JP2004203064A - 空調ユニット用リンクモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動側レバー32、第1および第2従動側レバー38、45の短尺化を図り、リンク機構28をコンパクトにケーシング25に収容してその取付性を向上させる空調ユニット用リンクモジュールを提供する。
【解決手段】リンク機構28における駆動側レバー32と第1従動側レバー38との連結をピン35、37により行い、駆動側レバー32と第2従動側レバー45との連結をカム溝41とピン42、44により行う。ドア作動用のカム溝29をケーシング25に複数に分けて配置し、駆動側レバー32を駆動側カム溝31に沿って変位させ、第1従動側レバー38を従動側カム溝30に沿って変位させて、従動側カム溝30および駆動側カム溝31の形成位置に比較的大きな自由度を得る。リンク機構28をコンパクトにケーシング25内に収容して空調ダクトに取付ける。
【選択図】 図5
【解決手段】リンク機構28における駆動側レバー32と第1従動側レバー38との連結をピン35、37により行い、駆動側レバー32と第2従動側レバー45との連結をカム溝41とピン42、44により行う。ドア作動用のカム溝29をケーシング25に複数に分けて配置し、駆動側レバー32を駆動側カム溝31に沿って変位させ、第1従動側レバー38を従動側カム溝30に沿って変位させて、従動側カム溝30および駆動側カム溝31の形成位置に比較的大きな自由度を得る。リンク機構28をコンパクトにケーシング25内に収容して空調ダクトに取付ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車などに搭載される空調ユニットに係り、複数のドアをドア切替モードに応じて駆動するリンク機構を空調ダクトに取付ける空調ユニット用リンクモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の空調ユニットでは、ヒータユニットとしてヒータケース内に各種のドアを設けており、これらのドアを単一の駆動側レバーにより多節形のリンク機構を介して回動し、車室内に供給する空調空気の吹出し位置を調節している(例えば特許文献1および特許文献2参照)。近年、空調ユニットへの搭載性の向上の観点からリンク機構の小型化が求められているが、リンク機構に複雑な動作が必要になるため許容されたスペース内でリンク機構を収容することが難しくなっている。
【0003】
例えば、図11および図12に示す空調ユニット用のリンク機構50では、支軸50aに回動可能に支持された円形プレート状の駆動側レバー51が設けられ、駆動側レバー51にドア切替モードに応じて各種のドアを作動させるために複数のカム溝52、53を略周方向に沿って形成している。そして、駆動側レバー51のカム溝52、53に沿って変位するピン54、55を有する中間レバー56、57を設け、従動側レバーとしてのドア用レバー58、59まで中間ロッド60、61により連結するのが一般的となっている。
【0004】
【特許文献1】
実公平1−26494号公報(第2頁、第3図)
【特許文献2】
実公平5−29926号公報(第2頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のリンク機構50では、駆動側レバー51に双方のカム溝52、53を設けているので、ドアの回動量を確保するにはカム溝52、53を略周方向に所定の長さに設定する必要があり、カム溝52、53同士の干渉を防ぐため駆動側レバー51の径寸法を大きくせざるを得ない事情がある。すなわち、カム溝52、53の形成位置に自由度がなく制約されているので、駆動側レバー51の径大化に起因して、駆動側レバー51の回動スペースが大きくなり、小スペース内でリンク機構50を収容するのが難しいという不都合がある。
【0006】
また、リンク機構50を空調ダクト62に取付ける時、駆動側レバー51をはじめ中間レバー56、57、中間ロッド60、61およびドア用レバー58、59の1リンク部品を空調ダクト62に逐一組付け、その後にブラケット63を介して駆動モータ(サーボモータ)64を組付ける。この際、各リンク部品の加工寸法精度や組付け位置のばらつきを考慮すると、各種のドアを設定どおり正確に回動動作させるために各リンク部品や駆動モータの位置関係を調整する必要があり、その調整に手間がかかり取付作業性が低下する不都合がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は小スペース内に収容可能なリンク機構を実現させ、リンク機構の組付け時にケーシングを空調ダクトに取付けることだけで済み、その取付作業性が大幅に向上して生産性の向上に寄与する空調ユニット用リンクモジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1について)
駆動側レバーと複数の従動側レバーとを連結する連結案内手段においては、駆動側レバーに設けたピンおよびカム溝を複数の従動側レバーに設けたカム溝およびピンにそれぞれ係合させる構成を含むようにしている。このため、リンク機構に複雑な動作を確保しながらも、駆動側レバーおよび従動側レバーの配置や形状に自由度が増し、駆動側レバーおよび従動側レバーを短尺化した上で近接させて集約的に構成することができ、限られた小スペース内に収容可能となる。リンク機構をコンパクトに収容したケーシングを空調ダクトに取付けると、複数の従動側レバーの支軸が複数のドアの位置にそれぞれ合致して連結する。ケーシング内に収容されたリンク機構では、駆動モータをはじめ駆動側レバー、従動側レバーなどの各リンク部品は予め設定どおり配置されているので、各リンク部品の加工精度やばらつきを調整して是正する必要がない。この結果、ケーシングを空調ダクトに取付けることだけで、複数のドアに対するリンク機構の組付けが行われ、その取付作業性が大幅に向上して生産性の向上に寄与することができる。
【0009】
(請求項2について)
駆動側レバーと複数の従動側レバーとを連結する連結案内手段においては、駆動側レバーの複数のピンを複数の従動側レバーのカム溝に係合させる構成を含むようにしたので、請求項1と同様に駆動側レバーおよび従動側レバーを短尺化した上で近接させて集約的に構成することが可能となり、リンク機構の組付け時にコンパクト化したリンク機構を収容したケーシングを空調ダクトに取付けるだけで済む。
【0010】
(請求項3について)
