JP2004198998A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホワイトバランス及びコントラストの良好な投射像を投射する投射型表示装置を提供する。
【解決手段】光源210の光を3色光に色分解する色分解光学系と、各色光用に配置された3つの反射型ライトバルブ209と、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記3つの反射型ライトバルブに導き、前記3つの反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する3の偏光ビームスプリッタ208と、前記3つの偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系210と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズ211とを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に2枚の波長位相板212、213と当該2枚の波長位相板の間に配置されたNDフィルター207からなる光量調節部材を配置したこと。
【選択図】 図1
【解決手段】光源210の光を3色光に色分解する色分解光学系と、各色光用に配置された3つの反射型ライトバルブ209と、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記3つの反射型ライトバルブに導き、前記3つの反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する3の偏光ビームスプリッタ208と、前記3つの偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系210と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズ211とを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に2枚の波長位相板212、213と当該2枚の波長位相板の間に配置されたNDフィルター207からなる光量調節部材を配置したこと。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
赤色光、緑色光、及び青色光(以後、本明細書中では、それぞれR光、G光、及びB光と記す)用にそれぞれライトバルブを配置して、各色光を全体としてのホワイトバランスを確保できるようにそれぞれ光量調整用のNDフィルターを経由して各色光用のライトバルブに入射させて各色信号に基づいて変調を行い、ライトバルブから射出した変調光を色合成して投射レンズで投射する構成の透過型の投射型表示装置が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された投射型表示装置では、各光源から射出されたR光、G光及びB光は各色光の光軸に対して垂直に配置された光量調節手段である透過光量を調節できる色光毎のNDフィルターに入射させてホワイトバランスを調節して各色光用に配置された透過型液晶ライトバルブにそれぞれ入射させ、各色光の色信号に基づいて変調させて変調光を射出させ、色合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズムに入射させてホワイトバランスの良好な光を色合成して射出し、投射レンズから投射する構成を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−313114公報(図5参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された、NDフィルターを反射型ライトバルブを使った投射型表示装置に用いた場合、投射型表示装置においてもホワイトバランスは良好に調整できるものの、投射像のコントラストが劣化してしまうという問題を有することが判明した。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであって、ホワイトバランス及びコントラストの良好な投射像を得ることのできる反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に2枚の波長位相板と当該2枚の波長位相板の間に配置されたNDフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0008】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調整部材における前記2枚の波長位相板はそれぞれ1/4波長位相板であり、その光学軸の方向は互いに直交し、かつ入射偏光の振動方向と45度の傾きを有することが好ましい。
【0009】
また、本発明では、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に光軸に対して傾けて配置したNDフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0010】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調節部材は、前記色光に対応して配置された偏光ビームスプリッタの検光光の射出面と前記色合成光学系の間の光路中に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調節部材は、反射率と透過率によって透過光量を調節するNDフィルターであることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に光軸に対して傾けて配置されたトリミングフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0013】
また、本発明の投射型表示装置では、前記色分解光学系は、前記第1色光と前記第2及び第3色光の混合色光とに分解する第1光学部材と、前記混合色光を前記第2及び前記第3色光に分解する第2光学部材とを有し、前記光量調節部材は、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の光路中に配置され、前記第2色光又は前記第3色光の少なくとも一方の色光の光量を調節することが好ましい。
【0014】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調節部材は、前記色光に対応して配置された偏光ビームスプリッタと前記色分解光学系の間の光路中に配置されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図であり、図2は第1実施形態における2枚の1/4波長位相板とNDフィルターの配置を説明する斜視図であり、図3は図1の要部拡大図であって、ライトバルブが黒状態の時の光の進行状態を説明する図である。また、図4は本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図であり、図5は図4の要部拡大図であって、第2実施形態の効果を説明する図である。また、図6は本発明の第3実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。また、図7は本発明の第4実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。また、図8は本発明の第5実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の投射型表示装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。図1において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を定義する。なお、Y軸は紙面に対して垂直な方向である。
【0018】
図1において、ランプ201aと放物面鏡等の凹面鏡201bとから構成される光源201から射出されるランダム偏光の光源光は偏光変換装置202によって紙面に垂直なY軸方向に平行な振動方向を有する直線偏光に変換される。この偏光をB光(青色光)に対して反射特性を有するダイクロイックミラー203Bと、R光(赤色光)とG光(緑色光)とに対して反射特性を有するダイクロイックミラー203RGとを互いに直交するように配置(X型)したクロスダイクロイックミラー203に入射して、Z軸に平行でクロスダイクロイックミラー203の中心に対して互いに反対方向に進行するB光と、G光とR光の混合光とに色分解する。ダイクロイックミラー203で色分解された各色光のうちB光は折り曲げミラー204に入射して進行方向を変えて進行し、XZ平面に垂直で、かつB光の光軸に対して直交して配置された2枚の1/4波長位相板212B、213Bと、2枚の1/4波長位相板212Bと213Bとの間に挟まれて配置されたNDフィルター207Bとからなる光量調節部材を経て、透過光量を調節されて射出され偏光ビームスプリッタ208Bに入射される。
