JP2008170567A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体ドラム表面に発生する結露を効果的に予防または解消することができ、且つ、そのための電力消費が少なくてすむ画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、両面印刷に用いられる両面搬送路72を利用して、定着装置20を通過した用紙を画像形成部40に複数回再搬送することにより感光体ドラム41上の水分を蒸発させる両面リフレッシュモードを実行可能である。制御手段90は、機内温度センサ97で検知される装置内部の温度と機外湿度センサ98で検知される装置外部の湿度とに基づいて両面リフレッシュモードの実行の要否を決定する
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置が低温環境下に置かれ、画像形成装置が冷えきった後、画像形成装置を起動して比較的短い時間の間に画像形成を行うと、画像形成装置内で結露が生ずる場合がある。例えば、冬期において業務終了の際に画像形成装置の電源を切り、翌日の朝一番に画像形成装置を起動し画像形成を行った場合などが挙げられる。
結露が生ずる原因を説明すると、まず、画像形成装置の起動後できる限り早く使用できるように、電子写真方式の画像形成装置では、定着装置が急速に暖められる(一般に200℃程度まで)。なお、ここでいう定着装置とは、トナー像が載せられた用紙を加熱し、トナーを溶融定着させるためのものである。
そして、定着装置がヒータにより定着可能温度にまで暖められれば、画像形成装置の使用自体は可能である。しかし、画像形成装置内の定着装置以外の部分は、冷え切ったままの状態である。この状態で画像形成を行うと、定着装置を通過するときに用紙に含まれる水分が蒸発するが、その水分が、十分暖められていない冷たいままの部材で冷却されるため結露として現れる。
また、結露が生ずる原因は、定着装置との関係だけで生ずるものではない。一般に、冬期では室内が暖房されるが、この暖かく湿った空気が、例えば冷却用の吸気ファンなどにより画像形成装置内に入り込むことによっても結露が生ずる。画像形成装置内は冷えたままであるから、暖かく湿った空気によって、例えば、用紙搬送路、像担持体、現像装置等において結露が生ずる。そして、画像形成装置全体が暖められ、搬送される用紙と画像形成装置内の温度差が小さくなるまで、結露しやすい状態は続く。
電子写真プロセスを用いた従来の画像形成装置では、像担持体としての感光体ドラムを帯電させる帯電器として、コロナ帯電装置や、帯電ローラ或いは帯電ブラシ等の接触帯電装置が一般に用いられていた。しかし、これらの帯電方式は大部分が帯電装置と感光体との間の空気を電離する「コロナ放電現象」を用いた方式であるため、帯電を繰り返し行うことにより放電生成物が生成されて感光体表面に付着する。これらの放電生成物は水溶性であることにより、大気中の水分を取り込むことで感光体ドラム表面の抵抗が低下する。これにより、感光体ドラム表面に形成された静電潜像のエッジ部で表面電荷がドラム表面方向に流れ、その結果、いわゆる「像流れ」と呼ばれる画質欠陥が発生することが知られている。
上述したような原因により、画像形成装置内、特に感光体ドラムの表面に結露が発生すると、ドラム表面の低抵抗化によって感光体ドラムの表面に形成される静電潜像の電荷が横方向に移動してしまい、「像流れ」が発生し易くなる。
そこで、画像形成装置内部における結露の発生を防止する方法が種々提案されており、例えば特許文献1には、定着装置、定着装置を加熱するヒータ、ヒータ作動回路、ヒータ制御用温度センサ、ジョブ時・スタンバイモード時・ローパワーモード時・スリープモード時におけるヒータの温度に関する目標温度設定値記憶手段、各モード時においてヒータの温度が目標温度となるようにヒータの温度を制御するヒータ制御手段、結露しやすい環境であるか否か判別するための温度を記憶する環境温度記憶手段、環境温度センサ、結露しやすい環境であるか否か判別する環境判別手段等の多数の要素を備えた画像形成装置が提案されている。
このような構成とすることで、画像形成装置の置かれている環境が結露しやすい環境であるか否かを判断し、結露しやすい環境では、非ジョブ時のスタンバイモード時・ローパワーモード時にヒータのオン・オフを制御し結露を防ぐ。一方、スリープモード時はヒータをオフにして定着装置への加熱を制御することで、省電力も達成しようとするものである。
しかしながら、特許文献1の方法では、スリープモードが異常に長くなった場合や、画像形成装置の電源がオンされた直後のような装置が低温環境下に置かれていた場合、画像形成装置内部は冷え切っているから、画像形成装置の起動時に生ずる結露による用紙の濡れや、しわ、波打ち、紙詰まりの発生等の問題に対応できなかった。また、この方法では、ヒータからの熱によって定着装置の温度を一定以上とし、画像形成装置内の温度を高め、結露を防止しているが、単に定着装置からの放熱が次第に画像形成装置内を伝達されていくことを待つのみであるから、画像形成装置内全体が暖められるまで長時間を必要とし、一旦結露が発生してしまうと結露が迅速に解消されないという問題があった。
更に、特許文献1の制御を行うためには、画像形成装置本体の電源を常にオン状態にしておく必要がある。これでは、全く画像形成装置を使用しないような夜間でも、一定の電力は消費され続ける。即ち、定着装置の加熱をオフするスリープモード等の各モードが存在するが、制御を行うためには、少なくとも定着装置の温度制御に関する部分の一部は電力を消費し続けなければならず、低消費電力化の妨げとなっていた。