複数のドアのドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成するドア作動用のカム溝を別体のケーシングに形成し、しかもドア作動用のカム溝を、駆動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる駆動側カム溝と、従動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる従動側カム溝とに分けて配置している。このため、全てのカム溝を駆動側レバーに形成した従来と異なり、駆動側カム溝および従動側カム溝の形成位置に比較的大きな自由度が得られ、駆動側レバーおよび従動側レバーの短尺化および集約化が可能となり、リンク機構、ひいてはリンク機構を収容するケーシングのコンパクト化に寄与する。
【0011】
(請求項4について)
複数のドアのドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成するドア作動用のカム溝を別体のケーシングに形成し、しかもドア作動用のカム溝を複数の従動側レバーが開口周縁部に沿って変位する複数の従動側カム溝に分けて配置している。このため、従動側カム溝の形成位置に比較的大きな自由度が得られ、請求項3と同様にリンク機構およびケーシングのコンパクト化に寄与する。
【0012】
(請求項5について)
駆動側レバーは略くの字状に分岐して形成されており、一方の分岐端部が連結案内手段を介して複数の従動側レバーのうち一方に連結され、他方の分岐端部が連結案内手段を介して複数の従動側レバーのうち他方に連結されている。駆動側レバーを略くの字状に分岐させているので、別体の駆動側レバーを複数用いる必要がなくなって製造コストの低減化に資する。
【0013】
(請求項6について)
駆動側レバーは、連結案内手段および中間ロッドを介して従動側レバーに連結されているので、駆動側レバーと従動側レバーとの連結を比較的簡素な構造により実現することができる。
(請求項7について)
複数のドアを車両の後部座席に設けたリアフェイス吹出口のエアミックスドアおよびリアフェイス用ドアに適用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を車両用空調ユニットに適用した各実施例を図面に基づいて説明する。
図1ないし図9は本発明の第1実施例を示し、図1および図2は自動車の車室の前部(ダッシュボード)内に設置されるフロントフルオートエアコンの空調ユニット1である。空調ユニット1は、内部が空調風用通路として機能する空調ダクト2を有し、空調ダクト2内の空気上流側には、車載の冷凍サイクルの冷媒が循環するエバポレータ(図示せず)を設けている。空調ダクト2内の略中央部には、エンジンの冷却水が温水となって循環する加熱用熱交換器としてのヒータコア(図示せず)を備えている。空気取入口(図示せず)から空調ダクト2内に取り入れられた空気は、エバポレータを通過して冷やされた冷風が通過するとともに、ヒータコアを通過後に温風として生成される。空調ダクト2には、冷風を温風に混合させた空調風として車室内に吹き出させるフット吹出口4、デフ吹出口5、前部座席用のフェイス吹出口6および後部座席用のリアフェイス吹出口7がそれぞれ設けられている。
【0015】
ドア駆動部8は空調ダクト2の外側部に設けられており、ドア駆動モータ9により駆動側レバー10およびリンク11、12、13を介して温風側エアミックスドア14を回動調節するとともに、リンク15、16、17を介して冷風側エアミックスドア18を回動調節する。フェイス用ドア19は、支軸20を中心に回動調節されてフェイス吹出口6を開閉する。デフ用ドア3は、支軸3aを中心に回動調節されてデフ吹出口5を開閉する。フェイス用ドア19と温風側エアミックスドア14との間には、支軸23を中心に回動調節されてフット吹出口4を開閉するフット用ドア24が設けられている。空調ダクト2のリアフェイス吹出口7に対応する位置には、図3ないし図6に示すように上ケース25aと下ケース25bとから成るカセット状のケーシング25が後述するように取り付けられる。ケーシング25内には、リアフェイス吹出口7用のエアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27を駆動するリンク機構28を収容している。
【0016】
ケーシング25の上ケース25aには、エアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27のドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成し、連結案内手段を構成するドア作動用のカム溝29を設けている(図6および図7参照)。カム溝29は、互いの端部を近接状態に並べた三つ折り線状の従動側カム溝30と略横コの字状の駆動側カム溝31とに分けて配置されている。リンク機構28における駆動側レバー32は、略くの字状に分岐して形成されており、支軸33を介して駆動モータ34により回動される。駆動モータ34は、ねじTにより下ケース25bに一体的に組付けたもので、その組付けに伴って駆動モータ34の回転軸34aが駆動側レバー32の支軸33に嵌着する。
【0017】
駆動側レバー32の一方の分岐端部32aは、連結案内手段としてのピン37、円弧状の中間ロッド36およびピン35を介して第1従動側レバー38のY字穴状のカム溝39および従動側カム溝30に係合している。第1従動側レバー38は、支軸40の先端に形成した弾性爪部40aを上ケース25aの挿通孔25Aおよび図示しない取付孔から空調ダクト2内に延出してエアミックスドア26に後述するように連結させる。ピン35がカム溝39および従動側カム溝30に係合していることにより、ピン35が従動側カム溝30の開口周縁部に沿って変位する際に第1従動側レバー38がピン35に追従して回動する。
【0018】
駆動側レバー32の他方の分岐端部32bは、分岐端部32bに長穴状に形成したカム溝41を中間ロッド43のピン42、44のうち一方のピン42(連結案内手段)に係合させている。中間ロッド43は、他方のピン44(連結案内手段)を第2従動側レバー45に連結している。この状態で、中間ロッド43のピン42はカム溝41および駆動側カム溝31の各開口周縁部に係合している。第2従動側レバー45は、支軸46の先端に形成した弾性爪部46aを上ケース25aの挿通孔25Bおよび図示しない取付孔から空調ダクト2内に延出してリアフェイス用ドア27に後述するように連結させる。ピン42がカム溝41および駆動側カム溝31に係合していることにより、ピン42が駆動側カム溝31の開口周縁部に沿って変位する際に第2従動側レバー45がピン42に追従して回動する。
