JP2004204289A - 成膜装置とその方法および表示パネルの製造装置とその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化を防止し、POVPD法および真空蒸着法による膜形成を順次効率良く適切に行う有機ELパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】成膜装置100においては、基板200はホルダー回転機構113に支持された基板ホルダー112に保持される。有機層形成時には、有機原料容器133の有機材料が原料加熱ヒーター134により加熱気化され、キャリアガスボンベ131からのキャリアガスと混合され、有機ガスノズル138からチャンバー111内に放出され、ガスノズル方向に向けられた基板200の表面に流される。電極層や封止層形成時は、坩堝151の成膜材料が坩堝加熱ヒーター152により蒸発され、鉛直方向下向きに向けられた基板200の表面に流される。1つのチャンバー111内で真空真空吸引状態を維持した状態で、異なる方法による複数の層を形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】成膜装置100においては、基板200はホルダー回転機構113に支持された基板ホルダー112に保持される。有機層形成時には、有機原料容器133の有機材料が原料加熱ヒーター134により加熱気化され、キャリアガスボンベ131からのキャリアガスと混合され、有機ガスノズル138からチャンバー111内に放出され、ガスノズル方向に向けられた基板200の表面に流される。電極層や封止層形成時は、坩堝151の成膜材料が坩堝加熱ヒーター152により蒸発され、鉛直方向下向きに向けられた基板200の表面に流される。1つのチャンバー111内で真空真空吸引状態を維持した状態で、異なる方法による複数の層を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子;以下「有機EL素子」という)を表示素子として有する有機ELパネルの製造装置に適用して好適な成膜装置とその方法、および、その有機ELパネル等の表示パネルの製造装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型の表示装置として、有機EL素子を発光素子とした有機ELパネルが注目を集めている。この有機ELパネルは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため、消費電力を液晶ディスプレイ等のバックライト型のディスプレイに比べて少なくすることができる。また、応答性能を、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号にも十分対応可能な程度に高くすることもできる。
【0003】
有機ELパネルに用いられる有機EL素子は、アノード(陽極)、有機層、カソード(陰極)という素子構造を有し、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込んでいる。そして、有機層に対して電圧を印加することにより、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ有機層に注入され、有機層にて正孔と電子が再結合することにより発光が生じる。このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/m2の輝度が得られる。
なお、蛍光物質たる有機材料を適宜選択することによって、所望の色彩の発光を得ることができる。そのため、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として有望視されている。
【0004】
このような有機EL素子において、有機層を形成する有機材料は、耐水性が低いためウエットプロセスを利用できない。そのため有機層を形成する際には、真空薄膜成膜技術を利用した真空蒸着を行うのが一般的である。すなわち、真空チャンバー内において、有機材料を坩堝に収容し、その坩堝を加熱して蒸発させ、蒸気の飛翔先に配置された基板に有機材料を付着させ有機層を成膜する方法が、従来より広く用いられている。
【0005】
近年、真空蒸着法とは異なる新しい有機膜形成方法であるLPOVPD(Low PressureOrganic Vapor Phase Deposition)と呼ばれる減圧有機気相蒸着法が米国プリンストン大から提案されている(特許文献1参照)。
LPOVPD法は、減圧下で原料ガスをキャリアガスを用いて基板へ運び、基板上でガスが凝縮させて膜形成を行う有機膜形成方法である。LPOVPD法では、異なる蒸気圧をもつ複数の有機材料を、各成分量を精密に制御しつつ減圧下で反応させて同時蒸着することができ、多成分系薄膜の形成に好適である。また、減圧下で膜形成を行うため、滑らかな表面性を有する有機薄膜を形成することができる。また、LPOVPD法は、成膜方向に自由度があるので、チャンバー側面に配置したガスノズルと対向するように縦置きにした基板への有機膜形成が可能である。そのため、基板を横置きにした際に生じる基板自重によるたわみが低減し、マスク成膜による有機膜パターン形成精度が向上する。したがって、大型基板への高精度な有機膜形成方法として有効である。
【0006】
【特許文献1】
特表2001−423768号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機ELパネルを前述したLPOVPD法を用いて製造しようとすると、LPOVPD法により基板に有機膜を形成した後、真空蒸着法により有機層の上面にカソードを形成する必要がある。そのため、有機ELパネルの製造装置は、LPOVPD室と真空蒸着室とを具備したマルチチャンバー型の装置とする必要があり、また、LPOVPD室と真空蒸着室間の基板搬送機構も必要となる。その結果、装置が大型化し、搬送タクトがかかり生産性が低下するという不利益が生じる。また、搬送の際に基板の位置ずれ、基板割れあるいはキズ等が発生したり、有機膜が劣化したりする可能性があり、歩留まりが低下する可能性があるという不利益もある。特に有機膜は、その製造途中において酸素や水分にさらされると劣化し易いという性質があり、基板の搬送工程が少ないことが好ましい。さらに、複雑な搬送機構によって稼働部からの細かい機械ゴミなどが発生し、成膜装置内部のクリーン度を悪くしパネルの発光欠陥を引き起こすということがある。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことのできる成膜装置および成膜方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことにより、有機層等の発光層や電極層を形成し表示素子を形成する表示パネルの製造装置および表示パネルの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の成膜装置は、内部を大気圧以下に保持することが可能なチャンバーと、成膜材料を気化させ、当該気化された成膜材料を含むガスを前記チャンバー内に放出するガス放出手段と、他の成膜材料を蒸発させ、当該他の成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる蒸発源と、基板を、基板面の向きを変更可能に前記チャンバー内に保持し、前記ガス放出手段から前記ガスが放出される時には前記基板を前記ガスが放出される方向に指向させ、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時には前記基板を前記蒸気が飛散する方向に指向させる基板保持手段とを有する。
【0010】
このような構成の成膜装置においては、適宜選択されるいくつかの膜については、成膜材料をガス放出手段において気化してガス化し、チャンバー内に放出する。チャンバー内においては、基板は、基板保持手段により方向が任意に変更可能なように保持されている。したがって、ガス化された成膜材料が放出されている時には、基板の膜形成面がこのガスの放出される方向を指向するように、その向きを設定しておく。このようにすれば、チャンバー内に放出されたガスは、基板の膜形成面に向かって吹き出されることとなり、ガスに含まれている成膜材料が基板表面に付着し、基板表面に薄膜が形成されることとなる。このような成膜材料を含むガスを吹き付ける工程による成膜が終了したら、引き続いて、いわゆる真空蒸着による成膜を行う。この時は、基板保持手段により基板を鉛直方向下向きを向くように移動させ、蒸発源から成膜材料の蒸気を飛散させる。その結果、基板の膜形成面に蒸気があたり、表面に材料が付着し、薄膜が形成される。
このように、本発明の成膜装置によれば、1つのチャンバーを用いて、異なる方法(工程)による膜形成を連続して行うことができ、装置の小型化および成膜処理の効率化が図れる。しかも、基板をチャンバーから他のチャンバーへと移動させる必要がないので、膜(特に有機膜)の劣化が少ない。搬送機構も単純なためダストの発生も少ない。
【0011】
好適には、前記ガス放出手段を複数具備し、各ガス放出手段は、順次、任意の成膜材料を気化させ、当該気化された成膜材料を含むガスを前記チャンバー内に放出する。
また好適には、前記蒸発源を複数具備し、各蒸発源は、順次、任意の成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる。
このようにすれば、各工程において複数の材料の薄膜を形成することができ、複雑な積層構造の素子等を効率良く形成することができる。
【0012】
また好適には、本発明の成膜装置は、前記ガス放出手段から前記ガスが前記チャンバー内に放出される時に、前記放出されるガスから前記蒸着源を隔離する第1の隔離手段と、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時に、前記飛散される蒸気から前記ガス放出手段を隔離する第2の隔離手段とをさらに有する。
このような構成によれば、いずれかの成膜材料による膜形成処理を行っている時に、他の成膜材料や他の成膜手段への影響を防止することができ、高品質な成膜を行うことができる。
【0013】
好適な一例としては、前記基板保持手段は、基板に平行な軸で当該基板を回転可能に保持する。
また好適な一例としては、少なくとも1の前記ガス放出手段は、前記チャンバーの側面部にガス放出口を有し、当該ガス放出口から前記ガスをチャンバー内に水平方向に放出する。
また、好適な他の一例としては、少なくとも1の前記ガス放出手段は、前記チャンバーの上部にガス放出口を有し、当該ガス放出口から前記ガスをチャンバー内に鉛直方向下向きに放出する。
【0014】
また好適には、基板保持手段に保持されている基板を挟んで前記ガス放出口と反対側の領域に、前記チャンバー内を真空排気する排気口が設けられている。
このような構成によれば、ガス放出口から排気口に向かってガスの層流が形成され、基板の膜形成面の表面に適切に成膜材料を含むガスが流れることとなり好ましい。
【0015】
好適な一例としては、前記ガス放出手段は、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段と、前記成膜材料を気化させ前記キャリアガスと混合するガス生成手段と、前記キャリアガスと混合されたガスを前記チャンバー内に輸送するガス輸送手段とを有する。
また好適な一例としては、前記ガス放出手段は、有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に放出する。
【0016】
