JP2013168413A - 光電変換素子、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性と変換効率が高い光電変換素子とその製造方法を提供する。
【解決手段】基板と、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層した光電変換素子であって、有機薄膜層の少なくとも1層が、1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着したフラーレン又はフラーレン誘導体を含む、光電変換素子である。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池等の光電変換素子、及びその製造方法に関する。
光電変換素子とは、入射した光の量に応じて電気的出力を発生する素子を言い、例えば有機薄膜太陽電池や撮像素子等が挙げられる。
そのなかでも、有機薄膜太陽電池は、安価で、原材料不足の懸念もないことから、次世代の太陽電池として大変注目を集めている。
有機薄膜太陽電池は、一対の電極と、当該電極間に挟まれた1以上の有機薄膜層から構成される。有機薄膜層としては、電子を輸送するn層、正孔を輸送するp層、及び正孔を輸送するp型材料と電子を輸送するn型材料の混合層であるi層、及びバッファー層等がある。
ところで、有機材料を基板に蒸着させて薄膜を作製する場合、一般的に、低速で蒸着するほど結晶性が高くなる傾向があることが知られている(非特許文献1参照。)。これは、蒸着速度が遅いほど、基板上での分子が表面拡散しやすく、結晶核が大きく成長するためといわれている。結晶性の高い膜は、電荷移動度が高くなると考えられている。このため、有機材料を蒸着する場合は、蒸着速度が1.0Å/s以下であることが一般的であり、好ましいとされてきた。しかしながら、蒸着速度が低速であると有機薄膜層の作製時間が長くなるため、生産上は好ましくないという問題があった。
応用物理77巻第1号(2008)pp.56
本発明の目的は、生産性と変換効率が高い光電変換素子及びその製造方法を提供することである。
本発明は、以下の光電変換素子及びその製造方法を提供する。
1.基板と、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層した光電変換素子であって、前記有機薄膜層の少なくとも1層が、1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着したフラーレン又はフラーレン誘導体を含む、光電変換素子。
2.前記第一電極と、前記フラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層の間に、非晶性の有機薄膜層を有する、1に記載の光電変換素子。
3.前記フラーレンがC60フラーレンである1又は2に記載の光電変換素子。
4.基板と、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層し、前記第一電極を形成した後、前記有機薄膜層の少なくとも1層を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する工程を有する、光電変換素子の製造方法。
5.前記有機薄膜層の少なくとも1層に、フラーレン又はフラーレン誘導体を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する、4に記載の光電変換素子の製造方法。
6.前記第一電極を形成した後、非晶性の有機薄膜層を形成し、次いで前記フラーレン又はフラーレン誘導体を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する、5に記載の光電変換素子の製造方法。
7.前記フラーレンがC60フラーレンである5又は6に記載の光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、変換効率が高い光電変換素子を提供することができる。また、本発明の製造方法は、有機薄膜層の蒸着速度を従来よりも上げることができるため、光電変換素子の生産性を向上できる。
化合物Aからなる膜と化合物Bからなる膜のX線回折スペクトルである。
本発明の光電変換素子は、基板上に、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層した光電変換素子である。そして、有機薄膜層の少なくとも1層が、1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着したフラーレン又はフラーレン誘導体を含むことを特徴とする。
一般に、有機材料は低速で蒸着するほど結晶性が高くなる傾向があり、その結果、電荷移動度の高い薄膜となると考えられているが、本発明はフラーレン又はフラーレン誘導体を高速で蒸着させることで、結晶性が高くないと考えられるにも関わらず電荷移動度が高い薄膜が得られ、光電変換素子の変換効率が向上することを見出したものである。また、有機薄膜層を、1.5Å/s以上の蒸着速度で形成できるため、生産速度も向上させることが可能である。
尚、本発明における蒸着速度とは、蒸着をしている間に有機薄膜の厚みが増加する速度を意味する。
蒸着時の有機薄膜の厚さは、膜厚センサーで測定する。膜厚センサーの方式は特に限定されないが、例えば水晶発振式の膜厚センサーを挙げることができる。この方式は蒸着装置内に水晶振動子を設置し、発振周波数の変化から振動子に付着した膜の重さを求め、密度、Z比(水晶振動子と蒸着物の音響インピーダンスの補正をするためのパラメータ)を与えて膜厚を計算する方式である。
