JP2006332380A - 有機太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

有機太陽電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発電効率を向上することができ、且つ前記光電変換層を塗布法にて容易に形成することができる有機太陽電池の製造を提供する。
【解決手段】基板1の片面に第一電極2、有機半導体にて構成される光電変換層3、第二電極4をこの順に積層成形することで基板1とその片面に設けられた光電変換素子5とで構成される二つの太陽電池ブロック6を作製するブロック作製工程を含む。前記二つの太陽電池ブロック6を光電変換素子5が設けられた面同士を対向させて接合する接合工程とを含む。これにより、ブロック作製工程において各太陽電池ブロック6に別個に形成された光電変換層3を、接合工程により有機太陽電池における入射光の入射側と背面側とに配置することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子供与性の材料又は電子受容性の材料を含有する有機半導体を光電変換層とする有機太陽電池及びその製造方法に関するものである。
近時、産業の発展に伴いエネルギーの使用量が飛躍的に増加している。その中で地球環境に負荷を与えない、経済的で高性能な新しいクリーンエネルギーの生産技術の開発が求められている。太陽電池は無限にあるといって良い太陽光を利用することから新しいエネルギー源として注目されている。
現在実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いた無機太陽電池である。しかし、これら無機シリコン系太陽電池は、その製造プロセスが複雑でコストが高いという欠点を持ち合わせているため、広く一般家庭に普及するには至っていない。
このような欠点を解消するために、簡単なプロセスで低コスト、大面積化が可能な有機材料を用いた有機太陽電池の研究が盛んになってきている。このような有機太陽電池としては、大きく分類すると、ポーラスTiO2上に色素を担持させて、これに電解質を満たした色素増感型、固体有機薄膜と金属薄膜とに生じるショットキー障壁を利用するショットキー障壁型、P型有機半導体薄膜とN型有機半導体薄膜を積層したバイレイヤPN接合型、P型有機半導体材料(ドナー材料)とN型半導体材料(アクセプタ材料)を溶媒に溶かして溶液状態でブレンド液を調製し塗布するバルクヘテロジャンクション型等がある(特許文献1,2参照)。
このうち色素増感型は既に変換効率が10%を超えているが、液体電解質を用いており信頼性が低いこと、高効率を得るためにルテニウム色素、白金電極等の高価な材料が必要で低コスト化が難しいこと、安価な材料に変更するとエネルギー効率が低下することなどの問題点がある。
一方で、全固体のポリマー型有機半導体を用いるタイプでは塗布法により安価に製造できる可能性があり、特に導電性高分子とフラーレン誘導体をブレンドしてなるバルクジャンクション型有機太陽電池は変換効率が3〜5%を超え、低コストで高効率を得る可能性がある太陽電池として開発が活発に行われている。この例では、アクセプタとしてフラーレン誘導体、ドナーとして導電性高分子がそれぞれ機能している。この構造ではナノサイズのフラーレンが膜全体に亘って均一に分散しているため、膜全体にエキシトンが電荷分離を起こすPN接合部が分散していることになる。これによってポリマー中のエキシトンの移動距離が短くても、エキシトンの移動距離内に必ずPN接合部が存在するため、エキシトンの消滅を軽減することができる。接合部で電荷分離を起こした後は、エネルギー準位に従い電子はフラーレン誘導体へ移動し、フラーレン間をホッピング伝導して負極まで到達する。一方、正孔はポリマー中を伝導し、正極に達する。
特開2004−207401号公報 特開平8−222281号公報
しかし、このようなポリマー型有機半導体を用いるタイプでは、有機半導体材料中においてはキャリア、すなわち電子や正孔を輸送可能な距離は現状では約100nm程度であり、この厚みが厚すぎると電子や正孔が電極まで到達できず、再結合により消滅する確率が増大して、発電効率が低下してしまう。一方、膜厚が薄くなりすぎると吸光量が不足し、やはり高い発電効率は望めなくなってしまう。このように従来の有機太陽電池には、キャリア輸送能力が低いために膜厚を大きくすることができず、光吸収量が不足するという問題がある。
このような問題を解決するための手段の一つとしては、有機半導体材料の移動度やキャリア寿命を高めることが考えられるが、これには多大な開発期間を要することが予測される。
またもう一つの手段として、複数の光電変換層を0.5nmから5nm程度の金属層を介して積層する取り組み(A.Yakimov and S.R.Forrest,Appl.Phys.Lett.80,1667(2002))が検討されている。
