JP2004201444A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動車両利用者が車両から降車して歩行する際に、容易に電動車両を操作することができる電動車両を提供すること。
【解決手段】車両1に備えられた操作手段16に利用者が当該車両に乗車した状態で入力した走行速度及び走行方向に関する情報を検知して、車両の操舵機構及び駆動機構を制御する制御手段を備え、利用者が降車した状態で牽引する牽引手段2を車両1に係合して備えると共に、当該牽引手段2と車両1との係合箇所に、牽引手段2を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段3を備え、制御手段が、検出手段からの検出値に応じて車両の走行速度及び走行方向を制御して車両を走行駆動する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両1に備えられた操作手段16に利用者が当該車両に乗車した状態で入力した走行速度及び走行方向に関する情報を検知して、車両の操舵機構及び駆動機構を制御する制御手段を備え、利用者が降車した状態で牽引する牽引手段2を車両1に係合して備えると共に、当該牽引手段2と車両1との係合箇所に、牽引手段2を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段3を備え、制御手段が、検出手段からの検出値に応じて車両の走行速度及び走行方向を制御して車両を走行駆動する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車両にかかり、特に、主として高齢者や足腰の不自由な者が利用する歩行補助用の電動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢者人口の増加に伴い、電動車椅子などの電動車両が高齢者の外出をサポートする移動手段として運用される機会が増加し、また、それを主目的とした製品も既に数多く市販されている。例えば、図10に示す電動車両510は、操舵輪501と駆動輪502、これら車輪を駆動するための駆動機構となる電動機及びバッテリー503、車両自体の走行速度及び走行方向を操作する操作手段504、座席505とを備えた構成と成っている。
【0003】
そして、上記操作手段504は、スクーター状のハンドルと速度レバーとを組合せた構成を採っている。このような構成とすることで、乗員が既に修得している運転技能を用いて操作し易く、あるいは、新たに修得し易くなっており、当該乗員による操作の容易化を図っている。
【0004】
また、このような電動車両の操作手段としては、図11に示すような車椅子形状の車両610に備えられたジョイスティック方式(符号604参照)のものもある。かかる場合には、乗員がジョイスティックを倒した方向に車両が進むという制御方式を採っており、やはり乗員にとって、特に機械操作が不得意な高齢者にとって利用しやすい装置となっている。ちなみに、この図に示す電動車両610は、前輪601、後輪602共に2輪ずつ備えた4輪車両であり、図10に示すものと同様に、バッテリー603、座席605、図示しない電動機を備え、さらには、乗車した利用者が足を載せる足載部606、介護者が当該車両を押すための手押しハンドル607などが備えられている。
【0005】
そして、実際の利用時には、降車時に乗員自身により手押しで取り回し操作が行われる場面が少なくない。しかし、その操作を行うに当たっては利用者がある程度の力を必要とする場合があり、身体的な負担も少なくない。特に、利用者が高齢者などである場合にはなおさらである。
【0006】
この問題点を解決する方策として、下記の特許文献1に示す電動車椅子が提案されている。この特許文献1に開示されている電動車椅子は、上述した図11に示す操作手段604と同様の構成でジョイスティック方式のものであり、このジョイスティック部分が車両本体から着脱自在に構成されている。そして、車両本体と分離したジョイスティック部にて、車両をリモートコントロールするというものである。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−40763号公報(第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、車両から降りた乗員が車両本体から取り外したジョイスティック部を操作して車両を操作するには、ある程度の運転技量と慣れを要する。すなわち、車両自体をリモートコントロールするには、運転技量を養ったり、操作に慣れるための期間を要するという問題が生じる。
【0009】
また、電動車両の利用者には、虚弱高齢者だけでなく一部には歩行可能な身体能力を有する高齢者も含まれるため、それらの者にとっては外出時に歩行することも望まれる。その際に、電動車両にて外出したために歩行機会が失われるという問題も生じている。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記従来例に有する不都合を改善し、特に、電動車両利用者が車両から降車して歩行する際に、容易に電動車両を操作することができ、これにより、歩行の機会の増大を図ることができる電動車両を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、車両に備えられた操作手段に利用者が当該車両に乗車した状態で入力した走行速度及び走行方向に関する情報を検知して、車両の操舵機構及び駆動機構を制御する制御手段を備えた電動車両において、利用者が降車した状態で牽引する牽引手段を車両に係合して備えると共に、当該牽引手段と車両との係合箇所に、牽引手段を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段を備え、制御手段が、検出手段からの検出値に応じて車両の走行速度及び走行方向を制御して車両を走行駆動する、という構成を採っている。
【0012】
このとき、制御手段が、検出手段からの検出値である牽引力に応じて車両の走行速度を制御すると共に、検出手段からの検出値である牽引方向に応じて走行方向を制御する機能を有する。
【0013】
このような構成にすることにより、電動車両の利用者は降車して歩行する際に、車両に備えた牽引手段を歩行方向に牽引することで、かかる牽引力及び牽引方向に関する情報が検出手段にて検知される。そして、制御手段により、検知された値に応じて電動車両が走行するよう操舵機構及び駆動機構が制御される。従って、電動車両が歩行する利用者に追従して走行するようになり、利用者は特別の運転技能を修得することなく、また、多くの牽引力を要さず、容易に電動車両を牽引することができる。特に、牽引手段の牽引力に応じた走行速度で、かつ、牽引方向に応じた走行方向に、電動車両が利用者を追従するよう走行駆動されるため、利用者の牽引の状態が直接的に電動車両の走行状態に反映され、より容易に牽引することができる。このように牽引が容易になることから、利用者の歩行機会を促すことにもつながり、健康増進を図ることもできる。
【0014】
また、制御手段が、検出手段からの検出値に応じて車両を駆動制御する際に、利用者が乗車して操作する操作手段に入力された情報に基づいて走行駆動制御するときよりも遅い走行速度にて車両を走行駆動制御する機能を有する、こととすると望ましい。これにより、利用者がゆっくりと歩行する際にも電動車両を牽引することができ、さらには、他の歩行者などが牽引中の電動車両に十分に注意を払うことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0015】
そして、牽引手段と車両との係合箇所を、当該車両走行時の前進方向における車両前方部分に設けることとするとなお望ましい。これにより、電動車両の制御手段は当該車両を前進駆動制御することとなるため、牽引時の駆動制御が容易となると共に、車両の操舵性能を有効に利用することができる。
【0016】
さらに、牽引手段の車両係合箇所とは反対側の端部に降車した利用者にて操作される牽引操作手段を設けると共に、この牽引操作手段に対する操作情報を検出手段に伝達する信号線及び接続端子を牽引手段に備え、牽引操作手段に、利用者が牽引中の車両を停止させる際に操作する停止スイッチを設けると共に、制御手段が、検出手段を介して牽引操作手段から停止スイッチが操作された旨の信号を検知したときに車両を停止制御する機能を有する、という構成とするとなお望ましい。
【0017】
これにより、利用者が牽引時に車両を停止させたいときには、牽引するために把持等している牽引操作手段の停止スイッチを操作することで、その操作信号が牽引手段、検出手段を介して制御手段へと伝達し、当該制御手段により車両が停止制御される。従って、牽引時の周囲の状況に迅速に対応することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0018】
また、上記構成において、牽引操作手段に、利用者が車両を牽引走行させる際に操作する牽引走行スイッチを設けると共に、制御手段が、検出手段を介して牽引操作手段から牽引走行スイッチが操作されている旨の信号を検知している間のみ車両を走行制御する機能を有することとしてもよい。これにより、利用者の意思に基づいて利用者が牽引走行スイッチを操作している間のみ車両の牽引走行が可能となるため、より牽引操作時の安全性の向上を図ることができる。
【0019】
さらに、牽引手段は、紐状部材であると望ましい。これにより、利用者が電動車両に乗車する際には、紐状部材である牽引手段を折り畳んで車両に収納するなど、その保持場所が省スペースで済み、持ち運びが容易となる。また、使用時すなわち牽引時には、車両を牽引して歩行する利用者が立ち止まったとしても、車両が停止するまでに紐状部材である牽引手段がたるむことにより、利用者自体に追いつくことが抑制され、安全性の向上を図ることができる。
【0020】
