JP2004202925A - インクジェット記録媒体の光沢層用塗工液及びインクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】それを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性、インク吸収性及び耐水性に優れ、またひび割れが少なく、しかもインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なわず、したがって鮮明で、深み及び冴え等のある印字ができるインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液及びそのようなインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】インクジェット記録媒体の光沢層用塗工液として、平均粒子径が20〜200nmである特定の架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有して成るものを用いた。
【選択図】 図1
【解決手段】インクジェット記録媒体の光沢層用塗工液として、平均粒子径が20〜200nmである特定の架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有して成るものを用いた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録媒体の光沢層用塗工液(以下、単に光沢層用塗工液という)及びインクジェット記録媒体に関する。支持体上にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に光沢層が形成されたインクジェット記録媒体が使用されている。かかるインクジェット記録媒体には、その高付加価値化及び差別化が図られる近年において、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない印刷性能が要求されている。本発明は、かかる要求に応える光沢層用塗工液及びインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記のようなインクジェット記録媒体における光沢層用塗工液として、平均粒子径300nm以下のコロイド粒子、例えば無定形シリカやアルミナのようなコロイド粒子を含有するもの(例えば特許文献1参照)、平均粒子径1000〜10000nmの球状シリカ微粒子とアルコール可溶性ポリマーとを含有するもの(例えば特許文献2参照)、合成シリカ及びコロイダルシリカを主成分とする顔料と水性接着剤とカチオン性高分子電解質とを含有するもの(例えば特許文献3参照)、一次粒子の平均粒子径が3〜40nmであり且つ2次粒子の平均粒子径が10〜400nmであるシリカ微粒子を含有するもの(例えば特許文献4参照)等が知られている。ところが、かかる従来の光沢層用塗工液には、それらを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性及びインク吸収性において相応の効果が認められるものの、耐水性に劣り、またひび割れが多く、更にインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なうという問題がある。従来の光沢層用塗工液では、それらを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の鮮明さ、深み、冴え等が不充分なのである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−101142号公報
【特許文献2】
特開平11−34486号公報
【特許文献3】
特開平2−274587号公報
【特許文献4】
特開平7−257015号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、それを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性、インク吸収性及び耐久性に優れ、またひび割れが少なく、しかもインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なわず、したがって鮮明で、深み及び冴え等のある印字ができる光沢層用塗工液及びそのようなインクジェット記録媒体を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者は、上記の課題を解決するべく研究した結果、光沢層用塗工液として、特定の架橋シリコーン微粒子と水性媒体とを所定の割合で含有するものを用いるのが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記の架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有して成ることを特徴とする光沢層用塗工液に係る。
【0007】
架橋シリコーン微粒子:下記のA群のシロキサン単位、下記のB群のシロキサン単位及び下記のC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又は下記のB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子であって、平均粒子径20〜200nmの架橋シリコーン微粒子
A群のシロキサン単位:下記の式1で示されるシロキサン単位及び下記の式2で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式1で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
B群のシロキサン単位:下記の式3で示されるシロキサン単位及び下記の式4で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式3で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
C群のシロキサン単位:下記の式5で示されるシロキサン単位及び下記の式6で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式5で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
【0008】
【式1】
SiO4/2
【0009】
【式2】
(HO)mSiOn/2
【0010】
【式3】
R1SiO3/2
【0011】
【式4】
(HO)pR1SiOq/2
【0012】
【式5】
R2R3SiO2/2
【0013】
【式6】
(HO)R2R3SiO1/2
【0014】
式2〜式6において、
R1,R2,R3:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基
m,n:1〜3の整数であって、m+n=4を満足するもの
p,q:1又は2であって、p+q=3を満足するもの
【0015】
また本発明は、支持体上にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に光沢層が形成されたインクジェット記録媒体において、光沢層が請求項1〜6のいずれか一つの項記載の光沢層用塗工液を架橋シリコーン微粒子として1〜30g/m2の割合で塗工して成るものであることを特徴とするインクジェット記録媒体に係る。
【0016】
先ず、本発明の光沢層用塗工液について説明する。本発明の光沢層用塗工液は、特定の架橋シリコーン微粒子と水性媒体とを含有して成るものである。かかる架橋シリコーン微粒子は、平均粒子径が20〜200nmのものであるが、好ましくは平均粒子径が30〜100nmのものである。尚、本発明において、平均粒子径は、架橋シリコーン微粒子をp−ノニルフェニル=ポリオキシエチレン=エーテル(オキシエチレン単位の繰り返し数10)の10重量%水性液に分散し、その分散液を動的レーザー散乱粒度分布測定装置に供したときに測定される値から算出して得た重量累積分布の50%点(メジアン径)である。
【0017】
本発明の光沢層用塗工液に供する架橋シリコーン微粒子は、A群のシロキサン単位、B群のシロキサン単位及びC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又はB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子であり、シロキサン単位が三次元の網目構造を形成したポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子である。したがって、かかる架橋シリコーン微粒子には、1)A群のシロキサン単位とB群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、2)A群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、3)A群のシロキサン単位とB群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、4)B群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、5)B群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子が包含される。
【0018】
A群のシロキサン単位は、式1で示されるシロキサン単位及び式2で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ式1で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位である。式2で示されるシロキサン単位としては、式2中のmが1の場合の式2で示されるモノヒドロキシシロキサン単位、式2中のmが2の場合の式2で示されるジヒドロキシシロキサン単位、式2中のmが3の場合の式2で示されるトリヒドロキシシロキサン単位が挙げられる。
【0019】
B群のシロキサン単位は、式3で示されるシロキサン単位及び式4で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ式3で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位である。式3又は式4で示されるシロキサン単位において、式3及び式4中のR1は、いずれもケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基である。かかる有機基は、反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合と、反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合とがある。
【0020】
式3及び式4中のR1において、それが反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられるが、これらのうちではメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。式3中のR1が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式3で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、メチルシロキサン単位、エチルシロキサン単位、プロピルシロキサン単位、ブチルシロキサン単位、フェニルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもメチルシロキサン単位がより好ましい。また同様に式4中のR1が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式4で示されるシロキサン単位としては、前記した式3で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個又は2個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0021】