また、本発明の成膜方法は、向きを変更可能に基板をチャンバー内に保持し、前記基板の向きを次の成膜工程に応じた所定の方向に設定し、成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程または成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程のいずれか一方の工程により、前記基板に所望の材料の膜を形成し、前記基板の向きを次の成膜工程に応じた所定の方向に変更し、前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程または前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程のいずれか他方の工程により、前記基板に所望の他の材料の膜を形成する。
【0017】
また、本発明の有機ELパネルの製造装置は、1以上の有機層を有する有機EL素子が形成されて構成される有機EL表示パネルの製造装置であって、内部を大気圧以下の圧力に保持することが可能なチャンバーと、前記有機層を形成する有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に放出するガス放出手段と、有機層以外の層を形成する成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる蒸発源と、基板を、基板面の向きを変更可能に前記チャンバー内に保持し、前記ガス放出手段から前記有機ガスが放出される時には前記基板を前記有機ガスが放出される方向に指向させ、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時には前記基板を前記蒸気が飛散する方向に指向させる基板保持手段とを有する。
【0018】
また、本発明の有機ELパネルの製造方法は、1以上の有機層を有する有機EL素子が形成されて構成される有機EL表示パネルの製造方法であって、向きを変更可能に基板をチャンバー内に保持し、前記有機層を形成する有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に配置された前記基板の膜形成面に向けて放出し、前記有機材料の膜を形成し、前記基板の向きを変更し、有機層以外の層を形成する成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させ、前記蒸気を前記基板の膜形成面に付着させて前記成膜材料の膜を形成する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態においては、有機EL素子を発光素子として有する有機ELパネルの製造装置であって、特に、LPOVPD法および真空蒸着法により、基板上に有機層や電極層等の薄膜を順次形成して有機EL素子を形成する装置を例示して本発明を説明する。
【0020】
まず、本実施形態の装置によって製造される有機EL素子の構成について図1を参照して簡単に説明する。
図1は、その有機EL素子の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、有機EL素子1は、ガラス基板2上に、陽極3、有機層4、陰極9および封止膜10が順次積層されて構成される。本実施形態においては、陽極3はITO(酸化インジウムスズ)により形成され、陰極9はLi2O/Mg:Ag(Mg:Agの共蒸着)、LiF/Al等の金属により形成され、封止膜10は例えばSiO2(二酸化ケイ素)により形成される。
有機層4は、例えば緑色発光の場合には、正孔輸送層5、電子輸送性発光層(有機発光層)6を有する。本実施形態においては、正孔輸送層5はα-NPD(テトラフェニルジアミン)により形成され、有機発光層6はAlq3(トリス(8―キノリノラト)アルミニウム錯体)により形成される。
【0021】
このような有機EL素子1においては、陽極3と陰極9との間に直流電圧を印加することにより、正孔は陽極3から正孔輸送層5を経て有機発光層6に注入され、電子は陰極9から有機発光層6に注入される。その結果、注入された正孔および電子の結合により有機発光層6内の蛍光分子が励起され発光現象が生じる。
この時、有機発光層6に含まれる有機発光材料(蛍光物質)を変えることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)を発光する有機EL素子が形成される。したがって、ガラス基板2上にRGB3色の有機EL素子を所定のパターンでマトリクス状に2次元に配列することによりカラー有機ELパネルが製造され、各有機EL素子を選択的に発光させることによりフルカラー表示が行われる。
【0022】
カラー有機ELパネルを製造するための、各色の有機EL素子の配置は、パターニング成膜によって実現できる。パターニング成膜は、所定の成膜パターンに対応して開口が設けられているマスクを、有機層形成面を覆うようにガラス基板2と密着させて配置し成膜を行うものである。各色に対応した複数種類のマスクを用意して有機発光層6の成膜を順番に行うことにより、結果として複数の有機EL素子1を所望の配列で配置することができる。
【0023】
次に、LPOVPD法および真空蒸着法により有機材料および所望の材料の薄膜を順次形成する成膜装置について、図2を参照して説明する。
図2は、その成膜装置の構成を示す図である。
成膜装置100は、チャンバー部110、LPOVPD部(ガス放出手段)130および蒸発源150を有する。
【0024】
チャンバー部110は、成膜対象の基板200に膜形成のための環境を提供する成膜装置100の基本的な構成部であって、チャンバーおよびその周辺処理部を有する。より具体的には、チャンバー部110は、チャンバー111、基板ホルダー112、ホルダー回転機構113、真空排気口114、真空排気装置115、第1のシャッター(第1の隔離手段)116および第2のシャッター(第2の隔離手段)118を有する。
【0025】
チャンバー111は、基板200を所定の減圧環境あるいは実質的な真空環境におき成膜を行うための真空室である。
チャンバー111の中央部には、基板200を保持する基板ホルダー112が設けられている。この基板ホルダー112は、水平に設けられているホルダー回転機構113の回転軸117により回転可能に支持される。なお、基板ホルダー112およびホルダー回転機構113により基板保持手段が構成される。
チャンバー111の側面には、基板ホルダー112を間に挟んで対向する配置で、LPOVPD部130の有機ガスノズル138および真空排気装置115の真空排気口114が設けられる。これにより、LPOVPD法による成膜時に、有機ガスノズル138から基板200周辺を介して真空排気口114に至る有機ガスの層流が形成される。
有機ガスノズル138の前面には、有機ガスノズル138が配置される空間とチャンバー111内のその他の空間とを仕切るための第2のシャッター118が配置されている。第2のシャッター118は、真空蒸着法により成膜を行う際に蒸発源150から飛散される蒸気とLPOVPD部130とを隔離するために使用される。
【0026】
チャンバー111の底面部には、蒸着材料が収容される坩堝151を有する蒸発源150が設けられている。
また、蒸発源150の上部には、蒸発源150が配置される空間とチャンバー111内のその他の空間とを仕切るための第1のシャッター116が配置されている。第1のシャッター116は、LPOVPD法により成膜を行う際に有機ガスノズル138から放出される有機ガスと坩堝151に収容された蒸着材料とを隔離するために使用される。
【0027】
ホルダー回転機構113は、回転軸117を回転駆動することにより基板ホルダー112を回転させ、基板ホルダー112に保持されている基板200を所望の方向に指向させる。ホルダー回転機構113は、LPOVPD法により基板200に有機層を形成する際には、基板200の基板面が鉛直方向となり有機ガスノズル138方向を指向するように基板ホルダー112を回転させる。また、真空蒸着法により基板200に電極層を形成する際には、基板200の基板面が水平方向下向きとなり蒸発源150方向を指向するように、基板ホルダー112を回転させる。
【0028】
LPOVPD部130は、チャンバー111に保持された基板200にLPOVPD法により有機層を形成するために、気化した有機材料をキャリアガスに混合した有機ガスを生成しチャンバー111に放出する。LPOVPD部130は、キャリアガスボンベ131、第1の配管132、有機原料容器133、原料加熱ヒーター134、第2の配管135、バルブ136、第3の配管137、ガスノズル138および配管加熱ヒーター139を有する。
【0029】
キャリアガスボンベ131は、アルゴン(Ar)ガスや窒素ガス(N2)等のキャリアガスを、第1の配管132を介して有機原料容器133に所定の圧力で供給する。
有機原料容器133は、収容される有機原料を気化させキャリアガスと混合するための容器であり、また、原料加熱ヒーター134は、有機原料容器133を加熱するヒーターである。有機原料容器133は、原料加熱ヒーター134により内部が数百度程度になるまで加熱される。これにより、予め収容されたα−NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)やAlq3(トリス(8―キノリノラト)アルミニウム錯体)等の有機EL原料が気化する。気化した有機原料は、第1の配管132を介してキャリアガスボンベ131より導入されるキャリアガスと混合され、第2の配管135を介して有機ガスノズル138方向に送出される。
【0030】
第2の配管135および第3の配管137は、有機原料容器133において生成された有機ガスをチャンバー111に輸送する配管である。
第2の配管135と第3の配管137の間には、チャンバー111への有機ガスの放出を制御するバルブ136が配置されており、図示せぬ成膜装置100の制御部からの制御信号に応じて開閉される。
また、前述した第1の配管132を含む第2の配管135、第3の配管137等の配管は、配管加熱ヒーター139により加熱される。これにより、ガス温度が低下することにより有機材料が配管途中で析出する等の状態を防ぐことができ、有機材料は気相状態に維持されチャンバー111に輸送される。
【0031】
有機ガスノズル138は、第2の配管135および第3の配管137を介して輸送された有機ガスをチャンバー111内に放出する放出口である。有機ガスノズル138は、チャンバー111の側面の真空排気口114に対向する位置に配置される。そして、基板200が、基板面が鉛直方向となり膜形成面が有機ガスノズル138を指向する状態に保持されている時に、膜形成面に膜形成面に垂直な方向から有機ガスを均一に吹き付ける。
【0032】
蒸発源150は、真空蒸着法によりチャンバー111に保持された基板200に所望の材料の薄膜を形成するために、蒸着材料を蒸発させてチャンバー111内に飛散させる。蒸発源150は、坩堝151および坩堝加熱ヒーター152を有する。
【0033】
坩堝151は、蒸着材料を加熱して蒸気化し飛散させるための容器であり、また、坩堝加熱ヒーター152は、坩堝151を加熱するヒーターである。坩堝151は、基板200が、基板面が水平方向となり膜形成面が鉛直方向下向きとなる状態に保持されている時に、基板200の直下となる位置に配置される。これにより、坩堝加熱ヒーター152により加熱されて蒸発した蒸着材料は、真上の基板200の膜形成面を中心に飛散し、付着した蒸気により膜形成面に蒸着材料の薄膜が成膜される。
【0034】