また、特許文献2には、転写材に含まれる水分量を転写材水分量検知センサによって検知し、その出力信号に応じて帯電バイアスや現像バイアス、定着温度を制御することで像流れを防止する方法が開示されている。さらに特許文献3には、画像記録装置内の結露を検知する結露検知手段の検知結果によってインスタントオン定着手段を動作させる制御手段を設けたり、感光体表面の摺擦動作を実行したりすることにより、感光体表面の結露による像流れを防止する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2の方法では、転写材の水分量検知センサが別途必要となる上、例えば定着温度を下げて水蒸気の発生を抑える場合、定着性能を満足できる下限温度まで下げても装置内部の湿度上昇を防ぎ切れないことがあった。また、帯電バイアスをDCのみとして感光体上の放電量を抑えることにより放電生成物の生成を抑える場合は、本来のACバイアスによる帯電電位の均一化効果がなくなって帯電むらが生じ、濃度むらや地肌かぶり等の画像不良の原因となるおそれがあった。また、特許文献3の方法では、特許文献1の場合と同様に定着装置の熱を感光体へ伝達するのに時間を要するため、予熱時間を必要とせず省エネルギーであるという本来のインスタントオン定着の特徴が失われるという弊害があった。
特開2004−20591号公報 特開2000−89527号公報 特開2004−325642号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、画像形成装置内で結露が発生した場合、或いは発生し易い条件の場合に、画像形成装置内、特に感光体を迅速に暖めることにより像流れの発生を抑制可能であり、且つ電力消費の少ない画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、感光体ドラムと現像装置とを含む画像形成部と、該画像形成部において形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上に形成されたトナー像を溶融定着させるために記録媒体を加熱する定着装置と、該定着装置を通過した記録媒体を前記画像形成部の搬送方向上流側に再搬送するための両面搬送路と、装置内部の温度を検知する温度検知手段と、装置内部または外部の湿度を検知する湿度検知手段と、該温度検知手段及び湿度検知手段により検知された温度及び湿度に応じて、前記定着装置を通過した記録媒体を感光体ドラムに複数回再搬送することにより前記感光体ドラム表面を加温する両面リフレッシュモードを実行するか否かを判断する制御手段と、を備えた画像形成装置である。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、前記温度検知手段及び前記湿度検知手段により検知された温度及び湿度に応じて両面リフレッシュモード実行時の記録媒体の再搬送回数を変化させることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、両面リフレッシュモード実行時の定着温度が、画像形成時の定着温度よりも高く設定されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段は、両面リフレッシュモード実行時の記録媒体の搬送速度が、画像形成時の搬送速度よりも速く設定されることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、定着装置を通過した用紙が画像形成部に複数回再搬送されて感光体ドラム表面を加温する両面リフレッシュモードの要否が、装置内部の温度と装置内部又は外部の湿度とに基づいて決定されるため、結露の発生し易い条件を検知して両面リフレッシュモードが自動的に実行される。従って、ユーザ自身が両面リフレッシュモードを設定する必要がなくなり、モード設定ミスや設定忘れを回避することができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、温度検知手段及び湿度検知手段により検知された温度及び湿度に応じて両面リフレッシュモード実行時の記録媒体の再搬送回数を変化させることにより、周囲環境に応じて結露を発生させない必要最低限の回数だけ用紙を再搬送することができ、両面リフレッシュモードの継続時間を短縮することができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の画像形成装置において、両面リフレッシュモード実行時の定着温度を高くすることにより、再搬送1回当たりの感光体ドラムに与える熱量も増加するため、感光体ドラム表面をより効率良く加温することができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2又は第3の構成の画像形成装置において、両面リフレッシュモード実行時の記録媒体の搬送速度を速くすることにより、画像形成部に再搬送されるまでに両面搬送路に奪われる熱量が減少して用紙の温度が高く維持されるため、再搬送1回当たりの感光体ドラムに与える熱量も増加して感光体ドラム表面をより効率良く加温することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の画像形成装置の内部構造を示す概略断面図である。図1に示すように、画像形成装置100の装置本体1内部には、定着装置20、給紙トレイ30、31、32、33、画像形成部40、操作部50、画像読取部60、用紙搬送路70等の種々の装置が内蔵されており、装置本体1の上部には、載置された複数の原稿を連続的に自動搬送できる原稿自動搬送装置10が搭載されている。一方、装置本体1の側面には、図1の右方に手差しトレイ81が、左方に排出トレイ82が設けられている。