式3及び式4中のR1において、それが反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合の有機基としては、エポキシ基を有するアルキル基、(メタ)アクリロキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基、シアノ基、第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基等が挙げられるが、なかでもトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリド基等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基が好ましい。式3中のR1が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式3で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、トリメチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基を有するシロキサン単位が挙げられる。また同様に式4中のR1が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式4で示されるシロキサン単位としては、前記した式3で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個又は2個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0022】
C群のシロキサン単位は、式5で示されるシロキサン単位及び式6で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ式5で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位である。式5又は式6で示されるシロキサン単位において、式5及び式6中のR2及びR3は、いずれもケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基である。かかる有機基は、反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合と、反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合とがある。
【0023】
式5及び式6中のR2及びR3において、それが反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられるが、これらのうちではメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。式5中のR2及びR3が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式5で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、ジエチルシロキサン単位、ジプロピルシロキサン単位、ジブチルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもジメチルシロキサン単位がより好ましい。また同様に式6中のR2及びR3が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式6で示されるシロキサン単位としては、前記した式5で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0024】
式5及び式6中のR2及びR3において、それが反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合の有機基としては、エポキシ基を有するアルキル基、(メタ)アクリロキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基、シアノ基、第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基等が挙げられるが、なかでもトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリド基等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基が好ましい。式5中のR2及びR3が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式5で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、トリメチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基を有するシロキサン単位が挙げられる。また同様に式6中のR2及びR3が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式6で示されるシロキサン単位としては、前記した式5で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0025】
本発明の光沢層用塗工液に供する架橋シリコーン微粒子は、以上説明したようなA群のシロキサン単位、B群のシロキサン単位及びC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又はB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子である。かかる架橋シリコーン微粒子のなかでも、本発明の光沢層用塗工液に供する架橋シリコーン微粒子としては、全構成単位中に、式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位を合計で70モル%以上有するものが好ましく、80モル%以上有するものがより好ましい。とりわけ、かかる架橋シリコーン微粒子であって、それがB群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成されており、且つ全構成単位中に、B群のシロキサン単位を55〜90モル%、またC群のシロキサン単位を10〜45モル%(合計100モル%)有するものが好ましく、平均粒子径30〜100nmであるものがより好ましい。
【0026】
以上説明したような架橋シリコーン微粒子それ自体は公知の方法で合成できるが、なかでもゾル−ゲル法により合成したものが好ましい。これには例えば、特開2000−191788号公報に記載されているゾル−ゲル法が挙げられる。より具体的に説明すると、触媒のアルカリを溶解した水溶液に、シロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物を加え、15〜20℃に維持して加水分解反応を行なってシラノール化合物を生成させる。引き続き反応系の温度を同温度範囲に維持して縮合反応を行ない、架橋シリコーン微粒子を生成させ、これを含有する水性懸濁液を得る。この水性懸濁液から固形分を分離して架橋シリコーン微粒子を得る。本発明の光沢層用塗工液には、かかる水性懸濁液をそのまま用いることもできるし、該水性懸濁液から固形分として分離した架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散して用いることもできる。
【0027】
本発明の光沢層用塗工液に供する水性媒体としては、1)水、2)メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、3)メチルセロセルブ、ブチルセロソルブ等の水溶性エーテル、4)アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトンが挙げられるが、なかでも水又は水と低級アルコールとの混合水性媒体が好ましい。
【0028】
前記したように、水性懸濁液から固形分として分離した架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散させる場合、それ自体は公知の各種のミキサー粒やミル類等を使用できる。かくして調製される本発明の光沢層用塗工液は、架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有するものとするが、架橋シリコーン微粒子を15〜25重量%及び水性媒体を75〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で95重量%以上含有するものとするのが好ましい。架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散させるとき、必要に応じて適宜、界面活性剤を使用することもできるが、その使用量は可及的に少量とするのが好ましい。
【0029】
本発明の光沢層用塗工液には、更に接着剤を含有させることができる。かかる接着剤それ自体としては、同じ技術分野における公知のものを使用できる。これには例えば、1)酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、2)カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、3)カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白又はその誘導体、4)ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂等のビニル系重合体、5)スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、6)アクリル酸エステル(共)重合体、メタクリル酸エステル(共)重合体等の(メタ)アクリル系(共)重合体ラテックス、7)エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、8)前記6)及び7)のラテックスの官能基変性物、9)メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤等が挙げられる。
【0030】
接着剤を含有する場合の本発明の光沢層用塗工液には、架橋シリコーン微粒子を合成する工程で得られる水性懸濁液をそのまま用いることもできるが、該水性懸濁液から固形分として分離した架橋シリコーン微粒子を用いることもでき、かかる架橋シリコーン微粒子と接着剤と水性媒体とを用いる場合には、架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散させた後、接着剤を加えて混合し、光沢層用塗工液を調製することができる。架橋シリコーン微粒子の水性媒体への分散及び界面活性剤の使用については前記と同様である。
【0031】
かくして調製される接着剤を含有する場合の本発明の光沢層用塗工液は、架橋シリコーン微粒子を15〜25重量%、水性媒体を70〜85重量%及び接着剤を1〜4重量%含有しており、且つこれらを合計で95重量%以上含有するものとするが、これらを合計で98重量%以上含有するものとするのが好ましい。
【0032】
本発明の光沢層用塗工液は、以上説明したような架橋シリコーン微粒子及び水性媒体、更には接着剤の他に、添加剤等を適宜含有することができる。これには例えば、シリカ、アルミナ等の無機顔料、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤等が挙げられるが、その含有割合は可及的に少量とするのが好ましい。
【0033】
次に本発明のインクジェット記録媒体について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上の少なくとも片面にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に本発明の光沢層用塗工液を塗工した光沢層が形成されたものである。
【0034】
本発明のインクジェット記録媒体において、支持体それ自体としては、公知のものを使用できる。これには例えば、1)LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプから常法にしたがい製造した原紙、2)前記1)の原紙にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリウレタン等の樹脂を被覆した樹脂被覆紙、3)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル透明フィルム等が挙げられるが、なかでも木材パルプから製造した原紙、、木材パルプから製造した原紙にポリオレフィンを被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエステル透明フィルムが好ましい。
【0035】
