JP2004203985A - 金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光輝性に富み、キラキラ光る特異な金属光沢色を呈し、温度変化により多彩な様相を視覚させる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物、及び、前記樹脂組成物を用いた、特異な金属光沢色と温度変化による多彩な様相を視覚させる成形体を提供する。
【解決手段】合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料と、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体を必須三成分として含む可逆熱変色性材料と、成形用樹脂とからなる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形により成形される金属光沢調熱変色性成形体。
【選択図】 なし
【解決手段】合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料と、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体を必須三成分として含む可逆熱変色性材料と、成形用樹脂とからなる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形により成形される金属光沢調熱変色性成形体。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。更に詳細には、温度変化による色変化と共に金色、銀色、メタリック色等の輝度の高い金属光沢を呈する金属光沢調熱変色性成形体及び前記成形体の製造に適用される樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属光沢調を呈する熱変色性樹脂組成物に関して、本出願人による幾つかの提案が既に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記提案は、天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した金属光沢調顔料と可逆熱変色性材料を樹脂中にブレンドしたものであり、金属光沢調の色変化を呈するため、示温、装飾、玩具要素等、多様な分野に適用性を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−107851号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、この種の金属光沢調熱変色性樹脂組成物の視覚効果について更に検討した結果、合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料を用いることによって、光輝性に富み、キラキラ光る特異な金属光沢色を有しながら、温度変化により多彩な様相を視覚させる新たな金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体を見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料と、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体を必須三成分として含む可逆熱変色性材料と、成形用樹脂とからなる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物を要件とする。
更には、前記金属光沢顔料は、合成雲母の表面を酸化チタンを主成分とする金属酸化物で被覆した顔料であること、前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜1000μmであること、可逆熱変色性材料は、前記必須三成分を含む組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態の顔料であること、成形用樹脂100重量部に対し、金属光沢顔料0.1〜39重量部、可逆熱変色性材料0.5〜39重量部の割合でブレンドされていると共に、前記金属光沢顔料/可逆熱変色性材料=0.05/1〜40/1(重量比)を満たすことを要件とする。
更には、前記金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物を使用して射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形の何れかにより成形された金属光沢調熱変色性成形体を要件とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料を適用したことを特徴としたものであり、従来の天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した金属光沢顔料を適用する系に較べ、太陽光の下では顕著にキラキラと光る、金属光沢性の光輝効果を発現させ、しかも前記光輝効果が遠近感と立体感を伴った様相として視覚され、併存の可逆熱変色性材料の温度変化による変色効果とが織りなす多彩な様相を現出させ、特異性と装飾性を満足させる。
前記効果を補足説明すれば、前記金属光沢顔料は、個々の顔料が部分的に重なり合ったりして、非平面状態に存在するため、光輝性と色調が微妙に変化し、全体として立体感を有する多様な様相を視覚させる。ここで、前記個々の顔料が重なり合った部分にあっても、顔料自体の透明性に依存して、本来の金属光沢性の光輝効果が損なわれることなく、有効に発現できる。
【0007】
前記金属光沢顔料の芯物質として合成雲母を用いると、従来より汎用の天然雲母と比較して不純物や鉄等の着色傾向を示す金属イオンの含有量が少なく、透明性に優れ、金属光沢性は酸化チタンに代表される金属酸化物で被覆することにより得られ、前記金属酸化物の被覆率によって金色、銀色、或いは、メタリック色の金属光沢を呈する。
従って、合成雲母を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料については、光輝性に富むと共に透明性にも優れるため、可逆熱変色材料の色調を明瞭に視認することができる。
前記金属光沢顔料の芯物質として用いられる合成雲母は、下記一般式(1)で示される合成雲母が好適であり、その一例としてKMg3(AlSi3 O10)F2 が挙げられる。
X1/3 〜 1 Y2 〜 3 Z4 O10F2 (1)
(式中、XはNa+ 、Li+ 、K+ 、Ca2+、Sr2+、Ba2+を示し、YはMg2+、Li+ 、Ni2+、Co2+、Zn2+、Mn2+、Al3+、Cr3+、Ti3+の1種または2種以上を示し、ZはAl3+、Si4+、Ge4+、B3+の1種または2種以上を示す)
なお、前記合成雲母の形状は特に限定されないが、偏平形状や鱗片形状のものを例示できる。
前記合成雲母の表面を被覆する金属酸化物としては、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を例示できるが、好適には酸化チタンを主成分とする金属酸化物が挙げられる。