一方、牽引手段は、棒状部材であってもよい。このようにすると、利用者の牽引状態を直接かつ正確に検出手段に伝達することができ、牽引時の操作性の向上を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明の第1の実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における構成を示す斜視図である。図2乃至図3は、本発明の要部となる箇所の構成を示す図である。図4は、本発明の構成を簡略化した機能ブロック図である。図5は、本発明における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【0022】
(構成)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態における電動車両は、高齢者や足腰の弱い者が利用する歩行補助用の電動車両1である。このような電動車両1は、シャシ11に、一輪の操舵輪12と、二輪からなる駆動輪13と、操舵輪12を操作する操舵機構14と、駆動輪13を駆動する電動機及び電源15とを備えている(駆動機構)。また、シャシ11の前方箇所、すなわち、操舵輪12及び操舵機構14の上方には、操作手段16が立設して備えられており、シャシ11上部に備えられている座席17に着座する利用者にて操作可能となっている。
【0023】
具体的には、操作手段16はスクーター状のハンドルと速度レバーとにより構成されており、当該操作手段16にて操舵輪12を操作すると共に車速を調整できる。すなわち、走行速度と走行方向に関する情報を入力することができる。また、シャシ11内部には、記憶部と演算部とから成る制御手段(図示せず)が備えられていて、当該制御手段は座席17に着座した利用者によって操作手段16に入力された情報(走行速度及び走行方向に関する情報)を検出し、操舵輪12の舵角制御や電動機の出力を制御する。これにより、利用者の操作による走行が可能となる。
【0024】
但し、本発明の電動車両は三輪型のものに限られず、上記従来技術として説明した四輪車椅子型のものであってもよい。そして、利用者が電動車両1に乗車したときの操作手段はハンドル型のものに限定されず、例えばジョイスティック方式のものであってもよい。
【0025】
また、本実施形態における電動車両1の前進方向の先端部分は、降車した利用者が牽引するロープ状の牽引手段2を電動車両1に係合する係合箇所となっており、当該係合箇所には、牽引手段2を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段3が備えられている。以下、主に、牽引手段2、検出手段3、制御手段について詳述する。
【0026】
(牽引手段)
牽引手段2は、その一端部が電動車両1に係合可能であり、係合された状態で車両から降車した利用者によってその他端部が牽引されるロープ状(紐状)の部材である。従って、この牽引手段2の車両と係合する側の端部(一端部)には係合部21が形成されていると共に、反対側の端部(他端部)には利用者が把持する把持部22が形成されている。
【0027】
把持部22は、略長方形の枠体22aの内部に棒状部材(グリップ部)22bが固定されて備えられた構成となっている。この棒状部材22bを利用者が把持して、ロープ2自体を引っ張ることにより、牽引力であるロープの張力及び牽引方向を車両側の検出手段3に伝えることができる。
【0028】
そして、係合部21は、ロープ2端部に係合するリング部材21aと、このリング部材21aに係合する検出手段側連結部材31に連結する牽引手段側連結部材21bとにより構成される。その詳細を、図2(a),(b)に示す。図2(a)は、牽引手段2と検出手段3との係合箇所の拡大図であり、図2(b)は、その連結構造を示す図である。これらの図に示すように、牽引手段側連結部材21bは、略円筒状の検出手段側連結部材31に挿通して嵌合する、円柱形状の先端部が二俣に形成された形状となっている。この二俣の部分が撓んで円筒形状である検出手段側連結部材31に挿通し、当該部分の外側に突出したロック部21cが当該連結部材31に嵌合して固定される。
【0029】
(検出手段)
電動車両1先端部に備えられた検出手段3は、上述した牽引手段側連結部21bを内嵌する検出手段側連結部31と、当該連結部31を水平面に対して垂直な面上を回動自在(図2(a)の矢印A1参照)に保持する筐体部32と、筐体部32を水平面上で回動自在(図2(a)の矢印A2参照)に保持する架台部33とにより構成されている。
【0030】
筐体部32は、円盤状の基板部32aと、当該基板部32aに立設した一対の長方形板からなる連結支持部32bと、から成る。そして、この連結支持部32bに検出手段側連結部31が水平面に対して垂直な面上を回動自在に支持されているが、戻りばね34を介して回動支持されている。その構成を図3を参照して説明する。図3は、検出手段3の構成を示す部分断面図である。
【0031】
図3に示すように、戻りばね34はコイルばねにて形成されており、当該コイルばねの中心に回動軸が形成されている。そして、コイルばねの一端部は連結部材31に形成されているピン部材34aに当接しており、他端部は連結支持部32bに形成されたピン部材34bに当接している。また、コイルばねは検出手段側連結部31の中心を挟んで対となるよう2つ備えられており、別のコイルばね(図示せず)の一端部は上記同様に連結部31に形成されたピン部材に当接していて、他端部は、後述するよう連結支持部32bに備えられた張力検出手段35に当接している。
【0032】
これにより、検出手段側連結部材31の開口部すなわち牽引手段2との連結箇所が、牽引手段2にて牽引されることにより前方(図3の左方向)を向くよう回動した場合でも(矢印A3参照)、常に基板部32aの面に対してほぼ垂直に上方を向くように付勢されているため、図3に示す位置に復帰するようになっている。このとき、連結支持部材32bに形成された別のピン部材34cによって、検出手段側連結部材31がさらに回動すること、すなわち、図3の右方向に回動することが抑制される。なお、戻りばね34は、図3ではコイルばねを例示したがこれに限定されるものではなく、検出手段側連結部材31が回動するよう付勢するものであればよい。
【0033】
また、連結支持部32bには、上記戻りばね34の他端部に当接する、例えばロードセルといった張力検出手段35が備えられている。すなわち、この張力検出手段35は、上述したように2つのうち1つの戻りばねの他端部に当接している。なお、ここでは、実際に張力検出手段35に当接する戻りばねを図示していないが、符号34に示す戻りばねが張力検出手段35に当接しているものとして説明する。上記戻りばね34に抗して連結部材31が回動することとなると、戻りばねによりロードセルに所定の負荷がかかる。すなわち、検出手段3に連結された牽引手段2を利用者が引っ張ると、検出手段側の連結部材31が戻りばね34の復帰力に抗して回動し、これによりロードセル35に負荷がかかる。かかる負荷を計測することにより、いかなる力で利用者が牽引しようとしているのか、換言すると、いかなる速度にて歩行しているのかを測定することができる。このため、後述するように、ロードセル35は車両1の制御手段に接続されている。但し、ロードセルは張力検出手段31の一例であって、これに限定されるものではない。張力検出手段31は、例えば、検出手段側連結部材31の回動角度を検出するセンサであってもよい。
【0034】
また、連結支持部32bを固定する基板部32aは、水平面上で回動自在に架台部33に支持されている。そして、その支持軸33aには角度検出手段36が備えられていて、図3ではその一例としてポテンショメータが図示してある。また、このポテンショメータ36に当接しつつ、基板部32aと共に回転する可動片36aが当該基板部32aに固定されている。これにより、架台部33に対する基板部32aの回転角度が測定できるようになっている。具体的には、基板部32aは、牽引手段2にて引っ張られた方向に連結部材31と共に連結支持部32b及び基板部32aが回転するため、牽引力のかかる牽引方向を検出することができる。従って、角度検出手段36は車両1の制御手段に接続されている。
【0035】
そして、連結支持部32bに回動支持される検出手段側連結部材31は、牽引手段2との連結部分側は円筒形状にて形成されている。そして、円筒形状部分に上述した牽引手段側連結部材21bを内嵌するが、当該連結部材21bに形成されたロック部21cが嵌合する凹部31aが円筒内面に形成されている。そして、これに対応して、凹部31aが形成されている箇所の円筒外面は外部に突出した形状(突出部31b)となっており、かかる突出部31bは弾性部材にて形成されている。このようにすることで、突出部31bを押圧すると牽引手段側連結部材21bのロック部21cが、検出手段側連結部材31の凹部31aから押し出され、嵌合している状態が解除され、これらの連結状態を解除することできる。従って、牽引手段2を検出手段3から取り外すことが容易となる。
【0036】
(制御手段)
制御手段は、上述したように車両内部に備えられており、操作手段16の入力値に応じて操舵機構や駆動機構を制御して車両自体を走行制御するコンピュータである。本実施形態では、さらに、上述したように制御装置に牽引手段2の牽引状態を検出する張力検出手段35及び角度検出手段36とに接続されていて、これらからの検出値に応じて電動車両1自体の走行速度及び走行方向を制御して当該車両1を走行駆動する機能を有している。かかる構成の概略図を、図4のブロック図に示す。
【0037】
具体的には、制御手段4であるコンピュータには、張力検出手段35及び角度検出手段36からの検出値を検出する機能(図示せず)と、検出された張力すなわち牽引力から降車乗員の電動車両に対する相対速度、及び、検出された角度すなわち牽引方向から降車乗員の相対位置を算出する機能41と、相対速度(牽引力)に応じて車両の走行速度及び相対位置(牽引方向)に応じて走行方向を制御する機能42と、を備えている。ここで、上記機能は、あらかじめ制御手段4であるコンピュータの記憶部(図示せず)に記憶されているプログラムが、当該コンピュータのCPUに組み込まれることにより実現される。
【0038】
上記相対速度及び相対位置算出機能41では、例えば、相対速度に関しては、あらかじめ実験などにより定められた張力と相対速度との関係を表すデータが制御手段4に記憶されていて、かかるデータを参照して算出される。また、相対位置に関しては、検出された角度に基づいて算出される。
【0039】
