図5は、プリンタ制御部における巻付き検知要求処理のフローチャートである。まず、定着ジャムが発生したかどうかをチェックする(ステップS501)。なお、定着ジャムの検出は、印刷あるいは自動排紙の時に定着器内で記録紙を搬送している際に、定着排紙センサ119へ記録紙の先端が到達すべき時間に所定時間のマージンを加えた時間が経過しても定着排紙センサ119へ記録紙が到達しなかったことと、定着排紙センサ119を記録紙の後端が通過すべき時間に所定時間のマージンを加えた時間が経過しても定着排紙センサ119を記録紙が抜けなかったことをもって、定着ジャムとしている。つまり、定着ジャムが発生したときには(ステップS501のYES)、記録紙が加圧ローラに巻付いている恐れがある。定着ジャムが発生していなければ(ステップS501のNO)、そのまま終了する。定着ジャムが発生したら、巻付き検知要求の記憶をセットして(ステップS502)、終了する。巻付き検知要求の記憶は、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求有りを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0029】
図6は、第1の実施例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知実行処理のフローチャートである。本例では、例えば、電源投入後あるいはドア開閉後に巻付き検知実行処理を開始する。まず、巻付き検知要求の記憶が有るかどうかをチェックする(ステップS601)。ステップS601において、巻付き検知要求の記憶が無ければ(NO)、巻付き検知を実行せずに、メインモータを駆動して(ステップS607)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知要求の記憶が有る場合には(YES)、ソレノイドを駆動させて巻付きセンサを加圧ローラへ当接させる(ステップS602)。
【0030】
そして、高電圧電源から給電ブラシを経由して加圧ローラ表面へ高圧出力を印加する(ステップS603)。巻付きセンサの当接後に高圧印加するのは、巻付きセンサと加圧ローラ間での放電を防ぐためである。続いて、巻付きセンサの電圧を巻付き検知回路で検出する(ステップS604)。この時のコンパレータ39の正入力は加圧ローラ高圧出力が抵抗37と抵抗38で分圧されたレベルが入力される。負入力は加圧ローラに巻付きシートの有無で電圧値が異なる。
【0031】
加圧ローラにシートの巻付きが発生してない場合は巻付きセンサ10を介して加圧ローラの表面の電位が抵抗35と抵抗36で分圧されたレベルがコンパレータ39の負入力に入力され、コンパレータ39の出力はLOWレベルとなる。このLOWを検出した場合は、巻付きが発生していないと判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS605)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS606)、巻付き検知要求の記憶をリセットし(ステップS607)、メインモータを駆動して(ステップS608)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付きセンサの離間前に高圧出力を停止するのは、巻付きセンサと加圧ローラ間での放電を防ぐためである。巻付き検知要求の記憶リセットは、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求無しを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0032】
そして、一方、加圧ローラにシートの巻付きが発生している場合には、巻付いた記録紙の抵抗によって巻付きセンサ10の電位が低下し、コンパレータ39の負入力には、正入力よりも小さいレベルが入力され、コンパレータ39の出力はHIGHレベルとなる。このHIGHが検出された場合は、巻付きが発生していると判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS609)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS610)、巻付きジャム発生情報通知をして(ステップS611)、巻付き検知実行処理を終了し、メインモータを駆動することなくプリンタのウォーミングアップも行わずプリント可能状態とはならない。
【0033】
巻付きジャム発生の情報は、不図示の画像形成装置の表示部に表示する、あるいはインターフェイス138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に送信する。
【0034】
巻付きジャムを検出したのちに、オペレータが、ドアを開けて、定着器の加圧ローラへ巻付いた記録紙を取り除けば、ドアを閉めたのちに、同様の巻付き検知実行処理を行い、今度は巻付きが無しと検出して、巻付き検知要求の記憶をリセットして、メインモータを駆動し、プリント可能状態へ移行する。その後、再び定着ジャムが発生する(巻付きの恐れが発生する)までの間は、ドア開閉や電源オフオンを行っても、巻付き検知要求の記憶は無いので、巻付き検知は実行されない。巻付きジャムを検出したのちに、オペレータが定着器の加圧ローラへ巻付いた記録紙を取り除いていない間は、ドア開閉や電源オフオンを行うたびに、巻付き検知要求の記憶が有るため、巻付き検知が実行され、巻付きジャムが解消されていないので巻付きジャムとなり、プリント可能にしない。
【0035】
以上説明したように、本例では、特定条件(定着ジャムの発生)が発生したことをもってシート巻付き検知要求として不揮発メモリ6へ記憶し、電源投入後およびドア開閉後にシート巻付き検知要求が不揮発メモリ6に記憶されている時に限りCPU5が高圧電源部3の巻付き検知回路によってシート巻付き検知を実行することとした。また、CPU5では、シート巻付き検知を実行して、シート巻付きが発生していないと検出された後に、シート巻付き検知要求の記憶を削除するようにした。
【0036】
このようにしたことで、シート巻付きの恐れがある場合に限りシート巻付き検知が実行され、シート巻付きの恐れがない場合にはシート巻付き検知を実行しないようにできた。この結果、シート巻付き検知の回数を減らすことができ、巻付きセンサへのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、長期にわたり良好な巻付き検知が可能となった。その結果、定着器の寿命を伸ばす効果が得られた。
【0037】
(第2の実施例)
以下、本発明に係る画像形成装置の第2の実施例を説明する。
【0038】
本例に示す画像形成装置において、装置全体の概略構成は図1に示すものと、巻付き検知機構は図2に示すものと、巻付きセンサの当接・離間機構は図3に示すものと、巻付き検知回路は図4に示すものと、それぞれ、同じであるため、説明を省略する。
【0039】
本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における一連の処理をフローチャートにて説明する。図7は、プリンタ制御部における巻付き検知要求処理のフローチャートである。まず、定着ジャムが発生したかあるいは自動排紙を実行したかどうかをチェックする(ステップS701)。定着ジャムの検出は、第1の実施例で説明した通りである。自動排紙とは、ウォーミングアップ時にプリンタ内部に残留している記録紙を検知して、自動的に残留している記録紙を排出する動作である。そして、残留紙を自動排紙行った場合には、残留紙がどのような状態で存在していたかにより、記録紙が加圧ローラに巻付いている恐れがある。定着ジャムが発生していなくかつ自動排紙も行われていなければ(ステップS701のNO)、そのまま終了する。
【0040】
定着ジャムが発生したかもしくは自動排紙が実行されたら(ステップS701のYES)、巻付き検知要求の記憶をセットして(ステップS702)、終了する。巻付き検知要求の記憶は、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求有りを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0041】
図8は、本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知実行処理のフローチャートである。本例では、例えば、電源投入後あるいはドア開閉後あるいは自動排紙動作後に巻付き検知実行処理を開始する。まず、巻付き検知要求の記憶が有るかどうかをチェックする(ステップS801)。ステップS801において、巻付き検知要求の記憶が無ければ(NO)、巻付き検知を実行せずに、メインモータを駆動して(ステップS814)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知要求の記憶が有る場合には(YES)、ソレノイドを駆動させて巻付きセンサを加圧ローラへ当接させる(ステップS802)。そして、高電圧電源から給電ブラシを経由して加圧ローラ表面へ高圧出力を印加する(ステップS803)。続いて、巻付きセンサの電圧を巻付き検知回路で1回目の検出を行う(ステップS804)。
【0042】
ステップS804において、LOWを検出した場合は、巻付きが発生していないと判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS805)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させる(ステップS806)。
【0043】
そして、メインモータを所定時間だけ駆動させる(ステップS807)。この所定時間駆動とは、少なくとも、加圧ローラのニップから巻付きセンサ当接位置まで加圧ローラが回転する分とする。この加圧ローラの回転により、加圧ローラのニップから巻付きセンサ当接位置までの間に巻付きかかっていた記録紙が、巻付きセンサ当接位置まで到達する。あまり多く回転させすぎると、完全に巻付いて除去が難しくなるので、加圧ローラのニップから巻付きセンサ当接位置まで加圧ローラが回転する分より少し多めになるように、メインモータを駆動する所定時間を調整しておくと良い。
【0044】
メインモータを所定時間だけ駆動させて停止させたら、ソレノイドを駆動させて巻付きセンサを加圧ローラへ当接させる(ステップS808)。そして、高電圧電源から給電ブラシを経由して加圧ローラ表面へ高圧出力を印加する(ステップS809)。続いて、巻付きセンサの電圧を巻付き検知回路で2回目の検出を行う(ステップS810)。
【0045】