【0019】
一方、クロスダイクロイックミラー203で色分解されたR光とG光の混合光は折り曲げミラー205に入射して進行方向を変えて進行し、G光を反射しR光を透過する特性を有するダイクロイックミラー206に入射し、反射されたG光と透過して進行するR光に色分解される。色分解されたG光はXZ平面に垂直に、かつG光光軸に対して直交して配置される2枚の1/4波長位相板212G、213Gと、1/4波長位相板212Gと213Gとの間に挟まれて配置されるNDフィルター207Gからなる光量調節部材に入射し、透過光量を調節されて射出され偏光ビームスプリッタ208Gに入射する。また、色分解されたR光はXZ平面に垂直に、R光の光軸に対して直交して配置される2枚の1/4波長位相板212R、213Rと、1/4波長位相板212Rと213Rとの間に挟まれて配置されるNDフィルター207Rからなる光量調節部材に入射し、透過光量を調節されて射出され偏光ビームスプリッタ208Rに入射する。なお、クロスダイクロイックミラー203と折り曲げミラー204、及び205とダイクロイックミラー206とで色分解光学系が構成されている。
【0020】
各偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rにそれぞれ入射されたホワイトバランスの取れた入射光はそれぞれの偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pを反射して進行して各偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rをそれぞれ射出して、各色光用に配置されたライトバルブ209B、209G、及び209Rにそれぞれ入射する。入射光は各色光用のライトバルブ209B、209G、及び209Rによってそれぞれ変調されて反射射出されて、再度各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rにそれぞれ再度入射する。入射された変調光は偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pでそれぞれ検光されて検光光として取りだされ、色合成をおこなうクロスダイクロイックプリズム210にそれぞれ異なる入射面から入射する。クロイスダイクロイックプリズム210は内部にR光反射ダイクロイック膜210RとB光反射ダイクロイック膜210Bをそれぞれ直交して配置(X型)した複合プリズムであって、入射したB光はB光反射ダイクロイック膜210Bを反射し、入射したR光はR光反射ダイクロイック膜210Rを反射し、入射したG光は両ダイクロイック膜210B及び210Rを透過して色合成が達成される。合成光はクロスダイクロイックプリズム210を射出して、投射レンズ211に入射して、図示しないスクリーン上にフルカラー投射像を投射する。このようにして反射型表示装置が構成されている。
【0021】
図2はG光の光軸に挿入された2枚の1/4波長位相板212G、213Gと、1/4波長位相板212Gと1/4波長位相板213Gとの間に挟んで配置されたNDフィルター207Gからなる光量調節部材の分解斜視図を示している。R光とB光の2枚の1/4波長板とこれら2枚の1/4波長位相板の間に挟まれたNDフィルターも同様の構造を有しているので、ここではG光のみを説明しR光とB光については説明を省略する。
【0022】
図2において、1/4波長位相板212Gに入射するG光の偏光の方向は、(A)に示す位置ではY軸に平行な振動方向を有する直線偏光である。この振動方向に対して、1/4波長位相板212Gの光学軸D1の方向は45度の方向を有している。1/4波長位相板212Gを通過した光は、(B)の位置では円偏光となっている。この円偏光の光はNDフィルター207Gによって所定の光量だけが透過してホワイトバランスの取れる光量が射出され、(C)の位置では光量の調節された円偏光となっている。1/4波長位相板213Gの光学軸D2は1/4波長位相板212Gの光学軸D1とは直交する様に配置されており、1/4波長位相板213Gを透過した円偏光は、(D)の位置ではY軸に平行な振動方向を有する直線偏光となっている。この直線偏光の光は偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、偏光分離部208G−Pで反射される方向の偏光なので、偏光分離部208G−Pで反射されて偏光ビームスプリッタ208Gを射出し、ライトバルブ209Gに入射する。ライトバルブ209Gに入射した光は変調を受けて反射射出されて、再び偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、変調光は偏光分離部208G−Pを透過した透過光として取りだされる。ライトバルブ209Gで変調されなかった非変調光は偏光分離部208G−Pの反射光として分離される。
【0023】
図3は図1の要部拡大図であって、ライトバルブ209Gが黒状態、すなわち変調しない時の光の進行状態を説明する図である。
【0024】
図3において、2枚の1/4波長位相板212G、213G及びNDフィルタ207Gを通過したG光は偏光分離部208G−Pで反射射出されてライトバルブ209Gに入射する。ライトバルブ209Gから反射射出される光はライトバルブ209Gが黒状態なので、偏光の振動方向がライトバルブ209Gへの入射光と同じ方向のY軸に平行な振動方向を有しており、偏光ビームスプリッタ208Gに入射して大部分は偏光分離部208G−Pで反射される。しかし、偏光分離部208G−Pの偏光分離特性のために一部は透過(図3中、点線矢印)してしまう。反射光は1/4波長位相板213Gに入射して円偏光に変換されてNDフィルター207Gに入射し、一部はNDフィルター207Gで反射されてしまい、再度1/4波長位相板213Gに入射して振動方向がX軸方向と平行な直線偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ208に再び入射される。この振動方向の偏光は偏光分離部208G−Pで実質的に透過される方向の偏光であるため、大部分の光は偏光分離部208G−Pを透過して進行し偏光ビームスプリッタ208Gを透過して廃棄される。
【0025】
本実施形態では、ライトバルブが黒状態では、ライトバルブからの反射射出光であって検光用の偏光ビームスプリッタで非検光光となる光はホワイトバランスのための光量調節をおこなうNDフィルターによって反射されて偏光ビームスプリッタに逆行してきても、この逆行光の大部分は偏光分離部を透過するためライトバルブに再び入射されることなく廃棄することができる。これによりコントラストの良好な投射像を検光光として偏光ビームスプリッタから射出することができるため、ホワイトバランスが良好で、かつコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。1/4波長位相板がない場合は、NDフィルター207Gの表面で反射された光が再度偏光分離部208G−Pで反射され、ライトバルブ209Gに入射してしまう。ライトバルブ209Gに入射して、反射された光が再度偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、その一部が偏光分離部208G−Pを透過することによって、コントラストが低下してしまう。NDフィルターの表面での反射光は反射型のNDフィルターを使用する場合に特に問題となる。
【0026】
なお、本実施形態では、ホワイトバランスを取るためにR光、G光、及びB光の各色光の光路中に2枚の1/4波長位相板の間にNDフィルターを挟み込んだ構成の部材をそれぞれ配置したが、色分解光学系の設計により必ずしも全ての色光にこれらを配置する必要はない。R光、G光、及びB光の3色の光のうち2色の光に本発明の2枚の1/4波長位相板の間にNDフィルターを挟み込んだ構成の部材を配置してもよいし、1色光のみに配置しても良い。どの色光にこれら部材を配置すべきかは色分解光学系の設計、製造に依存して適宜決めれば良い。
【0027】
