JP2004208225A - 2バンド共用パッチアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】2種類の周波数帯域の信号波を送受信可能で小型薄型化が容易であり、かつ、パッチ電極の前方だけでなく後方でも良好な感度が得られる2バンド共用パッチアンテナを提供すること。
【解決手段】パッチアンテナ10は、導体の存しない窓部13を有するパッチ電極12と、このパッチ電極12が片面に設けられた誘電体基板11と、この誘電体基板11を介してパッチ電極12と対向する位置に設けられた接地導体14とを備え、接地導体14の平面形状はパッチ電極12と略同形にしてある。そして、パッチ電極12の全体を共振させるための第1の高周波信号(例えば2.45GHz帯域)と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で窓部13を共振させるための第2の高周波信号(例えば5.2GHz帯域)とが、パッチ電極12に選択的に給電されるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】パッチアンテナ10は、導体の存しない窓部13を有するパッチ電極12と、このパッチ電極12が片面に設けられた誘電体基板11と、この誘電体基板11を介してパッチ電極12と対向する位置に設けられた接地導体14とを備え、接地導体14の平面形状はパッチ電極12と略同形にしてある。そして、パッチ電極12の全体を共振させるための第1の高周波信号(例えば2.45GHz帯域)と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で窓部13を共振させるための第2の高周波信号(例えば5.2GHz帯域)とが、パッチ電極12に選択的に給電されるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類の周波数帯域(バンド)の信号波の送信や受信が可能で、無線LANカード等に実装して好適な2バンド共用パッチアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有線ケ−ブルを使わずに、所定周波数帯域(例えば2.4GHz帯域)の信号波の送受信で情報交換が行える無線LANが普及しつつある。パソコン等の電子機器を無線LANに対応させる際には、送受信機能を備えた無線LANカードを装填することが多く、かかる無線LANカードには、無線LANで使用される直線偏波の信号波を送受信するためのアンテナや、送信回路、受信回路等が実装されている。
【0003】
この種の無線LANカードに実装されるアンテナにはかなりの小型化が要求されるため、従来より、図8に示すようなパッチアンテナが広く採用されている。同図に示すパッチアンテナ1は、誘電体基板2の片面に銅箔等からなるパッチ電極3を設け、このパッチ電極3を誘電体基板2を介して接地導体4と対向させると共に、マイクロストリップライン5等によってパッチ電極3に所定の高周波信号を給電するという構成になっている。ここで、接地導体4は例えば誘電体基板2の裏面のほぼ全面に設けられており、マイクロストリップライン5は図示せぬアンテナ回路に接続されている。
【0004】
このように概略構成されたパッチアンテナ1においては、パッチ電極3を励振して前記高周波信号に対応した電界を生じさせることにより、パッチ電極3からその電極面に対して垂直な前方へ信号波を放射させることができる。なお、図8では外形が矩形のパッチ電極3にマイクロストリップライン5が接続されているが、パッチ電極3の外形は円形等であってもよく、また、給電ピンやスルーホールによってパッチ電極3に給電してもよい。
【0005】
ところで、現在は無線LANシステムに2.4GHz帯域の信号波が広く使用されているが、将来的には、より高周波な別の帯域(例えば5.2GHz帯域)の信号波を使用する送受信システムも普及するものと考えられている。そうなると、高低2種類の周波数帯域の信号波が送受信可能な小型アンテナの必要性が高まる。
【0006】
このように2バンドで共用できる比較的小型のアンテナとしては、従来、上面にパッチ電極が設けられた第1の誘電体基板と、上面に別のパッチ電極が設けられ裏面全面に接地導体が設けられた第2の誘電体基板と、裏面に複数のマイクロストリップラインが設けられた第3の誘電体基板とを重ね合わせて構成される2パッチ積層型のアンテナが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、上から順に第1、第2、第3の誘電体基板が積層されており、上下の各パッチ電極に対する給電は、それぞれ、接地導体の複数箇所に形成されたスリットを介して異なるマイクロストリップラインから行われるようになっている。そして、各パッチ電極の形状や大きさが異なるため、第1の誘電体基板上のパッチ電極に所定の高周波信号を給電して共振させることにより第1の共振周波数の信号波を放射させることができ、また、第2の誘電体基板上のパッチ電極に別の高周波信号を給電して共振させることにより第2の共振周波数の信号波を放射させることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−249933号公報(第4〜6頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の2パッチ積層型アンテナは、2種類のパッチ電極を上下に分けて配設する構成なので、誘電体基板を含めた全体の厚さ寸法が大きくなってしまい、無線LANカード等に実装するうえで必要な薄型化が困難であるという問題があった。そこで、薄型化を図るために2種類のパッチ電極を同一の誘電体基板上に並設するという構成も考えられるが、この方式では全体の面積が不所望に増大してしまうため、無線LANカード等に実装するうえで必要な小型化が実現できないという別の問題があった。
【0009】
また、従来のパッチアンテナの指向特性はパッチ電極の前方(反誘電体基板側の空間)に略球形の主たる放射パターン(メインローブ)が形成されるというものなので、パッチ電極の前方でしか送受信が行えず、それゆえ送受信する対象物の位置が特定できない環境下で使用すると感度が著しく低下する恐れがあった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、2種類の周波数帯域の信号波を送受信可能で小型薄型化が容易であり、かつ、パッチ電極の前方だけでなく後方でも良好な感度が得られる2バンド共用パッチアンテナを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、導体の存しない窓部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して該パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記窓部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0012】