ステップS810において、LOWを検出した場合は、巻付きが発生していないと判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS811)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS812)、巻付き検知要求の記憶をリセットし(ステップS813)、メインモータを駆動して(ステップS814)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知要求の記憶リセットは、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求無しを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0046】
そして、一方、1回目の検出(ステップS804)もしくは2回目の検出(ステップS810)にて、HIGHが検出された場合は、巻付きが発生していると判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS815)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS816)、巻付きジャム発生情報通知をして(ステップS817)、巻付き検知実行処理を終了し、メインモータを駆動することなくプリンタのウォーミングアップも行わずプリント可能状態とはならない。
【0047】
巻付きジャム発生の情報は、不図示の画像形成装置の表示部に表示する、あるいはインターフェイス138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に送信する。
【0048】
以上説明したように、本例では、特定条件(定着ジャムの発生もしくは自動排紙の実行)が発生したことをもってシート巻付き検知要求として不揮発メモリ6へ記憶し、電源投入後およびドア開閉後および自動排紙実行後にシート巻付き検知要求が不揮発メモリ6に記憶されている時に限りCPU5が高圧電源部3の巻付き検知回路によってシート巻付き検知を実行することとした。また、CPU5では、シート巻付き検知を実行して、シート巻付きが発生していないと検出された後に、シート巻付き検知要求の記憶を削除するようにした。
【0049】
このようにしたことで、シート巻付きの恐れがある場合に限りシート巻付き検知が実行され、シート巻付きの恐れがない場合にはシート巻付き検知を実行しないようにできた。この結果、シート巻付き検知の回数を減らすことができ、巻付きセンサへのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、長期にわたり良好な巻付き検知が可能となった。さらに、シート巻付き検知の回数を減らすことができたため、シート巻付き検知の実行時には2回の検知を行う余裕ができ、巻付きセンサに到達しない巻付きかかっているシートも検出できるようになった。その結果、定着器の寿命を伸ばす効果が得られた。
【0050】
(第3の実施例)
以下、本発明に係る画像形成装置の第3の実施例を説明する。
【0051】
本例に示す画像形成装置においても、装置全体の概略構成は図1に示すものと、巻付き検知機構は図2に示すものと、巻付きセンサの当接・離間機構は図3に示すものと、巻付き検知回路は図4に示すものと、それぞれ、同じであるため、説明を省略する。
【0052】
本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における一連の処理をフローチャートにて説明する。図9は、プリンタ制御部における巻付き検知モード切替え処理のフローチャートである。まず、印刷時に記録紙の紙種をチェックする(ステップS901)。ステップS901では、例えば、ユーザが操作パネルから紙種を設定し、その設定により判断してもよいし、メディアセンサを装着して自動検知した紙種により判断してもよい。
【0053】
ステップS901において、紙種が普通紙あるいは薄紙であれば、巻付き検知モード1に設定する(ステップS902)。紙種が厚紙、封筒あるいはOHTであれば、巻付き検知モード2に設定する(ステップS903)。厚紙、封筒およびOHTの印刷においては、加圧ローラへ巻付く恐れは無いのに対し、普通紙あるいは薄紙の印刷においては、加圧ローラへ巻付く恐れがある。そこで、巻付きの恐れの大小により、巻付き検知の実行頻度を変え、巻付き検知モード1では定着ジャムが発生するたびに巻付き検知を実行させ、巻付き検知モード2では巻付きの恐れが無いので定着ジャムが発生しても巻付き検知の必要が無く巻付き検知を行わない。このように、印刷の紙種により、巻付き検知モードを自動切替えする。
【0054】
図10は、本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知要求処理のフローチャートである。まず、巻付き検知モードをチェックする(ステップS1001)。ステップS1001において、巻付き検知モードが巻付き検知モード2であれば、巻付きの恐れが無い印刷なので、巻付き検知要求をせずに終了する。巻付き検知モードが巻付き検知モード1であれば、巻付きの恐れがある印刷なので、定着ジャムが発生したかどうかをチェックする(ステップS1002)。定着ジャムの検出は、第1の実施例で説明した通りである。ステップS1002において、定着ジャムが発生していなければ(NO)、そのまま終了する。定着ジャムが発生したら(YES)、巻付き検知要求の記憶をセットして(ステップS1003)、終了する。巻付き検知要求の記憶は、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求有りを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0055】
図11は、本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知実行処理のフローチャートである。本例では、例えば、電源投入後あるいはドア開閉後に巻付き検知実行処理を開始する。最初に、巻付き検知モードをチェックする(ステップS1112)。ステップS1112において、巻付き検知モードが巻付き検知モード2であれば、巻付きの恐れが無い印刷なので、メインモータを駆動して(ステップS1108)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知モードが巻付き検知モード1であれば、ステップS1101へ進む。ステップS1101〜1111については、第1の実施例におけるステップS601〜611と同じであるため、説明を省略する。
【0056】
以上説明したように、本例では、巻付きの恐れが無い紙種の印刷では巻付き検知が必要ないので行わないモード、巻付きの恐れがある紙種の印刷では巻付き検知を行うモードを用意して、切替えるようにした。
【0057】
このようにしたことで、シート巻付きの恐れがある場合に限りシート巻付き検知が実行され、シート巻付きの恐れがない場合にはシート巻付き検知を実行しないようにできた。この結果、シート巻付き検知の回数を減らすことができ、巻付きセンサへのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、長期にわたり良好な巻付き検知が可能となった。その結果、定着器の寿命を伸ばす効果が得られた。
【0058】
この実施例では、簡単化するために、巻付きを行うか行わないかの2つのモードを用意しているが、さらに巻付きを行う条件を細かく分類したモードを用意してもよい。例えば、画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、毎回、巻付きセンサによりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、前記巻付きセンサが施された加圧ローラ付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、前記電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記巻付きセンサによりシート巻付き検知を行う第2の巻付き検知モードと、全くシート巻付き検知を行わない第3の巻付き検知モードと、これら3つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替スイッチのような巻付きモード切替手段を備え、選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときに検出を行うようにしてもよい。
【0059】
また、紙種による切替えだけでなく、印字面や印字領域で切替えしてもよい。例えば、記録材の第2面(両面の裏面)では加圧ローラ側に1面目のトナーが付着していることとカール(丸まり)から、第1面(片面、および両面の表面)に比べて加圧ローラへの巻付きが発生しやすい。そこで、印字面により、巻付き検知モードを切替えると効果的である。一例として、巻付きモード切替手段として、シートの2面目の両面印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの片面印刷あるいは1面目の両面印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有する構成としてよい。
【0060】
また、同じく、印字領域が通常の印刷に比べて、印字領域を拡張した印刷(記録紙の縁ぎりぎりまで印刷)する場合には記録紙の先端のトナーにより加圧ローラへの巻付きが発生しやすい。そこで、印字領域に応じて巻付きモードを切替えると効果的である。一例として、シートの印字領域が通常の印字領域である印字領域通常印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの印字領域が通常の印字領域を拡張した印字領域拡張印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有する構成としてよい。また、オペレータが操作パネルから印刷条件に応じて、巻付き検知モードを選択するよう構成してもよい。
【0061】
(その他)
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0062】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0063】
〔実施形態1〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に、前記巻付き検知要求を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0064】
このような構成とすることで、特定の条件が発生したことを記憶しておいて、電源投入後もしくはジャム処理後もしくはドア開閉後にシート巻付き検出を行い、シート巻付きで無いと検出されたら記憶を解除しておくことで、シート巻付き検出の回数を減らす作用が得られる。
【0065】
〔実施形態2〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0066】
このような構成とすることで、回転体付近でジャムが発生してシートが巻付いている恐れがあるときにのみ、シート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす作用が得られる。