前記金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜1000μm、好ましくは2〜500μm、更に好ましくは2〜200μmである。前述の厚みと平均粒子径を示す金属光沢顔料を用いることにより、金属光沢顔料の光輝性と可逆熱変色性材料の変色による明瞭な色変化を呈することができる。
前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
【0008】
前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、日本光研工業(株)製の商品名「アルティミカ」品番:SB−100(5〜30μm:銀色)、SD−100(10〜60μm:銀色)、SE−100(15〜100μm:銀色)、SF−100(44〜150μm:銀色)、SH−100(150〜600μm:銀色)、YB−100(5〜30μm:金色)、YD−100(10〜60μm:金色)、YE−100(15〜100μm:金色)、YF−100(44〜150μm:金色)、RB−100(5〜30μm:メタリックレッド)、RD−100(10〜60μm:メタリックレッド)、RE−100(15〜100μm:メタリックレッド)、RF−100(44〜150μm:メタリックレッド)、RBB−100(5〜30μm:メタリックパープル)、RBD−100(10〜60μm:メタリックパープル)、RBE−100(15〜100μm:メタリックパープル)、RBF−100(44〜150μm:メタリックパープル)、VB−100(5〜30μm:メタリックバイオレット)、VD−100(10〜60μm:メタリックバイオレット)、VE−100(15〜100μm:メタリックバイオレット)、VF−100(44〜150μm:メタリックバイオレット)、BB−100(5〜30μm:メタリックブルー)、BD−100(10〜60μm:メタリックブルー)、BE−100(15〜100μm:メタリックブルー)、BF−100(44〜150μm:メタリックブルー)、GB−100(5〜30μm:メタリックグリーン)、GD−100(10〜60μm:メタリックグリーン)、GE−100(15〜100μm:メタリックグリーン)、GF−100(44〜150μm:メタリックグリーン)を例示できる。
括弧内は平均粒子径及び色調を示す。
【0009】
前記可逆熱変色性材料は、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物が好適に用いられる。具体的には、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。
前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点以上の温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち、常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要する熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい熱変色挙動を示す加熱消色型可逆熱変色性材料である。
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温側変色点以下の温度域での発色状態、或いは高温側変色点以上の温度域での消色状態が、前記変色に要した冷熱又は熱の適用を取り去った後にあっても、前記両変色点の間の常温域で互変的に記憶保持できる色彩記憶型可逆熱変色性材料を利用できる。
又、本出願人が提案した特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報等に記載の、電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した加熱発色型可逆熱変色性材料を適用することもできる。
【0010】
前記した可逆熱変色性材料は、前記必須三成分からなる組成物として適用することもできるが、顔料形態、例えば、前記組成物をバインダー樹脂と共にブレンドして得た微細粒状物、前記微細粒状物の表面を別の樹脂で被覆したもの、前記組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態の顔料が好適に用いられる。
なかでも、マイクロカプセル形態の顔料は、鮮明且つ高濃度の発色性、均質性、分散安定性、耐薬品性等を満たし、実用的に好適である。尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の適用により実施できる。
前記顔料の表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル形態の顔料にあっては、平均粒子径〔(長径+短径)/2〕が、0.1〜100μm、好ましくは、0.5〜30μm、更に好ましくは、0.5〜20μmの範囲にあることが、変色の鋭敏性、持久性、加工適性等の面で有効である。
なお、前記可逆熱変色性材料には、非熱変色性の染料や顔料を適宜ブレンドして多彩化することができる。
【0011】
前記成形用樹脂としては、従来より汎用の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等が適宜、目的に応じて適用される。
熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、フッ素樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、石油系炭化水素樹脂、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリブテン、クマロン−インデン共重合物、フェノキシプラスチック等を挙げることができ、ペレット、粉末等の形態となして、射出成形、押出成形、ブロー成形、注型成形等に適用する。尚、注型成形としては、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、セルローズ誘導体等の樹脂を、水や有機溶剤に溶解又は分散させた状態で適用することもできる。又、プラスチゾル用の塩化ビニル系、又は塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂等にあっては、ペースト状態となして、注型成形することができる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができ、注型成形等により成形体を得ることができる。
【0012】
ここで、前記成形用樹脂100重量部に対し、金属光沢顔料0.1〜39重量部(好ましくは、1〜10重量部)、可逆熱変色性材料0.5〜39重量部(好ましくは、1〜10重量部)の割合でブレンドされていると共に、前記金属光沢顔料/可逆熱変色性材料=0.05/1〜40/1(重量比)、好ましくは、0.5/1〜30/1の重量比にあることが好ましい。
前記重量割合を満たすことにより、光輝性と色変化の織りなす多様な様相変化を効果的に発現させることができると共に成形体としての形態保持性を維持できる。
【0013】
