JP2004203103A - 自動車オープニングトリムおよびそのリサイクル方法 - Google Patents

自動車オープニングトリムおよびそのリサイクル方法 Download PDF

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政義 門口
Hitoshi Shinada
仁 品田
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Hayashi Gijutsu Kenkyusho KK
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Hayashi Gijutsu Kenkyusho KK
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Abstract

【課題】自動車の開口部を縁取るように取り付けられるオープニングトリムを一体成形可能にする。
【解決手段】自動車オープニングトリム1は、ドア枠の縁を構成するドアフランジ21を覆って取り付けられる、ほぼU字形の断面形状を有する本体部2を有している。本体部2の側壁の外面には、壁材が連結され、これによって、ドア20とドアフランジ21との間に位置する中空部を形成するシール部3が構成されている。本体部2は、弾性リップ5や内装材係合片4などの各部位に、それぞれ相応の熱可塑性エラストマー樹脂が用いられている。シール部3を構成する壁材は、熱可塑性エラストマー樹脂からなる発泡体層7とスキン層8を積層して構成されており、発泡体層7によって適度な柔軟性および適度な反発弾性(形状回復性)が付与され、スキン層8によって表面耐傷付き性が付与されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のドア枠等の開口部(オープニング)を縁取るように取り着けられるオープニングトリムと、そのリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のボディパネルにドア枠等の開口部(オープニング)を形成する場合、オープニングの周縁は、ボディのアウターパネルとインナーパネルを溶接してフランジ状に形成される。オープニングトリムは、このフランジを覆うように取り付けられ、フランジを保護し、装飾し、また、オープニングとドア等との間のシール性を維持する等の働きをする長尺のトリム材である。
【0003】
従来例の自動車オープニングトリムの模式図を図4に示す。図4は、図2に示すような、自動車のドア枠23の周りのドアフランジ21に取り付けられる構成の自動車オープニングトリム51を示す図であり、図2のA−A線に沿った断面図に相当している。
【0004】
この自動車オープニングトリム51は、およそU字形の断面形状を有するキャリア、すなわち本体部52と、本体部52の側壁に連結された壁材によって中空部を形成するように構成されたシール部53を有している。本体部52は、ドア枠23の周縁に亘って延び、一様断面に、または一部異形断面に押出し成形して形成されている。また、本体部52には、自動車の内装材22を係合する係合片54が備えられる場合もある。
【0005】
本体部52の内部には、U字形の所定の形状を維持するために、しばしば金属製のインサート56が設けられている。本体部52は、U字形断面によって形成される溝内に複数の弾性リップ55を備えている。自動車オープニングトリム51は、この弾性リップ55の弾性力によりドアフランジ21を挟み込むことによって、ドアフランジ21に支持されている。シール部53は、ドア20を矢印で示すように閉めた際、ドアフランジ21とドア20の間に挟まれる位置に設けられており、挟まれて弾性変形し、ドアフランジ21とドア20の間をシールする働きをする。
【0006】
このような構成の自動車オープニングトリムは、例えば、特許文献1,2に開示されている。また、類似した構成のトリム材が、例えば、特許文献3,4,5に開示されている。また、本発明のリサイクル方法に関連して、トリム材の金属芯金と被覆体を分離する方法が、特許文献6に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−198738号公報
【特許文献2】
特開2000−191862号公報
【特許文献3】
特開2001−121973号公報
【特許文献4】
