JP4691054B2 - マイクロストリップアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、移動体通信用基地局に用いられるマイクロストリップアンテナに関する。
図21と図22を参照して、従来技術によって構成されたマイクロストリップアンテナ100を説明する。図21は、マイクロストリップアンテナ100の分解斜視図である。図22は、マイクロストリップアンテナ100を、図21のA−Aで切断した横断面図である。マイクロストリップアンテナ100は、単一偏波パッチアンテナ素子である。マイクロストリップアンテナ100は、誘電体基板6と、誘電体基板6の表面に形成されたパッチ3’と、誘電体基板6の裏面に設けられたグランド板5と、誘電体基板6と共にグランド板5を挟む誘電体基板7と、誘電体基板7の、グランド板5がある側と反対側に設けられた給電線8を例えば有する。また、共振周波数帯域を拡大するための無給電素子21が、パッチ3’の表面から少し離れた位置に、空間20を介して設けられており、この無給電素子21を覆うように誘電体のカバーであるレドーム9が設けられている。
ここで、例えば、レドーム9の誘電率ε=3.3、厚さh=1.6mmであり、無給電素子21の各辺の長さw=17.5mmであり、空間20の誘電率ε=1.0、厚さh=5.5mmであり、パッチ3’の各辺の長さw=14.5mmであり、誘電体基板6の誘電率ε=3.3、厚さh=1.6mmであり、グランド板5の各辺の長さw=60mmであり、誘電体基板7の誘電率ε=3.3、厚さh=1.2mmであり、給電線8の短手方向の幅は2.64mmである。
グランド板5には、ボウタイ型スロット2が設けられている。すなわち、グランド板5には、中心から長手方向に離れるに従って長手方向と垂直な方向に広がる形状をしたスロットが設けられている。一般に、マイクロストリップアンテナは小型で薄型であるが、使用可能な周波数帯域が狭いという問題がある。しかし、このようなボウタイ型スロット2を設けることにより、アンテナが使用することができる周波数帯域を広く取ることができることが知られている。例えば、図23に示すボウタイ型スロット2を用いることにより、図24に示すように、VSWRが1.5となる比帯域幅を約19.5%と比較的に広帯域に取ることができる。図23において、Ls=8.6mm、La=1.5mm、Lh=3.5mm、Wa=10mmである。
パッチ3’は、誘電体基板6とグランド板5のボウタイ型スロット2と誘電体基板7とを介して、給電線8によって電磁的に給電される。このように、給電線8をパッチ3’に直接的に接続せずに、誘電体基板やグランド板5を介して電磁結合によって間接的に給電することにより、放射素子であるパッチ3’と給電線8とを分離することができる。このため、送信用アンテナの放射指向パターンが、給電線8から放射される不要な電磁波によって乱されることはなくなる(例えば、非特許文献2参照。)。
このマイクロストリップアンテナ100は、基地局アンテナとして用いられる場合、設置スペースを削減するために、同一の基板上に2つ以上設けられ、同一のレドーム9によって覆われる。図25〜図27に、同一の基板上にマイクロストリップアンテナ100を2つ設けて、一方のマイクロストリップアンテナを送信用アンテナ101、他方のマイクロストリップアンテナを受信用アンテナ102として用いるマイクロストリップアンテナ110を示す。図25は、マイクロストリップアンテナ110の分解斜視図である。図26は、マイクロストリップアンテナ110を、図25のB−Bで切断した横断面図である。図27は、マイクロストリップアンテナ110のグランド板5を正面から(z軸の正方向から)見た図である。
図25に示すように、マイクロストリップアンテナ110は、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102からなり、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102はそれぞれマイクロストリップアンテナ100と同じものである。図25において、一点鎖線の左側が受信用アンテナ102であり、一点鎖線の右側が送信用アンテナ101である。一般に、マイクロストリップアンテナの共振周波数帯域の中心周波数の高さは、パッチの給電線8の延伸方向の長さに反比例する。図25から図27に示すマイクロストリップアンテナ110は、送信周波数帯域の中心周波数が受信周波数帯域よりも高く設定されているため、送信用アンテナ101のパッチ4の給電線8方向の長さが、受信用アンテナ102の給電線8方向の長さよりも短くなっている。
