JP2004210112A - 自動車用スライドシートの給電設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】給電ケーブルが足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないと共に、傘等が入り込むのを防げて体裁も良好に保てるよう構成する。
【解決手段】ケーブル配索レール5をスライドレール1の片側と隣接する車体フロアFのフロア面に配設し、シャッター6をケーブル配索レール5の長手方向に向けて回込み走行可能に組み付け、給電ケーブル4をケーブル配索レール5の内部でシャッター6の内側に配置し、シート本体側の配線と接続する端部側4bをシャッター6の上面部分に挿通し、且つ、ケーブル配索レール5のスリット50より導出させてスライドレール1のアッパー側1bで保持し、ケーブル配索レール5のスリット50をシャッター6の上面部分で覆い、給電ケーブル4をシート本体Sの位置移動に伴うシャッター6の走行移動で従動可能に備え付ける。
【選択図】 図1
【解決手段】ケーブル配索レール5をスライドレール1の片側と隣接する車体フロアFのフロア面に配設し、シャッター6をケーブル配索レール5の長手方向に向けて回込み走行可能に組み付け、給電ケーブル4をケーブル配索レール5の内部でシャッター6の内側に配置し、シート本体側の配線と接続する端部側4bをシャッター6の上面部分に挿通し、且つ、ケーブル配索レール5のスリット50より導出させてスライドレール1のアッパー側1bで保持し、ケーブル配索レール5のスリット50をシャッター6の上面部分で覆い、給電ケーブル4をシート本体Sの位置移動に伴うシャッター6の走行移動で従動可能に備え付ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電装品を車内の前後方向にスライドレールで位置移動可能なシート本体に装備し、電装品と接続されるシート本体側の配線と、電源と接続される車体フロア側の配線を給電ケーブルで連結する自動車用スライドシートの給電設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用シートにおいては、電動式のスライド,リクライニング,ランバーサポート,サイドサポート,サイサポート,ハイアジャスターまたはサイドエアバッグモジュール,ヒーデット,エアコン,ポジションセンサー,体圧センサー等の電装品をシート本体に備えるものがある。この電装品の給電設備は、車装バッテリーやキャパシターを電源とし、電源より連続する車体フロア側の配線とシート本体側の配線とを給電ケーブルで連結することから回路構成されている。
【0003】
従来、自動車用スライドシートの給電ケーブルとして車体フロア側の配線とシート本体側の配線とを撓み変形可能なフラットケーブルで連結することが提案されている(特許文献1)。そのフラットケーブルは、シート本体側の配線と接続する端部寄りから車体フロア側の配線と接続する端部側に湾曲させて保形し、車体フロア側の配線と接続する端部側をスライドレールより上方に立ち上がる支持具で保持することからスライドレールの上方で平行な方向に伸ばすよう備え付けられている。
【0004】
その自動車用スライドシートでは、車体フロア側の配線と接続する給電ケーブルの端部側を上方に保持する支持具自体、また、車体フロア側から支持具で保持する給電ケーブルの端部側に至る配線がシートクッションの下部空間を有効利用するのに妨げとなる。これと共に、フラットケーブルが外部に露出するため、塵埃等の異物が付着し、或いはシートクッションの下部空間に差し込まれる傘の先端等の尖った物品が当って傷付く虞れもある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−198743号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート本体を車内の前後方向に位置移動するに伴って、足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないよう給電ケーブルを備えると共に、給電ケーブルの傷付き等が生ずるのを防げて体裁も良好に保てる自動車用スライドシートの給電設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る自動車用スライドシートの給電設備においては、所定幅のスリットをレール面の長手方向に設けた略函形のケーブル配索レールと、複数の短冊片を無端のキャタピラ状にヒンジ連結したシャッターとを備え、ケーブル配索レールをスライドレールの片側部でロア側と隣接する車体フロアのフロア面に配設し、シャッターをケーブル配索レールの長手方向に向けて前後側で上下に回込み走行可能に組み付け、