【0019】
このようにしてリンク機構28を収容したケーシング25は、図2に示すようにねじSにより空調ダクト2のリアフェイス吹出口7の付近に取付ける。この時、第1従動側レバー38の支軸40の弾性爪部40aがエアミックスドア26の駆動軸26aの位置に合致して連結される。これと同時に、第2従動側レバー45の支軸46の弾性爪部46aがリアフェイス用ドア27の駆動軸27aの位置に合致して連結され、リンク機構28がエアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27に組付けられる。
【0020】
ケーシング25を空調ダクト2に取付けた状態では、駆動側レバー32は、エアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27のドア切替モードに基づいて駆動モータ34により支軸33を中心にして駆動され、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45をそれぞれ支軸40、46を中心に回動させる。図6および図7の状態では、駆動側レバー32の回動角は0度であり、ピン42は駆動側カム溝31の始端縁部に位置し、第1従動側レバー38のピン37は従動側カム溝30の始端縁部に位置している。この時、エアミックスドア26は温風経路Hを封鎖し、冷風経路Kを全開にして冷風だけをリアフェイス吹出口7に導く最大冷房位置(Max Cool)にあり、リアフェイス用ドア27はリアフェイス吹出口7を閉鎖し、最大冷房位置の冷風が後部座席の乗員の顔に直接吹き出さない配慮を施している。
【0021】
最大冷房位置から駆動側レバー32を図7に矢印Aで示す方向に回動すると、中間ロッド43のピン42が駆動側カム溝31に沿って変位してカム溝41を介して第2従動側レバー45を矢印Bで示す方向に回動し、リアフェイス用ドア27を開いてリアフェイス吹出口7を開放し始める。この一方、駆動側レバー32によりピン35および中間ロッド36を介してピン37が従動側カム溝30およびカム溝39に沿って変位し、第1従動側レバー38を図7に矢印Cで示す方向に回動して温風経路Hを開いて暖風を冷風に混合し始める。
【0022】
駆動側レバー32を矢印A方向にさらに回動し、第2従動側レバー45を矢印B方向および第1従動側レバー38を矢印C方向に回動して図8に示す中間空調位置に変位させる。この状態の駆動側レバー32は、35〜85度の回動角範囲にあってリアフェイス用ドア27を開く。この場合、駆動側レバー32の回動に伴い、ピン42は駆動側カム溝31の中間直線領域では矢印M、N方向に変位するため、中間ロッド43は中間ロッド45に回動力を伝えることなく単独でピン44を中心にして回動変位することができる。このため、エアミックスドア26は、リアフェイス用ドア27を開放位置にしたままで暖風と冷風とを混合し、その混合割合に対応する温度の空調風をリアフェイス吹出口7から後部座席の乗員の顔に向けて吹き出す。
【0023】
駆動側レバー32を矢印A方向に123度の回動角まで回動すると、図9に示すようにカム溝41内のピン42は駆動側カム溝31に沿って終端縁部まで変位し、中間ロッド43およびピン44を介して第2従動側レバー45を図7の矢印B方向に回動する。このため、第2従動側レバー45が図7の位置に戻ってリアフェイス用ドア27によりリアフェイス吹出口7を閉鎖する。この一方、第1従動側レバー38は、ピン35および中間ロッド36を介してピン37をカム溝39および従動側カム溝30に沿って終端縁部まで変位させる。この結果、エアミックスドア26は冷風経路Kを封じ、温風経路Hを全開にして温風だけをリアフェイス吹出口7に導く最大暖房位置(Max Hot)まで回動する。最大暖房位置では、リアフェイス用ドア27によりリアフェイス吹出口7を閉鎖する配慮により最大暖房位置の温風が後部座席の乗員の顔に直接吹き出さない。
【0024】
(実施例上の効果)
このようにリアフェイス吹出口7をリアフェイス用ドア27により開閉させる際、駆動側レバー32は、駆動側カム溝31に沿って変位するとともに、第1従動側レバー38は従動側カム溝30に沿って変位する。この際、駆動側レバー32にカム溝41およびピン37を設け、第1従動側レバー38にカム溝39を形成して第2従動側レバー45にピン46を設けていることにより、駆動側レバー32を第1従動側レバー38および第2従動側レバー45に連結する時、駆動側レバー32、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45の配置や形状に自由度が増し、リンク機構28に複雑な動作を確保しながらも、駆動側レバー32、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45を短尺化した上で近接させて集約的に構成することができる。この結果、リンク機構28のコンパクト化を促して限られた小スペース内に収容可能なリンク機構28の実現化に寄与する。
【0025】
また、ドア作動用のカム溝29を別体のケーシング25に従動側カム溝30と駆動側カム溝31とに分けて配置したので、従動側カム溝30および駆動側カム溝31をリンク機構28の第1従動側レバー38および第2駆動側レバー45にそれぞれ対応させて自由な形状で所望の位置に設けることができる。これにより、従動側カム溝30および駆動側カム溝31の形成位置に制約を受けず比較的大きな自由度が得られ、この観点からも駆動側レバー32、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45の短尺化および集約化が可能となりリンク機構28のコンパクト化に資することができる。
【0026】
また、駆動モータ34を下ケース25bに一体的に組付けるとともに、コンパクト化したリンク機構28をケーシング25内に収容したので、ケーシング25の小型化を図ることができる。小型化したケーシング25を空調ダクト2に取付けると、第1従動側レバー38の支軸40がエアミックスドア26の位置に合致して連結され、第2従動側レバー45の支軸46がリアフェイス用ドア27の位置に合致して連結される。ケーシング25内に収容されたリンク機構28では、駆動モータ34をはじめ駆動側レバー32や第1および第2従動側レバー38、45などといった各リンク部品は予め設定どおり配置されているので、各リンク部品の加工寸法精度やばらつきを考慮して各リンク部品の位置関係を調整する必要がない。