また、上記走行速度及び走行方向を制御する機能42は、上記機能41にて算出された相対速度及び相対位置に基づいて降車乗員を追従するよう車両の動作を制御するが、例えば、相対速度と同等の速度にて車両1が走行するよう電動機51を制御したり、相対位置の方向である角度に操舵機構52を制御したりする。但し、かかる車両の制御方法は、従来より行われているジョイスティック方式によるものと同様の構成にて行われてもよい。
【0040】
(動作)
次に、本実施形態における制御手段4による動作を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0041】
まず、利用者は電動車両1から降車し、車両1に収納されている牽引手段2を取り出して検出手段3に装着する。その後、電動車両1の操作手段16などに備えられている操作部を操作することにより、車両の動作モードを牽引モードに切り換える。
【0042】
そして、制御手段4は、あるサンプリングタイム毎に張力検出手段35からの値を検出する。そして、ある値以上の張力値を検出すると(ステップS1で肯定判断)、その時点の張力値及び角度検出手段36から角度値を検出する(ステップS2)。すなわち、利用者にて牽引手段2が引っ張られたときである。
【0043】
続いて、張力値と記憶されている所定のデータとから降車した利用者の電動車両に対する相対歩行速度を、また、角度値から相対位置を算出する(ステップS3)。算出した相対速度、相対位置情報に基づいて、駆動力、操舵角を算出し、駆動機構(電動機)及び操舵機構の制御値を算出する(ステップS4)。そして、各制御値に基づいて電動機、操舵機構を制御することで、電動車両1が降車した利用者を追従するよう走行制御する(ステップS5)。
【0044】
そして、上記処理が所定のサンプリングタイム毎に繰り返され、車両1は降車した利用者に牽引された方向に自動走行することとなる。従って、利用者にとっては特別な運転技能を必要とせず、また、電動車両1を牽引するための大きな力を必要とせず、容易に電動車両1を移動することができる。これにより、利用者が乗車時には電動車両本来の役割を果たしつつ、降車時には利用者の歩行機会を促し、健康増進を図ることができる。
【0045】
ちなみに、本実施形態では、牽引手段2は紐状部材であるが、これにより、利用者が電動車両1に乗車する際には、紐状部材である牽引手段2を折り畳んで車両に収納するなど、その保持場所が省スペースで済み、あるいは、荷物として持ち歩いたとしてもその持ち運びが容易となる。また、使用時すなわち牽引時には、車両1を牽引して歩行する利用者が立ち止まったとしても、車両1が停止するまでに紐状部材である牽引手段2がたるむことにより、利用者自体に追いつくことが抑制され、安全性の向上を図ることができる。
【0046】
ここで、上述した説明では、牽引時に電動車両1は降車した利用者との相対速度にて走行すると説明したが、これに限定されない。例えば、牽引時の車両走行速度は、利用者が乗車して操作する際に操作手段(ジョイスティックなど)に入力された値に基づいて走行制御するときの速度よりも、遅い速度であると望ましい。すなわち、制御手段4がそのように車両を駆動制御する機能を備えていることとすると望ましい。このようにすることで、利用者を追従する電動車両1に当該利用者が追い越されないようになると共に、他の歩行者などが牽引中の電動車両に注意を払うことが容易となり、安全性の向上を図ることができる。
【0047】
また、上述した説明では、牽引手段2と車両1との係合箇所を、当該車両走行時の前進方向における車両前方部分に設ける構成を示したが、かかる場所に設けることに限定されない。但し、前方先端部に設けることにより、電動車両1の制御手段は当該車両を前進駆動制御することとなるため、牽引時の駆動制御が容易となると共に、車両の操舵性能を有効に利用することができる。
【0048】
〈第2の実施形態〉
以下、本発明の第2の実施形態を、図6乃至図7を参照して説明する。図6は、本実施形態おける構成を示す斜視図である。図7は、本実施形態における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【0049】
(構成)
第2の実施形態における電動車両110は、上述した第1の実施形態とほぼ同一の構成を採っている。但し、本実施形態では、以下の点で異なる。まず、牽引手段120の車両係合箇所とは反対側の端部に、降車した利用者にて操作される牽引操作手段122を設けると共に、この牽引操作手段122に対する操作情報を検出手段130に伝達する信号線及び接続端子を牽引手段120に設けている。そして、牽引操作手段122に、利用者が牽引中の車両を停止させる際に操作する停止スイッチ123を設けると共に、制御手段が、検出手段130を介して牽引操作手段122から停止スイッチ123が操作された旨の信号を検知したときに車両1を停止制御する機能を有する、という構成を採っている。
【0050】
また、上記構成に加えて、牽引操作手段122に、利用者が車両1を牽引走行させる際に操作する牽引走行スイッチ124を設けると共に、制御手段が、検出手段130を介して牽引操作手段122から牽引走行スイッチ124が操作されている旨の信号を検知している間のみ車両を走行制御する機能を有する、という構成を採っている。以下、これを詳述する。
【0051】
図6に示すように、牽引手段120の牽引側端部には上述した第1の実施形態における把持部22とほぼ同一の形状を有する牽引操作手段122が備えられている。すなわち、牽引操作手段122は、略長方形の枠体122aの内部に棒状部材122bが固定されて備えられた構成となっている。この棒状部材122bを利用者が把持して、ロープ120自体を引っ張ることにより、牽引力であるロープの張力及び牽引方向を車両側の検出手段130に伝えることができる。
【0052】
そして、枠体122aの外周には上述した牽引走行スイッチ124が設けられている。この牽引走行スイッチ124は、枠体122aの一辺に沿って形成された押しボタン式のスイッチであり、これを押すことにより牽引走行スイッチが入れられた状態(オン状態)となる。例えば、棒状部材122bと共に握るよう操作する。そして、このスイッチが入れられると、その旨の信号が、ロープ120内部の信号線及び接続端子(図示せず)を介して当該ロープ120の他端部に連結されている検出手段130に伝達される。但し、牽引走行スイッチ124は、上記構成に限定されるものではない。例えば、触れることによりスイッチが入れられた状態となるタッチセンサ式のスイッチでもよく、その他の構成であってもよい。また、当該スイッチ124の形成位置も上記箇所に限定されるものではない。
【0053】
また、枠体122aの外周であって、棒状部材122bの固定部分の反対側には、円形状の押しボタン式の停止スイッチ123が備えられている。例えば、このスイッチ123を利用者が車両を牽引中に親指で押すことにより、その旨の信号がロープ120内部の信号線及び接続端子(図示せず)を介して当該ロープ120の他端部に連結されている検出手段130に伝達される。但し、停止スイッチ123は、上記構成に限定されるものではなく、また、その形成位置も上記箇所に限定されるものではない。
【0054】
そして、制御手段の上述した機能を詳述すると、まず車両停止機能は、停止スイッチ123が操作された旨の信号を検知したときに、駆動機構すなわち電動機に対して送信すべき駆動制御信号があっても、その送信を停止する。すると、従来のジョイスティック方式による電動車両と同様に、自動的にブレーキがかかる状態となって走行中の車両1は停止する。また走行制御機能は、牽引走行スイッチ124が操作されている旨の信号を検知している間のみ、駆動機構すなわち電動機に対して送信すべき駆動制御信号を送信する。逆に、かかる操作がなされていない時には、検出手段130が牽引力を検知したとしても、電動機に駆動制御信号が送信されない。従って、かかる場合にも従来のジョイスティック方式による電動車両と同様に、自動的にブレーキがかかる状態となる。
【0055】
(動作)
次に、本実施形態における制御手段の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。ちなみに、制御手段であるコンピュータは、図7のフローチャート処理以外に、並列処理として常に牽引走行スイッチ124及び停止スイッチ123の操作状況を検出している。そして、牽引走行スイッチ124が押された状態(オン状態)となると、プログラム内のフラグF1=1とし、当該スイッチ124の押されていない状態(オフ状態)のときにはフラグF1=0となる。また、停止スイッチ123が押された状態(オン状態)となると、フラグF2=1となり、解除されてもそのままである。
【0056】
まず、利用者が降車したときに、車両1の操作手段などに備えられている所定のスイッチを牽引モードに切り換えると、牽引動作処理が開始される。そして、コンピュータにて牽引用プログラムが作動し、フラグF1=0,フラグF2=0とされ、初期化される(ステップS11)。
【0057】
そして、利用者が牽引操作手段122を握り、牽引走行スイッチ124がオン状態となると、フラグF1=1となる。ここで、プログラム上では常にフラグF1の値及びフラグF2の値が調べられており(ステップS12)、F1=1かつF2=0であることが検出されると(ステップS12で肯定判断)、牽引手段120に張力がかかっているか、すなわち、利用者にて牽引動作が行われているか否かが調べられる(ステップS13)。このとき、張力が検出されない場合には(ステップS13で否定判断)、ステップS12に戻り、張力検出が繰り返される。
【0058】
一方、利用者が牽引走行スイッチ124をオン状態にせず、牽引動作意思を示さない場合、例えば、牽引走行スイッチ124から手を離した場合には、コンピュータから駆動機構(電動機)などに駆動制御信号の送信を停止する(ステップS17)。これにより、利用者が牽引走行させる意思を示した場合にのみ牽引による車両の走行が可能であり、意図しない車両の走行を回避することができる。また、利用者が停止スイッチ123を押した場合にはF2=1となるため、牽引走行スイッチ124の状態に関わらず、ステップ12にて否定判断されて上記同様に扱われる(ステップS17)。なお、ステップS17の後にフラグF2の値が調べられるが(ステップS18)、F2=1でなければ(例えば、ステップS12でF1=0により否定判断されたとき)、ステップS18にて否定判断されてステップS12に戻り、F2=1であれば(ステップS18にて肯定判断)一定時間待機状態となり(ステップS19)、牽引処理が終了する。その後は、自動的にステップS11に戻り、各フラグが初期化されて再度牽引モードとなる。
