JP4779505B2 - 微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法および光学素子 - Google Patents

微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法および光学素子 Download PDF

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Description

本発明は、回折格子等に係る微細な凹凸形状を表面に有する光学素子の作製方法とそれによって得られる光学素子に関し、特に、所定領域の表面における凹凸形状を付与するための成形用原版を使用した凹凸形状の付与を、隣接する他の凹凸形成領域においても順次繰り返して行い、同様な凹凸形状が各凹凸形成領域に渡って連続して表面に配列されている光学素子を作製する際、その凹凸形状を付与するための硬化性樹脂がその硬化の途中に成形用原版から剥がれたり、さらには隣接する各凹凸形成領域の境目で段差が生じないようにしたことを特徴とする、微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法およびこの作製方法によって得られる光学素子に関する。
従来、表面に回折格子パターン、フレネルレンズパターン、レンチキュラーレンズパターン等に係る微細な凹凸が付与されている、液晶背面照明用導光板等の光学素子においては、1個の光学素子中に同形状の凹凸形成領域が隣接して複数個所に渡って存在する場合、その1つの領域における凹凸の付与に際して用いられる成形用原版を、それと隣接するその他の領域における凹凸の付与においても繰り返して使用し、光学素子全域における微細な凹凸形状を付与する方法が一般的に用いられている。
ある領域における表面の凹凸形状を複製する方法としては、その凹凸形状を付与するための成形用原版に熱可塑性樹脂を密着し、加圧を行い、成形用原版の凹凸形状を熱可塑性樹脂の表面部分に付与する方法がある。
また、可視光線や紫外線等の光の照射により硬化する硬化性樹脂(以下、光硬化性樹脂という。)を用い、それを成形用原版に密着させた状態で硬化用の光線を照射することにより、照射部分に対応する樹脂を硬化させ、成形用原版の凹凸形状を光硬化性樹脂の表面部分に付与する方法もある(例えば、特許文献1参照。)。
また、表面に微細な凹凸形状を有する光学素子を大量に生産する場合には、凹凸形状を有する成形用原版から複数の凹凸部分を多面に配列してなる多面付け版というものを作製し、これを用いて微細な凹凸形状を有する光学素子の複数個を同時に複製する方法もある。
このような中で、光硬化性樹脂を用いて成形用原版の凹凸形状をその光硬化性樹脂の表面部分に付与する場合には、樹脂が硬化する際に発生する硬化収縮により、原版の凹凸形状が樹脂側で忠実に反映されないことがよくある。
特に、凹凸形状を付与する樹脂部分の厚みを大きくした場合には、その部分における硬化収縮が大きくなり、硬化の途中に原版から樹脂が剥がれたり、各領域の境目の部分で凹凸形状を忠実に再現することが困難であった。
このような場合、樹脂の硬化収縮分を予め予測し、その分を硬化前の樹脂層の厚みに反映するようにした補正も行われているが、繋ぎ目部分での厚みに差が出ないようにするのは非常に困難であった。
特許第2789597号明細書
以上のように、光硬化性樹脂と1つの成形用原版を用い、所定の凹凸形成領域における凹凸形状の付与とそれに隣接する他の凹凸形成領域における凹凸形状の付与を同様の方法で行い、光学素子の表面全域に凹凸形状を付与する方法においては、光硬化性樹脂が硬化する際の硬化収縮により、精度良く各凹凸形成領域を繋げることが困難であり、また、凹凸形状を付与する樹脂部分の厚みを大きくした場合においては、各凹凸形成領域の境目で凹凸形成用原版の凹凸形状を忠実に再現することが困難となり、各領域の繋ぎ目部分での段差をなくすことは非常に困難であった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、ある凹凸形成領域の表面における凹凸形状の付与に用いる凹凸成形用原版をその領域に隣接するその他の凹凸形成領域に対する凹凸形状の付与にも使用し、凹凸成形用原版に係る凹凸形状が連続して繰り返して配列されてなる凹凸部分が光硬化性樹脂の表面部分全域に渡って忠実に再現でき、しかも樹脂がその硬化の途中で成形用原版から剥がれたり、さらには各凹凸形成領域の境目で段差が生じないようして光学素子を得ることことができるようにしたことを特徴とする、表面に微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法とそれによって得られる光学素子を提供することにある。