【0067】
〔実施形態3〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
前記シート巻付き検出手段が施されたシート搬送の回転体が、定着・加圧によってシートに未定着トナー像を定着せしめる定着ローラあるいは加圧ローラである定着装置と、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、前記定着装置でのジャムが発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検知要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0068】
このような構成とすることで、定着器内でジャムが発生したときにのみ、シート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす作用が得られる。
【0069】
〔実施形態4〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
前記シート巻付き検出手段が施されたシート搬送の回転体が、定着・加圧によってシートに未定着トナー像を定着せしめる定着ローラあるいは加圧ローラである定着装置と、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、前記定着装置が交換されたことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後あるいは定着装置交換後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段にシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0070】
このような構成とすることで、定着あるいは加圧ローラにシートが巻付いている定着装置が交換されるといったシート巻付きの恐れがあるときにのみシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0071】
〔実施形態5〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
画像形成装置内に残留シートが有るかを検出して残留シートがあれば自動排出を行う自動排紙手段と、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、自動排出動作を実行したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後あるいは自動排紙後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシートの巻付き検出を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0072】
このような構成とすることで、自動排出の際にシートが巻付くことがあるので、このようなシート巻付きの恐れがあるときにのみシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0073】
〔実施形態6〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件が異なる複数の巻付き検知モードと、
これら複数の巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替え手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0074】
このような構成とすることで、シート巻付き検出を行う複数の条件を切替えられるため、条件に応じてシート巻付き検出を行え、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0075】
〔実施形態7〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件が異なる複数の巻付き検知モードと、
これら複数の巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替え手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0076】
このような構成とすることで、シート巻付き検出を行う複数の条件を切替えられるため、選択された条件に応じてシート巻付き検出を行え、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0077】
〔実施形態8〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、毎回、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、
前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、前記電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第2の巻付き検知モードと、
これら2つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0078】
このような構成とすることで、シート巻付きの発生する恐れのある可能性の大小に応じて、巻付き検知モードを切替えてシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0079】
〔実施形態9〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、
全くシート巻付き検知を行わない第2の巻付き検知モードと、
これら2つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0080】
このような構成とすることで、シート巻付きの発生する恐れのある可能性の大小に応じて、巻付き検知モードを切替えてシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0081】
〔実施形態10〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、毎回、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、
前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、前記電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第2の巻付き検知モードと、
全くシート巻付き検知を行わない第3の巻付き検知モードと、
これら3つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0082】
このような構成とすることで、シート巻付きの発生する恐れのある可能性の大小に応じて、巻付き検知モードを切替えてシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0083】
〔実施形態11〕実施形態6ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、画像形成装置の操作パネルから巻付きモード選択できる巻付きモード選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0084】
このような構成とすることで、シート巻付き検出の発生する可能性の大小に応じて、ユーザがシート巻付き検出モードを選択でき、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0085】
〔実施形態12〕実施形態6ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、印刷条件に従い巻付きモードを自動的に選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0086】
このような構成とすることで、シート巻付き検出の発生する可能性の大小に応じた印字条件によって自動的にシート巻付き検出モードを選択することで、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0087】
〔実施形態13〕実施形態9に記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、シートが普通紙もしくは薄紙もしくはOHTの時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートが封筒もしくは厚紙の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0088】
このような構成とすることで、普通紙および薄紙およびOHTのようにシート巻付きの恐れの可能性が高いときにはシート巻付き検知を行うモードとし、厚紙や封筒のようにシート巻付きの恐れがほぼ無いときにはシート巻付き検知を行わないモードとすることで、シート巻付き検知回数を減らすことができる。
【0089】
〔実施形態14〕実施形態9に記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、シートの2面目の両面印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの片面印刷あるいは1面目の両面印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0090】
このような構成とすることで、2面目の両面印刷のように巻付きの恐れの可能性が高いときにはシート巻付き検知を行うモードとし、片面印刷および1面目の両面印刷のようにシート巻付きの恐れがほぼ無いときにはシート巻付き検知を行わないモードとすることで、シート巻付き検知回数を減らすことができる。
【0091】
〔実施形態15〕実施形態9に記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、シートの印字領域が通常の印字領域である印字領域通常印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの印字領域が通常の印字領域を拡張した印字領域拡張印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0092】
このような構成とすることで、印字領域拡張印刷のように巻付きの恐れの可能性が高いときにはシート巻付き検知を行うモードとし、印字領域通常印刷ようにシート巻付きの恐れがほぼ無いときにはシート巻付き検知を行わないモードとすることで、シート巻付き検知回数を減らすことができる。
【0093】