前記のようにして得られる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物は、ペレット、粉末、又はペースト形態として、汎用の射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形等の手段により、任意形象の立体造形物、フイルム、シート、板、フィラメント、棒状物、パイプ等の形態の成形体として実用に供される。
なお、前記成形体の上層にはトップコート層を設けて耐久性や耐水性を向上させることもできる。
更に、前記した成形体の最上層、或いは、各層間には光安定剤層を適宜設けることができる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層である。前記最上層に光安定剤層を設けると耐久性や耐水性に加えて可逆熱変色性材料の耐光性も付与できるため、より好適である。
【0014】
【実施例】
次に、具体的に実施例を示す。実施例中の部は重量部である。
【0015】
実施例1
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した金色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカYD−100、平均粒子径10〜60μm〕40部、平均粒子径15μmのマイクロカプセル形態の可逆熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点119℃の高密度ポリエチレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて、シリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により成形用ペレット(金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物)を得た。
前記ペレットを使用し、ブロー成形機によりシリンダー温度175℃の条件で厚さ約2mm、外径5cmの金属光沢調熱変色性球体をブロー成形した。
前記球体は、15℃以下で可逆熱変色性材料が黒色に発色して、入射光の一部である550〜600nmの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、金色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色して、透過光を反射すると、入射光全てを反射することになり、金色金属光沢色は消えて無色となり、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
尚、前記可逆熱変色性材料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、4,4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られたものであり、二つの変色点(低温側変色点:15℃、高温側変色点:30℃)をもつ色彩記憶型可逆熱変色性材料である。
【0016】
実施例2
実施例1の金色金属光沢顔料に替えて、合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した銀色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカSB−100、平均粒子径5〜30μm〕を適用した以外は実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
次いで、実施例1と同様にして、ブロー成形により金属光沢調熱変色性球体を得た。
前記球体は、15℃以下で可逆熱変色性材料が黒色に発色して、入射光の可視光線の一部である光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、銀色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色して、透過光を反射すると、入射光の全てを反射することになり、銀色金属光沢色は消え無色となり、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0017】
実施例3
実施例1の金色金属光沢顔料40部及び可逆熱変色性材料20部、蛍光ピンク顔料1.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて常法により成形用ペレットを得た。
前記ペレットを使用し、射出成形機によりミニチュアカーの金属光沢調熱変色性ボディを成形した。
前記ボディーは、15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して、入射光の一部である550〜600nmの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、金色の金属光沢色となり、30℃以上て可逆熱変色性材料が消色すると金色金属光沢色は消え、蛍光ピンク顔料の色となり、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0018】
実施例4
実施例1の金色金属光沢顔料40部及び可逆熱変色性材料20部と、青色顔料0.2部と白色顔料0.6部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点105℃のリニア低密度ポリエチレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて、常法により2〜3mmのペレットを得た。
前記ペレットを使用し、押出成形機によりシリンダー温度180℃の条件でシート成形を行ない、厚さ約1mmの金属光沢調熱変色性シートを得た。
前記シートは15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して、入射光の一部である550〜600nmの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、金色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色すると金色金属光沢色は消え、青色顔料と白色顔料の混合色であるパステルブルーを呈し、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0019】
実施例5
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックブルー色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカBE−100、平均粒子径15〜100μm〕30部、実施例1の可逆熱変色性材料20部、蛍光イエロー顔料10部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、エポキシ樹脂700部、及びアミン系硬化剤250部を均一に混合した後、ハート型の注型用型に注ぎ、70℃で1時間硬化させて、ハート型の金属光沢調熱変色性成形体を得た。