なお、これら成膜装置100の各構成部は、適切にLPOVPD法および真空蒸着法による薄膜形成が行われるように、図示せぬ成膜装置100の制御部により制御されている。具体的には、ホルダー回転機構113による基板ホルダー112の回転および停止、真空排気装置115によるチャンバー111の真空排気、第1のシャッター116および第2のシャッター118の開閉、キャリアガスボンベ131の開閉、原料加熱ヒーター134による有機原料容器133の加熱、配管加熱ヒーター139による第1〜第3の配管132,135,137の加熱、バルブ136の開閉、坩堝加熱ヒーター152による坩堝151の加熱を含む蒸着条件の設定等が、いずれもこの制御部により制御される。
【0035】
次に、このような構成の成膜装置100の動作について図3を参照して説明する。なおここでは、基板200に、まず有機膜を形成し、次に蒸着膜を形成する処理を例示して成膜装置100の動作を説明する。
図3は、成膜装置100の動作を説明する図であって、図3(A)はLPOVPD法により基板200に有機膜を形成する時の成膜装置100を示す図であり、図3(B)は真空蒸着法により基板200に蒸着膜を形成する時の成膜装置100を示す図である。
【0036】
成膜装置100において成膜を行う場合は、まず、基板ホルダー112に成膜対象の基板200を載置する。この時、基板200の膜形成面に、膜を形成したい箇所のみが開口されたマスク部材を密着させて配置しておくことにより、所望のパターンの膜を形成することができる。
また、有機原料容器133に有機材料を投入し、坩堝151には蒸着材料を投入する。
そして、第1のシャッター116および第2のシャッター118を開いた状態で、またバルブ136は閉じた状態で、真空排気装置115を動作させ、チャンバー111内の空気を排気してチャンバー111を真空にする。この時の真空度は、最初に行うLPOVPD法による薄膜形成が可能な程度の数十Pa〜104Pa程度(0.数Torr〜数十Torr程度)の真空度でよい。
【0037】
チャンバー111が所定の真空状態となったら、蒸発源150が有機ガスの影響を受けないように第1のシャッター116を閉じる。
また、基板ホルダー112をホルダー回転機構113により回転し、図3(A)に示すように、基板200の基板面が鉛直方向となり膜形成面が有機ガスノズル138を指向するように、基板200を配置する。
また、原料加熱ヒーター134により有機原料容器133を加熱し、有機原料容器133に収容されている有機材料を気化させる。
また、配管加熱ヒーター139により、第1〜第3の配管132,135および137も加熱しておく。
そして、有機原料容器133の有機原料が加熱されて気化され始めたら、キャリアガスボンベ131から有機原料容器133へのキャリアガスの供給を開始する。その結果、有機原料容器133において、気化した有機原料とキャリアガスが混合され、有機ガスが生成される。
【0038】
有機原料容器133内において有機ガスが生成されたら、バルブ136を開放し、生成された有機ガスを有機ガスノズル138からチャンバー111に放出する。この時、チャンバー111においては、真空排気装置115による真空排気口114からのガス排気が行われている。したがって、チャンバー111においては、有機ガスノズル138から基板200周辺雰囲気を通過して真空排気口114に流れる有機ガスの層流fが形成される。これにより、放出された有機ガスは基板200の膜形成面に均一に吹き付けられる状態となり、基板200の膜形成面に徐々に有機原料が付着堆積し、有機膜が形成される。
所望の厚さの有機膜が形成された後、バルブ136を閉じて有機ガスのチャンバー111への放出を停止する。またこれに合わせて、原料加熱ヒーター134による有機原料容器133の加熱、および、キャリアガスボンベ131からのキャリアガスの供給も停止し、LPOVPD法による有機膜形成を終了する。
【0039】
有機膜の形成が終了した後、基板ホルダー112をホルダー回転機構113により回転し、図3(B)に示すように、基板200の基板面が水平方向下向きとなるように基板200を配置する。
また、第1のシャッター116を開放し、その前後に第2のシャッター118は、飛散する蒸着材料から有機ガスノズル138等のLPOVPD部130を隔離するために、クローズする。
また、真空排気装置115は、真空蒸着に好ましいように、また、既に形成した有機膜の劣化を防ぐのに好ましいように、例えば10−4Pa程度のより高真空状態となるように、チャンバー111内を真空排気する。
【0040】
次に、坩堝加熱ヒーター152により坩堝151を加熱し、坩堝151に投入されている蒸着材料を蒸発させる。蒸発が開始されたら、図示せぬ例えば水晶振動式膜厚計等の計測装置により蒸着材料の蒸発量をモニタし、蒸発量が所望の量で安定するよう、坩堝加熱ヒーター152に印加する電流値等の加熱条件を調整する。
蒸発量が所望の量で安定したら、第1のシャッター116をオープンして、蒸着材料の蒸気vをチャンバー111内に飛散させる。蒸発源150の上部には、基板200が膜形成面を下向きにして配置されているので、多くの蒸気vは基板200方向に飛散することとなり、基板200の膜形成面に付着する。すなわち、蒸着が行われ、蒸着膜が形成される。
所望の厚さの蒸着膜が形成されたら、第1のシャッター116をクローズして、蒸気の飛散を停止する。またこれに合わせて、坩堝加熱ヒーター152による坩堝151の加熱も停止し、真空蒸着法による膜形成を終了する。
【0041】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態では、複数の有機膜および蒸着膜を形成可能に改変してある。
図4に示すように、有機ELパネル製造装置101は、基板上に、有機層をLPOVPD法により、また、電極層および封止層を真空蒸着法により形成する装置である。
なお、以下の有機ELパネル製造装置101の説明において、前述した成膜装置100と共通の部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、有機ELパネル製造装置101は、LPOVPD部130および蒸発源150を複数具備する。すなわち、有機ELパネル製造装置101は、チャンバー部110、n個のLPOVPD部130−1〜130−n、および、2個の蒸発源150−1,150−2を有する。
【0042】
チャンバー部110の構成は、前述した成膜装置100と同じである。
なお、本実施形態においては、第1のシャッター116は2個の蒸発源150−1,150−2に共通に1枚設けられており、また、第2のシャッター118はn個のLPOVPD部130−1〜130−nに共通に1枚設けられている。ただし、これら第1のシャッター116および第2のシャッター118は、2個の蒸発源150−1,150−2およびn個のLPOVPD部130−1〜130−nの各々に個別に設けるようにしてもよい。
【0043】
n個のLPOVPD部130−1〜130−nの各々は、前述した成膜装置100のLPOVPD部130と基本的に同じ構成である。
ただし、キャリアガスボンベ131は、n個のLPOVPD部130−1〜130−nに対して共通に1つ設けられており、各LPOVPD部130−i(i=1〜n)の第1の配管132−iには、第2のバルブ140−iが設けられている。各LPOVPD部130−iに設けられた第2のバルブ140−iを選択的に開くことにより、キャリアガスボンベ131からそのLPOVPD部130−iにキャリアガスが供給される。
また、チャンバー111に有機ガスを供給する有機ガスノズル138も、n個のLPOVPD部130−1〜130−nにおいて共通化されている。すなわち、n個のLPOVPD部130−1〜130−nの第3の配管137−1〜137−nは、図示のごとく途中で結合されて1本の配管とされており、これが最終的に有機ガスノズル138に接続されている。これにより、バルブ136−iをオープンしてあるLPOVPD部130−iにより生成された有機ガスのみが、有機ガスノズル138からチャンバー111内に放出されることとなる。
【0044】
2個の蒸発源150−1,150−2は、各々が坩堝151−k(k=1または2)および坩堝加熱ヒーター152−kを有する。各蒸発源150−kにおいては、坩堝加熱ヒーター152−kが坩堝151−kを加熱することにより、坩堝151−k内の蒸着材料が蒸発して飛散し、基板200に付着して、基板200に蒸着膜が形成される。
【0045】
次に、有機ELパネル製造装置101により図1に示す有機EL素子1を有する有機ELパネルを製造する方法について説明する。
まず、有機ELパネル製造装置101に、スパッタリング法等によりITOアノード層が形成されたガラス基板2が投入される。すなわち、ITOアノード層の形成されたガラス基板2が、チャンバー111の基板ホルダー112に載置される。なお、図示しないが、基板200上には、有機EL素子1を形成する箇所のみが開口されたマスクが密着されているものとする。
また、第1〜第3のLPOVPD部130−1〜130−3の有機原料容器133−1〜133−3には、正孔輸送層5および有機発光層6の材料である有機原料α−NPDおよびAlq3が各々投入される。また第1および第2の蒸発源150−1,150−2の坩堝151−1および151−2には、陰極9の材料である金属材料および封止膜10の材料であるニ酸化ケイ素(SiO2)が投入される。
【0046】
基板200が基板ホルダー112に保持されたら、ホルダー回転機構113により基板ホルダー112が回転され、基板200は有機ガスノズル138を指向するように配置される。また、第1のシャッター116はクローズされ、第2のシャッター118がオープンされる。
そしてまず、第1のLPOVPD部130−1の原料加熱ヒーター134−1が通電され、原料加熱ヒーター134−1により有機原料容器133−1が加熱され、有機原料容器133−1に収容されるα-NPDが気化される。また、第1のLPOVPD部130−1の第2のバルブ140−1が開かれて、有機原料容器133−1にキャリアガスボンベ131からArまたはN2等のキャリアガスが導入される。その結果、第1のLPOVPD部130−1の有機原料容器133−1内部で、気化されたα−NPDとキャリアガスが混合される。
【0047】
α−NPDガスが生成されたら、第1のLPOVPD部130−1のバルブ136−1が開かれ、α−NPDガスは十分にヒーター加熱された配管135−1,137−1を通って輸送され、有機ガスノズル138からチャンバー111に放出される。
この時、チャンバー111の真空度およびα−NPDガスの放出圧力は、チャンバー111に放出されたα−NPDガスが層流となるよう最適化される。例えば、チャンバー111の真空度は数十Pa〜104PA程度(0.数Torr〜数十Torr程度)で、α−NPDガスは数百〜数千sccm(standard cm3/min)程度となるように制御される。
これにより、基板200の陽極3上のマスクにより特定された所望の位置に、正孔輸送層5たるα−NPD層が形成される。
所望の厚さのα−NPD層が形成されたら、バルブ136−1および第2のバルブ140−1を閉じ、原料加熱ヒーター134−1による加熱を終了し、α−NPDガスの放出を終了する。
【0048】
α−NPD層が形成されたら、第2のLPOVPD部130−2により、その上に、Alq3層を形成する。
すなわち、第2のLPOVPD部130−2の原料加熱ヒーター134−2に通電することにより有機原料容器133−2を加熱し、有機原料容器133−2に収容されるAlq3を気化する。また、第2のLPOVPD部130−2の第2のバルブ140−2を開いて、有機原料容器133−2にキャリアガスボンベ131からキャリアガスを導入する。その結果、第2のLPOVPD部130−2の有機原料容器133−2内部で、気化されたAlq3とキャリアガスが混合され,Alq3ガスが生成される。