しかし、この手法では真空蒸着法により光電変換層の成膜を行うものであり、塗布法により安価且つ容易に製造することが困難であるという問題がある。すなわち、一般に塗布法は有機半導体を有機溶媒で希釈するので、光電変換層の上に他の光電変換層を形成して前記のような積層構造を構成しようとしても下側の光電変換層が上の光電変換層を形成するための有機溶媒に溶解してしまい、下側の光電変換層の構造が破壊されたりその機能が劣化したりして理想的な構造が構成できないおそれがある。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、発電効率を向上することができ、且つ前記光電変換層を塗布法にて容易に形成することができる有機太陽電池の製造方法及び有機太陽電池を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機太陽電池の製造方法は、基板1の片面に第一電極2、有機半導体にて構成される光電変換層3、第二電極4をこの順に積層成形することで基板1とその片面に設けられた光電変換素子5とで構成される太陽電池ブロック6を作製するブロック作製工程と、二つの前記太陽電池ブロック6を光電変換素子5が設けられた面同士を対向させて接合する接合工程とを含むことを特徴とするものである。これにより、ブロック作製工程において各太陽電池ブロック6に別個に形成された光電変換層3を、接合工程により有機太陽電池における入射光の入射側と背面側とに配置することができる。
この有機太陽電池の製造方法においては、上記ブロック作製工程において基板1の片面に光電変換素子5に導通する引出電極7を形成し、上記接合工程において二つの太陽電池ブロック6の引出電極7同士を接触させて導通させるようにしても良い。この場合、二つの太陽電池ブロック6間で引出電極7を介して光電変換素子5を導通させることができ、有機太陽電池の開放端電圧を向上することができる。
また、上記ブロック作製工程において二つの太陽電池ブロック6の基板1のうち少なくとも一方を熱融着性を有するフレキシブルな材料にて形成し、上記接合工程において前記基板1を加熱することで基板1同士を融着することにより二つの太陽電池ブロック6を接合しても良い。このようにすると、太陽電池ブロック6同士の接合を容易に行うことができ、またフレキシブルな基板1をロールトゥロール工法により搬送しながら光電変換素子5の形成と基板1の接合を行うことも可能となって製造効率が向上する。更に、二つの太陽電池ブロック6同士を接合する際に、剛性の高い基板1では一度に全ての面を接合しなければならないために一回の位置合わせで接合を行わなければならず、位置合わせの基準位置から離れるほど位置ずれが発生するおそれが高くなるのに対し、フレキシブルな基板1はこれを撓らせながらその一方の端から順に接合することができ、位置合わせを順次行いながら接合を行うことが可能となって、位置ずれの発生を抑制することができる。
また、上記ブロック作製工程において、光電変換層3を電子供与性材料又は電子受容性材料を含有する有機半導体の溶液を塗布成膜することにより形成することができる。これにより、光電変換層3を塗布法により安価且つ容易に形成することができる。
本発明によれば、入射光の入射側と背面側とにそれぞれ光電変換層を備える有機太陽電池を得ることができて、これにより光電変換層の厚みを増大させることなく、入射光に対する発電効率を向上することができるものであり、しかも、前記光電変換層は各太陽電池ブロックに別個に形成されたものであるから光電変換層を塗布法にて形成する場合に他の光電変換層に溶剤が作用することがなく、溶剤により光電変換層の構造が破壊されたり機能が低下したりすることを防止することができ、光電変換層を塗布法により安価且つ容易に形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明にて提供される有機太陽電池は、入射光の入射側に配置される入射側ブロック6aと、前記入射側とは反対側に配置される背面側ブロック6bの二つの太陽電池ブロック6から構成される。各太陽電池ブロック6は、基板1の片面に第一電極2、光電変換層3、第二電極4がこの順に積層して構成される光電変換素子5が形成されており、この各太陽電池ブロック6が光電変換素子5が形成されている面を対向させて接合して構成されている。
まず本発明の第一の実施の形態について、図1を示して説明する。
上記各太陽電池ブロック6を形成するブロック作製工程においては、基板1(1a,1b)の片面に第一電極2(2a,2b)、光電変換層3(3a,3b)、第二電極4(4a,4b)を順次積層させて形成する。
入射側ブロック6aについては、基板1aは、絶縁性を有し、可視光を透過するものが用いられるものであり、無色透明のほか、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであっても良いが、特に400〜800nmの波長域の光の透過率が80%以上のものが好ましい。具体的な材料としてはソーダライムガラス、無アルカリガラス、各種透明プラスチック(PE、PP、PS、AS、ABS、PMMA、PVC、PA、POM、PBT、PC、PES等)などを挙げることができる。
この入射側ブロック6aの基板1aに形成される第一電極2aは正極又は負極として機能するものであり、導電性を有し、可視光を透過するものを形成するものであり、良好な太陽電池特性を有するためにはシート抵抗が20Ω/□以下であることが好ましく、また400〜800nmの波長域の光の透過率が80%以上であることが好ましい。またこの第一電極2aを正極として形成する場合には、正孔を効率良く収集するために仕事関数が大きいものであることが好ましく、特に仕事関数が4.9〜5.1eVの範囲のものが好ましい。このような第一電極2aの具体的な材料としては、例えばITO(インジウム錫酸化物)、AZO、GZO等の導電性透明材料が挙げられる。この第一の透明電極の膜厚は特に制限されないが、良好な導電性と光透過性を確保するためには50〜200nmの範囲であることが好ましい。