〔実施形態16〕実施形態1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、
シートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段として、
回転体を回転する前に、導電部材当接離間手段により前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電して導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出する1回目のシート巻付き検出手段と、
回転体を少なくともニップ位置から導電部材当接位置まで回転させた後に、導電部材当接離間手段により前記回転体に前記導電部材を当接させて前記回転体と導電部材間に給電して導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出する2回目のシート巻付き検出手段と、
2回ともシート巻付きが検出されなかったことをもってシート巻付き無しと判断するシート巻付き判断手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0094】
このような構成とすることで、シート巻付き検知回数を減らしたうえで、最初から巻付いているシートを1回目のシート巻付き検知で検出し、回転体のニップから導電部材当接位置の間に巻付きかかっているシートを2回目のシート巻付き検知で検出することで、より良好なシート巻付き検出の効果が得られる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート巻付き検出の回数を減らすことができるので、導電部材へのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、トナー付着による誤検知を適切に防止でき、長期にわたり良好なシート巻付き検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3の実施例に関する概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3実施例に関する巻付き検知機構を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3の実施例に関する巻付き検知センサの当接・離間機構の構成を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3の実施例に関する巻付き検知回路を示す回路図である。
【図5】第1の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知要求処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知実行処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知要求処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知実行処理を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知モード切替え処理を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知要求処理を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】3…高電圧電源、4…プリンタ制御部、5…マイクロコンピュータ、6…不揮発メモリ、10…巻付き検知センサ、11…給電ブラシ、100…レーザビームプリンタ、117…定着ローラ、118…加圧ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複写機・プリンタなど電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセス方式を応用した画像形成装置は、レーザビームプリンタや複写機に代表され、その静粛性から広く利用されている。このような画像形成装置では、公知の電子写真技術、すなわち露光、現像、転写のプロセスを経て、記録部材上にトナーで可視化した像を担持させ、このトナー像を記録部材に加熱加圧して定着させることで、印刷を行っている。そして、記録部材(以下、シートと称す)を加熱加圧させるため、加熱するためのヒータを内蔵した定着ローラと、該定着ローラとの定着ニップ部(当接ニップ)でシートを加圧する加圧ローラから成る定着加圧回転体対で構成された定着装置を備えている。しかし、定着装置において、定着加圧ローラ対でシートを挟持搬送する際に、シートがいずれかのローラに巻付いてしまうことがあった。巻付いたことがわからずにローラ回転を続けると、シートがさらに巻付いて重度のジャム(紙詰まり)となり、最悪の場合にはシートの除去が難しくなる。
【0003】
そこで、画像形成装置において、ローラの表面を導電性とし、該ローラ表面に導電部材を当接させて、高圧を給電したときの導電部材の電圧を検知して、ローラにシートが巻付いているかどうかを検出することを可能としたものがある(例えば、特許文献1〜4参照)。さらに、導電部材をローラ表面へ当接・離間する機構を設けて、普段は導電部材をローラ表面から離間させておき、シート巻付き検出の行う際に当接させるようにしてローラ表面を傷つけることを防止すべく工夫をしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開2000−255835号公報
【特許文献2】
特開2001−213546号公報
【特許文献3】
特開2002−55555号公報
【特許文献4】
特開2002−132079号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導電部材をローラ表面に当接してのシート巻付き検出の回数が増えていくと、ローラ表面に付着したトナーなどが少しずつ導電部材に付着していく。そして、最終的には、導電部材に付着したトナーが絶縁体となり、導電部材の電圧検知にて、シートが巻付いていなくても、誤検知によってシート巻付きとなってしまう。従って、定着器(定着装置)の寿命は、この汚れによるシート巻付きの誤検知が発生しない範囲に設定する必要がある。
【0005】
一方、画像形成装置に対するユーザのメンテナンス作業を少なくさせるため、交換部品である定着器の寿命を少しでも伸ばして、交換回数を減らしたいというユーザからの要望がある。
【0006】
本発明の目的は、シート巻付き検出の回数を減らし、長期にわたり良好なシート巻付き検出を可能とした画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0008】
シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出を行う要求が記憶されている時に前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置、である。
【0009】
このような構成において、シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを巻付き検知要求記憶手段に記憶しておいて、シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行い、シート巻付きが発生していないと検出された場合に巻付き検知要求の記憶を解除する。これにより、シート巻付き検出の回数を減らすことができるので、導電部材へのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、トナー付着による誤検知を適切に防止でき、長期にわたり良好なシート巻付き検出が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(第1の実施例)
図1は、本発明に係る画像形成装置の第1の実施例を示すレーザビームプリンタ100の概略構成図である。図1において、レーザプリンタ100は記録紙(シート)Pを収納するデッキ101を有し、デッキ101内の記録紙Pの有無を検知するデッキ紙有無センサ102、デッキ101内の記録紙Pのサイズを検知する紙サイズ検知センサ103、デッキ101から記録紙Pを繰り出すピックアップローラ104、前記ピックアップローラ104によって繰り出された記録紙Pを搬送するデッキ給紙ローラ105、前記デッキ給紙ローラ105と対をなし、記録紙Pの重送を防止するためのリタードローラ106が設けられている。
【0012】
そして、デッキ給紙ローラ105の下流にはデッキ101と、後述する両面反転部からの給紙搬送状態を検知するする給紙センサ107、さらに下流へと記録紙Pを搬送するための給紙搬送ローラ108、記録紙Pを同期搬送するレジストローラ対109、前記レジストローラ対109への記録紙Pの搬送状態を検知するレジ前センサ110が配設されている。また、レジストローラ対の下流には、後述するレーザスキャナ部111からのレーザ光に基づいて感光ドラム1上にトナー像を形成するプロセスカートリッジ112と、感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録紙P上に転写するためのローラ部材113(以後転写ローラと記す)が配設されている。
【0013】
さらに、転写ローラ113の下流には搬送ガイド115が配設され、該搬送ガイドの下流には記録紙P上に転写されたトナー像を熱定着するために内部に加熱用のハロゲンヒータ116を備えた定着ローラ117と表面が導電性の加圧ローラ118対、加圧ローラ118表面へ高圧を給電するための導電ブラシ11、加圧ローラへの記録紙Pの巻付きを検出する導電性部材である巻付きセンサ10などを備えた定着部(定着装置)が配設されている。定着部では、定着ローラ117と加圧ローラ118との当接ニップ部で記録紙上にトナー像を担持した記録紙Pを挟持搬送してトナー像を記録紙上に永久固着する。
【0014】
そして、定着部の下流には該定着部からの記録紙Pの搬送状態を検知する定着排紙センサ119、定着部から搬送されてきた記録紙Pを排紙部か両面反転部に行き先を切り替えるための両面フラッパ120が配設されており、排紙部側の下流には排紙部の紙搬送状態を検知する排紙センサ121、記録紙を排紙する排紙ローラ対122が配設されている。一方記録紙Pの両面に印字するために片面印字終了後の記録紙Pを表裏反転させ、再度画像形成部へと給紙するための両面反転部側には、正逆転によって記録紙Pをスイッチバックさせる反転ローラ対123、反転ローラへの紙搬送状態を検知する反転センサ124、記録紙Pの横方向位置を合わせるための横方向レジスト部(不図示)から記録紙Pを搬送するためのDカットローラ125、両面反転部の記録紙P搬送状態を検知する両面センサ126、両面反転部から給紙部へと記録紙Pを搬送するための両面搬送ローラ対127が配設されている。
【0015】
