JP2007517253A - モールドを用いた高分子光導波路の製造 - Google Patents

モールドを用いた高分子光導波路の製造 Download PDF

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Abstract

【課題】コア周りにリップを有しない高分子光導波路の効率且つ簡単な製造。
【解決手段】1)下部クラッドコーティング層を基材上に形成し;2)あらかじめデザインされたチャンネルを有する光導波路パターンユニット二つ以上と二つのバンド部とを前記チャンネルが、前記バンド部と連通するように、組み合わせて形成された形を有するモールドを、前記下部クラット層上に前記モールドの凹部と前記下部クラッド層とが対向してその間に間隙を形成するように位置づけ;3)二つのバンド部の一端部から光硬化型高分子樹脂を注入して間隙を樹脂で満たし、該樹脂を光硬化させてコア層を形成した後、下部クラッド層からモールドを除去し;4)上部クラッドコーティング層を前記コア層上に形成することを含む、下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層からなる高分子光導波路の製造方法。
【選択図】 図1B

Description

本発明は、コアパターンを形成するための凹状を有するモールドを用いて、光損失が低く、コア周りにリップ(lip)を有しない、コア及び一つ以上のクラッド層を含む高分子光導波路を製造する方法に関する。
下部クラッド層、多重−モード輸送チャンネルの役割をするコア層及び上部クラッド層を含む多重−モード光導波路は、LAN(local area network)、建物ネットワーク(building network)、加入者ネットワーク(access network)、光バックプレーン(optical back−plane)及び光相互接続(optical interconnection)などのような近距離通信に用いられる。このような光導波路は、シリカの代りにポリイミド、エポキシド及びアクリレートのような安価の高分子を用いて製造されてきた。
また、加圧−エンボシング(press−embossing)またはスタンピング(stamping)によりコア層を提供する多様な技術がドイツのイェノブティックミクロテクニックゲムバハ(Jenoptik Mikrotechnik GmbH.)、米国のプリンストン大学(Prinston University)のチォウー(Chou)及び米国のハーバード大学のホワイトサイド(Whiteside)により報告されている。しかし、このような従来の方法は、コア周りにリップが形成されて光導波路の光損失を増加させるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、コア周りにリップを有しない高分子光導波路を効率かつ簡単に製造できる方法を提供することである。
1)下部クラッドコーティング層(under cladding coating layer)を基材上に形成し;
2)あらかじめデザインされたチャンネルを有する光導波路パターンユニット(unit)二つ以上と二つのバンド部とを前記チャンネルが、前記バンド部と連通するように、組み合わせて形成された形を有するモールドを、前記下部クラット層上に前記モールドの凹部と前記下部クラッド層とが対向してその間に間隙を形成するように位置づけ;
3)二つのバンド部の一端部から光硬化型高分子樹脂を注入して間隙を樹脂で満たし、該樹脂を光硬化させてコア層(core layer)を形成した後、下部クラッド層からモールドを除去し;
4)上部クラッドコーティング層(upper cladding coating layer)を前記コア層上に形成することを含む、下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層からなる高分子光導波路の製造方法。
このような本発明の方法によれば、コア周りにリップを持たず、光損失の低い高分子光導波路を簡単且つ効率よく製造できる。
本発明の前記および他の目的および特徴は、下記の図面を伴う本発明の詳細な説明によって明白になる。
本発明の高分子光導波路の製造方法は、前もって考案されたチャンネルを有する光導波路パターンユニットのチャンネルがバンド部と連通するように二つ以上の光導波路パターンユニットと二つのバンド部とを組み合わせて形成された凹状のモールドを用いて、前記モールドと下部クラッド層とを接触させて生成する間隙を光硬化型高分子樹脂で満たしてコア層を形成することで、光導波路パターンを生成するようにスタンピングすることを特徴とする。
モールドにあるバンド部は、光導波路パターンの深さと同一の深さを有する。前記光導波路パターンとバンド部との深さが異なる場合は、上部クラッド層の製造後、ダミーシート(dummy sheet)を接着する段階で深刻な問題が発生する。
本発明で用いられるモールドは、通常のフォトリソグラフィまたはLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)法によって製造されたゴムモールドまたは金属モールドである。例えば、フォトリソグラフィまたはLIGA法によって製造された凸部を有するマスター上にシロキサン系樹脂(例:ポリジメチルシロキサンゴム)を注入し、常温で放置して気泡を除去した後、30〜100℃で2〜10時間硬化させることで、ゴムモールドを製造できる。金属モールドは、LIGA方法を用いて金属(例:ニッケル)基板上に所望の凹部を形象化することによって、同様の方法で製造できる。
金属モールドを形成する過程で、樹脂の注入または導出のための開口部は、バンド部の端部に形成され、必要な場合、モールドをニッケルでメッキする。