送信用アンテナ101と受信用アンテナ102は、図27に示すように、距離dだけ離れている。ここで、距離dは例えば25mmであり、送信周波数帯域の中心周波数の波長の長さλTxの0.5倍の長さであり、また、受信周波数の中心周波数の波長の長さλRxの0.39倍の長さでもある。
同一の基板上に送信用アンテナ101と受信用アンテナ102を同時に配置して、送受共用のマイクロストリップアンテナ110を構成しようとした場合、送信用アンテナ101から発射された電磁波が受信用アンテナ102に受信されてしまうことを防ぐ必要がある。すなわち、送受間結合を小さくする必要がある。送信用アンテナ101と受信用アンテナ102の各共振周波数帯域をずらしたとしても、一方の共振周波数帯域のうち他方の共振周波数帯域に近い周波数帯域においては、わずかながら共振が生じるためである。この送受間結合は、送信の周波数帯域と受信の周波数帯域が広くそれらの周波数帯域が近接する程、また、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102の距離dが小さい程顕著になる。
この送受間結合を小さくするために、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102の間の距離を広げるという技術がある。
また、給電線8の先にフィルタと呼ばれる電子部品を付けることにより、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102のそれぞれが、送信周波数以外の周波数又は受信周波数以外の周波数で共振しないようにして、送受間結合を小さくする技術がある。
さらに、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102の間のグランド板に長方形状のスロットを設けることにより、送受間結合を小さくするという技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
Nirod. K. Das and David M. Pozar, "Multiport scattering analysis of general multilayered printed antennas fed by multiple feed ports: II. Applications", IEEE Trans. On Antennas and Propagation, Vol. 40, No. 5, May 1992. 羽石操,今野恵,矢作潤一,"ドックボーンスロットによる励振される偏波共用平面アンテナ",電子情報通信学会論文誌,Vol.J85-B,No.6, pp.953-961,June 2002 特開2005−72653号公報
図28に、背景技術の欄で説明したマイクロストリップアンテナ110のSパラメータ特性を示す。図28において、受信用アンテナ102が端子1であり、送信用アンテナ101が端子2である。S21が、送信用アンテナ101(端子1)から放射された電磁波が受信用アンテナ102(端子2)に回り込む量を示している。図28を見ると、Txの矢印で示した送信共振周波数帯域において、最大約−22dBの回り込みが生じているのがわかる。この送受間結合は、送信用アンテナ101と受信用アンテナ102の距離dを小さくした場合は、送受間結合がさらに大きくなる。
送受間結合を小さくするために、送信用アンテナと受信用アンテナの間の距離を広げた場合、アンテナ全体が大きくなるという問題がある。また、これらの送信用アンテナと受信用アンテナを基地局アンテナとして用いる場合には、これらの送信用アンテナと受信用アンテナをそれぞれ複数配置する必要がある。このとき、送信用アンテナと受信用アンテナの間の距離を広げると、送信用アンテナ間の距離も大きくなるため、グレーティンググローブが発生するという問題がある。
また、送受間結合を小さくするために、給電線の先にフィルタと呼ばれる電子部品を付けた場合、要求スペックを満たすフィルタは大きくなるため、アンテナ全体も大きくなるという問題がある。
さらに、送信用アンテナと受信用アンテナの間のグランド板にスロットを設けることにより、送受間結合を小さくする場合には、送信用アンテナと受信用アンテナとをそれほど近接して設置することはできない。