前記ハート型成形体は、15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して、入射光の可視光線の一部である430〜500μmの青色の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると,メタリックブルー色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色するとメタリックブルー色の金属光沢色は消え、蛍光イエロー顔料の色となり、25℃の室温下で前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0020】
実施例6
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックグリーン色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカGE−100、平均粒子径15〜100μm〕30部、実施例1の可逆熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を使用して、シリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により成形用ペレットを得た。
次いで前記ペレットを用いて、実施例3と同様にしてミニチュアカーの金属光沢調熱変色性ボディを成形した。
前記ボディは、15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して入射光の一部である500〜540nmの波長の反射光を反射し、それ以外の波長の透過光を吸収するため、キラキラとした輝度の高いメタリックグリーン色の金属光沢色が視覚され、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色するとメタリックグリーン色の金属光沢は消えて透明なボディとなり、25℃の室温下で前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0021】
実施例7
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックパープル色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカRBF−100、平均粒子径44〜150μm〕60部と、可逆熱変色性材料30部、スチレン−ブタジエン共重合樹脂(メルトフローレート7.3)1000部、紫外線吸収剤10.0重量部、金属石鹸系滑剤0.5重量部を混合し、タンブラーミキサーで均一に分散した後、押出成形機を用いて成形用ペレットを得た。
前記ペレットを用い、イルカ型の金型を使用して射出成形により、金属光沢調熱変色性イルカを得た。
前記イルカは、20℃以下ではキラキラとした輝度の高いメタリックマジェンタ色の金属光沢色が視覚され、20℃以上では輝度の高い金属光沢色は視覚されず、透明性を有するイルカとして視覚される。
尚、前記可逆熱変色性材料は、6−ジエチルアミノ−ベンゾ(a)−フルオラン1.5部、4,4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール6部、ミリスチルアルコール25部、カプリン酸セチル25部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られた平均粒子径8μmの加熱消色型可逆熱変色性材料である。
【0022】
実施例8
実施例1の金色金属光沢顔料20部、可逆熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて、シリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により成形用ペレットを得た。
前記ペレットを使用し、射出成形機により厚さ3mm、縦5cm、横5cmの星型の金属光沢調熱変色性成形体を得た。
前記星型成形体は、15℃以下ではキラキラとした輝度の高い金色の金属光沢色が視覚され、30℃以上では可逆熱変色性材料が消色して透過光を反射するため、入射光の全ての波長を反射することになり、輝度の高い金属光沢色は視覚されず透明なボディを視覚させた。
尚、前記可逆熱変色性材料は、2、6−ビス(2′−エトキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン1.5部、2、2′−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミノ硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られた平均粒子径10μmの加熱消色型可逆熱変色性材料である。
【0023】
実施例9
実施例5のメタリックブルー色金属光沢顔料20部、可逆熱変色性材料20部、蛍光ピンク顔料1.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されるブロック共重合体エラストマー(破断伸度:1200%、スチレン含有量:13%)1000部を均一に混合した後、押出成形機を使用してシリンダー温度200℃、ゲート温度200℃の条件で常法により成形用ペレットを得た。
前記ペレットを使用し、射出成形機により、シリンダー温度220℃の条件でクモの形態を模した金属光沢調熱変色性クモ玩具を成形した。
前記クモ玩具は、30℃未満ではキラキラした輝度の高いメタリックブルー色の金属光沢色が視覚され、30℃以上では輝度の高い金属光沢色は視覚されることもなく、明瞭な蛍光ピンク色が視覚された。
尚、前記可逆熱変色性材料は、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、4、4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール6部、セチルアルコール25部、カプリン酸セチル25部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られた平均粒子径8μmの加熱消色型可逆熱変色性材料である。
【0024】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物を適用することにより、温度変化による色彩変化と金属光沢性の光輝効果とが織りなす多彩な様相を呈し、前記様相変化が透明性と立体感を伴った様相として視覚される、特異な金属光沢調熱変色性成形体を供給でき、玩具要素、装飾要素、示温要素、差別化要素等、多様な分野に適用される。
【発明の属する技術分野】
