JP2004207401A - 有機太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

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充雄 矢口
Masahiro Nakamura
将啓 中村
Nobuhiro Ito
宜弘 伊藤
Kenji Kono
謙司 河野
Atsushi Sakai
淳 阪井
Junji Adachi
淳治 安達
Hiroyoshi Yoda
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Abstract

【課題】より光電変換特性に優れた有機太陽電池を提供する。
【解決手段】電子供与性有機化合物と化合物半導体粒子を含有する活性層3を、正極1と負極2の間に設けて形成される有機太陽電池に関する。化合物半導体粒子が正極1と負極2の間に、これらの各電極面と略直交する方向に凝集して列状に設けられている。化合物半導体粒子に捕捉された電子は化合物半導体粒子の列に沿って短距離で負極2の電極に到達し、変換効率が向上する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子供与性有機化合物と化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業の発展に伴いエネルギーの使用量が飛躍的に増加している。その中で地球環境に負荷を与えない、経済的で高性能な新しいクリーンエネルギーの生産技術の開発が求められている。そして太陽電池は無限にあるといってよい太陽光を利用することから、新しいエネルギー源として注目されている。
【0003】
現在実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いた無機太陽電池である。しかし、これら無機シリコン系の太陽電池は、その製造プロセスが複雑でコストが高いという欠点を有するため、一般家庭に広く普及するには至ってない。このような無機太陽電池の欠点を解消するため、簡単なプロセスで低コスト・大面積化が可能な有機材料を用いた有機太陽電池の研究が盛んになってきている。
【0004】
従来研究されている有機太陽電池としては、ショットキー接合を有するもの(J.H.Schon,Appl.Phys.Lett.77,2773(2000))、P型とN型を積層した有機ヘテロ接合を有するもの(P.Peumans,Appl. Phys.Lett.79,126(2001)、特開平6−93258号公報)、P型とN型をブレンドした有機バルクヘテロ接合を有するもの(S.E.Shaheen, Appl. Phys.Lett.78,841(2001))などがある。これらの有機太陽電池は比較的高い変換効率を示すものであるが、これらで検討されているセルの面積は数mmと非常に小さいものであり、一般に面積が大きくなると効率が悪くなるといわれている。また、基本的に有機材料を用いていることにより、シリコン等無機材料とは異なり、光励起により生成した正孔−電子対の解離度や電極までキャリアを運ぶ移動度が低いという有機材料特有の課題がある。
【0005】
このような有機材料特有の課題を克服するものとして、電子供与体である導電性有機化合物、特に導電性高分子と、電子受容体である化合物半導体粒子とを混合した活性層を含む有機太陽電池が提供されている(非特許文献1参照)。
【0006】
このものは、導電性高分子に、より電子移動度の高い化合物半導体を混合させることにより、これまでの有機太陽電池で問題となっているキャリアの移動度を改善した太陽電池である。また、この有機太陽電池では、生成した電子と正孔の分離が導電性高分子−化合物半導体間で起こるため、キャリアの再結合による失活を抑制できる。その上、化合物半導体のナノ粒子を用いることにより、導電性高分子との界面の面積が増加して、電子−正孔解離確率が増加する特徴を有している。このように、導電性高分子と化合物半導体ナノ結晶を混合した活性層を含む有機太陽電池は、一般家庭に普及しうる太陽電池として非常に有望である。
【0007】
【非特許文献1】
Wendy U.Huynh,Janke J.Dittmer,A.paul Alivisatos、「Hybrid Nanorod-Polymer Solar Cells」、SCIENCE、AMERICAN ASSOCIATION FOR THE ADVANCEMENT OF SCIENCE、2002年3月29日、第295巻、第5564号、p2425−2427
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、現状では、有機太陽電池の変換効率はシリコン系の無機太陽電池に比べかなり低く、実用的な太陽電池にまでは至っていない。その一つの原因として、電子供与性化合物である導電性高分子及び電子受容体である化合物半導体で形成される活性層内の電子や正孔が移動中にトラップされ、消滅してしまうことが考えられる。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、より光電変換特性に優れた有機太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る有機太陽電池は、電子供与性有機化合物と化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池において、化合物半導体粒子が正極と負極の間に、これらの各電極面と略直交する方向に凝集して列状に設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記化合物半導体粒子は球状又はロッド状であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項3に係る有機太陽電池は、電子供与性有機化合物とロッド状の化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池において、ロッド状の化合物半導体粒子が正極と負極の間に、これらの各電極面と略直交する方向に配向して設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る有機太陽電池の製造方法は、上記の請求項1乃至3のいずれかに記載の有機太陽電池を製造するにあたって、化合物半導体粒子を分散した液状導電性有機化合物に電場を印加することによって、化合物半導体粒子を正極と負極の各電極面と略直交する方向に列状に凝集乃至配向させ、次いで導電性有機化合物を固化させる工程を有することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態の一例を示すものであり、透明な基板10の表面上に透明導電膜からなる正極1を設け、正極1の表面上に正孔輸送層11を介して、電子供与性有機化合物と化合物半導体粒子を含有する活性層3を設け、この活性層3の表面上に負極2を設けた積層構造に形成してある。そして、透明基板10及び透明な正極1を透過して活性層3に光が照射されることによって発生する電荷は、正孔が正極1に移動すると共に電子が負極2に移動することによって、各電極1,2から取り出されるものである。