また、前記スキャナ部111には、後述外部装置128から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット129、レーザユニット129からのレーザ光を感光ドラム1上に走査するためのポリゴンミラー130とスキャナモータ131、結像レンズ群132、及び折り返しミラー133により構成されている。
【0016】
そして、前記プロセスカートリッジ112は公知の電子写真プロセスに必要な感光ドラム1、帯電ローラ2と現像ブレード134、トナー格納容器135等を具備しており、レーザプリンタ100に対して着脱可能に構成されている。また、3は高電圧電源(以下、高圧電源部と称す)であり、後述する加圧ローラ高圧回路の他に、帯電ローラ2、現像ブレード134、転写ローラ113、に所望の電圧を給電する高圧回路を有している。136はメインモータで、各部に動力を供給している。
【0017】
さらに、4はレーザプリンタ100を制御するプリンタ制御部であり、RAM5a、ROM5b、タイマ5c、デジタル入出力ポート(以下I/Oポートと記す)5d等を具備したMPU(マイクロコンピュータ)5、不揮発メモリ6、および各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。前記プリンタ制御部4はインターフェイス138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に接続されている。
【0018】
また、オペレータが操作する操作パネル(不図示)およびオペレータへの情報通知のための表示部(不図示)を備えている。
【0019】
図2は、本例の画像形成装置における巻付き検知機構を示した概略構成図である。巻付きセンサ10は加圧ローラ118の通紙領域内で加圧ローラ118の軸方向の両側に配設された記録紙Pを分離するための分離機構である一対の分離爪12間に配置されている。この巻付きセンサ10は、加圧ローラ118の回転方向において、記録紙分離位置の下流側で加圧ローラ表面に当接させている。また、巻付きセンサ10は加圧ローラ118に当接・離間できる構成となっている。これについては追って説明する。高圧電源3より導電ブラシ11を通じて加圧ローラ表面へ高圧を給電し、巻付きセンサ10より該高圧電源3の後述する検知回路により電圧を測定することで、巻付き検知を行う。
【0020】
図3は、本例の画像形成装置における巻付きセンサの当接・離間機構の概略構成図であり、図2の矢印Aの方向から見た図である。巻付きセンサ10は回転軸73に固定されており、回転軸73を中心として回転する構成となっている。回転軸73は部材76、プランジャ部材77、バネ部材78を介して電磁ソレノイド75に接続しており、巻付きセンサ10は電磁クラッチ75の駆動状態により位置が決定する。電磁クラッチ75の駆動は図1に示されるプリンタ制御部4によりオン・オフされる。
【0021】
図3の(a)は電磁ソレノイドがオフの状態の場合であり、プランジャ部材77は自由な状態で、バネ部材78により部材76を押し上げ、巻付きセンサ10は加圧ローラ118の表面から離間された状態となる。一方、図3の(b)は電磁ソレノイドがオンの状態の場合であり、電磁ソレノイド75のプランジャ部材77は矢印Bの方向に引っ張られ、巻付きセンサ10は加圧ローラ118の表面に当接した状態となる。ここで、巻付きセンサ10の加圧ローラへの当接圧を980mN(100gf)以下にすることにより、巻付きセンサ10と加圧ローラ118間に紙が挟まった場合と無い場合の巻付きセンサ電圧差を大きくとることが可能となり、誤検知の防止となる。
【0022】
図4は、第1の実施例における巻付き検知回路の構成図である。図中13はインバータトランスで、インバータトランス13の二次側巻線に発生する出力電圧は高圧コンデンサ14,15と高圧ダイオード16,17で構成する倍電圧整流回路によって整流された後、給電ブラシ11に印加されている。
【0023】
また、インバータトランス13の一次側はCPU5のI/Oポート5dから出力されるクロック信号をベース抵抗21、小信号トランジスタ19、この小信号トランジスタ19のコレクタ側に接続された、プルアップ抵抗20とトランジスタ18を介してオンオフさせているのと、出力電圧を制御するために、出力電圧を抵抗22,23で分圧した電圧をオペアンプ24の−端子に、抵抗25,26で電源電圧+24Vを分圧した基準電圧を+端子に入力し、オペアンプの出力を抵抗27,28とトランジスタ29とアルミ電解コンデンサ30とからなるトランス駆動回路を介してインバータトランスの入力電圧を調整している。ここで、ダイオード31はトランジスタ29の保護ダイオードで、ダイオード32はフライバック電流をインバータトランスに流すためのものである。
【0024】
さらにCPU5のI/Oポート5dからの信号によってオペアンプ24の+端子をトランジスタ33と抵抗34を介して接地することにより、基準電圧を0Vにし、高圧出力をオフすることを可能としている。
【0025】
一方、巻付き検知センサ10の電圧は抵抗35,36で分圧されコンパレータ39の−端子に入力し、高圧出力電圧を抵抗37,38で分圧しコンパレータ39の+端子に入力する。これらの各抵抗値は、巻付き検知センサ10の電圧が、高圧出力電圧の85%以下となった場合にコンパレータ39の+端子電圧が−端子電圧より大きくなりコンパレータ39の出力がプルアップ抵抗40を介してHighになるように設定する。
【0026】
また、コンパレータ39の負入力には抵抗46と抵抗47を電源電圧5Vで分圧した電圧がダイオード45を介して印加される。抵抗46と抵抗47の分圧値は、高圧出力電圧が出力時にコンパレータ39の+端子に入力される電圧の10%の電圧に設定する。コンパレータ39の出力はCPUのI/Oポート5dの入力端子に接続されている。
【0027】
このことにより記録紙Pが加圧ローラ118と、巻付き検知センサ10に挟まっていることをCPU5で検知可能としている。
【0028】
本例の画像形成装置のプリンタ制御部における一連の処理をフローチャートにて説明する。図5は、プリンタ制御部における巻付き検知要求処理のフローチャートである。まず、定着ジャムが発生したかどうかをチェックする(ステップS501)。なお、定着ジャムの検出は、印刷あるいは自動排紙の時に定着器内で記録紙を搬送している際に、定着排紙センサ119へ記録紙の先端が到達すべき時間に所定時間のマージンを加えた時間が経過しても定着排紙センサ119へ記録紙が到達しなかったことと、定着排紙センサ119を記録紙の後端が通過すべき時間に所定時間のマージンを加えた時間が経過しても定着排紙センサ119を記録紙が抜けなかったことをもって、定着ジャムとしている。つまり、定着ジャムが発生したときには(ステップS501のYES)、記録紙が加圧ローラに巻付いている恐れがある。定着ジャムが発生していなければ(ステップS501のNO)、そのまま終了する。定着ジャムが発生したら、巻付き検知要求の記憶をセットして(ステップS502)、終了する。巻付き検知要求の記憶は、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求有りを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0029】
図6は、第1の実施例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知実行処理のフローチャートである。本例では、例えば、電源投入後あるいはドア開閉後に巻付き検知実行処理を開始する。まず、巻付き検知要求の記憶が有るかどうかをチェックする(ステップS601)。ステップS601において、巻付き検知要求の記憶が無ければ(NO)、巻付き検知を実行せずに、メインモータを駆動して(ステップS607)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知要求の記憶が有る場合には(YES)、ソレノイドを駆動させて巻付きセンサを加圧ローラへ当接させる(ステップS602)。
【0030】
そして、高電圧電源から給電ブラシを経由して加圧ローラ表面へ高圧出力を印加する(ステップS603)。巻付きセンサの当接後に高圧印加するのは、巻付きセンサと加圧ローラ間での放電を防ぐためである。続いて、巻付きセンサの電圧を巻付き検知回路で検出する(ステップS604)。この時のコンパレータ39の正入力は加圧ローラ高圧出力が抵抗37と抵抗38で分圧されたレベルが入力される。負入力は加圧ローラに巻付きシートの有無で電圧値が異なる。
【0031】
加圧ローラにシートの巻付きが発生してない場合は巻付きセンサ10を介して加圧ローラの表面の電位が抵抗35と抵抗36で分圧されたレベルがコンパレータ39の負入力に入力され、コンパレータ39の出力はLOWレベルとなる。このLOWを検出した場合は、巻付きが発生していないと判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS605)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS606)、巻付き検知要求の記憶をリセットし(ステップS607)、メインモータを駆動して(ステップS608)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付きセンサの離間前に高圧出力を停止するのは、巻付きセンサと加圧ローラ間での放電を防ぐためである。巻付き検知要求の記憶リセットは、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求無しを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0032】
そして、一方、加圧ローラにシートの巻付きが発生している場合には、巻付いた記録紙の抵抗によって巻付きセンサ10の電位が低下し、コンパレータ39の負入力には、正入力よりも小さいレベルが入力され、コンパレータ39の出力はHIGHレベルとなる。このHIGHが検出された場合は、巻付きが発生していると判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS609)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS610)、巻付きジャム発生情報通知をして(ステップS611)、巻付き検知実行処理を終了し、メインモータを駆動することなくプリンタのウォーミングアップも行わずプリント可能状態とはならない。
【0033】
巻付きジャム発生の情報は、不図示の画像形成装置の表示部に表示する、あるいはインターフェイス138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に送信する。
【0034】