定着装置20は、加熱ローラ21と加圧ローラ22の2つのローラを備えた熱ローラ方式のものを用いている。加熱ローラ21は、例えば、熱伝導性に優れた金属から成る円筒形状の芯金内に、電源に接続されたヒータ23を内蔵し、その芯金の外周に弾性層が形成される。一方、加圧ローラ22は、芯金の外周に弾性層が形成されていて、補助的に芯金内にヒータ23が内蔵されることがある。また、これらの加熱ローラ21、加圧ローラ22の表面には、例えばフッ素樹脂による被膜が設けられ、離型性が高められている。
そして、これらのローラは圧接されてニップ(定着ニップ部)を形成している。そして、後述する画像形成部40でトナー像が転写された用紙Pが定着ニップ部を通過すると、トナー及び用紙Pが加圧・加熱され、トナー像が用紙Pに定着する。定着装置20における加熱ローラ21と加圧ローラ22は駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで回転駆動される。なお、2つのローラのうち一方が他方に従動するようにしてもよい。また、熱ローラ方式の定着装置20に代えて、定着ベルトを用いるベルト式の定着装置を採用してもよい。
図1に示すように、画像形成装置100には給紙トレイ30、31、32、33の計4つの給紙用トレイが備え付けられており、それぞれの給紙トレイ30、31、32、33は、例えば、A判、B判のような異なるサイズの用紙Pを収納する。また、それぞれの給紙トレイ30、31、32、33には、ピックアップローラ34が備え付けられている。ピックアップローラ34は、駆動装置(不図示)によって、図1において反時計回りに回転駆動される。そして、このピックアップローラ34と接する最上位の用紙Pが1枚ずつ用紙搬送路70に向けて送り出されるようになっている。
次に、画像形成部40を構成するそれぞれの部分について説明する。画像形成部40は、像担持体としての感光体ドラム41、帯電器42、露光器43、現像装置44、クリーニング部45、転写ローラ46等から構成されている。感光体ドラム41は、ドラムの外周表面がアモルファスシリコン感光体や、OPC感光体からなる光導電層を有しており、駆動装置(不図示)により所定の回転速度で図1の時計回りに回転駆動される。
帯電器42は、感光体ドラム41の上部に設けられ、感光体ドラム41表面を所定電位に均一に帯電させる。また、露光器43は、感光体ドラム41及び現像装置44の上方に設けられ、帯電器42で帯電された感光体ドラム41表面を走査露光することにより、画像読取部60で読み取った原稿画像データや、画像形成装置100と接続されているコンピュータから入力される画像、文字等の画像情報に基づく静電潜像を感光体ドラム41上に形成する。
現像装置44は、感光体ドラム41の側部に設けられ、静電潜像が形成された感光体ドラム41にトナーを供給して、静電潜像をトナー像として現像する役割を果たす。また、クリーニング部45は、感光体ドラム41の正面視左側に設けられ、感光体ドラム41の表面の残留トナーを除去し回収するものであり、例えばドラムクリーニングローラや、弾性体をブレード上に形成したクリーニングブレードで構成される。図1では、ドラムクリーニングローラを用いた例を示している。
転写ローラ46は、感光体ドラム41の直下に設けられ、例えば、アルミ軸の外周に導電性の素材を巻き付けて形成されている。転写ローラ46は、感光体ドラム41とニップを形成している。用紙Pがこのニップを通過する時に、転写ローラ46にトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム41上のトナー像が用紙Pに転写される。転写ローラ46は、駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで反時計方向に回転駆動されている。
ここで、画像形成部40における画像形成動作について述べる。まず、感光体ドラム41は、帯電器42により所定の極性及び電位に帯電させられる。次に、形成すべき画像データに基づき制御されるレーザ光が露光器43から感光体ドラム41に向けて照射され、感光体ドラム41の表面上に画像データに基づく静電潜像が形成される。次に、現像装置44から感光体ドラム41側にトナーが飛翔し、ドラム上の静電潜像がトナー像に現像される。
次に、トナー像が転写ローラ46と感光体ドラム41のニップ部で用紙Pに転写される。その後、上述の定着装置20にて、用紙Pのトナー像が、加熱ローラ21及び加圧ローラ22により加圧、加熱されて定着される。定着装置20から排出された用紙Pは、搬送手段により装置外に排出される。トナー像を転写した後の感光体ドラム41は、ドラムクリーニング部45により感光体ドラム41表面の残留トナーが除去され、次の画像形成に備える。
なお、図1においては、画像形成部40は、1つしか設けられていないが、カラー対応の画像形成装置100では、画像形成部40はトナーの色数に応じて複数設けられる。カラー画像形成装置の構成としては、例えば複数の画像形成部40を並列に配置する、いわゆるタンデム方式を採用することができる。また、1つのロータリー式現像ユニット内に各色の現像装置44を収め、この現像ユニットを回転させることにより各色の現像装置44が順次感光体ドラム41に対向するようにしてトナーを感光体ドラム41に供給する、いわゆるロータリー方式を採用することもできる。
操作部50は、画像形成装置100の上方に設けられており、本実施形態では、液晶表示部51、LED52、テンキー53等から構成されている(図2参照)。ユーザは、この操作部50に入力して、印刷部数や所望する画像形成装置100の機能(両面印刷機能等)を用いるなど、画像形成装置100の操作を行う。
