JP2004201426A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続できる制御装置を提供することにある。
【解決手段】コネクタ8が一体化されたケース2と、制御装置用の電子回路が構成された基板3とを有する。基板3は、ケース2の内部に固定され、また、コネクタ8のコネクタ端子6と基板3の接続端子は、はんだ材7により接続する。基板3の接続端子とコネクタ端子5のはんだ材による接続部付近において、基板3とケース2とは、ノンフロータイプの非導電性接着剤6により接着固定される。基板3の接続端子とコネクタ端子5のはんだ材による接続部付近以外の部分において、基板3とケース2とは、シリコン系の接着剤9により接着固定される。
【選択図】 図2
【解決手段】コネクタ8が一体化されたケース2と、制御装置用の電子回路が構成された基板3とを有する。基板3は、ケース2の内部に固定され、また、コネクタ8のコネクタ端子6と基板3の接続端子は、はんだ材7により接続する。基板3の接続端子とコネクタ端子5のはんだ材による接続部付近において、基板3とケース2とは、ノンフロータイプの非導電性接着剤6により接着固定される。基板3の接続端子とコネクタ端子5のはんだ材による接続部付近以外の部分において、基板3とケース2とは、シリコン系の接着剤9により接着固定される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御装置に係り、特に、自動車等を制御するのに好適な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に用いられる制御装置は、取り付けスペースが狭いため、コンパクトなものが要求されている。そのため、一般に、基板を固定するケースにコネクタが一体化され、このケースの中に電子回路が構成された基板を固定する構造が用いられている。ここで、ケース内部に露出したコネクタ端子と基板の接続端子の間は、例えば、特開2002−286566号公報に記載されているように、ワイヤボンディングを用いて接続される。
【0003】
【特許文献】
特開2002−286566号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制御装置では、コネクタ端子と基板の接続端子の間の接続にワイヤボンディングを用いるため、次のような問題があった。すなわち、コネクタ端子には、ワイヤボンディングするためにめっき膜を形成する必要があるが、膜厚,膜厚の誤差,表面粗さなどの点で、高いめっき加工精度が要求される。また、ケースの底部から基板の接続端子までの高さと、コネクタ端子のワイヤボンディング面の高さはほぼ同じ高さとする必要があるため、コネクタ端子を折り曲げ加工する必要がある。このようにして、ワイヤボンディングをするためには、コネクタの製造コストが高価になる。また、コネクタ端子数は、一般に、100ピン〜160ピンと多数であるため、端子数が増加するに従い、ワイヤボンディング数も増加することから、制御装置の製造時間増大が増大する。さらに、ワイヤボンディング数が増えると、ワイヤボンディングの接続不良が生じ易くなり、歩留まりが低下することになる。
【0005】
本発明の目的は、コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続できる制御装置を提供することにある。これによって、コネクタを安価に製造でき、製造時間を低減して、さらに、歩留まりを向上できる等を達成し得るものとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、コネクタが一体化されたケースと、制御装置用の電子回路が構成された基板とを有し、この基板を上記ケース内に固定するとともに、上記コネクタのコネクタ端子と上記基板の接続端子を電気的に接続した制御装置において、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子の間を、はんだ材により接続すると共に、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子のはんだ材による接続部付近において上記基板と上記ケースとをノンフロータイプの非導電性接着剤により接着固定するようにしたものである。
かかる構成により、コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続し得るものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、上記コネクタ端子の端部であって、上記基板の接続端子と接続する端子形状をL字形としたものである。
かかる構成により、コネクタ端子と基板間のはんだ接合面積が拡大し、はんだ接合強度および歩留まりを向上できる。
【0008】
(3)上記(1)において、好ましくは、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子のはんだ材による接続部付近以外の部分において、上記基板と上記ケースとをシリコン系の接着剤により接着固定するようにしたものである。