また、本実施形態では、上記のように波長位相板として1/4波長位相板を配置したが、この1/4波長位相板に限定されるものではなく、同様な効果を奏する他の波長位相板(例えば、3/4波長位相板等)を配置しても良い。
【0028】
以上のように、本実施形態では、ライトバルブで変調されなかった光が、偏光ビームスプリッタの偏光分離部で反射され、NDフィルターに再度入射する場合に、NDフィルターの表面で反射された光が、再度ライトバルブに入射することを防止することができるためコントラストを向上することができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る投射型表示装置に関して説明する。
【0030】
図4は本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図であり、図5は図4の要部拡大図であって、第2実施形態の効果を説明する図である。本第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、各色光用に配置する光量調節部材であるNDフィルターの配置の仕方にある。基本構成は第1実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材には同じ符号を付し説明を省略する。
【0031】
図4において、各色光用に配置するNDフィルター207B、207G、及び207Rは各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rの色分解光学系側入射面に近接してXZ平面には垂直に、かつ光軸に対して傾けて配置して投射型表示装置が構成されている。
【0032】
図5は図4の要部拡大図であって、G光用のNDフィルター207Gを含む光学系の一部を示し、本発明の効果を説明する図である。他の色光の同じ部分についても同様の効果を奏するので説明を省略する。
【0033】
図5において、色分解光学系から射出されたG光はNDフィルター207Gを通過後、ホワイトバランスを調節されて偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、偏光分離部208G−Pによって大部分が反射されてライトバルブ209G方向に進行し、偏光ビームスプリッタ208Gから射出されてG光用のライトバルブ209Gに入射する。ライトバルブ209Gが黒状態の場合、入射偏光と同じ、紙面に垂直なY軸に平行な振動方向を有する直線偏光としてライトバルブ209Gから反射し、ライトバルブ209Gから射出されて、再度偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、偏光分離部208G−Pで大部分が反射されて偏光ビームスプリッタ208Gを射出し、再びNDフィルター207Gに入射する。光軸に傾けて配置されたNDフィルター207Gからの反射光は反射法則に則って反射して、入射光軸とは異なる光軸方向に反射し、偏光ビームスプリッタ208Gのプリズム部を透過し、ライトバルブ209Gに再び入射することなく廃棄される。
【0034】
このように、NDフィルター207Gを反射し、射出した光がライトバルブ209Gに戻ることはなくなるので、ライトバルブ207Gが黒状態の時に、偏光ビームスプリッタ208Gを透過して投射レンズ211(図4参照)に入射する光を増加させることはなくなり、ホワイトバランスが良好で、かつコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0035】
本第2実施形態では、光量調節部材であるNDフィルター207Gの光軸に対する傾きは、NDフィルター207Gにおける全反射光がライトバルブ209Gに再び入射しない傾きに設定してある。NDフィルター207Gの光軸に対する傾き状態によっては、ライトバルブ209Gに一部入射する場合がある。この場合でも、ライトバルブ209GにはNDフィルター207Gの反射光のうち一部しか再び入射しないこと、及びその入射角度は偏光ビームスプリッタ208Gからの入射光軸とは異なる角度であるので、ライトバルブ209Gに入射する反射光のうち一部のみが偏光ビームスプリッタ208Gに入射する。そのうちの一部が偏光分離部208G−Pを通過して進行し投射レンズ211に入射するが、投射レンズ211の内部には、ライトバルブ209Gの各点からの射出光束の広がり角(NA)を制限している不図示の開口絞りを有している。投射レンズ211への入射光のうちかなりの部分は、前記開口絞りにより決定されるNAより大きい傾きの光になるので、この開口絞りによって遮光されるため、大幅にコントラストを向上させることができ、ホワイトバランスの良好な投射像を投射することができる。
【0036】
本第2実施形態では、光量調節部材であるNDフィルター207Gの配置は、XZ平面に垂直で、かつ光軸に対して傾けた構成であるが、この配置には限定されない。例えば、図5で、YZ平面に垂直で、かつ光軸に対して傾けた配置であっても同様な効果を奏することができる。さらに、XZ平面とYZ平面に対して非垂直で、光軸に対して傾けた構成としてもよい。
【0037】
さらに、本第2実施形態のNDフィルターの配置は、全ての色光に配置する必要はなく、色分解光学系の設計に基づいて、所定の色光のみにNDフィルターを光軸に対して所定の傾きを与えて配置すればよい。
【0038】
(第3実施形態)
図6は本発明の第3実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図を示す。本第3実施形態の投射型表示装置では、基本構成は第1実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材については同じ符号を付しその説明を省略する。
【0039】
図6において、各色光用の光量調節部材であるNDフィルター207B、207G、及び207Rの配置は、各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rと色合成光学系の間の光路中に光軸に対して垂直ではなく傾けてそれぞれ配置されて投射型表示装置が構成されている。
【0040】
図6に示すように、各色光用のNDフィルター207B、207G、及び207Rは、各色用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rのそれぞれ検光光の射出面と色合成用のクロスダイクロイックプリズム210のそれぞれの入射面の間に配置しているので、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rそれぞれの検光光のコントラストは良好な値を維持できる。
【0041】
そして、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rを射出した各色の検光光はNDフィルター207B、207G、及び207Rを透過することによりホワイトバランスを調整された所定光量を色合成用のクロスダイクロイックプリズム210にそれぞれ入射させることが可能となる。
【0042】
さらに、各色光用のNDフィルター207B、207G、及び207Rに入射した各色光の検光光は、NDフィルター207B、207G、及び207Rの特性のために一部反射されるが、NDフィルター207B、207G、及び207Rが光軸に対して傾けて配置されているので、NDフィルター207B、207G、及び207Rからの反射光は、入射光軸とはそれぞれ異なる方向に進行し、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rを経てライトバルブ209B、209G、及び209Rには入射されずに廃棄される。これによりコントラストの良好な投射像を検光光として偏光ビームスプリッタから射出することができるため、ホワイトバランスが良好で、かつコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0043】
本第3実施形態においても、全ての色光にNDフィルターを配置する必要はなく、必要な色光のみに配置すれば良いことは第1、及び第2実施形態と同様である。
【0044】
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図を示す。本第4実施形態の投射型表示装置では、基本構成は第2実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材については同じ符号を付しその説明を省略する。
【0045】