画像読取部60は、複写される原稿画像を読み取るものであり、装置本体1の最上部に設けられたコンタクトガラス61とその下部に設けられた光学系ユニット62から構成されている。コンタクトガラス61は、原稿自動送り装置10から送られてくる原稿を読み取る画像読み取り位置に配置されたコンタクトガラス61aと、ユーザが原稿自動送り装置10を上方に開閉して原稿を載置するコンタクトガラス61bとからなっている。そして、光学系ユニット62は、コンタクトガラス61aを通過する原稿、またはコンタクトガラス61bに載置された原稿に対し光を照射し、その反射光が、光学系ユニット62内のミラー及び結像レンズ等を介してCCD(Charge Coupled Device)に入力され、読み取った原稿画像をデータ化する。
用紙搬送路70は、給紙トレイ30、31、32、33からピックアップされた用紙Pが、画像形成部40、定着装置20を通過して、画像形成装置100の側面に形成された排出部71から排出トレイ82に排出されるように形成されている。更に、本発明の画像形成装置100における用紙搬送路70は、定着装置20を通過した用紙Pが、再び定着装置20の用紙搬送上流側に搬送され周回できるように両面搬送路72を含んでいる。具体的にいうと、定着装置20を通過した用紙Pが画像形成部40の用紙搬送上流側に再搬送される。このような用紙Pを周回させることのできる両面搬送路72は、例えば、両面印刷機能を有する画像形成装置100に見ることができる。
そして、用紙Pを排出トレイ82にそのまま排出するか、或いは両面搬送路72を用いて周回させるかの選択は、定着装置20の搬送方向下流側であって排出部71との間に設けられた切替ガイド73に制御信号が送信されることによって行われる。また、用紙搬送路70及び両面搬送路72に沿って複数の搬送ローラ対74が配置されており、搬送ローラ対74は、駆動装置(不図示)により、所定の方向に用紙Pを搬送するように回転駆動される。
また、用紙Pを周回させる両面搬送路72の途中には、両面印刷用トレイ75が設けられている。両面印刷をする際に、この両面印刷用トレイ75上で用紙Pがスイッチバックされる。具体的には、切替ガイド73により両面搬送路72に導かれた用紙Pは、両面印刷用トレイ75の一側端部に近接して設けられ、駆動装置(不図示)によって正逆自在に回転駆動可能なスイッチバック用ローラ対76によって、両面印刷用トレイ75上に押し出される。
しかし、スイッチバック用ローラ対76は、用紙Pを完全に両面印刷用トレイ75に押し出すのではなく、用紙Pの後端部を保持した状態で逆回転する。この逆回転により、用紙Pが両面印刷用トレイ75から引き出されると、用紙Pは、当初と表裏が反転された状態で画像形成部40方向に搬送される。なお、排出部71に設けられた搬送ローラ対74が正逆回転可能な複写機であれば、排出部71でスイッチバックがなされるようにしてもよい。
一方、装置本体1の外部に設けられている構成について述べると、手差しトレイ81は、用紙Pを載置できるようになっており、給紙トレイ30〜33と同様にピックアップローラ34が設けられている。そして、この手差しトレイ81に載置された用紙Pを画像形成部40の用紙搬送上流側に用紙Pを送り込むことができるようになっている。また、排出トレイ82は、用紙搬送路70の末端に設けられた排出部71から排出される画像形成済みの用紙Pを受けるためのものである。
本発明は、両面印刷に用いられる両面搬送路72を利用して、定着装置20を通過した用紙を画像形成部40に複数回再搬送することにより感光体ドラム41上の水分を蒸発させる工程(以下、両面リフレッシュモードという)の実行を、装置内部の温度と装置内部又は外部の湿度とに基づいて制御することを特徴としている。
定着装置20は、その装置内のヒータ23により加熱されているから、定着装置20を通過する用紙Pには熱が加えられ、用紙Pが暖められる。そして、暖められた用紙Pが画像形成装置100内を周回するように搬送することで、装置本体1内部が暖められていくことになる。
このように、暖められた用紙Pが装置本体1内部、特に感光体ドラム41が配置された画像形成部40を複数回周回されるようにすれば、定着装置20内のヒータ23の熱が次第に装置本体1内部を伝わって感光体ドラム41を暖める場合に比べ、遙かに早く感光体ドラム41を暖めることができる。従って、両面リフレッシュモードを実行することにより、感光体ドラム41表面に発生した結露を迅速に解消して印刷開始直後の像流れを効果的に防止可能となる。
また、装置内部の温度と装置内部又は外部の湿度とに基づいて両面リフレッシュモードの要否が決定されるため、結露の発生し易い条件を検知して両面リフレッシュモードが自動的に実行される。これにより、ユーザ自身が両面リフレッシュモードを設定する必要がなくなり、モード設定ミスや設定忘れを回避することができる。また、連続印刷によって給紙された新たな用紙により感光体ドラムの表面から熱が奪われた場合は、再び自動的に両面リフレッシュモードが実行されるため、連続印刷中における像流れの発生も効果的に抑制可能となる。
また、結露防止のために画像形成装置100の電源を継続して入れておく必要もないから、消費電力も削減できる。さらに、両面リフレッシュモード実行時の用紙の再搬送回数を、装置内部の温度と装置内部又は外部の湿度とに基づいて最適値に自動設定するようにしておけば、画像処理効率を大幅に低下させることなく両面リフレッシュモードを実行可能となる。
次に、両面リフレッシュモード時の用紙の再搬送動作について説明する。なお、用紙Pの搬送方向については図1に矢印で示す。まず、用紙の周回を行うためには、用紙搬送路70を周回させるための用紙Pが必要となるから、各給紙トレイ30、31、32、33のうちいずれかのピックアップローラ34が動作して、用紙Pを用紙搬送路70に送り込む。なお、結露を解消・防止するために画像形成装置100内を周回させた用紙Pは、しわが入ったり、波打ったり、汚れが付着したりする等、基本的に以後使用不可となる。そこで、例えば、手差しトレイ81にミスコピー紙など不要な用紙Pを載置しておき、手差しトレイ81から両面リフレッシュモード用の用紙Pが用紙搬送路70に送り込まれるようにしてもよい。