このように構成されたアンテナは、パッチ電極に給電すると該パッチ電極内の窓部を横切る電界が生じるので、該窓部の形状や大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該窓部を共振させることができる。これにより、パッチ電極の数は一つだけであるが、第1の高周波信号を給電してパッチ電極全体を共振させれば第1の共振周波数の信号波が放射され、第2の高周波信号を給電して窓部を共振させれば第2の共振周波数の信号波が放射されることになって、高低2種類の周波数帯域の信号波が送受信可能となり、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られる。しかも、このアンテナは、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状を略同形にしてあるため、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、それゆえパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができ、送受信する対象物の位置が特定できない環境下でも使用可能となる。
【0013】
かかる構成において、パッチ電極の一辺端を複数のスルーホールを介して接地導体に短絡しておけば、ワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様にアンテナの全長を短くすることができるので、格段の小型化が図れる。
【0014】
また、上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、略U字形に切り欠かれたノッチ部を有し、該ノッチ部に沿って帯状に延びるパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極のうち前記ノッチ部を挟んで対向する一方の部位の端部を前記接地導体に短絡すると共に、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記ノッチ部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0015】
このように構成されたアンテナでは、パッチ電極に給電するとノッチ部を横切る電界が生じるので、該ノッチ部の大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該ノッチ部を共振させることができ、2バンド共用のパッチアンテナが得られる。また、かかる形状のパッチ電極はワイヤ系における逆Lアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさを格段に小さくすることができる。そして、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状が略同形で、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作するため、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0016】
また、上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、一対の切欠きに挟まれた延出部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極に対して、前記延出部の先端から他端に至る帯状領域を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記帯状領域を含まない領域を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0017】
このように構成されたアンテナでは、パッチ電極のうち前記帯状領域に隣接する部分が切欠きによって幅狭になっており、該幅狭部分においてインピーダンスの大きな相違により高周波信号を反射させることができるので、延出部を含めたパッチ電極の大きさや形状を適宜選択することにより、パッチ電極の該帯状領域とそれ以外の領域をそれぞれ異なる共振長で共振させることができ、2バンド共用のパッチアンテナが得られる。また、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状が略同形で、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作するため、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0018】
また、上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、一辺端に切欠き部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極の前記一辺端を前記接地導体に短絡すると共に、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記切欠き部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0019】
このように構成されたアンテナでは、パッチ電極に給電すると、前記一辺端と前記切欠き部の底辺との間に該切欠き部を縦断する電界が生じるので、該切欠き部の大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該切欠き部を共振させることができ、2バンド共用のパッチアンテナが得られる。また、かかる形状のパッチ電極はワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさを格段に小さくすることができる。そして、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状が略同形で、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作するため、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図、図2は該パッチアンテナの断面図、図3は該パッチアンテナが接続されているアンテナ回路の構成図、図4は該パッチアンテナのSパラメータ(散乱パラメータ)を示す共振特性図である。
【0021】
図1,2に示すパッチアンテナ10は、パッチ電極12内に導体の存しない領域である窓部13を形成して、パッチ電極12の全体が共振する周波数よりも高い周波数で該窓部13を共振させると共に、平面形状がパッチ電極12と略同形の接地導体14を設けて、放射パターンが前方と後方で略同等になるようにしたアンテナである。銅箔等からなるパッチ電極12は誘電体基板11の片面に設けられており、このパッチ電極12は外形が一辺の長さLの正方形状であるが、パッチ電極12内には一辺の長さdの正方形状の窓部13が設けられている。接地導体14は誘電体基板11の他面(裏面)に設けられており、この接地導体14はパッチ電極12と同様に外形が一辺の長さLの正方形状である。この接地導体14内には反対側の窓部13と対向する位置に窓部15が設けられており、これ両の窓部13,15は同形状に形成されている。また、パッチ電極12の所定位置には、インピーダンスを整合させた状態で給電ピン18がはんだ付けされている。この給電ピン18は、図3に示す2.45GHz用のアンテナ回路16と5.2GHz用のアンテナ回路17とに接続されている。つまり、このパッチアンテナ10は、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し、2.45GHz帯域の第1の高周波信号と5.2GHz帯域の第2の高周波信号とが選択的に給電できるようになっている。
【0022】