このような第一電極2aは、例えば上記のような電極材料を基板1aの表面に物理的気相蒸着法や塗布法等により成膜して形成することができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スピンコート法、印刷法等の方法で薄膜に形成することによって作製することができる。
入射側ブロック6aにおける光電変換層3aは、電子供与性材料(ドナー材料)と電子受容性材料(アクセプタ材料)とを含むものであり、そのうちの少なくとも一方は有機半導体から構成される。
電子受容性材料としては、化合物半導体粒子を挙げることができ、特に化合物半導体ナノ結晶を用いることができる。ここで、ナノ結晶とは、サイズが1〜100nmのものである。また、ナノ結晶の形状にはロッド状、球状、テトラポット状が含まれる。具体的な材料としてはInP、InAs、GaP、GaAs等のIII〜V族化合物半導体結晶、CaSe、CdS、CdTe、ZnS等のIII〜V族化合物半導体結晶等を挙げることができる。また、フラーレン、フラーレン誘導体等も用いることができる。
また、電子供与性材料としては、π共役型ポリマー等が好ましく、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリアニリン等を主骨格にもつものが正孔伝導性の面で好ましい。このような電子供与性材料としては、例えばフタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物や、また有機電子写真感光体に用いられる電荷移動剤、電気伝導性有機電荷移動錯体などを挙げることができ、更には導電性高分子を挙げることができる。
このような電子供与性材料と電子受容性材料にて光電変換層3aを形成するにあたっては、物理的気相蒸着法や塗布法等により成膜して形成することができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スピンコート法、印刷法等の方法で薄膜に形成することによって作製することができる。特に本発明では塗布法により光電変換層3aを形成することが好ましい。この場合の電子供与性材料と電子受容性材料としては上記のようなものを用いることができるが、溶媒に溶解或いは分散するものであれば特に限定されない。この溶媒としては、クロロホルム、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、トルエン等の極性溶媒を用いることができる。そして、第一電極2aの上に電子供与性材料と電子受容性材料を含有する溶液を塗布し、加熱乾燥等により溶媒を除去することによって光電変換層3aを形成することができる。
この光電変換層3aの厚みは適宜設定されるものであるが、良好な発電効率を維持するためには、光電変換層3aの組成にもよるが50〜100nmの範囲とすることが好ましい。
また、第二電極4aは、本実施形態では後述する背面側ブロック6bにおける第二電極4bと一体となって、入射側ブロック6aにおける光電変換層3aと背面側ブロック6bにおける光電変換層3bからそれぞれ供給される電子と正孔とを結合させて二つの光電変換層3a,3bを導通させるキャリア再結合層として機能するものであり、導電性を有し、且つ可視光を透過するものを形成することが好ましい。特に400〜800nmの波長域の光の透過率が80%以上のものであることが望ましい。このような第二電極4aの具体的な材料としては、Ag、Al、Ca、Mg、Cu、Pt、Au等を挙げることができる。また良好な光透過性を確保するためには第二電極4aの膜厚を0.5〜5nmの範囲に形成することが好ましい。この第二電極4aは、例えばこれらの電極材料を用い、物理蒸着法による成膜や、電極材料を溶剤に分散させて塗布成膜することなどにより形成することができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スピンコート法、印刷法等の適宜の手法で形成することができる。
このような入射側ブロック6aにおける第一電極2a、光電変換層3a及び第二電極4aから構成される光電変換素子5aは、基材に一つだけ形成するほか、複数の光電変換素子5aを形成するようにしても良く、本実施形態では二つの光電変換素子5aを形成している。
また、背面側ブロック6bの基板1bは絶縁性を有するものであれば良く、具体的な材質としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、各種プラスチック(PE、PP、PS、AS、ABS、PMMA、PVC、PA、POM、PBT、PC、PES等)、表面に絶縁被覆を施したアルミニウム箔、ステンレス箔等のフィルム状の金属などを挙げることができる。
この背面側ブロック6bに形成される第一電極2bは、導電性が良好な材質にて形成するものであり、特に良好な太陽電池特性を得るためにはシート抵抗が20Ω/□以下であることが好ましい。またこの第一電極2bを負極として形成する場合には、電子を効率良く収集するために仕事関数が小さいものであることが好ましく、特に仕事関数が3〜4.5eVの範囲のものが望ましい。このような第一電極2bの具体的な材料としては、Al、Ca、Mg、Ag、Cu、Pt等を挙げることができる。