【0059】
そして、利用者が牽引走行スイッチ124を押した状態で(フラグF1=1)、牽引手段120による張力が検出手段130を介して検出されると(ステップS13で肯定判断)、上述したように張力値及び角度値が検出され、これに応じた駆動機構あるいは操舵機構の制御値が算出される(ステップS14)。
【0060】
その後、フラグF2の値を調べるが、かかる値が0である場合には(ステップS15にて否定判断)、停止スイッチ123が押されていないため、算出された制御信号を駆動機構(電動機)や操舵機構に送信する(ステップS16)。そして、再度ステップS12に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0061】
一方、ステップS15に進むまでに停止スイッチ123が操作された場合にはフラグF2=1となるため、ステップS15にて肯定判断されて、上述したように制御信号送信が停止され(ステップS17)、一定時間待機状態となり(ステップS19)、牽引操作が不能となる。
【0062】
このようにすることにより、利用者が牽引操作手段122の牽引走行スイッチ124を操作している間のみ牽引走行が可能となるため、利用者が意図しないときに車両が走行してしまうことを抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。また、停止スイッチ123も設けたため、牽引中でも車両を停止させることができ、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0063】
なお、上記説明では牽引操作手段122に牽引走行スイッチ124及び停止スイッチ123の両者が設置されている場合を例示したが、必ずしもこれに限定されない。牽引走行スイッチ124あるいは停止スイッチ123のいずれか一方が設置されている構成であってもよく、このようにしても上記効果を得ることができる。
【0064】
〈第3の実施形態〉
以下、本発明の第3の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態における検出手段の構成を示す斜視図であり、図8(a),(b)はそれぞれその構成の一例を示す図である。
【0065】
この図に示すように、本実施形態における電動車両は、基本的な構成、作用、効果は上述した第1,第2の実施形態と同様であるが、本実施形態の検出手段230,330の構成が異なる。
【0066】
例えば、図8(a)に示す構成の検出手段230は、架台部231に支柱232を備え、この支柱232の上部に図示しない牽引手段と連結する検出手段側連結部233が固定されている。そして、支柱232の架台部231側の端部付近、すなわち、支柱の根本付近には、当該支柱232のたわみを検出する2つの曲げトルク検出手段234,235が配設されている。この2つの曲げトルク検出手段234,235は、具体的にはロードセルであり、異なる位置に備えられている。但し、この曲げトルク検出手段234,235は、ロードセルに限定されず、また、その個数も2つに限定されない。
【0067】
そして、上記ロードセル234,235から得られるトルク値は、図示しない制御手段にて検出される。これらの値を検出した制御手段は、上述したように当該検出値やあらかじめ実験にて定められているトルク値と牽引手段による牽引力(張力)、牽引方向との関係を表すデータから、そのときの牽引力及び牽引方向を算出する。そして、その算出値に基づいて駆動機構や操舵機構を駆動制御する。
【0068】
また、図8(b)に他の構成による検出手段330の構成を示す。この図8(b)に示す検出手段330は、図8(a)に示すものとほぼ同様の架台部331、支柱332、検出手段側連結部333を備えており、これに加えて、支柱332下部に、牽引力及び牽引方向を検出する圧縮荷重検出手段(曲げモーメント検出手段)334,335と、支柱332を揺動可能に支持する支持部材336とを備えている。
【0069】
そして、具体的に、支柱332には、その下部の前方に支柱補助部材337が備えられており、当該支柱332の下部の形状はT字状になっている。そして、支持部材336は、後方の下部に備えられている。また、圧縮荷重検出手段334,335としてのロードセル二つは、支柱補助部材337の両端部下部に備えられている。そして、これらロードセル334,335による検出値、すなわち、支柱332のうける曲げモーメントは、制御手段にて検出されるようになっている。但し、上記圧縮荷重検出手段は、ロードセルにて形成されていることに限定されない。
【0070】
このようにすることにより、上記圧縮荷重検出手段である二つのロードセル334,335により、支柱332に前方方向にかかる力、すなわち、牽引手段による牽引力を検出することができる。同様に、二つのロードセル334,335により支柱332の左右方向にかかる力、すなわち、牽引手段による牽引力のかかる方向を検出することができる。従って、これらの値に基づいて、上述同様に駆動機構、操舵機構の制御を行うことができる。
【0071】
〈第4の実施形態〉
以下、本発明の第4の実施形態を、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態における電動車両410の構成を示す斜視図である。
【0072】
この図に示すように、本実施形態における牽引手段420がロープではなく、棒状部材である。そして、その先端部には、上述した把持部(牽引操作手段)422が備えられている。これを利用者が牽引することにより、検出手段430を介して制御手段にて牽引力、牽引方向が検出され、これらの値に基づいて車両410が牽引走行制御される。その構成、作用、効果は上述した通りである。
【0073】
このように牽引手段420が棒状部材であると、牽引操作の状態が直接的に検出手段430に伝達されることとなり、すなわち、牽引力、牽引方向をより確実に制御手段に伝達することができる。従って、牽引操作時の操作性能の向上を図ることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、車両に牽引手段を備えると共に、降車した利用者による牽引状況である牽引力及び牽引方向を検出手段、制御手段が検知して、かかる検出値に応じて電動車両の走行速度及び走行方向を制御するという構成としたので、電動車両が歩行する利用者に追従して走行するようになり、利用者は特別の運転技能を修得することなく、また、多くの牽引力を要さず、容易に電動車両を牽引することができる。特に、牽引手段の牽引力及び牽引方向に応じた走行速度、走行方向に電動車両が利用者を追従するよう走行駆動されるため、利用者の牽引の状態が直接的に電動車両の走行状態に反映されるため、より容易に牽引することができ、このように牽引が容易になることから、利用者の歩行機会を促すことにもつながり、健康増進を図ることもできる、という従来にない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に開示した牽引手段と検出手段との連結箇所の構成を示す図である。図2(a)は、連結箇所の斜視図を示し、図2(b)は、連結箇所の部品を示す斜視図である。
【図3】図1に開示した検出手段の構成を示す部分断面図である。
【図4】第1の実施形態における構成を簡略化して示した機能ブロック図である。
【図5】第1の実施形態における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態おける構成を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態における検出手段の構成を示す斜視図であり、図8(a),(b)はそれぞれその構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における構成を示す斜視図である。
【図10】従来における電動車両の構成の一例を示す図である。
【図11】従来における電動車両の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,110,410 電動車両
2,120 牽引手段
3,130,230,330,430 検出手段
4 制御手段(コンピュータ)
14 操舵機構
15 駆動機構(電動機)
16 操作手段
21 係合部
22 把持部
21b 牽引手段側連結部材
31 検出手段側連結部材
32 筐体部
33 架台部
34 戻りばね
35 張力検出手段
36 角度検出手段
32a 基板部
32b 連結支持部
122 牽引操作手段
123 停止スイッチ
124 牽引走行スイッチ
232,332 支柱
234,235 曲げトルク検出手段
334,335 曲げモーメント検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動車両にかかり、特に、主として高齢者や足腰の不自由な者が利用する歩行補助用の電動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢者人口の増加に伴い、電動車椅子などの電動車両が高齢者の外出をサポートする移動手段として運用される機会が増加し、また、それを主目的とした製品も既に数多く市販されている。例えば、図10に示す電動車両510は、操舵輪501と駆動輪502、これら車輪を駆動するための駆動機構となる電動機及びバッテリー503、車両自体の走行速度及び走行方向を操作する操作手段504、座席505とを備えた構成と成っている。
【0003】
そして、上記操作手段504は、スクーター状のハンドルと速度レバーとを組合せた構成を採っている。このような構成とすることで、乗員が既に修得している運転技能を用いて操作し易く、あるいは、新たに修得し易くなっており、当該乗員による操作の容易化を図っている。
【0004】
