JP2004205924A - 微細形状の転写方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該光線の照射位置を当該スリット方向と略直交する方向に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法。
【選択図】図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に微細な凹凸形状を有するディスプレイを量産複製する製造方法に係り、特に回折格子パターンを有するディスプレイを複製する際に用いる、回折格子の凹凸形状を有する原版から凹凸形状を転写した複製版の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回折格子パターンを有するディスプレイを複製する場合に、原版の回折格子の凹凸形状を複数個面付け転写した複製版(スタンパー)を用いて複製を行う方法が多く採用されてきている。
【0003】
2光束干渉による回折格子パターンを有するディスプレイの原版を作製する工程としては、例えば2光束干渉による干渉縞を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させて、感光材料基板の表面に次々に露光していく方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかし、このような原版作製工程は多くの時間を必要とすることから、大きい面積のスタンパーを作製するのは困難であり、原版の回折格子の凹凸形状を精密に複数転写する方法が必要となる。
【0005】
原版の凹凸形状を転写する方法としては、熱可塑性樹脂に原版を密着し、加熱加圧して原版の凹凸形状を転写する方法がある。
【0006】
しかし、この方法では凹凸の細部まで樹脂を充填することが困難であり、また成形性も充分ではなく精密な凹凸形状の転写は行えない。
【0007】
また、その他の方法として、光硬化樹脂もしくは紫外線硬化樹脂を用いて原版に樹脂が密着した状態で、紫外線照射により樹脂を硬化させて原版の凹凸形状を転写する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
しかしながら、紫外線硬化樹脂は硬化するときに硬化収縮が起こることから、この方法で成形膜厚を厚くすると硬化収縮による歪みが生じ、細かいひび割れ(マイクロクラック)が発生してしまう。
【0009】
また、硬化収縮が大きいと成形性が充分ではなくなり、微細な凹凸形状を精度良く転写成形することができない。
【0010】
【特許文献1】
特許02139127号
【特許文献2】
特許02789597号
【0011】
図1は従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、装置の断面を示した概要図である。
【0012】
図1において、ガラス基板1の面に対して上下方向に移動する昇降ヘッド2が配置してある。昇降ヘッド2のガラス基板1に対向する面には、表面に凹凸形状のあるNi原版3が貼り付けてある。
【0013】
ここで、Ni原版の表面にある凹凸形状は、鋸刃状のブレーズド回折格子の形状を図示しているが、実際の回折格子の間隔は1μm程度であり、便宜上拡大して図示している。
【0014】
ガラス基板1の表面にはシランカップリング剤によるシランカップリング処理4が施されている。
【0015】
シランカップリング処理とは、ガラスと紫外線硬化樹脂との密着性を向上させるもので、シランカップリング剤は、分子中に無機質材料と化学的結合をする反応基と、有機材料と化学的結合をする反応基の2種以上の異なった反応基を持っている。
【0016】
このため、シランカップリング剤で表面処理を行ったガラスは、硬化後の紫外線硬化樹脂との密着が非常に強固なものとなる。
【0017】
以上のような表面処理を行ったガラス基板1の表面上で、Ni原版3の降下する位置に、未硬化の紫外線硬化樹脂5を滴下する。
【0018】
次に、図2に従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、圧着、紫外線照射による硬化工程の断面を示した概要図を示す。
【0019】
紫外線硬化樹脂5に、昇降ヘッド2を降下させ、Ni原版3を密着し、ガラス基板1とNi原版3を平行状態に保ち、ガラス基板1を透過する紫外線6を照射し、紫外線硬化樹脂5を硬化する。
【0020】
ここで、紫外線6に使用する紫外線光源としては、高圧水銀ランプを用い、反射板により、ファイバー内部に導き、ファイバー出口には平行光にする光学系(コリメーター)を配置して、平行光として照射する。
【0021】
また、照射する範囲としては、Ni原版の大きさと同じ領域を照射するため、平行光とした後にマスクを配置して照射する範囲を決定するようにしている。
【0022】
次に、図3に従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、剥離工程の断面を示した概要図を示す。
【0023】
ここで、昇降ヘッド2とNi原版3を上昇し、硬化した転写パターン7からNi原版3を剥離することで、転写パターン7にはNi原版3の凹凸形状が転写成形される。
【0024】
次に、図4に従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、移動工程と第2の紫外線硬化樹脂滴下工程の断面を示した概要図を示す。
【0025】
転写パターン7が形成されたガラス基板1を移動して、ガラス基板1のNi原版3の位置に、新たに未硬化の紫外線硬化樹脂8を滴下する。
【0026】
次に、図5に従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、第2の圧着、紫外線照射による硬化工程の断面を示した概要図を示す。
【0027】
図2に示した工程と同様に、紫外線硬化樹脂8に、昇降ヘッド2を降下させ、Ni原版3を密着し、ガラス基板1とNi原版3を平行状態に保ち、ガラス基板1を透過する紫外線9を照射し、紫外線硬化樹脂8を硬化する。
【0028】