特開2000−272253号公報
【特許文献5】
登録実用新案第2592271号公報
【特許文献6】
特許第2960933号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の自動車オープニングトリム51において、本体部52には、樹脂素材またはEPDM等のゴム系素材、シール部53には、EPDM系のゴム素材が多く使用されており、通常、両者は別々の素材から形成されている。これは、本体部52とシール部53では、それぞれが果たす機能が明確に異なり、それぞれの機能を良好に果たすようにするために要求される物性値に相違があるためである。すなわち、特に、シール部53には、圧縮特性、引張特性、耐候性等の物性がEPDM系のゴム素材に近い素材を用いる必要がある。
【0009】
一方、製造技術的に見ると、本体部52とシール部53は一体的に成形して製造するのが合理的であり、両者は同系の素材から形成するのが好ましい。すなわち、特に、シール部53にゴム系素材を用い、本体部52に樹脂素材を用いる場合には、両者を一体成形するのには困難が生じる。
【0010】
また、シール部53をゴム系素材から形成することには、以下のような欠点がある。
▲1▼この種のゴム系素材は完全架橋しているので、溶融処理ができず、リサイクルするのが困難である。本体部52のみを、リサイクル可能な熱可塑性樹脂から構成しても、分別回収するのは困難である。
▲2▼比重がしばしば1.2以上と高く、製品の重量が重くなってしまう。
▲3▼材料の混練り工程、加硫工程を必要とし、加工工程が長い。また、加工するのに多量の熱エネルギーを消費する。これらのことから、製造コストが高くなってしまう。
▲4▼着色に制限があり、自動車のデザインとの調和を自由に図ることができない場合がある。
▲5▼本体部52のみを熱可塑性樹脂で構成した場合、本体部52とシール部53は、限られた条件を満たす場合にしか溶着することができず、接着剤による後接着工程を要する場合がある。
▲6▼ゴムに特有の臭気が長く残りやすい。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、自動車の開口部の縁を覆って取り付けられる本体部と、本体部に連結された壁材によって構成される、弾性変形して開口部の周縁部におけるシール性を高める働きをするシール部とを有するオープニングトリムであって、本体部とシール部の機能を良好に維持しつつ、両者をリサクル可能な素材から一体成形することができるオープニングトリム、およびそのリサイクル方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明者は、自動車オープニングトリムの各部位毎に異なる要求特性を満たす素材の使い分けについての詳細の解析と、各部位に用いるのに適する材料の開発を行った。その結果として、自動車オープニングトリムを、性能を維持したまま、素材の全熱可塑性樹脂化、さらには、オールオレフィン化することを可能とし、本発明に至った。
【0013】
このような本発明の自動車オープングトリムは、自動車の、開閉可能な部品によって覆われる開口部を縁取るように取り着けられるオープニングトリムであって、開口部の縁を覆って取り付けられる、熱可塑性エラストマー樹脂からなる本体部と、熱可塑性エラストマー樹脂からなる内側の発泡体と熱可塑性エラストマー樹脂からなる外側のスキン層とからなる、本体部に連結された壁材によって、開口部の縁と開閉可能な部品との間に挟まれる位置に中空部を形成するシール部とを有することを特徴とする。
【0014】
この自動車オープングトリムのシール部には、開閉可能な部品を閉め、この部品と自動車の開口部の縁との間に挟まれた際に、開閉部品の動作に追随して変形するように適度な柔軟性を有することが要求され、かつ、挟まれた際に機密性を維持するように適度な反発弾性(形状回復性)を有することが要求される。このようなシール部を構成する壁材に、熱可塑性エラストマー樹脂の発泡体層を設けることによって、シール部に柔軟性および適度な反発弾性を付与しながら、熱可塑性エラストマー樹脂のスキン層を設けることによって、表面耐傷付き性を付与することができる。したがって、この構成によれば、従来技術におけるように、ゴム系素材を用いることなく、良好なシール性能を有するシール部を構成することができる。
【0015】
