JP5161699B2 - 有機発電素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光を受けて電気を発生する有機発電素子(有機太陽電池)の製造方法に関するものである。
産業の発展に伴ってエネルギーの使用量が飛躍的に増加している。その中で、地球環境に負荷を与えない、経済的で高性能な新しいクリーンエネルギーの生産技術の開発が求められている。そして太陽電池は、無限にあるといってよい太陽光を利用することから新しいエネルギー源として注目されている。
現在実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いた無機太陽電池である。しかし、これら無機シリコン系太陽電池は、その製造プロセスが複雑でコストが高いという欠点を有するため、広く一般家庭に普及するには至ってない。このような欠点を解消するために、簡単なプロセスで低コスト化・大面積化が可能な、有機材料を用いた有機太陽電池(有機発電素子)の研究が盛んになってきている。
そして、有機太陽電池(有機発電素子)における種類の中で、近年、スイスのローザンヌ工科大学のGratzel教授により、多孔質酸化チタン、ルテニウム色素、ヨウ素とヨウ素イオンを用いた光化学反応に基づく色素増感型太陽電池が、10%という高い変換効率を有することが発表された(B. O’ Regan, M. Gratzel, Nature,353, 737(1991))。
一方、他の種類の有機太陽電池に分類される有機薄膜型太陽電池においても、低分子材料の電子供与性材料(ドナー)と電子受容性材料(アクセプター)を用いて真空蒸着法により形成した低分子型有機薄膜太陽電池について、3.6%の変換効率が得られたたことが報告されている(P. Peumans and S. R. Forrest, Appl. Phys. Lett. 79, 126 (2001))。
また有機発電素子に形成される発電層の材料として、高分子材料を用いることの検討も進んでいる。これは、発電層の形成にコストの掛かる真空蒸着法を利用しないため、より低コスト化が期待できるものである。
そして共役系ポリマーとフラーレン誘導体との混合膜で発電層を形成したタイプの有機太陽電池で、近年、5.5%の変換効率を得たことが報告されており(非特許文献1)、様々な研究機関で高効率な有機発電素子を得るための工夫・検討がなされている。
すなわち更なる高効率化のために、例えば、有機太陽電池を形成した後、適度に加温することにより、共役系ポリマーの再配列やホール輸送材料と電子輸送材料の適度な混合状態を実現し、電荷分離を向上させる方法(非特許文献2)、発電層を形成する際に、ソルベントアニーリングと称される低速乾燥を行ない、発電材料のミクロ相分離現象を利用して効率を向上させる方法(非特許文献3)、発電材料を溶媒に溶解してこれを塗布することによって発電層を形成するにあたって、2種類の溶媒を等量で混合した混合溶媒を用いて発電材料の溶解性を向上させることにより効率を向上させる方法(非特許文献4)、などが提案されている。
J. Peet et al., Nature Mater. 6, 497 (2007). W. L. Ma et al., Adv. Funct. Mater.,15, 1617 (2005). G. Li et al., Adv. Funct. Mater., 17,1636 (2007). S. H. Jin et al., Sol. Energy Mater. Sol. Cells, 91, 1187 (2007).
上記のように、発電材料を溶媒に溶解してこれを塗布することにより発電層を形成するにあたって、溶媒を変更することで、有機発電素子を高効率化することが検討されている。しかし、沸点の高い溶媒を単一で用いて作製した発電層や、2種類の溶媒を等量で混合した混合溶媒を用いて形成した発電層は、表面の凹凸が大きく、また発電層を形成する下の層(例えば正孔輸送層)との間で濡れ性が悪いために、発電層の膜面が不均一になって膜厚のばらつきが大きくなり易いものであり、大きな発電面積を有する有機発電素子を得る場合、効率が低下したり、特性がばらついたりする等の問題を有するものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、変換効率が高く、また発電層を平坦にかつ均一な厚みに形成することができる有機発電素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機発電素子の製造方法は、電子供与性半導体とホール供与性半導体とを混合して形成される発電層を、少なくとも一方は外来光に対して透明である電極の間に備えた有機発電素子の製造方法において、主溶媒と、この主溶媒に対し蒸気圧が2桁以上高い添加溶媒とからなり、かつ主溶媒と添加溶媒との容量比が、主溶媒>添加溶媒の関係にある混合溶媒に、電子供与性半導体とホール供与性半導体を溶解したものを塗布することで上記発電層を形成し、発電層の表面の面平均自乗粗さが2nm以下であり、かつ発電層の膜厚のばらつきが、発電層の全体で±10%以内であることを特徴とするものである。
このように、発電層の表面の面平均自乗粗さが2nm以下であって、発電層の表面の平坦性が高いと共に、発電層の膜厚のばらつきが±10%以内であって、発電層の膜厚の均一性が高いものであり、変換効率を高く得ることができるものである。