用紙搬送路70の上流部に送り込まれた用紙Pは、まず、画像形成部40を通過する。ここで、用紙Pは単に結露を解消し、または防止するためのものであるから、画像形成部40において、基本的に現像等の画像形成動作はなされない。但し、用紙Pは用紙搬送路70に沿って搬送される必要があるから、感光体ドラム41及び転写ローラ46は回転させておく必要がある。
次に、画像形成部40を通過した用紙Pは、定着装置20を通過する。なお、電源投入直後等のように、定着装置20が未だ十分暖まっていない状態で用紙Pを通過させても用紙Pは十分に暖められないので、用紙Pが定着装置20を通過するのは、定着装置20が所定温度まで加熱された後となるように制御される。
そして、定着装置20を通過して暖められた用紙Pは、切替ガイド73により両面搬送路72方向に搬送される。なお、ここでは両面印刷を行うために両面搬送路72に用紙Pを搬送しているものではないから、スイッチバック用ローラ対76では、用紙Pをスイッチバックさせてもさせなくてもいずれでもよい。しかし、スイッチバック動作を行うと、その分だけ用紙の搬送が遅れてしまうため、用紙Pが十分に暖かい状態で画像形成部40に再搬送するためにはスイッチバックを行わない方が好ましい。
その後、両面搬送路72を暖めつつ用紙Pは搬送され、画像形成部40の上流側にまで再搬送される。そのまま用紙Pは画像形成部40に向けて搬送され、画像形成部40内の感光体ドラム41を暖める。画像形成部40を通過した用紙Pは、再び定着装置20を通過して再び暖められる。そして、定着装置20を通過し、再び暖められた用紙Pが切替ガイド73により再び両面搬送路72方向に搬送される。
以下、同様にして用紙Pは所定回数だけ画像形成装置100内を周回した後、切替ガイド73により排出部71方向にガイドされ、排出部71から排出トレイ82に排出される。なお、用紙Pの周回回数のカウントは、用紙搬送路70上のいずれかの場所に設けられた用紙検知スイッチ若しくはセンサを用いて用紙Pの通過を検知し、回数をカウントすればよい。
次に、本発明の画像形成装置の制御経路について説明する。図2は、本発明の画像形成装置に用いられる制御手段の一実施形態を説明するためのブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御手段90自体は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御手段90のうち、本発明の実施に必要となる部分についてのみ説明する。
制御手段90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き自在の記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンタ95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部50からの入力信号を受信したりする複数のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。また、制御手段90は、装置本体1内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、ROM92(或いはRAM93)には、機内温度及び機外湿度と両面リフレッシュモード実行時の再搬送回数とを関連づけて記憶した環境補正テーブル(図示せず)が備えられている。
カウンタ95は、印刷枚数をカウントする他、例えば、両面リフレッシュモードを実行する際には、用紙検知スイッチやセンサからの検知信号を受信して用紙の周回回数をカウントするのに用いられる。なお、カウンタ95を別途設けなくても、例えばRAM93でその回数を記憶するようにしてもよい。
また、制御手段90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や、入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。本実施形態における制御手段90が制御する各部分、装置としては、例えば、操作部50、定着装置20、定着装置20内部のヒータ23、画像形成部40、各搬送ローラ対74、ピックアップローラ34(給紙トレイ30、31、32、33)、切替ガイド73等が挙げられる。なお、本実施形態における用紙Pの周回制御の内容は後述する。
操作部50には、液晶表示部51、各種の状態を示すLED52、テンキー53が設けられており、ユーザは操作部50を操作して指示を入力することで、画像形成装置100の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。液晶表示部51は、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。テンキー53は、印刷部数の設定や、画像形成装置100がFAX機能も有する場合に相手方のFAX番号を入力等するためのものである。
その他、操作部50には、画像形成を開始するようにユーザが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられている。
機内温度センサ97は、装置内部の温度、特に感光体ドラム41の表面若しくは周辺の温度を検知するものであり、感光体ドラム41の近傍に配置される。機外湿度センサ98は、装置外部の湿度を検知するものであり、例えば発熱部分の影響を受けにくい図1の給紙トレイ30側方の吸気ダクト(図示せず)近辺に設置されるが、装置外部の湿度を正確に検出可能な他の場所に設置することもできる。