給電ケーブルを車体フロアの配線と接続する端部側からケーブル配索レールの内部に引き込んでシャッターの内側に配置し、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの端部側をシャッターの上面部分に挿通させ、且つ、ケーブル配索レールのスリットより外部に導出させてスライドレールのアッパー側で保持し、ケーブル配索レールのスリットをシャッターの上面部分で覆うと共に、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴うシャッターの走行移動でケーブル配索レールのスリットに沿って従動可能に備え付けることにより構成されている。
【0008】
本発明の請求項2に係る自動車用スライドシートの給電設備においては、ケーブル配索レールの内側からスリットの開放縁に向うガイド桟と、ケーブル配索レールの底側に張り出すガイド桟とにより、シャッターをスライド走行可能に支持することにより構成されている。
【0009】
本発明の請求項3に係る自動車用スライドシートの給電設備においては、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの嵌合せカプラをカプラホルダーでシャッターの上面部分に保持することにより構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して説明すると、図示実施の形態は電動式のスライド,リクライニング,ランバーサポート,サイドサポート,サイサポート,ハイアジャスター、或いはサイドエアバッグモジュール,ヒーデット,エアコン,ポジションセンサー,体圧センサー等を含む必要な各種の電装品を備える自動車用シートを構成する。それと共に、図1で示すようにシート本体Sを車内の前後方向に左右対のスライドレール1(片側のみ図示)で位置移動可能に搭載する電動式乃至は手動式のスライドシートを構成するのに適用されている。
【0011】
そのスライドシートにおいては、車体フロア側の配線2とシート本体側の配線3とが給電ケーブル4で連結されている。車体フロア側の配線2は、フロア面下に設けられた通路2aの内部を導通させて嵌合せカプラ2b(以下、単に「カプラ」という。)をフロア面に露出するよう組み付けられている。シート本体側の配線3は、シート本体Sに装備する電装品3aから操作スイッチ(図示せず)を介在させてカプラ3bをシート本体Sの下部側に位置するよう組み付けられている。
【0012】
各配線2,3並びに給電ケーブル4としては、シート本体Sに装備される電装品3aの数に応じた必要本数の導電線を揃えた絶縁被覆コードが備え付けられている。給電ケーブル4には、車体フロア側の配線2に備えるカプラ2b並びにシート本体側の配線3に備えるカプラ3bと嵌め合わすカプラ4a,4bが両端に備え付けられている。
【0013】
給電ケーブル4は、スライドレール1の片側でロア側1aと隣接する車体フロアFのフロア面に配設するケーブル配索レール5の内部に収容されている。そのケーブル配索レール5としては、所定幅のスリット50をレール上面の長手方向に設けた略函形のものが備え付けられている。
【0014】
ケーブル配索レール5には、シャッター6が長手方向に向けて備え付けられている。そのシャッター6は、図2で示すように相隣接する複数の短冊片6aをヒンジピン6b(一部のみ図示)で無端のキャタピラ状に軸承連結したものが備え付けられる。そのシャッター6は、ケーブル配索レール5の前後側で上下方向に回込み走行可能に組み付けられている(図1参照)。
【0015】
ケーブル配索レール5には、図3で示すようにレール上面の内側からスリット50の開放縁に向うガイド桟51a,51bと、レール底面の外側に張り出すガイド桟52a,52bとが設けられている。このガイド桟51a,51b、52a,52bにより、シャッター6を安定よくスライド走行可能に支持するよう組み付けられる。なお、ガイド桟52a,52bはケーブル配索レール5の内側でレール側面の下部寄りから張り出させて設けてもよい。
【0016】