かかる構成により、基板の反り・ガタを防止し、コネクタ端子と基板接合強度を確保できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を用いて、本発明の一実施形態による制御装置の構成及び製造方法について説明する。
最初に、図1〜図4を用いて、本実施形態による制御装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による制御装置の構成を示す平面図である。図2は、図1のA−A拡大断面図である。図3は、図1の断面図である。図4は、図3の要部拡大図である。なお、図1〜図4において、同一符号は、同一部品を示している。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の制御装置1は、主として、ケース2と、基板3とから構成されている。基板3は、例えば、セラミック多層基板から構成され、その内部や上面には配線が形成されている。基板3の上面には、制御装置を構成する素子が実装され、マイコン,チップコンデンサ,チップ抵抗などの電子部品4を有している。電子部品4と配線が接続されることにより、基板3には、電子回路が形成されている。なお、基板としては、樹脂と金属が多層された樹脂多層基板を用いることもできる。
【0011】
図2に示すように、ケース2の下面には、コネクタ8が固定されている。ケース2とコネクタ8は、樹脂モールド等により一体成形されている。コネクタ8の内部には、複数のコネクタ端子5がケース2の外部から内部に貫通するように備えられている。コネクタ端子5も、樹脂モールド等により、ケース2やコネクタ8と一体成形される。コネクタ端子5の一方の端部は、ケース2に形成された凹部に突出して露出している。また、コネクタ端子5の他方の端部は、コネクタ8に形成された凹部に突出して露出している。コネクタ8には、外部のコネクタが接続され、コネクタ端子5が外部の電源,センサ,アクチュエータ等に電気的に接続される。コネクタ端子5は、例えば、一列に4個で、18列設けられており、72端子が形成されている。なお、図示は省略しているが、2つのコネクタ端子を設けてあり、144個の外部コネクタ端子が形成されている。
【0012】
図3に示すように、ケース2の中央部には、凹部が形成されており、この凹部に基板3が収納される。基板3の下面と、ケース2の凹部の底面とは、シリコン系接着剤9により固定されている。また、図示は省略しているが、ケース2の上部には蓋が固定され、基板2が外部に露出しない構成としている。また、基板2の表面には、シリコンゲル等が塗布され、基板2に対する防湿構造としている。
【0013】
また、図4に示すように、基板3の下面(電子部品4が実装される面と反対側の面)と、コネクタ端子5とは、はんだ材7によって電気的に接続されている。ハンダ材7としては、鉛フリータイプのはんだ材を用いている。基板3としてセラミック多層基板を用いた場合、各層に設けられた配線や最上層に実装された電子部品4は、多層基板を貫通するビアによって電気的に接続されている。コネクタ端子5は、アレイ状にケース2の底部から突出しており、その先端部は、L字形に折り曲げ加工されている。アレイ状に配置されたコネクタ端子5に対応して、基板3のビアのアレイ状に形成されている。このビアに、はんだボールを取り付け、コネクタ端子5とはんだボールを接触させた状態で溶融して固着する。
【0014】
コネクタ端子5の断面形状が、例えば、一辺が0.6mmの正方形とした場合、先端のL字形の折り曲げ部の長さを2mmとすることにより、はんだ材7との接続部には、0.6mm×2mmの接続面積を確保できる。したがって、コネクタ端子5の先端部を折り曲げない場合に対して、接続面積を約3倍に拡大して十分なはんだ接合強度を確保できる。また、L字形の折り曲げ部は、基板3との接続を考慮して、平行度を出している。これにより、十分なはんだ接合強度および歩留まり低下を防止できる。コネクタ端子5の先端部の加工は、簡単なL字形の折り曲げ加工だけで良いため、加工を容易に行うことができる。また、ワイヤーボンディング接続でなく、はんだ接続とすることにより、ワイヤーボンディング接続のためのめっき処理も不要となり、この点でも、歩留まりを向上できる。
【0015】
コネクタ端子5とはんだ材7の接続部の周囲には、ノンフロータイプの非導電性接着剤6が塗布されている。非導電性接着剤6により基板3とケース2を固着し、また、はんだ接続部を固着することにより、はんだ接続部の強度を確保している。
【0016】
コネクタ端子5と基板3との接続として、はんだ材のみで接合した場合、制御装置の熱衝撃試験によってはんだ接続部にクラックおよびはんだ・基板間で剥離が生じることが確認された。そこで、コネクタ端子と基板間をはんだ接続するとともに、エポシキ系樹脂接着剤により固着することで、十分な接合強度を確保できることが分かった。すなわち、コネクタ端子と基板間の接続に、はんだ接続および、非導電性接着剤を用いることにより、コネクタ端子の複雑加工を要するワイヤーボンディング接続を用いることなく、コネクタ端子と基板間の接合強度を確保できる。ノンフロータイプの非導電性接着剤6は、フラックスを含有している熱硬化性の接着剤である。接着剤6としてエポキシ樹脂系の接着剤を用いた場合、熱硬化温度は例えば150〜180℃である。
【0017】