機内温度センサ97及び機外湿度センサ98は、装置内部の温度及び装置外部の湿度を所定の時間毎に常に検出している。操作部50からCPU91に画像出力が指示されると、機内温度センサ97及び機外湿度センサ98により検出された装置内部の温度及び装置外部の湿度がI/F96を介してCPU91に送出され、装置内部の温度及び装置外部の湿度を用いて環境補正テーブルにより両面リフレッシュモードの実行の要否及び用紙の再搬送回数(周回回数)を選定してCPU91に出力する。
これにより、両面リフレッシュモードを実行するか否かを機内温度センサ97及び機外湿度センサ98の検知結果に基づいて決定することができるため、結露の発生し易い条件下においては両面リフレッシュモードを実行して像流れの発生を防止しつつ、結露の発生しない条件では不要な両面リフレッシュモードの実行を抑制することができる。なお、両面リフレッシュモードの制御はなるべく実行直前の検出温度及び湿度を用いて行うことが好ましいが、他のタイミングで検出した温湿度を用いて制御を行ってもよい。また、所定の回数温湿度の検出を行い、各検出値の平均値を用いることもできる。
また、両面リフレッシュモード実行時には周囲環境に応じて最適な用紙の再搬送回数を設定し、結露を発生させない必要最低限だけ用紙を再搬送することにより、画像形成効率を最大限に高めることができる。ここで、最適な再搬送回数は感光体ドラム41の熱容量によって変化するため、感光体ドラム41のドラム径、ドラム厚、及び材質等に応じて適宜設定すれば良い。本発明に用いられる環境補正テーブルの一例を表1に示す。
Figure 2008170567
表1において、環境補正テーブルの各行には機内温度(ドラム周辺温度)Tが0℃から45℃まで5℃間隔で割り当てられ、各列には機外湿度Hが8%から88%まで8%間隔で割り当てられている。機内温度センサ97及び機外湿度センサ98により機内温度T及び機外湿度Hが検知されると、検知された温度及び湿度に対応する行及び列の交差する位置の再搬送回数が選定される。機内温度Tが20℃を超える場合は機外湿度Hに関係なく結露が発生するおそれはない。従って、両面リフレッシュモードの実行は不要であるため再搬送回数は0回に設定されている。
また、機内温度Tが20℃以下の場合は機外湿度Hによって結露が発生する場合があるため、機内温度及び機外湿度に応じて結露の防止または解消に必要な用紙の再搬送回数が設定されている。例えば機内温度Tが15℃、機外湿度Hが50%であった場合、48<H≦56の行と10<T≦15の列とが交差する位置の再搬送回数4回が選定される。
また、両面リフレッシュモード実行時の定着装置20の温度を、通常の画像形成時の定着温度よりも高く設定しておくことにより、画像形成部40に再搬送される用紙の温度が高くなり、再搬送1回当たりの感光体ドラム41に与える熱量も増加するため、感光体ドラム41表面をより効率良く加温することができる。定着温度を高く設定した場合の環境補正テーブルの一例を表2に示す。
Figure 2008170567
表2は、両面リフレッシュモード実行時の定着温度を通常の定着温度(180℃)よりも30℃高い210℃に設定した場合に用いる環境補正テーブルである。表1と同様に、環境補正テーブルの各行には環境温度Tが0℃から45℃まで5℃間隔で割り当てられ、各列には機外湿度Hが8%から88%まで8%間隔で割り当てられており、機内温度センサ97及び機外湿度センサ98により温度及び湿度が検知されると、検知された温度及び湿度に対応する行及び列の交差する位置の再搬送回数が選定される。例えば機内温度Tが15℃、機外湿度Hが50%であった場合、48<H≦56の行と10<T≦15の列とが交差する位置の再搬送回数3回が選定される。
前述したように、定着温度を高く設定すると用紙Pに与えられる熱量が増加し、感光体ドラム41表面はより効率良く加温されるため、より少ない再搬送回数で結露の防止及び解消が可能となり、ユーザの印刷待ち時間も低減される。表2のテーブルでは、ドラム温度T及び機外湿度Hが同条件であるとき、表1と比べて再搬送回数が2割程度少なくなっている。
また、両面リフレッシュモード中の用紙の再搬送速度を速くすることで、画像形成部40に再搬送されるまでに両面搬送路72等に奪われる熱量が減少し、用紙の温度が高く維持される。これにより、再搬送1回当たりの感光体ドラム41に与える熱量が増加するため、感光体ドラム41表面をより効率良く加温することができる。再搬送速度を速くした場合の環境補正テーブルについては図示を省略するが、定着温度の上昇と組み合わせることにより、表2よりも更に大幅に再搬送回数を低減可能となる。
次に、本実施形態の画像形成装置の動作について説明する。図3は、本発明の画像形成装置の画像出力動作を示すフローチャートである。図1及び図2を参照しながら、図3のステップに従い画像出力時の両面リフレッシュモードの制御について説明する。
先ず、ユーザが操作パネル50を操作することにより、印刷が開始されると(ステップ3)、機内温度センサ97及び機外湿度センサ98により検出された機内温度及び機外湿度データがCPU91に送信される(ステップS2)。一方、CPU91から定着装置20に制御信号が送信され、ヒータ23の昇温も同時に開始する。
次いで、送信された温湿度データに基づいて両面リフレッシュモードを実行するか否かが判断される(ステップS3)。この判断は、環境補正テーブル(表1参照)により再搬送回数が0回であるか否かで決定される。両面リフレッシュモードを実行する場合は、温湿度データに対応する再搬送回数が選定され(ステップS4)、定着温度が所定温度まで上昇するのを待って(ステップS5)、手差しトレイ81からリフレッシュモード用の用紙P(ミスコピー紙等)が給送される(ステップS6)。