給電ケーブル4は、車体フロア側の配線2と接続するカプラ4aをケーブル配索レール5の側面に露出位置し、条線部分を端部側よりケーブル配索レール5の内部に引き込むことからシャッター6の内側に配置されている。シート本体側の配線3と接続する端部側はシャッター6の上面部分に挿通すると共に、ケーブル配索レール5のスリット50より外部に導出するよう配置されている。この引出し端のカプラ4bは、アッパー側1bのブラケットアーム1cで保持されている(図1参照)。
【0017】
このように構成する自動車用スライドシートの給電設備では、ケーブル配索レール5のスリット50をシャッター6の上面部分で覆うと共に、給電ケーブル4をシート本体Sの位置移動に伴うシャッター6の走行移動でケーブル配索レール5のスリット50に沿って従動可能に備え付けられる。これにより、給電ケーブル4が足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないと共に、傘の先端等の尖ったが入り込むのを防げて体裁も良好に保てる。
【0018】
給電ケーブル4のカプラ4bをアッパー側1bのブラケットアーム1cで保持するに代えて、図4で示すようにカプラホルダー7を備えてシャッター6の上面部分に取付け保持できる。このカプラホルダー7は、カプラ4bを嵌込み可能な受け枠7aと、受け枠7aの前後から下方に突出する掛止め爪7bと、受け枠7aの左右に張り出す押え蓋7cとを備えて形成されている。
【0019】
そのカプラホルダー7を備える場合、カプラ4bはシャッター6の一部に連結する支持プレート6cの長穴6dから外部に突出させてカプラホルダー7の受け枠7aに嵌め込み、図5で示すように掛止め爪7bを張出し縁4cの受け穴4dに嵌め込むことから取り付けられる。また、支持プレート6cの長穴6dは押え蓋7cで覆うことによりカプラホルダー7をシャッターキャップとして組み付けられる。
【0020】
シャッター6と別体のカプラホルダー7を備えるに代えて、図6並びに図7で示すようにカプラ4cを嵌込み可能な受け枠7a’を設けた支持プレート7b’をシャッター6の一部に連結することによりカプラホルダー7’として直接組み付けられる。
【0021】
そのカプラホルダー7,7’を備えると、車体フロア側の配線2と接続する端部側から条線部分をケーブル配索レール5の内部に引き込んでシート本体側の配線3と接続する端部側をシャッター6の上面部分に挿通するよう給電ケーブル4’を簡単に組み付けられる。なお、カプラホルダー7,7’を備える場合、シート本体側の配線3に備えるカプラ3bをアッパー側1bのブラケットアーム1cで保持すればよい。
【0022】
その自動車用スライドシートの給電設備は、RV車等に装備するリアシートをセカンドシート,サードシートとして複数列備え、車内の荷物スペース等を確保するため、シートクッションをシートバックと共に縦に跳ね上げて各シート本体をロングタイプのスライドレールでフロントシートの背後または車内の後部側に夫々片寄せ移動可能なスライドリアシートに備え付けられる。
【0023】
その給電ケーブルとしては、ロングタイプのスライドレールところから、車体フロア側の配線2とシート本体側の配線3とに亘る長さを調整可能なものを備え付けるとよい。例えば、後述するような湾曲変形可能なケーブルホルダーで挿通保持する直線コード或いは撓み変形可能なフラットケーブル、長さ伸縮可能なカールコード、長さ調整可能なリール巻きコードを備え付けるようにできる。
【0024】
その給電ケーブルとしては、図8で示すように必要数束ねた直線コード4’をケーブルホルダー8で挿通保持させて備え付けられる。ケーブルホルダー8は、横断面略ロ字状を呈する複数の受け駒8aから組み立てられている。受け駒8aは、隣接相互を半円状の突出し縁8bと窪み縁8cとで重ね合わせ、窪み縁8cより立ち上がる支軸8dを突出し縁8bの受け穴8eと嵌め合せることから条線部分を湾曲変形可能なチェーン状に組み立てられる。
【0025】
そのケーブルホルダー8で挿通保持する直線コード4’を備える場合、図9で示すようにシャッター6をケーブル配索レール5の前後側で上下に回込み走行可能に組み付けるに対し、ケーブルホルダー8の条線部分をシート本体側の配線と接続する端部寄りから車体フロア側の配線と接続する端部側に向けて横回りに湾曲させて保形することにより、車体フロア側の配線2とシート本体側の配線3と連結すればよい。
【0026】
その直線コード4’は、シート本体の位置移動と共に、図10,図11で示すようにケーブルホルダー8の湾曲する条線部分が従動しながら湾曲位置を変えることから、直線コード4’が絡み合わずに回り長さをケーブルホルダー8の従動湾曲で調整できる。このため、給電ケーブルの余分な垂出しによる絡付き等が生ずるのを確実に防げ、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴って安定よく移動させられる。