このような第一電極2bは、例えば上記のような電極材料を基板1bの表面に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スピンコート法、印刷法等の方法で薄膜に形成することによって作製することができる。この第一の透明電極の膜厚は特に制限されないが、良好な導電性を確保するためには100nm程度とすることが好ましい。
背面側ブロック6bにおける光電変換層3bは、上記の入射側ブロック6aにおける光電変換層3aと同様のものを同様の手法により形成することができる。
また、第二電極4bは、入射側ブロック6aにおけるものと同様に良好な導電性を有し、且つ可視光を透過するものを形成することが好ましく、特に400〜800nmの波長域の光の透過率が80%以上のものであることが望ましい。このような第二電極4bの材料としては適宜の導電性材料を用いることができるが、例えば入射側ブロック6aの第二電極4aと同様の材料にて形成することができる。このとき良好な光透過性を確保するためには膜厚を0.5〜5nmの範囲に形成することが好ましい。この第二電極4bは、例えばこれらの電極材料を用い、物理蒸着法による成膜や、電極材料を溶剤に分散させて塗布成膜することなどにより形成することができ、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、スピンコート法、印刷法等の適宜の手法で形成することができる。
このような背面側ブロック6bにおける第一電極2b、光電変換層3b及び第二電極4bから構成される光電変換素子5bは、基板1bに一つだけ形成するほか、複数の光電変換素子5bを配列して形成するようにしても良く、本実施形態では二つの光電変換素子5bを形成している。
また、上記のように太陽電池ブロック6を形成する際に、各太陽電池ブロック6に、太陽電池ブロック6間で対向し合わない光電変換素子5同士を導通させる引出電極7や、外部接続端子8を形成しても良い。本実施形態では各太陽電池ブロック6に形成される二つの光電変換素子5のうち一方に引出電極7を接続して形成し、他方に外部接続端子8を接続して形成している。
引出電極7は適宜の手法で形成することができるが、本実施形態では第一電極2を形成した後に、基板1上に引出電極7を前記第一電極2と接続するように形成している。このとき例えば第一電極2を形成する際に、その面積を、光電変換素子5や第二電極4の面積よりも大きくなるように形成することで、この第一電極2における光電変換素子5や第二電極4が積層されない領域を、引出電極7との接続端子10として形成する。そして、第一電極2を形成した後、或いは更に光電変換層3(或いは更に第二電極4)を形成した後に、基板1における光電変換素子5が形成されていない領域に引出電極7を形成すると共に、この引出電極7の一部を前記接続端子10と接触させて導通させるものである。図示の例では引出電極7は第一電極2の厚みよりも厚く形成され、その一部が第一電極2の接続端子10と接触するように積層して形成されることで、引出電極7と第一電極2とが導通しているものである。このようにして引出電極7を形成すると、引出電極7は光電変換素子5の第一電極2から引き出されて基板1表面上に露出するように形成される。この引出電極7の厚みは適宜設定されるものであるが、基板1からの引出電極7の突出寸法が光電変換素子5の基板1からの突出寸法と略同一となるようにすることが好ましく、また引出電極7が僅かに光電変換素子5よりも突出するなど突出寸法に僅かな相違が生じていても良い。
また、外部接続端子8も適宜の手法で形成することができるが、例えば第一電極2を形成する際に、この第一電極2を形成する場合と同様の手法により、第一電極2と外部接続端子8とが一体となった導体膜を形成することができる。このとき、前記導体膜における光電変換層3及び第二電極4が積層される領域が第一電極2として形成され、それ以外の領域が外部接続端子8として形成されるものであり、この外部接続端子8は光電変換素子5の第一電極2から引き出されて基板1の表面上に露出するように形成される。
次に、このように形成された各太陽電池ブロック6a,6bを、接合工程において光電変換層3a,3bが形成されている面同士を対向させて接合すると共に各太陽電池ブロック6a,6bの第二電極4同士を電気的に接続して、有機太陽電池を得る。
この接合に際しては、各太陽電池ブロック6a,6bの光電変換素子5a,5bの第二電極4a,4b同士が対向すると共に、各太陽電池ブロック6a,6bの引出電極7同士も対向するように配置する。このとき各太陽電池ブロック6a,6bにおける引出電極7に接続されている光電変換素子5a,5b同士は対向し合わないように配置する。また、各基板1における外部接続端子8が形成されている部位は他の基板1よりも外方に突出して外部接続端子8が外部に露出するようにしている。
そして、各太陽電池ブロック6a,6b間における対向する第二電極4a,4b間及び対向する引出電極7,7間を除く領域にエポキシ系等の適宜の接着剤13を介在させ、前記第二電極4a,4b間及び引出電極7,7間を密接させた状態で前記接着剤13により各太陽電池ブロック6a,6b同士を接合する。このとき基板1からの光電変換素子5の引出電極7の突出寸法に僅かな違いが生じていても、各太陽電池ブロック6a,6bを構成する部材自体の厚みがごく薄ければ、これらの部材が僅かに変形するだけで第二電極4a,4b間及び引出電極7,7間がそれぞれ密接されることとなる。これにより有機太陽電池が得られる。