誘電体基板上に形成された送信用パッチを、誘電体基板の裏側に被着したグランド板に形成したスロットを介して、給電線が電磁結合によって給電することによって機能する送信用マイクロストリップアンテナと、誘電体基板上に形成された受信用パッチを、グランド板に形成した別のスロットを介して、別の給電線が電磁結合によって給電することによって機能する受信用マイクロストリップアンテナと、をそれぞれ少なくとも1つ有するマイクロストリップアンテナにおいて、グランド板の、送信用パッチのスロットよりも受信用パッチのスロットに近い位置に、上記送信用マイクロストリップアンテナと上記受信用マイクロストリップアンテナとの間の送受間結合を小さくするコの字型のスロットを形成する。
グランド板5に形成したコの字型スロット1は、送信帯域の周波数に対して共振しておりフィルタとして機能しているため、送受間結合を小さくすることができる。このため、送信用アンテナと受信用アンテナの距離dを狭くすることが可能である。
また、フィルタ等の別の電子部品を設ける場合であっても、グランド板5にコの字型のスロット1を設けることにより、要求スペックを満たすフィルタ等の別の電子部品を小さくすることができる。このため、従来技術よりもマイクロストリップアンテナを小型にすることができる。
図1〜図2を参照して、本発明によるマイクロストリップアンテナ200について説明をする。図1は、マイクロストリップアンテナ200の分解斜視図である。図2は、図1のC−Cで切断した横断面図である。マイクロストリップアンテナ200は、背景技術の欄で説明したマイクロストリップアンテナ110と同様にマイクロストリップアンテナ100を同一基板上に2つ設けたものである。本発明によるマイクロストリップアンテナ200は、グランド板5にコの字型スロット1(コの字型の切り込み)を設けた点で、背景技術の欄で説明したマイクロストリップアンテナ110とは異なる。
マイクロストリップアンテナ200は、誘電体基板6と、誘電体基板6の表面にそれぞれ形成された送信用パッチ3と受信用パッチ4、誘電体基板6の裏面に設けられたグランド板5と、誘電体基板6と共にグランド板5を挟む誘電体基板7と、誘電体基板7の、グランド板5がある側と反対側に設けられた給電線8を例えば有する。また、共振周波数帯域を拡大するための無給電素子21が、送信用パッチ3と受信用パッチ4の各表面から少し離れた位置に、空間20を介して設けられており、この無給電素子21を覆うように誘電体のカバーであるレドーム9が設けられている。なお、無給電素子21は、レドーム9の裏側に限らず、レドーム9の表面・裏側・内部の何れかに設ければよい。
グランド板5には、図23に示したのと同様のボウタイ型スロット2が設けられている。すなわち、グランド板5には、中心から長手方向に離れるに従って長手方向と垂直な方向に広がる形状をしたスロットが設けられている。一般に、マイクロストリップアンテナは小型で薄型であるが、使用可能な周波数帯域が狭いという問題がある。しかし、このようなボウタイ型スロット2を設けることにより、アンテナが使用することができる周波数帯域を広く取ることができることが知られている。なお、本発明では、アンテナが使用することができる周波数帯域を広く取るための一例としてボウタイ型スロット2を用いたが、ボウタイ型スロットに限らず任意の形状のスロットを用いてもよい。また、受信用パッチ4側にあるボウタイ型スロット2の近傍には、後述するように、コの字型スロット1が形成されている。
送信用パッチ3と受信用パッチ4はそれぞれ、グランド板5のボウタイ型スロット2を介して、給電線8によって電磁的に給電される。このように、給電線8を送信用パッチ3と受信用パッチ4に直接的に接続せずに、誘電体基板やグランド板5を介して電磁結合によって間接的に給電することにより、放射素子である送信用パッチ3と受信用パッチ4とをそれぞれ給電線8から分離することができる。このため、送信用アンテナの放射指向パターンが、給電線8から放射される不要な電磁波によって乱されることはなくなる。送信用パッチ3と受信用パッチ4は、矩形の他、円形等の任意の形状であってもよい。
給電線8が、ボウタイ型スロット2を介して電磁的結合により送信用パッチ3に給電することにより送信用アンテナ201が機能する。また、給電線8が、ボウタイ型スロット2を介して電磁的結合により受信用パッチ4に給電することにより受信用アンテナ202が機能する。