また本発明において、上記発電層は、混合溶媒に電子供与性半導体とホール供与性半導体を溶解したものを塗布して形成したものであり、この混合溶媒は、主溶媒と、この主溶媒に対し蒸気圧が2桁以上高い添加溶媒とからなり、かつ主溶媒と添加溶媒との容量比が、主溶媒>添加溶媒の関係にあることを特徴とするものである。
このような主溶媒と添加溶媒からなる混合溶媒を用いることによって、濡れ性を改善して、上記のように表面の平坦性が高く、膜厚の均一性が高い発電層を形成することができるものである。
本発明によれば、発電層を平坦にかつ均一な厚みに形成することができ、変換効率が高い有機発電素子を得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る有機発電素子(有機太陽電池)の層構成の一例を図1に示す。基板1の上に、正電極2、正孔輸送層3、発電層4、電子輸送層5、負電極6がこの順に積層してあり、正極層2、正孔輸送層3、発電層4、電子輸送層5、負極層6の表面を表面保護層7で覆うことによって、これらが外部に露出しないようにしてある。発電層4を挟む一対の電極2,6のうち、少なくとも一方を透明電極として形成し、外来光が発電層4に導入されるようにしてある。図1の実施の形態では、基板1を透明板で形成すると共に正電極2を透明電極で形成し、基板1と正電極2を通して外来光が発電層4に導入されるようにしてある。
そして本発明では、発電層4を、発電層4の表面の面平均自乗粗さが2nm以下であり、かつ発電層4の膜厚のばらつきが層内で±10%以内となるように形成してある。このように発電層4の表面を平坦な面に形成し、また発電層4の膜厚を均一に形成することによって、隣接する正孔輸送層3や電子輸送層5との接触が均一になり、高効率な有機発電素子を実現することができるものである。発電層4の表面の面平均自乗粗さが2nmを超える場合、また発電層の膜厚のばらつきが±10%の範囲を超える場合、効率が低下し、また特性のばらつきも大きくなるおそれがある。面平均自乗粗さや膜厚のばらつきは小さいほど好ましいので、下限は特に設定されない。
ここで、本発明において面平均自乗粗さとは、面内の膜厚の平均値から実測膜厚までの偏差の自乗を平均して平方根をとったもので、面の粗さを決める値であってRmsで表されるものである。また膜厚のばらつきが±10%とは、面内の膜厚の平均値に対して、その上下10%を意味する。
この発電に寄与する発電層4に用いる有機化合物において、電子供与性半導体としては、フタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物、多環芳香族化合物、また有機電子写真感光体に用いられる電荷移動剤、電気伝導性有機電荷移動錯体、更には導電性高分子などを挙げることができるが、溶媒に可溶であればよく、これに限定されるものではない。
フタロシアニン系顔料としては、中心金属がCu、Zn、Co、Ni、Pb、Pt、Fe、Mg等の2価のもの、無金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、その他バアナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
多環芳香族化合物としては、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、またそれらの誘導体などがあるが、特にこれらに限定されるものではない。
電荷移動剤としては、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
電気伝導性有機電荷移動錯体としては、テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラチオフラバレン等があるが、特にこれらに限定されるものではない。
電子を供与する導電性高分子としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、チオフェン系ポリマー、導電性高分子のオリゴマー等の有機溶媒に可溶なものが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
また、電子を授受し輸送する材料であるホール供与性半導体としては、化合物半導体を挙げることができ、特に化合物半導体ナノ結晶を用いることができる。ここで、ナノ結晶とは、サイズが1〜100nmであるものをいう。またナノ結晶の形状にはロッド状、球状、テトラポッド状が含まれる。具体的な材料としてはInP、InAs、GaP、GaAs等のIII-V族化合物半導体結晶、CdSe、CdS、CdTe、ZnS等のII-VI族化合物半導体結晶、ZnO、SiO、TiO、Al等の酸化物半導体結晶、CuInSe、CuInS等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。また、上記化合物半導体が、電子輸送層5と接して櫛歯状に形成されていてもよく、この場合、径は1〜100nm、間隔は最大で200nmで配置されていることが好ましいが、電子を授受し輸送できれば、このサイズに限らない。また、電子を輸送する材料であれば、これら化合物半導体に限らず、C60やC70、C84などの高次フラーレンを含有するフラーレン誘導体などからなる低分子材料や導電性高分子、カーボンナノチューブなどを用いることもできる。
上記の各材料において高分子材料であろうと低分子材料であろうと、溶媒に溶解して塗布することによって、発電層4を成膜することができるものであればよく、特に限定されるものでない。