ここで、紫外線9としては図2に示した紫外線6と同様な平行光を照射する。
【0029】
次に、図6に従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、第2の剥離工程の断面を示した概要図を示す。
【0030】
昇降ヘッド2とNi原版3を上昇し、硬化した転写パターン10からNi原版3を剥離することで転写パターン10にはNi原版3の凹凸形状が転写成形される。
【0031】
以上説明した工程を経て、ガラス基板1の表面に紫外線硬化樹脂を硬化して転写形成された、転写パターン7と転写パターン10が隣接して配置される。
【0032】
さらに、同様な工程を繰り返すことでNi原版3の凹凸形状をガラス基板上に複数個配置して転写形成できる。
【0033】
しかしながら、以上のような工程で転写成形を行う際に、成形膜厚を厚くすると紫外線硬化樹脂が硬化するときに、硬化収縮で樹脂内部に歪みが発生して、細かいひび割れ(マイクロクラック)が発生してしまう。
【0034】
また、硬化収縮が大きいと成形性が充分ではなくなり、微細な凹凸形状を精度良く転写成形することができない。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の方法としては、成形膜厚を厚くすると硬化収縮による歪みが生じ、マイクロクラックが発生し、成形性が充分ではなくなり、微細な凹凸形状を精度良く転写成形することができないという問題があった。
【0036】
本発明は、上記のような問題を解決するために成されたもので、その目的は平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に徐々に密着させ、当該透明基板と原版を平行に近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、成形膜厚を厚くしてもマイクロクラックが発生しないと共に、高精度に微細な凹凸形状を転写成形することができる転写方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、
前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該光線の照射位置を当該スリット方向と略直交する方向に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法である。
【0038】
請求項2に記載の発明は、
平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、
前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該スリット方向と略直交する方向に前記透明基板と前記原版を共に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法である。
【0039】
請求項3に記載の発明は、
平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、
前記光線を照射する方法として、ビーム状の光線を走査して移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法である。
【0040】
請求項4に記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記原版の微細な凹凸形状が表面レリーフ型ホログラムであることを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0041】
請求項5に記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記原版の微細な凹凸形状が回折格子であることを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0042】
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の微細形状の転写方法において、前記回折格子が鋸刃状のブレーズド型回折格子であることを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0043】
請求項7に記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記原版の微細な凹凸形状がマイクロレンズアレイであることを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0044】
請求項8に記載の発明は、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記透明基板がガラス基板であり、当該ガラス基板表面に砂消し処理もしくはノングレア処理を施したことを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0045】
請求項9に記載の発明は、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記透明基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の表面にシランカップリング処理を施したことを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0046】
請求項10に記載の発明は、
請求項1乃至9のいずれかに記載の微細形状の転写方法により作成された微細形状を有する版を複製版とし、支持体上に前記微細形状の逆型の微細形状を作成することを特徴とする微細形状の転写方法である。
【0047】
【作用】
従って、本発明の微細形状の転写方法において、前記光硬化樹脂を硬化するために、前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該スリット方向と略直交する方向に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにしたことで、スリット状の硬化部分に硬化収縮した分量の未硬化樹脂が、未硬化部分から供給され、硬化収縮による歪みが抑えられ、マイクロクラックは発生せず、高精度に微細形状を転写成形することができる。