以下、コの字型スロット1の形状と、形成する位置等について説明する。図3に、コの字型スロット1の形状と位置の例を示す。図3は、マイクロストリップアンテナ200の受信用パッチ4側のグランド板5を正面から(z軸の正方向から)見た図である。図示していないが、グランド板5の平面に対して水平な方向に離れて、送信用パッチ3に対応するボウタイ型スロット2が設けられている。
図3に示すように、コの字型スロット1は、例えば、グランド板5上であって、送信用パッチ3よりも受信用パッチ4に近い位置に形成される。図3に示したコの字型スロット1は、給電線8の長手方向とほぼ垂直な方向に伸びるスロット1aと、そのスロット1aの長手方向と垂直な2つの方向のうちの一方に、そのスロット1aの両端からそれぞれ伸びるスロット1b,1cとを一体に形成したスロットである。図3に示した例では、スロット1aは受信用パッチ4の一辺とほぼ重なっており、スロット1bは受信用パッチ4に対応して設けられた無給電素子21の一辺とほぼと重なっており、スロット1cは給電線8の長手方向の中心線とほぼ重なっている。また、スロット1aの長さは8.8mm、スロット1b,1cの長さはそれぞれ4mmである。
図4に、上記コの字型スロット1をグランド板5に形成したマイクロストリップアンテナ200のSパラメータ特性を示す。図4においては、VSWRが1.5以下となる送信周波数帯域内の送受間結合(送信帯域の最悪値)を評価する。図4において、マイクロストリップアンテナ200の送信用アンテナ201が端子1であり、受信用アンテナ202が端子2である。背景技術によるマイクロストリップアンテナ110のSパラメータ特性(図28参照)と比較すると、送信周波数帯域における、送信用アンテナ201から受信用アンテナ202への回り込みを表すS21が、最大約−22.5dBから最大約−28dBに低下していることがわかる。また、コの字型スロット1によるフィルタ機能を追加した後であっても、アンテナのVSWRが1.5以下となる比帯域幅は、送信と受信用アンテナ共に10%以上取れていることがわかる。
コの字形のスロット1は、送信帯域の周波数に対して共振しておりフィルタとして機能しているため、送受間結合を小さくすることができる。また、このコの字型スロット1は、アンテナの給電層である給電線8と、放射層であるパッチ3,4との間に設けられているため、受信用アンテナの帯域や放射指向性について影響を与えないというメリットがある。
コの字型スロット1は、給電層と放射層の間にあるグランド板5に形成されているため、コの字型スロット1によってフィルタ機能を追加しても、放射素子の放射指向性の乱れや、給電層の線路間結合量の劣化を防ぐことができる。例えば、図5に示すように、受信帯域において、提案モデルのE面(図1におけるy−z平面)の水平面内半値幅は57°と従来モデルと同じ半値幅になっており、コの字型スロット1が、アンテナの放射指向性特性に影響を与えないことがわかる。
また、送受間結合を小さくするために、給電線8に、給電線8の長手方向に対して垂直な方向に伸びるオープンスタブ22を設けるという技術がある。通常、オープンスタブ22を用いることで、ある特定の周波数帯における共振しないようにする(rejectする)ためには、rejectする周波数の波長をlrだとすると、オープンスタブ22の長さを(lr/(√er))/2にする必要がある。ここで、erはオープンスタブ22を形成する誘電体基板7の比誘電率となっている。このスタブの長さLsfに比べて、スロット1aの長さは、約17%短い。このため、本発明は、この従来技術に比べて配置の自由度が増すという有利な効果がある。
コの字型スロット1の大きさ・形状・位置は、上記したものに限定されない。例えば、スロット1a〜1cの長さの総和が、コの字型スロット1の共振周波数を決めているため、所望の共振周波数に応じて、これらのスロット1a〜1cの長さを変えてもよい。
図6に、スロット1b,1cの長さを4mmに固定したままで、スロット1aの長さを8.4mm,8.8mm,9.2mmとそれぞれ変化させた場合のS21特性を示す。図6から、スロット1aの長さを変えることで、コの字型スロット1の共振波長を変化させることができ、コの字型スロット1がフィルタとして機能する周波数帯域を調整することができることがわかる。
また、コの字型スロット1を、ボウタイ型スロット2の周囲のグランド板5のどこに設けてもよい。例えば、図7に示すように、給電線8が入ってくる部位とは反対側の部位に、コの字型スロット1を形成してもよい。図7に示すコの字型スロット1を形成したマイクロストリップアンテナ200のS21特性を、図8に示す。図8から、コの字型スロット1を、給電線8が入ってくる部位とは反対側の部位に形成しても、送受間結合を小さくすることができることがわかる。