また、本体部についても、必要に応じて、その部位毎に要求される物性を有するものを選択して用いることによって、良好な性能を維持しながら、熱可塑性エラストマー樹脂から形成することが可能である。
【0016】
これらによって、本発明の自動車オープニングトリムは、全熱可塑性樹脂化、特に、オールオレフィン化することが可能である。その結果、本発明の自動車オープニングトリムは、全体を一体に成形することが可能である。また、従来技術における一課題として前述したような、ゴム系素材を用いることによる欠点を解消することができる。すなわち、特に、リサイクル性を向上させることができ、また、製造工程の合理化を図ることができる。
【0017】
本発明の自動車オープニングトリムにおいて、シール部は、上述のように良好なシール性能を得るため、圧縮永久歪みが、70℃、96Hの条件下で50以下となるようにするのが好ましい。また、スキン層の素材には、JIS―K6301のスプリング式硬さ試験A型によって計測した硬さが30度以上80度未満の熱可塑性エラストマー樹脂を用いるのが好ましい。
【0018】
また、本体部は、自動車オープニングトリムを自動車に装着した状態で、自動車の車内などから見える部分を有している。本体部のこの部分には、着色された熱可塑性エラストマー樹脂層を形成するのが好ましく、それによって好ましい意匠を付与することができる。この際、本体部の残りの部分は、意匠性を損なうことなく、無着色の熱可塑性エラストマー樹脂層とすることができる。これによって、着色された熱可塑性エラストマー樹脂層と無着色の熱可塑性エラストマー樹脂層とに、それぞれそれに適した素材を用いることができる。特に、無着色の熱可塑性エラストマー樹脂層に、製品から回収した再利用樹脂を用いることができ、それによって、自動車オープニングトリムのリサイクル性をさらに向上させることができる。
【0019】
また、本体部には、自動車の開口部にしっかりと取り付けるために、本体部の形状安定性を高める働きをする一定の剛性を有するインサートを設けるのが好ましい。このインサートは、相応の物性を有する熱可塑性エラストマー樹脂から構成してもよいが、金属製とすることもできる。
【0020】
本発明の自動車オープニングトリムは、自動車の開閉可能な部品によって挟まれてシール性を維持する働きをするシール部を有するものであり、特に、このような構成が必要とされる、ドアによって開閉可能に覆われるドア枠に取り付けるドアオープニングトリムとして好適である。
【0021】
本発明の自動車オープニングトリムは、廃品時には、加熱、溶融処理して良好に再利用樹脂を回収することができる。この際、インサートとして、熱可塑性エラストマー樹脂製のものを用いている場合は、インサートについても、本体部やシール部と同時に加熱、溶融処理して、これらを均質素材とし、それを再利用樹脂として回収することができる。
【0022】
一方、インサートとして、金属製のものを用いている場合には、リサイクル時にインサートと樹脂を分離する必要がある。本発明は、このような分離を効率的に実施可能なリサイクル方法も提供する。
【0023】
すなわち、本発明の、自動車オープニングトリムのリサイクル方法は、金属製のインサートと、インサートを覆って成形された熱可塑性エラストマー樹脂とを有する自動車オープニングトリムのリサイクル方法であって、インサートを加熱し、インサートの周りの熱可塑性エラストマー樹脂を軟化・溶融させる工程と、この状態で自動車オープニングトリムを押し潰し、インサートと熱可塑性エラストマー樹脂を分離する工程とを有することを特徴とする。この際、本体部内に内包された金属製のインサートを独立に加熱するには、高周波加熱を実施するのが適している。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態の自動車オープニングトリムを示す模式図である。この自動車オープニングトリム1は、図2に示すような、自動車のドア枠23の縁に取り付けられるもの(ドアオープニングトリム)であり、図1は、図2のA−A線に沿った断面図に相当している。
【0025】
ドア枠23の縁部には、インナーパネルとアウターパネルを溶接して、図1に示すようにドアフランジ21が形成されている。本実施形態の自動車オープニングトリム1は、このドアフランジ21を間に挟み込むように、U字形の断面形状を有する本体部2を有している。
【0026】