コネクタ端子5の周囲にノンフロータイプの非導電性接着剤6を塗布し、コネクタ端子5の上に基板3に取り付けたはんだボールを位置決めするようにして、ケース2の凹部に基板3を配置した後、加熱炉で加熱することにより、非導電性接着剤の硬化温度に昇温すると、ノンフロータイプの非導電性接着剤6が熱硬化し、基板3とケース2を固着でき、さらに、昇温すると、ノンフロータイプの非導電性接着剤6の内部に含有しているフラックスにより、鉛フリータイプのはんだ材7の融点(例えば、約230℃)の近辺において、コネクタ端子5と基板3の接続端子がはんだ材7によって固着される。また、シリコン系接着剤9としても、熱硬化性樹脂接着剤を用いることにより、加熱炉内部でシリコン系接着剤9の熱硬化温度(例えば、150℃)まで昇温することにより、ケース2と基板3の接着固定も同時に行うことができる。以上のようにして、ノンフロータイプの非導電性接着剤を用いることで、はんだ材と非導電性接着剤の同時接合が可能になり、制御装置の製造工程を削減し、且つ、歩留まり低下を防止できる。
【0018】
ケース2と基板3の接着固定は、主として、シリコン系接着剤9によって行われ、ノンフロータイプの非導電性接着剤6は補助的接着固定に用いられる。基板3として、アルミナからなるセラミック多層基板を用いた場合、基板3の線膨張係数に比べて、ノンフロータイプの非導電性接着剤6の線膨張係数が1桁小さいのに対して、基板3とシリコン系接着剤9の線膨張係数はほぼ等しいため、ケース2と基板3の接着固定は、シリコン系接着剤9によって主として行うようにしている。また、シリコン系接着剤9は、ヤング率が小さく、比較的柔らかい材料であるため、基板3とケース3の間の線膨張係数の相違による伸び縮みの影響も軽減することができ、基板3にクラック等が発生することを防止できる。ノンフロータイプの非導電性接着剤6は主として、複数のコネクタ端子5の相互間の絶縁のために用いられる。
【0019】
次に、図5を用いて、本実施形態による制御装置の製造工程について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による制御装置の製造工程を示す工程図である。なお、図1〜図4において、同一符号は、同一部品を示している。
【0020】
図5(A)に示すように、基板3に電子部品4を実装し、且つ、コネクタ端子5と接合する基板3の下面には、はんだボール7aを有している。コネクタ8が一体成形されたケース2の凹部に突出したコネクタ端子5の周りに、ノンフロータイプの非導電性接着剤6を塗布し、またコネクタ端子5の周り以外の基板3との接着部には、シリコン系接着剤9を塗布する。
【0021】
次に、図5(B)に示すように、ケース2の凹部に基板3を収納し、基板3をコネクタ端子5に乗せる。この時、基板3に配置されたはんだボール7aとコネクタ端子5の端子番号を一致させ、コネクタ端子5上にはんだボール7aを位置決めして載置する。その後、はんだ炉に投入することで、ノンフロータイプの非導電性接着剤6及びシリコン系接着剤9が熱硬化し、さらに、はんだ7が溶解しコネクタ端子5と基板3を電気的に接続させる。
【0022】
以上のようにして、ワイヤボンディングを用いることなく、コネクタ端子と基板3の接続端子を接続でき、製造時間を短縮ができるとともに、歩留まりの低下を防止できる。
【0023】
以上説明したように、本実施形態よれば、コネクタ端子と基板接続に、はんだ材とノンフロータイプの非導電性接着剤を用いることにより、コネクタ端子の複雑な加工や、めっき加工精度を必要とするワイヤーボンディング接続を用いることなく、コネクタ端子と基板接続強度を確保でき、且つ、製造時間の低減および歩留まり低下を回避できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による制御装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態による制御装置の製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1…制御装置
2…フレーム
3…基板
4…電子部品
5…コネクタ端子
6…ノンフロータイプの非導電性接着剤
7…はんだ材
7a…はんだボール
8…コネクタ
9…シリコン系接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御装置に係り、特に、自動車等を制御するのに好適な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に用いられる制御装置は、取り付けスペースが狭いため、コンパクトなものが要求されている。そのため、一般に、基板を固定するケースにコネクタが一体化され、このケースの中に電子回路が構成された基板を固定する構造が用いられている。ここで、ケース内部に露出したコネクタ端子と基板の接続端子の間は、例えば、特開2002−286566号公報に記載されているように、ワイヤボンディングを用いて接続される。
【0003】
【特許文献】