【0027】
以上の如く、本発明の請求項1に係る自動車用スライドリアシートの給電設備に依れば、所定幅のスリットをレール面の長手方向に設けた略函形のケーブル配索レールをスライドレールの片側部でロア側と隣接する車体フロアのフロア面に配設し、複数の短冊片を無端のキャタピラ状に軸承連結したシャッターをケーブル配索レールの長手方向に向けて前後側で上下に回込み走行可能に組み付け、
給電ケーブルを車体フロアの配線と接続する端部側からケーブル配索レールの内部に引き込んでシャッターの内側に配置し、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの端部側をシャッターの上面部分に挿通させ、且つ、ケーブル配索レールのスリットより外部に導出させてスライドレールのアッパー側で保持し、ケーブル配索レールのスリットをシャッターの上面部分で覆うと共に、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴うシャッターの走行移動でケーブル配索レールのスリットに沿って従動可能に備え付けることにより、給電ケーブルが足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないと共に、傘の先端等の尖ったが入り込むのを防げて体裁も良好に保てる。
【0028】
本発明の請求項2に係る自動車用スライドリアシートの給電設備に依れば、ケーブル配索レールの内側からスリットの開放縁に向うガイド桟と、ケーブル配索レールの底側に張り出すガイド桟とにより、シャッターをスライド走行可能に支持することから、シャッターをケーブル配索レールで安定よく走行可能に備え付けられる。
【0029】
本発明の請求項3に係る自動車用スライドリアシートの給電設備に依れば、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの嵌合せカプラをカプラホルダーでシャッターの上面部分に保持することから、車体フロア側の配線と接続する端部側から条線部分をケーブル配索レールの内部に引き込んでシート本体側の配線と接続する端部側をシャッターの上面部分に挿通するよう給電ケーブルを簡単に組み付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備を示す説明図である。
【図2】図1の自動車用スライドシートの給電設備を構成するシャッターを部分的に示す説明図である。
【図3】図1の自動車用スライドシートの給電設備を構成するケーブル配索レールを部分的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備を構成するシャッターに備える一例のカプラホルダーを展開させて示す説明図である。
【図5】図4のシャッターに備えるカプラホルダーを断面で示す説明図である。
【図6】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備を構成するシャッターに備える別例のカプラホルダーを示す斜視図である。
【図7】図6のシャッターに備えるカプラホルダーを断面で示す説明図である。
【図8】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備に好適な実施の形態として備えられる給電ケーブルを部分的に示す説明図である。
【図9】図8の給電ケーブルを備えるケーブル配索レールを示す断面図である。
【図10】図8の給電ケーブルを伸長状態で示す説明図である。
【図11】図8の給電ケーブルを縮小状態で示す説明図である。
【符号の説明】
S シート本体
F 車体フロア
1 スライドレール
1a スライドレールのロア側
1b スライドレールのアッパー側
2 車体フロア側の配線
3 シート本体側の配線
4 給電ケーブル
4a,4b 給電ケーブルのカプラ
5 ケーブル配索レール
50 ケーブル配索レールのスリット
51a,51b、52a,52bケーブル配索レールのガイド桟
6 シャッター