実際には、蒸着装置内の基板を設置する位置に膜厚センサーを配置することは困難な場合が多い。そのため、蒸着物の基板への入射角と蒸着物の水晶振動子への入射角が等しくなる位置に水晶振動子を設置して、あらかじめ基板への成膜を行い、ツーリングファクターと呼ばれる補正値を求めておく。
ツーリングファクターは、触針式の膜厚計あるいはエリプソメトリー等の光学的な方法で実測した基板上の薄膜の膜厚と、水晶発振式の膜厚センサーの示す読み値との比である。このツーリングファクターと水晶発振式の膜厚センサーの読み値を乗じたものが実膜厚であり、実膜厚を蒸着時間で割ったものが蒸着速度となる。
本発明において、フラーレンとしては、C60、C70等のフラーレンが使用できる。本発明ではC60フラーレンが好ましい。
フラーレン誘導体としては、フェニルC61酪酸メチルエステル([C60]PCBM)、フェニルC71酪酸メチルエステル([C70]PCBM)、ビスジメチルフェニルシリルメチルフラーレン(SiMEF)、又はこれらの誘導体等を用いることができる。[C60]PCBM及びSiMEFの構造を以下に示す。
Figure 2013168413
本発明の光電変換素子では、第一電極とフラーレン又はフラーレン誘導体の間に、他の有機薄膜層が成膜されていることが好ましく、特に、その有機薄膜層が非晶性であることが好ましい。
フラーレン又はフラーレン誘導体を蒸着する場合、蒸着源の温度は高くなることが多い。例えば、C60フラーレンの場合、蒸着源温度は540℃付近である。蒸着速度を上げると、蒸着源温度はさらに高くなる。そのため、蒸着源の輻射熱により下地となる有機薄膜層の有機材料の分子運動が大きくなる。また、蒸着源より蒸発したフラーレン分子も、大きな熱エネルギーを持っており、その熱エネルギーにより下層の有機薄膜層の分子運動が激しくなる。このような状態の有機薄膜層の上にフラーレン層を形成すると、層間の接触抵抗が減少するため、得られる素子の効率が向上すると推定する。
特に、下層が非晶性の有機薄膜層である場合、結晶性の薄膜に比べて分子間力が弱く、個々の分子が運動しやすい状態であるため、短絡電流(Jsc)が高くなり、変換効率の向上の効果が最も得られやすい。
具体例として、非晶性の有機薄膜層としてp層を有し、その上に、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層としてn層又はi層を蒸着して形成した光電変換素子が挙げられる。本例の場合、下層であるp層と、n層又はi層との間の接触面積が増大し、層界面の密着性が高くなることによって光電変換効率が向上すると考えられる。
また、他の例として、非晶性の有機薄膜層としてバッファー層を有し、その上に、フラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層としてn層又はi層を蒸着して形成した光電変換素子が挙げられる。
本発明において、有機薄膜層が非晶性であることは、薄膜のX線回折(XRD)測定において、結晶に起因するピークがないことにより確認する。
非晶性の有機薄膜層は、結晶性の低い化合物を成膜するか、成膜条件を調整することにより形成できる。
本発明の光電変換素子は、上述したフラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層を有していれば、他の構成は特に制限されず、公知の構成及び材料を使用できる。
以下、有機薄膜太陽電池の例について説明する。
有機薄膜太陽電池の構造としては、安定な絶縁性基板上に下記構成部材を形成したものが挙げられる。フラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層は、n層又はi層として用いることが好ましい。
(1)第一電極/p層/n層/第二電極
(2)第一電極/p層/i層(p材料とn材料の混合層)/n層/第二電極
(3)第一電極/i層/第二電極
(4)第一電極/バッファー層/p層/n層/第二電極
(5)第一電極/p層/n層/バッファー層/第二電極
(6)第一電極/バッファー層/p層/n層/バッファー層/第二電極
(7)第一電極/バッファー層/p層/i層/n層/バッファー層/第二電極
(8)第一電極/バッファー層/n層/p層/第二電極
(9)第一電極/バッファー層/n層/i層/p層/第二電極
(10)第一電極/バッファー層/n層/i層/p層/バッファー層/第二電極
上記構成部材のうち、p層、i層、n層、バッファー層等が有機薄膜層に該当する。尚、本発明では、これらのうち少なくとも1層が有機薄膜層であればよく、他の層は無機化合物層であってもよい。
以下、各構成部材について簡単に説明する。
1.p層、n層、i層
p層とは、正孔を輸送する層であり、p層として用いる材料は特に限定されないが、電子供与性材料としての機能を有する化合物が好ましく、正孔の移動度が高い材料が好ましい。
例えば、N,N’−ビス(3−トリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(mTPD)、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)、4,4’,4’’−トリス(フェニル−3−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)等に代表されるアミン化合物、フタロシアニン(Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)、チタニルフタロシアニン(TiOPc)、ホウ素フタロシアニン(SubPc)等のフタロシアニン錯体、ナフタロシアニン錯体、ベンゾポルフィリン(BP)、オクタエチルポルフィリン(OEP)、白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)、亜鉛テトラフェニルポルフィリン(ZnTPP)等に代表されるポルフィリン錯体、チエノアセン類が挙げられる。また、溶液による塗布プロセスを用いる高分子化合物であれば、メトキシエチルヘキシロキシフェニレンビニレン(MEHPPV)、ポリヘキシルチオフェン(P3HT)、シクロペンタジチオフェン‐ベンゾチアジアゾール(PCPDTBT)等の主鎖型共役高分子類、ポリビニルカルバゾール等に代表される側鎖型高分子類等が挙げられる。