特開2002−286566号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制御装置では、コネクタ端子と基板の接続端子の間の接続にワイヤボンディングを用いるため、次のような問題があった。すなわち、コネクタ端子には、ワイヤボンディングするためにめっき膜を形成する必要があるが、膜厚,膜厚の誤差,表面粗さなどの点で、高いめっき加工精度が要求される。また、ケースの底部から基板の接続端子までの高さと、コネクタ端子のワイヤボンディング面の高さはほぼ同じ高さとする必要があるため、コネクタ端子を折り曲げ加工する必要がある。このようにして、ワイヤボンディングをするためには、コネクタの製造コストが高価になる。また、コネクタ端子数は、一般に、100ピン〜160ピンと多数であるため、端子数が増加するに従い、ワイヤボンディング数も増加することから、制御装置の製造時間増大が増大する。さらに、ワイヤボンディング数が増えると、ワイヤボンディングの接続不良が生じ易くなり、歩留まりが低下することになる。
【0005】
本発明の目的は、コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続できる制御装置を提供することにある。これによって、コネクタを安価に製造でき、製造時間を低減して、さらに、歩留まりを向上できる等を達成し得るものとなる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、コネクタが一体化されたケースと、制御装置用の電子回路が構成された基板とを有し、この基板を上記ケース内に固定するとともに、上記コネクタのコネクタ端子と上記基板の接続端子を電気的に接続した制御装置において、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子の間を、はんだ材により接続すると共に、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子のはんだ材による接続部付近において上記基板と上記ケースとをノンフロータイプの非導電性接着剤により接着固定するようにしたものである。
かかる構成により、コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続し得るものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、上記コネクタ端子の端部であって、上記基板の接続端子と接続する端子形状をL字形としたものである。
かかる構成により、コネクタ端子と基板間のはんだ接合面積が拡大し、はんだ接合強度および歩留まりを向上できる。
【0008】
(3)上記(1)において、好ましくは、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子のはんだ材による接続部付近以外の部分において、上記基板と上記ケースとをシリコン系の接着剤により接着固定するようにしたものである。
かかる構成により、基板の反り・ガタを防止し、コネクタ端子と基板接合強度を確保できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を用いて、本発明の一実施形態による制御装置の構成及び製造方法について説明する。
最初に、図1〜図4を用いて、本実施形態による制御装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による制御装置の構成を示す平面図である。図2は、図1のA−A拡大断面図である。図3は、図1の断面図である。図4は、図3の要部拡大図である。なお、図1〜図4において、同一符号は、同一部品を示している。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の制御装置1は、主として、ケース2と、基板3とから構成されている。基板3は、例えば、セラミック多層基板から構成され、その内部や上面には配線が形成されている。基板3の上面には、制御装置を構成する素子が実装され、マイコン,チップコンデンサ,チップ抵抗などの電子部品4を有している。電子部品4と配線が接続されることにより、基板3には、電子回路が形成されている。なお、基板としては、樹脂と金属が多層された樹脂多層基板を用いることもできる。
【0011】
図2に示すように、ケース2の下面には、コネクタ8が固定されている。ケース2とコネクタ8は、樹脂モールド等により一体成形されている。コネクタ8の内部には、複数のコネクタ端子5がケース2の外部から内部に貫通するように備えられている。コネクタ端子5も、樹脂モールド等により、ケース2やコネクタ8と一体成形される。コネクタ端子5の一方の端部は、ケース2に形成された凹部に突出して露出している。また、コネクタ端子5の他方の端部は、コネクタ8に形成された凹部に突出して露出している。コネクタ8には、外部のコネクタが接続され、コネクタ端子5が外部の電源,センサ,アクチュエータ等に電気的に接続される。コネクタ端子5は、例えば、一列に4個で、18列設けられており、72端子が形成されている。なお、図示は省略しているが、2つのコネクタ端子を設けてあり、144個の外部コネクタ端子が形成されている。
【0012】
図3に示すように、ケース2の中央部には、凹部が形成されており、この凹部に基板3が収納される。基板3の下面と、ケース2の凹部の底面とは、シリコン系接着剤9により固定されている。また、図示は省略しているが、ケース2の上部には蓋が固定され、基板2が外部に露出しない構成としている。また、基板2の表面には、シリコンゲル等が塗布され、基板2に対する防湿構造としている。