また、各太陽電池ブロック6a,6bにおける基板1a,1bの少なくとも一方として、熱融着性を有するフレキシブルな材料からなる熱融着性のものを用いると、上記のように接着剤13を介在させることなく太陽電池ブロック6a,6b同士を位置合わせして対向させて配置し、第二電極4a,4b間及び引出電極7,7間を密接させた状態で基板1a,1b同士を加熱融着させることで各太陽電池ブロック6a,6b同士を接合し、これにより有機太陽電池を得ることもできる。この熱融着過程においては基板1がフレキシブルに変形可能なことから、光電変換素子5や引出電極7が基板1から突出していても基板1が変形して基板1の露出面同士が密着し、熱融着させることができる。
上記フレキシブルな材料としては、シート状の各種透明プラスチック(PE、PP、PS、AS、ABS、PMMA、PVC、PA、POM、PBT、PC、PES等)や、アルミニウム箔、ステンレス箔等のフィルム状の金属などを挙げることができる。このとき、熱融着性を有しない透明プラスチックを用いる場合やフィルム状の金属などのようにそれ自体熱融着性を有しない材料や導電性材料からなるものを用いる場合には、これらの表面に熱可塑性樹脂(PE、PP、PS、AS、ABS、PMMA、PVC、PA、POM、PBT、PC、PES等)等からなる熱融着性の層を形成して熱融着性を付与したり絶縁性を確保したりすることができる。
また、基板1としてフレキシブルな材料を用いる場合には、基板1からの光電変換素子5と引出電極7の突出高さに相違があっても基板1が変形することにより光電変換素子5a,5b同士と引出電極7,7同士をそれぞれ密接させることができる。
例えば図2に示すものでは、第一電極2を形成する際に、第一電極2を形成する場合と同様の手法により、第一電極2と引出電極7とが一体となった導体膜を形成したものである。このとき、前記導体膜における光電変換層3及び第二電極4が積層される領域が第一電極2として形成され、それ以外の領域が引出電極7として形成されるものであり、この引出電極7は光電変換素子5の第一電極2から引き出されて基板1表面上に露出するように形成される。このように第一電極2の突出寸法が光電変換素子5の突出寸法よりも小さく形成される場合でも、基板1としてフレキシブルな材料を用いれば、太陽電池ブロック6a,6b同士を接合する際に基板1の変形により光電変換素子5a,5b同士と引出電極7,7同士をそれぞれ密接させて導通させることができるものである。
ここで、上記の例では入射側ブロック6aにおける第一電極2aを透明電極からなる正極として形成し、背面側ブロック6bにおける第一電極2bを負極として形成したが、入射側ブロック6aにおける第一電極2aを透明電極からなる負極として、背面側ブロック6bにおける第一電極2bを正極として形成しても良い。また、公知の有機太陽電池の構成と同様に、光電変換層3とこれに積層される各電極2,4との間には、光電変換層3の正極側に正孔輸送層を形成したり、光電変換層3の負極側に電子輸送層を形成したりしても良い。
このようにして形成される有機太陽電池は、入射光の入射側には入射側ブロック6aにおける光電変換素子5aが、背面側には背面側ブロック6bにおける光電変換素子5bがそれぞれ形成されることとなるため、入射側ブロック6aの基板1aから光が入射された場合、この光は入射側ブロック6aの光電変換層3aに到達した後、第二電極4a,4bを透過して背面側ブロック6bの光電変換層3bへと到達することとなる。このため、光電変換層3自体の光電変換効率を向上させたり光電変換層3の厚みを大きくしたりすることなく、入射光に対する発電効率が高くなるものである。
また、本実施形態では各太陽電池ブロック6a,6bの光電変換素子5a,5bは各第二電極4a,4b同士が導通されていることにより直列に接続された状態となっているため、有機太陽電池の開放端電圧が向上されるものである。
また、上記のような引出電極7を設けて、この各太陽電池ブロック6a,6bにおける引出電極7,7同士を導通させると、各太陽電池ブロック6a,6bにおける互いに積層されていない光電変換素子5a,5bの第一電極2a,2b同士が引出電極7を介して導通し、この光電変換素子5a,5b同士が直列に接続されることとなる。このことによっても有機太陽電池の開放端電圧が向上されるものである。
ここで、本実施形態では、積層して形成された光電変換素子5a,5b同士が第二電極4a,4bを介して直列に接続されていると共に、この直列に接続された二組の光電変換素子5が更に引出電極7を介して直列に接続され、この直列に接続された四個の光電変換素子5のうちの両端の各光電変換素子5に外部接続端子8が接続されている。これにより直列に接続された四個の太陽電池から外部に電力を供給することができる。また、各太陽電池ブロック6a,6bに適宜複数の光電変換素子5を形成し、各太陽電池ブロック6a,6bの光電変換素子5a,5b同士を対向させて第二電極4a,4bを介して接続すると共に、引出電極7を介して各太陽電池ブロック6a,6bにおける光電変換素子5a,5b間を順次接続することで、適宜の個数の光電変換素子5を順次直列に接続することもできる。これにより更なる開放端電圧の向上を図ることもできるものである。この場合も、直列に接続された両端の光電変換素子5に外部接続端子8を接続して形成し、外部に電力を供給することができる。