また、このような電動車両の操作手段としては、図11に示すような車椅子形状の車両610に備えられたジョイスティック方式(符号604参照)のものもある。かかる場合には、乗員がジョイスティックを倒した方向に車両が進むという制御方式を採っており、やはり乗員にとって、特に機械操作が不得意な高齢者にとって利用しやすい装置となっている。ちなみに、この図に示す電動車両610は、前輪601、後輪602共に2輪ずつ備えた4輪車両であり、図10に示すものと同様に、バッテリー603、座席605、図示しない電動機を備え、さらには、乗車した利用者が足を載せる足載部606、介護者が当該車両を押すための手押しハンドル607などが備えられている。
【0005】
そして、実際の利用時には、降車時に乗員自身により手押しで取り回し操作が行われる場面が少なくない。しかし、その操作を行うに当たっては利用者がある程度の力を必要とする場合があり、身体的な負担も少なくない。特に、利用者が高齢者などである場合にはなおさらである。
【0006】
この問題点を解決する方策として、下記の特許文献1に示す電動車椅子が提案されている。この特許文献1に開示されている電動車椅子は、上述した図11に示す操作手段604と同様の構成でジョイスティック方式のものであり、このジョイスティック部分が車両本体から着脱自在に構成されている。そして、車両本体と分離したジョイスティック部にて、車両をリモートコントロールするというものである。
【0007】
【特許文献1】
特公平7−40763号公報(第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、車両から降りた乗員が車両本体から取り外したジョイスティック部を操作して車両を操作するには、ある程度の運転技量と慣れを要する。すなわち、車両自体をリモートコントロールするには、運転技量を養ったり、操作に慣れるための期間を要するという問題が生じる。
【0009】
また、電動車両の利用者には、虚弱高齢者だけでなく一部には歩行可能な身体能力を有する高齢者も含まれるため、それらの者にとっては外出時に歩行することも望まれる。その際に、電動車両にて外出したために歩行機会が失われるという問題も生じている。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記従来例に有する不都合を改善し、特に、電動車両利用者が車両から降車して歩行する際に、容易に電動車両を操作することができ、これにより、歩行の機会の増大を図ることができる電動車両を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、車両に備えられた操作手段に利用者が当該車両に乗車した状態で入力した走行速度及び走行方向に関する情報を検知して、車両の操舵機構及び駆動機構を制御する制御手段を備えた電動車両において、利用者が降車した状態で牽引する牽引手段を車両に係合して備えると共に、当該牽引手段と車両との係合箇所に、牽引手段を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段を備え、制御手段が、検出手段からの検出値に応じて車両の走行速度及び走行方向を制御して車両を走行駆動する、という構成を採っている。
【0012】
このとき、制御手段が、検出手段からの検出値である牽引力に応じて車両の走行速度を制御すると共に、検出手段からの検出値である牽引方向に応じて走行方向を制御する機能を有する。
【0013】
このような構成にすることにより、電動車両の利用者は降車して歩行する際に、車両に備えた牽引手段を歩行方向に牽引することで、かかる牽引力及び牽引方向に関する情報が検出手段にて検知される。そして、制御手段により、検知された値に応じて電動車両が走行するよう操舵機構及び駆動機構が制御される。従って、電動車両が歩行する利用者に追従して走行するようになり、利用者は特別の運転技能を修得することなく、また、多くの牽引力を要さず、容易に電動車両を牽引することができる。特に、牽引手段の牽引力に応じた走行速度で、かつ、牽引方向に応じた走行方向に、電動車両が利用者を追従するよう走行駆動されるため、利用者の牽引の状態が直接的に電動車両の走行状態に反映され、より容易に牽引することができる。このように牽引が容易になることから、利用者の歩行機会を促すことにもつながり、健康増進を図ることもできる。
【0014】
また、制御手段が、検出手段からの検出値に応じて車両を駆動制御する際に、利用者が乗車して操作する操作手段に入力された情報に基づいて走行駆動制御するときよりも遅い走行速度にて車両を走行駆動制御する機能を有する、こととすると望ましい。これにより、利用者がゆっくりと歩行する際にも電動車両を牽引することができ、さらには、他の歩行者などが牽引中の電動車両に十分に注意を払うことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0015】
そして、牽引手段と車両との係合箇所を、当該車両走行時の前進方向における車両前方部分に設けることとするとなお望ましい。これにより、電動車両の制御手段は当該車両を前進駆動制御することとなるため、牽引時の駆動制御が容易となると共に、車両の操舵性能を有効に利用することができる。
【0016】
さらに、牽引手段の車両係合箇所とは反対側の端部に降車した利用者にて操作される牽引操作手段を設けると共に、この牽引操作手段に対する操作情報を検出手段に伝達する信号線及び接続端子を牽引手段に備え、牽引操作手段に、利用者が牽引中の車両を停止させる際に操作する停止スイッチを設けると共に、制御手段が、検出手段を介して牽引操作手段から停止スイッチが操作された旨の信号を検知したときに車両を停止制御する機能を有する、という構成とするとなお望ましい。
【0017】
これにより、利用者が牽引時に車両を停止させたいときには、牽引するために把持等している牽引操作手段の停止スイッチを操作することで、その操作信号が牽引手段、検出手段を介して制御手段へと伝達し、当該制御手段により車両が停止制御される。従って、牽引時の周囲の状況に迅速に対応することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0018】
また、上記構成において、牽引操作手段に、利用者が車両を牽引走行させる際に操作する牽引走行スイッチを設けると共に、制御手段が、検出手段を介して牽引操作手段から牽引走行スイッチが操作されている旨の信号を検知している間のみ車両を走行制御する機能を有することとしてもよい。これにより、利用者の意思に基づいて利用者が牽引走行スイッチを操作している間のみ車両の牽引走行が可能となるため、より牽引操作時の安全性の向上を図ることができる。
【0019】
さらに、牽引手段は、紐状部材であると望ましい。これにより、利用者が電動車両に乗車する際には、紐状部材である牽引手段を折り畳んで車両に収納するなど、その保持場所が省スペースで済み、持ち運びが容易となる。また、使用時すなわち牽引時には、車両を牽引して歩行する利用者が立ち止まったとしても、車両が停止するまでに紐状部材である牽引手段がたるむことにより、利用者自体に追いつくことが抑制され、安全性の向上を図ることができる。
【0020】
一方、牽引手段は、棒状部材であってもよい。このようにすると、利用者の牽引状態を直接かつ正確に検出手段に伝達することができ、牽引時の操作性の向上を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明の第1の実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における構成を示す斜視図である。図2乃至図3は、本発明の要部となる箇所の構成を示す図である。図4は、本発明の構成を簡略化した機能ブロック図である。図5は、本発明における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【0022】
(構成)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態における電動車両は、高齢者や足腰の弱い者が利用する歩行補助用の電動車両1である。このような電動車両1は、シャシ11に、一輪の操舵輪12と、二輪からなる駆動輪13と、操舵輪12を操作する操舵機構14と、駆動輪13を駆動する電動機及び電源15とを備えている(駆動機構)。また、シャシ11の前方箇所、すなわち、操舵輪12及び操舵機構14の上方には、操作手段16が立設して備えられており、シャシ11上部に備えられている座席17に着座する利用者にて操作可能となっている。
【0023】
具体的には、操作手段16はスクーター状のハンドルと速度レバーとにより構成されており、当該操作手段16にて操舵輪12を操作すると共に車速を調整できる。すなわち、走行速度と走行方向に関する情報を入力することができる。また、シャシ11内部には、記憶部と演算部とから成る制御手段(図示せず)が備えられていて、当該制御手段は座席17に着座した利用者によって操作手段16に入力された情報(走行速度及び走行方向に関する情報)を検出し、操舵輪12の舵角制御や電動機の出力を制御する。これにより、利用者の操作による走行が可能となる。
【0024】
但し、本発明の電動車両は三輪型のものに限られず、上記従来技術として説明した四輪車椅子型のものであってもよい。そして、利用者が電動車両1に乗車したときの操作手段はハンドル型のものに限定されず、例えばジョイスティック方式のものであってもよい。
【0025】
また、本実施形態における電動車両1の前進方向の先端部分は、降車した利用者が牽引するロープ状の牽引手段2を電動車両1に係合する係合箇所となっており、当該係合箇所には、牽引手段2を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段3が備えられている。以下、主に、牽引手段2、検出手段3、制御手段について詳述する。
【0026】
(牽引手段)
牽引手段2は、その一端部が電動車両1に係合可能であり、係合された状態で車両から降車した利用者によってその他端部が牽引されるロープ状(紐状)の部材である。従って、この牽引手段2の車両と係合する側の端部(一端部)には係合部21が形成されていると共に、反対側の端部(他端部)には利用者が把持する把持部22が形成されている。