7 カプラホルダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電装品を車内の前後方向にスライドレールで位置移動可能なシート本体に装備し、電装品と接続されるシート本体側の配線と、電源と接続される車体フロア側の配線を給電ケーブルで連結する自動車用スライドシートの給電設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用シートにおいては、電動式のスライド,リクライニング,ランバーサポート,サイドサポート,サイサポート,ハイアジャスターまたはサイドエアバッグモジュール,ヒーデット,エアコン,ポジションセンサー,体圧センサー等の電装品をシート本体に備えるものがある。この電装品の給電設備は、車装バッテリーやキャパシターを電源とし、電源より連続する車体フロア側の配線とシート本体側の配線とを給電ケーブルで連結することから回路構成されている。
【0003】
従来、自動車用スライドシートの給電ケーブルとして車体フロア側の配線とシート本体側の配線とを撓み変形可能なフラットケーブルで連結することが提案されている(特許文献1)。そのフラットケーブルは、シート本体側の配線と接続する端部寄りから車体フロア側の配線と接続する端部側に湾曲させて保形し、車体フロア側の配線と接続する端部側をスライドレールより上方に立ち上がる支持具で保持することからスライドレールの上方で平行な方向に伸ばすよう備え付けられている。
【0004】
その自動車用スライドシートでは、車体フロア側の配線と接続する給電ケーブルの端部側を上方に保持する支持具自体、また、車体フロア側から支持具で保持する給電ケーブルの端部側に至る配線がシートクッションの下部空間を有効利用するのに妨げとなる。これと共に、フラットケーブルが外部に露出するため、塵埃等の異物が付着し、或いはシートクッションの下部空間に差し込まれる傘の先端等の尖った物品が当って傷付く虞れもある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−198743号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート本体を車内の前後方向に位置移動するに伴って、足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないよう給電ケーブルを備えると共に、給電ケーブルの傷付き等が生ずるのを防げて体裁も良好に保てる自動車用スライドシートの給電設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る自動車用スライドシートの給電設備においては、所定幅のスリットをレール面の長手方向に設けた略函形のケーブル配索レールと、複数の短冊片を無端のキャタピラ状にヒンジ連結したシャッターとを備え、ケーブル配索レールをスライドレールの片側部でロア側と隣接する車体フロアのフロア面に配設し、シャッターをケーブル配索レールの長手方向に向けて前後側で上下に回込み走行可能に組み付け、
給電ケーブルを車体フロアの配線と接続する端部側からケーブル配索レールの内部に引き込んでシャッターの内側に配置し、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの端部側をシャッターの上面部分に挿通させ、且つ、ケーブル配索レールのスリットより外部に導出させてスライドレールのアッパー側で保持し、ケーブル配索レールのスリットをシャッターの上面部分で覆うと共に、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴うシャッターの走行移動でケーブル配索レールのスリットに沿って従動可能に備え付けることにより構成されている。
【0008】
本発明の請求項2に係る自動車用スライドシートの給電設備においては、ケーブル配索レールの内側からスリットの開放縁に向うガイド桟と、ケーブル配索レールの底側に張り出すガイド桟とにより、シャッターをスライド走行可能に支持することにより構成されている。
【0009】
本発明の請求項3に係る自動車用スライドシートの給電設備においては、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの嵌合せカプラをカプラホルダーでシャッターの上面部分に保持することにより構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して説明すると、図示実施の形態は電動式のスライド,リクライニング,ランバーサポート,サイドサポート,サイサポート,ハイアジャスター、或いはサイドエアバッグモジュール,ヒーデット,エアコン,ポジションセンサー,体圧センサー等を含む必要な各種の電装品を備える自動車用シートを構成する。それと共に、図1で示すようにシート本体Sを車内の前後方向に左右対のスライドレール1(片側のみ図示)で位置移動可能に搭載する電動式乃至は手動式のスライドシートを構成するのに適用されている。