次に、本発明の第二の実施形態について、図3を示して説明する。
本実施形態における、各太陽電池ブロック6a,6bを形成する工程においては、基板1aの片面に第一電極2a、光電変換層3a、第二電極4aを順次積層させて形成する。
まず、入射側ブロック6aの基板1aは、絶縁性を有し、可視光を透過するものが用いられるものであり、上記第一の実施形態と同様のものを用いることができるが、本実施形態では更にフレキシブルな熱溶着性のものが用いられる。
この入射側ブロック6aの基板1aに形成される第一電極2aは、第一の実施形態の場合と同様に導電性を有し、可視光を透過するものを形成するものである。また、第一電極2aを正極として形成する場合には、正孔を効率良く収集するために仕事関数が大きいものであることが好ましく、特に仕事関数が4.9〜5.1eVの範囲のものが好ましい。
また第一電極2aと同時に、入射側ブロック6aにおける光電変換素子5a,5a同士を導通させるブロック内導通電極9と、太陽電池ブロック6a,6b間で光電変換素子5a,5b同士を導通させる引出電極7と、外部接続端子8とを形成する。本実施形態では第一電極2aと外部接続端子8とが一体となった導電膜と、第一電極2aとブロック内導通電極9とが一体となった導電膜と、引出電極7のみを構成する導電膜とを形成している。
これらの導体膜は、上記第一の実施形態における入射側ブロック6aの第一電極2aの場合と同様の材料及び同様の手法にて形成することができる。
光電変換層3aも、上記第一の実施形態におけるものと同様の材料及び同様の手法にて形成することができる。このとき光電変換層3aは第一電極2aに積層して形成し、ブロック内導通電極9、外部接続端子8及び引出電極7を基板1aの片面に露出させるようにする。またこの光電変換層3aはその一部が第一電極2aからはみ出すように形成し、前記一部を基板1a上面に直接積層する接続部11として形成する。
また、第二電極4aは、第一の実施形態の場合と同様に導電性を有し、可視光を透過するものを形成するものであり、また、上記のように第一電極2aを正極として形成する場合には、第二電極4aは負極として形成され、この場合は電子を効率良く収集するために仕事関数が小さいものであることが好ましく、特にこの仕事関数が3〜4.5eVの範囲であることが好ましい。具体的には第一の実施形態における第二電極4aの場合と同様のものを同様の手法により形成することができる。
このとき第二電極4aは、この第二電極4aと積層されていない導電膜と接触するように形成することで、入射側ブロック6aにおける光電変換素子5と外部接続端子8と引出電極7とを導通させるように形成する。図示の例では二つの光電変換素子5a,5aのうち外部接続端子8と一体となった第一電極2aを有するものでは、第二電極4aは光電変換層3aに積層して設けると共に、この光電変換層3aの接続部11の表面から基板1aの表面に至り、ブロック内導通電極9と接触して導通するように形成する。また、前記ブロック内導通電極9と一体となった第一電極2aを有する光電変換素子5では、第二電極4は光電変換層3aに積層して設けると共に、この光電変換層3aの接続部11の表面から基板1aの表面に至り、引出電極7と接触して導通するように形成する。
また、背面側ブロック6bの基板1bは絶縁性を有するものであれば良く、第一の実施形態の場合と同様のものにて形成することができるが、本実施形態では更にフレキシブルな熱溶着性のものが用いられる。
この背面側ブロック6bに形成される第一電極2bは、上記第一の実施形態の場合と同様に導電性が良好な材質にて形成するものであり、またこの第一電極2bを負極として形成する場合には、電子を効率良く収集するために仕事関数が小さいものであることが好ましい。
また第一電極2bと同時に、背面側ブロック6bにおける光電変換素子5b,5b同士を導通させるブロック内導通電極9と、太陽電池ブロック6a,6b間で光電変換素子5a,5b同士を導通させる引出電極7と、外部接続端子8とを形成する。本実施形態では第一電極2bと引出電極7とが一体となった導電膜と、第一電極2bとブロック内導通電極9とが一体となった導電膜と、外部接続端子8のみを構成する導電膜とを形成している。
これらの導体膜は、上記第一の実施形態での背面側ブロック6bの第一電極2bと同様の材料及び同様の手法にて形成することができる。
光電変換層3bは、上記第一の実施形態におけるものと同様の材料及び同様の手法にて形成することができる。このとき光電変換層3bは第一電極2bに積層して形成し、ブロック内導通電極9、外部接続端子8及び引出電極7を基板1bの片面に露出させるようにする。またこの光電変換層3bはその一部が第一電極2bからはみ出すように形成し、前記一部を基板1b上面に直接積層する接続部11として形成する。
また、第二電極4bは、本実施形態の入射側ブロック6aにおける第一電極2aと同様に導電性を有し、可視光を透過するものを形成するものであり、またこの第二電極4bを正極として形成する場合には、正孔を効率良く収集するために仕事関数が大きいものであることが好ましい。具体的には前記入射側ブロック6aの第一電極2aと同様の材料にて同様の手法で形成することができる。