本発明は、以上のような課題を達成するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、平板状の透明基板表面の一部に光硬化性樹脂を塗布する工程と、塗布された光硬化性樹脂に対して成形用原版の平面状の押圧部分を圧着させて透明基板表面と成形原版の押圧部分との間隔が均一になるように前記透明基板と成形用原版とを近接配置する工程と、近接配置された前記透明基板と成形用原版の部分に対して透明基板側から光を照射し、その間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させて分割下部硬化樹脂層を透明基板表面の一部に設ける工程とを、透明基板上で順次繰り返して行い、透明基板表面に各分割下部硬化樹脂層が連設されてなる薄膜状で均一な厚みの下部硬化樹脂層を形成した後、下部硬化樹脂層を構成する分割下部硬化樹脂層に対し、その表面に光硬化性樹脂を塗布する工程と、塗布された光硬化性樹脂に対して平板状の凹凸成形用原版を圧着させて分割下部硬化樹脂層表面と凹凸成形用原版の成形部分との間隔が均一になるように分割下部硬化樹脂層と凹凸成形用原版とを近接配置する工程と、近接配置された前記透明基板と凹凸成形用原版の部分に対して透明基板側から光を照射し、凹凸成形用原版と分割下部硬化樹脂層の間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させ、分割上部硬化樹脂層を分割下部硬化樹脂層上に積層する工程とを、それぞれの分割下部硬化樹脂層面に対して順次繰り返し行うことにより、薄膜状で均一な下部硬化樹脂層上に薄膜状でその表面に微細な凹凸形状を有する上部硬化樹脂層を被覆して一体化することを特徴とする、微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法において、前記凹凸成型用原版は、その凹凸形状を付与するための成形領域が光硬化性樹脂を硬化させる領域とほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする。
さらにまた、、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法において、前記平板状の成形用原版は、その平面状の成形領域が光硬化性樹脂を硬化させる領域とほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法において、ビーム状の光を走査して移動させながら前記光硬化性樹脂を順次硬化させるようにしたことを特徴とする。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の作製方法により作製されたことを特徴とする微細な凹凸形状を有する光学素子。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光学素子において、微細な凹凸形状が、回折格子形状であることを特徴とする。
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の光学素子において、微細な凹凸形状が、ブレーズド回折格子形状であることを特徴とする。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果を奏する。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、予め透明基板上に光硬化性樹脂を硬化させてなる分割下部硬化樹脂層を設けてから、その上に分割上部硬化樹脂層を設けるため、分割上部硬化樹脂層の厚みを薄くすることが可能となり、樹脂が硬化するの際に発生する硬化収縮を極力小さくすることができ、凹凸形成領域の境目で凹凸形成用原版に係る凹凸形状を忠実に再現でき、しかも各凹凸形成領域の繋ぎ目部分での厚み段差の小さい光学素子を精度良く作製方法することができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、透明基板と凹凸成形用原版を近接配置しても、隣接した硬化部分(分割上部硬化樹脂層)に凹凸形成用原版が干渉しないため、透明基板に対し凹凸形成用原版を精度良く配置して光学素子を得ることができる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、透明基板と平面状の成形用原版を近接配置しても、隣接した硬化部分(分割下部硬化樹脂層)に平面状の成形用原版が干渉しないため、透明基板に対し平面状の成形用原版を精度良く配置して光学素子を得ることができる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、ビーム状の光を照射して硬化収縮した部分の硬化収縮量に対応する未硬化樹脂が、光硬化性樹脂の未硬化部分から供給され、硬化収縮による歪みが抑えられ、より高精度な光学素子を得ることができる。
また、上記請求項5に係る発明によれば、凹凸形成領域の境目で凹凸形成用原版に係る凹凸形状が忠実に再現でき、しかも各凹凸形成領域の繋ぎ目部分での厚み段差が非常に小さい。
また、上記請求項6に係る発明によれば、入射した光を効率良く利用することができる。