【0013】
また、図4に示すように、基板3の下面(電子部品4が実装される面と反対側の面)と、コネクタ端子5とは、はんだ材7によって電気的に接続されている。ハンダ材7としては、鉛フリータイプのはんだ材を用いている。基板3としてセラミック多層基板を用いた場合、各層に設けられた配線や最上層に実装された電子部品4は、多層基板を貫通するビアによって電気的に接続されている。コネクタ端子5は、アレイ状にケース2の底部から突出しており、その先端部は、L字形に折り曲げ加工されている。アレイ状に配置されたコネクタ端子5に対応して、基板3のビアのアレイ状に形成されている。このビアに、はんだボールを取り付け、コネクタ端子5とはんだボールを接触させた状態で溶融して固着する。
【0014】
コネクタ端子5の断面形状が、例えば、一辺が0.6mmの正方形とした場合、先端のL字形の折り曲げ部の長さを2mmとすることにより、はんだ材7との接続部には、0.6mm×2mmの接続面積を確保できる。したがって、コネクタ端子5の先端部を折り曲げない場合に対して、接続面積を約3倍に拡大して十分なはんだ接合強度を確保できる。また、L字形の折り曲げ部は、基板3との接続を考慮して、平行度を出している。これにより、十分なはんだ接合強度および歩留まり低下を防止できる。コネクタ端子5の先端部の加工は、簡単なL字形の折り曲げ加工だけで良いため、加工を容易に行うことができる。また、ワイヤーボンディング接続でなく、はんだ接続とすることにより、ワイヤーボンディング接続のためのめっき処理も不要となり、この点でも、歩留まりを向上できる。
【0015】
コネクタ端子5とはんだ材7の接続部の周囲には、ノンフロータイプの非導電性接着剤6が塗布されている。非導電性接着剤6により基板3とケース2を固着し、また、はんだ接続部を固着することにより、はんだ接続部の強度を確保している。
【0016】
コネクタ端子5と基板3との接続として、はんだ材のみで接合した場合、制御装置の熱衝撃試験によってはんだ接続部にクラックおよびはんだ・基板間で剥離が生じることが確認された。そこで、コネクタ端子と基板間をはんだ接続するとともに、エポシキ系樹脂接着剤により固着することで、十分な接合強度を確保できることが分かった。すなわち、コネクタ端子と基板間の接続に、はんだ接続および、非導電性接着剤を用いることにより、コネクタ端子の複雑加工を要するワイヤーボンディング接続を用いることなく、コネクタ端子と基板間の接合強度を確保できる。ノンフロータイプの非導電性接着剤6は、フラックスを含有している熱硬化性の接着剤である。接着剤6としてエポキシ樹脂系の接着剤を用いた場合、熱硬化温度は例えば150〜180℃である。
【0017】
コネクタ端子5の周囲にノンフロータイプの非導電性接着剤6を塗布し、コネクタ端子5の上に基板3に取り付けたはんだボールを位置決めするようにして、ケース2の凹部に基板3を配置した後、加熱炉で加熱することにより、非導電性接着剤の硬化温度に昇温すると、ノンフロータイプの非導電性接着剤6が熱硬化し、基板3とケース2を固着でき、さらに、昇温すると、ノンフロータイプの非導電性接着剤6の内部に含有しているフラックスにより、鉛フリータイプのはんだ材7の融点(例えば、約230℃)の近辺において、コネクタ端子5と基板3の接続端子がはんだ材7によって固着される。また、シリコン系接着剤9としても、熱硬化性樹脂接着剤を用いることにより、加熱炉内部でシリコン系接着剤9の熱硬化温度(例えば、150℃)まで昇温することにより、ケース2と基板3の接着固定も同時に行うことができる。以上のようにして、ノンフロータイプの非導電性接着剤を用いることで、はんだ材と非導電性接着剤の同時接合が可能になり、制御装置の製造工程を削減し、且つ、歩留まり低下を防止できる。
【0018】
ケース2と基板3の接着固定は、主として、シリコン系接着剤9によって行われ、ノンフロータイプの非導電性接着剤6は補助的接着固定に用いられる。基板3として、アルミナからなるセラミック多層基板を用いた場合、基板3の線膨張係数に比べて、ノンフロータイプの非導電性接着剤6の線膨張係数が1桁小さいのに対して、基板3とシリコン系接着剤9の線膨張係数はほぼ等しいため、ケース2と基板3の接着固定は、シリコン系接着剤9によって主として行うようにしている。また、シリコン系接着剤9は、ヤング率が小さく、比較的柔らかい材料であるため、基板3とケース3の間の線膨張係数の相違による伸び縮みの影響も軽減することができ、基板3にクラック等が発生することを防止できる。ノンフロータイプの非導電性接着剤6は主として、複数のコネクタ端子5の相互間の絶縁のために用いられる。
【0019】
次に、図5を用いて、本実施形態による制御装置の製造工程について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による制御装置の製造工程を示す工程図である。なお、図1〜図4において、同一符号は、同一部品を示している。
【0020】
図5(A)に示すように、基板3に電子部品4を実装し、且つ、コネクタ端子5と接合する基板3の下面には、はんだボール7aを有している。コネクタ8が一体成形されたケース2の凹部に突出したコネクタ端子5の周りに、ノンフロータイプの非導電性接着剤6を塗布し、またコネクタ端子5の周り以外の基板3との接着部には、シリコン系接着剤9を塗布する。