Alq3ガスが生成されたら、第2のLPOVPD部130−2のバルブ136−2を開く。その結果、Alq3ガスは、加熱された配管135−2,137−2を介して有機ガスノズル138からチャンバー111に放出される。この時、チャンバー111の真空度およびAlq3ガスの放出圧力は、前述したのと同様に、Alq3ガスが層流となるよう最適化される。
これにより、基板200の正孔輸送層5上に、有機発光層6たるAlq3の薄膜が形成される。
【0049】
Alq3層が形成されたら、次に、第1の蒸発源150−1により、その上に、カソードを形成する。
そのために、まず、ホルダー回転機構113により基板ホルダー112を回転し、基板200が鉛直方向下向きに向くように、その向きを変更する。
そして、第1の蒸発源150−1の坩堝151−1を坩堝加熱ヒーター152−1により加熱し、収容されるカソード材料を蒸発させる。蒸発量が安定したら、第1のシャッター116をオープンして、蒸気をチャンバー111内に飛散させる。その結果、このカソード材料の蒸気は大部分が基板200に付着し、Alq3層の上にカソード層たる金属層が形成される。
【0050】
カソード層が形成されたら、最後に、第2の蒸発源150−2により、これら有機EL素子1を封止する封止膜を形成する。
そのために、一旦第1のシャッター116をクローズした後、第2の蒸発源150−2の坩堝151−2を坩堝加熱ヒーター152−2により加熱し、収容されるSiO2を蒸発させる。蒸発量が安定したら、再度第1のシャッター116をオープンして、蒸気をチャンバー111内に飛散させる。その結果、有機EL素子1の上に封止層が形成される。
【0051】
このように、本実施形態の成膜装置100および有機ELパネル製造装置101においては、LPOVPD法による有機層の形成および真空蒸着法による電極層の形成を、チャンバー111内の連続した処理により行うことができる。すなわち、一貫した真空環境中において、これら異なる方法による薄膜形成を順次行うことができる。したがって、成膜方法に応じて異なるチャンバーで処理を行う従来のマルチチャンバー型の製造方法と比較して、製造工程を簡単にすることができる。また、成膜工程ごとに真空環境を作るマルチチャンバーを用いた場合と比較して、効率良く成膜を行うことができ、有機EL素子1等の素子の生産性を高くすることができる。
【0052】
また、成膜装置100および有機ELパネル製造装置101においては、方法の異なる複数の成膜工程を、1つのチャンバーで行うことができる。具体的には、例えば有機層を形成する工程と、電極層や封止層を形成する工程とを同一のチャンバー内で行うことができる。したがって、装置構成が簡単になり、装置を小型化することができる。また、基板をチャンバー間を搬送する搬送機構が不要となるので、有機膜の劣化を極力防止することが可能となるとともに、装置の小型化が可能となる。
さらに、搬送機構が簡略し細かい機械ゴミの発生が低減し、成膜装置内部のクリーン度が向上することによってパネルの発光欠陥が低減する。
【0053】
また、複数の層を順次効率良く堆積することができるので、複数の層中に例えば有機層等の劣化し易い層が含まれる場合においても、そのような薄膜を大気中等の異なる環境にさらすことがない。すなわち、ほぼ同一の真空環境中に短い時間保持するのみでよい。したがって、そのような薄膜の劣化を防止することができ、高品質な例えば有機EL素子等の素子を形成することができる。
したがって、このような成膜装置および成膜方法は、有機EL素子1が多数配置された有機ELパネルを製造するのに非常に好適である。
【0054】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。
例えば、本実施形態においてはLPOVPD法により有機ガスが放出される有機ガスノズル138は、チャンバー111の側面に配置されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、図5(A)に示すように、有機ガスノズル138がチャンバー111の上面に配置されるような形態や、図5(B)に示すように傾斜して配置されるような形態であっても何ら差し支えない。ホルダー回転機構113の駆動により、基板ホルダー112に保持された基板200が蒸発源150およびLPOVPD部130の両方向を指向可能な配置であれば、有機ガスノズル138の位置は任意の位置でよい。
【0055】
また、LPOVPD部130を複数有する場合の各LPOVPD部130の有機ガスノズル138の位置も、任意の配置でよい。例えば、図5(C)に示すように、2つのLPOVPD部130を有する場合において、第1のLPOVPD部130−1の有機ガスノズル138−1はチャンバー111の側面に配置し、第2のLPOVPD部130−2の有機ガスノズル138−2はチャンバー111の上面に配置するようにしてもよい。この場合も、ホルダー回転機構113の駆動により、基板ホルダー112に保持された基板200が蒸発源150および各LPOVPD部130の全てを指向可能であれば、有機ガスノズル138の位置は任意の位置でよい。
【0056】
また、本実施形態においては、有機EL素子を形成する装置および方法を例示して本発明を説明したが、本発明は、何ら製造する装置を限定されるものではない。本発明は、LPOVPD法および真空蒸着法により所望の膜を順次形成する任意の装置の製造に適用可能である。
また、本実施形態においては、有機層4は前述したような3つの層により形成されているが、これに限定されものではない。任意の材料を用いた任意の数の層を形成し、発光部たる有機層4を形成してよい。
また、有機層4の周囲の電極層や、基板、封止層等の構成も、本実施形態の構成に限定されるものではなく任意に変更してよい。例えば、陰極9を透明電極により形成し陰極9側より発光光が出射するようにしてもよいし、両面より発光するように構成してもよい。また、各電極層、基板および封止層等の材料も任意の材料を使用してよい。
【0057】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことのできる成膜装置および成膜方法を提供することができる。
また、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことにより、有機層等の発光層や電極層を形成し表示素子を形成する表示パネルの製造装置および表示パネルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に関わる有機EL素子の構成を説明するための図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の成膜装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した成膜装置の動作を説明するための図である。
【図4】図4は、図2に示した成膜装置の変形例であって、図1に示した有機EL素子を製造するための装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、図2に示した成膜装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1…有機EL素子、2…ガラス基板、3…陽極、4…有機層、5…正孔輸送層、6…有機発光層、9…陰極、10…封止膜、100…成膜装置、110…チャンバー部、111…チャンバー、112…基板ホルダー、113…ホルダー回転機構、114…真空排気口、115…真空排気装置、116…第1のシャッター、117…回転軸、118…第2のシャッター、130…LPOVPD部、131…キャリアガスボンベ、132…第1の配管、133…有機原料容器、134…原料加熱ヒーター、135…第2の配管、136…バルブ、137…第3の配管、138…有機ガスノズル、139…配管加熱ヒーター、140…第2のバルブ、150…蒸発源、151…坩堝、152…坩堝加熱ヒーター
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子;以下「有機EL素子」という)を表示素子として有する有機ELパネルの製造装置に適用して好適な成膜装置とその方法、および、その有機ELパネル等の表示パネルの製造装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、平面型の表示装置として、有機EL素子を発光素子とした有機ELパネルが注目を集めている。この有機ELパネルは、バックライトが不要な自発光型のフラットパネルディスプレイであり、自発光型に特有の視野角の広いディスプレイを実現できるという利点を有する。また、必要な画素のみを点灯させればよいため、消費電力を液晶ディスプレイ等のバックライト型のディスプレイに比べて少なくすることができる。また、応答性能を、今後実用化が期待されている高精細度の高速のビデオ信号にも十分対応可能な程度に高くすることもできる。
【0003】
有機ELパネルに用いられる有機EL素子は、アノード(陽極)、有機層、カソード(陰極)という素子構造を有し、有機材料を上下から電極(陽極および陰極)で挟み込んでいる。そして、有機層に対して電圧を印加することにより、陽極から正孔が、陰極から電子がそれぞれ有機層に注入され、有機層にて正孔と電子が再結合することにより発光が生じる。このとき、有機EL素子では、10V以下の駆動電圧で数百〜数万cd/m2の輝度が得られる。
なお、蛍光物質たる有機材料を適宜選択することによって、所望の色彩の発光を得ることができる。そのため、有機EL素子は、マルチカラーまたはフルカラーの表示装置を構成するための発光素子として有望視されている。
【0004】
このような有機EL素子において、有機層を形成する有機材料は、耐水性が低いためウエットプロセスを利用できない。そのため有機層を形成する際には、真空薄膜成膜技術を利用した真空蒸着を行うのが一般的である。すなわち、真空チャンバー内において、有機材料を坩堝に収容し、その坩堝を加熱して蒸発させ、蒸気の飛翔先に配置された基板に有機材料を付着させ有機層を成膜する方法が、従来より広く用いられている。
【0005】
近年、真空蒸着法とは異なる新しい有機膜形成方法であるLPOVPD(Low PressureOrganic Vapor Phase Deposition)と呼ばれる減圧有機気相蒸着法が米国プリンストン大から提案されている(特許文献1参照)。
LPOVPD法は、減圧下で原料ガスをキャリアガスを用いて基板へ運び、基板上でガスが凝縮させて膜形成を行う有機膜形成方法である。LPOVPD法では、異なる蒸気圧をもつ複数の有機材料を、各成分量を精密に制御しつつ減圧下で反応させて同時蒸着することができ、多成分系薄膜の形成に好適である。また、減圧下で膜形成を行うため、滑らかな表面性を有する有機薄膜を形成することができる。また、LPOVPD法は、成膜方向に自由度があるので、チャンバー側面に配置したガスノズルと対向するように縦置きにした基板への有機膜形成が可能である。そのため、基板を横置きにした際に生じる基板自重によるたわみが低減し、マスク成膜による有機膜パターン形成精度が向上する。したがって、大型基板への高精度な有機膜形成方法として有効である。
【0006】
【特許文献1】