なお、アンテナ回路16には、2.45GHz帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ16aと、送信モードと受信モードを切り換える回路16bと、2.45GHz帯域の信号を送信する回路16cと、2.45GHz帯域の信号を受信する回路16dとが具備されている。同様に、アンテナ回路17には、5.2GHz帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ17aと、送信モードと受信モードを切り換える回路17bと、5.2GHz帯域の信号を送信する回路17cと、5.2GHz帯域の信号を受信する回路17dとが具備されている。
【0023】
かかる構成のパッチアンテナ10は、パッチ電極12に給電する高周波信号の周波数に応じて、給電点のSパラメータ(いわゆるS11)が図5に示すように変化し、2.45GHzと5.2GHzという異なる周波数帯域で共振するデュアルバンド対応のアンテナとなっている。具体的には、パッチ電極12にアンテナ回路16から2.45GHz帯域の信号を給電すれば、パッチ電極12の全体を共振させることができ、そのときの共振長をλ1とすると、パッチ電極12の外縁の一辺の長さLは約(λ1/2)となる。ここで、共振長λ1は2.45GHzの信号波の波長λlow(≒120mm)に誘電体基板11による波長短縮率を乗じた値であり、誘電体の比誘電率をεとすると、λ1=λlow/√εとなる。本実施形態例においては、誘電体としてε≒9の材料を使用しているためλ1≒40mmとなり、パッチ電極12の外縁の一辺の長さLが約20mmに設定してある。
【0024】
また、パッチ電極12にアンテナ回路17から5.2GHz帯域の信号を給電すれば、窓部13を横切る電界が生じて、パッチ電極12の全体ではなく窓部13をループアンテナのように共振させることができ、そのときの共振長をλ2とすると、窓部13の一辺の長さdは約(λ2/2)となる。ここで、共振長λ2は5.2GHzの信号波の波長λhigh(≒60mm)に誘電体基板11による波長短縮率を乗じた値で、λ2=λhigh/√εとなるため、本実施形態例においてはλ2≒20mmとなり、窓部13の一辺の長さdが約10mmに設定してある。
【0025】
このように本実施形態例に係るパッチアンテナ10にはパッチ電極12が一つだけしかなく、複数のパッチ電極を積層したり並設したりする構成にはなっていないが、パッチ電極12内に設けた窓部13を活用することにより、2.45GHzと5.2GHzという高低2種類の周波数帯域の信号波を送受信することができ、無線LANカード等にも容易に実装可能な小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナとなっている。
【0026】
しかも、このパッチアンテナ10は、相対向するパッチ電極12と接地導体14の平面形状が窓部13,15も含めて略同形にしてあるため、接地導体14がパッチ電極12と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作する。つまり、パッチ電極12にアンテナ回路16から2.45GHz帯域の信号を給電すると、パッチ電極12と接地導体14からそれぞれの前方へ略同形のメインローブが放射されて、図2中に実線で示すように、パッチアンテナ10から見て対称な双指向性の放射パターンP1が得られる。また、パッチ電極12にアンテナ回路17から5.2GHz帯域の信号を給電したときには、パッチ電極12の窓部13と接地導体14の窓部15が同じようなループアンテナとして動作するため、図2中に鎖線で示すように、パッチアンテナ10の前方の指向性と後方の指向性が似ている放射パターンP2が得られる。これらの放射パターンP1,P2からわかるように、このパッチアンテナ10は、共振周波数が2.45GHzのときにも5.2GHzのときにも、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。したがって、送受信する対象物の位置が特定できない環境下においてもパッチアンテナ10は感度不良を起こしにくく、使い勝手のよい2バンド共用パッチアンテナとなっている。
【0027】
なお、パッチ電極12および接地導体14の外形や窓部13,15の形状は正方形に限定されるものではなく、例えば外形が円形のパッチ電極内に矩形や円形の窓部を設けてもよい。また、パッチ電極12に対する給電を、給電ピン18ではなくマイクロストリップラインやスルーホールによって行ってもよい。
【0028】
図5は本発明の他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
【0029】
図5に示すパッチアンテナ20では、誘電体基板11の片面に設けられたパッチ電極12の一辺端と、誘電体基板11の他面に設けられた図示せぬ接地導体とが、複数のスルーホール19を介して短絡してある。このようにパッチ電極12の一辺端が接地導体に短絡してあるパッチアンテナ20は、ワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさ前記実施形態例に比べてかなり小さくできるという利点がある。つまり、図5に示すパッチアンテナ20を図1に示すパッチアンテナ10と比べた場合、パッチ電極12の外縁の一辺の長さL1は約L/2に短縮でき、窓部13の一辺の長さd1は約d/2に短縮できる。また、このパッチアンテナ20においても前記実施形態例と同様に、接地導体の平面形状は窓部13を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0030】
図6は本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図5に対応する部分には同一符号を付してある。
【0031】
図6に示すパッチアンテナ30では、パッチ電極12の一辺端に略U字形に切り欠かれたノッチ部21が設けてあり、このノッチ部21に沿ってパッチ電極12が帯状に延びている。また、パッチ電極12のうちノッチ部21を挟んで対向する一方の部位の端部が、複数のスルーホール19を介して誘電体基板11の裏面に設けられた図示せぬ接地導体に短絡してある。そのため、パッチ電極12に給電するとノッチ部21を横切る電界が生じて、このノッチ部21をノッチアンテナのように共振させることができる。すなわち、このパッチアンテナ30は、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し、2.45GHz帯域の第1の高周波信号を給電するとパッチ電極12の全体が共振し、5.2GHz帯域の第2の高周波信号を給電するとノッチ部21が共振するようになっており、2バンド共用のパッチアンテナとして利用できる。また、このパッチアンテナ30の場合、ワイヤ系における逆Lアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさ格段に小さくすることができる。なお、このパッチアンテナ30においても、接地導体の平面形状はノッチ部21を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0032】
図7は本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
【0033】