給送された用紙Pは定着装置20を通過して加温され(ステップS7)、両面搬送路72を経由して画像形成部40の上流側に再搬送される(ステップS8)。そして、ステップS4で選定された所定回数だけ再搬送されたか否かが判断され(ステップS9)、所定回数に到達していない場合はステップS7に戻り、定着装置20の通過及び画像形成部40の上流側への再搬送動作を繰り返す。
ステップS9において所定回数の再搬送が終了している場合は、再搬送した用紙を排出トレイ82に排出し(ステップS10)、給紙トレイ30〜33のいずれかより印刷用の用紙Pを給送する(ステップS12)。そして、画像形成部40において形成されたトナー像を用紙P上に転写し、定着装置20を通過してトナー像を用紙Pに定着させて印刷を行う(ステップS13)。その後、印刷が終了しているか否かが判断され(ステップS14)、連続印刷中の場合はステップS2に戻り、温湿度データの送信(ステップS2)及び両面リフレッシュモード実行の要否判断(ステップS3)を行う。
用紙Pの連続通紙によってドラム表面の熱が奪われ、機内温度センサ97の検知温度が低下して両面リフレッシュモードが必要であると判断された場合はステップS4に進み、再び両面リフレッシュモード(ステップS4〜S10)を実行した後、用紙Pの給送及び印刷動作を繰り返す(ステップS12〜S13)。一方、両面リフレッシュモードを実行する必要なしと判断された場合は、そのまま用紙Pの給送及び印刷動作を繰り返す(ステップS12〜S13)。そして、印刷が終了した時点で処理を終了する。
また、ステップS3で再搬送回数が0回、即ち両面リフレッシュモードを実行しない場合は、定着温度の上昇(ステップS11)を待って印刷用の用紙Pを給送する(ステップS12)。以下、同様にして温湿度データの送信から用紙Pの給送及び印刷動作までを印刷終了まで繰り返す(ステップS2〜S14)。
なお、図3では、表1の環境補正テーブルを用いて両面リフレッシュモードを制御しているが、表2の環境補正テーブルを用いて両面リフレッシュモード実行時の定着温度を上昇させて制御を行う場合、及び両面リフレッシュモード実行時の再搬送速度を速くする場合についても図3と全く同様の手順により行われる。即ち、両面リフレッシュモード実行時の定着温度を上昇させる場合は、図3のステップS5における定着温度をステップS11における印刷時の定着温度よりも高く設定すれば良い。また、再搬送速度を速くする場合は、ステップS7、S8における再搬送速度をステップS13における印刷時の搬送速度よりも速く設定すれば良い。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態においては、機内温度及び機外湿度に対応した環境補正テーブルを用いて両面リフレッシュモードを制御しているが、機外湿度センサに代えて装置内部の湿度を検知する機内湿度センサを設け、機内温度及び機内湿度に対応した環境補正テーブルを用いて両面リフレッシュモードを制御することも可能である。
また、本発明は図1に示したようなモノクロ画像形成用の画像形成装置に限られるものではなく、画像形成部を複数備えたタンデム方式やロータリー方式のカラー複写機、ファクシミリ、モノクロ及びカラープリンタ等の、両面印刷機能をもつ種々の画像形成装置にも適用できるのはもちろんである。
本発明の画像形成装置を用いて画像形成を行った場合の像流れ現象の防止効果を調査した。定着温度180℃、再搬送速度145mm/sに設定し、表1の環境補正テーブルを用いて両面リフレッシュモードを実行した場合を本発明1、定着温度を210℃に設定し、表2の環境補正テーブルを用いて両面リフレッシュモードを実行した場合を本発明2、両面リフレッシュモード時の定着温度を210℃、再搬送速度を290mm/sに設定した場合を本発明3とした。一方、両面リフレッシュモードを実行せずに連続印刷を行った場合を比較例として同様に調査した。
試験機の設定としては、感光体ドラムとしてa−Si感光体を用い、回転速度を145mm/sとした。帯電器はイオン系導電剤を用いた帯電ローラで構成し、帯電ローラ表面に付着するトナー外添剤や紙粉を除去するためのブラシクリーナを接触させた。現像装置は1成分ジャンピング現像方式を採用し、現像バイアスは直流バイアス(Vdc)に周波数2.6kHz、ピーク間電圧(Vpp)1.4kV、Duty60%の交流バイアス(Vac)を重畳したACバイアス制御とした。トナーは、酸化チタンから成る感光体ドラムの表面研磨剤や複数のシリカから成る帯電制御剤が外添された、スチレンアクリル系の粉砕トナーを用いた。また、クリーニング部はブレードクリーニング方式を用いた。
転写ローラはエチレンプロピレンゴム(EPDM)製とし、抵抗値は107〜107.5とした。定着装置は、0.7mm厚のアルミニウム製の芯金にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)コートを施した加熱ローラと、シリコンゴムローラにPFAチューブを被覆した加圧ローラとを用いた熱ローラ定着方式を採用した。定着温度は、加熱ローラの通紙領域中央に非接触サーミスタを、非通紙領域に接触式サーミスタを配置して温度制御を行った。また、本発明1〜3においては、手差しトレイ上に両面リフレッシュモード用の用紙を載置した。
評価方法としては、試験機を本発明1〜3及び比較例の条件に設定し、テスト画像を低温高湿環境(15℃、湿度50%)にて連続印刷し、像流れの発生の有無を目視により評価した。結果を表3に示す。
Figure 2008170567
試験の結果、表1のテーブルを用いて両面リフレッシュモードを実行した本発明1では、手差しトレイに載置されていた両面リフレッシュモード用の用紙が空気中の水分を吸っていたため、再搬送1回目では定着装置を通過する際に水蒸気が発生して機内湿度が5%程度上昇した。しかし、再搬送2回目では水蒸気の発生は激減し、機内湿度の上昇は抑制された。