【0027】
このため、ケーシング25を空調ダクト2に取付けることだけで、エアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27に対するリンク機構28の組付けが行われ、その取付作業性が大幅に向上して生産性の向上に寄与することができる。さらに、リンク機構28を収容したケーシング25は、モジュール化して空調ダクト2に単独で取付可能な構成部品となる。このため、車両の製造工程で、後部座席用のリアフェイス吹出口7が必要な車種から不要な車種へ変更する場合、あるいは後部座席用のリアフェイス吹出口7が不要な車種から必要な車種へ戻す場合、各リンク部品を逐一搬出したり搬入させる必要がなく、ケーシング25のみを取扱えばよくなり省力化が図れて製造効率が向上する。
【0028】
図10は本発明の第2実施例を示す。第2実施例が第1実施例と異なるところは、第1実施例の駆動側カム溝31の代わりに従動側カム溝48を第2従動側レバー45に対応させて形成したことである。このため、駆動側レバー32の他方の分岐端部32bはピン42により中間ロッド43に直結され、第2従動側レバー45にはピン44が係合するカム溝47を形成している。ピン44は、カム溝47及び従動側カム溝48に係合し、駆動側レバー32の回動に伴って従動側カム溝48に沿って変位する。これにより、第2従動側レバー45が中間ロッド43を介して第1実施例の図5ないし図7と同様に回動変位し、リアフェイス用ドア27を最大冷房位置(Max Cool)から中間空調位置を経て最大暖房位置(Max Hot)まで変位させる。
【0029】
第2実施例では、これら従動側カム溝30、48を第1従動側レバー38および第2従動側レバー45に対応させてケーシング25に比較的自由な形状で所望の位置に設けることができる。これにより、従動側カム溝30、48の形成位置に比較的大きな自由度を確保することができるので、第1実施例と同様な効果が得られる。なお、第2実施例では、第1実施例と同一部材には同一符号を付して異なる部分のみ説明した。
【0030】
(実施形態上の変形例)
上記実施例では、駆動側レバー32にピン37およびカム溝41を設け、第1従動側レバー38にピン37に対応するカム溝39を形成し、第2従動側レバー45にカム溝41に係合するピン42を有する中間ロッド43を連結したが、駆動側レバー32に複数のピンを設けて第1および第2従動側レバー38、45に複数のピンにそれぞれ対応するカム溝を設けてもよい。
駆動側レバー32を二分岐して分岐端部32a、32bを形成したが、駆動側レバー32を三分岐以上の複数に分岐して設けた複数の分岐端部に複数の従動側レバーをそれぞれ連結するようにしてもよい。
【0031】
また、従動側カム溝30および駆動側カム溝31を三つ折り線状および略コの字状にそれぞれ形成したが、これらのカムプロフィールはリアフェイス吹出口7のエアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27のドア切替モードの変更に応じて所望に形成することができる。本発明のリンク機構28は、リアフェイス吹出口7に対するドアばかりでなく、他の吹出口に対する各種のドアに適用してもよい。その他、本発明の具体的な実施にあたっては、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調ユニットの外側面の部分縦断面図である(第1実施例)。
【図2】空調ユニットの外側面図である。
【図3】リンク機構を収容したケーシングの拡大斜視図である。
【図4】図3とは別方向から見たケーシングの拡大斜視図である。
【図5】ケーシング、リンク機構および駆動モータの拡大分解斜視図である。
【図6】ケーシングの拡大正面図である。
【図7】最大冷房位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である。
【図8】中間空調位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である。
【図9】最大暖房位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である。
【図10】最大暖房位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である(第2実施例)。
【図11】駆動側レバーにカム溝を形成した従来のリンク機構を有する空調ユニットの外側面図である。
【図12】駆動側レバーに駆動モータを取付けた従来のリンク機構を有する空調ユニットの外側面図である。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ダクト
4 フット吹出口
5 デフ吹出口
6 フェイス吹出口
7 リアフェイス吹出口
25 ケーシング
26 エアミックスドア(ドア)
27 リアフェイス用ドア(ドア)
28 リンク機構
29 ドア作動用のカム溝(連結案内手段)
30、48 従動側カム溝(連結案内手段)
31 駆動側カム溝(連結案内手段)
32 駆動側レバー
34 駆動モータ
35、37、42、44 ピン(連結案内手段)
36、43 中間ロッド
38 第1従動側レバー(従動側レバー)
39、41、47 カム溝(連結案内手段)
40、46 支軸
45 第2従動側レバー(従動側レバー)
25a 上ケース
25b 下ケース
32a、32b 分岐端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車などに搭載される空調ユニットに係り、複数のドアをドア切替モードに応じて駆動するリンク機構を空調ダクトに取付ける空調ユニット用リンクモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の空調ユニットでは、ヒータユニットとしてヒータケース内に各種のドアを設けており、これらのドアを単一の駆動側レバーにより多節形のリンク機構を介して回動し、車室内に供給する空調空気の吹出し位置を調節している(例えば特許文献1および特許文献2参照)。近年、空調ユニットへの搭載性の向上の観点からリンク機構の小型化が求められているが、リンク機構に複雑な動作が必要になるため許容されたスペース内でリンク機構を収容することが難しくなっている。