巻付きジャムを検出したのちに、オペレータが、ドアを開けて、定着器の加圧ローラへ巻付いた記録紙を取り除けば、ドアを閉めたのちに、同様の巻付き検知実行処理を行い、今度は巻付きが無しと検出して、巻付き検知要求の記憶をリセットして、メインモータを駆動し、プリント可能状態へ移行する。その後、再び定着ジャムが発生する(巻付きの恐れが発生する)までの間は、ドア開閉や電源オフオンを行っても、巻付き検知要求の記憶は無いので、巻付き検知は実行されない。巻付きジャムを検出したのちに、オペレータが定着器の加圧ローラへ巻付いた記録紙を取り除いていない間は、ドア開閉や電源オフオンを行うたびに、巻付き検知要求の記憶が有るため、巻付き検知が実行され、巻付きジャムが解消されていないので巻付きジャムとなり、プリント可能にしない。
【0035】
以上説明したように、本例では、特定条件(定着ジャムの発生)が発生したことをもってシート巻付き検知要求として不揮発メモリ6へ記憶し、電源投入後およびドア開閉後にシート巻付き検知要求が不揮発メモリ6に記憶されている時に限りCPU5が高圧電源部3の巻付き検知回路によってシート巻付き検知を実行することとした。また、CPU5では、シート巻付き検知を実行して、シート巻付きが発生していないと検出された後に、シート巻付き検知要求の記憶を削除するようにした。
【0036】
このようにしたことで、シート巻付きの恐れがある場合に限りシート巻付き検知が実行され、シート巻付きの恐れがない場合にはシート巻付き検知を実行しないようにできた。この結果、シート巻付き検知の回数を減らすことができ、巻付きセンサへのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、長期にわたり良好な巻付き検知が可能となった。その結果、定着器の寿命を伸ばす効果が得られた。
【0037】
(第2の実施例)
以下、本発明に係る画像形成装置の第2の実施例を説明する。
【0038】
本例に示す画像形成装置において、装置全体の概略構成は図1に示すものと、巻付き検知機構は図2に示すものと、巻付きセンサの当接・離間機構は図3に示すものと、巻付き検知回路は図4に示すものと、それぞれ、同じであるため、説明を省略する。
【0039】
本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における一連の処理をフローチャートにて説明する。図7は、プリンタ制御部における巻付き検知要求処理のフローチャートである。まず、定着ジャムが発生したかあるいは自動排紙を実行したかどうかをチェックする(ステップS701)。定着ジャムの検出は、第1の実施例で説明した通りである。自動排紙とは、ウォーミングアップ時にプリンタ内部に残留している記録紙を検知して、自動的に残留している記録紙を排出する動作である。そして、残留紙を自動排紙行った場合には、残留紙がどのような状態で存在していたかにより、記録紙が加圧ローラに巻付いている恐れがある。定着ジャムが発生していなくかつ自動排紙も行われていなければ(ステップS701のNO)、そのまま終了する。
【0040】
定着ジャムが発生したかもしくは自動排紙が実行されたら(ステップS701のYES)、巻付き検知要求の記憶をセットして(ステップS702)、終了する。巻付き検知要求の記憶は、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求有りを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0041】
図8は、本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知実行処理のフローチャートである。本例では、例えば、電源投入後あるいはドア開閉後あるいは自動排紙動作後に巻付き検知実行処理を開始する。まず、巻付き検知要求の記憶が有るかどうかをチェックする(ステップS801)。ステップS801において、巻付き検知要求の記憶が無ければ(NO)、巻付き検知を実行せずに、メインモータを駆動して(ステップS814)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知要求の記憶が有る場合には(YES)、ソレノイドを駆動させて巻付きセンサを加圧ローラへ当接させる(ステップS802)。そして、高電圧電源から給電ブラシを経由して加圧ローラ表面へ高圧出力を印加する(ステップS803)。続いて、巻付きセンサの電圧を巻付き検知回路で1回目の検出を行う(ステップS804)。
【0042】
ステップS804において、LOWを検出した場合は、巻付きが発生していないと判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS805)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させる(ステップS806)。
【0043】
そして、メインモータを所定時間だけ駆動させる(ステップS807)。この所定時間駆動とは、少なくとも、加圧ローラのニップから巻付きセンサ当接位置まで加圧ローラが回転する分とする。この加圧ローラの回転により、加圧ローラのニップから巻付きセンサ当接位置までの間に巻付きかかっていた記録紙が、巻付きセンサ当接位置まで到達する。あまり多く回転させすぎると、完全に巻付いて除去が難しくなるので、加圧ローラのニップから巻付きセンサ当接位置まで加圧ローラが回転する分より少し多めになるように、メインモータを駆動する所定時間を調整しておくと良い。
【0044】
メインモータを所定時間だけ駆動させて停止させたら、ソレノイドを駆動させて巻付きセンサを加圧ローラへ当接させる(ステップS808)。そして、高電圧電源から給電ブラシを経由して加圧ローラ表面へ高圧出力を印加する(ステップS809)。続いて、巻付きセンサの電圧を巻付き検知回路で2回目の検出を行う(ステップS810)。
【0045】
ステップS810において、LOWを検出した場合は、巻付きが発生していないと判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS811)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS812)、巻付き検知要求の記憶をリセットし(ステップS813)、メインモータを駆動して(ステップS814)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知要求の記憶リセットは、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求無しを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0046】
そして、一方、1回目の検出(ステップS804)もしくは2回目の検出(ステップS810)にて、HIGHが検出された場合は、巻付きが発生していると判断し、加圧ローラ表面への高圧出力を停止し(ステップS815)、ソレノイド駆動を停止して巻付きセンサを加圧ローラから離間させ(ステップS816)、巻付きジャム発生情報通知をして(ステップS817)、巻付き検知実行処理を終了し、メインモータを駆動することなくプリンタのウォーミングアップも行わずプリント可能状態とはならない。
【0047】
巻付きジャム発生の情報は、不図示の画像形成装置の表示部に表示する、あるいはインターフェイス138を介してパーソナルコンピュータ等の外部装置128に送信する。
【0048】
以上説明したように、本例では、特定条件(定着ジャムの発生もしくは自動排紙の実行)が発生したことをもってシート巻付き検知要求として不揮発メモリ6へ記憶し、電源投入後およびドア開閉後および自動排紙実行後にシート巻付き検知要求が不揮発メモリ6に記憶されている時に限りCPU5が高圧電源部3の巻付き検知回路によってシート巻付き検知を実行することとした。また、CPU5では、シート巻付き検知を実行して、シート巻付きが発生していないと検出された後に、シート巻付き検知要求の記憶を削除するようにした。
【0049】
このようにしたことで、シート巻付きの恐れがある場合に限りシート巻付き検知が実行され、シート巻付きの恐れがない場合にはシート巻付き検知を実行しないようにできた。この結果、シート巻付き検知の回数を減らすことができ、巻付きセンサへのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、長期にわたり良好な巻付き検知が可能となった。さらに、シート巻付き検知の回数を減らすことができたため、シート巻付き検知の実行時には2回の検知を行う余裕ができ、巻付きセンサに到達しない巻付きかかっているシートも検出できるようになった。その結果、定着器の寿命を伸ばす効果が得られた。
【0050】
(第3の実施例)
以下、本発明に係る画像形成装置の第3の実施例を説明する。
【0051】
本例に示す画像形成装置においても、装置全体の概略構成は図1に示すものと、巻付き検知機構は図2に示すものと、巻付きセンサの当接・離間機構は図3に示すものと、巻付き検知回路は図4に示すものと、それぞれ、同じであるため、説明を省略する。
【0052】
本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における一連の処理をフローチャートにて説明する。図9は、プリンタ制御部における巻付き検知モード切替え処理のフローチャートである。まず、印刷時に記録紙の紙種をチェックする(ステップS901)。ステップS901では、例えば、ユーザが操作パネルから紙種を設定し、その設定により判断してもよいし、メディアセンサを装着して自動検知した紙種により判断してもよい。
【0053】
ステップS901において、紙種が普通紙あるいは薄紙であれば、巻付き検知モード1に設定する(ステップS902)。紙種が厚紙、封筒あるいはOHTであれば、巻付き検知モード2に設定する(ステップS903)。厚紙、封筒およびOHTの印刷においては、加圧ローラへ巻付く恐れは無いのに対し、普通紙あるいは薄紙の印刷においては、加圧ローラへ巻付く恐れがある。そこで、巻付きの恐れの大小により、巻付き検知の実行頻度を変え、巻付き検知モード1では定着ジャムが発生するたびに巻付き検知を実行させ、巻付き検知モード2では巻付きの恐れが無いので定着ジャムが発生しても巻付き検知の必要が無く巻付き検知を行わない。このように、印刷の紙種により、巻付き検知モードを自動切替えする。
【0054】
図10は、本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知要求処理のフローチャートである。まず、巻付き検知モードをチェックする(ステップS1001)。ステップS1001において、巻付き検知モードが巻付き検知モード2であれば、巻付きの恐れが無い印刷なので、巻付き検知要求をせずに終了する。巻付き検知モードが巻付き検知モード1であれば、巻付きの恐れがある印刷なので、定着ジャムが発生したかどうかをチェックする(ステップS1002)。定着ジャムの検出は、第1の実施例で説明した通りである。ステップS1002において、定着ジャムが発生していなければ(NO)、そのまま終了する。定着ジャムが発生したら(YES)、巻付き検知要求の記憶をセットして(ステップS1003)、終了する。巻付き検知要求の記憶は、不揮発メモリ6へ巻付き検知要求有りを書込みしておくことで、電源がオフされても記憶されている。