【0011】
そのスライドシートにおいては、車体フロア側の配線2とシート本体側の配線3とが給電ケーブル4で連結されている。車体フロア側の配線2は、フロア面下に設けられた通路2aの内部を導通させて嵌合せカプラ2b(以下、単に「カプラ」という。)をフロア面に露出するよう組み付けられている。シート本体側の配線3は、シート本体Sに装備する電装品3aから操作スイッチ(図示せず)を介在させてカプラ3bをシート本体Sの下部側に位置するよう組み付けられている。
【0012】
各配線2,3並びに給電ケーブル4としては、シート本体Sに装備される電装品3aの数に応じた必要本数の導電線を揃えた絶縁被覆コードが備え付けられている。給電ケーブル4には、車体フロア側の配線2に備えるカプラ2b並びにシート本体側の配線3に備えるカプラ3bと嵌め合わすカプラ4a,4bが両端に備え付けられている。
【0013】
給電ケーブル4は、スライドレール1の片側でロア側1aと隣接する車体フロアFのフロア面に配設するケーブル配索レール5の内部に収容されている。そのケーブル配索レール5としては、所定幅のスリット50をレール上面の長手方向に設けた略函形のものが備え付けられている。
【0014】
ケーブル配索レール5には、シャッター6が長手方向に向けて備え付けられている。そのシャッター6は、図2で示すように相隣接する複数の短冊片6aをヒンジピン6b(一部のみ図示)で無端のキャタピラ状に軸承連結したものが備え付けられる。そのシャッター6は、ケーブル配索レール5の前後側で上下方向に回込み走行可能に組み付けられている(図1参照)。
【0015】
ケーブル配索レール5には、図3で示すようにレール上面の内側からスリット50の開放縁に向うガイド桟51a,51bと、レール底面の外側に張り出すガイド桟52a,52bとが設けられている。このガイド桟51a,51b、52a,52bにより、シャッター6を安定よくスライド走行可能に支持するよう組み付けられる。なお、ガイド桟52a,52bはケーブル配索レール5の内側でレール側面の下部寄りから張り出させて設けてもよい。
【0016】
給電ケーブル4は、車体フロア側の配線2と接続するカプラ4aをケーブル配索レール5の側面に露出位置し、条線部分を端部側よりケーブル配索レール5の内部に引き込むことからシャッター6の内側に配置されている。シート本体側の配線3と接続する端部側はシャッター6の上面部分に挿通すると共に、ケーブル配索レール5のスリット50より外部に導出するよう配置されている。この引出し端のカプラ4bは、アッパー側1bのブラケットアーム1cで保持されている(図1参照)。
【0017】
このように構成する自動車用スライドシートの給電設備では、ケーブル配索レール5のスリット50をシャッター6の上面部分で覆うと共に、給電ケーブル4をシート本体Sの位置移動に伴うシャッター6の走行移動でケーブル配索レール5のスリット50に沿って従動可能に備え付けられる。これにより、給電ケーブル4が足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないと共に、傘の先端等の尖ったが入り込むのを防げて体裁も良好に保てる。
【0018】
給電ケーブル4のカプラ4bをアッパー側1bのブラケットアーム1cで保持するに代えて、図4で示すようにカプラホルダー7を備えてシャッター6の上面部分に取付け保持できる。このカプラホルダー7は、カプラ4bを嵌込み可能な受け枠7aと、受け枠7aの前後から下方に突出する掛止め爪7bと、受け枠7aの左右に張り出す押え蓋7cとを備えて形成されている。
【0019】
そのカプラホルダー7を備える場合、カプラ4bはシャッター6の一部に連結する支持プレート6cの長穴6dから外部に突出させてカプラホルダー7の受け枠7aに嵌め込み、図5で示すように掛止め爪7bを張出し縁4cの受け穴4dに嵌め込むことから取り付けられる。また、支持プレート6cの長穴6dは押え蓋7cで覆うことによりカプラホルダー7をシャッターキャップとして組み付けられる。
【0020】
シャッター6と別体のカプラホルダー7を備えるに代えて、図6並びに図7で示すようにカプラ4cを嵌込み可能な受け枠7a’を設けた支持プレート7b’をシャッター6の一部に連結することによりカプラホルダー7’として直接組み付けられる。