本発明のインクジェット記録媒体において、支持体の少なくとも片面に形成するインク受理層それ自体としても、公知のものを使用できる。かかるインク受理層を構成する成分としては、主要成分として顔料、接着剤、インク定着剤等が挙げられ、また添加剤成分として分散剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。インク受理層を構成する主要成分の割合は通常、顔料5〜97重量%、接着剤3〜95重量%、インク定着剤0〜25重量%とし、またその塗工量は通常、支持体上に0.5〜30g/m2の割合とする。
【0036】
本発明のインクジェット記録媒体において、インク受理層上に本発明の光沢層用塗工液を塗工する方法それ自体も、公知の方法を適用できる。これには例えば、ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ、ショートドウェルコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで用いる方法が挙げられる。本発明の光沢層用塗工液の塗工量はインク受理層を形成した支持体に対し、架橋シリコーン微粒子として1〜30g/m2の割合となるようにするが、5〜20g/m2の割合となるようにするのが好ましい。
【0037】
支持体のインク受理層上に本発明の光沢層用塗工液を塗工した後、これも常法にしたがい乾燥やカレンダー処理等を行うが、これらの条件はインクジェット記録媒体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば乾燥条件としては、50〜180℃で0.03〜30秒間の条件が挙げられる。またカレンダー処理としては、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いる処理が挙げられるが、その条件としては、接触面の温度30〜200℃で線圧50〜200kg/cm2の条件が挙げられる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の光沢層用塗工液の実施形態としては、次の1)〜4)が挙げられる。1)下記の架橋シリコーン微粒子(A−1)を14重量%、下記の接着剤(B−1)を1.5重量%、下記のその他の成分(C−1)を1.3重量%、下記の水性媒体(D−1)を83.2重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−1)。
架橋シリコーン微粒子(A−1):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位20モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で86モル%有する平均粒子径40nmの架橋シリコーン微粒子。
接着剤(B−1):ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA−117)
その他の成分(C−1):n−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド
水性媒体(D−1):水/メチルアルコール=78/22(重量比)の混合水性媒体
【0039】
2)下記の架橋シリコーン微粒子(A−2)を20重量%、下記の接着剤(B−2)を2重量%、前記のその他の成分(C−1)を1.1重量%、前記の水性媒体(D−1)を76.9重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−2)。
架橋シリコーン微粒子(A−2):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位60モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位40モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で90モル%有する平均粒子径80nmの架橋シリコーン微粒子。
接着剤(B−2):メチルセルロース(信越化学工業社製の商品名SM−15)
【0040】
3)下記の架橋シリコーン微粒子(A−3)を22重量%、下記の接着剤(B−3)を3重量%、下記のその他の成分(C−2)を1重量%、下記の水性媒体(D−2)を74重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−3)。
架橋シリコーン微粒子(A−3):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位15モル%と、式5及び式6中のR2がメチル基であり、R3がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合のC群のシロキサン単位5モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で87モル%有する平均粒子径60nmの架橋シリコーン微粒子。
接着剤(B−3):シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名R1130)
その他の成分(C−2):α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の数が18、以下n=18とする)
水性媒体(D−2):水/イソプロピルアルコール=95/5(重量比)の混合水性媒体
【0041】
4)下記の架橋シリコーン微粒子(A−4)を18重量%、前記の接着剤(B−1)を2重量%、前記のその他の成分(C−2)を0.8重量%、下記の水性媒体(D−3)を79.2重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−4)。
架橋シリコーン微粒子(A−4):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式3及び式4中のR1がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合のB群のシロキサン単位5モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位15モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で92モル%有する平均粒子径85nmの架橋シリコーン微粒子。
水性媒体(D−3):水
【0042】
図1は本発明のインクジェット記録媒体を例示する縦断面図である。支持体1の片面上にインク受理層2が形成されており、更にインク受理層2上に本発明の光沢層用塗工液を架橋シリコーン微粒子として5〜20g/m2の割合で塗工した光沢層3が形成されている。
【0043】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を意味する。
【0044】
【実施例】
試験区分1(架橋シリコーン微粒子の合成)
・架橋シリコーン微粒子(A−1)の合成
反応容器に、イオン交換水1500g、n−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド27.8g及び48重量%水酸化ナトリウム水溶液0.4gを加えて均一な溶液とした。反応容器内の温度を20℃に保ち、攪拌しながらメチルトリメトキシシラン480g(3.53モル)及びジメチルジメトキシラン106g(0.88モル)を滴下した。滴下後、同温度で5時間反応を続けて、水性懸濁液を得た。得られた水性懸濁液をメンブランフィルタ−に通して、架橋シリコーン微粒子(A−1)の水性懸濁液2100gを得た。この水性懸濁液の一部を採り、110℃で3時間、熱風乾燥して、粉末状物を得た。この粉末状物を更に洗浄し、乾燥した後、元素分析、ICP発光分光分析、NMRスペクトル分析、FT−IRスペクトル分析等を行なったところ、式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位20モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3中のR1がメチル基である場合の式3で示されるシロキサン単位と式5中のR2及びR3がメチル基である場合の式5で示されるシロキサン単位とを合計で86モル%有する架橋シリコーン微粒子(A−1)であった。また前記粉末状物をp−ノニルフェニル=ポリオキシエチレン=エーテル(n=10)の10重量%水性液に分散し、その分散液を動的レーザー散乱粒度分布計(大塚科学社製)に供して平均粒子径を測定したところ、平均粒子径は40nmであった。
【0045】
架橋シリコーン微粒子(A−2)、(A−5)〜(A−11)、(A−13)及び(A−15)の合成
架橋シリコーン微粒子(A−1)の場合と同様にして、架橋シリコーン微粒子(A−2)、(A−5)〜(A−11)、(A−13)及び(A−15)を合成し、分析した。以上で合成した各架橋シリコーン微粒子の内容を表1にまとめて示した。
【0046】
・架橋シリコーン微粒子(A−3)の合成
反応容器に、イオン交換水1500g、α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(n=18)10g及び48重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5gを加えて均一な溶液とした。反応容器内の温度を20℃に保ち、攪拌しながらメチルトリメトキシシラン480g(3.53モル)、ジメチルジメトキシラン79.2g(0.66モル)、トリメチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルジメトキシラン53.1g(0.22モル)を滴下した。滴下後、同温度で5時間反応を続けて、水性懸濁液を得た。次いで反応容器内の温度を90℃とし、減圧下にメタノールを留去して、室温まで冷却した後、メンブランフィルターに通して、架橋シリコーン微粒子(A−3)の水性懸濁液1570gを得た。この水性懸濁液の一部を採り、架橋シリコーン微粒子(A−1)と同様にして分析及び測定を行なったところ、式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位15モル%と、式5及び式6中のR2がメチル基であり、R3がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合のC群のシロキサン単位5モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3中のR1がメチル基である場合の式3で示されるシロキサン単位と、式5中のR2及びR3がメチル基である場合の式5で示されるシロキサン単位と、式5中のR2がメチル基であり、R3がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合の式5で示されるシロキサン単位とを合計で87モル%有する平均粒子径60nmの架橋シリコーン微粒子(A−3)であった。
【0047】
架橋シリコーン微粒子(A−4)、(A−12)、(A−14)、(A−16)、(A−17)及び(a−1)の合成
架橋シリコーン微粒子(A−3)の場合と同様にして、架橋シリコーン微粒子(A−4)、(A−12)、(A−14)、(A−16)、(A−17)及び(a−1)を合成し、分析した。以上で合成した各架橋シリコーン微粒子の内容を表1にまとめて示した。
【0048】
【表1】
【0049】
表1において、
割合:各群ごとのシロキサン単位の割合、単位はモル%
*1:全構成単位中、式1で示されるシロキサン単位と式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位との合計含有割合、単位はモル%
M−1:メチル基
M−2:エチル基
M−3:フェニル基
S−1:トリメチルアンモニオプロピル=クロリド基
S−2:オクタデシルジメチルアンモニオプロピル=クロリド基
S−3:3−グリシドキシプロピル基
S−4:γ−メタクリロキシプロピル基
S−5:N,N−ジメチルアミノプロピル基
【0050】
試験区分2(光沢層用塗工液の調製)
・実施例1{光沢層用塗工液(P−1)の調製}
架橋シリコーン微粒子として試験区分1で合成した架橋シリコーン微粒子(A−1)14部、水性媒体として水64.9部及びメタノール18.3部、その他の成分としてn−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド1.3部を混合した水性懸濁液に、更に接着剤としてポリビニルアルコール1.5部を混合して、実施例1の光沢層用塗工液(P−1)を調製した。
【0051】
・実施例2〜21及び比較例1〜4{光沢層用塗工液(P−2)〜(P−21)及び(R−1)〜(R−4)の調製}
実施例1の光沢層用塗工液(P−1)と同様にして、実施例2〜21の光沢層用塗工液(P−2)〜(P−21)及び比較例1〜4の光沢層用塗工液(R−1)〜(R−4)を調製した。以上で調製した各例の光沢層用塗工液の内容を表2にまとめて示した。