本発明は金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。更に詳細には、温度変化による色変化と共に金色、銀色、メタリック色等の輝度の高い金属光沢を呈する金属光沢調熱変色性成形体及び前記成形体の製造に適用される樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属光沢調を呈する熱変色性樹脂組成物に関して、本出願人による幾つかの提案が既に開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記提案は、天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した金属光沢調顔料と可逆熱変色性材料を樹脂中にブレンドしたものであり、金属光沢調の色変化を呈するため、示温、装飾、玩具要素等、多様な分野に適用性を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−107851号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、この種の金属光沢調熱変色性樹脂組成物の視覚効果について更に検討した結果、合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料を用いることによって、光輝性に富み、キラキラ光る特異な金属光沢色を有しながら、温度変化により多彩な様相を視覚させる新たな金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体を見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料と、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体を必須三成分として含む可逆熱変色性材料と、成形用樹脂とからなる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物を要件とする。
更には、前記金属光沢顔料は、合成雲母の表面を酸化チタンを主成分とする金属酸化物で被覆した顔料であること、前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜1000μmであること、可逆熱変色性材料は、前記必須三成分を含む組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態の顔料であること、成形用樹脂100重量部に対し、金属光沢顔料0.1〜39重量部、可逆熱変色性材料0.5〜39重量部の割合でブレンドされていると共に、前記金属光沢顔料/可逆熱変色性材料=0.05/1〜40/1(重量比)を満たすことを要件とする。
更には、前記金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物を使用して射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形の何れかにより成形された金属光沢調熱変色性成形体を要件とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料を適用したことを特徴としたものであり、従来の天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した金属光沢顔料を適用する系に較べ、太陽光の下では顕著にキラキラと光る、金属光沢性の光輝効果を発現させ、しかも前記光輝効果が遠近感と立体感を伴った様相として視覚され、併存の可逆熱変色性材料の温度変化による変色効果とが織りなす多彩な様相を現出させ、特異性と装飾性を満足させる。
前記効果を補足説明すれば、前記金属光沢顔料は、個々の顔料が部分的に重なり合ったりして、非平面状態に存在するため、光輝性と色調が微妙に変化し、全体として立体感を有する多様な様相を視覚させる。ここで、前記個々の顔料が重なり合った部分にあっても、顔料自体の透明性に依存して、本来の金属光沢性の光輝効果が損なわれることなく、有効に発現できる。
【0007】
前記金属光沢顔料の芯物質として合成雲母を用いると、従来より汎用の天然雲母と比較して不純物や鉄等の着色傾向を示す金属イオンの含有量が少なく、透明性に優れ、金属光沢性は酸化チタンに代表される金属酸化物で被覆することにより得られ、前記金属酸化物の被覆率によって金色、銀色、或いは、メタリック色の金属光沢を呈する。
従って、合成雲母を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料については、光輝性に富むと共に透明性にも優れるため、可逆熱変色材料の色調を明瞭に視認することができる。
前記金属光沢顔料の芯物質として用いられる合成雲母は、下記一般式(1)で示される合成雲母が好適であり、その一例としてKMg3(AlSi3 O10)F2 が挙げられる。
X1/3 〜 1 Y2 〜 3 Z4 O10F2 (1)
(式中、XはNa+ 、Li+ 、K+ 、Ca2+、Sr2+、Ba2+を示し、YはMg2+、Li+ 、Ni2+、Co2+、Zn2+、Mn2+、Al3+、Cr3+、Ti3+の1種または2種以上を示し、ZはAl3+、Si4+、Ge4+、B3+の1種または2種以上を示す)
なお、前記合成雲母の形状は特に限定されないが、偏平形状や鱗片形状のものを例示できる。
前記合成雲母の表面を被覆する金属酸化物としては、チタン、ジルコニウム、クロム、バナジウム、鉄等の金属酸化物を例示できるが、好適には酸化チタンを主成分とする金属酸化物が挙げられる。
前記金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜1000μm、好ましくは2〜500μm、更に好ましくは2〜200μmである。前述の厚みと平均粒子径を示す金属光沢顔料を用いることにより、金属光沢顔料の光輝性と可逆熱変色性材料の変色による明瞭な色変化を呈することができる。
前記平均粒子径は、レーザー回折法平均粒子径を示し、体積基準のメジアン径が累積分布の50%に相当する粒子径である。
【0008】
前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料として具体的には、日本光研工業(株)製の商品名「アルティミカ」品番:SB−100(5〜30μm:銀色)、SD−100(10〜60μm:銀色)、SE−100(15〜100μm:銀色)、SF−100(44〜150μm:銀色)、SH−100(150〜600μm:銀色)、YB−100(5〜30μm:金色)、YD−100(10〜60μm:金色)、YE−100(15〜100μm:金色)、YF−100(44〜150μm:金色)、RB−100(5〜30μm:メタリックレッド)、RD−100(10〜60μm:メタリックレッド)、RE−100(15〜100μm:メタリックレッド)、RF−100(44〜150μm:メタリックレッド)、RBB−100(5〜30μm:メタリックパープル)、RBD−100(10〜60μm:メタリックパープル)、RBE−100(15〜100μm:メタリックパープル)、RBF−100(44〜150μm:メタリックパープル)、VB−100(5〜30μm:メタリックバイオレット)、VD−100(10〜60μm:メタリックバイオレット)、VE−100(15〜100μm:メタリックバイオレット)、VF−100(44〜150μm:メタリックバイオレット)、BB−100(5〜30μm:メタリックブルー)、BD−100(10〜60μm:メタリックブルー)、BE−100(15〜100μm:メタリックブルー)、BF−100(44〜150μm:メタリックブルー)、GB−100(5〜30μm:メタリックグリーン)、GD−100(10〜60μm:メタリックグリーン)、GE−100(15〜100μm:メタリックグリーン)、GF−100(44〜150μm:メタリックグリーン)を例示できる。