図7において、光量調節部材である各色光用のトリミングフィルター216B、216G、及び216Rの配置は、各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rの色分解光学系側入射面近傍の光路中に光軸に対して垂直ではなく傾けてそれぞれ配置されて投射型表示装置が構成されている。ここで、トリミングフィルターとは特定波長の光の透過率を制御したフィルターをいい、ガラス基板に誘電体多層膜をコーティングしたものなどが使用される。
【0046】
色分解光学系によって形成される各色光は、各色光の透過光量をホワイトバランスの良好な投射像となるように各色光用のトリミングフィルター216B、216G、及び216Rは設計されている。各色光はトリミングフィルター216B、216G、及び216Rを射出し、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rに入射し、偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pを反射して各色光用のライトバルブ209B、209G、及び209Rにそれぞれ入射する。
【0047】
ライトバルブが黒状態の時にはそれぞれの入射光の偏光は変わらずライトバルブ209B、209G、及び209Rからそれぞれ反射し、射出され、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rにそれぞれ入射し、大部分は偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pでそれぞれ反射されて、再度トリミングフィルター216B、216G、及び216Rにそれぞれ入射される。光軸にたいしてトリミングフィルター216B、216G、及び216Rが垂直ではなく、所定の角度を有して配置されているので、それぞれの入射光はトリミングフィルター216B、216G、及び216Rを透過せず反射し光軸方向から外れた方向に廃棄される。このため、それぞれのライトバルブ209B、209G、及び209Rには入射されないのでコントラストの劣化はなく、ホワイトバランスが良好で、コントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0048】
本実施形態においても、各色光すべてにトリミングフィルターを配置する必要はなく、色分解光学系により形成される各色光の光量に応じて配置する色光を決定すればよい。
【0049】
(第5実施形態)
図8は本発明の第5実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図を示す。本第5実施形態の投射型表示装置では、基本構成は第2実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材については同じ符号を付しその説明を省略する。
【0050】
前述の第4実施形態においては、光量調節部材である各色光用のトリミングフィルター216B、216G、及び216Rを各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rの色分解光学系側入射面の近傍の光路中にそれぞれ配置した構成となっているが、本第5実施形態では、G光のみの光量を調節するように、光量調節フィルターであるトリミングフィルター217を、クロスダイクロイックミラー203とG光を反射しR光を透過するダイクロイックミラー206の間の光路中に光軸に対して所定の角度を有して配置して投射型表示装置が構成されている。
【0051】
図8に示す構成によって、G光用のライトバルブ209Gが黒状態の時にはライトバルブ209Gへの入射光の偏光は変わらず反射し、射出され、偏光ビームスプリッタ208Rに入射し、大部分は偏光分離部208R−Pで反射されてダイクロイックミラー206をへてトリミングフィルター217に入射される戻り光となる。トリミングフィルター217は光軸に対して所定の角度を有して配置されているので、戻り光はトリミングフィルター217を透過せず反射され光軸方向から外れた方向に廃棄されため、ライトバルブ209Gには入射されないのでコントラストの劣化を生じることはない。これにより、ホワイトバランスが良好で、コントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0052】
さらに、本第5実施形態では、ライトバルブ209Gからトリミングフィルター217の位置までの距離を長くすることができるので、トリミングフィルター217の傾き角度を小さくしても、戻り光を光軸方向から外れた方向へ容易に廃棄することができ、ホワイトバランスが良好でコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0053】
なお、本第5実施形態では、トリミングフィルター217を配置したが、光量調節にG光波長域の中の特定の波長域の光をカットとするノッチフィルターを使用してもよい。
【0054】
また、本第5実施形態では、G色光の光量を調節するのを前提としたが、色分解光学系の設計によっては、R光を調節する必要が発生する場合もあり、この場合には、G光のトリミングフィルターを配置した位置と同じ位置にR光の光量調節のトリミングフィルターを光軸に対して傾けて配置する構成としてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、ホワイトバランス及びコントラストの良好な投射像を得ることのできる反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図。
【図2】第1実施形態における光量調節部材である2枚の1/4波長位相板とNDフィルターの配置を説明する斜視図。
【図3】図1の要部拡大図であって、ライトバルブが黒状態の時の光の進行状態を説明する図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図。
【図5】図4の要部拡大図であって、第2実施形態の効果を説明する図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図。
【図7】本発明の第4実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第5実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。
【符号の説明】
201 光源
202 偏光変換装置
203 クロスダイクロイックミラー
204、205 光路折り曲げミラー
206 ダイクロイックミラー
207R、207G、207B NDフィルター
208R、208G、208B 偏光ビームスプリッタ
209R、209G、209B 反射型ライトバルブ
210 クロスダイクロイックプリズム
211 投射レンズ
212R、212G、212B、213R、213G、213B 1/4波長位相板
216R、216G、216B、217 トリミングフィルター
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
赤色光、緑色光、及び青色光(以後、本明細書中では、それぞれR光、G光、及びB光と記す)用にそれぞれライトバルブを配置して、各色光を全体としてのホワイトバランスを確保できるようにそれぞれ光量調整用のNDフィルターを経由して各色光用のライトバルブに入射させて各色信号に基づいて変調を行い、ライトバルブから射出した変調光を色合成して投射レンズで投射する構成の透過型の投射型表示装置が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された投射型表示装置では、各光源から射出されたR光、G光及びB光は各色光の光軸に対して垂直に配置された光量調節手段である透過光量を調節できる色光毎のNDフィルターに入射させてホワイトバランスを調節して各色光用に配置された透過型液晶ライトバルブにそれぞれ入射させ、各色光の色信号に基づいて変調させて変調光を射出させ、色合成光学系を構成するクロスダイクロイックプリズムに入射させてホワイトバランスの良好な光を色合成して射出し、投射レンズから投射する構成を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−313114公報(図5参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された、NDフィルターを反射型ライトバルブを使った投射型表示装置に用いた場合、投射型表示装置においてもホワイトバランスは良好に調整できるものの、投射像のコントラストが劣化してしまうという問題を有することが判明した。
【0006】