【0027】
把持部22は、略長方形の枠体22aの内部に棒状部材(グリップ部)22bが固定されて備えられた構成となっている。この棒状部材22bを利用者が把持して、ロープ2自体を引っ張ることにより、牽引力であるロープの張力及び牽引方向を車両側の検出手段3に伝えることができる。
【0028】
そして、係合部21は、ロープ2端部に係合するリング部材21aと、このリング部材21aに係合する検出手段側連結部材31に連結する牽引手段側連結部材21bとにより構成される。その詳細を、図2(a),(b)に示す。図2(a)は、牽引手段2と検出手段3との係合箇所の拡大図であり、図2(b)は、その連結構造を示す図である。これらの図に示すように、牽引手段側連結部材21bは、略円筒状の検出手段側連結部材31に挿通して嵌合する、円柱形状の先端部が二俣に形成された形状となっている。この二俣の部分が撓んで円筒形状である検出手段側連結部材31に挿通し、当該部分の外側に突出したロック部21cが当該連結部材31に嵌合して固定される。
【0029】
(検出手段)
電動車両1先端部に備えられた検出手段3は、上述した牽引手段側連結部21bを内嵌する検出手段側連結部31と、当該連結部31を水平面に対して垂直な面上を回動自在(図2(a)の矢印A1参照)に保持する筐体部32と、筐体部32を水平面上で回動自在(図2(a)の矢印A2参照)に保持する架台部33とにより構成されている。
【0030】
筐体部32は、円盤状の基板部32aと、当該基板部32aに立設した一対の長方形板からなる連結支持部32bと、から成る。そして、この連結支持部32bに検出手段側連結部31が水平面に対して垂直な面上を回動自在に支持されているが、戻りばね34を介して回動支持されている。その構成を図3を参照して説明する。図3は、検出手段3の構成を示す部分断面図である。
【0031】
図3に示すように、戻りばね34はコイルばねにて形成されており、当該コイルばねの中心に回動軸が形成されている。そして、コイルばねの一端部は連結部材31に形成されているピン部材34aに当接しており、他端部は連結支持部32bに形成されたピン部材34bに当接している。また、コイルばねは検出手段側連結部31の中心を挟んで対となるよう2つ備えられており、別のコイルばね(図示せず)の一端部は上記同様に連結部31に形成されたピン部材に当接していて、他端部は、後述するよう連結支持部32bに備えられた張力検出手段35に当接している。
【0032】
これにより、検出手段側連結部材31の開口部すなわち牽引手段2との連結箇所が、牽引手段2にて牽引されることにより前方(図3の左方向)を向くよう回動した場合でも(矢印A3参照)、常に基板部32aの面に対してほぼ垂直に上方を向くように付勢されているため、図3に示す位置に復帰するようになっている。このとき、連結支持部材32bに形成された別のピン部材34cによって、検出手段側連結部材31がさらに回動すること、すなわち、図3の右方向に回動することが抑制される。なお、戻りばね34は、図3ではコイルばねを例示したがこれに限定されるものではなく、検出手段側連結部材31が回動するよう付勢するものであればよい。
【0033】
また、連結支持部32bには、上記戻りばね34の他端部に当接する、例えばロードセルといった張力検出手段35が備えられている。すなわち、この張力検出手段35は、上述したように2つのうち1つの戻りばねの他端部に当接している。なお、ここでは、実際に張力検出手段35に当接する戻りばねを図示していないが、符号34に示す戻りばねが張力検出手段35に当接しているものとして説明する。上記戻りばね34に抗して連結部材31が回動することとなると、戻りばねによりロードセルに所定の負荷がかかる。すなわち、検出手段3に連結された牽引手段2を利用者が引っ張ると、検出手段側の連結部材31が戻りばね34の復帰力に抗して回動し、これによりロードセル35に負荷がかかる。かかる負荷を計測することにより、いかなる力で利用者が牽引しようとしているのか、換言すると、いかなる速度にて歩行しているのかを測定することができる。このため、後述するように、ロードセル35は車両1の制御手段に接続されている。但し、ロードセルは張力検出手段31の一例であって、これに限定されるものではない。張力検出手段31は、例えば、検出手段側連結部材31の回動角度を検出するセンサであってもよい。
【0034】
また、連結支持部32bを固定する基板部32aは、水平面上で回動自在に架台部33に支持されている。そして、その支持軸33aには角度検出手段36が備えられていて、図3ではその一例としてポテンショメータが図示してある。また、このポテンショメータ36に当接しつつ、基板部32aと共に回転する可動片36aが当該基板部32aに固定されている。これにより、架台部33に対する基板部32aの回転角度が測定できるようになっている。具体的には、基板部32aは、牽引手段2にて引っ張られた方向に連結部材31と共に連結支持部32b及び基板部32aが回転するため、牽引力のかかる牽引方向を検出することができる。従って、角度検出手段36は車両1の制御手段に接続されている。
【0035】
そして、連結支持部32bに回動支持される検出手段側連結部材31は、牽引手段2との連結部分側は円筒形状にて形成されている。そして、円筒形状部分に上述した牽引手段側連結部材21bを内嵌するが、当該連結部材21bに形成されたロック部21cが嵌合する凹部31aが円筒内面に形成されている。そして、これに対応して、凹部31aが形成されている箇所の円筒外面は外部に突出した形状(突出部31b)となっており、かかる突出部31bは弾性部材にて形成されている。このようにすることで、突出部31bを押圧すると牽引手段側連結部材21bのロック部21cが、検出手段側連結部材31の凹部31aから押し出され、嵌合している状態が解除され、これらの連結状態を解除することできる。従って、牽引手段2を検出手段3から取り外すことが容易となる。
【0036】
(制御手段)
制御手段は、上述したように車両内部に備えられており、操作手段16の入力値に応じて操舵機構や駆動機構を制御して車両自体を走行制御するコンピュータである。本実施形態では、さらに、上述したように制御装置に牽引手段2の牽引状態を検出する張力検出手段35及び角度検出手段36とに接続されていて、これらからの検出値に応じて電動車両1自体の走行速度及び走行方向を制御して当該車両1を走行駆動する機能を有している。かかる構成の概略図を、図4のブロック図に示す。
【0037】
具体的には、制御手段4であるコンピュータには、張力検出手段35及び角度検出手段36からの検出値を検出する機能(図示せず)と、検出された張力すなわち牽引力から降車乗員の電動車両に対する相対速度、及び、検出された角度すなわち牽引方向から降車乗員の相対位置を算出する機能41と、相対速度(牽引力)に応じて車両の走行速度及び相対位置(牽引方向)に応じて走行方向を制御する機能42と、を備えている。ここで、上記機能は、あらかじめ制御手段4であるコンピュータの記憶部(図示せず)に記憶されているプログラムが、当該コンピュータのCPUに組み込まれることにより実現される。
【0038】
上記相対速度及び相対位置算出機能41では、例えば、相対速度に関しては、あらかじめ実験などにより定められた張力と相対速度との関係を表すデータが制御手段4に記憶されていて、かかるデータを参照して算出される。また、相対位置に関しては、検出された角度に基づいて算出される。
【0039】
また、上記走行速度及び走行方向を制御する機能42は、上記機能41にて算出された相対速度及び相対位置に基づいて降車乗員を追従するよう車両の動作を制御するが、例えば、相対速度と同等の速度にて車両1が走行するよう電動機51を制御したり、相対位置の方向である角度に操舵機構52を制御したりする。但し、かかる車両の制御方法は、従来より行われているジョイスティック方式によるものと同様の構成にて行われてもよい。
【0040】
(動作)
次に、本実施形態における制御手段4による動作を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0041】
まず、利用者は電動車両1から降車し、車両1に収納されている牽引手段2を取り出して検出手段3に装着する。その後、電動車両1の操作手段16などに備えられている操作部を操作することにより、車両の動作モードを牽引モードに切り換える。
【0042】
そして、制御手段4は、あるサンプリングタイム毎に張力検出手段35からの値を検出する。そして、ある値以上の張力値を検出すると(ステップS1で肯定判断)、その時点の張力値及び角度検出手段36から角度値を検出する(ステップS2)。すなわち、利用者にて牽引手段2が引っ張られたときである。
【0043】
続いて、張力値と記憶されている所定のデータとから降車した利用者の電動車両に対する相対歩行速度を、また、角度値から相対位置を算出する(ステップS3)。算出した相対速度、相対位置情報に基づいて、駆動力、操舵角を算出し、駆動機構(電動機)及び操舵機構の制御値を算出する(ステップS4)。そして、各制御値に基づいて電動機、操舵機構を制御することで、電動車両1が降車した利用者を追従するよう走行制御する(ステップS5)。
【0044】
そして、上記処理が所定のサンプリングタイム毎に繰り返され、車両1は降車した利用者に牽引された方向に自動走行することとなる。従って、利用者にとっては特別な運転技能を必要とせず、また、電動車両1を牽引するための大きな力を必要とせず、容易に電動車両1を移動することができる。これにより、利用者が乗車時には電動車両本来の役割を果たしつつ、降車時には利用者の歩行機会を促し、健康増進を図ることができる。
【0045】
ちなみに、本実施形態では、牽引手段2は紐状部材であるが、これにより、利用者が電動車両1に乗車する際には、紐状部材である牽引手段2を折り畳んで車両に収納するなど、その保持場所が省スペースで済み、あるいは、荷物として持ち歩いたとしてもその持ち運びが容易となる。また、使用時すなわち牽引時には、車両1を牽引して歩行する利用者が立ち止まったとしても、車両1が停止するまでに紐状部材である牽引手段2がたるむことにより、利用者自体に追いつくことが抑制され、安全性の向上を図ることができる。
【0046】