p層は結晶性でも非晶性でもよいが、非晶性であることが好ましい。
n層とは、電子を輸送する層であり、n層として用いる材料は特に限定されないが、電子受容性材料としての機能を有する化合物が好ましい。
例えば、C60、C70等のフラーレン、又は上述したフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等、高分子系ではCN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基又はCF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体等を挙げることができる。その中でも特に、フラーレン、フラーレン誘導体が好ましい。
また、無機化合物であってもよい。具体的にはn−Si、GaAs、CdS、PbS、CdSe、InP、Nb、WO、Fe等のドーピング半導体及び化合物半導体、また、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の導電性酸化物が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
i層は電子供与性材料と電子受容性材料との混合層である。電子供与性材料、電子受容性材料の種類は特に限定されない。
電子供与性材料には上記p層として用いる材料が好ましく、電子受容性材料には上記n層として用いる材料が好ましい。
i層は、電子供与性材料と電子受容性材料を共蒸着することで形成できる。このとき、電子供与性材料の混合割合は1重量%〜99重量%である。尚、i層が本発明のフラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層に該当する場合、フラーレン又はフラーレン誘導体の蒸着速度が1.5Å/s以上であればよく、他の有機化合物の蒸着速度は特に限定されない。
2.第一電極、第二電極
第一電極、第二電極の材料は特に制限はなく、公知の導電性材料を使用できる。例えば、p層と接続する電極としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や金(Au)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の金属が使用でき、n層と接続する電極としては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)、白金(Pt)、リチウム(Li)等の金属やMg:Ag、Mg:InやAl:Li等の二成分金属系、さらには上記p層と接続する電極例示材料が使用できる。
尚、高効率の光電変換特性を得るためには、例えば有機薄膜太陽電池の場合、該太陽電池の少なくとも一方の面は太陽光スペクトルに対して充分透明にすることが望ましい。透明電極は、公知の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性を確保するように形成する。受光面の電極の光透過率は10%以上とすることが望ましい。一対の電極構成の好ましい構成では、電極部の一方が仕事関数の大きな金属を含み、他方は仕事関数の小さな金属を含む。
3.バッファー層
バッファー層に好ましい化合物としては、膜厚を厚くしても短絡電流が低下しないようにキャリア移動度が充分に高い化合物が好ましい。例えば、低分子化合物であれば下記に示すNTCDAに代表される芳香族環状酸無水物等が挙げられ、高分子化合物であればポリ(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン:ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)、ポリアニリン:カンファースルホン酸(PANI:CSA)等に代表される公知の導電性高分子等が挙げられる。
Figure 2013168413
また、バッファー層には、励起子が電極まで拡散して失活してしまうのを防止する役割を持たせることも可能である。このように励起子阻止層としてバッファー層を挿入することは、高効率化のために有効である。励起子阻止層は正極側、負極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。この場合、励起子阻止層として好ましい材料としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子用途で公知な正孔障壁層用材料又は電子障壁層用材料等が挙げられる。正孔障壁層として好ましい材料は、イオン化ポテンシャルが充分に大きい化合物であり、電子障壁層として好ましい材料は、電子親和力が充分に小さい化合物である。具体的には有機エレクトロルミネッセンス素子用途で公知な材料であるバソクプロイン(BCP)、バソフェナントロリン(BPhen)等が負極側の正孔障壁層材料として挙げられる。
Figure 2013168413
さらに、バッファー層には、上記電子受容性材料として例示した無機半導体化合物を用いてもよい。また、p型無機半導体化合物としてはCdTe、p−Si、SiC、GaAs、WO等を用いることができる。
本発明における非晶性の材料は特に限定されるものではないが、通常の蒸着条件(0.5〜1Å/s)で成膜したときに非晶性となる材料として以下のようなものが挙げられる。ただし、例示した化合物であっても成膜条件によって結晶性を示す場合がある。これらをp層又はi層に用いるのが好ましい。