【0048】
また、前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該スリット方向と略直交する方向に前記透明基板と前記原版を共に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにしたことでも、スリット状の硬化部分に硬化収縮した分量の未硬化樹脂が、未硬化部分から供給され、硬化収縮による歪みが抑えられ、マイクロクラックは発生せず、高精度に微細形状を転写成形することができる。
【0049】
さらに、前記光線を照射する方法として、ビーム状の光線を走査して移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにしたことで、ビーム状の硬化部分に硬化収縮した分量の未硬化樹脂が、未硬化部分から供給され、硬化収縮による歪みが抑えられ、マイクロクラックは発生せず、より高精度に微細形状を転写成形することができる。
【0050】
また、前記原版の微細な凹凸形状が表面レリーフ型ホログラムとしたことで、従来の転写方法では転写成形が困難であった、高空間周波数の表面レリーフ型ホログラムを、回折効率の低下なく高精度に転写成形することができる。
【0051】
また、前記原版の微細な凹凸形状が回折格子としたことで、従来の転写方法では転写成形が困難であった、高空間周波数の回折格子を、回折効率の低下なく高精度に転写成形することができる。
【0052】
さらに、前記原版の微細な凹凸形状が鋸刃状のブレーズド型回折格子としたことで、従来の転写方法では転写成形が困難であった、鋸刃状のブレーズド型回折格子を、回折効率の低下なく高精度に転写成形することができる。
【0053】
また、前記原版の微細な凹凸形状がマイクロレンズアレイとしたことで、従来の転写方法では転写成形が困難であった、マイクロレンズアレイ形状を、変形なく高精度に転写成形することができる。
【0054】
また、前記透明基板がガラス基板であり、当該ガラス基板表面に砂消し処理もしくはノングレア処理を施したことで、転写成形した光硬化樹脂とガラス基板とを強固に密着できる。
【0055】
また、前記透明基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の表面にシランカップリング処理を施したことで、転写成形した光硬化樹脂とガラス基板とをより強固に密着できる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
図7は本発明による微細形状の転写方法の一実施形態においての構成要素を示す斜視図である。
【0058】
ノングレアガラス基板11の成形面はノングレア(アンチグレア)処理されたガラスを使用し、さらにシランカップリング処理が施されている。
【0059】
ところで、ノングレア処理とは、ガラス表面を薬液により溶解し表面を細かく荒らした状態にして、ガラスの表面反射を防ぐような処理方法であり、この方法により、ガラス表面を荒らして、硬化した樹脂とガラスの密着を強めるためにこのような処理を行った。
【0060】
また、ガラス表面を荒らす別の方法としては、細かい鉄粉や砂をガラス面に吹き付けて表面を荒らす様な方法でも実現でき、このような方法は砂消し処理などと呼ばれている。
【0061】
次に、ノングレアガラス基板11の表面に紫外線硬化樹脂12を塗布(滴下)し、Ni原版13を貼り付けた昇降ヘッド14を徐々に降下し、ノングレアガラス基板11と平行になるように近接配置する。
【0062】
次に、発振する光の波長が紫外線であるHe-Cdレーザー15から発振したレーザー光をミラー16にて反射し、シャッター17を経て、Xスキャナー18のミラーに入射する。
【0063】
さらに、Xスキャナー18により走査されたレーザー光を、Yスキャナー19のミラーに入射し、Xスキャナー18の走査方向と直交する方向に走査する。
【0064】
ところで、ノングレアガラス基板11の表面のノングレア処理による微細な凹凸は、表面に塗布した紫外線硬化樹脂12によって埋められて、見かけ上は透明な基板となる。
【0065】
ここで、図7においてはノングレアガラス基板11とNi原版13は離れたように図示しているが、実際にレーザー光を照射するときは、紫外線硬化樹脂12とNi原版13は密着して近接配置している。
【0066】
また、ここでの近接配置しているNi原版13とノングレアガラス基板11との距離が、硬化して成形される樹脂層の厚みとなる。
【0067】
上記の説明は、ビーム状の光線を照射する実施形態であるが、シリンドリカルレンズを用いたり、スリットを介した光線を照射するなどして、スリット状の光線を照射することが可能である。
【0068】
次に、図8は本発明による微細形状の転写方法の一実施形態においての構成要素を示す断面図である。
【0069】
ノングレアガラス基板21にシランカップリング処理22を施し、紫外線硬化樹脂23を滴下し、Ni原版24を貼り付けた昇降ヘッド25を、紫外線硬化樹脂23に密着して配置したところを示す。
【0070】
ここで、紫外線26をノングレアガラス基板21の紫外線硬化樹脂23を滴下した面と反対側から照射しながら移動する。
【0071】
紫外線硬化樹脂23の紫外線26が照射された部分で樹脂の硬化が起こり、樹脂硬化部分27の範囲が硬化する。
【0072】
ここで、樹脂硬化部分27で硬化するときに生じた収縮は、樹脂硬化部分27の周囲の樹脂未硬化部分28から未硬化樹脂として供給されることで、樹脂硬化部分27は収縮なく硬化することができる。
【0073】
つまり、紫外線26を移動することで次から次へ未硬化部分28から未硬化樹脂が供給されることで、紫外線硬化樹脂23の全体も収縮なく硬化することが可能となった。
【0074】
そして、Ni原版24をノングレアガラス基板21から剥がすが、この際は、硬化した紫外線硬化樹脂は、ノングレアガラス基板21上に残るようになる。
したがって、硬化収縮による歪みが抑えられ、マイクロクラックは発生せず、より高精度に微細形状を転写成形することができる。