また、上記請求項7に係る発明によれば、入射した光をより高効率で光を利用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、光学素子の作製に際して使用される光学素子作製用装置の概略とその使用状態を示す斜視説明図である。
図1に示す光学素子作成用装置は、そこにセットされているガラス基板(平面状の透明基板)11の面に対して上下方向に移動する昇降ヘッド14が配置されている。そして、この昇降ヘッド14のガラス基板11に対向する面には、表面に回折格子やフレネルレン
ズパターン等に係る微細な凹凸形状の付与部分を有する凹凸成形用原版62や平面状の押圧部分を有する平板状の成形用原版21が取付られるようになっている。
装置中にセットされているガラス基板11の上面は、その表面を薬液により溶解して細かく荒らした状態にするノングレア処理を行い、さらにシランカップリング処理が施してあり、後述する分割下部硬化樹脂層や下部硬化樹脂層との密着性が確保できるようにしてある。ところで、ガラス基板の表面のノングレア処理により形成された微細な凹凸部分は、後の工程でその表面に塗布された光硬化性樹脂によって埋めらることになり、その部分のガラス基板は見かけ上は透明になる。
一方、ガラス基板11の表面には光硬化性樹脂12が塗布(滴下)されるようになっており、ガラス基板11上の光硬化性樹脂12に対して、前記した成形用原版21または凹凸成形用原版62を取付けた昇降ヘッド14を徐々に降下させ、ガラス基板11と近接配置できるようになっている。
また、光硬化性樹脂を硬化させる光を照射するための照射装置15からは、例えば波長が325nmの紫外線レーザー光(He−Cdレーザー)等が照射されるようになっており、そこから照射された光がミラー16にて反射され、シャッター17を経由してXスキャナー18のミラーに到達すると、ミラーの駆動によって走査されながらYスキャナー19のミラーの部分に導かれるようになっている。
Yスキャナー19のミラーまで導かれた光は、Xスキャナー18の走査方向と直交する方向に走査されながら、前記したガラス基板11に到達するようになっている。
ここで、図1においてはガラス基板11の表面に塗布した光硬化性樹脂12と、平板状の成形用原版21または凹凸成形用原版62が離れたように図示しているが、実際に硬化用の光を照射するときは、光硬化性樹脂12と成形用原版21または凹凸成形用原版62は圧着して近接配置される。
以下、このような構成になる光学素子作製用装置を使用した光学素子の作製例を、図2〜図9に示す工程説明図を参照して順次説明する。
まず、ガラス基板11に対して垂直方向に移動する昇降ヘッド14のガラス基板11に対向する面に、平板状の成形用原版21をその平面状の押圧部分が下側に位置するようにして取り付ける。そして、ガラス基板11表面の一部には光硬化性樹脂12を塗布する(図2参照)。
次に、昇降ヘッド14を徐々に下降させて、光硬化性樹脂12に対して成形用原版21の平面状の押圧部分を圧着させ、ガラス基板11と成形用原版21の押圧部分との間隔が均一になるように近接配置する。続いて、近接配置させたガラス基板11と成形用原版21の部分に対してガラス基板11側から硬化用の光31を走査させながら順次照射し、光硬化性樹脂12を硬化させる(図3参照)。
光硬化性樹脂の所定の領域の硬化が終了したら、昇降ヘッド14を徐々に上昇させ、硬化性樹脂41の硬化部分から成形用原版21を分離させ、さらに未硬化の硬化性樹脂を除去することにより、ガラス基板11上に分割下部硬化樹脂層41を設けることができる。この分割下部硬化樹脂層41の表面部分は成形用原版21の押圧部分の平面状態が反映されていて、平面状に硬化している(図4参照)。
以上のようにして、ガラス基板11上の一部に分割下部硬化樹脂層41が設けられたら
、続いて、この分割下部硬化樹脂層41の形成領域に隣接する他の形成領域に昇降ヘッド14の成形用原版取付部分が位置するようにガラス基板11を平行移動させ、まず、次に形成しようとする分割下部硬化樹脂層の形成領域とその周辺部に渡って硬化性樹脂を塗布する。そして、前述した工程、すなわち、塗布された光硬化性樹脂に対して成形用原版の平面状の押圧部分を圧着させ、ガラス基板表面と平板状の成形用原版の押圧部分との間隔が均一になるようにそれらを近接配置する工程と、近接配置された前記ガラス基板と成形用原版の部分に対してガラス基板側から硬化させるための光を照射し、その間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させることにより、もう一つの分割下部硬化樹脂層をガラス基板上に設ける工程とを実施する。
このとき、成形用原版の平面状の押圧部分が光硬化性樹脂を硬化させる領域とほぼ等しくなるように設定されていると、ガラス基板と成形用原版を近接配置しても、隣接した分割下部樹脂硬化層に成形用原版が干渉しないため、ガラス基板に対して成形用原版を精度良く配置して各分割下部硬化樹脂層を設けることができる。