【0016】
ここで、上記の基板10、正極1、負極2、正孔輸送層11、活性層3の電子供与性有機化合物及び化合物半導体粒子としては、既知のものを用いることができる。
【0017】
すなわち、上記基板10は、光透過性を有するものであり、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ樹脂等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。またさらに、基板10内に基板10の母材と屈折率が異なる粒子、粉体、泡等を含有させることによって、光拡散効果を有するように形成したものも使用することができる。
【0018】
また上記正極1は、電池の活性層3内で発生した正孔を効率よく収集するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような電極材料としては、具体的には金などの金属、CuI、ITO(インジウム錫酸化物)、SnO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料を挙げることができる。正極1は、例えば、これらの電極材料を基板10の表面に真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。また、正極1を透過させて活性層3に光を到達させるためには、正極1の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、正極1のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下である。正極1の膜厚は、正極1の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下に設定するのが好ましく、より好ましくは10〜200nmの範囲である。
【0019】
また、上記負極2は、活性層3中に発生した電子を効率良く収集するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような負極2の電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類等、およびこれらと他の金属との合金、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物などを挙げることができる。また、アルミニウム、Al/Al混合物なども使用可能である。さらに、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を負極2の下地として用い、さらに上記の仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合金)を1層以上積層して負極2を形成するようにしてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、Al/Alの積層などを例として挙げることができる。また、ITOやIZOなどに代表される透明電極で負極2を形成し、負極2側からも光を入射させる構成にしても良い。
【0020】
負極2は、例えば、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができる。さらに負極2上に、Al等の金属をスパッタリングで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、その他の有機分子、高分子等を蒸着、スパッタリング、CVD、プラズマ重合、塗布した後の紫外線硬化、熱硬化その他の方法で薄膜として積層したりすることも可能である。
【0021】
また、上記正孔輸送層11を構成する正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能力を有し、さらに電子の正孔輸送層11への移動を阻止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的にはフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子等の高分子材料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
さらに、上記活性層3に用いる電子供与性有機化合物としては、フタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物、また有機電子写真感光体に用いられる電荷移動剤、電気伝導性有機電荷移動錯体、更には導電性高分子も用いることができる。
【0023】
フタロシアニン系顔料としては、中心金属がCu、Zn、Co、Ni、Pb、Pt、Fe、Mg等の2価のもの、無金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、その他バアナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン等があるが、特にこれに限定されるものではない。
【0024】
電荷移動剤としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0025】
電気伝導性有機電荷移動錯体としては、テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラチオフラバレン等があるが特にこれに限定されるものではない。