そして発電層4は、混合溶媒にこれらの材料を溶解し、この溶液を正孔輸送層3(あるいは電子輸送層5)の上に塗布することよって形成することができるものである。ここで本発明は、この混合溶媒として、主溶媒と、この主溶媒に対し蒸気圧が2桁以上高い添加溶媒からなり、かつ混合溶媒中で主溶媒の容量比が添加溶媒の容量比よりも高い(主溶媒>添加溶媒)の関係にあるものを用いるものである。
ここで、主溶媒に対し蒸気圧が2桁以上高い添加溶媒とは、添加溶媒の蒸気圧が主溶媒の蒸気圧の100倍以上であることをいうものであり、なかでも100倍〜999倍程度が特に好ましい。また混合溶媒中での主溶媒の容量比が添加溶媒の容量比より高ければ、特に限定されるものではないが、主溶媒と添加溶媒を5.5:4.5〜9.5:0.5の容量比の範囲で混合して用いることが好ましい。
このような混合溶媒を用いることによって、発電層4を形成する材料を溶解させた溶液を塗布する際に、添加溶媒は主溶媒の表面張力を下げる効果があり、そのために塗布する下地となる正孔輸送層3との濡れ性が改善することができるものであり、上記のように発電層4の表面を平坦に、且つ均一な膜厚で形成することができるものである。また添加溶媒は蒸気圧が高いので、発電層4として成膜する際に即座に揮発し、発電層4内に残留しない。このため、光を受けて発電層4に生じたキャリア(正孔や電子)が残留不純物による電荷トラップを受けることを低減でき、有機発電素子の発電効率、特に光から変換された短絡電流値が向上するものである。
本発明において主溶媒や添加溶媒として用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム、キシレン、トルエン、1−クロロナフタレン、アセトン、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、シクロヘキサンなどの有機溶媒を挙げることができ、その蒸気圧から適宜、主溶媒と添加溶媒として組み合わせて用いることができる。例えば、主溶媒に1,2−ジクロロベンゼン(蒸気圧:160Pa(20℃))、添加溶媒にクロロホルム(蒸気圧:21.2kPa(20℃))という組み合わせを挙げることができるが、蒸気圧に2桁以上の違いがあり、混合の容積比が主溶媒>添加溶媒の関係にあればよく、溶媒の組み合わせはこれに限定されるものではない。また主溶媒に複数の溶媒、あるいは添加溶媒に複数の溶媒を用いても、蒸気圧の関係、混合の容積比の関係が上記のようであれば、特に構わない。
また、発電層を形成する上記の材料を混合溶媒に溶解させるにあたっては、例えば主溶媒に溶解させた後、添加溶媒を加えるという手順や、逆に添加溶媒に溶解させた後に主溶媒を加えるという手順、主溶媒と添加溶媒を混合した後にこれに溶解させるという手順などがあるが、最終的に主溶媒と添加溶媒の混合溶媒に発電層を形成する材料が溶解されていればよく、溶解順序はこれに限られるものではない。
発電層を形成する材料を混合溶媒に溶解した溶液を塗布して発電層4を形成する方法は、特に限定されるものではないが、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、グラビア印刷法など直接溶液を基板に接触させて膜を設ける方法やインクジェット、スプレーコート法など溶液を気相中に噴霧して成膜する方法などがある。また発電層4の膜厚は、特に限定されるものではないが、一般的に、80〜240nmの範囲が好ましい。
次に、有機発電素子を構成する他の部材について説明する。
上記の基板1は、光入射面側に設ける場合、光透過性を有するものであり、無色透明の他に、多少着色されているものであっても、すりガラス状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。また、基板1内に基板母剤と屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含有することによって、光拡散効果を有するものも使用可能である。基板1を光入射面側に設けない場合は、材質等は特に規定されるものではなく、太陽電池部分を支持できるものであれば何でも良い。
上記の正電極2は、発電層4中に発生したホールを効率よく収集するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような正電極2の材料としては、例えば、金などの金属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、SnO、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等、PEDOT、ポリアニリン等の導電性高分子及び任意のアクセプタ等でドープした導電性高分子、カーボンナノチューブなどの導電性光透過性材料を挙げることができる。正電極2は、例えば、これらの電極材料を基板1の表面に真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。また、外来光を正電極2を透過させて発電層4に入射させるためには、正電極2の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、正電極2のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/□以下とするものである。ここで、正電極2の膜厚は、正電極2の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。