図7に示すパッチアンテナ40は、パッチ電極12に一対の切欠き22に挟まれた延出部23を設け、この延出部23の先端から他端に至る帯状領域12aと、パッチ電極12の両側部を構成する短寸の帯状領域12bとを、それぞれ異なる共振長で共振させるようにしたアンテナである。すなわち、パッチ電極12の帯状領域12a,12b間は切欠き22によって幅狭になっており、該幅狭部分においてインピーダンスの大きな相違により高周波信号を反射させることができるので、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し2.45GHz帯域の第1の高周波信号を給電すると長寸の帯状領域12aが共振し、5.2GHz帯域の第2の高周波信号を給電すると短寸の帯状領域12bが共振する。それゆえ、このパッチアンテナ40も小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナとなっている。また、このパッチアンテナ40においても、誘電体基板11の裏面に設けられている図示せぬ接地導体の平面形状が延出部23を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0034】
なお、図7において、パッチ電極12のうち延出部23の存する側と逆側の一辺端を接地導体に短絡する構成にした場合、ワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさを格段に小さくすることができる。
【0035】
図8は本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図5に対応する部分には同一符号を付してある。
【0036】
図8に示すパッチアンテナ50は、図4に示すパッチアンテナ20と同様に、パッチ電極12の一辺端が複数のスルーホール19を介して誘電体基板の裏面に設けられた図示せぬ接地導体に短絡してあるため、小型化を促進するうえで有利であるが、前記窓部13は設けずに、該一辺端に切欠き部24を設けた点が異なっている。つまり、このパッチアンテナ50の場合、パッチ電極12に給電すると、該一辺端と切欠き部24の底辺との間に該切欠き部24を縦断する電界が生じるので、パッチ電極12の全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該切欠き部24を共振させることができる。
【0037】
具体的には、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し2.45GHz帯域の第1の高周波信号を給電するとパッチ電極12の全体が共振し、5.2GHz帯域の第2の高周波信号を給電すると切欠き部24が共振するため、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナとなっている。また、このパッチアンテナ50においても、図示せぬ接地導体の平面形状が切欠き部24を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0038】
なお、図5〜図8に示す各パッチアンテナ20,30,40,50においても、パッチ電極12に対する給電を、給電ピン18ではなくマイクロストリップラインやスルーホールによって行ってもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】
パッチ電極内に設ける窓部の形状や大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該窓部を共振させることができるので、複数のパッチ電極を配設しなくても高低2種類の周波数帯域の信号波が送受信可能となり、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られる。また、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状を略同形にしてあるため、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができ、それゆえ送受信する対象物の位置が特定できない環境下でも使用できて使い勝手が向上する。
【0041】
なお、該窓部を有するパッチ電極の一辺端を複数のスルーホールを介して接地導体に短絡する構成にした場合には、アンテナの全長を短くすることができるので、格段の小型化が図れる。
【0042】
また、パッチ電極が略U字形に切り欠かれたノッチ部を有し、該パッチ電極のうちノッチ部を挟んで対向する一方の部位の端部を、平面形状が該パッチ電極と略同形の接地導体に短絡する構成のパッチアンテナにおいては、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該ノッチ部を共振させることができるので、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られ、かつパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0043】
また、パッチ電極が一対の切欠きに挟まれた延出部を有し、該延出部の先端から他端に至る帯状領域と、該帯状領域を含まない領域を、それぞれ異なる共振長で共振させるようにし、かつ接地導体の平面形状をパッチ電極と略同形にしたパッチアンテナにおいては、該帯状領域を含まない領域を相対的に短い共振長で共振させることができるので、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られ、かつパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0044】
また、パッチ電極の一辺端を接地導体に短絡して、該一辺端に切欠き部を設けると共に、接地導体の平面形状をパッチ電極と略同形にしたパッチアンテナにおいては、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該切欠き部を共振させることができるので、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られ、かつパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図2】図1に示すパッチアンテナの断面図である。
【図3】図1に示すパッチアンテナが接続されているアンテナ回路の構成図である。
【図4】図1に示すパッチアンテナのSパラメータを示す共振特性図である。
【図5】本発明の他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図9】従来の一般的なパッチアンテナの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 パッチアンテナ
11 誘電体基板
12 パッチ電極
12a,12b 帯状領域
13,15 窓部
14 接地導体
16,17 アンテナ回路
18 給電ピン
19 スルーホール
21 ノッチ部
22 切欠き
23 延出部
24 切欠き部
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類の周波数帯域(バンド)の信号波の送信や受信が可能で、無線LANカード等に実装して好適な2バンド共用パッチアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有線ケ−ブルを使わずに、所定周波数帯域(例えば2.4GHz帯域)の信号波の送受信で情報交換が行える無線LANが普及しつつある。パソコン等の電子機器を無線LANに対応させる際には、送受信機能を備えた無線LANカードを装填することが多く、かかる無線LANカードには、無線LANで使用される直線偏波の信号波を送受信するためのアンテナや、送信回路、受信回路等が実装されている。