このとき第二電極4bは、この第二電極4bと積層されていない導電膜と接触するように形成することで、背面側ブロック6bにおける光電変換素子5bと外部接続端子8と引出電極7とを導通させるように形成する。図示の例では二つの光電変換素子5b,5bのうち引出電極7と一体となった第一電極2bを有するものでは、第二電極4bは光電変換層3bに積層して設けると共に、この光電変換層3bの接続部11の表面から基板1bの表面に至り、ブロック内導通電極9と接触して導通するように形成する。また、前記ブロック内導通電極9と一体となった第一電極2bを有する光電変換素子5bでは、第二電極4bは光電変換層3bに積層して設けると共に、この光電変換層3bの接続部11の表面から基板1bの表面に至り、外部接続端子8と接触して導通するように形成する。
次に、このように形成された各太陽電池ブロック6a,6bを、接合工程において光電変換層3が形成されている面同士を対向させて接合して、有機太陽電池を得る。
この接合に際しては、各太陽電池ブロック6a,6bの引出電極7,7同士が対向するように配置すると共に、各太陽電池ブロック6a,6b間に適宜の透明樹脂フィルム等からなる絶縁性の透明保護層12を配置して、この透明保護層12により太陽電池ブロック6の光電変換素子5及びブロック内導通電極9を他の太陽電池ブロック6側から遮蔽する。このとき引出電極7は透明保護層12により遮蔽されず、且つ各太陽電池ブロック6a,6bにおける引出電極7,7同士が対向するように位置合わせして配置される。また、外部接続端子8同士が対向するように配置される場合にはこの外部接続端子8の間にも透明保護層12を配置したり、エポキシ系等の接着剤を介在させたりするなどして外部接続端子8同士が密接しないようにする。
この状態で各太陽電池ブロック6a,6b及び透明保護層12を積層し、基板1a,1b同士を加熱融着させることで各太陽電池ブロック6a,6b同士を接合し、これにより有機太陽電池を得ることができる。この熱融着過程においては基板1がフレキシブルに変形可能なことから、光電変換素子5や引出電極7が基板1から突出していたり太陽電池ブロック6a,6b間に透明保護層12が介在していても基板1が変形して基板1の露出面同士や基板1と透明保護層12とが密着し、熱融着させることができる。また、このように基板1が変形することにより各太陽電池ブロック6a,6bの引出電極7,7同士が密接して導通されることとなる。これにより有機太陽電池が得られる。
ここで、上記の例では入射側ブロック6aにおける第一電極2aと、背面側ブロック6bにおける第二電極4bとを透明電極からなる正極として形成すると共に、入射側ブロック6aにおける第二電極4aを透明電極からなる負極として形成しているが、いずれの電極2a,2b,4a,4bを正極あるいは負極とするかは任意に設定できる。また、公知の有機太陽電池の構成と同様に、光電変換層3とこれに積層される各電極2,4との間には、光電変換層3の正極側に正孔輸送層を形成したり、光電変換層3の負極側に電子輸送層を形成したりしても良い。
このようにして形成される有機太陽電池は、第一の実施形態の場合と同様に入射光の入射側に入射側ブロック6aにおける光電変換素子5aが、背面側に背面側ブロック6bにおける光電変換素子5bが、それぞれ形成されることとなるため、入射側ブロック6aの基板1aから光が入射された場合、この光は入射側ブロック6aの光電変換層3aに到達した後、第二電極4a,4bや透明保護層12を透過して背面側ブロック6bの光電変換層3bへと到達することとなる。このため、光電変換層3自体の光電変換効率を向上させたり光電変換層3の厚みを大きくしたりすることなく、入射光に対する発電効率が高くなるものである。
また、本実施形態では各太陽電池ブロック6a,6bにおいて光電変換素子5a,5a(5b,5b)同士がブロック内導通電極9を介して直列に接続された状態となっているため、有機太陽電池の開放端電圧が向上されるものである。
また、上記のような引出電極7を設けて、この各太陽電池ブロック6a,6bにおける引出電極7,7同士を導通させると、各太陽電池ブロック6a,6bにおける光電変換素子5a,5bの第一電極2a,2b同士が引出電極7を介して導通し、この光電変換素子5a,5b同士が直列に接続されることとなる。このことによっても有機太陽電池の開放端電圧が向上されるものである。
ここで、本実施形態では、各太陽電池ブロック6a,6b内の光電変換素子5a,5a(5b,5b)同士がブロック内導通電極9を介して直列に接続されていると共に、この直列に接続された二組の光電変換素子5が更に引出電極7を介して直列に接続され、この直列に接続された四個の光電変換素子5のうちの両端の各光電変換素子5に外部接続端子8が接続されている。これにより有機太陽電池から外部に電力を供給することができる。また、各太陽電池ブロック6a,6bに適宜複数の光電変換素子5を形成し、各太陽電池ブロック6a,6b内の光電変換素子5a,5a(5b,5b)同士をブロック内導通電極9を介して接続すると共に、引出電極7を介して各太陽電池ブロック6a,6bにおける光電変換素子5a,5b間を接続することで、適宜の個数の光電変換素子5を順次直列に接続することもできる。これにより更なる開放端電圧の向上を図ることもできるものである。この場合も、直列に接続された両端の光電変換素子5に外部接続端子8を接続して形成し、外部に電力を供給することができる。
(実施例)
図1に示される構成を有する有機太陽電池を作製した。