また、例えば、図9に示すように、給電線8の長手方向に伸びる中心線に対して、図示していない送信用パッチ3がある側にコの字型スロット1を設けてもよい。
さらに、例えば、図10に示すように、ボウタイ型スロット2を囲むようにコの字型スロット1を形成してもよい。図10において、スロット1aの長さは12mmであり、スロット1b,1cの長さはそれぞれ5mmである。図10に示したコの字型スロット1は、給電線8の長手方向に伸びる中心線に対して左右対称となっている。このように、ボウタイ型スロット2を囲むようにコの字型スロット1を形成することにより、これらのスロットを効率良く配置することが可能となり、設計の自由度が増すことができる。なお、必ずしも左右対称である必要はない。
図11に、図10に示したコの字型スロット1を設けたマイクロストリップアンテナ200のSパラメータ特性を示す。送信用アンテナから受信用アンテナへの回り込みを表すS21の送信周波数帯域における最大値が、図28に比べて、−27dBと改善していることがわかる。
また、図12に、図10に示したコの字型スロット1のスロット1aの長さを固定したままで、スロット1b,1cの長さをそれぞれ4mm,5mm,6mm,7mmと変えた場合のS21特性を示す。図12から、スロット1b,1cが長くなると、コの字型スロットの共振波長が長くなり、S21特性が改善される周波数が少しずつ低域にシフトしていくことがわかる。このように、図10に示したコの字型スロット1においても、コの字型スロット1を構成する各辺の長さを変えることにより、所望のS21特性を改善させることができる。
また、上記実施形態では、スロット1b,1cを、スロット1aからボウタイ型スロット2が存在する方向に伸びるように形成しているが、スロット1b,1cの少なくとも一方を、スロット1aからボウタイ型スロット2が存在しない方向に伸びるように形成してもよい。図13に、スロット1b,1cの両方を、スロット1aからボウタイ型スロット2がない方向に伸びるように形成したコの字型スロット1を示す。
また、スロット1aと、スロット1b又はスロット1cとが交わる角度は90度である必要はない。例えば、60度〜120度としてもよい。
また、必ずしも、コの字型スロット1の屈折部であるスロット1bとスロット1cに挟まれたスロット部分であるスロット1a(コの字型のスロットを構成する3辺のスロットのうち中央に位置するスロット)を、給電線8の延伸方向に対してほぼ垂直に形成する必要はない。コの字型スロット1とボウタイ型スロット2とが接触しない限り、コの字型スロット1を形成する角度を任意に設計することができる。例えば、図14に示すように、スロット1aが給電線8の延伸方向に対して70度の角度で交わるように、コの字型スロット1を形成してもよい。この場合のS21特性を図15に示す。図15から、コの字型スロット1の傾きに関わらず、S21特性が、図4に示したS21特性とほとんど変わっていないことがわかる。すなわち、コの字型スロット1の傾きに関わらず、送受間結合を小さくすることができることがわかる。
このように、設計しようとするマイクロストリップアンテナ200、ボウタイ型スロット2の位置・大きさ・形状、受信用パッチ4の位置・大きさ・形状、送信用の周波数、受信用の周波数等に応じて、コの字型スロット1の形状と位置は異なる。そこで、所望の特性が得られるように、コの字型スロット1の形状と位置を定める。
また、上記実施形態では、グランド板5に形成されるコの字型スロット1の大部分が、受信用パッチ4及び/又は無給電素子21に隠れている(例えば、図3参照)。すなわち、受信用パッチ4及び/又は無給電素子21をグランド板5に射影して得られる領域に含まれるように、コの字型スロット1が設けられている。このように、コの字型スロット1をz軸方向(グランド板5の平面に対して垂直な方向)から見て、受信用パッチ4に重なるように形成することにより、不要な電磁波の放射を防ぐことができるという有利な効果があるためである。しかし、グランド板5に形成されるコの字型スロット1の大部分が受信用パッチ4及び/又は無給電素子21に隠れているようにしなくても、送受間結合を小さくするという本発明の目的を達成することができる。