【0003】
この種の無線LANカードに実装されるアンテナにはかなりの小型化が要求されるため、従来より、図8に示すようなパッチアンテナが広く採用されている。同図に示すパッチアンテナ1は、誘電体基板2の片面に銅箔等からなるパッチ電極3を設け、このパッチ電極3を誘電体基板2を介して接地導体4と対向させると共に、マイクロストリップライン5等によってパッチ電極3に所定の高周波信号を給電するという構成になっている。ここで、接地導体4は例えば誘電体基板2の裏面のほぼ全面に設けられており、マイクロストリップライン5は図示せぬアンテナ回路に接続されている。
【0004】
このように概略構成されたパッチアンテナ1においては、パッチ電極3を励振して前記高周波信号に対応した電界を生じさせることにより、パッチ電極3からその電極面に対して垂直な前方へ信号波を放射させることができる。なお、図8では外形が矩形のパッチ電極3にマイクロストリップライン5が接続されているが、パッチ電極3の外形は円形等であってもよく、また、給電ピンやスルーホールによってパッチ電極3に給電してもよい。
【0005】
ところで、現在は無線LANシステムに2.4GHz帯域の信号波が広く使用されているが、将来的には、より高周波な別の帯域(例えば5.2GHz帯域)の信号波を使用する送受信システムも普及するものと考えられている。そうなると、高低2種類の周波数帯域の信号波が送受信可能な小型アンテナの必要性が高まる。
【0006】
このように2バンドで共用できる比較的小型のアンテナとしては、従来、上面にパッチ電極が設けられた第1の誘電体基板と、上面に別のパッチ電極が設けられ裏面全面に接地導体が設けられた第2の誘電体基板と、裏面に複数のマイクロストリップラインが設けられた第3の誘電体基板とを重ね合わせて構成される2パッチ積層型のアンテナが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このものは、上から順に第1、第2、第3の誘電体基板が積層されており、上下の各パッチ電極に対する給電は、それぞれ、接地導体の複数箇所に形成されたスリットを介して異なるマイクロストリップラインから行われるようになっている。そして、各パッチ電極の形状や大きさが異なるため、第1の誘電体基板上のパッチ電極に所定の高周波信号を給電して共振させることにより第1の共振周波数の信号波を放射させることができ、また、第2の誘電体基板上のパッチ電極に別の高周波信号を給電して共振させることにより第2の共振周波数の信号波を放射させることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−249933号公報(第4〜6頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の2パッチ積層型アンテナは、2種類のパッチ電極を上下に分けて配設する構成なので、誘電体基板を含めた全体の厚さ寸法が大きくなってしまい、無線LANカード等に実装するうえで必要な薄型化が困難であるという問題があった。そこで、薄型化を図るために2種類のパッチ電極を同一の誘電体基板上に並設するという構成も考えられるが、この方式では全体の面積が不所望に増大してしまうため、無線LANカード等に実装するうえで必要な小型化が実現できないという別の問題があった。
【0009】
また、従来のパッチアンテナの指向特性はパッチ電極の前方(反誘電体基板側の空間)に略球形の主たる放射パターン(メインローブ)が形成されるというものなので、パッチ電極の前方でしか送受信が行えず、それゆえ送受信する対象物の位置が特定できない環境下で使用すると感度が著しく低下する恐れがあった。
【0010】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、2種類の周波数帯域の信号波を送受信可能で小型薄型化が容易であり、かつ、パッチ電極の前方だけでなく後方でも良好な感度が得られる2バンド共用パッチアンテナを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、導体の存しない窓部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して該パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記窓部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0012】
このように構成されたアンテナは、パッチ電極に給電すると該パッチ電極内の窓部を横切る電界が生じるので、該窓部の形状や大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該窓部を共振させることができる。これにより、パッチ電極の数は一つだけであるが、第1の高周波信号を給電してパッチ電極全体を共振させれば第1の共振周波数の信号波が放射され、第2の高周波信号を給電して窓部を共振させれば第2の共振周波数の信号波が放射されることになって、高低2種類の周波数帯域の信号波が送受信可能となり、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られる。しかも、このアンテナは、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状を略同形にしてあるため、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、それゆえパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができ、送受信する対象物の位置が特定できない環境下でも使用可能となる。
【0013】
かかる構成において、パッチ電極の一辺端を複数のスルーホールを介して接地導体に短絡しておけば、ワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様にアンテナの全長を短くすることができるので、格段の小型化が図れる。
【0014】
また、上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、略U字形に切り欠かれたノッチ部を有し、該ノッチ部に沿って帯状に延びるパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極のうち前記ノッチ部を挟んで対向する一方の部位の端部を前記接地導体に短絡すると共に、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記ノッチ部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0015】