【0026】
導電性高分子としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体など、トルエン等の有機溶媒に可溶なものを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0027】
また、上記活性層3に用いる電子受容体である化合物半導体粒子としては、化合物半導体ナノ結晶を用いるのが望ましい。ここで、ナノ結晶とは、サイズが1〜100nmであるものである。また、ナノ結晶の形状にはロッド状、球状、テトラポッド状が含まれる。具体的な材料としてはInP、InAs、GaP、GaAs等のIII−V族化合物半導体結晶、CdSe、CdS、CdTe、ZnS等のII−VI族化合物半導体結晶、ZnO、SiO、TiO、Al等の酸化物半導体結晶、CuInSe、CuInS等を挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0028】
ここで、請求項1の発明では、活性層3中の化合物半導体粒子4を、図2(a)に示すように、平行に対向する正極1と負極2の各電極面と略直交する方向に列状に凝集させて設けるようにしてある。このように活性層3中の化合物半導体粒子4が正極1と負極2の各電極面と略直交する方向に列状に連なるように凝集していることによって、活性層3で発生した電子が化合物半導体粒子4に捕捉されると、化合物半導体粒子4の列に沿って短距離で負極2の電極に到達し、より変換効率に優れた有機太陽電池を作製することが可能になるものである。
【0029】
この化合物半導体粒子4としては、球状又はロッド状(棒状)のものが好ましい。化合物半導体粒子4が球状又はロッド状であれば、化合物半導体粒子4を正極1と負極2の各電極面と略直交する方向に列状に凝集させ易くなるものである。
【0030】
また請求項3の発明では、化合物半導体粒子4としてロッド状(棒状)のものを用い、活性層3中の化合物半導体粒子4を、図2(b)に示すように、平行に対向する正極1と負極2の各電極面と略直交する方向に長手方向が向くように配向させて設けるようにしてある。このように活性層3中の化合物半導体粒子4が正極1と負極2の各電極面と略直交する方向に配向していることによって、活性層3で発生した電子が化合物半導体粒子4に捕捉されると、その配向の方向に沿って障害なく負極2の電極に到達し、より変換効率に優れた有機太陽電池を作製することが可能になるものである。
【0031】
ここで、粒子を列状に凝集させたり、ロッド状の粒子を配向させたりするにあたっては、液体中に誘電体粒子を分散させたものに強い電場を印加させることによって行なうことができる。この現象は電気粘性流体として知られているものであり、電場を印加することによって粒子に分極が起こり、その静電作用によって列上に凝集したり、配向したりするものである。
【0032】
そして本発明の場合は、液状の導電性有機化合物5に電子供与性有機物と共に誘電体粒子である化合物半導体粒子4を分散し、これに図3(a)や図4(a)のように電場を印加する。このとき、正極1や負極2の電極面と直交する方向に電気力線が作用するように、電極13,13を配置して電場を印加するものであり、図3(b)のように化合物半導体粒子4はこの電気力線に沿って列状に凝集し、あるいは図4(b)のようにロッド状の化合物半導体粒子4はこの電気力線に沿った方向に配向し、化合物半導体粒子4を正極1や負極2の電極面と略直交する方向に列状に凝集乃至配向させることができるのである。この後、導電性有機化合物5を固化させることによって、このように化合物半導体粒子4を凝集乃至配向させた状態で固定して、活性層3を作製することができるものである。
【0033】
ここで、上記の導電性有機化合物としては、特に限定されるものではないが、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリアニリンやこれらの誘導体などを挙げることができる。そしてこれらの導電性有機化合物をケトン類、アルコール類、芳香族類などの有機溶媒や水に溶解することによって、液状にして使用することができるが、加熱することによって流動性を持つようにしてもよい。またこの液状の導電性有機化合物を固化させる方法としては、溶媒を減圧や加熱などによって除去する方法や、冷却により流動性を低下させる方法、重合により分子量を上げて流動性を低下させる方法などがあるが、これらに限定されるものではない。また、電場を印加する方法としては、上記の図3、図4のように電場を形成する2枚の電極13,13の間に素子を入れる方法の他、有機太陽電池を製作する際の正極1と負極2の一方を電場印加用の電極として利用して、これと電極13との間に電圧を印加するようにしてもよい。勿論これらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0035】
(実施例1)
厚み0.7mmのガラス基板10上に、ITO(インジウム−スズ酸化物)をスパッタしてシート抵抗7Ω/□の正極1を形成したITOガラスを用いた。そしてまずこれをアセトン、メタノール、イソプロピルアルコールで各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
【0036】
次にこのITOガラス基板の正極1の上に、ポリエチレンジオキサイドチオフェンをスピンコート法により100nmの厚みに製膜し、正孔輸送層11を形成した。
【0037】
次に、ポリ(3−アルキルチオフェン)と平均粒径10nmの球状InP粒子との混合物(質量比率1:9)をピリジン−クロロフォルム溶液に分散させ、これを正孔輸送層11の上にスピンコート法で塗布した。そして直ちにこれを2枚の電極13,13の間に図5のようにセットし、2kV/mmの電圧を印加して電場を作用させることによって、InP粒子を正極1と直交する方向に凝集させて列状に配列させた。次に、乾燥して溶剤を除去することによって固化し、厚み100nmの活性層3を正孔輸送層11の上に形成した。
【0038】
この後、活性層3の上に膜厚100nmのアルミニウムを真空蒸着法で設けて負極2を形成し、図1のような構成の有機太陽電池を得た。
【0039】
(比較例1)