【0052】
【表2】
【0053】
表2において、
割合:重量%
A−1〜A−17,a−1:試験区分1で合成した架橋シリコーン微粒子
a−2:数珠状コロイダルシリカ(日産化学社製の商品名スノーテックスUP)
a−3:平均粒子径11nmの合成シリカ(日本シリカ工業社製の商品名Nipsil HD−2)
a−4:平均粒子径10nmのアルミナゾル(触媒化成社製の商品名カタロイドAS−3)
B−1:ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA−117)
B−2:メチルセルロース(信越化学工業社製の商品名SM−15)
B−3:シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名R1130)
C−1:n−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド
C−2:α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(n=18)
C−3:数平均分子量400のポリプロピレングリコール
C−4:平均粒子径65nmのコロイダルシリカ(日産化学工業社製の商品名スノーテックスYL)
C−5:平均粒子径40nmの無定形シリカ・アルミナ(触媒化成社製の商品名USB−1)
C−6:平均粒子径200nmのポリスチレン系有機粒子(旭化成工業社製の商品名L8999)
D−1:水/メチルアルコール=78/22(重量比)の混合水性媒体
D−2:水/イソプロピルアルコール=95/5(重量比)の混合水性媒体
D−3:水
【0054】
試験区分3(インクジェット記録媒体の作製)
・実施例22
濾水度450mlCSFのLBK67部及び濾水度480mlCSFのNBKP8部からなるパルプスラリーに、カチオン澱粉0.6部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部及びアルキルケテンダイマー0.10部を添加して、パルプスラリーのpHを8.2に調製し、長網抄紙機で抄造し、乾燥して、抄紙を得た。この抄紙にサイズプレスで溶解した酸化澱粉水溶液を固形分として両面5g/m2となるように含浸させ、乾燥し、マシンカレンダー仕上げをして、秤量95g/m2の塗工原紙を得た。この塗工原紙のステキヒトサイズ度は20秒であった。この塗工原紙の填料分布の多い面上に、合成非晶質シリカ(富士デヴィソン社製の商品名サイロイド74)100部当たりポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA117)50部及びカチオン性樹脂(昭和高分子社製の商品名ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9meq./g)30部の割合で含有する固形分濃度16重量%の水性塗工液をエアーナイフコータにより固形分として10g/m2となるように塗工し、乾燥して、インク受理層を形成した。更にこのインク受理層上に、試験区分2で調製した光沢層用塗工液(P−1)をエアーナイフコータにより架橋シリコーン微粒子(A−1)として6g/m2となるように塗工し、乾燥して、光沢層を形成した。かくして実施例22のインクジェット記録媒体を作製した。
【0055】
・実施例23〜42及び比較例5〜8
実施例22のインクジェット記録媒体の場合と同様にして、実施例23〜42及び比較例5〜8のインクジェット記録媒体を作製した。以上で作製した各例のインクジェット記録媒体の内容を表3にまとめて示した。
【0056】
・実施例43
写真印画紙用原紙の一面に高密度ポリエチレン(密度0.94)を容融押し出し塗工法により320℃の温度で塗工し、鏡面を有するクーリングロールを用いて冷却して、塗工量30g/m2の皮膜層を有する高密度ポリエチレン樹脂被膜紙を得た。この高密度ポリエチレン樹脂被覆紙の皮膜上に、コロイダルシリカ(日産化学社製の商品名スノーテックスUP)100部当たりポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PV−117)5部及びカチオン性樹脂(昭和高分子社製の商品名ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9meq./g)30部の割合で含有する固形分濃度16重量%の水性塗工液をバーコータにより固形分として10g/m2となるように塗工し、乾燥して、インク受理層を形成した。更にこのインク受理層上に、試験区分2で調製した光沢層用塗工液(P−1)をエアーナイフコータにより架橋シリコーン微粒子(A−1)として12g/m2となるように塗工し、乾燥して、光沢層を形成した。かくして実施例43のインクジェット記録媒体を作製した。
【0057】
・実施例44〜57及び比較例9〜12
実施例43のインクジェット記録媒体の場合と同様にして、実施例44〜57及び比較例9〜12のインクジェット記録媒体を作製した。以上で作製した各例のインクジェット記録媒体の内容を表4にまとめて示した。
【0058】
・実施例58
支持体として厚さ100μmの易接着処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製の商品名A7300)を用い、その易接着面上に、コロイダルシリカ(日産化学社製の商品名スノーテックスUP)100部当たりポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PV−117)5部及びカチオン性樹脂(昭和高分子社製の商品名ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9meq./g)10部の割合で含有する固形分濃度16重量%の水性塗工液をバーコータにより固形分として10g/m2となるように塗工し、乾燥して、インク受理層を形成した。更にこのインク受理層上に、試験区分2で調整した光沢層用塗工液(P−1)をバーコータにより架橋シリコーン微粒子(A−1)として12g/m2となるように塗工し、乾燥して、光沢層を形成した。かくして実施例58のインクジェット記録媒体を作製した。
【0059】
・実施例59〜72及び比較例13〜16
実施例58のインクジェット記録媒体の場合と同様にして、実施例59〜72及び比較例13〜16のインクジェット記録媒体を作製した。以上で作製した各例のインクジェット記録媒体の内容を表5にまとめて示した。
【0060】
試験区分4(インクジェット記録媒体の評価)
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体について、下記の評価を行なった。結果を表3〜5にまとめて示した。
・光沢性
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体の光沢層面にエプソン社製のインクジェットプリンター(型番号PM−780CS)を用いて一片10cmの正方形を黒色印字し、光沢測定用試料とした。この光沢測定用試料を、JIS−Z8741(1983年版)に準拠し、日本電色工業社製の変角光沢度計(型番号VGS−1001DP)に供して、黒色印字部の60度鏡面光沢度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:光沢度は65以上(良好な光沢感がある)
○:光沢度は50以上65未満(光沢感がある)
△:光沢度は30以上50未満(光沢感がやや劣る)
×:光沢度は30未満(光沢感がない)
【0061】
・インク吸収性
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体の光沢層面にエプソン社製のインクジェットプリンター(型番号PM−780CS)を用い、JIS−X9201(2000年版)に準拠して、高精彩カラーディジタル標準画像データの自転車(画像の識別番号N5)を印字し、印字部分のインクの滲みを目視により観察して、以下の基準で評価した。
◎:インクの滲みが全く認められない(インク吸収性は優れている)
○:インクの滲みが僅かに認められる(インク吸収性は良好である)
△:インクの滲みが明らかに認められる(インク吸収性はやや不良である)
×:インクの滲みが著しく認められる(インク吸収性は不良である)
【0062】
・耐水性
光沢性の評価を用いた光沢測定用試料の黒色印字部における接触角を、協和界面科学社製のFACE接触角計CAに供して測定し、以下の基準で評価した。
◎:接触角が80度以上(耐水性は優れている)
○:接触角が65度以上80度未満(耐水性は良好である)
△:接触角が55度以上65度未満(耐水性は不良である)
×:接触角が55度未満(耐水性は著しく不良である)
【0063】
・抗ひび割れ性
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体の光沢層面にエプソン社製のインクジェットプリンター(型番号PM−780CS)を用いて一片10cmの正方形をシアン印字し、抗ひび割れ性評価用試料とした。この抗ひび割れ性評価用試料のシアン印字面におけるひび割れの程度を倍率50倍の光学顕微鏡を用いて観察し、以下の基準で評価した。
◎:ひび割れが全く認められない(印字が優れて鮮明である)
○:ひび割れが僅かに認められる(印字が鮮明である)
△:ひび割れがかなりの範囲で認められる(印字がやや鮮明である)
×:ひび割れが全域で多数認められる(印字が不鮮明である)
【0064】
・透明性の評価
支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたインクジェット記録媒体について、東洋精機社製のヘイズメーターを用いてヘイズを測定し、以下の基準で評価した。
○:ヘイズが10未満(透明である)
△:ヘイズが10以上40未満(若干濁っている)
×:ヘイズが40以上(白濁している)
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
表3〜表5において、
塗工量:表2に記載した架橋シリコーン微粒子等としての塗工量、単位はg/m2
【0069】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性、インク吸収性及び耐水性に優れ、またひび割れが少なく、しかもインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なわず、したがって鮮明で、深み及び冴え等のある印字ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録媒体を例示する縦断面図。
【符号の説明】
1・・支持体、2・・インク受理層、3・・光沢層
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録媒体の光沢層用塗工液(以下、単に光沢層用塗工液という)及びインクジェット記録媒体に関する。支持体上にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に光沢層が形成されたインクジェット記録媒体が使用されている。かかるインクジェット記録媒体には、その高付加価値化及び差別化が図られる近年において、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない印刷性能が要求されている。本発明は、かかる要求に応える光沢層用塗工液及びインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記のようなインクジェット記録媒体における光沢層用塗工液として、平均粒子径300nm以下のコロイド粒子、例えば無定形シリカやアルミナのようなコロイド粒子を含有するもの(例えば特許文献1参照)、平均粒子径1000〜10000nmの球状シリカ微粒子とアルコール可溶性ポリマーとを含有するもの(例えば特許文献2参照)、合成シリカ及びコロイダルシリカを主成分とする顔料と水性接着剤とカチオン性高分子電解質とを含有するもの(例えば特許文献3参照)、一次粒子の平均粒子径が3〜40nmであり且つ2次粒子の平均粒子径が10〜400nmであるシリカ微粒子を含有するもの(例えば特許文献4参照)等が知られている。ところが、かかる従来の光沢層用塗工液には、それらを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性及びインク吸収性において相応の効果が認められるものの、耐水性に劣り、またひび割れが多く、更にインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なうという問題がある。従来の光沢層用塗工液では、それらを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の鮮明さ、深み、冴え等が不充分なのである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−101142号公報