このように構成されたアンテナでは、パッチ電極に給電するとノッチ部を横切る電界が生じるので、該ノッチ部の大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該ノッチ部を共振させることができ、2バンド共用のパッチアンテナが得られる。また、かかる形状のパッチ電極はワイヤ系における逆Lアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさを格段に小さくすることができる。そして、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状が略同形で、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作するため、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0016】
また、上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、一対の切欠きに挟まれた延出部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極に対して、前記延出部の先端から他端に至る帯状領域を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記帯状領域を含まない領域を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0017】
このように構成されたアンテナでは、パッチ電極のうち前記帯状領域に隣接する部分が切欠きによって幅狭になっており、該幅狭部分においてインピーダンスの大きな相違により高周波信号を反射させることができるので、延出部を含めたパッチ電極の大きさや形状を適宜選択することにより、パッチ電極の該帯状領域とそれ以外の領域をそれぞれ異なる共振長で共振させることができ、2バンド共用のパッチアンテナが得られる。また、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状が略同形で、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作するため、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0018】
また、上述した目的を達成するために、本発明の2バンド共用パッチアンテナでは、一辺端に切欠き部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、前記パッチ電極の前記一辺端を前記接地導体に短絡すると共に、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記切欠き部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成した。
【0019】
このように構成されたアンテナでは、パッチ電極に給電すると、前記一辺端と前記切欠き部の底辺との間に該切欠き部を縦断する電界が生じるので、該切欠き部の大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該切欠き部を共振させることができ、2バンド共用のパッチアンテナが得られる。また、かかる形状のパッチ電極はワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさを格段に小さくすることができる。そして、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状が略同形で、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作するため、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図、図2は該パッチアンテナの断面図、図3は該パッチアンテナが接続されているアンテナ回路の構成図、図4は該パッチアンテナのSパラメータ(散乱パラメータ)を示す共振特性図である。
【0021】
図1,2に示すパッチアンテナ10は、パッチ電極12内に導体の存しない領域である窓部13を形成して、パッチ電極12の全体が共振する周波数よりも高い周波数で該窓部13を共振させると共に、平面形状がパッチ電極12と略同形の接地導体14を設けて、放射パターンが前方と後方で略同等になるようにしたアンテナである。銅箔等からなるパッチ電極12は誘電体基板11の片面に設けられており、このパッチ電極12は外形が一辺の長さLの正方形状であるが、パッチ電極12内には一辺の長さdの正方形状の窓部13が設けられている。接地導体14は誘電体基板11の他面(裏面)に設けられており、この接地導体14はパッチ電極12と同様に外形が一辺の長さLの正方形状である。この接地導体14内には反対側の窓部13と対向する位置に窓部15が設けられており、これ両の窓部13,15は同形状に形成されている。また、パッチ電極12の所定位置には、インピーダンスを整合させた状態で給電ピン18がはんだ付けされている。この給電ピン18は、図3に示す2.45GHz用のアンテナ回路16と5.2GHz用のアンテナ回路17とに接続されている。つまり、このパッチアンテナ10は、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し、2.45GHz帯域の第1の高周波信号と5.2GHz帯域の第2の高周波信号とが選択的に給電できるようになっている。
【0022】
なお、アンテナ回路16には、2.45GHz帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ16aと、送信モードと受信モードを切り換える回路16bと、2.45GHz帯域の信号を送信する回路16cと、2.45GHz帯域の信号を受信する回路16dとが具備されている。同様に、アンテナ回路17には、5.2GHz帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ17aと、送信モードと受信モードを切り換える回路17bと、5.2GHz帯域の信号を送信する回路17cと、5.2GHz帯域の信号を受信する回路17dとが具備されている。
【0023】
かかる構成のパッチアンテナ10は、パッチ電極12に給電する高周波信号の周波数に応じて、給電点のSパラメータ(いわゆるS11)が図5に示すように変化し、2.45GHzと5.2GHzという異なる周波数帯域で共振するデュアルバンド対応のアンテナとなっている。具体的には、パッチ電極12にアンテナ回路16から2.45GHz帯域の信号を給電すれば、パッチ電極12の全体を共振させることができ、そのときの共振長をλ1とすると、パッチ電極12の外縁の一辺の長さLは約(λ1/2)となる。ここで、共振長λ1は2.45GHzの信号波の波長λlow(≒120mm)に誘電体基板11による波長短縮率を乗じた値であり、誘電体の比誘電率をεとすると、λ1=λlow/√εとなる。本実施形態例においては、誘電体としてε≒9の材料を使用しているためλ1≒40mmとなり、パッチ電極12の外縁の一辺の長さLが約20mmに設定してある。
【0024】
また、パッチ電極12にアンテナ回路17から5.2GHz帯域の信号を給電すれば、窓部13を横切る電界が生じて、パッチ電極12の全体ではなく窓部13をループアンテナのように共振させることができ、そのときの共振長をλ2とすると、窓部13の一辺の長さdは約(λ2/2)となる。ここで、共振長λ2は5.2GHzの信号波の波長λhigh(≒60mm)に誘電体基板11による波長短縮率を乗じた値で、λ2=λhigh/√εとなるため、本実施形態例においてはλ2≒20mmとなり、窓部13の一辺の長さdが約10mmに設定してある。
【0025】