この用紙を計4回再搬送したところ、定着装置の熱量が用紙を介して感光体ドラムに伝達されて感光体ドラムの表面温度が上昇した。これにより、感光体ドラム表面の結露が抑制され、両面リフレッシュモードに続く印刷1枚目から像流れのない良好な画像が得られた。また、連続印刷によってドラム表面の熱量が奪われ、ドラム周辺温度が低下すると、再び両面リフレッシュモードが実行されて像流れの発生を防止できた。
また、両面リフレッシュモードの実行時に定着温度を210℃に設定した本発明2では、再搬送1回当たりの感光体ドラムに与える熱量が増加したので、3回の再搬送で像流れのない良好な画像が得られ、本発明1に比べて両面リフレッシュモードの継続時間を短縮でき、連続印刷中における両面リフレシュモードの実行頻度も低減された。さらに、用紙の再搬送速度を倍速の290mm/sに設定した本発明3では、感光体ドラムに再搬送される用紙の温度を高温に保持でき、1回当たりの感光体ドラムに与える熱量がさらに増加したので、1回の再搬送で像流れのない良好な画像が得られ、両面リフレッシュモードの継続時間及び実行頻度がより一層低減された。
一方、両面リフレッシュモードを実行しなかった比較例では、定着装置を通過した用紙からの水蒸気の発生により連続印刷5〜6枚目からドラム表面に結露が発生し、像流れが発生した。
本発明は、感光体ドラムと現像装置とを含む画像形成部と、該画像形成部において形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上に形成されたトナー像を溶融定着させるために記録媒体を加熱する定着装置と、該定着装置を通過した記録媒体を画像形成部の搬送方向上流側に再搬送するための両面搬送路と、装置内部の温度を検知する温度検知手段と、装置内部または外部の湿度を検知する湿度検知手段と、該温度検知手段及び湿度検知手段により検知された温度及び湿度に応じて、定着装置を通過した記録媒体を感光体ドラムに複数回再搬送することにより感光体表面を加温する両面リフレッシュモードを実行するか否かを判断する制御手段と、を備えた画像形成装置である。
これにより、結露の発生し易い条件を検知して両面リフレッシュモードが自動的に実行されるため、ユーザ自身が両面リフレッシュモードを設定する必要がなくなり、モード設定ミスや設定忘れを回避できる画像形成装置を提供することができる。また、連続印刷によって給紙された新たな用紙により感光体ドラムの表面から熱が奪われた場合は、再び両面リフレッシュモードが実行されるため、印刷開始直後から連続印刷が終了するまで像流れの発生を効果的に抑制可能となる。
また、検知された温度及び湿度に応じて両面リフレッシュモード中の用紙の再搬送回数を変化させることとしたので、両面リフレッシュモードの継続時間を必要最低限に抑えてユーザの印刷待ち時間を短縮することができ、画像形成効率を最大限に高めた画像形成装置となる。
さらに、画像形成時に比べて両面リフレッシュモード実行時の定着温度を高く、再搬送速度を速く設定しておけば、用紙の再搬送1回当たりの感光体ドラムに与える熱量が大きくなって両面リフレッシュモードの継続時間及び実行頻度をより一層低減可能となる。
本発明の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の画像形成装置の制御経路を示すブロック図である。 本発明の画像形成装置の画像形成手順を示すフローチャートである。
符号の説明
20 定着装置
30〜33 給紙トレイ
40 画像形成部
41 感光体ドラム
42 帯電器
43 露光器
44 現像装置
45 クリーニング部
46 転写ローラ(転写手段)
50 操作部
60 画像読取部
70 用紙搬送路
72 両面搬送路
90 制御手段
91 CPU
92 ROM
93 RAM
97 機内温度センサ(温度検知手段)
98 機外湿度センサ(湿度検知手段)
100 画像形成装置

Claims (4)

  1. 感光体ドラムと現像装置とを含む画像形成部と、
    該画像形成部において形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    記録媒体上に形成されたトナー像を溶融定着させるために記録媒体を加熱する定着装置と、
    該定着装置を通過した記録媒体を前記画像形成部の搬送方向上流側に再搬送するための両面搬送路と、
    装置内部の温度を検知する温度検知手段と、
    装置内部または外部の湿度を検知する湿度検知手段と、
    該温度検知手段及び湿度検知手段により検知された温度及び湿度に応じて、前記定着装置を通過した記録媒体を感光体ドラムに複数回再搬送することにより前記感光体ドラム表面を加温する両面リフレッシュモードを実行するか否かを判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記温度検知手段及び前記湿度検知手段により検知された温度及び湿度に応じて両面リフレッシュモード実行時の記録媒体の再搬送回数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 両面リフレッシュモード実行時の定着温度が、画像形成時の定着温度よりも高く設定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 両面リフレッシュモード実行時の記録媒体の搬送速度が、画像形成時の搬送速度よりも速く設定されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
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