【0021】
そのカプラホルダー7,7’を備えると、車体フロア側の配線2と接続する端部側から条線部分をケーブル配索レール5の内部に引き込んでシート本体側の配線3と接続する端部側をシャッター6の上面部分に挿通するよう給電ケーブル4’を簡単に組み付けられる。なお、カプラホルダー7,7’を備える場合、シート本体側の配線3に備えるカプラ3bをアッパー側1bのブラケットアーム1cで保持すればよい。
【0022】
その自動車用スライドシートの給電設備は、RV車等に装備するリアシートをセカンドシート,サードシートとして複数列備え、車内の荷物スペース等を確保するため、シートクッションをシートバックと共に縦に跳ね上げて各シート本体をロングタイプのスライドレールでフロントシートの背後または車内の後部側に夫々片寄せ移動可能なスライドリアシートに備え付けられる。
【0023】
その給電ケーブルとしては、ロングタイプのスライドレールところから、車体フロア側の配線2とシート本体側の配線3とに亘る長さを調整可能なものを備え付けるとよい。例えば、後述するような湾曲変形可能なケーブルホルダーで挿通保持する直線コード或いは撓み変形可能なフラットケーブル、長さ伸縮可能なカールコード、長さ調整可能なリール巻きコードを備え付けるようにできる。
【0024】
その給電ケーブルとしては、図8で示すように必要数束ねた直線コード4’をケーブルホルダー8で挿通保持させて備え付けられる。ケーブルホルダー8は、横断面略ロ字状を呈する複数の受け駒8aから組み立てられている。受け駒8aは、隣接相互を半円状の突出し縁8bと窪み縁8cとで重ね合わせ、窪み縁8cより立ち上がる支軸8dを突出し縁8bの受け穴8eと嵌め合せることから条線部分を湾曲変形可能なチェーン状に組み立てられる。
【0025】
そのケーブルホルダー8で挿通保持する直線コード4’を備える場合、図9で示すようにシャッター6をケーブル配索レール5の前後側で上下に回込み走行可能に組み付けるに対し、ケーブルホルダー8の条線部分をシート本体側の配線と接続する端部寄りから車体フロア側の配線と接続する端部側に向けて横回りに湾曲させて保形することにより、車体フロア側の配線2とシート本体側の配線3と連結すればよい。
【0026】
その直線コード4’は、シート本体の位置移動と共に、図10,図11で示すようにケーブルホルダー8の湾曲する条線部分が従動しながら湾曲位置を変えることから、直線コード4’が絡み合わずに回り長さをケーブルホルダー8の従動湾曲で調整できる。このため、給電ケーブルの余分な垂出しによる絡付き等が生ずるのを確実に防げ、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴って安定よく移動させられる。
【0027】
以上の如く、本発明の請求項1に係る自動車用スライドリアシートの給電設備に依れば、所定幅のスリットをレール面の長手方向に設けた略函形のケーブル配索レールをスライドレールの片側部でロア側と隣接する車体フロアのフロア面に配設し、複数の短冊片を無端のキャタピラ状に軸承連結したシャッターをケーブル配索レールの長手方向に向けて前後側で上下に回込み走行可能に組み付け、
給電ケーブルを車体フロアの配線と接続する端部側からケーブル配索レールの内部に引き込んでシャッターの内側に配置し、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの端部側をシャッターの上面部分に挿通させ、且つ、ケーブル配索レールのスリットより外部に導出させてスライドレールのアッパー側で保持し、ケーブル配索レールのスリットをシャッターの上面部分で覆うと共に、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴うシャッターの走行移動でケーブル配索レールのスリットに沿って従動可能に備え付けることにより、給電ケーブルが足回りの邪魔とならず、また、シートクッションの下部空間を有効利用するにも妨げとならないと共に、傘の先端等の尖ったが入り込むのを防げて体裁も良好に保てる。
【0028】
本発明の請求項2に係る自動車用スライドリアシートの給電設備に依れば、ケーブル配索レールの内側からスリットの開放縁に向うガイド桟と、ケーブル配索レールの底側に張り出すガイド桟とにより、シャッターをスライド走行可能に支持することから、シャッターをケーブル配索レールで安定よく走行可能に備え付けられる。
【0029】