本体部2の、側壁の内面には、複数の弾性リップ5が形成されている。弾性リップ5は、溝の両側壁に一体的に形成されており、溝の中心に向かって溝の底部側に傾斜して延びている。弾性リップ5は、溝の片側の壁にのみ設けてもよい。自動車オープニングトリム1は、ドアフランジ21を、この弾性リップ5の弾性力によって挟み込むようにして、取り付けられている。
【0027】
本体部2の内部には、U字形の断面形状の形状保持性を高める働きをする、U字形に折り曲げられた板状のインサート6が設けられている。インサート6としては、公知の金属からなるものを用いることができる。インサート6は、自動車オープニングトリム1を装着する際に、容易にドア縁23に沿った形状にできるように、長手方向に、間を切り欠いた梯子状に形成されている。あるいは、インサート6は、相応の物性を有する熱可塑性エラストマー樹脂から構成してもよい。
【0028】
本体部2の底壁の外面には、内装材22(ヘッドライナー等)に重なってこれに係合する内装材係合片4が形成されている。すなわち、内装材係合片4と本体部2の底壁との間に内装材22の端末を入れて保持することができ、それによって、内装材係合片4は、内装材22の端末がむき出しにならないように端末をカバーする働きをする。
【0029】
本体部2の、自動車の外側となる側壁の外面には、この側壁と共に中空部を形成する壁材が連結されており、これによってシール部3が構成されている。シール部3は、ドア20を図1の矢印で示すように閉めた時に、ドアフランジ21とドア20との間に挟まれて弾性変形し、ドア枠23の縁とドア20との間を気密にシールする働きをする。
【0030】
本実施形態の自動車オープニングトリム1では、本体部2およびシール部3を全て熱可塑性エラストマー樹脂で構成している。この際、自動車オープニングトリム1を、ドア枠23の周縁の全周を覆うように周状に形成するため、自動車オープニングトリム1の端末をつなぐ工程は、つなぎ合わせる両端末を相互に向かい合わせ、間に熱可塑性エラストマー樹脂を充填成形して実施することができる。これによって、自動車オープニングトリム1の素材の統一性を保つことができる。
【0031】
自動車オープニングトリム1を構成する熱可塑性エラストマー樹脂としては、オレフィン系のものや、スチレン系のものを利用可能であり、部位毎に要求される性能に合ったグレードのものを選択するのが好ましい。自動車オープニングトリム1の、インサート6を除く全体を熱可塑性エラストマー樹脂から構成することによって、好適に、単一のダイス(口金)から一体的に押出し成形することが可能となり、生産性の向上を図ることができる。この際、この押出し成形では、部位ごとに要求される特性に合わせて複数種の、特に、本実施形態では最大で5種の異なる物性の熱可塑性エラストマー樹脂を同時に押出し、一体化することによって、必要な特性を兼ね備えた自動車オープニングトリム1を単一の押出し工程で得ることができる。
【0032】
また、本実施形態の自動車オープンニグトリム1は、ゴム系素材を用いないため、本発明の一課題として前述したような、ゴム系素材に特有の欠点を解消することができる。特に、自動車オープニングトリム1の全熱可塑性樹脂化、さらには、オールオレフィン化により、自動車オープニングトリム1はリサイクル性に優れたものとすることができる。
【0033】
次に、本実施形態の自動車オープニングトリム1の各部の素材や構成について、さらに詳細に説明する。
【0034】
本体部2には、JIS―K6301による硬さ(スプリング式硬さ試験A型)が60以上80以下の特性を有する熱可塑性エラストマー樹脂を選択して用いる。このような熱可塑性エラストマー樹脂としては、例えば、リケンテクノス株式会社製のLQR392C(商品名)や、エーイーエス・ジャパン株式会社(以下AES社と記載する)製の9101―65(商品名)を適用することができる。
【0035】
弾性リップ5は、長期間に亙って抜け落ちが発生しないようにするために、オレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂等の、低へたり性の樹脂から形成するのが適している。弾性リップ5に用いる素材としては、JIS―K6301による圧縮永久ひずみ率(70℃×22時間)が50%以下の条件を満たすものが適している。このような熱可塑性エラストマー樹脂としては、具体的には、リケンテクノス株式会社製のLAQ250B(商品名)(圧縮永久ひずみ率=47%)や、AES社製の101―64(商品名)(圧縮永久ひずみ率=48%)が上記の条件に合っており、弾性リップ5の素材として適用できる。