括弧内は平均粒子径及び色調を示す。
【0009】
前記可逆熱変色性材料は、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物が好適に用いられる。具体的には、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。
前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点以上の温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち、常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要する熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい熱変色挙動を示す加熱消色型可逆熱変色性材料である。
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、低温側変色点以下の温度域での発色状態、或いは高温側変色点以上の温度域での消色状態が、前記変色に要した冷熱又は熱の適用を取り去った後にあっても、前記両変色点の間の常温域で互変的に記憶保持できる色彩記憶型可逆熱変色性材料を利用できる。
又、本出願人が提案した特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報等に記載の、電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した加熱発色型可逆熱変色性材料を適用することもできる。
【0010】
前記した可逆熱変色性材料は、前記必須三成分からなる組成物として適用することもできるが、顔料形態、例えば、前記組成物をバインダー樹脂と共にブレンドして得た微細粒状物、前記微細粒状物の表面を別の樹脂で被覆したもの、前記組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態の顔料が好適に用いられる。
なかでも、マイクロカプセル形態の顔料は、鮮明且つ高濃度の発色性、均質性、分散安定性、耐薬品性等を満たし、実用的に好適である。尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の適用により実施できる。
前記顔料の表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル形態の顔料にあっては、平均粒子径〔(長径+短径)/2〕が、0.1〜100μm、好ましくは、0.5〜30μm、更に好ましくは、0.5〜20μmの範囲にあることが、変色の鋭敏性、持久性、加工適性等の面で有効である。
なお、前記可逆熱変色性材料には、非熱変色性の染料や顔料を適宜ブレンドして多彩化することができる。
【0011】
前記成形用樹脂としては、従来より汎用の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等が適宜、目的に応じて適用される。
熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、フッ素樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、石油系炭化水素樹脂、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリブテン、クマロン−インデン共重合物、フェノキシプラスチック等を挙げることができ、ペレット、粉末等の形態となして、射出成形、押出成形、ブロー成形、注型成形等に適用する。尚、注型成形としては、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、セルローズ誘導体等の樹脂を、水や有機溶剤に溶解又は分散させた状態で適用することもできる。又、プラスチゾル用の塩化ビニル系、又は塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂等にあっては、ペースト状態となして、注型成形することができる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができ、注型成形等により成形体を得ることができる。
【0012】
ここで、前記成形用樹脂100重量部に対し、金属光沢顔料0.1〜39重量部(好ましくは、1〜10重量部)、可逆熱変色性材料0.5〜39重量部(好ましくは、1〜10重量部)の割合でブレンドされていると共に、前記金属光沢顔料/可逆熱変色性材料=0.05/1〜40/1(重量比)、好ましくは、0.5/1〜30/1の重量比にあることが好ましい。
前記重量割合を満たすことにより、光輝性と色変化の織りなす多様な様相変化を効果的に発現させることができると共に成形体としての形態保持性を維持できる。
【0013】
前記のようにして得られる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物は、ペレット、粉末、又はペースト形態として、汎用の射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形等の手段により、任意形象の立体造形物、フイルム、シート、板、フィラメント、棒状物、パイプ等の形態の成形体として実用に供される。
なお、前記成形体の上層にはトップコート層を設けて耐久性や耐水性を向上させることもできる。
更に、前記した成形体の最上層、或いは、各層間には光安定剤層を適宜設けることができる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層である。前記最上層に光安定剤層を設けると耐久性や耐水性に加えて可逆熱変色性材料の耐光性も付与できるため、より好適である。
【0014】
【実施例】
次に、具体的に実施例を示す。実施例中の部は重量部である。
【0015】
実施例1
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した金色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカYD−100、平均粒子径10〜60μm〕40部、平均粒子径15μmのマイクロカプセル形態の可逆熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点119℃の高密度ポリエチレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて、シリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により成形用ペレット(金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物)を得た。
前記ペレットを使用し、ブロー成形機によりシリンダー温度175℃の条件で厚さ約2mm、外径5cmの金属光沢調熱変色性球体をブロー成形した。