【0003】
例えば、図11および図12に示す空調ユニット用のリンク機構50では、支軸50aに回動可能に支持された円形プレート状の駆動側レバー51が設けられ、駆動側レバー51にドア切替モードに応じて各種のドアを作動させるために複数のカム溝52、53を略周方向に沿って形成している。そして、駆動側レバー51のカム溝52、53に沿って変位するピン54、55を有する中間レバー56、57を設け、従動側レバーとしてのドア用レバー58、59まで中間ロッド60、61により連結するのが一般的となっている。
【0004】
【特許文献1】
実公平1−26494号公報(第2頁、第3図)
【特許文献2】
実公平5−29926号公報(第2頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のリンク機構50では、駆動側レバー51に双方のカム溝52、53を設けているので、ドアの回動量を確保するにはカム溝52、53を略周方向に所定の長さに設定する必要があり、カム溝52、53同士の干渉を防ぐため駆動側レバー51の径寸法を大きくせざるを得ない事情がある。すなわち、カム溝52、53の形成位置に自由度がなく制約されているので、駆動側レバー51の径大化に起因して、駆動側レバー51の回動スペースが大きくなり、小スペース内でリンク機構50を収容するのが難しいという不都合がある。
【0006】
また、リンク機構50を空調ダクト62に取付ける時、駆動側レバー51をはじめ中間レバー56、57、中間ロッド60、61およびドア用レバー58、59の1リンク部品を空調ダクト62に逐一組付け、その後にブラケット63を介して駆動モータ(サーボモータ)64を組付ける。この際、各リンク部品の加工寸法精度や組付け位置のばらつきを考慮すると、各種のドアを設定どおり正確に回動動作させるために各リンク部品や駆動モータの位置関係を調整する必要があり、その調整に手間がかかり取付作業性が低下する不都合がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は小スペース内に収容可能なリンク機構を実現させ、リンク機構の組付け時にケーシングを空調ダクトに取付けることだけで済み、その取付作業性が大幅に向上して生産性の向上に寄与する空調ユニット用リンクモジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1について)
駆動側レバーと複数の従動側レバーとを連結する連結案内手段においては、駆動側レバーに設けたピンおよびカム溝を複数の従動側レバーに設けたカム溝およびピンにそれぞれ係合させる構成を含むようにしている。このため、リンク機構に複雑な動作を確保しながらも、駆動側レバーおよび従動側レバーの配置や形状に自由度が増し、駆動側レバーおよび従動側レバーを短尺化した上で近接させて集約的に構成することができ、限られた小スペース内に収容可能となる。リンク機構をコンパクトに収容したケーシングを空調ダクトに取付けると、複数の従動側レバーの支軸が複数のドアの位置にそれぞれ合致して連結する。ケーシング内に収容されたリンク機構では、駆動モータをはじめ駆動側レバー、従動側レバーなどの各リンク部品は予め設定どおり配置されているので、各リンク部品の加工精度やばらつきを調整して是正する必要がない。この結果、ケーシングを空調ダクトに取付けることだけで、複数のドアに対するリンク機構の組付けが行われ、その取付作業性が大幅に向上して生産性の向上に寄与することができる。
【0009】
(請求項2について)
駆動側レバーと複数の従動側レバーとを連結する連結案内手段においては、駆動側レバーの複数のピンを複数の従動側レバーのカム溝に係合させる構成を含むようにしたので、請求項1と同様に駆動側レバーおよび従動側レバーを短尺化した上で近接させて集約的に構成することが可能となり、リンク機構の組付け時にコンパクト化したリンク機構を収容したケーシングを空調ダクトに取付けるだけで済む。
【0010】
(請求項3について)
複数のドアのドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成するドア作動用のカム溝を別体のケーシングに形成し、しかもドア作動用のカム溝を、駆動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる駆動側カム溝と、従動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる従動側カム溝とに分けて配置している。このため、全てのカム溝を駆動側レバーに形成した従来と異なり、駆動側カム溝および従動側カム溝の形成位置に比較的大きな自由度が得られ、駆動側レバーおよび従動側レバーの短尺化および集約化が可能となり、リンク機構、ひいてはリンク機構を収容するケーシングのコンパクト化に寄与する。
【0011】
(請求項4について)
複数のドアのドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成するドア作動用のカム溝を別体のケーシングに形成し、しかもドア作動用のカム溝を複数の従動側レバーが開口周縁部に沿って変位する複数の従動側カム溝に分けて配置している。このため、従動側カム溝の形成位置に比較的大きな自由度が得られ、請求項3と同様にリンク機構およびケーシングのコンパクト化に寄与する。
【0012】
(請求項5について)
駆動側レバーは略くの字状に分岐して形成されており、一方の分岐端部が連結案内手段を介して複数の従動側レバーのうち一方に連結され、他方の分岐端部が連結案内手段を介して複数の従動側レバーのうち他方に連結されている。駆動側レバーを略くの字状に分岐させているので、別体の駆動側レバーを複数用いる必要がなくなって製造コストの低減化に資する。
【0013】
(請求項6について)
駆動側レバーは、連結案内手段および中間ロッドを介して従動側レバーに連結されているので、駆動側レバーと従動側レバーとの連結を比較的簡素な構造により実現することができる。
(請求項7について)
複数のドアを車両の後部座席に設けたリアフェイス吹出口のエアミックスドアおよびリアフェイス用ドアに適用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明を車両用空調ユニットに適用した各実施例を図面に基づいて説明する。