特表2001−423768号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機ELパネルを前述したLPOVPD法を用いて製造しようとすると、LPOVPD法により基板に有機膜を形成した後、真空蒸着法により有機層の上面にカソードを形成する必要がある。そのため、有機ELパネルの製造装置は、LPOVPD室と真空蒸着室とを具備したマルチチャンバー型の装置とする必要があり、また、LPOVPD室と真空蒸着室間の基板搬送機構も必要となる。その結果、装置が大型化し、搬送タクトがかかり生産性が低下するという不利益が生じる。また、搬送の際に基板の位置ずれ、基板割れあるいはキズ等が発生したり、有機膜が劣化したりする可能性があり、歩留まりが低下する可能性があるという不利益もある。特に有機膜は、その製造途中において酸素や水分にさらされると劣化し易いという性質があり、基板の搬送工程が少ないことが好ましい。さらに、複雑な搬送機構によって稼働部からの細かい機械ゴミなどが発生し、成膜装置内部のクリーン度を悪くしパネルの発光欠陥を引き起こすということがある。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことのできる成膜装置および成膜方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことにより、有機層等の発光層や電極層を形成し表示素子を形成する表示パネルの製造装置および表示パネルの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の成膜装置は、内部を大気圧以下に保持することが可能なチャンバーと、成膜材料を気化させ、当該気化された成膜材料を含むガスを前記チャンバー内に放出するガス放出手段と、他の成膜材料を蒸発させ、当該他の成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる蒸発源と、基板を、基板面の向きを変更可能に前記チャンバー内に保持し、前記ガス放出手段から前記ガスが放出される時には前記基板を前記ガスが放出される方向に指向させ、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時には前記基板を前記蒸気が飛散する方向に指向させる基板保持手段とを有する。
【0010】
このような構成の成膜装置においては、適宜選択されるいくつかの膜については、成膜材料をガス放出手段において気化してガス化し、チャンバー内に放出する。チャンバー内においては、基板は、基板保持手段により方向が任意に変更可能なように保持されている。したがって、ガス化された成膜材料が放出されている時には、基板の膜形成面がこのガスの放出される方向を指向するように、その向きを設定しておく。このようにすれば、チャンバー内に放出されたガスは、基板の膜形成面に向かって吹き出されることとなり、ガスに含まれている成膜材料が基板表面に付着し、基板表面に薄膜が形成されることとなる。このような成膜材料を含むガスを吹き付ける工程による成膜が終了したら、引き続いて、いわゆる真空蒸着による成膜を行う。この時は、基板保持手段により基板を鉛直方向下向きを向くように移動させ、蒸発源から成膜材料の蒸気を飛散させる。その結果、基板の膜形成面に蒸気があたり、表面に材料が付着し、薄膜が形成される。
このように、本発明の成膜装置によれば、1つのチャンバーを用いて、異なる方法(工程)による膜形成を連続して行うことができ、装置の小型化および成膜処理の効率化が図れる。しかも、基板をチャンバーから他のチャンバーへと移動させる必要がないので、膜(特に有機膜)の劣化が少ない。搬送機構も単純なためダストの発生も少ない。
【0011】
好適には、前記ガス放出手段を複数具備し、各ガス放出手段は、順次、任意の成膜材料を気化させ、当該気化された成膜材料を含むガスを前記チャンバー内に放出する。
また好適には、前記蒸発源を複数具備し、各蒸発源は、順次、任意の成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる。
このようにすれば、各工程において複数の材料の薄膜を形成することができ、複雑な積層構造の素子等を効率良く形成することができる。
【0012】
また好適には、本発明の成膜装置は、前記ガス放出手段から前記ガスが前記チャンバー内に放出される時に、前記放出されるガスから前記蒸着源を隔離する第1の隔離手段と、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時に、前記飛散される蒸気から前記ガス放出手段を隔離する第2の隔離手段とをさらに有する。
このような構成によれば、いずれかの成膜材料による膜形成処理を行っている時に、他の成膜材料や他の成膜手段への影響を防止することができ、高品質な成膜を行うことができる。
【0013】
好適な一例としては、前記基板保持手段は、基板に平行な軸で当該基板を回転可能に保持する。
また好適な一例としては、少なくとも1の前記ガス放出手段は、前記チャンバーの側面部にガス放出口を有し、当該ガス放出口から前記ガスをチャンバー内に水平方向に放出する。
また、好適な他の一例としては、少なくとも1の前記ガス放出手段は、前記チャンバーの上部にガス放出口を有し、当該ガス放出口から前記ガスをチャンバー内に鉛直方向下向きに放出する。
【0014】
また好適には、基板保持手段に保持されている基板を挟んで前記ガス放出口と反対側の領域に、前記チャンバー内を真空排気する排気口が設けられている。
このような構成によれば、ガス放出口から排気口に向かってガスの層流が形成され、基板の膜形成面の表面に適切に成膜材料を含むガスが流れることとなり好ましい。
【0015】
好適な一例としては、前記ガス放出手段は、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段と、前記成膜材料を気化させ前記キャリアガスと混合するガス生成手段と、前記キャリアガスと混合されたガスを前記チャンバー内に輸送するガス輸送手段とを有する。
また好適な一例としては、前記ガス放出手段は、有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に放出する。
【0016】
また、本発明の成膜方法は、向きを変更可能に基板をチャンバー内に保持し、前記基板の向きを次の成膜工程に応じた所定の方向に設定し、成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程または成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程のいずれか一方の工程により、前記基板に所望の材料の膜を形成し、前記基板の向きを次の成膜工程に応じた所定の方向に変更し、前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程または前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程のいずれか他方の工程により、前記基板に所望の他の材料の膜を形成する。
【0017】
また、本発明の有機ELパネルの製造装置は、1以上の有機層を有する有機EL素子が形成されて構成される有機EL表示パネルの製造装置であって、内部を大気圧以下の圧力に保持することが可能なチャンバーと、前記有機層を形成する有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に放出するガス放出手段と、有機層以外の層を形成する成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる蒸発源と、基板を、基板面の向きを変更可能に前記チャンバー内に保持し、前記ガス放出手段から前記有機ガスが放出される時には前記基板を前記有機ガスが放出される方向に指向させ、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時には前記基板を前記蒸気が飛散する方向に指向させる基板保持手段とを有する。
【0018】
また、本発明の有機ELパネルの製造方法は、1以上の有機層を有する有機EL素子が形成されて構成される有機EL表示パネルの製造方法であって、向きを変更可能に基板をチャンバー内に保持し、前記有機層を形成する有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に配置された前記基板の膜形成面に向けて放出し、前記有機材料の膜を形成し、前記基板の向きを変更し、有機層以外の層を形成する成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させ、前記蒸気を前記基板の膜形成面に付着させて前記成膜材料の膜を形成する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態においては、有機EL素子を発光素子として有する有機ELパネルの製造装置であって、特に、LPOVPD法および真空蒸着法により、基板上に有機層や電極層等の薄膜を順次形成して有機EL素子を形成する装置を例示して本発明を説明する。
【0020】
まず、本実施形態の装置によって製造される有機EL素子の構成について図1を参照して簡単に説明する。
図1は、その有機EL素子の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、有機EL素子1は、ガラス基板2上に、陽極3、有機層4、陰極9および封止膜10が順次積層されて構成される。本実施形態においては、陽極3はITO(酸化インジウムスズ)により形成され、陰極9はLi2O/Mg:Ag(Mg:Agの共蒸着)、LiF/Al等の金属により形成され、封止膜10は例えばSiO2(二酸化ケイ素)により形成される。
有機層4は、例えば緑色発光の場合には、正孔輸送層5、電子輸送性発光層(有機発光層)6を有する。本実施形態においては、正孔輸送層5はα-NPD(テトラフェニルジアミン)により形成され、有機発光層6はAlq3(トリス(8―キノリノラト)アルミニウム錯体)により形成される。
【0021】
このような有機EL素子1においては、陽極3と陰極9との間に直流電圧を印加することにより、正孔は陽極3から正孔輸送層5を経て有機発光層6に注入され、電子は陰極9から有機発光層6に注入される。その結果、注入された正孔および電子の結合により有機発光層6内の蛍光分子が励起され発光現象が生じる。
この時、有機発光層6に含まれる有機発光材料(蛍光物質)を変えることにより、赤(R)、緑(G)、青(B)を発光する有機EL素子が形成される。したがって、ガラス基板2上にRGB3色の有機EL素子を所定のパターンでマトリクス状に2次元に配列することによりカラー有機ELパネルが製造され、各有機EL素子を選択的に発光させることによりフルカラー表示が行われる。
【0022】
カラー有機ELパネルを製造するための、各色の有機EL素子の配置は、パターニング成膜によって実現できる。パターニング成膜は、所定の成膜パターンに対応して開口が設けられているマスクを、有機層形成面を覆うようにガラス基板2と密着させて配置し成膜を行うものである。各色に対応した複数種類のマスクを用意して有機発光層6の成膜を順番に行うことにより、結果として複数の有機EL素子1を所望の配列で配置することができる。
【0023】
次に、LPOVPD法および真空蒸着法により有機材料および所望の材料の薄膜を順次形成する成膜装置について、図2を参照して説明する。
図2は、その成膜装置の構成を示す図である。
成膜装置100は、チャンバー部110、LPOVPD部(ガス放出手段)130および蒸発源150を有する。
【0024】
チャンバー部110は、成膜対象の基板200に膜形成のための環境を提供する成膜装置100の基本的な構成部であって、チャンバーおよびその周辺処理部を有する。より具体的には、チャンバー部110は、チャンバー111、基板ホルダー112、ホルダー回転機構113、真空排気口114、真空排気装置115、第1のシャッター(第1の隔離手段)116および第2のシャッター(第2の隔離手段)118を有する。