【特許文献2】
特開平11−34486号公報
【特許文献3】
特開平2−274587号公報
【特許文献4】
特開平7−257015号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、それを塗工して光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性、インク吸収性及び耐久性に優れ、またひび割れが少なく、しかもインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なわず、したがって鮮明で、深み及び冴え等のある印字ができる光沢層用塗工液及びそのようなインクジェット記録媒体を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者は、上記の課題を解決するべく研究した結果、光沢層用塗工液として、特定の架橋シリコーン微粒子と水性媒体とを所定の割合で含有するものを用いるのが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記の架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有して成ることを特徴とする光沢層用塗工液に係る。
【0007】
架橋シリコーン微粒子:下記のA群のシロキサン単位、下記のB群のシロキサン単位及び下記のC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又は下記のB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子であって、平均粒子径20〜200nmの架橋シリコーン微粒子
A群のシロキサン単位:下記の式1で示されるシロキサン単位及び下記の式2で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式1で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
B群のシロキサン単位:下記の式3で示されるシロキサン単位及び下記の式4で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式3で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
C群のシロキサン単位:下記の式5で示されるシロキサン単位及び下記の式6で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式5で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
【0008】
【式1】
SiO4/2
【0009】
【式2】
(HO)mSiOn/2
【0010】
【式3】
R1SiO3/2
【0011】
【式4】
(HO)pR1SiOq/2
【0012】
【式5】
R2R3SiO2/2
【0013】
【式6】
(HO)R2R3SiO1/2
【0014】
式2〜式6において、
R1,R2,R3:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基
m,n:1〜3の整数であって、m+n=4を満足するもの
p,q:1又は2であって、p+q=3を満足するもの
【0015】
また本発明は、支持体上にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に光沢層が形成されたインクジェット記録媒体において、光沢層が請求項1〜6のいずれか一つの項記載の光沢層用塗工液を架橋シリコーン微粒子として1〜30g/m2の割合で塗工して成るものであることを特徴とするインクジェット記録媒体に係る。
【0016】
先ず、本発明の光沢層用塗工液について説明する。本発明の光沢層用塗工液は、特定の架橋シリコーン微粒子と水性媒体とを含有して成るものである。かかる架橋シリコーン微粒子は、平均粒子径が20〜200nmのものであるが、好ましくは平均粒子径が30〜100nmのものである。尚、本発明において、平均粒子径は、架橋シリコーン微粒子をp−ノニルフェニル=ポリオキシエチレン=エーテル(オキシエチレン単位の繰り返し数10)の10重量%水性液に分散し、その分散液を動的レーザー散乱粒度分布測定装置に供したときに測定される値から算出して得た重量累積分布の50%点(メジアン径)である。
【0017】
本発明の光沢層用塗工液に供する架橋シリコーン微粒子は、A群のシロキサン単位、B群のシロキサン単位及びC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又はB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子であり、シロキサン単位が三次元の網目構造を形成したポリシロキサン架橋構造体から成る有機シリコーン微粒子である。したがって、かかる架橋シリコーン微粒子には、1)A群のシロキサン単位とB群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、2)A群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、3)A群のシロキサン単位とB群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、4)B群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成された架橋シリコーン微粒子、5)B群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子が包含される。
【0018】
A群のシロキサン単位は、式1で示されるシロキサン単位及び式2で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ式1で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位である。式2で示されるシロキサン単位としては、式2中のmが1の場合の式2で示されるモノヒドロキシシロキサン単位、式2中のmが2の場合の式2で示されるジヒドロキシシロキサン単位、式2中のmが3の場合の式2で示されるトリヒドロキシシロキサン単位が挙げられる。
【0019】
B群のシロキサン単位は、式3で示されるシロキサン単位及び式4で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ式3で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位である。式3又は式4で示されるシロキサン単位において、式3及び式4中のR1は、いずれもケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基である。かかる有機基は、反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合と、反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合とがある。
【0020】
式3及び式4中のR1において、それが反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられるが、これらのうちではメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。式3中のR1が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式3で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、メチルシロキサン単位、エチルシロキサン単位、プロピルシロキサン単位、ブチルシロキサン単位、フェニルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもメチルシロキサン単位がより好ましい。また同様に式4中のR1が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式4で示されるシロキサン単位としては、前記した式3で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個又は2個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0021】
式3及び式4中のR1において、それが反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合の有機基としては、エポキシ基を有するアルキル基、(メタ)アクリロキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基、シアノ基、第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基等が挙げられるが、なかでもトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリド基等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基が好ましい。式3中のR1が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式3で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、トリメチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリドシロキサン単位等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基を有するシロキサン単位が挙げられる。また同様に式4中のR1が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式4で示されるシロキサン単位としては、前記した式3で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個又は2個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0022】
C群のシロキサン単位は、式5で示されるシロキサン単位及び式6で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ式5で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位である。式5又は式6で示されるシロキサン単位において、式5及び式6中のR2及びR3は、いずれもケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基である。かかる有機基は、反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合と、反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合とがある。
【0023】
式5及び式6中のR2及びR3において、それが反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合の有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げられるが、これらのうちではメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。式5中のR2及びR3が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式5で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、ジエチルシロキサン単位、ジプロピルシロキサン単位、ジブチルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位等が挙げられるが、なかでもジメチルシロキサン単位がより好ましい。また同様に式6中のR2及びR3が反応性基でない有機基又は反応性基を有しない有機基である場合、式6で示されるシロキサン単位としては、前記した式5で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0024】