ここで、上述した説明では、牽引時に電動車両1は降車した利用者との相対速度にて走行すると説明したが、これに限定されない。例えば、牽引時の車両走行速度は、利用者が乗車して操作する際に操作手段(ジョイスティックなど)に入力された値に基づいて走行制御するときの速度よりも、遅い速度であると望ましい。すなわち、制御手段4がそのように車両を駆動制御する機能を備えていることとすると望ましい。このようにすることで、利用者を追従する電動車両1に当該利用者が追い越されないようになると共に、他の歩行者などが牽引中の電動車両に注意を払うことが容易となり、安全性の向上を図ることができる。
【0047】
また、上述した説明では、牽引手段2と車両1との係合箇所を、当該車両走行時の前進方向における車両前方部分に設ける構成を示したが、かかる場所に設けることに限定されない。但し、前方先端部に設けることにより、電動車両1の制御手段は当該車両を前進駆動制御することとなるため、牽引時の駆動制御が容易となると共に、車両の操舵性能を有効に利用することができる。
【0048】
〈第2の実施形態〉
以下、本発明の第2の実施形態を、図6乃至図7を参照して説明する。図6は、本実施形態おける構成を示す斜視図である。図7は、本実施形態における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【0049】
(構成)
第2の実施形態における電動車両110は、上述した第1の実施形態とほぼ同一の構成を採っている。但し、本実施形態では、以下の点で異なる。まず、牽引手段120の車両係合箇所とは反対側の端部に、降車した利用者にて操作される牽引操作手段122を設けると共に、この牽引操作手段122に対する操作情報を検出手段130に伝達する信号線及び接続端子を牽引手段120に設けている。そして、牽引操作手段122に、利用者が牽引中の車両を停止させる際に操作する停止スイッチ123を設けると共に、制御手段が、検出手段130を介して牽引操作手段122から停止スイッチ123が操作された旨の信号を検知したときに車両1を停止制御する機能を有する、という構成を採っている。
【0050】
また、上記構成に加えて、牽引操作手段122に、利用者が車両1を牽引走行させる際に操作する牽引走行スイッチ124を設けると共に、制御手段が、検出手段130を介して牽引操作手段122から牽引走行スイッチ124が操作されている旨の信号を検知している間のみ車両を走行制御する機能を有する、という構成を採っている。以下、これを詳述する。
【0051】
図6に示すように、牽引手段120の牽引側端部には上述した第1の実施形態における把持部22とほぼ同一の形状を有する牽引操作手段122が備えられている。すなわち、牽引操作手段122は、略長方形の枠体122aの内部に棒状部材122bが固定されて備えられた構成となっている。この棒状部材122bを利用者が把持して、ロープ120自体を引っ張ることにより、牽引力であるロープの張力及び牽引方向を車両側の検出手段130に伝えることができる。
【0052】
そして、枠体122aの外周には上述した牽引走行スイッチ124が設けられている。この牽引走行スイッチ124は、枠体122aの一辺に沿って形成された押しボタン式のスイッチであり、これを押すことにより牽引走行スイッチが入れられた状態(オン状態)となる。例えば、棒状部材122bと共に握るよう操作する。そして、このスイッチが入れられると、その旨の信号が、ロープ120内部の信号線及び接続端子(図示せず)を介して当該ロープ120の他端部に連結されている検出手段130に伝達される。但し、牽引走行スイッチ124は、上記構成に限定されるものではない。例えば、触れることによりスイッチが入れられた状態となるタッチセンサ式のスイッチでもよく、その他の構成であってもよい。また、当該スイッチ124の形成位置も上記箇所に限定されるものではない。
【0053】
また、枠体122aの外周であって、棒状部材122bの固定部分の反対側には、円形状の押しボタン式の停止スイッチ123が備えられている。例えば、このスイッチ123を利用者が車両を牽引中に親指で押すことにより、その旨の信号がロープ120内部の信号線及び接続端子(図示せず)を介して当該ロープ120の他端部に連結されている検出手段130に伝達される。但し、停止スイッチ123は、上記構成に限定されるものではなく、また、その形成位置も上記箇所に限定されるものではない。
【0054】
そして、制御手段の上述した機能を詳述すると、まず車両停止機能は、停止スイッチ123が操作された旨の信号を検知したときに、駆動機構すなわち電動機に対して送信すべき駆動制御信号があっても、その送信を停止する。すると、従来のジョイスティック方式による電動車両と同様に、自動的にブレーキがかかる状態となって走行中の車両1は停止する。また走行制御機能は、牽引走行スイッチ124が操作されている旨の信号を検知している間のみ、駆動機構すなわち電動機に対して送信すべき駆動制御信号を送信する。逆に、かかる操作がなされていない時には、検出手段130が牽引力を検知したとしても、電動機に駆動制御信号が送信されない。従って、かかる場合にも従来のジョイスティック方式による電動車両と同様に、自動的にブレーキがかかる状態となる。
【0055】
(動作)
次に、本実施形態における制御手段の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。ちなみに、制御手段であるコンピュータは、図7のフローチャート処理以外に、並列処理として常に牽引走行スイッチ124及び停止スイッチ123の操作状況を検出している。そして、牽引走行スイッチ124が押された状態(オン状態)となると、プログラム内のフラグF1=1とし、当該スイッチ124の押されていない状態(オフ状態)のときにはフラグF1=0となる。また、停止スイッチ123が押された状態(オン状態)となると、フラグF2=1となり、解除されてもそのままである。
【0056】
まず、利用者が降車したときに、車両1の操作手段などに備えられている所定のスイッチを牽引モードに切り換えると、牽引動作処理が開始される。そして、コンピュータにて牽引用プログラムが作動し、フラグF1=0,フラグF2=0とされ、初期化される(ステップS11)。
【0057】
そして、利用者が牽引操作手段122を握り、牽引走行スイッチ124がオン状態となると、フラグF1=1となる。ここで、プログラム上では常にフラグF1の値及びフラグF2の値が調べられており(ステップS12)、F1=1かつF2=0であることが検出されると(ステップS12で肯定判断)、牽引手段120に張力がかかっているか、すなわち、利用者にて牽引動作が行われているか否かが調べられる(ステップS13)。このとき、張力が検出されない場合には(ステップS13で否定判断)、ステップS12に戻り、張力検出が繰り返される。
【0058】
一方、利用者が牽引走行スイッチ124をオン状態にせず、牽引動作意思を示さない場合、例えば、牽引走行スイッチ124から手を離した場合には、コンピュータから駆動機構(電動機)などに駆動制御信号の送信を停止する(ステップS17)。これにより、利用者が牽引走行させる意思を示した場合にのみ牽引による車両の走行が可能であり、意図しない車両の走行を回避することができる。また、利用者が停止スイッチ123を押した場合にはF2=1となるため、牽引走行スイッチ124の状態に関わらず、ステップ12にて否定判断されて上記同様に扱われる(ステップS17)。なお、ステップS17の後にフラグF2の値が調べられるが(ステップS18)、F2=1でなければ(例えば、ステップS12でF1=0により否定判断されたとき)、ステップS18にて否定判断されてステップS12に戻り、F2=1であれば(ステップS18にて肯定判断)一定時間待機状態となり(ステップS19)、牽引処理が終了する。その後は、自動的にステップS11に戻り、各フラグが初期化されて再度牽引モードとなる。
【0059】
そして、利用者が牽引走行スイッチ124を押した状態で(フラグF1=1)、牽引手段120による張力が検出手段130を介して検出されると(ステップS13で肯定判断)、上述したように張力値及び角度値が検出され、これに応じた駆動機構あるいは操舵機構の制御値が算出される(ステップS14)。
【0060】
その後、フラグF2の値を調べるが、かかる値が0である場合には(ステップS15にて否定判断)、停止スイッチ123が押されていないため、算出された制御信号を駆動機構(電動機)や操舵機構に送信する(ステップS16)。そして、再度ステップS12に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0061】
一方、ステップS15に進むまでに停止スイッチ123が操作された場合にはフラグF2=1となるため、ステップS15にて肯定判断されて、上述したように制御信号送信が停止され(ステップS17)、一定時間待機状態となり(ステップS19)、牽引操作が不能となる。
【0062】
このようにすることにより、利用者が牽引操作手段122の牽引走行スイッチ124を操作している間のみ牽引走行が可能となるため、利用者が意図しないときに車両が走行してしまうことを抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。また、停止スイッチ123も設けたため、牽引中でも車両を停止させることができ、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0063】
なお、上記説明では牽引操作手段122に牽引走行スイッチ124及び停止スイッチ123の両者が設置されている場合を例示したが、必ずしもこれに限定されない。牽引走行スイッチ124あるいは停止スイッチ123のいずれか一方が設置されている構成であってもよく、このようにしても上記効果を得ることができる。
【0064】
〈第3の実施形態〉
以下、本発明の第3の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態における検出手段の構成を示す斜視図であり、図8(a),(b)はそれぞれその構成の一例を示す図である。
【0065】
この図に示すように、本実施形態における電動車両は、基本的な構成、作用、効果は上述した第1,第2の実施形態と同様であるが、本実施形態の検出手段230,330の構成が異なる。