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであって、ホワイトバランス及びコントラストの良好な投射像を得ることのできる反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に2枚の波長位相板と当該2枚の波長位相板の間に配置されたNDフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0008】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調整部材における前記2枚の波長位相板はそれぞれ1/4波長位相板であり、その光学軸の方向は互いに直交し、かつ入射偏光の振動方向と45度の傾きを有することが好ましい。
【0009】
また、本発明では、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に光軸に対して傾けて配置したNDフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0010】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調節部材は、前記色光に対応して配置された偏光ビームスプリッタの検光光の射出面と前記色合成光学系の間の光路中に配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調節部材は、反射率と透過率によって透過光量を調節するNDフィルターであることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、光源と、前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に光軸に対して傾けて配置されたトリミングフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0013】
また、本発明の投射型表示装置では、前記色分解光学系は、前記第1色光と前記第2及び第3色光の混合色光とに分解する第1光学部材と、前記混合色光を前記第2及び前記第3色光に分解する第2光学部材とを有し、前記光量調節部材は、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の光路中に配置され、前記第2色光又は前記第3色光の少なくとも一方の色光の光量を調節することが好ましい。
【0014】
また、本発明の投射型表示装置では、前記光量調節部材は、前記色光に対応して配置された偏光ビームスプリッタと前記色分解光学系の間の光路中に配置されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図であり、図2は第1実施形態における2枚の1/4波長位相板とNDフィルターの配置を説明する斜視図であり、図3は図1の要部拡大図であって、ライトバルブが黒状態の時の光の進行状態を説明する図である。また、図4は本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図であり、図5は図4の要部拡大図であって、第2実施形態の効果を説明する図である。また、図6は本発明の第3実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。また、図7は本発明の第4実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。また、図8は本発明の第5実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の投射型表示装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。図1において、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を定義する。なお、Y軸は紙面に対して垂直な方向である。
【0018】
図1において、ランプ201aと放物面鏡等の凹面鏡201bとから構成される光源201から射出されるランダム偏光の光源光は偏光変換装置202によって紙面に垂直なY軸方向に平行な振動方向を有する直線偏光に変換される。この偏光をB光(青色光)に対して反射特性を有するダイクロイックミラー203Bと、R光(赤色光)とG光(緑色光)とに対して反射特性を有するダイクロイックミラー203RGとを互いに直交するように配置(X型)したクロスダイクロイックミラー203に入射して、Z軸に平行でクロスダイクロイックミラー203の中心に対して互いに反対方向に進行するB光と、G光とR光の混合光とに色分解する。ダイクロイックミラー203で色分解された各色光のうちB光は折り曲げミラー204に入射して進行方向を変えて進行し、XZ平面に垂直で、かつB光の光軸に対して直交して配置された2枚の1/4波長位相板212B、213Bと、2枚の1/4波長位相板212Bと213Bとの間に挟まれて配置されたNDフィルター207Bとからなる光量調節部材を経て、透過光量を調節されて射出され偏光ビームスプリッタ208Bに入射される。
【0019】
一方、クロスダイクロイックミラー203で色分解されたR光とG光の混合光は折り曲げミラー205に入射して進行方向を変えて進行し、G光を反射しR光を透過する特性を有するダイクロイックミラー206に入射し、反射されたG光と透過して進行するR光に色分解される。色分解されたG光はXZ平面に垂直に、かつG光光軸に対して直交して配置される2枚の1/4波長位相板212G、213Gと、1/4波長位相板212Gと213Gとの間に挟まれて配置されるNDフィルター207Gからなる光量調節部材に入射し、透過光量を調節されて射出され偏光ビームスプリッタ208Gに入射する。また、色分解されたR光はXZ平面に垂直に、R光の光軸に対して直交して配置される2枚の1/4波長位相板212R、213Rと、1/4波長位相板212Rと213Rとの間に挟まれて配置されるNDフィルター207Rからなる光量調節部材に入射し、透過光量を調節されて射出され偏光ビームスプリッタ208Rに入射する。なお、クロスダイクロイックミラー203と折り曲げミラー204、及び205とダイクロイックミラー206とで色分解光学系が構成されている。
【0020】
各偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rにそれぞれ入射されたホワイトバランスの取れた入射光はそれぞれの偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pを反射して進行して各偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rをそれぞれ射出して、各色光用に配置されたライトバルブ209B、209G、及び209Rにそれぞれ入射する。入射光は各色光用のライトバルブ209B、209G、及び209Rによってそれぞれ変調されて反射射出されて、再度各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rにそれぞれ再度入射する。入射された変調光は偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pでそれぞれ検光されて検光光として取りだされ、色合成をおこなうクロスダイクロイックプリズム210にそれぞれ異なる入射面から入射する。クロイスダイクロイックプリズム210は内部にR光反射ダイクロイック膜210RとB光反射ダイクロイック膜210Bをそれぞれ直交して配置(X型)した複合プリズムであって、入射したB光はB光反射ダイクロイック膜210Bを反射し、入射したR光はR光反射ダイクロイック膜210Rを反射し、入射したG光は両ダイクロイック膜210B及び210Rを透過して色合成が達成される。合成光はクロスダイクロイックプリズム210を射出して、投射レンズ211に入射して、図示しないスクリーン上にフルカラー投射像を投射する。このようにして反射型表示装置が構成されている。
【0021】
図2はG光の光軸に挿入された2枚の1/4波長位相板212G、213Gと、1/4波長位相板212Gと1/4波長位相板213Gとの間に挟んで配置されたNDフィルター207Gからなる光量調節部材の分解斜視図を示している。R光とB光の2枚の1/4波長板とこれら2枚の1/4波長位相板の間に挟まれたNDフィルターも同様の構造を有しているので、ここではG光のみを説明しR光とB光については説明を省略する。
【0022】