式5及び式6中のR2及びR3において、それが反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合の有機基としては、エポキシ基を有するアルキル基、(メタ)アクリロキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基、シアノ基、第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基等が挙げられるが、なかでもトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリド基、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリド基等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基が好ましい。式5中のR2及びR3が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式5で示されるシロキサン単位のうちで好ましいシロキサン単位としては、トリメチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルエチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルプロピルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルブチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルペンチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルヘキシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルオクチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルドデシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルヘキサデシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位、ジメチルオクタデシルアンモニオプロピル=クロリド=メチルシロキサン単位等の第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基を有するシロキサン単位が挙げられる。また同様に式6中のR2及びR3が反応性基である有機基又は反応性基を有する有機基である場合、式6で示されるシロキサン単位としては、前記した式5で示されるシロキサン単位の酸素原子の1個を水酸基に置換したシロキサン単位が挙げられる。
【0025】
本発明の光沢層用塗工液に供する架橋シリコーン微粒子は、以上説明したようなA群のシロキサン単位、B群のシロキサン単位及びC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又はB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子である。かかる架橋シリコーン微粒子のなかでも、本発明の光沢層用塗工液に供する架橋シリコーン微粒子としては、全構成単位中に、式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位を合計で70モル%以上有するものが好ましく、80モル%以上有するものがより好ましい。とりわけ、かかる架橋シリコーン微粒子であって、それがB群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成されており、且つ全構成単位中に、B群のシロキサン単位を55〜90モル%、またC群のシロキサン単位を10〜45モル%(合計100モル%)有するものが好ましく、平均粒子径30〜100nmであるものがより好ましい。
【0026】
以上説明したような架橋シリコーン微粒子それ自体は公知の方法で合成できるが、なかでもゾル−ゲル法により合成したものが好ましい。これには例えば、特開2000−191788号公報に記載されているゾル−ゲル法が挙げられる。より具体的に説明すると、触媒のアルカリを溶解した水溶液に、シロキサン単位を形成することとなるシラノール基形成性ケイ素化合物を加え、15〜20℃に維持して加水分解反応を行なってシラノール化合物を生成させる。引き続き反応系の温度を同温度範囲に維持して縮合反応を行ない、架橋シリコーン微粒子を生成させ、これを含有する水性懸濁液を得る。この水性懸濁液から固形分を分離して架橋シリコーン微粒子を得る。本発明の光沢層用塗工液には、かかる水性懸濁液をそのまま用いることもできるし、該水性懸濁液から固形分として分離した架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散して用いることもできる。
【0027】
本発明の光沢層用塗工液に供する水性媒体としては、1)水、2)メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、3)メチルセロセルブ、ブチルセロソルブ等の水溶性エーテル、4)アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性ケトンが挙げられるが、なかでも水又は水と低級アルコールとの混合水性媒体が好ましい。
【0028】
前記したように、水性懸濁液から固形分として分離した架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散させる場合、それ自体は公知の各種のミキサー粒やミル類等を使用できる。かくして調製される本発明の光沢層用塗工液は、架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有するものとするが、架橋シリコーン微粒子を15〜25重量%及び水性媒体を75〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で95重量%以上含有するものとするのが好ましい。架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散させるとき、必要に応じて適宜、界面活性剤を使用することもできるが、その使用量は可及的に少量とするのが好ましい。
【0029】
本発明の光沢層用塗工液には、更に接着剤を含有させることができる。かかる接着剤それ自体としては、同じ技術分野における公知のものを使用できる。これには例えば、1)酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、2)カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、3)カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白又はその誘導体、4)ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂等のビニル系重合体、5)スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、6)アクリル酸エステル(共)重合体、メタクリル酸エステル(共)重合体等の(メタ)アクリル系(共)重合体ラテックス、7)エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、8)前記6)及び7)のラテックスの官能基変性物、9)メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤等が挙げられる。
【0030】
接着剤を含有する場合の本発明の光沢層用塗工液には、架橋シリコーン微粒子を合成する工程で得られる水性懸濁液をそのまま用いることもできるが、該水性懸濁液から固形分として分離した架橋シリコーン微粒子を用いることもでき、かかる架橋シリコーン微粒子と接着剤と水性媒体とを用いる場合には、架橋シリコーン微粒子を水性媒体に分散させた後、接着剤を加えて混合し、光沢層用塗工液を調製することができる。架橋シリコーン微粒子の水性媒体への分散及び界面活性剤の使用については前記と同様である。
【0031】
かくして調製される接着剤を含有する場合の本発明の光沢層用塗工液は、架橋シリコーン微粒子を15〜25重量%、水性媒体を70〜85重量%及び接着剤を1〜4重量%含有しており、且つこれらを合計で95重量%以上含有するものとするが、これらを合計で98重量%以上含有するものとするのが好ましい。
【0032】
本発明の光沢層用塗工液は、以上説明したような架橋シリコーン微粒子及び水性媒体、更には接着剤の他に、添加剤等を適宜含有することができる。これには例えば、シリカ、アルミナ等の無機顔料、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤等が挙げられるが、その含有割合は可及的に少量とするのが好ましい。
【0033】
次に本発明のインクジェット記録媒体について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上の少なくとも片面にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に本発明の光沢層用塗工液を塗工した光沢層が形成されたものである。
【0034】
本発明のインクジェット記録媒体において、支持体それ自体としては、公知のものを使用できる。これには例えば、1)LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプから常法にしたがい製造した原紙、2)前記1)の原紙にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリウレタン等の樹脂を被覆した樹脂被覆紙、3)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル透明フィルム等が挙げられるが、なかでも木材パルプから製造した原紙、、木材パルプから製造した原紙にポリオレフィンを被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエステル透明フィルムが好ましい。
【0035】
本発明のインクジェット記録媒体において、支持体の少なくとも片面に形成するインク受理層それ自体としても、公知のものを使用できる。かかるインク受理層を構成する成分としては、主要成分として顔料、接着剤、インク定着剤等が挙げられ、また添加剤成分として分散剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。インク受理層を構成する主要成分の割合は通常、顔料5〜97重量%、接着剤3〜95重量%、インク定着剤0〜25重量%とし、またその塗工量は通常、支持体上に0.5〜30g/m2の割合とする。
【0036】
本発明のインクジェット記録媒体において、インク受理層上に本発明の光沢層用塗工液を塗工する方法それ自体も、公知の方法を適用できる。これには例えば、ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ、ショートドウェルコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシン又はオフマシンで用いる方法が挙げられる。本発明の光沢層用塗工液の塗工量はインク受理層を形成した支持体に対し、架橋シリコーン微粒子として1〜30g/m2の割合となるようにするが、5〜20g/m2の割合となるようにするのが好ましい。
【0037】
支持体のインク受理層上に本発明の光沢層用塗工液を塗工した後、これも常法にしたがい乾燥やカレンダー処理等を行うが、これらの条件はインクジェット記録媒体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば乾燥条件としては、50〜180℃で0.03〜30秒間の条件が挙げられる。またカレンダー処理としては、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いる処理が挙げられるが、その条件としては、接触面の温度30〜200℃で線圧50〜200kg/cm2の条件が挙げられる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の光沢層用塗工液の実施形態としては、次の1)〜4)が挙げられる。1)下記の架橋シリコーン微粒子(A−1)を14重量%、下記の接着剤(B−1)を1.5重量%、下記のその他の成分(C−1)を1.3重量%、下記の水性媒体(D−1)を83.2重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−1)。