このように本実施形態例に係るパッチアンテナ10にはパッチ電極12が一つだけしかなく、複数のパッチ電極を積層したり並設したりする構成にはなっていないが、パッチ電極12内に設けた窓部13を活用することにより、2.45GHzと5.2GHzという高低2種類の周波数帯域の信号波を送受信することができ、無線LANカード等にも容易に実装可能な小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナとなっている。
【0026】
しかも、このパッチアンテナ10は、相対向するパッチ電極12と接地導体14の平面形状が窓部13,15も含めて略同形にしてあるため、接地導体14がパッチ電極12と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作する。つまり、パッチ電極12にアンテナ回路16から2.45GHz帯域の信号を給電すると、パッチ電極12と接地導体14からそれぞれの前方へ略同形のメインローブが放射されて、図2中に実線で示すように、パッチアンテナ10から見て対称な双指向性の放射パターンP1が得られる。また、パッチ電極12にアンテナ回路17から5.2GHz帯域の信号を給電したときには、パッチ電極12の窓部13と接地導体14の窓部15が同じようなループアンテナとして動作するため、図2中に鎖線で示すように、パッチアンテナ10の前方の指向性と後方の指向性が似ている放射パターンP2が得られる。これらの放射パターンP1,P2からわかるように、このパッチアンテナ10は、共振周波数が2.45GHzのときにも5.2GHzのときにも、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。したがって、送受信する対象物の位置が特定できない環境下においてもパッチアンテナ10は感度不良を起こしにくく、使い勝手のよい2バンド共用パッチアンテナとなっている。
【0027】
なお、パッチ電極12および接地導体14の外形や窓部13,15の形状は正方形に限定されるものではなく、例えば外形が円形のパッチ電極内に矩形や円形の窓部を設けてもよい。また、パッチ電極12に対する給電を、給電ピン18ではなくマイクロストリップラインやスルーホールによって行ってもよい。
【0028】
図5は本発明の他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
【0029】
図5に示すパッチアンテナ20では、誘電体基板11の片面に設けられたパッチ電極12の一辺端と、誘電体基板11の他面に設けられた図示せぬ接地導体とが、複数のスルーホール19を介して短絡してある。このようにパッチ電極12の一辺端が接地導体に短絡してあるパッチアンテナ20は、ワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさ前記実施形態例に比べてかなり小さくできるという利点がある。つまり、図5に示すパッチアンテナ20を図1に示すパッチアンテナ10と比べた場合、パッチ電極12の外縁の一辺の長さL1は約L/2に短縮でき、窓部13の一辺の長さd1は約d/2に短縮できる。また、このパッチアンテナ20においても前記実施形態例と同様に、接地導体の平面形状は窓部13を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0030】
図6は本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図5に対応する部分には同一符号を付してある。
【0031】
図6に示すパッチアンテナ30では、パッチ電極12の一辺端に略U字形に切り欠かれたノッチ部21が設けてあり、このノッチ部21に沿ってパッチ電極12が帯状に延びている。また、パッチ電極12のうちノッチ部21を挟んで対向する一方の部位の端部が、複数のスルーホール19を介して誘電体基板11の裏面に設けられた図示せぬ接地導体に短絡してある。そのため、パッチ電極12に給電するとノッチ部21を横切る電界が生じて、このノッチ部21をノッチアンテナのように共振させることができる。すなわち、このパッチアンテナ30は、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し、2.45GHz帯域の第1の高周波信号を給電するとパッチ電極12の全体が共振し、5.2GHz帯域の第2の高周波信号を給電するとノッチ部21が共振するようになっており、2バンド共用のパッチアンテナとして利用できる。また、このパッチアンテナ30の場合、ワイヤ系における逆Lアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさ格段に小さくすることができる。なお、このパッチアンテナ30においても、接地導体の平面形状はノッチ部21を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0032】
図7は本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
【0033】
図7に示すパッチアンテナ40は、パッチ電極12に一対の切欠き22に挟まれた延出部23を設け、この延出部23の先端から他端に至る帯状領域12aと、パッチ電極12の両側部を構成する短寸の帯状領域12bとを、それぞれ異なる共振長で共振させるようにしたアンテナである。すなわち、パッチ電極12の帯状領域12a,12b間は切欠き22によって幅狭になっており、該幅狭部分においてインピーダンスの大きな相違により高周波信号を反射させることができるので、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し2.45GHz帯域の第1の高周波信号を給電すると長寸の帯状領域12aが共振し、5.2GHz帯域の第2の高周波信号を給電すると短寸の帯状領域12bが共振する。それゆえ、このパッチアンテナ40も小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナとなっている。また、このパッチアンテナ40においても、誘電体基板11の裏面に設けられている図示せぬ接地導体の平面形状が延出部23を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0034】
なお、図7において、パッチ電極12のうち延出部23の存する側と逆側の一辺端を接地導体に短絡する構成にした場合、ワイヤ系におけるモノポールアンテナと同様の小型化が図れるため、アンテナ全体の大きさを格段に小さくすることができる。
【0035】
図8は本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図であり、図5に対応する部分には同一符号を付してある。
【0036】
図8に示すパッチアンテナ50は、図4に示すパッチアンテナ20と同様に、パッチ電極12の一辺端が複数のスルーホール19を介して誘電体基板の裏面に設けられた図示せぬ接地導体に短絡してあるため、小型化を促進するうえで有利であるが、前記窓部13は設けずに、該一辺端に切欠き部24を設けた点が異なっている。つまり、このパッチアンテナ50の場合、パッチ電極12に給電すると、該一辺端と切欠き部24の底辺との間に該切欠き部24を縦断する電界が生じるので、パッチ電極12の全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該切欠き部24を共振させることができる。
【0037】