また上記の負電極6は、発電層4中に発生した電子を効率よく収集するための電極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような負電極6の電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類等、およびこれらと他の金属との合金、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物を例として挙げることができる。またアルミニウム、Al/Al混合物なども使用可能である。また、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を負電極6の下地として用い、さらに上記の仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合金)を1層以上積層して用いてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、Al/Alの積層などが例として挙げられる。負電極6は、例えば、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成することによって作製することができる。
また上記の正孔輸送層3を構成する正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能力を有し、発電層4からの正孔移動効果を有するとともに、正電極2に対して優れた正孔移動効果を有し、また電子をブロックするような特性を有し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が挙げられる。具体的にはフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、アミノピリジン誘導体、ポリエチレンジオイサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子等の高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ホール輸送性を有する三酸化モリブデン、五酸化バナジウム、三酸化タングステン、酸化レニウムなどの無機酸化物やp型半導体である酸化ニッケル、酸化銅などの無機酸化物なども用いることができ、無機材料であってもホール輸送性であればこれらに限られることなく使用することができる。
また上記の電子輸送層5に用いられる材料としては、例えば、バソクプロイン、バソフェナントロリン、及びそれらの誘導体、TPBi、シロール化合物、トリアゾール化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、ビス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、オキサジアゾール化合物、ジスチリルアリレーン誘導体、シロール化合物、TPBI(2,2’,2″−(1,3,5−ベンゼントリル)トリス−[1−フェニル−1H−ベンツイミダゾール])などがあげられるが、電子輸送性の材料であればよく、特にこれらに限定されるものでない。また、発電層4に用いられる電子を授受し輸送する材料である化合物半導体や、C60やC70、C84などの高次フラーレンを含有するフラーレン誘導体などからなる低分子材料や、導電性高分子、カーボンナノチューブなども用いることができ、電子輸送性材料であれば特に限定されることなく使用することができる。ここで、電子輸送層5に用いられる材料は電子移動度が10−6cm/Vs以上のものが好ましく、より好ましくは10−5cm/Vs以上の材料である。
さらに上記の表面保護層7は、ガスバリア性を有する材料で形成されるものであり、例えば、Al等の金属をスパッタで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、その他の有機分子、高分子等を、蒸着、スパッタ、CVD、プラズマ重合の方法で薄膜として形成したりすることができるものであり、また塗布して紫外線硬化、熱硬化させる方法や、その他の方法で薄膜として形成することも可能である。さらに、光透過性で、且つガスバリア性を有するフィルム状や板状の構造体で表面保護層7を形成することも可能である。このような光透過性の表面保護層7は光の入射面側に設けることができるものであり、このときには有機発電層4に光を到達させるために、表面保護層7の光透過率を70%以上にすることが好ましい。
上記の図1の実施の形態では、正電極/正孔輸送層/発電層/電子輸送層/負電極の層構成の有機発電素子を示したが、有機発電素子の層構成は、正電極/発電層/負電極が基本であり、その他、正電極/正孔輸送層/発電層/負電極、正電極/発電層/電子輸送層/負電極などの層構成であってもよい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
正電極2としてITO膜が設けられたITO付き硝子基板1(倉元製作所(株)製)を用い、アセトン、イソプロピルアルコール(共に(株)関東化学製)、セミコクリーン(フルウチ科学社製)、超純水で各10分間超音波洗浄を行なった後、イソプロピルアルコールの蒸気で洗浄し、乾燥させた。さらに、大気圧プラズマ表面処理装置(松下電工(株)製)で3分間、このITO付き基板1の表面処理を行った。
そしてITOからなる正電極2の上に、正孔輸送層3として、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)(スタルク社製)を40nmの膜厚で形成した。