【0055】
図11は、本例に示す画像形成装置のプリンタ制御部における巻付き検知実行処理のフローチャートである。本例では、例えば、電源投入後あるいはドア開閉後に巻付き検知実行処理を開始する。最初に、巻付き検知モードをチェックする(ステップS1112)。ステップS1112において、巻付き検知モードが巻付き検知モード2であれば、巻付きの恐れが無い印刷なので、メインモータを駆動して(ステップS1108)、巻付き検知実行処理を終了し、プリンタのウォーミングアップを行いプリント可能状態へと移行していくこととなる。巻付き検知モードが巻付き検知モード1であれば、ステップS1101へ進む。ステップS1101〜1111については、第1の実施例におけるステップS601〜611と同じであるため、説明を省略する。
【0056】
以上説明したように、本例では、巻付きの恐れが無い紙種の印刷では巻付き検知が必要ないので行わないモード、巻付きの恐れがある紙種の印刷では巻付き検知を行うモードを用意して、切替えるようにした。
【0057】
このようにしたことで、シート巻付きの恐れがある場合に限りシート巻付き検知が実行され、シート巻付きの恐れがない場合にはシート巻付き検知を実行しないようにできた。この結果、シート巻付き検知の回数を減らすことができ、巻付きセンサへのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、長期にわたり良好な巻付き検知が可能となった。その結果、定着器の寿命を伸ばす効果が得られた。
【0058】
この実施例では、簡単化するために、巻付きを行うか行わないかの2つのモードを用意しているが、さらに巻付きを行う条件を細かく分類したモードを用意してもよい。例えば、画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、毎回、巻付きセンサによりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、前記巻付きセンサが施された加圧ローラ付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、前記電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記巻付きセンサによりシート巻付き検知を行う第2の巻付き検知モードと、全くシート巻付き検知を行わない第3の巻付き検知モードと、これら3つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替スイッチのような巻付きモード切替手段を備え、選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときに検出を行うようにしてもよい。
【0059】
また、紙種による切替えだけでなく、印字面や印字領域で切替えしてもよい。例えば、記録材の第2面(両面の裏面)では加圧ローラ側に1面目のトナーが付着していることとカール(丸まり)から、第1面(片面、および両面の表面)に比べて加圧ローラへの巻付きが発生しやすい。そこで、印字面により、巻付き検知モードを切替えると効果的である。一例として、巻付きモード切替手段として、シートの2面目の両面印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの片面印刷あるいは1面目の両面印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有する構成としてよい。
【0060】
また、同じく、印字領域が通常の印刷に比べて、印字領域を拡張した印刷(記録紙の縁ぎりぎりまで印刷)する場合には記録紙の先端のトナーにより加圧ローラへの巻付きが発生しやすい。そこで、印字領域に応じて巻付きモードを切替えると効果的である。一例として、シートの印字領域が通常の印字領域である印字領域通常印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの印字領域が通常の印字領域を拡張した印字領域拡張印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有する構成としてよい。また、オペレータが操作パネルから印刷条件に応じて、巻付き検知モードを選択するよう構成してもよい。
【0061】
(その他)
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0062】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0063】
〔実施形態1〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に、前記巻付き検知要求を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0064】
このような構成とすることで、特定の条件が発生したことを記憶しておいて、電源投入後もしくはジャム処理後もしくはドア開閉後にシート巻付き検出を行い、シート巻付きで無いと検出されたら記憶を解除しておくことで、シート巻付き検出の回数を減らす作用が得られる。
【0065】
〔実施形態2〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0066】
このような構成とすることで、回転体付近でジャムが発生してシートが巻付いている恐れがあるときにのみ、シート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす作用が得られる。
【0067】
〔実施形態3〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
前記シート巻付き検出手段が施されたシート搬送の回転体が、定着・加圧によってシートに未定着トナー像を定着せしめる定着ローラあるいは加圧ローラである定着装置と、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、前記定着装置でのジャムが発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検知要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0068】
このような構成とすることで、定着器内でジャムが発生したときにのみ、シート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす作用が得られる。
【0069】
〔実施形態4〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
前記シート巻付き検出手段が施されたシート搬送の回転体が、定着・加圧によってシートに未定着トナー像を定着せしめる定着ローラあるいは加圧ローラである定着装置と、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、前記定着装置が交換されたことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後あるいは定着装置交換後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段にシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0070】
このような構成とすることで、定着あるいは加圧ローラにシートが巻付いている定着装置が交換されるといったシート巻付きの恐れがあるときにのみシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0071】
〔実施形態5〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
画像形成装置内に残留シートが有るかを検出して残留シートがあれば自動排出を行う自動排紙手段と、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件として、自動排出動作を実行したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後あるいは自動排紙後に、前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシートの巻付き検出を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0072】
このような構成とすることで、自動排出の際にシートが巻付くことがあるので、このようなシート巻付きの恐れがあるときにのみシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0073】
〔実施形態6〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件が異なる複数の巻付き検知モードと、
これら複数の巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替え手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0074】
このような構成とすることで、シート巻付き検出を行う複数の条件を切替えられるため、条件に応じてシート巻付き検出を行え、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0075】
〔実施形態7〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検知を行うべき特定の条件が異なる複数の巻付き検知モードと、
これら複数の巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替え手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0076】
このような構成とすることで、シート巻付き検出を行う複数の条件を切替えられるため、選択された条件に応じてシート巻付き検出を行え、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0077】
〔実施形態8〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、毎回、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、
前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、前記電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第2の巻付き検知モードと、
これら2つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0078】