具体的には、給電ピン18を介してパッチ電極12に対し2.45GHz帯域の第1の高周波信号を給電するとパッチ電極12の全体が共振し、5.2GHz帯域の第2の高周波信号を給電すると切欠き部24が共振するため、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナとなっている。また、このパッチアンテナ50においても、図示せぬ接地導体の平面形状が切欠き部24を含めてパッチ電極12と略同形であり、かつ誘電体基板11を介してパッチ電極12と接地導体とが対向させてあるので、接地導体がパッチ電極12と同じような信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極12の前方だけでなく後方でも送受信が行える。
【0038】
なお、図5〜図8に示す各パッチアンテナ20,30,40,50においても、パッチ電極12に対する給電を、給電ピン18ではなくマイクロストリップラインやスルーホールによって行ってもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】
パッチ電極内に設ける窓部の形状や大きさを適宜選択して所定の高周波信号を給電することにより、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該窓部を共振させることができるので、複数のパッチ電極を配設しなくても高低2種類の周波数帯域の信号波が送受信可能となり、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られる。また、相対向するパッチ電極と接地導体の平面形状を略同形にしてあるため、接地導体がパッチ電極と同様の信号波を放射する無給電の放射導体として動作し、パッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができ、それゆえ送受信する対象物の位置が特定できない環境下でも使用できて使い勝手が向上する。
【0041】
なお、該窓部を有するパッチ電極の一辺端を複数のスルーホールを介して接地導体に短絡する構成にした場合には、アンテナの全長を短くすることができるので、格段の小型化が図れる。
【0042】
また、パッチ電極が略U字形に切り欠かれたノッチ部を有し、該パッチ電極のうちノッチ部を挟んで対向する一方の部位の端部を、平面形状が該パッチ電極と略同形の接地導体に短絡する構成のパッチアンテナにおいては、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該ノッチ部を共振させることができるので、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られ、かつパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0043】
また、パッチ電極が一対の切欠きに挟まれた延出部を有し、該延出部の先端から他端に至る帯状領域と、該帯状領域を含まない領域を、それぞれ異なる共振長で共振させるようにし、かつ接地導体の平面形状をパッチ電極と略同形にしたパッチアンテナにおいては、該帯状領域を含まない領域を相対的に短い共振長で共振させることができるので、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られ、かつパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【0044】
また、パッチ電極の一辺端を接地導体に短絡して、該一辺端に切欠き部を設けると共に、接地導体の平面形状をパッチ電極と略同形にしたパッチアンテナにおいては、パッチ電極全体を励振するときの共振長よりも短い共振長で該切欠き部を共振させることができるので、小型で薄型の2バンド共用パッチアンテナが得られ、かつパッチ電極の前方だけでなく後方でも送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図2】図1に示すパッチアンテナの断面図である。
【図3】図1に示すパッチアンテナが接続されているアンテナ回路の構成図である。
【図4】図1に示すパッチアンテナのSパラメータを示す共振特性図である。
【図5】本発明の他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態例に係る2バンド共用パッチアンテナの平面図である。
【図9】従来の一般的なパッチアンテナの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 パッチアンテナ
11 誘電体基板
12 パッチ電極
12a,12b 帯状領域
13,15 窓部
14 接地導体
16,17 アンテナ回路
18 給電ピン
19 スルーホール
21 ノッチ部
22 切欠き
23 延出部
24 切欠き部
Claims (5)
- 導体の存しない窓部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して該パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、
前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記窓部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成したことを特徴とする2バンド共用パッチアンテナ。 - 請求項1の記載において、前記パッチ電極の一辺端を複数のスルーホールを介して前記接地導体に短絡したことを特徴とする2バンド共用パッチアンテナ。
- 略U字形に切り欠かれたノッチ部を有し、該ノッチ部に沿って帯状に延びるパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、
前記パッチ電極のうち前記ノッチ部を挟んで対向する一方の部位の端部を前記接地導体に短絡すると共に、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記ノッチ部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成したことを特徴とする2バンド共用パッチアンテナ。 - 一対の切欠きに挟まれた延出部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、
前記パッチ電極に対して、前記延出部の先端から他端に至る帯状領域を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記帯状領域を含まない領域を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成したことを特徴とする2バンド共用パッチアンテナ。 - 一辺端に切欠き部を有するパッチ電極と、このパッチ電極が片面に設けられた誘電体基板と、前記パッチ電極と平面形状が略同形で前記誘電体基板を介して前記パッチ電極と対向する位置に設けられた接地導体とを備え、
前記パッチ電極の前記一辺端を前記接地導体に短絡すると共に、前記パッチ電極に対して、該パッチ電極の全体を共振させるための第1の高周波信号と、この第1の高周波信号よりも高い周波数で前記切欠き部を共振させるための第2の高周波信号とが選択的に給電されるように構成したことを特徴とする2バンド共用パッチアンテナ。
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