【0036】
内装材係合片4は本体部2と同じ樹脂から構成可能である。この弾性係合片4の表面は、自動車オープニングトリム1において、ドア20を閉めた状態でも自動車の室内の乗員から見えるものであり、内装材係合片4の表面との間に境界を形成する内装材22と調和する色調に調色するのが適している。そこで、本実施形態では、内装材係合片4の表面に着色層9を形成している。着色層9は、着色された熱可塑性エラストマーを被覆押出しし、内装材係合片4に積層一体化するのが適している。
【0037】
この構成では、着色層9のみを各種の色調に変えることによって、多種の自動車の内装材22に合った多品番の製品を製造することができ、自動車オープニングトリム1全体の色調を調整するのに比較して、製造の合理化を図ることができる。また、本体部2に用いる熱可塑性エラストマー樹脂には、所望の物性を有するものを用い、一方、着色層9には、着色し、所望の意匠性を有するものとするのに適したものを用いるというように、両者に使用する素材の自由度を増すことができる。そこで、例えば、本体部2に、製品から回収した再利用樹脂を用いることも可能になり、それによって、自動車オープニングトリム1のリサイクル性をさらに向上させることができる。
【0038】
また、着色層9に、マイクロカプセル型の発泡剤を含ませ、この発泡剤の破裂を利用して、微細な凹凸模様を形成してもよい。このような構成の一例において、着色層9に用いる樹脂層熱可塑性エラストマー樹脂として、リケンテクノス株式会社製のLQA248K(商品名)を用い、マイクロカプセル型の発泡剤として、日本フィライト株式会社製のエクスパンセルマイクロスフェア―092MB120(商品名)を5重量%添加した上で、150〜210℃の樹脂温度の条件で押出し成形することができる。これによって、樹脂がダイス(口金)から出て、圧力が開放されると、添加されたマイクロカプセルが膨張を開始し、一部が樹脂表面で破裂して、着色層9の表面に微細な凹凸模様を持たせることができ、より柔らかい触感、意匠の外観にすることができる。
【0039】
シール部3は、前述のように、ドア枠23の縁とドア20との間を良好に気密にシールする働きをするようにするため、ドア20を閉めた時にドア20に追随して変形するように柔軟性を有することが求められ、かつ、気密性を維持するように変形に対して適度な反発弾性(形状回復性)を有することが求められる。本発明者は、シール部3を形成する壁材を、熱可塑性エラストマー樹脂からなる発泡体層7と、熱可塑性エラストマー樹脂からなるスキン層8の積層体とすることによって、上記の要求を満足するものとすることができることを見出した。すなわち、発泡体層7によってシール部3に柔軟性および反発弾性を付与しながら、スキン層8によって表面耐傷付き性を付与し発泡体層7を保護することができる。
【0040】
発泡体層7とスキン層8の積層体は、本体部2の押出し成形と同時に、本体部2の側壁の外側に一体成形する。この際、発泡体層7とする部分には、発泡剤として無機系の発泡剤(永和化成工業株式会社製のEV405D(商品名)、8130(商品名)等)を含ませ、押出機内において20〜50MPaの高圧に保持したものを、口金から押出すことによって圧力を開放し、高発泡体へと押出す。
【0041】
発泡体層7は、発泡倍率が1.4〜2.5倍になるように押出し、肉厚が1.0〜2.2mm、発泡体層7の内側に形成される中空部の高さが10〜25mmになるようにするのが適している。発泡体層7の素材としては、押出し成形された後の引き裂き強度が9.8N/cm以上(試験方法JIS―K6301)、伸び率が150%以上(試験方法JIS―K6301)となるものが適している。具体的には、AES社製の121―60W228(商品名)や、AES社製の201―68W228(商品名)が上記の条件に合っており、発泡体層7の素材として適用できる。
【0042】
スキン層8は、発泡体層7の外側を被覆するように、押出し成形により積層する。スキン層8の厚さは10μm〜400μmとするのが好ましい。
【0043】
シール部3は、発泡体層8にスキン層8を積層した状態で、圧縮に対する反発弾性は圧縮永久歪が70℃、96Hの条件下で50以下に調整されているのが適している。このためには、スキン層8を構成する熱可塑性エラストマー樹脂の硬度を、JIS―K6301で80未満とするのが適している。このような熱可塑性エラストマー樹脂としては、具体的には、リケンテクノス株式会社製のLQA248K(商品名)が上記の条件に合っており、スキン層8を構成する素材として適用することができる。