【0025】
チャンバー111は、基板200を所定の減圧環境あるいは実質的な真空環境におき成膜を行うための真空室である。
チャンバー111の中央部には、基板200を保持する基板ホルダー112が設けられている。この基板ホルダー112は、水平に設けられているホルダー回転機構113の回転軸117により回転可能に支持される。なお、基板ホルダー112およびホルダー回転機構113により基板保持手段が構成される。
チャンバー111の側面には、基板ホルダー112を間に挟んで対向する配置で、LPOVPD部130の有機ガスノズル138および真空排気装置115の真空排気口114が設けられる。これにより、LPOVPD法による成膜時に、有機ガスノズル138から基板200周辺を介して真空排気口114に至る有機ガスの層流が形成される。
有機ガスノズル138の前面には、有機ガスノズル138が配置される空間とチャンバー111内のその他の空間とを仕切るための第2のシャッター118が配置されている。第2のシャッター118は、真空蒸着法により成膜を行う際に蒸発源150から飛散される蒸気とLPOVPD部130とを隔離するために使用される。
【0026】
チャンバー111の底面部には、蒸着材料が収容される坩堝151を有する蒸発源150が設けられている。
また、蒸発源150の上部には、蒸発源150が配置される空間とチャンバー111内のその他の空間とを仕切るための第1のシャッター116が配置されている。第1のシャッター116は、LPOVPD法により成膜を行う際に有機ガスノズル138から放出される有機ガスと坩堝151に収容された蒸着材料とを隔離するために使用される。
【0027】
ホルダー回転機構113は、回転軸117を回転駆動することにより基板ホルダー112を回転させ、基板ホルダー112に保持されている基板200を所望の方向に指向させる。ホルダー回転機構113は、LPOVPD法により基板200に有機層を形成する際には、基板200の基板面が鉛直方向となり有機ガスノズル138方向を指向するように基板ホルダー112を回転させる。また、真空蒸着法により基板200に電極層を形成する際には、基板200の基板面が水平方向下向きとなり蒸発源150方向を指向するように、基板ホルダー112を回転させる。
【0028】
LPOVPD部130は、チャンバー111に保持された基板200にLPOVPD法により有機層を形成するために、気化した有機材料をキャリアガスに混合した有機ガスを生成しチャンバー111に放出する。LPOVPD部130は、キャリアガスボンベ131、第1の配管132、有機原料容器133、原料加熱ヒーター134、第2の配管135、バルブ136、第3の配管137、ガスノズル138および配管加熱ヒーター139を有する。
【0029】
キャリアガスボンベ131は、アルゴン(Ar)ガスや窒素ガス(N2)等のキャリアガスを、第1の配管132を介して有機原料容器133に所定の圧力で供給する。
有機原料容器133は、収容される有機原料を気化させキャリアガスと混合するための容器であり、また、原料加熱ヒーター134は、有機原料容器133を加熱するヒーターである。有機原料容器133は、原料加熱ヒーター134により内部が数百度程度になるまで加熱される。これにより、予め収容されたα−NPD(α−ナフチルフェニルジアミン)やAlq3(トリス(8―キノリノラト)アルミニウム錯体)等の有機EL原料が気化する。気化した有機原料は、第1の配管132を介してキャリアガスボンベ131より導入されるキャリアガスと混合され、第2の配管135を介して有機ガスノズル138方向に送出される。
【0030】
第2の配管135および第3の配管137は、有機原料容器133において生成された有機ガスをチャンバー111に輸送する配管である。
第2の配管135と第3の配管137の間には、チャンバー111への有機ガスの放出を制御するバルブ136が配置されており、図示せぬ成膜装置100の制御部からの制御信号に応じて開閉される。
また、前述した第1の配管132を含む第2の配管135、第3の配管137等の配管は、配管加熱ヒーター139により加熱される。これにより、ガス温度が低下することにより有機材料が配管途中で析出する等の状態を防ぐことができ、有機材料は気相状態に維持されチャンバー111に輸送される。
【0031】
有機ガスノズル138は、第2の配管135および第3の配管137を介して輸送された有機ガスをチャンバー111内に放出する放出口である。有機ガスノズル138は、チャンバー111の側面の真空排気口114に対向する位置に配置される。そして、基板200が、基板面が鉛直方向となり膜形成面が有機ガスノズル138を指向する状態に保持されている時に、膜形成面に膜形成面に垂直な方向から有機ガスを均一に吹き付ける。
【0032】
蒸発源150は、真空蒸着法によりチャンバー111に保持された基板200に所望の材料の薄膜を形成するために、蒸着材料を蒸発させてチャンバー111内に飛散させる。蒸発源150は、坩堝151および坩堝加熱ヒーター152を有する。
【0033】
坩堝151は、蒸着材料を加熱して蒸気化し飛散させるための容器であり、また、坩堝加熱ヒーター152は、坩堝151を加熱するヒーターである。坩堝151は、基板200が、基板面が水平方向となり膜形成面が鉛直方向下向きとなる状態に保持されている時に、基板200の直下となる位置に配置される。これにより、坩堝加熱ヒーター152により加熱されて蒸発した蒸着材料は、真上の基板200の膜形成面を中心に飛散し、付着した蒸気により膜形成面に蒸着材料の薄膜が成膜される。
【0034】
なお、これら成膜装置100の各構成部は、適切にLPOVPD法および真空蒸着法による薄膜形成が行われるように、図示せぬ成膜装置100の制御部により制御されている。具体的には、ホルダー回転機構113による基板ホルダー112の回転および停止、真空排気装置115によるチャンバー111の真空排気、第1のシャッター116および第2のシャッター118の開閉、キャリアガスボンベ131の開閉、原料加熱ヒーター134による有機原料容器133の加熱、配管加熱ヒーター139による第1〜第3の配管132,135,137の加熱、バルブ136の開閉、坩堝加熱ヒーター152による坩堝151の加熱を含む蒸着条件の設定等が、いずれもこの制御部により制御される。
【0035】
次に、このような構成の成膜装置100の動作について図3を参照して説明する。なおここでは、基板200に、まず有機膜を形成し、次に蒸着膜を形成する処理を例示して成膜装置100の動作を説明する。
図3は、成膜装置100の動作を説明する図であって、図3(A)はLPOVPD法により基板200に有機膜を形成する時の成膜装置100を示す図であり、図3(B)は真空蒸着法により基板200に蒸着膜を形成する時の成膜装置100を示す図である。
【0036】
成膜装置100において成膜を行う場合は、まず、基板ホルダー112に成膜対象の基板200を載置する。この時、基板200の膜形成面に、膜を形成したい箇所のみが開口されたマスク部材を密着させて配置しておくことにより、所望のパターンの膜を形成することができる。
また、有機原料容器133に有機材料を投入し、坩堝151には蒸着材料を投入する。
そして、第1のシャッター116および第2のシャッター118を開いた状態で、またバルブ136は閉じた状態で、真空排気装置115を動作させ、チャンバー111内の空気を排気してチャンバー111を真空にする。この時の真空度は、最初に行うLPOVPD法による薄膜形成が可能な程度の数十Pa〜104Pa程度(0.数Torr〜数十Torr程度)の真空度でよい。
【0037】
チャンバー111が所定の真空状態となったら、蒸発源150が有機ガスの影響を受けないように第1のシャッター116を閉じる。
また、基板ホルダー112をホルダー回転機構113により回転し、図3(A)に示すように、基板200の基板面が鉛直方向となり膜形成面が有機ガスノズル138を指向するように、基板200を配置する。
また、原料加熱ヒーター134により有機原料容器133を加熱し、有機原料容器133に収容されている有機材料を気化させる。
また、配管加熱ヒーター139により、第1〜第3の配管132,135および137も加熱しておく。
そして、有機原料容器133の有機原料が加熱されて気化され始めたら、キャリアガスボンベ131から有機原料容器133へのキャリアガスの供給を開始する。その結果、有機原料容器133において、気化した有機原料とキャリアガスが混合され、有機ガスが生成される。
【0038】
有機原料容器133内において有機ガスが生成されたら、バルブ136を開放し、生成された有機ガスを有機ガスノズル138からチャンバー111に放出する。この時、チャンバー111においては、真空排気装置115による真空排気口114からのガス排気が行われている。したがって、チャンバー111においては、有機ガスノズル138から基板200周辺雰囲気を通過して真空排気口114に流れる有機ガスの層流fが形成される。これにより、放出された有機ガスは基板200の膜形成面に均一に吹き付けられる状態となり、基板200の膜形成面に徐々に有機原料が付着堆積し、有機膜が形成される。
所望の厚さの有機膜が形成された後、バルブ136を閉じて有機ガスのチャンバー111への放出を停止する。またこれに合わせて、原料加熱ヒーター134による有機原料容器133の加熱、および、キャリアガスボンベ131からのキャリアガスの供給も停止し、LPOVPD法による有機膜形成を終了する。
【0039】
有機膜の形成が終了した後、基板ホルダー112をホルダー回転機構113により回転し、図3(B)に示すように、基板200の基板面が水平方向下向きとなるように基板200を配置する。
また、第1のシャッター116を開放し、その前後に第2のシャッター118は、飛散する蒸着材料から有機ガスノズル138等のLPOVPD部130を隔離するために、クローズする。
また、真空排気装置115は、真空蒸着に好ましいように、また、既に形成した有機膜の劣化を防ぐのに好ましいように、例えば10−4Pa程度のより高真空状態となるように、チャンバー111内を真空排気する。
【0040】
次に、坩堝加熱ヒーター152により坩堝151を加熱し、坩堝151に投入されている蒸着材料を蒸発させる。蒸発が開始されたら、図示せぬ例えば水晶振動式膜厚計等の計測装置により蒸着材料の蒸発量をモニタし、蒸発量が所望の量で安定するよう、坩堝加熱ヒーター152に印加する電流値等の加熱条件を調整する。
蒸発量が所望の量で安定したら、第1のシャッター116をオープンして、蒸着材料の蒸気vをチャンバー111内に飛散させる。蒸発源150の上部には、基板200が膜形成面を下向きにして配置されているので、多くの蒸気vは基板200方向に飛散することとなり、基板200の膜形成面に付着する。すなわち、蒸着が行われ、蒸着膜が形成される。
所望の厚さの蒸着膜が形成されたら、第1のシャッター116をクローズして、蒸気の飛散を停止する。またこれに合わせて、坩堝加熱ヒーター152による坩堝151の加熱も停止し、真空蒸着法による膜形成を終了する。
【0041】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態では、複数の有機膜および蒸着膜を形成可能に改変してある。
図4に示すように、有機ELパネル製造装置101は、基板上に、有機層をLPOVPD法により、また、電極層および封止層を真空蒸着法により形成する装置である。
なお、以下の有機ELパネル製造装置101の説明において、前述した成膜装置100と共通の部材については、同一の符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、有機ELパネル製造装置101は、LPOVPD部130および蒸発源150を複数具備する。すなわち、有機ELパネル製造装置101は、チャンバー部110、n個のLPOVPD部130−1〜130−n、および、2個の蒸発源150−1,150−2を有する。