このとき、入射側ブロック6aの作製にあたっては、まず基板1aに無アルカリガラス基板1a(14mm×16mm×0.7mm)を用い、この基板1aの片面にスパタリング法によりITOからなる厚み150nm、シート抵抗10Ω/□の第一電極2a及び外部接続端子8を形成した後、同一の手法により引出電極7を形成した。
この第一電極2aの表面に第一電極2aの平滑性を向上させるためにPEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルフォネート;バイエル社製「PAI4983」)を大気中で500μL滴下し、スピンコート法(3000rpm、60秒)にて塗布し、200℃のホットプレート上で60分間乾燥して水分を揮発させることによって成膜した。
次に、不活性雰囲気(アルゴンガス雰囲気)中でπ共役型有機半導体であるMDMO−PPV(ポリ(2−メトキシ−5−(2,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン;アメリカンダイソース社製)と、電子受容性材料としてフラーレン誘導体であるPCBM([6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル;Nano−C社製)とを、前者対後者が1:4の重量比となるように配合してクロロベンゼンにて希釈した。この溶液を不活性雰囲気中で80μLマイクロディスペンサで抽出し、上記第一電極2a上に滴下してスピンコート法(2500rpm、30秒)で塗布した後、50℃のホットプレート上で15分間加熱乾燥することでクロロベンゼンを揮発させて、厚み80nmの光電変換層3aを形成した。
次に、上記光電変換層3aにAgを抵抗加熱による真空蒸着法により積層成形して厚み5nmの第二電極4aを設けることで光電変換素子5aを形成し、入射側ブロック6aを得た。
また、背面側ブロック6bの作製にあたっては、入射側ブロック6aの場合と同一の基板1bの片面にAlを抵抗加熱による真空蒸着法により積層成形して厚み100nmの第一電極2b及び外部接続端子8を形成した後、同一の手法により引出電極7を形成した。
次に、第一電極2bに入射側ブロック6aの場合と同一の手法により光電変換層3b及び第二電極4bを設けることで光電変換素子5bを形成し、背面側ブロック6bを得た。
そして、エポキシ系の接着剤を用いて入射側ブロック6aと背面側ブロック6bを接合し、図1に示す構成の有機太陽電池を得た。
この有機太陽電池の入射側ブロック6aの基板1aに向けてAM1.5、100mA/cm2の条件で疑似太陽光を照射し、太陽電池特性を測定したところ、開放端電圧(Voc)が1.3V、短絡電流(Isc)が4mA/cm2、曲線因子(FF)が0.56、エネルギー変換効率が3.0%であった。
(比較例)
上記実施例における入射側ブロック6aと同一の材料及び同一の手法により、基板1の片面に光電変換素子5を設けることで、有機太陽電池を得た。このとき基板1上の光電変換素子5を直列に導通接続した。
そして、実施例の場合と同一の条件でこの有機太陽電池の特性を測定したところ、開放端電圧(Voc)が0.8V、短絡電流(Isc)が4,2mA/cm2、曲線因子(FF)が0.60、エネルギー変換効率が2.0%であった。
本発明の第一の実施形態の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。 同上の他例を示す断面図である。 本発明の第二の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 第一の電極
3 光電変換層
4 第二の電極
5 光電変換素子
6 太陽電池ブロック
7 引出電極

Claims (5)

  1. 基板の片面に第一電極、有機半導体にて構成される光電変換層、第二電極をこの順に積層成形することで基板とその片面に設けられた光電変換素子とで構成される太陽電池ブロックを作製するブロック作製工程と、二つの前記太陽電池ブロックを光電変換素子が設けられた面同士を対向させて接合する接合工程とを含むことを特徴とする有機太陽電池の製造方法。
  2. 上記ブロック作製工程において基板の片面に光電変換素子に導通する引出電極を形成し、上記接合工程において二つの太陽電池ブロックの引出電極同士を接触させて導通させることを特徴とする請求項1に記載の有機太陽電池の製造方法。
  3. 上記ブロック作製工程において二つの太陽電池ブロックの基板のうち少なくとも一方を熱融着性を有するフレキシブルな材料にて形成し、上記接合工程において前記基板を加熱することで基板同士を融着することにより二つの太陽電池ブロックを接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機太陽電池の製造方法。
  4. 上記ブロック作製工程において、光電変換層を電子供与性材料又は電子受容性材料を含有する有機半導体の溶液を塗布成膜することにより形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機太陽電池の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの方法で製造されたことを特徴とする有機太陽電池。
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