図2において、1/4波長位相板212Gに入射するG光の偏光の方向は、(A)に示す位置ではY軸に平行な振動方向を有する直線偏光である。この振動方向に対して、1/4波長位相板212Gの光学軸D1の方向は45度の方向を有している。1/4波長位相板212Gを通過した光は、(B)の位置では円偏光となっている。この円偏光の光はNDフィルター207Gによって所定の光量だけが透過してホワイトバランスの取れる光量が射出され、(C)の位置では光量の調節された円偏光となっている。1/4波長位相板213Gの光学軸D2は1/4波長位相板212Gの光学軸D1とは直交する様に配置されており、1/4波長位相板213Gを透過した円偏光は、(D)の位置ではY軸に平行な振動方向を有する直線偏光となっている。この直線偏光の光は偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、偏光分離部208G−Pで反射される方向の偏光なので、偏光分離部208G−Pで反射されて偏光ビームスプリッタ208Gを射出し、ライトバルブ209Gに入射する。ライトバルブ209Gに入射した光は変調を受けて反射射出されて、再び偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、変調光は偏光分離部208G−Pを透過した透過光として取りだされる。ライトバルブ209Gで変調されなかった非変調光は偏光分離部208G−Pの反射光として分離される。
【0023】
図3は図1の要部拡大図であって、ライトバルブ209Gが黒状態、すなわち変調しない時の光の進行状態を説明する図である。
【0024】
図3において、2枚の1/4波長位相板212G、213G及びNDフィルタ207Gを通過したG光は偏光分離部208G−Pで反射射出されてライトバルブ209Gに入射する。ライトバルブ209Gから反射射出される光はライトバルブ209Gが黒状態なので、偏光の振動方向がライトバルブ209Gへの入射光と同じ方向のY軸に平行な振動方向を有しており、偏光ビームスプリッタ208Gに入射して大部分は偏光分離部208G−Pで反射される。しかし、偏光分離部208G−Pの偏光分離特性のために一部は透過(図3中、点線矢印)してしまう。反射光は1/4波長位相板213Gに入射して円偏光に変換されてNDフィルター207Gに入射し、一部はNDフィルター207Gで反射されてしまい、再度1/4波長位相板213Gに入射して振動方向がX軸方向と平行な直線偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ208に再び入射される。この振動方向の偏光は偏光分離部208G−Pで実質的に透過される方向の偏光であるため、大部分の光は偏光分離部208G−Pを透過して進行し偏光ビームスプリッタ208Gを透過して廃棄される。
【0025】
本実施形態では、ライトバルブが黒状態では、ライトバルブからの反射射出光であって検光用の偏光ビームスプリッタで非検光光となる光はホワイトバランスのための光量調節をおこなうNDフィルターによって反射されて偏光ビームスプリッタに逆行してきても、この逆行光の大部分は偏光分離部を透過するためライトバルブに再び入射されることなく廃棄することができる。これによりコントラストの良好な投射像を検光光として偏光ビームスプリッタから射出することができるため、ホワイトバランスが良好で、かつコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。1/4波長位相板がない場合は、NDフィルター207Gの表面で反射された光が再度偏光分離部208G−Pで反射され、ライトバルブ209Gに入射してしまう。ライトバルブ209Gに入射して、反射された光が再度偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、その一部が偏光分離部208G−Pを透過することによって、コントラストが低下してしまう。NDフィルターの表面での反射光は反射型のNDフィルターを使用する場合に特に問題となる。
【0026】
なお、本実施形態では、ホワイトバランスを取るためにR光、G光、及びB光の各色光の光路中に2枚の1/4波長位相板の間にNDフィルターを挟み込んだ構成の部材をそれぞれ配置したが、色分解光学系の設計により必ずしも全ての色光にこれらを配置する必要はない。R光、G光、及びB光の3色の光のうち2色の光に本発明の2枚の1/4波長位相板の間にNDフィルターを挟み込んだ構成の部材を配置してもよいし、1色光のみに配置しても良い。どの色光にこれら部材を配置すべきかは色分解光学系の設計、製造に依存して適宜決めれば良い。
【0027】
また、本実施形態では、上記のように波長位相板として1/4波長位相板を配置したが、この1/4波長位相板に限定されるものではなく、同様な効果を奏する他の波長位相板(例えば、3/4波長位相板等)を配置しても良い。
【0028】
以上のように、本実施形態では、ライトバルブで変調されなかった光が、偏光ビームスプリッタの偏光分離部で反射され、NDフィルターに再度入射する場合に、NDフィルターの表面で反射された光が、再度ライトバルブに入射することを防止することができるためコントラストを向上することができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る投射型表示装置に関して説明する。
【0030】
図4は本発明の第2実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図であり、図5は図4の要部拡大図であって、第2実施形態の効果を説明する図である。本第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、各色光用に配置する光量調節部材であるNDフィルターの配置の仕方にある。基本構成は第1実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材には同じ符号を付し説明を省略する。
【0031】
図4において、各色光用に配置するNDフィルター207B、207G、及び207Rは各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rの色分解光学系側入射面に近接してXZ平面には垂直に、かつ光軸に対して傾けて配置して投射型表示装置が構成されている。
【0032】
図5は図4の要部拡大図であって、G光用のNDフィルター207Gを含む光学系の一部を示し、本発明の効果を説明する図である。他の色光の同じ部分についても同様の効果を奏するので説明を省略する。
【0033】
図5において、色分解光学系から射出されたG光はNDフィルター207Gを通過後、ホワイトバランスを調節されて偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、偏光分離部208G−Pによって大部分が反射されてライトバルブ209G方向に進行し、偏光ビームスプリッタ208Gから射出されてG光用のライトバルブ209Gに入射する。ライトバルブ209Gが黒状態の場合、入射偏光と同じ、紙面に垂直なY軸に平行な振動方向を有する直線偏光としてライトバルブ209Gから反射し、ライトバルブ209Gから射出されて、再度偏光ビームスプリッタ208Gに入射し、偏光分離部208G−Pで大部分が反射されて偏光ビームスプリッタ208Gを射出し、再びNDフィルター207Gに入射する。光軸に傾けて配置されたNDフィルター207Gからの反射光は反射法則に則って反射して、入射光軸とは異なる光軸方向に反射し、偏光ビームスプリッタ208Gのプリズム部を透過し、ライトバルブ209Gに再び入射することなく廃棄される。
【0034】
このように、NDフィルター207Gを反射し、射出した光がライトバルブ209Gに戻ることはなくなるので、ライトバルブ207Gが黒状態の時に、偏光ビームスプリッタ208Gを透過して投射レンズ211(図4参照)に入射する光を増加させることはなくなり、ホワイトバランスが良好で、かつコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0035】
本第2実施形態では、光量調節部材であるNDフィルター207Gの光軸に対する傾きは、NDフィルター207Gにおける全反射光がライトバルブ209Gに再び入射しない傾きに設定してある。NDフィルター207Gの光軸に対する傾き状態によっては、ライトバルブ209Gに一部入射する場合がある。この場合でも、ライトバルブ209GにはNDフィルター207Gの反射光のうち一部しか再び入射しないこと、及びその入射角度は偏光ビームスプリッタ208Gからの入射光軸とは異なる角度であるので、ライトバルブ209Gに入射する反射光のうち一部のみが偏光ビームスプリッタ208Gに入射する。そのうちの一部が偏光分離部208G−Pを通過して進行し投射レンズ211に入射するが、投射レンズ211の内部には、ライトバルブ209Gの各点からの射出光束の広がり角(NA)を制限している不図示の開口絞りを有している。投射レンズ211への入射光のうちかなりの部分は、前記開口絞りにより決定されるNAより大きい傾きの光になるので、この開口絞りによって遮光されるため、大幅にコントラストを向上させることができ、ホワイトバランスの良好な投射像を投射することができる。