【0044】
本実施形態の自動車オープニングトリム1は、加熱、溶融処理して良好に再利用樹脂を回収することができる。この際、インサート6として、熱可塑性エラストマー樹脂製のものを用いている場合は、インサート6についても、本体部2やシール部3と同時に加熱、溶融処理して、これらを均質素材とし、これを再利用樹脂として回収することができる。
【0045】
一方、インサートとして、金属製のものを用いている場合には、リサイクル時にインサートと樹脂を分離する必要がある。次に、このように、金属製のインサート6を有する自動車オープニングトリム1をリサイクルするのに適した工程について、図3を参照して説明する。
【0046】
このリサイクルの対象とするのは、自動車から取り外された自動車オープニングトリムであり、断面形状がU字形に曲げられたインサートを有する状態で回収された湾曲状回収材40であっても、インサートが平坦な状態で回収された平坦状回収材41であってもよい。湾曲状回収材40は、ステップ0において、あらかじめ延ばし機30(対のローラープレス)に通して、U字形のインサートを平らに近い形状にする。平坦状回収材41の場合は、ステップ0の工程は省略し、そのまま次工程に送る。
【0047】
次に、熱可塑性エラストマー樹脂を加熱して軟化させる。この加熱工程は、主に、熱可塑性エラストマー樹脂を加熱するセラミックヒータ31等の熱放射型の加熱炉と、金属製のインサートを加熱する高周波加熱炉32を並設し、回収材をこれらに順に通して実施するのが適している。これによって、リサイクルの対象となる回収材は、まず、ステップ1aにおいて、熱放射型の加熱炉によって熱可塑性エラストマー樹脂が適度に軟化される。次に、ステップ1bにおいて、高周波加熱炉32によってインサートが加熱され、その結果、インサートの近傍の熱可塑性エラストマー樹脂が溶融され、インサートと熱可塑性エラストマー樹脂を両者の界面において剥離しやすい状態にすることができる。
【0048】
次に、この状態の回収材を、対の潰しロール33の間に送って、厚さ方向に潰しをかける。すると、加熱され、弾性、形状保持性を失って、可塑性が発現した熱可塑性エラストマー樹脂は、潰れ変形しがらインサートから剥がれる。このようにして、インサートと熱可塑性エラストマー樹脂を別々に引き離し、分離することができ、分離回収した素材をそれぞれ再利用材として回収することができる。
【0049】
この際、本実施形態のリサイク方法では、熱可塑性エラストマー樹脂を完全に溶融させることなく、インサートとの界面部分の樹脂を溶融させ、それによって、容易にインサートと熱可塑性エラストマー樹脂を分離することができる。このため、本実施形態のリサイクル方法は、エネルギー効率に優れている。
【0050】
また、上述の自動車オープニングトリム1は、金属製のインサート6を除いて、構成素材を全熱可塑性樹脂化(オールオレフィン化)している。このため、回収した樹脂材は、良好に再利用材として利用することが可能である。
【0051】
なお、本実施形態では、自動車オープニングトリム1として、自動車のドア枠23に取り付けられる構成のものを示したが、本発明はこの構成に限られることはない。すなわち、本発明は、一般に、自動車の、ドア枠23のような開口部(オープニング)の縁を覆って取り付けられる本体部と、開口部を開閉可能に覆うドア20のような部品と開口部の縁との間に挟まれる位置に中空部を形成するように本体部に連結された壁材によって構成されたシール部とを有する自動車オープニングトリムに適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、自動車ドアオープニングトリムを、その性能を良好に保ったまま、全熱可塑性樹脂化、さらには、オールオレフィン化することができる。これによって、ゴム系素材を用いた場合に特有の諸課題を解決することができる。特に、オールオレフィン化によって、自動車ドアオープニングトリムをリサイクル性に優れたものとすることができる。
【0053】