【0021】
次に、図5(B)に示すように、ケース2の凹部に基板3を収納し、基板3をコネクタ端子5に乗せる。この時、基板3に配置されたはんだボール7aとコネクタ端子5の端子番号を一致させ、コネクタ端子5上にはんだボール7aを位置決めして載置する。その後、はんだ炉に投入することで、ノンフロータイプの非導電性接着剤6及びシリコン系接着剤9が熱硬化し、さらに、はんだ7が溶解しコネクタ端子5と基板3を電気的に接続させる。
【0022】
以上のようにして、ワイヤボンディングを用いることなく、コネクタ端子と基板3の接続端子を接続でき、製造時間を短縮ができるとともに、歩留まりの低下を防止できる。
【0023】
以上説明したように、本実施形態よれば、コネクタ端子と基板接続に、はんだ材とノンフロータイプの非導電性接着剤を用いることにより、コネクタ端子の複雑な加工や、めっき加工精度を必要とするワイヤーボンディング接続を用いることなく、コネクタ端子と基板接続強度を確保でき、且つ、製造時間の低減および歩留まり低下を回避できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、コネクタ端子と基板の接続端子の間をワイヤボンディングを用いることなく接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による制御装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態による制御装置の製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1…制御装置
2…フレーム
3…基板
4…電子部品
5…コネクタ端子
6…ノンフロータイプの非導電性接着剤
7…はんだ材
7a…はんだボール
8…コネクタ
9…シリコン系接着剤
Claims (3)
- コネクタが一体化されたケースと、制御装置用の電子回路が構成された基板とを有し、この基板を上記ケース内に固定するとともに、上記コネクタのコネクタ端子と上記基板の接続端子を電気的に接続した制御装置において、
上記基板の接続端子と上記コネクタ端子の間を、はんだ材により接続すると共に、上記基板の接続端子と上記コネクタ端子のはんだ材による接続部付近において上記基板と上記ケースとをノンフロータイプの非導電性接着剤により接着固定することを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
上記コネクタ端子の端部であって、上記基板の接続端子と接続する端子形状をL字形としたことを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
上記基板の接続端子と上記コネクタ端子のはんだ材による接続部付近以外の部分において、上記基板と上記ケースとをシリコン系の接着剤により接着固定したことを特徴とする制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367847A JP2004201426A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002367847A JP2004201426A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201426A true JP2004201426A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32764606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002367847A Pending JP2004201426A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004201426A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009232598A (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-08 | Autonetworks Technologies Ltd | 電気接続箱 |
WO2023209856A1 (ja) * | 2022-04-27 | 2023-11-02 | 日立Astemo株式会社 | 車載制御装置 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002367847A patent/JP2004201426A/ja active Pending
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JP2009232598A (ja) * | 2008-03-24 | 2009-10-08 | Autonetworks Technologies Ltd | 電気接続箱 |
WO2023209856A1 (ja) * | 2022-04-27 | 2023-11-02 | 日立Astemo株式会社 | 車載制御装置 |
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