【0036】
本第2実施形態では、光量調節部材であるNDフィルター207Gの配置は、XZ平面に垂直で、かつ光軸に対して傾けた構成であるが、この配置には限定されない。例えば、図5で、YZ平面に垂直で、かつ光軸に対して傾けた配置であっても同様な効果を奏することができる。さらに、XZ平面とYZ平面に対して非垂直で、光軸に対して傾けた構成としてもよい。
【0037】
さらに、本第2実施形態のNDフィルターの配置は、全ての色光に配置する必要はなく、色分解光学系の設計に基づいて、所定の色光のみにNDフィルターを光軸に対して所定の傾きを与えて配置すればよい。
【0038】
(第3実施形態)
図6は本発明の第3実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図を示す。本第3実施形態の投射型表示装置では、基本構成は第1実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材については同じ符号を付しその説明を省略する。
【0039】
図6において、各色光用の光量調節部材であるNDフィルター207B、207G、及び207Rの配置は、各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rと色合成光学系の間の光路中に光軸に対して垂直ではなく傾けてそれぞれ配置されて投射型表示装置が構成されている。
【0040】
図6に示すように、各色光用のNDフィルター207B、207G、及び207Rは、各色用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rのそれぞれ検光光の射出面と色合成用のクロスダイクロイックプリズム210のそれぞれの入射面の間に配置しているので、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rそれぞれの検光光のコントラストは良好な値を維持できる。
【0041】
そして、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rを射出した各色の検光光はNDフィルター207B、207G、及び207Rを透過することによりホワイトバランスを調整された所定光量を色合成用のクロスダイクロイックプリズム210にそれぞれ入射させることが可能となる。
【0042】
さらに、各色光用のNDフィルター207B、207G、及び207Rに入射した各色光の検光光は、NDフィルター207B、207G、及び207Rの特性のために一部反射されるが、NDフィルター207B、207G、及び207Rが光軸に対して傾けて配置されているので、NDフィルター207B、207G、及び207Rからの反射光は、入射光軸とはそれぞれ異なる方向に進行し、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rを経てライトバルブ209B、209G、及び209Rには入射されずに廃棄される。これによりコントラストの良好な投射像を検光光として偏光ビームスプリッタから射出することができるため、ホワイトバランスが良好で、かつコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0043】
本第3実施形態においても、全ての色光にNDフィルターを配置する必要はなく、必要な色光のみに配置すれば良いことは第1、及び第2実施形態と同様である。
【0044】
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図を示す。本第4実施形態の投射型表示装置では、基本構成は第2実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材については同じ符号を付しその説明を省略する。
【0045】
図7において、光量調節部材である各色光用のトリミングフィルター216B、216G、及び216Rの配置は、各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rの色分解光学系側入射面近傍の光路中に光軸に対して垂直ではなく傾けてそれぞれ配置されて投射型表示装置が構成されている。ここで、トリミングフィルターとは特定波長の光の透過率を制御したフィルターをいい、ガラス基板に誘電体多層膜をコーティングしたものなどが使用される。
【0046】
色分解光学系によって形成される各色光は、各色光の透過光量をホワイトバランスの良好な投射像となるように各色光用のトリミングフィルター216B、216G、及び216Rは設計されている。各色光はトリミングフィルター216B、216G、及び216Rを射出し、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rに入射し、偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pを反射して各色光用のライトバルブ209B、209G、及び209Rにそれぞれ入射する。
【0047】
ライトバルブが黒状態の時にはそれぞれの入射光の偏光は変わらずライトバルブ209B、209G、及び209Rからそれぞれ反射し、射出され、偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rにそれぞれ入射し、大部分は偏光分離部208B−P、208G−P、及び208R−Pでそれぞれ反射されて、再度トリミングフィルター216B、216G、及び216Rにそれぞれ入射される。光軸にたいしてトリミングフィルター216B、216G、及び216Rが垂直ではなく、所定の角度を有して配置されているので、それぞれの入射光はトリミングフィルター216B、216G、及び216Rを透過せず反射し光軸方向から外れた方向に廃棄される。このため、それぞれのライトバルブ209B、209G、及び209Rには入射されないのでコントラストの劣化はなく、ホワイトバランスが良好で、コントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0048】
本実施形態においても、各色光すべてにトリミングフィルターを配置する必要はなく、色分解光学系により形成される各色光の光量に応じて配置する色光を決定すればよい。
【0049】
(第5実施形態)
図8は本発明の第5実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図を示す。本第5実施形態の投射型表示装置では、基本構成は第2実施形態と同様の構成を有しており、同様の構成部材については同じ符号を付しその説明を省略する。
【0050】
前述の第4実施形態においては、光量調節部材である各色光用のトリミングフィルター216B、216G、及び216Rを各色光用の偏光ビームスプリッタ208B、208G、及び208Rの色分解光学系側入射面の近傍の光路中にそれぞれ配置した構成となっているが、本第5実施形態では、G光のみの光量を調節するように、光量調節フィルターであるトリミングフィルター217を、クロスダイクロイックミラー203とG光を反射しR光を透過するダイクロイックミラー206の間の光路中に光軸に対して所定の角度を有して配置して投射型表示装置が構成されている。
【0051】
図8に示す構成によって、G光用のライトバルブ209Gが黒状態の時にはライトバルブ209Gへの入射光の偏光は変わらず反射し、射出され、偏光ビームスプリッタ208Rに入射し、大部分は偏光分離部208R−Pで反射されてダイクロイックミラー206をへてトリミングフィルター217に入射される戻り光となる。トリミングフィルター217は光軸に対して所定の角度を有して配置されているので、戻り光はトリミングフィルター217を透過せず反射され光軸方向から外れた方向に廃棄されため、ライトバルブ209Gには入射されないのでコントラストの劣化を生じることはない。これにより、ホワイトバランスが良好で、コントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0052】