【0066】
例えば、図8(a)に示す構成の検出手段230は、架台部231に支柱232を備え、この支柱232の上部に図示しない牽引手段と連結する検出手段側連結部233が固定されている。そして、支柱232の架台部231側の端部付近、すなわち、支柱の根本付近には、当該支柱232のたわみを検出する2つの曲げトルク検出手段234,235が配設されている。この2つの曲げトルク検出手段234,235は、具体的にはロードセルであり、異なる位置に備えられている。但し、この曲げトルク検出手段234,235は、ロードセルに限定されず、また、その個数も2つに限定されない。
【0067】
そして、上記ロードセル234,235から得られるトルク値は、図示しない制御手段にて検出される。これらの値を検出した制御手段は、上述したように当該検出値やあらかじめ実験にて定められているトルク値と牽引手段による牽引力(張力)、牽引方向との関係を表すデータから、そのときの牽引力及び牽引方向を算出する。そして、その算出値に基づいて駆動機構や操舵機構を駆動制御する。
【0068】
また、図8(b)に他の構成による検出手段330の構成を示す。この図8(b)に示す検出手段330は、図8(a)に示すものとほぼ同様の架台部331、支柱332、検出手段側連結部333を備えており、これに加えて、支柱332下部に、牽引力及び牽引方向を検出する圧縮荷重検出手段(曲げモーメント検出手段)334,335と、支柱332を揺動可能に支持する支持部材336とを備えている。
【0069】
そして、具体的に、支柱332には、その下部の前方に支柱補助部材337が備えられており、当該支柱332の下部の形状はT字状になっている。そして、支持部材336は、後方の下部に備えられている。また、圧縮荷重検出手段334,335としてのロードセル二つは、支柱補助部材337の両端部下部に備えられている。そして、これらロードセル334,335による検出値、すなわち、支柱332のうける曲げモーメントは、制御手段にて検出されるようになっている。但し、上記圧縮荷重検出手段は、ロードセルにて形成されていることに限定されない。
【0070】
このようにすることにより、上記圧縮荷重検出手段である二つのロードセル334,335により、支柱332に前方方向にかかる力、すなわち、牽引手段による牽引力を検出することができる。同様に、二つのロードセル334,335により支柱332の左右方向にかかる力、すなわち、牽引手段による牽引力のかかる方向を検出することができる。従って、これらの値に基づいて、上述同様に駆動機構、操舵機構の制御を行うことができる。
【0071】
〈第4の実施形態〉
以下、本発明の第4の実施形態を、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態における電動車両410の構成を示す斜視図である。
【0072】
この図に示すように、本実施形態における牽引手段420がロープではなく、棒状部材である。そして、その先端部には、上述した把持部(牽引操作手段)422が備えられている。これを利用者が牽引することにより、検出手段430を介して制御手段にて牽引力、牽引方向が検出され、これらの値に基づいて車両410が牽引走行制御される。その構成、作用、効果は上述した通りである。
【0073】
このように牽引手段420が棒状部材であると、牽引操作の状態が直接的に検出手段430に伝達されることとなり、すなわち、牽引力、牽引方向をより確実に制御手段に伝達することができる。従って、牽引操作時の操作性能の向上を図ることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、車両に牽引手段を備えると共に、降車した利用者による牽引状況である牽引力及び牽引方向を検出手段、制御手段が検知して、かかる検出値に応じて電動車両の走行速度及び走行方向を制御するという構成としたので、電動車両が歩行する利用者に追従して走行するようになり、利用者は特別の運転技能を修得することなく、また、多くの牽引力を要さず、容易に電動車両を牽引することができる。特に、牽引手段の牽引力及び牽引方向に応じた走行速度、走行方向に電動車両が利用者を追従するよう走行駆動されるため、利用者の牽引の状態が直接的に電動車両の走行状態に反映されるため、より容易に牽引することができ、このように牽引が容易になることから、利用者の歩行機会を促すことにもつながり、健康増進を図ることもできる、という従来にない優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に開示した牽引手段と検出手段との連結箇所の構成を示す図である。図2(a)は、連結箇所の斜視図を示し、図2(b)は、連結箇所の部品を示す斜視図である。
【図3】図1に開示した検出手段の構成を示す部分断面図である。
【図4】第1の実施形態における構成を簡略化して示した機能ブロック図である。
【図5】第1の実施形態における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態おける構成を示す斜視図である。
【図7】第2の実施形態における制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態における検出手段の構成を示す斜視図であり、図8(a),(b)はそれぞれその構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における構成を示す斜視図である。
【図10】従来における電動車両の構成の一例を示す図である。
【図11】従来における電動車両の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,110,410 電動車両
2,120 牽引手段
3,130,230,330,430 検出手段
4 制御手段(コンピュータ)
14 操舵機構
15 駆動機構(電動機)
16 操作手段
21 係合部
22 把持部
21b 牽引手段側連結部材
31 検出手段側連結部材
32 筐体部
33 架台部
34 戻りばね
35 張力検出手段
36 角度検出手段
32a 基板部
32b 連結支持部
122 牽引操作手段
123 停止スイッチ
124 牽引走行スイッチ
232,332 支柱
234,235 曲げトルク検出手段
334,335 曲げモーメント検出手段
Claims (8)
- 車両に備えられた操作手段に利用者が当該車両に乗車した状態で入力した走行速度及び走行方向に関する情報を検知して、車両の操舵機構及び駆動機構を制御する制御手段を備えた電動車両において、
前記利用者が降車した状態で牽引する牽引手段を車両に係合して備えると共に、当該牽引手段と車両との係合箇所に、前記牽引手段を通じて当該係合箇所にかかる牽引力及び当該牽引力のかかる牽引方向を検出する検出手段を備え、
前記制御手段が、前記検出手段からの検出値に応じて車両の走行速度及び走行方向を制御して車両を走行駆動することを特徴とする電動車両。 - 前記制御手段が、前記検出手段からの検出値である牽引力に応じて車両の走行速度を制御すると共に、前記検出手段からの検出値である牽引方向に応じて走行方向を制御する機能を有する、ことを特徴とする請求項1記載の電動車両。
- 前記制御手段が、前記検出手段からの検出値に応じて車両を駆動制御する際に、前記利用者が乗車して操作する前記操作手段に入力された情報に基づいて走行駆動制御するときよりも遅い走行速度にて車両を走行駆動制御する機能を有する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の電動車両。
- 前記牽引手段と車両との係合箇所を、当該車両走行時の前進方向における車両前方部分に設けたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の電動車両。
- 前記牽引手段の車両係合箇所とは反対側の端部に降車した前記利用者にて操作される牽引操作手段を設けると共に、この牽引操作手段に対する操作情報を前記検出手段に伝達する信号線及び接続端子を前記牽引手段に備え、
前記牽引操作手段に、前記利用者が牽引中の車両を停止させる際に操作する停止スイッチを設けると共に、前記制御手段が、前記検出手段を介して前記牽引操作手段から前記停止スイッチが操作された旨の信号を検知したときに車両を停止制御する機能を有する、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の電動車両。 - 前記牽引操作手段に、前記利用者が車両を牽引走行させる際に操作する牽引走行スイッチを設けると共に、前記制御手段が、前記検出手段を介して前記牽引操作手段から前記牽引走行スイッチが操作されている旨の信号を検知している間のみ車両を走行制御する機能を有する、ことを特徴とする請求項5記載の電動車両。
- 前記牽引手段は、紐状部材であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の電動車両。
- 前記牽引出段は、棒状部材であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の電動車両。
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---|---|---|---|---|
JP2011063221A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Honda Motor Co Ltd | 倒立振子型移動体およびその制御装置 |
US8645030B2 (en) | 2009-09-18 | 2014-02-04 | Honda Motor Co., Ltd. | Control device of inverted pendulum type vehicle |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368645A patent/JP2004201444A/ja not_active Withdrawn
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