【0042】
チャンバー部110の構成は、前述した成膜装置100と同じである。
なお、本実施形態においては、第1のシャッター116は2個の蒸発源150−1,150−2に共通に1枚設けられており、また、第2のシャッター118はn個のLPOVPD部130−1〜130−nに共通に1枚設けられている。ただし、これら第1のシャッター116および第2のシャッター118は、2個の蒸発源150−1,150−2およびn個のLPOVPD部130−1〜130−nの各々に個別に設けるようにしてもよい。
【0043】
n個のLPOVPD部130−1〜130−nの各々は、前述した成膜装置100のLPOVPD部130と基本的に同じ構成である。
ただし、キャリアガスボンベ131は、n個のLPOVPD部130−1〜130−nに対して共通に1つ設けられており、各LPOVPD部130−i(i=1〜n)の第1の配管132−iには、第2のバルブ140−iが設けられている。各LPOVPD部130−iに設けられた第2のバルブ140−iを選択的に開くことにより、キャリアガスボンベ131からそのLPOVPD部130−iにキャリアガスが供給される。
また、チャンバー111に有機ガスを供給する有機ガスノズル138も、n個のLPOVPD部130−1〜130−nにおいて共通化されている。すなわち、n個のLPOVPD部130−1〜130−nの第3の配管137−1〜137−nは、図示のごとく途中で結合されて1本の配管とされており、これが最終的に有機ガスノズル138に接続されている。これにより、バルブ136−iをオープンしてあるLPOVPD部130−iにより生成された有機ガスのみが、有機ガスノズル138からチャンバー111内に放出されることとなる。
【0044】
2個の蒸発源150−1,150−2は、各々が坩堝151−k(k=1または2)および坩堝加熱ヒーター152−kを有する。各蒸発源150−kにおいては、坩堝加熱ヒーター152−kが坩堝151−kを加熱することにより、坩堝151−k内の蒸着材料が蒸発して飛散し、基板200に付着して、基板200に蒸着膜が形成される。
【0045】
次に、有機ELパネル製造装置101により図1に示す有機EL素子1を有する有機ELパネルを製造する方法について説明する。
まず、有機ELパネル製造装置101に、スパッタリング法等によりITOアノード層が形成されたガラス基板2が投入される。すなわち、ITOアノード層の形成されたガラス基板2が、チャンバー111の基板ホルダー112に載置される。なお、図示しないが、基板200上には、有機EL素子1を形成する箇所のみが開口されたマスクが密着されているものとする。
また、第1〜第3のLPOVPD部130−1〜130−3の有機原料容器133−1〜133−3には、正孔輸送層5および有機発光層6の材料である有機原料α−NPDおよびAlq3が各々投入される。また第1および第2の蒸発源150−1,150−2の坩堝151−1および151−2には、陰極9の材料である金属材料および封止膜10の材料であるニ酸化ケイ素(SiO2)が投入される。
【0046】
基板200が基板ホルダー112に保持されたら、ホルダー回転機構113により基板ホルダー112が回転され、基板200は有機ガスノズル138を指向するように配置される。また、第1のシャッター116はクローズされ、第2のシャッター118がオープンされる。
そしてまず、第1のLPOVPD部130−1の原料加熱ヒーター134−1が通電され、原料加熱ヒーター134−1により有機原料容器133−1が加熱され、有機原料容器133−1に収容されるα-NPDが気化される。また、第1のLPOVPD部130−1の第2のバルブ140−1が開かれて、有機原料容器133−1にキャリアガスボンベ131からArまたはN2等のキャリアガスが導入される。その結果、第1のLPOVPD部130−1の有機原料容器133−1内部で、気化されたα−NPDとキャリアガスが混合される。
【0047】
α−NPDガスが生成されたら、第1のLPOVPD部130−1のバルブ136−1が開かれ、α−NPDガスは十分にヒーター加熱された配管135−1,137−1を通って輸送され、有機ガスノズル138からチャンバー111に放出される。
この時、チャンバー111の真空度およびα−NPDガスの放出圧力は、チャンバー111に放出されたα−NPDガスが層流となるよう最適化される。例えば、チャンバー111の真空度は数十Pa〜104PA程度(0.数Torr〜数十Torr程度)で、α−NPDガスは数百〜数千sccm(standard cm3/min)程度となるように制御される。
これにより、基板200の陽極3上のマスクにより特定された所望の位置に、正孔輸送層5たるα−NPD層が形成される。
所望の厚さのα−NPD層が形成されたら、バルブ136−1および第2のバルブ140−1を閉じ、原料加熱ヒーター134−1による加熱を終了し、α−NPDガスの放出を終了する。
【0048】
α−NPD層が形成されたら、第2のLPOVPD部130−2により、その上に、Alq3層を形成する。
すなわち、第2のLPOVPD部130−2の原料加熱ヒーター134−2に通電することにより有機原料容器133−2を加熱し、有機原料容器133−2に収容されるAlq3を気化する。また、第2のLPOVPD部130−2の第2のバルブ140−2を開いて、有機原料容器133−2にキャリアガスボンベ131からキャリアガスを導入する。その結果、第2のLPOVPD部130−2の有機原料容器133−2内部で、気化されたAlq3とキャリアガスが混合され,Alq3ガスが生成される。
Alq3ガスが生成されたら、第2のLPOVPD部130−2のバルブ136−2を開く。その結果、Alq3ガスは、加熱された配管135−2,137−2を介して有機ガスノズル138からチャンバー111に放出される。この時、チャンバー111の真空度およびAlq3ガスの放出圧力は、前述したのと同様に、Alq3ガスが層流となるよう最適化される。
これにより、基板200の正孔輸送層5上に、有機発光層6たるAlq3の薄膜が形成される。
【0049】
Alq3層が形成されたら、次に、第1の蒸発源150−1により、その上に、カソードを形成する。
そのために、まず、ホルダー回転機構113により基板ホルダー112を回転し、基板200が鉛直方向下向きに向くように、その向きを変更する。
そして、第1の蒸発源150−1の坩堝151−1を坩堝加熱ヒーター152−1により加熱し、収容されるカソード材料を蒸発させる。蒸発量が安定したら、第1のシャッター116をオープンして、蒸気をチャンバー111内に飛散させる。その結果、このカソード材料の蒸気は大部分が基板200に付着し、Alq3層の上にカソード層たる金属層が形成される。
【0050】
カソード層が形成されたら、最後に、第2の蒸発源150−2により、これら有機EL素子1を封止する封止膜を形成する。
そのために、一旦第1のシャッター116をクローズした後、第2の蒸発源150−2の坩堝151−2を坩堝加熱ヒーター152−2により加熱し、収容されるSiO2を蒸発させる。蒸発量が安定したら、再度第1のシャッター116をオープンして、蒸気をチャンバー111内に飛散させる。その結果、有機EL素子1の上に封止層が形成される。
【0051】
このように、本実施形態の成膜装置100および有機ELパネル製造装置101においては、LPOVPD法による有機層の形成および真空蒸着法による電極層の形成を、チャンバー111内の連続した処理により行うことができる。すなわち、一貫した真空環境中において、これら異なる方法による薄膜形成を順次行うことができる。したがって、成膜方法に応じて異なるチャンバーで処理を行う従来のマルチチャンバー型の製造方法と比較して、製造工程を簡単にすることができる。また、成膜工程ごとに真空環境を作るマルチチャンバーを用いた場合と比較して、効率良く成膜を行うことができ、有機EL素子1等の素子の生産性を高くすることができる。
【0052】
また、成膜装置100および有機ELパネル製造装置101においては、方法の異なる複数の成膜工程を、1つのチャンバーで行うことができる。具体的には、例えば有機層を形成する工程と、電極層や封止層を形成する工程とを同一のチャンバー内で行うことができる。したがって、装置構成が簡単になり、装置を小型化することができる。また、基板をチャンバー間を搬送する搬送機構が不要となるので、有機膜の劣化を極力防止することが可能となるとともに、装置の小型化が可能となる。
さらに、搬送機構が簡略し細かい機械ゴミの発生が低減し、成膜装置内部のクリーン度が向上することによってパネルの発光欠陥が低減する。
【0053】
また、複数の層を順次効率良く堆積することができるので、複数の層中に例えば有機層等の劣化し易い層が含まれる場合においても、そのような薄膜を大気中等の異なる環境にさらすことがない。すなわち、ほぼ同一の真空環境中に短い時間保持するのみでよい。したがって、そのような薄膜の劣化を防止することができ、高品質な例えば有機EL素子等の素子を形成することができる。
したがって、このような成膜装置および成膜方法は、有機EL素子1が多数配置された有機ELパネルを製造するのに非常に好適である。
【0054】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。
例えば、本実施形態においてはLPOVPD法により有機ガスが放出される有機ガスノズル138は、チャンバー111の側面に配置されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、図5(A)に示すように、有機ガスノズル138がチャンバー111の上面に配置されるような形態や、図5(B)に示すように傾斜して配置されるような形態であっても何ら差し支えない。ホルダー回転機構113の駆動により、基板ホルダー112に保持された基板200が蒸発源150およびLPOVPD部130の両方向を指向可能な配置であれば、有機ガスノズル138の位置は任意の位置でよい。
【0055】
また、LPOVPD部130を複数有する場合の各LPOVPD部130の有機ガスノズル138の位置も、任意の配置でよい。例えば、図5(C)に示すように、2つのLPOVPD部130を有する場合において、第1のLPOVPD部130−1の有機ガスノズル138−1はチャンバー111の側面に配置し、第2のLPOVPD部130−2の有機ガスノズル138−2はチャンバー111の上面に配置するようにしてもよい。この場合も、ホルダー回転機構113の駆動により、基板ホルダー112に保持された基板200が蒸発源150および各LPOVPD部130の全てを指向可能であれば、有機ガスノズル138の位置は任意の位置でよい。
【0056】
また、本実施形態においては、有機EL素子を形成する装置および方法を例示して本発明を説明したが、本発明は、何ら製造する装置を限定されるものではない。本発明は、LPOVPD法および真空蒸着法により所望の膜を順次形成する任意の装置の製造に適用可能である。
また、本実施形態においては、有機層4は前述したような3つの層により形成されているが、これに限定されものではない。任意の材料を用いた任意の数の層を形成し、発光部たる有機層4を形成してよい。
また、有機層4の周囲の電極層や、基板、封止層等の構成も、本実施形態の構成に限定されるものではなく任意に変更してよい。例えば、陰極9を透明電極により形成し陰極9側より発光光が出射するようにしてもよいし、両面より発光するように構成してもよい。また、各電極層、基板および封止層等の材料も任意の材料を使用してよい。