図1ないし図9は本発明の第1実施例を示し、図1および図2は自動車の車室の前部(ダッシュボード)内に設置されるフロントフルオートエアコンの空調ユニット1である。空調ユニット1は、内部が空調風用通路として機能する空調ダクト2を有し、空調ダクト2内の空気上流側には、車載の冷凍サイクルの冷媒が循環するエバポレータ(図示せず)を設けている。空調ダクト2内の略中央部には、エンジンの冷却水が温水となって循環する加熱用熱交換器としてのヒータコア(図示せず)を備えている。空気取入口(図示せず)から空調ダクト2内に取り入れられた空気は、エバポレータを通過して冷やされた冷風が通過するとともに、ヒータコアを通過後に温風として生成される。空調ダクト2には、冷風を温風に混合させた空調風として車室内に吹き出させるフット吹出口4、デフ吹出口5、前部座席用のフェイス吹出口6および後部座席用のリアフェイス吹出口7がそれぞれ設けられている。
【0015】
ドア駆動部8は空調ダクト2の外側部に設けられており、ドア駆動モータ9により駆動側レバー10およびリンク11、12、13を介して温風側エアミックスドア14を回動調節するとともに、リンク15、16、17を介して冷風側エアミックスドア18を回動調節する。フェイス用ドア19は、支軸20を中心に回動調節されてフェイス吹出口6を開閉する。デフ用ドア3は、支軸3aを中心に回動調節されてデフ吹出口5を開閉する。フェイス用ドア19と温風側エアミックスドア14との間には、支軸23を中心に回動調節されてフット吹出口4を開閉するフット用ドア24が設けられている。空調ダクト2のリアフェイス吹出口7に対応する位置には、図3ないし図6に示すように上ケース25aと下ケース25bとから成るカセット状のケーシング25が後述するように取り付けられる。ケーシング25内には、リアフェイス吹出口7用のエアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27を駆動するリンク機構28を収容している。
【0016】
ケーシング25の上ケース25aには、エアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27のドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成し、連結案内手段を構成するドア作動用のカム溝29を設けている(図6および図7参照)。カム溝29は、互いの端部を近接状態に並べた三つ折り線状の従動側カム溝30と略横コの字状の駆動側カム溝31とに分けて配置されている。リンク機構28における駆動側レバー32は、略くの字状に分岐して形成されており、支軸33を介して駆動モータ34により回動される。駆動モータ34は、ねじTにより下ケース25bに一体的に組付けたもので、その組付けに伴って駆動モータ34の回転軸34aが駆動側レバー32の支軸33に嵌着する。
【0017】
駆動側レバー32の一方の分岐端部32aは、連結案内手段としてのピン37、円弧状の中間ロッド36およびピン35を介して第1従動側レバー38のY字穴状のカム溝39および従動側カム溝30に係合している。第1従動側レバー38は、支軸40の先端に形成した弾性爪部40aを上ケース25aの挿通孔25Aおよび図示しない取付孔から空調ダクト2内に延出してエアミックスドア26に後述するように連結させる。ピン35がカム溝39および従動側カム溝30に係合していることにより、ピン35が従動側カム溝30の開口周縁部に沿って変位する際に第1従動側レバー38がピン35に追従して回動する。
【0018】
駆動側レバー32の他方の分岐端部32bは、分岐端部32bに長穴状に形成したカム溝41を中間ロッド43のピン42、44のうち一方のピン42(連結案内手段)に係合させている。中間ロッド43は、他方のピン44(連結案内手段)を第2従動側レバー45に連結している。この状態で、中間ロッド43のピン42はカム溝41および駆動側カム溝31の各開口周縁部に係合している。第2従動側レバー45は、支軸46の先端に形成した弾性爪部46aを上ケース25aの挿通孔25Bおよび図示しない取付孔から空調ダクト2内に延出してリアフェイス用ドア27に後述するように連結させる。ピン42がカム溝41および駆動側カム溝31に係合していることにより、ピン42が駆動側カム溝31の開口周縁部に沿って変位する際に第2従動側レバー45がピン42に追従して回動する。
【0019】
このようにしてリンク機構28を収容したケーシング25は、図2に示すようにねじSにより空調ダクト2のリアフェイス吹出口7の付近に取付ける。この時、第1従動側レバー38の支軸40の弾性爪部40aがエアミックスドア26の駆動軸26aの位置に合致して連結される。これと同時に、第2従動側レバー45の支軸46の弾性爪部46aがリアフェイス用ドア27の駆動軸27aの位置に合致して連結され、リンク機構28がエアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27に組付けられる。
【0020】
ケーシング25を空調ダクト2に取付けた状態では、駆動側レバー32は、エアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27のドア切替モードに基づいて駆動モータ34により支軸33を中心にして駆動され、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45をそれぞれ支軸40、46を中心に回動させる。図6および図7の状態では、駆動側レバー32の回動角は0度であり、ピン42は駆動側カム溝31の始端縁部に位置し、第1従動側レバー38のピン37は従動側カム溝30の始端縁部に位置している。この時、エアミックスドア26は温風経路Hを封鎖し、冷風経路Kを全開にして冷風だけをリアフェイス吹出口7に導く最大冷房位置(Max Cool)にあり、リアフェイス用ドア27はリアフェイス吹出口7を閉鎖し、最大冷房位置の冷風が後部座席の乗員の顔に直接吹き出さない配慮を施している。
【0021】
最大冷房位置から駆動側レバー32を図7に矢印Aで示す方向に回動すると、中間ロッド43のピン42が駆動側カム溝31に沿って変位してカム溝41を介して第2従動側レバー45を矢印Bで示す方向に回動し、リアフェイス用ドア27を開いてリアフェイス吹出口7を開放し始める。この一方、駆動側レバー32によりピン35および中間ロッド36を介してピン37が従動側カム溝30およびカム溝39に沿って変位し、第1従動側レバー38を図7に矢印Cで示す方向に回動して温風経路Hを開いて暖風を冷風に混合し始める。
【0022】