架橋シリコーン微粒子(A−1):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位20モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で86モル%有する平均粒子径40nmの架橋シリコーン微粒子。
接着剤(B−1):ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA−117)
その他の成分(C−1):n−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド
水性媒体(D−1):水/メチルアルコール=78/22(重量比)の混合水性媒体
【0039】
2)下記の架橋シリコーン微粒子(A−2)を20重量%、下記の接着剤(B−2)を2重量%、前記のその他の成分(C−1)を1.1重量%、前記の水性媒体(D−1)を76.9重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−2)。
架橋シリコーン微粒子(A−2):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位60モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位40モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で90モル%有する平均粒子径80nmの架橋シリコーン微粒子。
接着剤(B−2):メチルセルロース(信越化学工業社製の商品名SM−15)
【0040】
3)下記の架橋シリコーン微粒子(A−3)を22重量%、下記の接着剤(B−3)を3重量%、下記のその他の成分(C−2)を1重量%、下記の水性媒体(D−2)を74重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−3)。
架橋シリコーン微粒子(A−3):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位15モル%と、式5及び式6中のR2がメチル基であり、R3がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合のC群のシロキサン単位5モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で87モル%有する平均粒子径60nmの架橋シリコーン微粒子。
接着剤(B−3):シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名R1130)
その他の成分(C−2):α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の数が18、以下n=18とする)
水性媒体(D−2):水/イソプロピルアルコール=95/5(重量比)の混合水性媒体
【0041】
4)下記の架橋シリコーン微粒子(A−4)を18重量%、前記の接着剤(B−1)を2重量%、前記のその他の成分(C−2)を0.8重量%、下記の水性媒体(D−3)を79.2重量%(合計100重量%)含有して成る光沢層用塗工液(P−4)。
架橋シリコーン微粒子(A−4):式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式3及び式4中のR1がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合のB群のシロキサン単位5モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位15モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位とを合計で92モル%有する平均粒子径85nmの架橋シリコーン微粒子。
水性媒体(D−3):水
【0042】
図1は本発明のインクジェット記録媒体を例示する縦断面図である。支持体1の片面上にインク受理層2が形成されており、更にインク受理層2上に本発明の光沢層用塗工液を架橋シリコーン微粒子として5〜20g/m2の割合で塗工した光沢層3が形成されている。
【0043】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を意味する。
【0044】
【実施例】
試験区分1(架橋シリコーン微粒子の合成)
・架橋シリコーン微粒子(A−1)の合成
反応容器に、イオン交換水1500g、n−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド27.8g及び48重量%水酸化ナトリウム水溶液0.4gを加えて均一な溶液とした。反応容器内の温度を20℃に保ち、攪拌しながらメチルトリメトキシシラン480g(3.53モル)及びジメチルジメトキシラン106g(0.88モル)を滴下した。滴下後、同温度で5時間反応を続けて、水性懸濁液を得た。得られた水性懸濁液をメンブランフィルタ−に通して、架橋シリコーン微粒子(A−1)の水性懸濁液2100gを得た。この水性懸濁液の一部を採り、110℃で3時間、熱風乾燥して、粉末状物を得た。この粉末状物を更に洗浄し、乾燥した後、元素分析、ICP発光分光分析、NMRスペクトル分析、FT−IRスペクトル分析等を行なったところ、式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位20モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3中のR1がメチル基である場合の式3で示されるシロキサン単位と式5中のR2及びR3がメチル基である場合の式5で示されるシロキサン単位とを合計で86モル%有する架橋シリコーン微粒子(A−1)であった。また前記粉末状物をp−ノニルフェニル=ポリオキシエチレン=エーテル(n=10)の10重量%水性液に分散し、その分散液を動的レーザー散乱粒度分布計(大塚科学社製)に供して平均粒子径を測定したところ、平均粒子径は40nmであった。
【0045】
架橋シリコーン微粒子(A−2)、(A−5)〜(A−11)、(A−13)及び(A−15)の合成
架橋シリコーン微粒子(A−1)の場合と同様にして、架橋シリコーン微粒子(A−2)、(A−5)〜(A−11)、(A−13)及び(A−15)を合成し、分析した。以上で合成した各架橋シリコーン微粒子の内容を表1にまとめて示した。
【0046】
・架橋シリコーン微粒子(A−3)の合成
反応容器に、イオン交換水1500g、α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(n=18)10g及び48重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5gを加えて均一な溶液とした。反応容器内の温度を20℃に保ち、攪拌しながらメチルトリメトキシシラン480g(3.53モル)、ジメチルジメトキシラン79.2g(0.66モル)、トリメチルアンモニオプロピル=クロリド=メチルジメトキシラン53.1g(0.22モル)を滴下した。滴下後、同温度で5時間反応を続けて、水性懸濁液を得た。次いで反応容器内の温度を90℃とし、減圧下にメタノールを留去して、室温まで冷却した後、メンブランフィルターに通して、架橋シリコーン微粒子(A−3)の水性懸濁液1570gを得た。この水性懸濁液の一部を採り、架橋シリコーン微粒子(A−1)と同様にして分析及び測定を行なったところ、式3及び式4中のR1がメチル基である場合のB群のシロキサン単位80モル%と、式5及び式6中のR2及びR3がメチル基である場合のC群のシロキサン単位15モル%と、式5及び式6中のR2がメチル基であり、R3がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合のC群のシロキサン単位5モル%とで構成されており、且つ全構成単位中に式3中のR1がメチル基である場合の式3で示されるシロキサン単位と、式5中のR2及びR3がメチル基である場合の式5で示されるシロキサン単位と、式5中のR2がメチル基であり、R3がトリメチルアンモニオプロピル=クロリド基である場合の式5で示されるシロキサン単位とを合計で87モル%有する平均粒子径60nmの架橋シリコーン微粒子(A−3)であった。
【0047】
架橋シリコーン微粒子(A−4)、(A−12)、(A−14)、(A−16)、(A−17)及び(a−1)の合成
架橋シリコーン微粒子(A−3)の場合と同様にして、架橋シリコーン微粒子(A−4)、(A−12)、(A−14)、(A−16)、(A−17)及び(a−1)を合成し、分析した。以上で合成した各架橋シリコーン微粒子の内容を表1にまとめて示した。
【0048】
【表1】
【0049】
表1において、
割合:各群ごとのシロキサン単位の割合、単位はモル%
*1:全構成単位中、式1で示されるシロキサン単位と式3で示されるシロキサン単位と式5で示されるシロキサン単位との合計含有割合、単位はモル%
M−1:メチル基
M−2:エチル基
M−3:フェニル基
S−1:トリメチルアンモニオプロピル=クロリド基
S−2:オクタデシルジメチルアンモニオプロピル=クロリド基
S−3:3−グリシドキシプロピル基
S−4:γ−メタクリロキシプロピル基
S−5:N,N−ジメチルアミノプロピル基
【0050】
試験区分2(光沢層用塗工液の調製)
・実施例1{光沢層用塗工液(P−1)の調製}
架橋シリコーン微粒子として試験区分1で合成した架橋シリコーン微粒子(A−1)14部、水性媒体として水64.9部及びメタノール18.3部、その他の成分としてn−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド1.3部を混合した水性懸濁液に、更に接着剤としてポリビニルアルコール1.5部を混合して、実施例1の光沢層用塗工液(P−1)を調製した。
【0051】
・実施例2〜21及び比較例1〜4{光沢層用塗工液(P−2)〜(P−21)及び(R−1)〜(R−4)の調製}
実施例1の光沢層用塗工液(P−1)と同様にして、実施例2〜21の光沢層用塗工液(P−2)〜(P−21)及び比較例1〜4の光沢層用塗工液(R−1)〜(R−4)を調製した。以上で調製した各例の光沢層用塗工液の内容を表2にまとめて示した。
【0052】
【表2】
【0053】
表2において、
割合:重量%
A−1〜A−17,a−1:試験区分1で合成した架橋シリコーン微粒子
a−2:数珠状コロイダルシリカ(日産化学社製の商品名スノーテックスUP)
a−3:平均粒子径11nmの合成シリカ(日本シリカ工業社製の商品名Nipsil HD−2)
a−4:平均粒子径10nmのアルミナゾル(触媒化成社製の商品名カタロイドAS−3)
B−1:ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA−117)
B−2:メチルセルロース(信越化学工業社製の商品名SM−15)
B−3:シリル変性ポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名R1130)
C−1:n−ドデシルトリメチルアンモニウム=ブロミド
C−2:α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン(n=18)
C−3:数平均分子量400のポリプロピレングリコール
C−4:平均粒子径65nmのコロイダルシリカ(日産化学工業社製の商品名スノーテックスYL)
C−5:平均粒子径40nmの無定形シリカ・アルミナ(触媒化成社製の商品名USB−1)
C−6:平均粒子径200nmのポリスチレン系有機粒子(旭化成工業社製の商品名L8999)
D−1:水/メチルアルコール=78/22(重量比)の混合水性媒体
D−2:水/イソプロピルアルコール=95/5(重量比)の混合水性媒体
D−3:水
【0054】
試験区分3(インクジェット記録媒体の作製)
・実施例22
濾水度450mlCSFのLBK67部及び濾水度480mlCSFのNBKP8部からなるパルプスラリーに、カチオン澱粉0.6部、重質炭酸カルシウム10部、軽質炭酸カルシウム15部及びアルキルケテンダイマー0.10部を添加して、パルプスラリーのpHを8.2に調製し、長網抄紙機で抄造し、乾燥して、抄紙を得た。この抄紙にサイズプレスで溶解した酸化澱粉水溶液を固形分として両面5g/m2となるように含浸させ、乾燥し、マシンカレンダー仕上げをして、秤量95g/m2の塗工原紙を得た。この塗工原紙のステキヒトサイズ度は20秒であった。この塗工原紙の填料分布の多い面上に、合成非晶質シリカ(富士デヴィソン社製の商品名サイロイド74)100部当たりポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PVA117)50部及びカチオン性樹脂(昭和高分子社製の商品名ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9meq./g)30部の割合で含有する固形分濃度16重量%の水性塗工液をエアーナイフコータにより固形分として10g/m2となるように塗工し、乾燥して、インク受理層を形成した。更にこのインク受理層上に、試験区分2で調製した光沢層用塗工液(P−1)をエアーナイフコータにより架橋シリコーン微粒子(A−1)として6g/m2となるように塗工し、乾燥して、光沢層を形成した。かくして実施例22のインクジェット記録媒体を作製した。