Figure 2013168413
4.基板
基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものが好ましい。例えば、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
続いて、本発明の光電変換素子の製造方法について説明する。
本発明の製造方法では、基板と、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層し、第一電極を形成した後、有機薄膜層の少なくとも1層を、1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する工程を有する。
本発明では、有機薄膜層の少なくとも1層が、フラーレン又はフラーレン誘導体を含有する層であり、このフラーレン又はフラーレン誘導体を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着することが好ましい。
蒸着速度は、1.5Å/s〜5.0Å/sが好ましく、特に、3.5Å/s〜4.5Å/sが好ましい。尚、蒸着速度が5.0Å/sより大きいと、膜質が粗くなり、変換効率が低下するおそれがある。
本発明において、フラーレン又はフラーレン誘導体を含有する層は、公知の抵抗加熱法により成膜することができる。抵抗加熱法は、金属ボート又はるつぼに材料を充填し、加熱することによって材料を昇華させて成膜する方法である。
具体的には、蒸着源を、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、カーボン(C)等からなるボートに乗せ、電圧をかけて加熱する方法や、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)等のるつぼに入れ、ヒーターで加熱する方法を用いることができる。
蒸着源として用いる金属ボートやるつぼ等の材質および形状は限定されない。
本発明では、フラーレンはC60フラーレンが好ましい。
本発明の製造方法の工程としては、以下の例が挙げられる。
はじめに、上述した基板上に、第一電極である透明電極(ITO等)を形成する。その上にp層を形成する。p層は非晶性有機薄膜層であることが好ましい。
p層上に、上記フラーレン又はフラーレン誘導体を含有する層を成膜する。その後、第二電極をn層上に形成することにより光電変換素子が得られる。
他の例としては、以下が挙げられる。
上述した基板上に、透明電極(ITO等)を形成し、その上にバッファー層を形成する。バッファー層は非晶性有機薄膜層であることが好ましい。
バッファー層上に、上記フラーレン又はフラーレン誘導体を含有する層(n層又はi層)を成膜する。その後、p層、及び第二電極(金等)を形成することにより光電変換素子が得られる。
フラーレン又はフラーレン誘導体を含有する有機薄膜層以外の層の成膜方法は、必ずしも真空蒸着である必要は無く、塗布法その他の方法であってもよい。
本発明の光電変換素子において、フラーレン誘導体を含有する層以外の層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディップコート、キャスティング、ロールコート、フローコーティング、インクジェット等の湿式成膜法を適用することができる。
乾式成膜法の場合、フラーレン又はフラーレン誘導体を含有する層の成膜方法と同様、公知の抵抗加熱法が好ましい。混合層の形成には、例えば、複数の蒸発源からの同時蒸着による成膜方法が好ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を適切な溶媒に溶解又は分散させた溶液を調製し、薄膜を形成する。溶媒は任意である。例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、メタノールやエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒等が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶媒又はエーテル系溶媒が好ましい。また、これらの溶媒は単独で使用しても複数混合して用いてもよい。尚、使用可能な溶媒は、これらに限定されるものではない。
各層の膜厚は特に限定されないが、適切な膜厚に設定する。一般に有機薄膜の励起子拡散長は短いことが知られている。膜厚が厚すぎると励起子がヘテロ界面に到達する前に失活してしまうため光電変換効率が低くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生してしまうため、充分なダイオード特性が得られず変換効率が低下する。通常、膜厚は1nmから10μmの範囲が適しているが、5nmから0.2μmの範囲がさらに好ましい。
実施例1〜4、比較例1,2
25mm×75mm×0.7mm厚のITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を15分間実施した。洗浄後のITO透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず第一電極(正極)である透明電極が形成されている側の面上に、透明電極を覆うようにして、抵抗加熱蒸着によりp層として下記化合物Aを成膜した(蒸着速度:0.5Å/s、膜厚30nm)。
続けて、抵抗加熱蒸着により化合物Aの層上に、膜厚60nmのC60フラーレン(以下、C60という。)層(イオン化ポテンシャル:6.3eV、アフィニティ:4.4eV)をn層として表1に示す蒸着速度で成膜した。