このような構成とすることで、シート巻付きの発生する恐れのある可能性の大小に応じて、巻付き検知モードを切替えてシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0079】
〔実施形態9〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、
全くシート巻付き検知を行わない第2の巻付き検知モードと、
これら2つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0080】
このような構成とすることで、シート巻付きの発生する恐れのある可能性の大小に応じて、巻付き検知モードを切替えてシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0081】
〔実施形態10〕シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
画像形成装置の電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、毎回、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第1の巻付き検知モードと、
前記シート巻付き検知手段が施されたシート搬送の回転体付近でのジャムが発生したことを巻付き検知要求として記憶しておき、前記電源投入後あるいはジャム処理後あるいはドア開閉後に、前記巻付き検知要求が記憶されている場合に、前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う第2の巻付き検知モードと、
全くシート巻付き検知を行わない第3の巻付き検知モードと、
これら3つの巻付き検知モードを切替え可能な巻付きモード切替手段と、
選択された巻付き検知モードによる条件が成立したときにシート巻付き検出手段により巻付き検出を行う巻付き検出実行手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【0082】
このような構成とすることで、シート巻付きの発生する恐れのある可能性の大小に応じて、巻付き検知モードを切替えてシート巻付き検出を行うため、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0083】
〔実施形態11〕実施形態6ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、画像形成装置の操作パネルから巻付きモード選択できる巻付きモード選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0084】
このような構成とすることで、シート巻付き検出の発生する可能性の大小に応じて、ユーザがシート巻付き検出モードを選択でき、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0085】
〔実施形態12〕実施形態6ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、印刷条件に従い巻付きモードを自動的に選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0086】
このような構成とすることで、シート巻付き検出の発生する可能性の大小に応じた印字条件によって自動的にシート巻付き検出モードを選択することで、シート巻付き検出の回数を減らす効果が得られる。
【0087】
〔実施形態13〕実施形態9に記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、シートが普通紙もしくは薄紙もしくはOHTの時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートが封筒もしくは厚紙の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0088】
このような構成とすることで、普通紙および薄紙およびOHTのようにシート巻付きの恐れの可能性が高いときにはシート巻付き検知を行うモードとし、厚紙や封筒のようにシート巻付きの恐れがほぼ無いときにはシート巻付き検知を行わないモードとすることで、シート巻付き検知回数を減らすことができる。
【0089】
〔実施形態14〕実施形態9に記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、シートの2面目の両面印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの片面印刷あるいは1面目の両面印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0090】
このような構成とすることで、2面目の両面印刷のように巻付きの恐れの可能性が高いときにはシート巻付き検知を行うモードとし、片面印刷および1面目の両面印刷のようにシート巻付きの恐れがほぼ無いときにはシート巻付き検知を行わないモードとすることで、シート巻付き検知回数を減らすことができる。
【0091】
〔実施形態15〕実施形態9に記載の画像形成装置において、
巻付きモード切替手段として、シートの印字領域が通常の印字領域である印字領域通常印刷の時には第1の巻付き検知モードを自動選択し、シートの印字領域が通常の印字領域を拡張した印字領域拡張印刷の時には第2の巻付き検知モードを自動選択する巻付きモード自動選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0092】
このような構成とすることで、印字領域拡張印刷のように巻付きの恐れの可能性が高いときにはシート巻付き検知を行うモードとし、印字領域通常印刷ようにシート巻付きの恐れがほぼ無いときにはシート巻付き検知を行わないモードとすることで、シート巻付き検知回数を減らすことができる。
【0093】
〔実施形態16〕実施形態1ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、
シートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段として、
回転体を回転する前に、導電部材当接離間手段により前記回転体に前記導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電して導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出する1回目のシート巻付き検出手段と、
回転体を少なくともニップ位置から導電部材当接位置まで回転させた後に、導電部材当接離間手段により前記回転体に前記導電部材を当接させて前記回転体と導電部材間に給電して導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出する2回目のシート巻付き検出手段と、
2回ともシート巻付きが検出されなかったことをもってシート巻付き無しと判断するシート巻付き判断手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0094】
このような構成とすることで、シート巻付き検知回数を減らしたうえで、最初から巻付いているシートを1回目のシート巻付き検知で検出し、回転体のニップから導電部材当接位置の間に巻付きかかっているシートを2回目のシート巻付き検知で検出することで、より良好なシート巻付き検出の効果が得られる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シート巻付き検出の回数を減らすことができるので、導電部材へのトナー付着による汚れが発生しにくくなり、トナー付着による誤検知を適切に防止でき、長期にわたり良好なシート巻付き検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3の実施例に関する概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3実施例に関する巻付き検知機構を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3の実施例に関する巻付き検知センサの当接・離間機構の構成を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の第1〜第3の実施例に関する巻付き検知回路を示す回路図である。
【図5】第1の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知要求処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知実行処理を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知要求処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知実行処理を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知モード切替え処理を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知要求処理を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施例の画像形成装置におけるプリンタ制御部の巻付き検知実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】3…高電圧電源、4…プリンタ制御部、5…マイクロコンピュータ、6…不揮発メモリ、10…巻付き検知センサ、11…給電ブラシ、100…レーザビームプリンタ、117…定着ローラ、118…加圧ローラ
Claims (1)
- シートを搬送するために回転可能であって、表面が導電性を有する回転体と、前記回転体の表面に導電部材を当接・離間させる導電部材当接離間手段と、前記回転体に導電部材を当接させて該回転体と導電部材間に給電したときの導電部材の電圧検出によって前記回転体に対するシートの巻付きを検出するシート巻付き検出手段を備えた画像形成装置において、
シート巻付き検出を行うべき特定の条件が発生したことを記憶しておく巻付き検知要求記憶手段と、
前記巻付き検知要求記憶手段によりシート巻付き検出を行う要求が記憶されている時に前記シート巻付き検出手段によりシート巻付き検知を行う巻付き検知実行手段と、
前記巻付き検知実行手段によりシート巻き検出手段を実行してシート巻付きが検出されなかった場合に巻付き検知要求の記憶を解除する巻付き検出要求解除手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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