【0055】
・実施例23〜42及び比較例5〜8
実施例22のインクジェット記録媒体の場合と同様にして、実施例23〜42及び比較例5〜8のインクジェット記録媒体を作製した。以上で作製した各例のインクジェット記録媒体の内容を表3にまとめて示した。
【0056】
・実施例43
写真印画紙用原紙の一面に高密度ポリエチレン(密度0.94)を容融押し出し塗工法により320℃の温度で塗工し、鏡面を有するクーリングロールを用いて冷却して、塗工量30g/m2の皮膜層を有する高密度ポリエチレン樹脂被膜紙を得た。この高密度ポリエチレン樹脂被覆紙の皮膜上に、コロイダルシリカ(日産化学社製の商品名スノーテックスUP)100部当たりポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PV−117)5部及びカチオン性樹脂(昭和高分子社製の商品名ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9meq./g)30部の割合で含有する固形分濃度16重量%の水性塗工液をバーコータにより固形分として10g/m2となるように塗工し、乾燥して、インク受理層を形成した。更にこのインク受理層上に、試験区分2で調製した光沢層用塗工液(P−1)をエアーナイフコータにより架橋シリコーン微粒子(A−1)として12g/m2となるように塗工し、乾燥して、光沢層を形成した。かくして実施例43のインクジェット記録媒体を作製した。
【0057】
・実施例44〜57及び比較例9〜12
実施例43のインクジェット記録媒体の場合と同様にして、実施例44〜57及び比較例9〜12のインクジェット記録媒体を作製した。以上で作製した各例のインクジェット記録媒体の内容を表4にまとめて示した。
【0058】
・実施例58
支持体として厚さ100μmの易接着処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製の商品名A7300)を用い、その易接着面上に、コロイダルシリカ(日産化学社製の商品名スノーテックスUP)100部当たりポリビニルアルコール(クラレ社製の商品名PV−117)5部及びカチオン性樹脂(昭和高分子社製の商品名ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9meq./g)10部の割合で含有する固形分濃度16重量%の水性塗工液をバーコータにより固形分として10g/m2となるように塗工し、乾燥して、インク受理層を形成した。更にこのインク受理層上に、試験区分2で調整した光沢層用塗工液(P−1)をバーコータにより架橋シリコーン微粒子(A−1)として12g/m2となるように塗工し、乾燥して、光沢層を形成した。かくして実施例58のインクジェット記録媒体を作製した。
【0059】
・実施例59〜72及び比較例13〜16
実施例58のインクジェット記録媒体の場合と同様にして、実施例59〜72及び比較例13〜16のインクジェット記録媒体を作製した。以上で作製した各例のインクジェット記録媒体の内容を表5にまとめて示した。
【0060】
試験区分4(インクジェット記録媒体の評価)
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体について、下記の評価を行なった。結果を表3〜5にまとめて示した。
・光沢性
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体の光沢層面にエプソン社製のインクジェットプリンター(型番号PM−780CS)を用いて一片10cmの正方形を黒色印字し、光沢測定用試料とした。この光沢測定用試料を、JIS−Z8741(1983年版)に準拠し、日本電色工業社製の変角光沢度計(型番号VGS−1001DP)に供して、黒色印字部の60度鏡面光沢度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:光沢度は65以上(良好な光沢感がある)
○:光沢度は50以上65未満(光沢感がある)
△:光沢度は30以上50未満(光沢感がやや劣る)
×:光沢度は30未満(光沢感がない)
【0061】
・インク吸収性
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体の光沢層面にエプソン社製のインクジェットプリンター(型番号PM−780CS)を用い、JIS−X9201(2000年版)に準拠して、高精彩カラーディジタル標準画像データの自転車(画像の識別番号N5)を印字し、印字部分のインクの滲みを目視により観察して、以下の基準で評価した。
◎:インクの滲みが全く認められない(インク吸収性は優れている)
○:インクの滲みが僅かに認められる(インク吸収性は良好である)
△:インクの滲みが明らかに認められる(インク吸収性はやや不良である)
×:インクの滲みが著しく認められる(インク吸収性は不良である)
【0062】
・耐水性
光沢性の評価を用いた光沢測定用試料の黒色印字部における接触角を、協和界面科学社製のFACE接触角計CAに供して測定し、以下の基準で評価した。
◎:接触角が80度以上(耐水性は優れている)
○:接触角が65度以上80度未満(耐水性は良好である)
△:接触角が55度以上65度未満(耐水性は不良である)
×:接触角が55度未満(耐水性は著しく不良である)
【0063】
・抗ひび割れ性
試験区分3で作製したインクジェット記録媒体の光沢層面にエプソン社製のインクジェットプリンター(型番号PM−780CS)を用いて一片10cmの正方形をシアン印字し、抗ひび割れ性評価用試料とした。この抗ひび割れ性評価用試料のシアン印字面におけるひび割れの程度を倍率50倍の光学顕微鏡を用いて観察し、以下の基準で評価した。
◎:ひび割れが全く認められない(印字が優れて鮮明である)
○:ひび割れが僅かに認められる(印字が鮮明である)
△:ひび割れがかなりの範囲で認められる(印字がやや鮮明である)
×:ひび割れが全域で多数認められる(印字が不鮮明である)
【0064】
・透明性の評価
支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたインクジェット記録媒体について、東洋精機社製のヘイズメーターを用いてヘイズを測定し、以下の基準で評価した。
○:ヘイズが10未満(透明である)
△:ヘイズが10以上40未満(若干濁っている)
×:ヘイズが40以上(白濁している)
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
表3〜表5において、
塗工量:表2に記載した架橋シリコーン微粒子等としての塗工量、単位はg/m2
【0069】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、光沢層を形成したインクジェット記録媒体に印字したとき、その印字部分の光沢性、インク吸収性及び耐水性に優れ、またひび割れが少なく、しかもインクジェット記録媒体の支持体本来の特性、例えば透明性を損なわず、したがって鮮明で、深み及び冴え等のある印字ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録媒体を例示する縦断面図。
【符号の説明】
1・・支持体、2・・インク受理層、3・・光沢層
Claims (10)
- 下記の架橋シリコーン微粒子を12〜25重量%及び水性媒体を70〜85重量%含有しており、且つこれらを合計で90重量%以上含有して成ることを特徴とするインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液。
架橋シリコーン微粒子:下記のA群のシロキサン単位、下記のB群のシロキサン単位及び下記のC群のシロキサン単位から選ばれる二つ以上の異なる群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子及び/又は下記のB群のシロキサン単位で構成された架橋シリコーン微粒子であって、平均粒子径20〜200nmの架橋シリコーン微粒子
A群のシロキサン単位:下記の式1で示されるシロキサン単位及び下記の式2で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式1で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
B群のシロキサン単位:下記の式3で示されるシロキサン単位及び下記の式4で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式3で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
C群のシロキサン単位:下記の式5で示されるシロキサン単位及び下記の式6で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位であって、且つ下記の式5で示されるシロキサン単位を含む一つ又は二つ以上のシロキサン単位
【式1】
【式2】
【式3】
【式4】
【式5】
【式6】
(式2〜式6において、
R1,R2,R3:ケイ素原子に直結した炭素原子を有する有機基
m,n:1〜3の整数であって、m+n=4を満足するもの
p,q:1又は2であって、p+q=3を満足するもの) - 更に接着剤を含有しており、架橋シリコーン微粒子を15〜25重量%、水性媒体を70〜85重量%及び接着剤を1〜4重量%含有していて、且つこれらを合計で95重量%以上含有して成る請求項1記載のインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液。
- 架橋シリコーン微粒子が、全構成単位中に、式1で示されるシロキサン単位、式3で示されるシロキサン単位及び式5で示されるシロキサン単位から選ばれる一つ又は二つ以上のシロキサン単位を合計で70モル%以上有するものである請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液。
- 架橋シリコーン微粒子が、B群のシロキサン単位とC群のシロキサン単位とで構成されており、且つ全構成単位中に、B群のシロキサン単位を55〜90モル%、またC群のシロキサン単位を10〜45モル%有する平均粒子径30〜100nmのものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載のインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液。
- 架橋シリコーン微粒子が、式3中のR1が炭素数1〜4のアルキル基である場合の式3で示されるシロキサン単位及び/又は式5中のR2及びR3が炭素数1〜4のアルキル基である場合の式5で示されるシロキサン単位を有するものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液。
- 架橋シリコーン微粒子が、式3中のR1が第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基である場合の式3で示されるシロキサン単位及び/又は式5中のR2及びR3が第四級アンモニウム塩基を有するアルキル基である場合の式5で示されるシロキサン単位を有するものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のインクジェット記録媒体の光沢層用塗工液。
- 支持体上にインク受理層が形成されており、更に該インク受理層上に光沢層が形成されたインクジェット記録媒体において、光沢層が請求項1〜6のいずれか一つの項記載の光沢層用塗工液を架橋シリコーン微粒子として1〜30g/m2の割合で塗工して成るものであることを特徴とするインクジェット記録媒体。
- 支持体が木材パルプを主成分とする基紙である請求項7記載のインクジェット記録媒体。
- 支持体がポリオレフィン樹脂被覆紙である請求項7記載のインクジェット記録媒体。
- 支持体がポリエステル透明フィルムである請求項7記載のインクジェット記録媒体。
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