尚、C60層の蒸着は以下のように行った。モリブデン製金属ボート(フルウチ化学BB−3、L=100、穴径3Φmm)にC60を0.2g仕込み、ボートに電圧をかけてC60を昇華させ成膜した。蒸着速度はボートにかける電圧によって制御した。蒸着源と基板との間の距離はおよそ40cmであった。蒸着速度は基板に材料が堆積する速度であり、材料及び蒸着速度ごとに、触針法により測定した実膜厚で較正して求めた。
60層の上に膜厚10nmのバソクプロイン(BCP)を抵抗加熱蒸着により0.5Å/sで成膜した。最後に、連続して第二電極(負極)として金属Alを膜厚100nm蒸着して有機薄膜太陽電池を完成させた。素子面積は0.5cmであった。
Figure 2013168413
エアマスAM1.5条件下(光強度(Pin)100mW/cm)で、作製した有機薄膜太陽電池の電流電圧(I−V)特性を測定し、変換効率(η)を下記式によって導出した。結果を表1に示す。
Figure 2013168413
(η:変換効率、Voc:開放端電圧、Jsc:短絡電流密度、FF:曲線因子)
Figure 2013168413
実施例5
化合物Aを下記化合物Bにした他は、実施例3と同様に有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013168413
比較例3
化合物Aを化合物Bにした他は、比較例1と同様に有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例6
化合物Aを下記化合物Cにした他は、実施例3と同様に有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013168413
比較例4
化合物Aを化合物Cにした他は、比較例1と同様に有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013168413
化合物Aからなる膜と化合物Bからなる膜を別々に作製し、それぞれのX線回折測定をした。具体的に、25mm×25mmの酸化膜つきのシリコンチップをイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を15分間実施した。洗浄後のシリコンチップを真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、抵抗加熱蒸着により化合物A又は化合物Bを成膜し、測定試料を作製した(蒸着速度:0.5Å/s、膜厚100nm)。
X線回折測定は、リガク社製薄膜X線回折装置(SmartLab)を用い、反射法にて測定した。X線光源はCu−Ka線、出力は200kV、45mAとした。測定範囲は1°<2θ<60°とした。
図1に化合物Aからなる膜、化合物Bからなる膜のX線回折スペクトルを示す。X線回折スペクトルから、化合物Aからなる膜は非晶性であり、化合物Bからなる膜は結晶性であることが確認できる。
非晶性である化合物Aからなる膜の上にC60を含む有機薄膜層を形成した、実施例3(蒸着速度:4Å/s)と比較例1(蒸着速度:0.5Å/s)を比較すると、実施例3で作製した有機薄膜太陽電池の変換効率ηは、比較例1の1.9倍と大幅に向上している。
一方、結晶性である化合物Bからなる膜の上にC60を含む有機薄膜層を形成した、実施例5(蒸着速度:4Å/s)と比較例3(蒸着速度:0.5Å/s)を比較すると、実施例5で作製した有機薄膜太陽電池の変換効率ηは、比較例3の1.17倍に向上している。
以上の比較から、非晶性の膜上にフラーレンを含む有機薄膜層を形成した場合に、変換効率の向上効果が大きい。
本発明の光電変換素子は、時計、携帯電話及びモバイルパソコン等の電源として使用できる。
本発明の光電変換素子は、有機薄膜太陽電池に限られず、撮像素子等にも用いられるが、その中でも有機薄膜太陽電池に用いるのが好ましい。

Claims (7)

  1. 基板と、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層した光電変換素子であって、
    前記有機薄膜層の少なくとも1層が、1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着したフラーレン又はフラーレン誘導体を含む、光電変換素子。
  2. 前記第一電極と、前記フラーレン又はフラーレン誘導体を含む有機薄膜層の間に、非晶性の有機薄膜層を有する、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記フラーレンがC60フラーレンである請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 基板と、第一電極と、1以上の有機薄膜層と、第二電極とを、この順に積層し、前記第一電極を形成した後、前記有機薄膜層の少なくとも1層を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する工程を有する、光電変換素子の製造方法。
  5. 前記有機薄膜層の少なくとも1層に、フラーレン又はフラーレン誘導体を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する、請求項4に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記第一電極を形成した後、非晶性の有機薄膜層を形成し、次いで前記フラーレン又はフラーレン誘導体を1.5Å/s以上の蒸着速度で蒸着する、請求項5に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記フラーレンがC60フラーレンである請求項5又は6に記載の光電変換素子の製造方法。
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