さらに、本第5実施形態では、ライトバルブ209Gからトリミングフィルター217の位置までの距離を長くすることができるので、トリミングフィルター217の傾き角度を小さくしても、戻り光を光軸方向から外れた方向へ容易に廃棄することができ、ホワイトバランスが良好でコントラストの良好な投射像を投射することが可能となる。
【0053】
なお、本第5実施形態では、トリミングフィルター217を配置したが、光量調節にG光波長域の中の特定の波長域の光をカットとするノッチフィルターを使用してもよい。
【0054】
また、本第5実施形態では、G色光の光量を調節するのを前提としたが、色分解光学系の設計によっては、R光を調節する必要が発生する場合もあり、この場合には、G光のトリミングフィルターを配置した位置と同じ位置にR光の光量調節のトリミングフィルターを光軸に対して傾けて配置する構成としてもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、ホワイトバランス及びコントラストの良好な投射像を得ることのできる反射型ライトバルブを用いた投射型表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図。
【図2】第1実施形態における光量調節部材である2枚の1/4波長位相板とNDフィルターの配置を説明する斜視図。
【図3】図1の要部拡大図であって、ライトバルブが黒状態の時の光の進行状態を説明する図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図。
【図5】図4の要部拡大図であって、第2実施形態の効果を説明する図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る投射型表示装置の概略構成図。
【図7】本発明の第4実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第5実施の形態に係る投射型表示装置の概略構成図である。
【符号の説明】
201 光源
202 偏光変換装置
203 クロスダイクロイックミラー
204、205 光路折り曲げミラー
206 ダイクロイックミラー
207R、207G、207B NDフィルター
208R、208G、208B 偏光ビームスプリッタ
209R、209G、209B 反射型ライトバルブ
210 クロスダイクロイックプリズム
211 投射レンズ
212R、212G、212B、213R、213G、213B 1/4波長位相板
216R、216G、216B、217 トリミングフィルター
Claims (8)
- 光源と、
前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、
前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、
前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、
前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、
前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、
前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に2枚の波長位相板と当該2枚の波長位相板の間に配置されたNDフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記光量調整部材における前記2枚の波長位相板はそれぞれ1/4波長位相板であり、その光学軸の方向は互いに直交し、かつ入射偏光の振動方向と45度の傾きを有することを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
- 光源と、
前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、
前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、
前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、
前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、
前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、
前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に光軸に対して傾けて配置したNDフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記光量調節部材は、前記色光に対応して配置された偏光ビームスプリッタの検光光の射出面と前記色合成光学系の間の光路中に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の投射型表示装置。
- 前記光量調節部材は、反射率と透過率によって透過光量を調節するNDフィルターであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 光源と、
前記光源からの光を第1色光、第2色光、及び第3色光の3色の光に色分解する色分解光学系と、
前記3色の光にそれぞれ対応して配置された第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブと、
前記色分解光学系からの前記3色の光をそれぞれ偏光分離して前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブに導き、前記第1、第2、及び第3の反射型ライトバルブで変調された前記3色の光をそれぞれ検光するための偏光分離部を有する第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタと、
前記第1、第2、及び第3の偏光ビームスプリッタによって検光された前記3色の光を色合成する色合成光学系と、
前記色合成光学系からの合成光を投射する投射レンズとを有し、
前記3色の色光の少なくとも1つの色光の光路中に光軸に対して傾けて配置されたトリミングフィルターからなる光量調節部材を配置したことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記色分解光学系は、前記第1色光と前記第2及び第3色光の混合色光とに分解する第1光学部材と、前記混合色光を前記第2及び前記第3色光に分解する第2光学部材とを有し、前記光量調節部材は、前記第1光学部材と前記第2光学部材との間の光路中に配置され、前記第2色光又は前記第3色光の少なくとも一方の色光の光量を調節することを特徴とする請求項6に記載の投射型表示装置。
- 前記光量調節部材は、前記色光に対応して配置された偏光ビームスプリッタと前記色分解光学系の間の光路中に配置されていることを特徴とする請求項1または2または3または5または6のいずれかに記載の投射型表示装置。
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JP2002370676A JP2004198998A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 投射型表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014103215A1 (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-03 | セイコーエプソン株式会社 | 電子機器 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370676A patent/JP2004198998A/ja not_active Withdrawn
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WO2014103215A1 (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-03 | セイコーエプソン株式会社 | 電子機器 |
JP2014126755A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Seiko Epson Corp | 電子機器 |
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