前記球体は、15℃以下で可逆熱変色性材料が黒色に発色して、入射光の一部である550〜600nmの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、金色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色して、透過光を反射すると、入射光全てを反射することになり、金色金属光沢色は消えて無色となり、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
尚、前記可逆熱変色性材料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、4,4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られたものであり、二つの変色点(低温側変色点:15℃、高温側変色点:30℃)をもつ色彩記憶型可逆熱変色性材料である。
【0016】
実施例2
実施例1の金色金属光沢顔料に替えて、合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した銀色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカSB−100、平均粒子径5〜30μm〕を適用した以外は実施例1と同様にして成形用ペレットを得た。
次いで、実施例1と同様にして、ブロー成形により金属光沢調熱変色性球体を得た。
前記球体は、15℃以下で可逆熱変色性材料が黒色に発色して、入射光の可視光線の一部である光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、銀色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色して、透過光を反射すると、入射光の全てを反射することになり、銀色金属光沢色は消え無色となり、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0017】
実施例3
実施例1の金色金属光沢顔料40部及び可逆熱変色性材料20部、蛍光ピンク顔料1.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて常法により成形用ペレットを得た。
前記ペレットを使用し、射出成形機によりミニチュアカーの金属光沢調熱変色性ボディを成形した。
前記ボディーは、15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して、入射光の一部である550〜600nmの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、金色の金属光沢色となり、30℃以上て可逆熱変色性材料が消色すると金色金属光沢色は消え、蛍光ピンク顔料の色となり、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0018】
実施例4
実施例1の金色金属光沢顔料40部及び可逆熱変色性材料20部と、青色顔料0.2部と白色顔料0.6部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点105℃のリニア低密度ポリエチレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて、常法により2〜3mmのペレットを得た。
前記ペレットを使用し、押出成形機によりシリンダー温度180℃の条件でシート成形を行ない、厚さ約1mmの金属光沢調熱変色性シートを得た。
前記シートは15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して、入射光の一部である550〜600nmの波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、金色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色すると金色金属光沢色は消え、青色顔料と白色顔料の混合色であるパステルブルーを呈し、25℃の室温下においては、前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0019】
実施例5
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックブルー色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカBE−100、平均粒子径15〜100μm〕30部、実施例1の可逆熱変色性材料20部、蛍光イエロー顔料10部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、エポキシ樹脂700部、及びアミン系硬化剤250部を均一に混合した後、ハート型の注型用型に注ぎ、70℃で1時間硬化させて、ハート型の金属光沢調熱変色性成形体を得た。
前記ハート型成形体は、15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して、入射光の可視光線の一部である430〜500μmの青色の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると,メタリックブルー色の金属光沢色となり、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色するとメタリックブルー色の金属光沢色は消え、蛍光イエロー顔料の色となり、25℃の室温下で前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0020】
実施例6
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックグリーン色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカGE−100、平均粒子径15〜100μm〕30部、実施例1の可逆熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を使用して、シリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により成形用ペレットを得た。
次いで前記ペレットを用いて、実施例3と同様にしてミニチュアカーの金属光沢調熱変色性ボディを成形した。
前記ボディは、15℃以下で可逆熱変色性材料が発色して入射光の一部である500〜540nmの波長の反射光を反射し、それ以外の波長の透過光を吸収するため、キラキラとした輝度の高いメタリックグリーン色の金属光沢色が視覚され、30℃以上で可逆熱変色性材料が消色するとメタリックグリーン色の金属光沢は消えて透明なボディとなり、25℃の室温下で前記発色状態又は消色状態における各様相が互変的に記憶保持されており、択一的に視覚される。
【0021】
実施例7
合成雲母の表面を酸化チタンで被覆したメタリックパープル色金属光沢顔料〔日本光研工業(株)製、商品名:アルティミカRBF−100、平均粒子径44〜150μm〕60部と、可逆熱変色性材料30部、スチレン−ブタジエン共重合樹脂(メルトフローレート7.3)1000部、紫外線吸収剤10.0重量部、金属石鹸系滑剤0.5重量部を混合し、タンブラーミキサーで均一に分散した後、押出成形機を用いて成形用ペレットを得た。