また、そもそも、共振周波数帯域を広げる必要がない等の場合には、これらの無給電素子21を設けなくてもよい。図3に示したコの字型スロット1を形成したマイクロストリップアンテナ200において、受信用パッチ4に対応する無給電素子21を設けないで測定したSパラメータを、図16に示す。図16から、無給電素子21の有無に関わらず、コの字型スロット1をグランド板5に形成することにより、送受間結合を小さくすることができることがわかる。
また、上記実施形態では、空間20を介して、送信用パッチ3と受信用パッチ4にそれぞれ対向するように無給電素子21を設けたが、空間20に代えて誘電率が1.0に近い誘電体を介して、送信用パッチ3と受信用パッチ4に対向するように無給電素子21を設けてもよい。
また、給電線8からの電磁的結合によって送信用パッチ3、受信用パッチ4に給電することを可能にするボウタイ型スロット2の形状は、ボウタイ型でなくてもよい。例えば、ボウタイ型スロット2の代わりに、長方形状のスロットや、ドックボーン型のスロットを用いても、上記と同様にコの字型スロット1を設けることにより、送受間結合を小さくすることができる。
なお、図17に示すように、本発明によるコの字型スロット1と上記した給電線8に対してほぼ垂直に形成するオープンスタブ22とを同時に設けてもよい。図17では、オープンスタブ22の長さLsf=8mmとし、ボウタイ型スロット2の中心からオープンスタブ22の延伸方向の中心線の距離Osf=14mmとし、オープンスタブ22の短手方向の幅Wfをオープンスタブ22のインピーダンスが50〔Ohm〕となるようにしている。このように、コの字型スロット1とオープンスタブ22を同時に設けても、図18に示すように、送受間結合を低減させることができることがわかる。
図19に、Osf=14mmを固定したままで、Lsfを8mm、8.6mm、9.2mmと変化させた場合の、S21特性を示す。このように、Lsfを変化させても、送信帯域における送受間結合を、−35dB以下にすることができることがわかる。なお、Lsfをさらに長くすると、コの字型スロット1がフィルタとして機能する周波数帯域が低域にシフトして、送信帯域での送受間結合をさらに小さくすることができる。
上記したマイクロストリップアンテナ200を基地局アンテナとして用いる場合、所望の利得を得るために、誘電体基板6の平面に対して水平な方向に、送信用のマイクロストリップアンテナである送信用アンテナ201と受信用のマイクロストリップアンテナである受信用アンテナ202とをそれぞれ少なくとも1つ設ける。例えば、図20Aに示すように、送信用アンテナ301、303と、受信用アンテナ302、304を互い違いに設ける。図20Bは、誘電体基板7の裏側に設けられた給電線8、8’の配線状態を表す図である。各送信用アンテナ301、303は、図1等に示した送信用アンテナ201と同様のものであり、各受信用アンテナ302、304は、図1等に示した受信用アンテナ202と同様のものである。
この場合、グランド板5であって、各受信用アンテナ302、304の受信用パッチ4の近傍に上記したコの字型スロット1を設けることにより、各送信用アンテナ301、303からの不要な回り込みを防ぐことができる。すなわち、図20に示した例では、例えば、受信用アンテナ302にコの字型スロット1を設けることにより、受信用アンテナ302と送信用アンテナ301との間の送受間結合だけではなく、受信用アンテナ302と送信用アンテナ303との間の送受間結合を小さくすることができる。
図20Aでは、ボウタイ型スロット2を囲むようにコの字型スロット1を形成したが、コの字型スロット1の位置は上記したように適宜変えることができる。受信用アンテナが複数ある場合、必ずしもすべての受信用アンテナにコの字型スロット1を設ける必要はない。例えば、送信用アンテナとの距離が近い受信用アンテナのみにコの字型スロット1を設ける。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
