JP2003043255A - 色分離素子及び投影装置 - Google Patents

色分離素子及び投影装置

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JP2003043255A
JP2003043255A JP2001231818A JP2001231818A JP2003043255A JP 2003043255 A JP2003043255 A JP 2003043255A JP 2001231818 A JP2001231818 A JP 2001231818A JP 2001231818 A JP2001231818 A JP 2001231818A JP 2003043255 A JP2003043255 A JP 2003043255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色選択性リターダを用いた小型で、光学レイア
ウトが容易な色分離素子を実現する。 【解決手段】本発明の色分離素子は、色分離膜(ダイク
ロイック分離膜)1aと、第一の偏光方向成分は透過
し、第一の偏光方向とは直交する第二の偏光方向の成分
は反射する偏光分離膜2aと、特定波長領域の偏光方向
を変換する色選択性リターダ2bとで構成され、前記偏
光分離膜2aの側面に色選択性リターダ2bを配置し、
前記色分離膜1aで2つの色に分離した一方の光を、色
選択性リターダ2bへ略45度の角度で入射し、該色選
択性リターダ2bを通過後、偏光分離膜2aで第一の偏
光方向成分を持つ波長帯域光と、第二の偏光方向成分を
持つ波長帯域光を、それぞれ透過光と反射光とに分離す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色分離素子及び投影
装置に関する。より詳しくは、偏光を利用して光源から
の光を2色あるいは3色の光に色分離することができる
色分離素子に関する。また、その色分離素子を用いて照
明光を3色に分離し、それぞれ分離された光の偏光方向
を制御する手段、例えば液晶素子からなるライトバルブ
を駆動することで、液晶を通過する際、あるいは反射す
る際に偏光方向を変換して、光のスイッチング制御を行
うことで3色の画像をそれぞれ形成し、それぞれ単色で
形成された3色の画像を再び色合成し、カラー画像とし
てスクリーン上に投影する投影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、投影装置として、明るく、照度が
均一で、色再現性の優れた像を投影できる液晶プロジェ
クターが知られており、この液晶プロジェクターを、よ
り小さく、低コストで実現するために様々な光学系の工
夫がなされている。これまでは、透過型液晶素子を用い
て改良が重ねられていたが、より高解像で高効率な反射
型液晶素子を用いた液晶プロジェクターが実用化されて
いる。従来の投影装置の概略は、光源から出射された光
が液晶素子(LCD)からなるライトバルブの直前のコ
ンデンサーレンズで投射レンズの絞りに集光されるよう
に配置された照明系を用いたものが一般的であり、この
照明系からの照明光は、カラー表示のためにダイクロイ
ックミラーで赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の
光に分離され、ライトバルブの3枚の液晶素子で変調を
受けた後、再びダイクロイックミラーで合成されて投射
レンズ(投影レンズ)で投影される光学系となってい
る。
【0003】従来、液晶素子をライトバルブとして使う
場合、偏光を利用している。照明光は自然偏光で様々な
方向の偏光成分を含んでいるが、一方向の偏光方向に揃
えて偏光度を向上させた後、照明光を3色分離させ、各
色それぞれを色と対応したパネル状の液晶素子(液晶パ
ネル)へ照射している。ここで、従来の反射型液晶投影
装置(反射型液晶プロジェクター)における液晶素子を
用いたライトバルブ(液晶ライトバルブ)の動作原理を
図19に示す。図19に示すように、図示しない照明光
源からの光のうち、偏光ビームスプリッタ(PBS)2
0で選択されたS偏光は、全反射の場合、反射型液晶素
子21で反射されP偏光となって偏光ビームスプリッタ
20を透過し、図示しない投射レンズに導かれ、反射さ
せない全黒の場合は偏光ビームスプリッタ20により光
源に戻ることになる。従って、R、G、Bの3色に対応
した3つの液晶ライトバルブを用い、それぞれの反射光
を再びダイクロイックミラーなどを用いて色合成を行
い、投射レンズでスクリーン上に投影して画像形成する
のが従来の反射型液晶プロジェクターの一般的な構成で
ある。
【0004】また、従来の透過型液晶素子を用いた色合
成方法の一例を図20に示す。図20においては、3組
の液晶パネル31,32,33とコンデンサレンズ3
4,35,36を、クロスのダイクロイック膜30a,
30bが形成されたプリズム30の3面に対向して配置
し、残る1面に対向して投射レンズ37を配置する。そ