本発明によれば、基材上に下部クラッドコーティング層を形成した後、前記の方法で製造されたモールドを、モールドの凹部と下部クラッド層とが対向して間隙を形成するように前記下部クラッド層上に位置づけ、二つのバンド部の一端部から光硬化型高分子樹脂を注入して間隙を樹脂で埋め込み、該樹脂を光硬化させてコア層を形成した後に、下部クラッド層からモールドを除去し、上部クラッドコーティング層を前記コア層上に形成することで、高分子光導波路を製造する。光硬化型高分子樹脂の注入中または注入後に他方のバンド部の端部は前記間隙の真空化のために用いられる。
透明なゴムモールドが用いられる場合は、基材の透明性に関係なく高分子樹脂がモールド方向からの紫外線照射によって硬化され得る一方、金属モールドの場合は必ず透明な基材を使用しなければならない。コア層の形成を完了後に絶縁されたゴムモールドは、10回以上再使用が可能であるが、金属モールドはほぼ永久的に再使用することができる。
下部及び上部クラッド層は、スピンコーティングのような通常のコーティング法及び紫外線照射のような通常の硬化法によって形成でき、コア層樹脂よりさらに低い屈折率を有する光硬化型高分子樹脂からなる。
本発明に用いられる光硬化型高分子樹脂は、通常の光導波路用樹脂組成物であってもよく、好ましくは本願発明者が既出願の韓国特許公開公報第2003−71343号に開示された組成物であってもよい。
本発明に用いる基材として、シリコンウエハ、透明アクリル基板及び透明ガラス基板などが挙げられる。
本発明によって製造された光硬化型高分子光導波路は、50〜1000μmの幅及び深さ、及び0.5nm(rms)以上の優れた表面粗さを有すると共にリップを有しないコアを含むことで、850nmの波長で0.05〜0.3dB/cm程度の低い光損失を示す。
製造された高分子光導波路は、ダミーシートの接着、ダイシング(dicing)及び研磨(polishing)などの後工程を介して光導波路デバイスユニットを提供する。
以下に本発明を実施例で詳しく説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
[実施例1]モールド用組立体の考案
65mm×70mmの幅×長さを有するカスケード(cascade)型1×4多重−モードスプリッタユニットの形態で、光導波路パターンユニット(10)を考案し、この際、図1Aに示すように一つの主要チャンネル(400μm×200μm(幅×深さ))は、4つの分枝チャンネル(200μm×200μm(幅×深さ))に分けられる。このようなユニット12個を、図1Bに示すように、それぞれの行にあるユニットのチャンネルが相互接続し、二つのバンド部と接続するように5mm×5mmの幅×長さ及び200mmの深さを有する二つの直方形バンド部(20)と共に、4行×3列状に配列してモールド用組立体を得た。
モールドの製造
[実施例2]ゴムモールドの製造−1
実施例1から得られた組立体を用いてフォトマスクを製造した。SU−8フォトレジストをシリコンウエハ上にコーティングして乾燥した後、マスクアライナー(mask−aligner)と製造されたフォトマスクとを用いて露光した後、現像液(developer)で処理し、エンボシング(embossing)フォトレジストマスターを製造した。マスターの周縁上にアルミニウムテープで壁を設けた。ポリジメチルシロキサンゴムをこれに注入し、常温で放置して気泡を除去した後に50℃で3時間硬化させて凹状のゴムモールドを得た。
[実施例3]ゴムモールドの製造−2)
実施例1で得られた組立体を用いてフォトマスクを製造した。このフォトマスクを5mm厚のニッケル金属基板上に位置づけた後にLIGAし、エンボシングマスターを製造した。表面粗さを向上させるために、マスターをニッケルメッキし、研磨した。マスターの円周上にアルミニウムテープで壁を設けた。ポリジメチルシロキサンゴムをこれに注入して、常温に放置して気泡を除去した後に50℃で3時間硬化させ、凹状のゴムモールドを製造した。
[実施例4]金属モールドの製造−3)
実施例1から得られた組立体を用いてフォトマスクを製造した。このフォトマスクを5mm厚のニッケル金属基板上に位置づけた後にLIGAし、凹状の金属モールドを製造した。表面粗さを向上させるために、モールドをニッケルメッキし研磨した。また、2個のバンド部それぞれの端部に1mm径の開口部2個を設けた。
高分子光導波路の製造
[実施例5]ゴムモールドを用いた高分子光導波路の製造−1)
屈折率が1.40である光硬化型樹脂組成物をシリコンウエハ上に均一に散布した後、3000rpmで30秒間スピンコーティングし、100mJ/cm2UV融合ランプで硬化させた後に60〜100℃で10分間処理して、下部クラッド層を形成した。前記光硬化型樹脂組成物は、フッ素置換されたウレタンオリゴマー(Fluorolink D375.27g、イソホロンジイソシアネート89.38g及びヒドロキシメタクリレート34.85gの混合物から合成されたオリゴマー)40g、SR−339 20g、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート20g、2−ヒドロキシプロピルアクリレート10g、ダロキュア#1173 4.5g、Z−6030 5g及びBHT 0.5gの混合物であって、これは韓国公開特許公報第2003−71343号の実施例5に開示されている。