【0075】
次に、以上説明した工程により樹脂面付けされたノングレアガラス基板の表面に、導電化処理を施し、さらに電鋳メッキ、もしくは化学メッキを行うことで、複製版(スタンパー)を作製することができる。
【0076】
なお、原版に予め複数の回折格子などを多面付けしておけば、もちろん、多面付けされた複製版を作製することができる。
【0077】
次に、上記のように作製された複製版を使用して、回折格子などを作製する実施形態について説明する。
例えば、支持体として、透明基板あるいは透明フィルムを用い、その上に、紫外線硬化性樹脂を塗布し、この紫外線硬化性樹脂に複製版を密着させる。そして、透明基板あるいは、透明フィルム側から紫外線を照射することにより、紫外線硬化性樹脂を硬化させ、複製版を剥がすことにより、回折格子などが作製できる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、もしくはビーム状の光線を走査して移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにしたことで、スリット状もしくはビーム状の硬化部分に硬化収縮した分量の未硬化樹脂が、未硬化部分から供給されることにより、硬化収縮による歪みが抑えられ、マイクロクラックが発生せず、より高精度に微細形状を転写成形する方法が提供できる。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、装置の断面を示した概要図。
【図2】従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、圧着、紫外線照射による硬化工程の断面を示した概要図。
【図3】従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、剥離工程の断面を示した概要図。
【図4】従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、移動工程と第2の紫外線硬化樹脂滴下工程の断面を示した概要図。
【図5】従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、第2の圧着、紫外線照射による硬化工程の断面を示した概要図。
【図6】従来の紫外線硬化樹脂を用いた多面付け方法における、第2の剥離工程の断面を示した概要図。
【図7】本発明による微細形状の転写方法の一実施例においての構成要素を示す斜視図。
【図8】本発明による微細形状の転写方法の一実施例においての構成要素を示す断面図。
【符号の説明】
1…ガラス基板
2、14、25…昇降ヘッド
3、13、24…Ni原版
4、22…シランカップリング処理
5、8、12、23…紫外線硬化樹脂
6、9、26…紫外線
7、10…転写パターン
11、21…ノングレアガラス基板
15…He-Cdレーザー
16…ミラー
17…シャッター
18…Xスキャナー
19…Yスキャナー
27…樹脂硬化部分
28…樹脂未硬化部分
Claims (10)
- 平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、
前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該光線の照射位置を当該スリット方向と略直交する方向に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法。 - 平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、
前記光線を照射する方法として、スリット状の光線を照射し、当該スリット方向と略直交する方向に前記透明基板と前記原版を共に移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法。 - 平面状の透明基板表面に、光硬化樹脂を塗布する工程と、微細な凹凸形状の平面状の原版を、当該光硬化樹脂に密着させ、当該透明基板と原版を近接配置する工程と、当該透明基板に原版と反対側から、光線を照射して当該光硬化樹脂を硬化し、原版を透明基板から剥離する工程からなる微細形状の転写方法において、
前記光線を照射する方法として、ビーム状の光線を走査して移動させ、前記光硬化樹脂を順次硬化するようにした微細形状の転写方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記原版の微細な凹凸形状が表面レリーフ型ホログラムであることを特徴とする微細形状の転写方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記原版の微細な凹凸形状が回折格子であることを特徴とする微細形状の転写方法。
- 請求項5に記載の微細形状の転写方法において、前記回折格子が鋸刃状のブレーズド型回折格子であることを特徴とする微細形状の転写方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記原版の微細な凹凸形状がマイクロレンズアレイであることを特徴とする微細形状の転写方法。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記透明基板がガラス基板であり、当該ガラス基板表面に砂消し処理もしくはノングレア処理を施したことを特徴とする微細形状の転写方法。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の微細形状の転写方法において、前記透明基板がガラス基板であり、当該ガラス基板の表面にシランカップリング処理を施したことを特徴とする微細形状の転写方法。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の微細形状の転写方法により作成された微細形状を有する版を複製版とし、支持体上に前記微細形状の逆型の微細形状を作成することを特徴とする微細形状の転写方法。
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