して、一方向の偏光成分の照明光を3色分離して、それ
ぞれを透過型の液晶パネル31,32,33を透過さ
せ、その際に光のスイッチングを行い、クロスのダイク
ロイック膜30a,30bが形成されたプリズム30を
通して3色の光を合成し、投射レンズ37で投影する方
式である。
【0005】以上のような、従来からある液晶素子を用
いた投影装置(液晶プロジェクター)は、偏光を扱うた
め、ある一方向の偏光成分を向上する素子が必要とな
る。光源は自然偏光の光源であるため、一方向の偏光成
分を抽出する方法として、理想的な偏光板を挿入する方
法があるが、効率が低いため、現在は偏光分離膜と1/
2波長板を組み合わせた方法が採用されている(特開平
11−142792号公報等)。
【0006】その従来の偏光変換器の原理図を図21に
示す。図21において、偏光ビームスプリッタアレイ
(PBSアレイ)40の中には複数の偏光分離膜41が
設けられており、偏光分離膜41ではP波(P偏光)は
透過され、S波(S偏光)のみが反射され、透過したP
波(P偏光)は1/2波長板42に入射し、振動方向を
90°回転させることでS波(S偏光)となり、従来は
捨てていたP波(P偏光)をS波(S偏光)に変換して
有効に利用している。
【0007】また、カラー分離方法についても、クロス
プリズムやダイクロイックミラーを用いた方法等、様々
な方法が提案されているが、特許第3130537号公
報(特表平11−504441号公報)に記載されてい
る色選択性リターダを用いた色分解、合成方法が提案さ
れている。ここで、特許第3130537号公報(特表
平11−504441号公報)記載の従来例を図22に
従って説明すると、単一の偏光フィルム50と、これに
続く2またはそれ以上のリターダのスタック51とを有
する補色色選択性リターダが提案されている。色選択性
リターダは、直線偏光を入射すると、直交する方向に偏
光した補色原色を生成する。また、特許第313053
7号公報(特表平11−504441号公報)には、図
22に示すように、第1の直線偏光子50と、2つまた
はそれ以上のリターダを有し前記偏光子に対して連続し
て配置される第1のリターダスタック51とを具備し、
前記リターダの数N、前記リターダのリターダンスお
よび配向が、第1の加法混合原色スペクトルが第1の偏
光軸に沿って透過され、且つ補色の第1の減法混合原色
スペクトルが第2の直交する偏光軸に沿って透過される
ようにようになっていることを特徴とする色選択性リタ
ーダを提案している。そして、この色選択性リターダ
は、カラー偏光子として前述した新しいプロジェクター
の作像部分に適用することが可能であり、本素子を用い
たプロジェクターとしては、USP613091や、
「日経マイクロデバイス、2000年8月号、p18
4」に開示されている。以上のような色選択性リターダ
(カラー偏光子)を使った従来例は、これまでにない新
規な色分離方法を用いた液晶プロジェクターである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述したよ
うな色選択性リターダ(色選択性の偏光子)を用いた小
型で光学レイアウトが容易な、新規な色分離素子を実現
することを目的とし、さらには、その色分離素子を用い
て色分離、色合成を行うことで、小型な投影装置を実現
することを目的とする。また、各光学素子を一体とした
色分離、色合成素子を実現し、精度のよい色分離、色合
成を実現して、より高画質な投影装置を実現することを
目的とし、さらには、各光学素子を一体化することによ
り、量産性に富み、安価な投影装置を実現することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、請求項1に係る発明は、色分離膜と、第
一の偏光方向成分は透過し、第一の偏光方向とは直交す
る第二の偏光方向の成分は反射する偏光分離膜と、特定
波長領域の偏光方向を変換する色選択性リターダとで構
成され、前記偏光分離膜の側面に前記色選択性リターダ
を配置し、前記色分離膜で2つの色に分離した一方の光
を、前記色選択性リターダへ略45度の角度で入射し、
該色選択性リターダを通過後、前記偏光分離膜で第一の
偏光方向成分を持つ波長帯域光と、第二の偏光方向成分
を持つ波長帯域光を、それぞれ透過光と反射光とに分離
することを特徴とするものである。請求項2に係る発明
は、請求項1記載の色分離素子において、前記色分離膜
を、平板状のダイクロイックミラーあるいはフィルター
としたことを特徴とするものである。請求項3に係る発
明は、請求項1記載の色分離素子において、前記色分離
膜を、ダイクロイックプリズムとしたことを特徴とする
ものである。
【0010】請求項4に係る発明は、光源と、色分離素
子と、映像変調信号に応じた画像を形成する複数のライ
トバルブと、各画像を合成する色合成素子と、形成され
た画像を投影する投射レンズとで構成される投影装置に
おいて、前記色分離素子として、請求項1,2または3