駆動側レバー32を矢印A方向にさらに回動し、第2従動側レバー45を矢印B方向および第1従動側レバー38を矢印C方向に回動して図8に示す中間空調位置に変位させる。この状態の駆動側レバー32は、35〜85度の回動角範囲にあってリアフェイス用ドア27を開く。この場合、駆動側レバー32の回動に伴い、ピン42は駆動側カム溝31の中間直線領域では矢印M、N方向に変位するため、中間ロッド43は中間ロッド45に回動力を伝えることなく単独でピン44を中心にして回動変位することができる。このため、エアミックスドア26は、リアフェイス用ドア27を開放位置にしたままで暖風と冷風とを混合し、その混合割合に対応する温度の空調風をリアフェイス吹出口7から後部座席の乗員の顔に向けて吹き出す。
【0023】
駆動側レバー32を矢印A方向に123度の回動角まで回動すると、図9に示すようにカム溝41内のピン42は駆動側カム溝31に沿って終端縁部まで変位し、中間ロッド43およびピン44を介して第2従動側レバー45を図7の矢印B方向に回動する。このため、第2従動側レバー45が図7の位置に戻ってリアフェイス用ドア27によりリアフェイス吹出口7を閉鎖する。この一方、第1従動側レバー38は、ピン35および中間ロッド36を介してピン37をカム溝39および従動側カム溝30に沿って終端縁部まで変位させる。この結果、エアミックスドア26は冷風経路Kを封じ、温風経路Hを全開にして温風だけをリアフェイス吹出口7に導く最大暖房位置(Max Hot)まで回動する。最大暖房位置では、リアフェイス用ドア27によりリアフェイス吹出口7を閉鎖する配慮により最大暖房位置の温風が後部座席の乗員の顔に直接吹き出さない。
【0024】
(実施例上の効果)
このようにリアフェイス吹出口7をリアフェイス用ドア27により開閉させる際、駆動側レバー32は、駆動側カム溝31に沿って変位するとともに、第1従動側レバー38は従動側カム溝30に沿って変位する。この際、駆動側レバー32にカム溝41およびピン37を設け、第1従動側レバー38にカム溝39を形成して第2従動側レバー45にピン46を設けていることにより、駆動側レバー32を第1従動側レバー38および第2従動側レバー45に連結する時、駆動側レバー32、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45の配置や形状に自由度が増し、リンク機構28に複雑な動作を確保しながらも、駆動側レバー32、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45を短尺化した上で近接させて集約的に構成することができる。この結果、リンク機構28のコンパクト化を促して限られた小スペース内に収容可能なリンク機構28の実現化に寄与する。
【0025】
また、ドア作動用のカム溝29を別体のケーシング25に従動側カム溝30と駆動側カム溝31とに分けて配置したので、従動側カム溝30および駆動側カム溝31をリンク機構28の第1従動側レバー38および第2駆動側レバー45にそれぞれ対応させて自由な形状で所望の位置に設けることができる。これにより、従動側カム溝30および駆動側カム溝31の形成位置に制約を受けず比較的大きな自由度が得られ、この観点からも駆動側レバー32、第1従動側レバー38および第2従動側レバー45の短尺化および集約化が可能となりリンク機構28のコンパクト化に資することができる。
【0026】
また、駆動モータ34を下ケース25bに一体的に組付けるとともに、コンパクト化したリンク機構28をケーシング25内に収容したので、ケーシング25の小型化を図ることができる。小型化したケーシング25を空調ダクト2に取付けると、第1従動側レバー38の支軸40がエアミックスドア26の位置に合致して連結され、第2従動側レバー45の支軸46がリアフェイス用ドア27の位置に合致して連結される。ケーシング25内に収容されたリンク機構28では、駆動モータ34をはじめ駆動側レバー32や第1および第2従動側レバー38、45などといった各リンク部品は予め設定どおり配置されているので、各リンク部品の加工寸法精度やばらつきを考慮して各リンク部品の位置関係を調整する必要がない。
【0027】
このため、ケーシング25を空調ダクト2に取付けることだけで、エアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27に対するリンク機構28の組付けが行われ、その取付作業性が大幅に向上して生産性の向上に寄与することができる。さらに、リンク機構28を収容したケーシング25は、モジュール化して空調ダクト2に単独で取付可能な構成部品となる。このため、車両の製造工程で、後部座席用のリアフェイス吹出口7が必要な車種から不要な車種へ変更する場合、あるいは後部座席用のリアフェイス吹出口7が不要な車種から必要な車種へ戻す場合、各リンク部品を逐一搬出したり搬入させる必要がなく、ケーシング25のみを取扱えばよくなり省力化が図れて製造効率が向上する。
【0028】
図10は本発明の第2実施例を示す。第2実施例が第1実施例と異なるところは、第1実施例の駆動側カム溝31の代わりに従動側カム溝48を第2従動側レバー45に対応させて形成したことである。このため、駆動側レバー32の他方の分岐端部32bはピン42により中間ロッド43に直結され、第2従動側レバー45にはピン44が係合するカム溝47を形成している。ピン44は、カム溝47及び従動側カム溝48に係合し、駆動側レバー32の回動に伴って従動側カム溝48に沿って変位する。これにより、第2従動側レバー45が中間ロッド43を介して第1実施例の図5ないし図7と同様に回動変位し、リアフェイス用ドア27を最大冷房位置(Max Cool)から中間空調位置を経て最大暖房位置(Max Hot)まで変位させる。
【0029】
第2実施例では、これら従動側カム溝30、48を第1従動側レバー38および第2従動側レバー45に対応させてケーシング25に比較的自由な形状で所望の位置に設けることができる。これにより、従動側カム溝30、48の形成位置に比較的大きな自由度を確保することができるので、第1実施例と同様な効果が得られる。なお、第2実施例では、第1実施例と同一部材には同一符号を付して異なる部分のみ説明した。
【0030】
(実施形態上の変形例)
上記実施例では、駆動側レバー32にピン37およびカム溝41を設け、第1従動側レバー38にピン37に対応するカム溝39を形成し、第2従動側レバー45にカム溝41に係合するピン42を有する中間ロッド43を連結したが、駆動側レバー32に複数のピンを設けて第1および第2従動側レバー38、45に複数のピンにそれぞれ対応するカム溝を設けてもよい。