【0057】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことのできる成膜装置および成膜方法を提供することができる。
また、装置の大型化や基板の搬送による不利益を防止し、LPOVPD法による膜生成および真空蒸着法による膜形成を順次適切に行うことにより、有機層等の発光層や電極層を形成し表示素子を形成する表示パネルの製造装置および表示パネルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に関わる有機EL素子の構成を説明するための図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の成膜装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した成膜装置の動作を説明するための図である。
【図4】図4は、図2に示した成膜装置の変形例であって、図1に示した有機EL素子を製造するための装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、図2に示した成膜装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1…有機EL素子、2…ガラス基板、3…陽極、4…有機層、5…正孔輸送層、6…有機発光層、9…陰極、10…封止膜、100…成膜装置、110…チャンバー部、111…チャンバー、112…基板ホルダー、113…ホルダー回転機構、114…真空排気口、115…真空排気装置、116…第1のシャッター、117…回転軸、118…第2のシャッター、130…LPOVPD部、131…キャリアガスボンベ、132…第1の配管、133…有機原料容器、134…原料加熱ヒーター、135…第2の配管、136…バルブ、137…第3の配管、138…有機ガスノズル、139…配管加熱ヒーター、140…第2のバルブ、150…蒸発源、151…坩堝、152…坩堝加熱ヒーター
Claims (25)
- 内部を大気圧以下に保持することが可能なチャンバーと、
成膜材料を気化させ、当該気化された成膜材料を含むガスを前記チャンバー内に放出するガス放出手段と、
他の成膜材料を蒸発させ、当該他の成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる蒸発源と、
基板を、基板面の向きを変更可能に前記チャンバー内に保持し、前記ガス放出手段から前記ガスが放出される時には前記基板を前記ガスが放出される方向に指向させ、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時には前記基板を前記蒸気が飛散する方向に指向させる基板保持手段と
を有する成膜装置。 - 前記ガス放出手段を複数具備し、各ガス放出手段は、順次、任意の成膜材料を気化させ、当該気化された成膜材料を含むガスを前記チャンバー内に放出する
請求項1に記載の成膜装置。 - 前記蒸発源を複数具備し、各蒸発源は、順次、任意の成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる
請求項1または2に記載の成膜装置。 - 前記ガス放出手段から前記ガスが前記チャンバー内に放出される時に、前記放出されるガスから前記蒸着源を隔離する第1の隔離手段と、
前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時に、前記飛散される蒸気から前記ガス放出手段を隔離する第2の隔離手段と
をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。 - 前記基板保持手段は、基板に平行な軸で当該基板を回転可能に保持する
請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。 - 少なくとも1の前記ガス放出手段は、前記チャンバーの側面部にガス放出口を有し、当該ガス放出口から前記ガスをチャンバー内に水平方向に放出する
請求項1〜5のいずれかに記載の成膜装置。 - 少なくとも1の前記ガス放出手段は、前記チャンバーの上部にガス放出口を有し、当該ガス放出口から前記ガスをチャンバー内に鉛直方向下向きに放出する
請求項1〜6のいずれかに記載の成膜装置。 - 前記基板保持手段に保持されている基板を挟んで前記ガス放出口と反対側の領域に、前記チャンバー内を真空排気する排気口が設けられている
請求項1〜7のいずれかに記載の成膜装置。 - 前記ガス放出手段は、
キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段と、
前記成膜材料を気化させ前記キャリアガスと混合するガス生成手段と、
前記キャリアガスと混合されたガスを前記チャンバー内に輸送するガス輸送手段とを有する
請求項1〜8のいずれかに記載の成膜装置。 - 前記ガス放出手段は、有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に放出する
請求項1〜9のいずれかに記載の成膜装置。 - 向きを変更可能に基板をチャンバー内に保持し、
前記基板の向きを次の成膜工程に応じた所定の方向に設定し、
成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程または成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程のいずれか一方の工程により、前記基板に所望の材料の膜を形成し、
前記基板の向きを次の成膜工程に応じた所定の方向に変更し、
前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程または前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程のいずれか他方の工程により、前記基板に所望の他の材料の膜を形成する
成膜方法。 - 前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程、および、前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程の少なくともいずれか一方を、同一基板について複数回行う
請求項11に記載の成膜方法。 - 前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程においては、
任意の成膜材料を気化させ、
前記気化された成膜材料をキャリアガスと混合し、
前記キャリアガスと混合されたガスを前記チャンバー内に輸送し、
前記輸送したガスをチャンバー内に放出し、
前記基板の膜形成面に当該ガスを付着させ、
当該膜形成面に前記成膜材料の膜を形成する
請求項11または12に記載の成膜方法。 - 前記基板の向きの変更は、次の成膜工程が前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程である場合には、前記ガスの放出方向を前記基板の膜形成面が指向するように変更する
請求項13に記載の成膜方法。 - 前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程においては、
前記成膜材料を蒸発させ、
前記成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させ、
前記基板の膜形成面に前記蒸気を付着させ、
当該膜形成面に前記材料の膜を形成する
請求項11〜14のいずれかに記載の成膜方法。 - 前記基板の向きの変更は、次の成膜工程が前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程である場合には、前記鉛直方向下向きに前記基板の膜形成面が指向するように変更する
請求項15に記載の成膜方法。 - 前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程により前記基板に膜を形成する時には、前記放出されるガスから前記蒸気の飛散を行うための手段を隔離し、
前記成膜材料の蒸気をチャンバー内に飛散する工程により前記基板に膜を形成する時には、前記飛散される蒸気から前記ガスの放出を行うための手段を隔離する
請求項11〜16のいずれかに記載の成膜方法。 - 前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程においては、前記チャンバーの側面部に設けられたガス放出口から前記ガスをチャンバー内に水平方向に放出する
請求項11〜17のいずれかに記載の成膜方法。 - 前記成膜材料を含むガスをチャンバー内に放出する工程においては、前記チャンバーの上部に設けられたガス放出口から前記ガスをチャンバー内に鉛直方向下向きに放出する
請求項11〜18のいずれかに記載の成膜方法。 - 所望の有機材料を含むガスをチャンバー内に放出し、前記基板に前記有機材料の膜を形成する
請求項11〜19のいずれかに記載の成膜方法。 - 1以上の有機層を有する有機EL素子が形成されて構成される有機EL表示パネルの製造装置であって、
内部を大気圧以下の圧力に保持することが可能なチャンバーと
前記有機層を形成する有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に放出するガス放出手段と、
有機層以外の層を形成する成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる蒸発源と、
基板を、基板面の向きを変更可能に前記チャンバー内に保持し、前記ガス放出手段から前記有機ガスが放出される時には前記基板を前記有機ガスが放出される方向に指向させ、前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時には前記基板を前記蒸気が飛散する方向に指向させる基板保持手段と
を有する有機EL表示パネルの製造装置。 - 前記ガス放出手段を複数具備し、各ガス放出手段は、有機EL素子の複数の有機層を形成する各有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを順次前記チャンバー内に放出する
請求項21に記載の有機EL表示パネルの製造装置。 - 前記蒸発源を複数具備し、各蒸発源は、電極材料および封止材料を蒸発させ、当該電極材料および封止材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させる
請求項21または22に記載の有機EL表示パネルの製造装置。 - 前記ガス放出手段から前記有機ガスが前記チャンバー内に放出される時に、前記放出される有機ガスから前記蒸着源を隔離する第1の隔離手段と、
前記蒸発源から前記蒸気が飛散される時に、前記飛散される蒸気から前記ガス放出手段を隔離する第2の隔離手段と
をさらに有する請求項21〜23のいずれかに記載の有機EL表示パネルの製造装置。 - 1以上の有機層を有する有機EL素子が形成されて構成される有機EL表示パネルの製造方法であって、
向きを変更可能に基板をチャンバー内に保持し、
前記有機層を形成する有機材料を気化させ、当該気化された有機材料を含む有機ガスを前記チャンバー内に配置された前記基板の膜形成面に向けて放出し、前記有機材料の膜を形成し、
前記基板の向きを変更し、
有機層以外の層を形成する成膜材料を蒸発させ、当該成膜材料の蒸気を前記チャンバー内に飛散させ、前記蒸気を前記基板の膜形成面に付着させて前記成膜材料の膜を形成する
有機ELパネルの製造方法。
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