前記実施例2または3から製造されたゴムモールドを下部クラッド層上にモールドの凹部と下部クラッド層とが対向してその間に間隙を形成するように位置づけた。屈折率が1.45である光硬化型樹脂組成物を、インジェクタを用いてバンド部の一端部から注入した。前記光硬化型樹脂組成物は、フッ素置換したウレタンオリゴマー(Fluorolink D 375.27g、イソホロンジイソシアネート89.38g及びヒドロキシプロピルアクリレート38.9gの混合物から合成されたオリゴマー)40g、SR−339 30g、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート20g、ダロキュア#1173 4.5g、Z−6030 5g及びBHT 0.5gの混合物であって、これは韓国公開特許公報第2003−71343号の実施例10に開示されている。樹脂注入されたバンドが樹脂でほぼ満たされると、真空ポンプを用いて他方のバンド部の端部に真空をかけて前記間隙が樹脂で充満させた後、この樹脂をモールド方向で100mJ/cm2UV融合ランプで硬化させ、60〜100℃で10分間処理してコア層を形成した。
前記下部クラッド層の製造に用いられた屈折率が1.40である光硬化型樹脂組成物を、コア層上に1000rpmで20秒間スピンコーティングした後、100mJ/cm2UV融合ランプで硬化させ、60〜100℃で10分間処理して上部クラッド層を形成することによって高分子光導波路を得た。
このように製造された高分子光導波路のコアの走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2A(×500)及び2B(×200)に、原子顕微鏡写真を図2Cにそれぞれ示す。図2A〜2Cから分かるように、本発明に係る光導波路のコア層がリップを有することなく、優れた表面粗さを有する。
[実施例6]ゴムモールドを用いた高分子光導波路の製造−2)
シリコンウエハの代わりにフラットアクリル基板を用いたことを除いては、前記実施例5と同一な方法で高分子光導波路を製造した。
[実施例7]金属モールドを用いた高分子光導波路の製造−3)
シリコンウエハ及びゴムモールドの代りにそれぞれフラットアクリル基板及び前記実施例4で製造された金属モールドを用いたことを除いては、前記実施例5と同一な方法で高分子光導波路を製造した。
[実施例8]金属モールドを用いた高分子光導波路の製造−4)
アクリル基板の代わりにフラットガラス基板を用いたことを除いては、前記実施例7と同一な方法によって高分子光導波路を製造した。
[実施例9]高分子光導波路の物性
前記実施例5で製造された高分子光導波路の比屈折率及び挿入損失(insertion loss)を測定し、その結果を表1に示す。この際、挿入損失は850nmの光源と製造された光導波路のコアと同じ大きさを有する高分子クラッドシリカファイバー(polymer clad silica fiber)とを用いて測定した。
Figure 2007517253
前記表1及び前記説明から分かるように、本発明はコア周りにリップを有することなく、光損失の低い高分子光導波路を提供し、特に多重−モード光導波路を低製造コストで大量生産するための非常に簡単且つ効率的な方法を提供できる。
多重−モードスプリッター(splitter)ユニット用光導波路パターンユニット(10)を示す。 実施例1から得られた12個の光導波路パターンユニットと2個のバンド部(20)との組立体を示す。 実施例5から得られた高分子光導波路のコアの走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例5から得られた高分子光導波路のコアの走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 前記コアの原子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. 1)下部クラッドコーティング層(under cladding coating layer)を基材上に形成し;
    2)あらかじめデザインされたチャンネルを有する光導波路パターンユニット(unit)二つ以上と二つのバンド部とを前記チャンネルが、前記バンド部と連通するように、組み合わせて形成された形を有するモールドを、前記下部クラッド層上に前記モールドの凹部と前記下部クラッド層とが対向してその間に間隙を形成するように位置づけ;
    3)二つのバンド部の一端部から光硬化型高分子樹脂を注入して間隙を樹脂で満たし、該樹脂を光硬化させてコア層(core layer)を形成した後、下部クラッド層からモールドを除去し;
    4)上部クラッドコーティング層(upper cladding coating layer)を前記コア層上に形成することを含む、下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層からなる高分子光導波路の製造方法。
  2. 前記バンド部の他方の端部に光硬化型高分子樹脂の注入中または注入後に真空をかけることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記光導波路パターンとバンド部が、同一の深さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記モールドが、フォトリソグラフィまたはLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)法により製造されたゴムモールドまたは金属モールドであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記基材が、シリコンウエハ、アクリル基板及びガラス基板からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法によって製造され、コア周りにリップ(lip)を有しない高分子光導波路。
  7. 前記コアが、50〜1000μm範囲の幅及び深さを有することを特徴とする請求項6に記載の高分子光導波路。
  8. 請求項1に記載の方法で用いられるモールド。
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