駆動側レバー32を二分岐して分岐端部32a、32bを形成したが、駆動側レバー32を三分岐以上の複数に分岐して設けた複数の分岐端部に複数の従動側レバーをそれぞれ連結するようにしてもよい。
【0031】
また、従動側カム溝30および駆動側カム溝31を三つ折り線状および略コの字状にそれぞれ形成したが、これらのカムプロフィールはリアフェイス吹出口7のエアミックスドア26およびリアフェイス用ドア27のドア切替モードの変更に応じて所望に形成することができる。本発明のリンク機構28は、リアフェイス吹出口7に対するドアばかりでなく、他の吹出口に対する各種のドアに適用してもよい。その他、本発明の具体的な実施にあたっては、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空調ユニットの外側面の部分縦断面図である(第1実施例)。
【図2】空調ユニットの外側面図である。
【図3】リンク機構を収容したケーシングの拡大斜視図である。
【図4】図3とは別方向から見たケーシングの拡大斜視図である。
【図5】ケーシング、リンク機構および駆動モータの拡大分解斜視図である。
【図6】ケーシングの拡大正面図である。
【図7】最大冷房位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である。
【図8】中間空調位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である。
【図9】最大暖房位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である。
【図10】最大暖房位置における駆動側レバー、第1従動側レバーおよび第2従動側レバーの位置関係を示す説明図である(第2実施例)。
【図11】駆動側レバーにカム溝を形成した従来のリンク機構を有する空調ユニットの外側面図である。
【図12】駆動側レバーに駆動モータを取付けた従来のリンク機構を有する空調ユニットの外側面図である。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ダクト
4 フット吹出口
5 デフ吹出口
6 フェイス吹出口
7 リアフェイス吹出口
25 ケーシング
26 エアミックスドア(ドア)
27 リアフェイス用ドア(ドア)
28 リンク機構
29 ドア作動用のカム溝(連結案内手段)
30、48 従動側カム溝(連結案内手段)
31 駆動側カム溝(連結案内手段)
32 駆動側レバー
34 駆動モータ
35、37、42、44 ピン(連結案内手段)
36、43 中間ロッド
38 第1従動側レバー(従動側レバー)
39、41、47 カム溝(連結案内手段)
40、46 支軸
45 第2従動側レバー(従動側レバー)
25a 上ケース
25b 下ケース
32a、32b 分岐端部
Claims (7)
- 駆動モータにより駆動される駆動側レバーと、この駆動側レバーに連結案内手段を経て連結され、空調ダクト内に配置された複数のドアを個別に駆動するように支軸に支持された複数の従動側レバーとを有するリンク機構と、前記駆動モータを取り付け内部に前記リンク機構を収容して前記空調ダクトに取り付けるケーシングとを備え、
前記連結案内手段は、前記駆動側レバーに設けたピンおよびカム溝を前記複数の従動側レバーに設けたカム溝およびピンにそれぞれ係合させる構成を含み、
前記空調ダクトに対する前記ケーシングの取付時に前記複数の従動側レバーの支軸が前記複数のドアの位置にそれぞれ合致して連結することを特徴とする空調ユニット用リンクモジュール。 - 駆動モータにより駆動される駆動側レバーと、この駆動側レバーに連結案内手段を経て連結され、空調ダクト内に配置された複数のドアを個別に駆動するように支軸に支持された複数の従動側レバーとを有するリンク機構と、前記駆動モータを取り付け内部に前記リンク機構を収容して前記空調ダクトに取り付けるケーシングとを備え、
前記連結案内手段は、駆動側レバーに設けた複数のピンを前記複数の従動側レバーに設けたカム溝にそれぞれ係合させる構成を含み、
前記ケーシングを前記空調ダクトに取付ける際、前記複数の従動側レバーの支軸が前記複数のドアにそれぞれ合致して連結することを特徴とする空調ユニット用リンクモジュール。 - 前記連結案内手段は、前記ケーシングに前記複数のドアのドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成するドア作動用のカム溝を有し、
このドア作動用のカム溝を前記駆動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる駆動側カム溝と、前記従動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる従動側カム溝とに分けて配置したことを特徴とする請求項1に記載の空調ユニット用リンクモジュール。 - 前記連結案内手段は、前記ケーシングに前記複数のドアのドア切替モードに応じたカムプロフィールに基づいて形成するドア作動用のカム溝を有し、
このドア作動用のカム溝を前記複数の従動側レバーを開口周縁部に沿って変位させる複数の従動側カム溝に分けて配置したことを特徴とする請求項2に記載の空調ユニット用リンクモジュール。 - 前記駆動側レバーは略くの字状に分岐して形成されており、一方の分岐端部が前記連結案内手段を介して前記複数の従動側レバーのうち一方に連結され、他方の分岐端部が前記連結案内手段を介して前記複数の従動側レバーのうち他方に連結されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の空調ユニット用リンクモジュール。
- 前記駆動側レバーは、前記連結案内手段および中間ロッドを介して前記従動側レバーに連結されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の空調ユニット用リンクモジュール。
- 前記複数のドアは、車両の後部座席に設けられたリアフェイス吹出口のエアミックスドアおよびリアフェイス用ドアを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の空調ユニット用リンクモジュール。
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