前記ペレットを用い、イルカ型の金型を使用して射出成形により、金属光沢調熱変色性イルカを得た。
前記イルカは、20℃以下ではキラキラとした輝度の高いメタリックマジェンタ色の金属光沢色が視覚され、20℃以上では輝度の高い金属光沢色は視覚されず、透明性を有するイルカとして視覚される。
尚、前記可逆熱変色性材料は、6−ジエチルアミノ−ベンゾ(a)−フルオラン1.5部、4,4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール6部、ミリスチルアルコール25部、カプリン酸セチル25部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られた平均粒子径8μmの加熱消色型可逆熱変色性材料である。
【0022】
実施例8
実施例1の金色金属光沢顔料20部、可逆熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用いて、シリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により成形用ペレットを得た。
前記ペレットを使用し、射出成形機により厚さ3mm、縦5cm、横5cmの星型の金属光沢調熱変色性成形体を得た。
前記星型成形体は、15℃以下ではキラキラとした輝度の高い金色の金属光沢色が視覚され、30℃以上では可逆熱変色性材料が消色して透過光を反射するため、入射光の全ての波長を反射することになり、輝度の高い金属光沢色は視覚されず透明なボディを視覚させた。
尚、前記可逆熱変色性材料は、2、6−ビス(2′−エトキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン1.5部、2、2′−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミノ硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られた平均粒子径10μmの加熱消色型可逆熱変色性材料である。
【0023】
実施例9
実施例5のメタリックブルー色金属光沢顔料20部、可逆熱変色性材料20部、蛍光ピンク顔料1.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤5部、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されるブロック共重合体エラストマー(破断伸度:1200%、スチレン含有量:13%)1000部を均一に混合した後、押出成形機を使用してシリンダー温度200℃、ゲート温度200℃の条件で常法により成形用ペレットを得た。
前記ペレットを使用し、射出成形機により、シリンダー温度220℃の条件でクモの形態を模した金属光沢調熱変色性クモ玩具を成形した。
前記クモ玩具は、30℃未満ではキラキラした輝度の高いメタリックブルー色の金属光沢色が視覚され、30℃以上では輝度の高い金属光沢色は視覚されることもなく、明瞭な蛍光ピンク色が視覚された。
尚、前記可逆熱変色性材料は、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、4、4′−(2−メチル−プロピリデン)ビスフェノール6部、セチルアルコール25部、カプリン酸セチル25部の相溶体からなる可逆熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重合法によるカプセル化で得られた平均粒子径8μmの加熱消色型可逆熱変色性材料である。
【0024】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物を適用することにより、温度変化による色彩変化と金属光沢性の光輝効果とが織りなす多彩な様相を呈し、前記様相変化が透明性と立体感を伴った様相として視覚される、特異な金属光沢調熱変色性成形体を供給でき、玩具要素、装飾要素、示温要素、差別化要素等、多様な分野に適用される。
Claims (6)
- 合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料と、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化合物、及び前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体を必須三成分として含む可逆熱変色性材料と、成形用樹脂とからなる金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物。
- 前記金属光沢顔料は、合成雲母の表面を酸化チタンを主成分とする金属酸化物で被覆した顔料である請求項1記載の金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物。
- 前記合成雲母の表面を金属酸化物で被覆した金属光沢顔料は平均の厚みが0.1〜5μmであり、平均粒子径が2〜1000μmである請求項1又は2記載の金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物。
- 前記可逆熱変色性材料は、前記必須三成分を含む組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態の顔料である請求項1記載の金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物。
- 成形用樹脂100重量部に対し、金属光沢顔料0.1〜39重量部、可逆熱変色性材料0.5〜39重量部の割合でブレンドされていると共に、前記金属光沢顔料/可逆熱変色性材料=0.05/1〜40/1(重量比)を満たす請求項1乃至4のいずれかに記載の金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載された金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物を使用して射出成形、押出成形、ブロー成形、又は注型成形の何れかにより成形された金属光沢調熱変色性成形体。
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JP2002373341A JP2004203985A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体 |
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JP5555632B2 (ja) * | 2008-08-26 | 2014-07-23 | 帝人株式会社 | 成形品の製造方法 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002373341A patent/JP2004203985A/ja active Pending
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