また、光硬化性樹脂を硬化させる際には、ビーム状の光を走査して移動させながら順次照射するようにすれば、硬化部分における硬化収縮量に対応する分量の未硬化樹脂が、未硬化部分から供給され、硬化収縮による歪みが抑えられ、より高精度な光学素子を得ることができる。
以降、このような操作を、他の分割下部硬化樹脂層の形成領域においても順次繰り返すことにより、薄膜状で均一な厚みの下部硬化樹脂層を形成する(図5参照)。図5においては、三つ分割下部硬化樹脂層41、42、43が薄膜状に配置されてなる下部硬化樹脂層51の例が示してある。
以上のようにして下部硬化樹脂層51がガラス基板11上に形成されたら、昇降ヘッド14に取り付けてあった平板状の成形用原版を取り外し、作製しようとする光学素子の表面の微細な凹凸形状を付与するための凹凸成形用原版62に取り替えると共に、所定の分割下部硬化樹脂層42上とその周辺部分に光硬化性樹脂61を塗布する(図6参照)。
続いて、昇降ヘッド14を徐々に下降させて、塗布された光硬化性樹脂61に対して平板状の凹凸成形用原版62を圧着させ、分割下部硬化樹脂層42の表面と凹凸成形用原版62の成形部分との間隔が均一になるように分割下部硬化樹脂層42と凹凸成形用原版62とを近接配置さてから、近接配置されたガラス基板11と凹凸成形用原版62の部分に対してガラス基板11側から光を照射し、凹凸成形用原版62と分割下部硬化樹脂層42の間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させる(図7)。
照射部分の硬化性樹脂が硬化したら、今度は、昇降ヘッド14を徐々に上昇させ、硬化性樹脂と凹凸成形用原版を分離させた後、未硬化の硬化性樹脂を除去することにより、分割下部硬化樹脂層42の上部に、表面に微細な凹凸形状を有する分割上部硬化樹脂層82を設けることができる(図8参照)。
このようにして1つの分割下部硬化樹脂層42上に分割上部硬化樹脂層82を設けたら、その分割下部硬化樹脂層に隣接するその他の分割下部硬化樹脂層41、43のそれぞれにおいても上述したような工程、すなわち、分割下部硬化樹脂層に対し、その表面に光硬化性樹脂を塗布する工程と、塗布された光硬化性樹脂に対して平板状の凹凸成形用原版を圧着させ、分割下部硬化樹脂層表面と凹凸成形用原版の成形部分との間隔が均一になるように分割下部硬化樹脂層と凹凸成形用原版とを近接配置する工程と、近接配置された前記ガラス基板と凹凸成形用原版の部分に対してガラス基板側から光を照射し、凹凸成形用原版と分割下部硬化樹脂層の間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させ、分割上部硬化樹脂
層を分割下部硬化樹脂層上に積層する工程とを、繰り返し行うことにより、薄膜状で均一な厚みの下部硬化樹脂層51を、薄膜状でその表面に微細な凹凸形状を有する上部硬化樹脂層91で一体的に被覆する(図9参照)。
このとき、光を71を照射して硬化性樹脂を硬化する部分としては、凹凸成形用原版の凹凸形状を付与するための成形用部分とほぼ等しい範囲を設定すれば、ガラス基板と凹凸成形用原版を近接配置しても、隣接した硬化部分に凹凸成形用原版が干渉しないため、ガラス基板に対し凹凸成形用原版を精度良く配置して分割上部硬化樹脂層を順次設けることができる。
また、分割上部硬化樹脂層表面の微細な凹凸形状を、回折格子形状やブレーズド回折格子形状とすると、入射した光を効率良く利用できる光学素子とすることができる。
ところで、回折格子等に係る微細な凹凸形状を有する層をガラス基板上に1層で形成する場合には、ガラス基板の厚みむらや装置のガラス基板の移動精度等により、硬化させる樹脂部分の厚みをある程度厚くしておかないと、ガラス基板と成形用原版を平行に接近させることが困難となる。しかし、硬化させる樹脂部分の厚みが厚くなると、その部分が硬化するときに発生する硬化収縮によりその硬化の途中に成形用原版から硬化した樹脂が剥離してしまい、凹凸成形用原版の凹凸形状を精度よく光硬化性樹脂層の表面に再現することができなくなってしまう。
これに対して、本発明においては、下部硬化樹脂層を上部硬化樹脂層の下に1層設けることで、1層目で硬化収縮に係る剥離が起きても、さらにその上から上部硬化樹脂層で覆うため、凹凸形状の再現性には影響が無くなり、しかも1層目(下部硬化樹脂層)の形成領域の上に2層目(上部硬化樹脂層)を位置させて両者を積層一体化させる構成のため、ガラス基板と昇降ヘッド(ステージ)の精度誤差をキャンセルすることができ、2層目の上部硬化樹脂層の厚みを十分に薄くすることが可能となる。
また、1層目は硬化することで透明状態となり、2層目を硬化するためのレーザー光も透過するようになり、また1層目と2層目を構成する硬化性樹脂を同様のものとすることで、2層目の硬化で両者を強固に一体化することができる。
そして、2層目の厚みを小さくすることで、その部分の樹脂が硬化する際に発生する硬化収縮を小さくすることができ、2層目の面付け領域の境目においても凹凸成形用原版の凹凸形状を忠実に再現することができ、繋ぎ目部分での厚み段差を小さくすることが可能となる。