また、本発明によれば、部位ごとに要求される特性に合わせて複数種、特に5種の異なる物性の熱可塑性エラストマー樹脂を同時に押出し、一体化して自動車オープニングトリムを形成することができる。それによって、必要な特性を兼ね備えた自動車オープニングトリムを単一の押出し工程で作製することができ、生産性にも優れている。
【0054】
また、本発明のリサイクル方法は、金属製のインサートを加熱する工程を有することによって、インサートと熱可塑性エラストマー樹脂を効率良く分離することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の自動車オープニングトリムを模式的に示す断面図である。
【図2】図1の自動車オープニングトリムが装着されるドア枠を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態の、自動車オープニングトリムのリサイクル方法を示す、模式的な工程図である。
【図4】従来例の自動車オープニングトリムを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,51 自動車オープニングトリム
2,52 本体部
3,53 シール部
4,54 内装材係合片
5,55 弾性リップ
6 インサート
7 発泡体層
8 スキン層
9 着色層
20 ドア
21 ドアフランジ
22 内装材
23 ドア枠
30 伸ばし機
31 セラミックヒータ
32 高周波加熱炉
33 潰しロール
40 湾曲状回収材
41 平坦状回収材

Claims (10)

  1. 自動車の、開閉可能な部品によって覆われる開口部を縁取るように取り着けられるオープニングトリムであって、
    前記開口部の縁を覆って取り付けられる、熱可塑性エラストマー樹脂からなる本体部と、
    熱可塑性エラストマー樹脂からなる内側の発泡体と熱可塑性エラストマー樹脂からなる外側のスキン層とからなる、前記本体部に連結された壁材によって、前記開口部の縁と前記開閉可能な部品との間に挟まれる位置に中空部を形成するシール部とを有する自動車オープニングトリム。
  2. 前記シール部は、圧縮永久歪みが、70℃、96Hの条件下で50以下である、請求項1に記載の自動車オープニングトリム。
  3. 前記スキン層を構成する熱可塑性エラストマー樹脂は、JIS―K6301のスプリング式硬さ試験A型によって計測した硬さが30度以上80度未満である、請求項1または2に記載の自動車オープニングトリム。
  4. 前記本体部は、無着色の熱可塑性エラストマー樹脂層と、自動車オープニングトリムを自動車に装着した状態で外部に露出する表面部で前記無着色の熱可塑性エラストマー樹脂層に積層された、着色された熱可塑性エラストマー樹脂層とを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動車オープニングトリム。
  5. 前記無着色の熱可塑性エラストマー樹脂層は、製品から回収した再利用樹脂を含んでいる、請求項4に記載の自動車オープニングトリム。
  6. 前記本体部は、金属製のインサートを内包している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車オープニングトリム。
  7. 前記本体部は、熱可塑性エラストマー樹脂製のインサートを内包している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車オープニングトリム。
  8. 自動車の、ドアによって開閉可能に覆われるドア枠に取り付けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の自動車オ-プニングトリム。
  9. 金属製のインサートと、該インサートを覆って成形された熱可塑性エラストマー樹脂とを有する自動車オープニングトリムのリサイクル方法であって、
    前記インサートを加熱し、該インサートの周りの前記熱可塑性エラストマー樹脂を軟化・溶融させる工程と、
    前記インサートの周りの前記熱可塑性エラストマー樹脂が軟化・溶融された状態で前記自動車オープニングトリムを押し潰し、前記インサートと前記熱可塑性エラストマー樹脂を分離する工程とを有する、自動車ドアオープニングトリムのリサイクル方法。
  10. 前記インサートの加熱を高周波加熱によって行う、請求項9に記載の、自動車オープニングトリムのリサイクル方法。
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