スピンコートの後に電場を印加しないようにした他は、実施例1と同様にして有機太陽電池を作製した。
【0040】
(実施例2)
実施例1と同じITOガラスを用い、実施例1と同様にしてITOガラス基板の正極1の上に正孔輸送層11を形成した。
【0041】
次に、ポリ(3−アルキルチオフェン)と直径7nm×長さ60nmのロッド形状のInP粒子との混合物(質量比率1:9)をピリジン−クロロフォルム溶液に分散させ、これを正孔輸送層11の上にスピンコート法で塗布した。そして直ちにこれを2枚の電極13,13の間に図5のようにセットし、2kV/mmの電圧を印加して電場を作用させることによって、ロッド状InP粒子を正極1と直交する方向に配向させた。次に、乾燥して溶剤を除去することによって固化し、厚み100nmの活性層3を正孔輸送層11の上に形成した。
【0042】
この後、活性層3の上に実施例1と同様にして負極2を形成し、図1のような構成の有機太陽電池を得た。
【0043】
(比較例2)
スピンコートの後に電場を印加しないようにした他は、実施例2と同様にして有機太陽電池を作製した。
【0044】
上記の実施例1〜実施例2及び比較例1〜比較例2で作製した有機太陽電池を電源(KEYTHLEY236モデル)に接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレーター(山下電装社製)を用いて、有機太陽電池の変換効率を測定した。そして測定結果を、比較例2の値を「1.00」とした相対値で表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004207401
【0046】
表1にみられるように、電場を印加して活性層内の化合物半導体粒子を列状に凝集させた実施例1や、化合物半導体粒子を配向させた実施例2のものでは、電場を印加せず化合物半導体粒子を列状に凝集させたり配向させたりしない比較例1,2のものよりも、変換効率が向上していることが確認される。
【0047】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る有機太陽電池は、電子供与性有機化合物と化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池において、化合物半導体粒子を正極と負極の間に、これらの各電極面と略直交する方向に凝集させて列状に設けるようにしたので、化合物半導体粒子に捕捉された電子は化合物半導体粒子の列に沿って短距離で負極の電極に到達するものであり、より変換効率に優れた有機太陽電池を作製することが可能になるものである。
【0048】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記化合物半導体粒子は球状又はロッド状であるので、化合物半導体粒子を正極と負極の各電極面と略直交する方向に列状に凝集させることが容易になるものである。
【0049】
本発明の請求項3に係る有機太陽電池は、電子供与性有機化合物とロッド状の化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池において、ロッド状の化合物半導体粒子を正極と負極の間に、これらの各電極面と略直交する方向に配向させて設けるようにしたので、化合物半導体粒子に捕捉された電子は化合物半導体粒子の配列方向に沿って障害なく負極の電極に到達するものであり、より変換効率に優れた有機太陽電池を作製することが可能になるものである。
【0050】
本発明の請求項4に係る有機太陽電池の製造方法は、上記の請求項1乃至3のいずれかに記載の有機太陽電池を製造するにあたって、化合物半導体粒子を分散した液状導電性有機化合物に電場を印加することによって、化合物半導体粒子を正極と負極の各電極面と略直交する方向に列状に凝集乃至配向させ、次いで導電性有機化合物を固化させる工程を有するものであり、電場の印加という工程によって、化合物半導体粒子を列状に凝集乃至配向させた活性層を容易に形成することができ、化合物半導体粒子を正極と負極の各電極面と略直交する方向に列状に凝集乃至配向させた活性層を有する有機太陽電池を容易に製作することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】同上の活性層の構成の例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ拡大した断面図である。
【図3】同上の活性層の製造の工程の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ拡大した断面図である。
【図4】同上の活性層の製造の工程の他の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ拡大した断面図である。
【図5】実施例における活性層の製造の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 活性層
4 化合物半導体粒子
5 導電性化合物

Claims (4)

  1. 電子供与性有機化合物と化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池において、化合物半導体粒子が正極と負極の間に、これらの各電極面と略直交する方向に凝集して列状に設けられていることを特徴とする有機太陽電池。
  2. 前記化合物半導体粒子は球状又はロッド状であることを特徴とする請求項1に記載の有機太陽電池。
  3. 電子供与性有機化合物とロッド状の化合物半導体粒子を含有する活性層を、正極と負極の間に設けて形成される有機太陽電池において、ロッド状の化合物半導体粒子が正極と負極の間に、これらの各電極面と略直交する方向に配向して設けられていることを特徴とする有機太陽電池。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の有機太陽電池を製造するにあたって、化合物半導体粒子を分散した液状導電性有機化合物に電場を印加することによって、化合物半導体粒子を正極と負極の各電極面と略直交する方向に列状に凝集乃至配向させ、次いで導電性有機化合物を固化させる工程を有することを特徴とする有機太陽電池の製造方法。
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