本発明によるマイクロストリップアンテナ200の分解斜視図。 マイクロストリップアンテナ200の横断面図。 コの字型スロット1の位置を例示する図(その一)。 本発明によるマイクロストリップアンテナ200のSパラメータ特性を示す図。 本発明によるマイクロストリップアンテナ200の放射指向性と、背景技術によるマイクロストリップアンテナ100の放射指向性とを比較する図。 スロット1aの長さを変えたときのS21特性を示す図。 コの字型スロット1の位置を例示する図(その二)。 図7に例示した位置にコの字型スロット1を設けたときのS21特性を示す図。 コの字型スロット1の位置を例示する図(その三)。 コの字型スロット1の位置を例示する図(その四)。 図10に例示した位置にコの字型スロット1を設けたときのSパラメータ特性を示す図。 スロット1b,1cの長さを変えたときのS21特性を示す図。 コの字型スロット1の位置を例示する図(その五)。 コの字型スロット1の位置を例示する図(その六)。 図14に例示した位置にコの字型スロット1を設けたときのSパラメータ特性を示す図。 無給電素子21を設けなかったときのSパラメータ特性を示す図。 コの字型スロット1を設けた上でさらに、給電線8に送受間結合を低減するためのオープンスタブ22を形成した図。 コの字型スロット1とオープンスタブ22を設けたときのSパラメータ特性を示す図。 オープンスタブ22の長さを変えたときのSパラメータ特性を示す図。 Aは、マイクロストリップアンテナ200をアレー状に並べた状態を示す図。Bは、誘電体基板7の裏側に設けた給電線8、8’の配線状態を示す図。 背景技術によるマイクロストリップアンテナ100の分解斜視図。 マイクロストリップアンテナ100の横断面図。 ボウタイ型スロット2の形状を例示する図。 マイクロストリップアンテナ110のS11特性を示す図。 背景技術によるマイクロストリップアンテナ110の分解斜視図。 マイクロストリップアンテナ110の横断面図 マイクロストリップアンテナ110のグランド板5をグランド板5の平面に対して垂直な方向から見た図。 マイクロストリップアンテナ110のSパラメータ特性を示す図。

Claims (6)

  1. 誘電体基板上に形成された送信用パッチを、上記誘電体基板の裏側に被着したグランド板に形成したスロットを介して、給電線が電磁結合によって給電することによって機能する送信用マイクロストリップアンテナと、
    上記誘電体基板上に形成された受信用パッチを、上記グランド板に形成した別のスロットを介して、別の給電線が電磁結合によって給電することによって機能する受信用マイクロストリップアンテナと、
    をそれぞれ少なくとも1つ有するマイクロストリップアンテナにおいて、
    上記グランド板の、上記送信用パッチのスロットよりも上記受信用パッチのスロットに近い位置に、上記送信用マイクロストリップアンテナと上記受信用マイクロストリップアンテナとの間の送受間結合を小さくするコの字型のスロットを形成したことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 請求項1に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    上記コの字型のスロットの、両屈折部で挟まれたスロット部分は、給電線の延伸方向に対してほぼ垂直に形成されていることを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  3. 請求項1又は2に記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    上記受信用パッチのスロットを囲うように、上記コの字型のスロットを設けたことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    上記送信用パッチ及び/又は上記受信用パッチに対向して、無給電素子を設けたことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  5. 請求項1から4の何れかに記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    上記コの字型のスロットを、上記受信用パッチ及び/又は上記受信用パッチに対向して設けられた無給電素子をグランド板に投影して得られる領域に含まれるように形成したことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  6. 請求項1から5の何れかに記載のマイクロストリップアンテナにおいて、
    給電線に、給電線の延伸方向に対してほぼ垂直に伸びるスタブを設けたことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
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