また本発明によって得られた光学素子の表面部分に、導電化処理を施した後、電鋳メッキもしくは化学メッキを行うことにより得られる複製版を成形用原版として用い、これにより光学素子を製造すれば、各凹凸形成領域の境目でも凹凸形状が忠実に再現され、しかも繋ぎ目部分での厚み段差も小さい光学素子を効率よく作製できるようになる。
光学素子の作製に際して使用される光学素子作製装置の概略とその使用状態の斜視説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係る一工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係る他の工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係るさらに他の工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係るさらに他の工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係るさらに他の工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係るさらに他の工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係るさらに他の工程を示す説明図である。 本発明の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法に係るさらに他の工程を示す説明図である。
符号の説明
11・・ガラス基板
12、61・・光硬化性樹脂
13・・成形用原版
14・・昇降ヘッド
15・・照射装置
16・・ミラー
17・・シャッター
18・・Xスキャナー
19・・Yスキャナー
21・・凹凸成形用原版
31、71・・光
41、42、43・・分割下部硬化樹脂層
51・・下部硬化樹脂層
81、82、83・・分割上部硬化樹脂層
91・・上部硬化樹脂層

Claims (7)

  1. 平板状の透明基板表面の一部に光硬化性樹脂を塗布する工程と、塗布された光硬化性樹脂に対して平面状の成形用原版の平面状の押圧部分を圧着させて透明基板表面と成形原版の押圧部分との間隔が均一になるように前記透明基板と成形用原版とを近接配置する工程と、近接配置された前記透明基板と成形用原版の部分に対して透明基板側から光を照射し、その間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させて分割下部硬化樹脂層を透明基板表面の一部に設ける工程とを、透明基板上で順次繰り返して行い、透明基板表面に各分割下部硬化樹脂層が連設されてなる薄膜状で均一な厚みの下部硬化樹脂層を形成した後、下部硬化樹脂層を構成する分割下部硬化樹脂層に対し、その表面に光硬化性樹脂を塗布する工程と、塗布された光硬化性樹脂に対して凹凸成形用原版を圧着させて分割下部硬化樹脂層表面と凹凸成形用原版の成形部分との間隔が均一になるように分割下部硬化樹脂層と凹凸成形用原版とを近接配置する工程と、近接配置された前記透明基板と凹凸成形用原版の部分に対して透明基板側から光を照射し、凹凸成形用原版と分割下部硬化樹脂層の間に挟まれている光硬化性樹脂を硬化させ、分割上部硬化樹脂層を分割下部硬化樹脂層上に積層する工程とを、それぞれの分割下部硬化樹脂層面に対して順次繰り返して行うことにより、薄膜状で均一な厚みの下部硬化樹脂層上に薄膜状でその表面に微細な凹凸形状を有する上部硬化樹脂層を被覆して一体化することを特徴とする、微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法。
  2. 前記凹凸成形用原版は、その凹凸形状を付与するための成形領域が光硬化性樹脂を硬化させる領域とほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法。
  3. 前記平板状の成形用原版は、その平面状の成形部分が光硬化性樹脂を硬化させる領域とほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法。
  4. ビーム状の光を走査して移動させながら前記光硬化樹脂を順次硬化させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細な凹凸形状を有する光学素子の作製方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の作製方法より作製されたことを特徴とする微細な凹凸形状を有する光学素子。
  6. 前記微細な凹凸形状が、回折格子形状であることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記微細な凹凸形状が、ブレーズド回折格子形状であることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
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