本発明の請求項3に係る自動車用スライドリアシートの給電設備に依れば、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの嵌合せカプラをカプラホルダーでシャッターの上面部分に保持することから、車体フロア側の配線と接続する端部側から条線部分をケーブル配索レールの内部に引き込んでシート本体側の配線と接続する端部側をシャッターの上面部分に挿通するよう給電ケーブルを簡単に組み付けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備を示す説明図である。
【図2】図1の自動車用スライドシートの給電設備を構成するシャッターを部分的に示す説明図である。
【図3】図1の自動車用スライドシートの給電設備を構成するケーブル配索レールを部分的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備を構成するシャッターに備える一例のカプラホルダーを展開させて示す説明図である。
【図5】図4のシャッターに備えるカプラホルダーを断面で示す説明図である。
【図6】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備を構成するシャッターに備える別例のカプラホルダーを示す斜視図である。
【図7】図6のシャッターに備えるカプラホルダーを断面で示す説明図である。
【図8】本発明に係る自動車用スライドシートの給電設備に好適な実施の形態として備えられる給電ケーブルを部分的に示す説明図である。
【図9】図8の給電ケーブルを備えるケーブル配索レールを示す断面図である。
【図10】図8の給電ケーブルを伸長状態で示す説明図である。
【図11】図8の給電ケーブルを縮小状態で示す説明図である。
【符号の説明】
S シート本体
F 車体フロア
1 スライドレール
1a スライドレールのロア側
1b スライドレールのアッパー側
2 車体フロア側の配線
3 シート本体側の配線
4 給電ケーブル
4a,4b 給電ケーブルのカプラ
5 ケーブル配索レール
50 ケーブル配索レールのスリット
51a,51b、52a,52bケーブル配索レールのガイド桟
6 シャッター
7 カプラホルダー
Claims (3)
- 各種の電装品を車内の前後方向にスライドレールで位置移動可能なシート本体に装備し、電源と接続される車体フロア側の配線と、電装品と接続されるシート本体側の配線を給電ケーブルで連結する自動車用スライドシートの給電設備であって、
所定幅のスリットをレール面の長手方向に設けた略函形のケーブル配索レールと、複数の短冊片を無端のキャタピラ状にヒンジ連結したシャッターとを備え、ケーブル配索レールをスライドレールの片側部でロア側と隣接する車体フロアのフロア面に配設し、シャッターをケーブル配索レールの長手方向に向けて前後側で上下に回込み走行可能に組み付け、
給電ケーブルを車体フロアの配線と接続する端部側からケーブル配索レールの内部でシャッターの内側に配置し、シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの端部側をシャッターの上面部分に挿通させ、且つ、ケーブル配索レールのスリットより外部に導出させてスライドレールのアッパー側で保持し、ケーブル配索レールのスリットをシャッターの上面部分で覆うと共に、給電ケーブルをシート本体の位置移動に伴うシャッターの走行移動でケーブル配索レールのスリットに沿って従動可能に備え付けたことを特徴とする自動車用スライドシートの給電設備。 - ケーブル配索レールの内側からスリットの開放縁に向うガイド桟と、ケーブル配索レールの底側に張り出すガイド桟とにより、シャッターをスライド走行可能に支持したことを特徴とする請求項1に記載の自動車用スライドシートの給電設備。
- シート本体側の配線と接続する給電ケーブルの嵌合せカプラをカプラホルダーでシャッターの上面部分に保持したことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用スライドシートの給電設備。
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-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381723A patent/JP2004210112A/ja active Pending
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