一方、電子供与性半導体としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HTと略す;メルク社製、レジオレギュラータイプ)を、ホール供与性半導体としてフラーレン誘導体である[6,6]−フェニルC61−ブチリック アシッド メチル エステル(PCBMと略す;Solenne社製)を用いた。また主溶媒として1,2−ジクロロベンゼン(蒸気圧;160Pa(20℃))を、添加溶媒としてクロロホルム(蒸気圧;21.2kPa(20℃))を用い、1,2−ジクロロベンゼンにクロロホルムを容積比6:4で混合した混合溶媒に、P3HTとPCBMを質量比1:0.7の割合で混合した材料を、固形分濃度が51mg/mlとなるように溶解した。
そして正孔輸送層3を形成した上記の基板1を露点−76℃以下、酸素1ppm以下のドライ窒素雰囲気のグローブボックスに移送し、正孔輸送層3の上に、P3HTとPCBMを混合溶媒に溶解した上記の溶液をスピンコートし、膜厚200nmの発電層4を形成した。
次にこの基板1を、真空蒸着装置(アルバック社製)にセットし、真空蒸着法を用いてLiFを0.5nmの膜厚で、その上にAlを100nmの膜厚で成膜し、負電極6を形成した。
次に、この各層を積層して形成した基板1を、露点−76℃以下のドライ窒素雰囲気のグローブボックスに大気に暴露することなく搬送した。一方、吸水材として酸化カルシウムを練り込んだゲッターをガラス製の封止板に粘着剤で貼り付けておき、また、封止板の外周部には予め紫外線硬化樹脂製のシール剤を塗布しておき、グローブボックス内において基板1に封止板をシール剤で張り合わせ、UVでシール剤を硬化させることによって、表面保護層7で被覆した有機発電素子を得た。
(実施例2)
主溶媒として1,2−ジクロロベンゼン(蒸気圧;160Pa(20℃))と1,2,4−トリクロロベンゼン(蒸気圧;40Pa(25℃))を用い、添加溶媒としてクロロホルム(蒸気圧;21.2kPa(20℃))を用い、これらを容積比5:1:4で混合した混合溶媒に、実施例1と同様にしてP3HTとPCBMを溶解させた溶液を調製した。そしてこの溶液を、スピンコーティングして膜厚200nmの発電層4を形成した。その他は実施例1と同様にして有機発電素子を得た。
(比較例1)
主溶媒として1,2−ジクロロベンゼン(蒸気圧;160Pa(20℃))を用い、添加溶媒としてクロロホルム(蒸気圧;21.2kPa(20℃))を用い、これを容積比4:6で混合した混合溶媒に、実施例1と同様にしてP3HTとPCBMを溶解させた溶液を調製した。そしてこの溶液を、スピンコーティングして膜厚200nmの発電層4を形成した。その他は実施例1と同様にして有機発電素子を得た。
(比較例2)
溶媒として1,2−ジクロロベンゼン(蒸気圧;160Pa(20℃))の単一溶媒を用い、実施例1と同様にしてP3HTとPCBMを溶解させた溶液を調製した。そしてこの溶液を、スピンコーティングして膜厚200nmの発電層4を形成した。その他は実施例1と同様にして有機発電素子を得た。
(比較例3)
主溶媒として1,2−ジクロロベンゼン(蒸気圧:160Pa(20℃))を用い、添加溶媒としてクロロベンゼン(蒸気圧:1.17kPa(20℃))を用い、これを容積比6:4で混合した混合溶媒に、実施例1と同様にしてP3HTとPCBMを溶解させた溶液を調製した。そしてこの溶液を、スピンコーティングして膜厚200nmの発電層4を形成した。その他は実施例1と同様にして有機発電素子を得た。
上記のようにして実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた有機発電素子について、発電層4の表面凹凸を原子間力顕微鏡(AFM)で測定し、発電層4の表面の面平均自乗粗さを求めた。また発電層4の膜厚を表面形状測定装置(Dektak8)で測定し、200nmに対する厚みのばらつきを計算した。そして、有機発電素子の変換効率を、ソーラーシミュレータ(山下電装社製)により擬似太陽光(AM1.5,1sun)を照射して求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005161699
表1にみられるように、実施例1,2の有機発電素子は、発電層4の面平均自乗粗さが2nm以下であり、且つ発電層4の厚みのばらつきが±10%以下であり、高い発光効率が得られることが確認された。
有機太陽電池の層構成の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 正電極
3 正孔輸送層
4 発電層
5 電子輸送層
6 負電極

Claims (1)

  1. 電子供与性半導体とホール供与性半導体とを混合して形成される発電層を、少なくとも一方は外来光に対して透明である電極の間に備えた有機発電素子の製造方法において、
    主溶媒と、この主溶媒に対し蒸気圧が2桁以上高い添加溶媒とからなり、かつ主溶媒と添加溶媒との容量比が、主溶媒>添加溶媒の関係にある混合溶媒に、電子供与性半導体とホール供与性半導体を溶解したものを塗布することで上記発電層を形成し、
    発電層の表面の面平均自乗粗さが2nm以下であり、かつ発電層の膜厚のばらつきが、発電層の全体で±10%以内であることを特徴とする有機発電素子の製造方法
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