記載の色分離素子を用いたことを特徴とするものであ
る。請求項5に係る発明は、請求項4記載の投影装置に
おいて、前記ライトバルブは偏光方向を変調する反射型
のライトバルブであって、偏光分離膜と色選択性リター
ダで機能する少なくとも一組の色分離素子を色合成素子
として用いることを特徴とするものである。請求項6に
係る発明は、請求項4記載の投影装置において、前記ラ
イトバルブは偏光方向を制御変調する反射型のライトバ
ルブであって、第一のライトバルブで変調された画像
と、他のライトバルブで変調され色選択性リターダと偏
光分離膜で色合成された画像とを、ダイクロイック分離
膜を用いた色合成素子で合成することを特徴とするもの
である。請求項7に係る発明は、請求項6記載の投影装
置において、前記ダイクロイック分離膜を用いた色合成
素子は、ダイクロイックプリズムによって形成されたこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項8に係る発明は、請求項5,6また
は7記載の投影装置において、3組の反射型のライトバ
ルブを備え、その3組の反射型ライトバルブで反射され
たそれぞれの明表示光が通過する光路中に配置された光
学プリズムを同一の硝材で構成したことを特徴とするも
のである。請求項9に係る発明は、請求項5,6,7ま
たは8記載の投影装置において、最終的に色合成された
後の光路中に、色選択性リターダを配置し、各色偏光方
向を揃えることを特徴とするものである。請求項10に
係る発明は、請求項6,7または8記載の投影装置にお
いて、ダイクロイック分離膜と色選択性リターダを平行
対峙させて配置し、各色偏光方向を揃えることを特徴と
するものである。
【0012】請求項11に係る発明は、色分離膜と偏光
分離膜を形成あるいは付加された光学プリズムと、前記
偏光分離膜に平行に対峙させた色選択性リターダとで構
成したことを特徴とするものである。請求項12に係る
発明は、光源と、色分離素子と、映像変調信号に応じた
画像を形成する複数のライトバルブと、各画像を合成す
る色合成素子と、形成された画像を投影する投射レンズ
とで構成される投影装置において、前記色分離素子とし
て、請求項11記載の色分離素子を用いたことを特徴と
するものである。請求項13に係る発明は、請求項12
記載の投影装置において、前記ライトバルブは反射型の
液晶パネルであって、前記色分離素子を、互いに平行に
対峙された偏光分離膜と色選択性リターダが有する色分
離機能に加え、色合成素子として用いることを特徴とす
るものである。
【0013】請求項14に係る発明は、請求項13記載
の投影装置において、各ライトバルブで形成された画像
を合成する手段として、ダイクロイック分離膜で色合成
を行うことを特徴とするものである。請求項15に係る
発明は、請求項13または14記載の投影装置におい
て、色合成後の光路中に色選択性リターダを配置し、各
色偏光方向を揃えることを特徴とするものである。請求
項16に係る発明は、請求項14記載の投影装置におい
て、ダイクロイック分離膜と色選択性リターダを平行対
峙させて配置し、各色偏光方向を揃えることを特徴とす
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成、動作および
作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0015】(実施例1)まず、請求項1,2に係る発
明の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例を示す
色分離素子の概略構成図であり、この色分離素子は、色
分離膜1aと、第一の偏光方向成分は透過し、第一の偏
光方向とは直交する第二の偏光方向の成分は反射する偏
光分離膜2aと、特定波長領域の偏光方向を変換する色
選択性リターダ2bとで構成され、偏光分離膜2aの側
面に色選択性リターダ2bを配置し、色分離膜1aで2
つの色に分離した一方の光を、色選択性リターダ2bへ
略45度の角度で入射し、該色選択性リターダ2bを通
過後、偏光分離膜2aで第一の偏光方向成分を持つ波長
帯域光と、第二の偏光方向成分を持つ波長帯域光を、そ
れぞれ透過光と反射光とに分離する構成としたものであ
る。
【0016】より詳しく説明すると、この色分離素子
は、最初の色分離を行う色分離膜にダイクロイック分離
膜1aを用い、ダイクロイック分離膜1aによって例え
ばマゼンタ(M)と緑(G)の2色に分離された一方の
色(例えばマゼンタ(M))を、さらに、色選択性リタ
ーダ2bと偏光分離膜2aからなる素子2によって、例
えば赤(R)と青(B)の2色に分離し、結果として赤
(R),緑(G),青(B)の3色に分離する色分離素
子である。ここで、図1に示す例では、最初の色分離を
行う素子1は、平板状の透明部材(光学ガラスプレート
等)1bにダイクロイック分離膜1aを形成したダイク
ロイックミラー(あるいはダイクロイックフィルター)
であり、第二の色分離を行う素子2は、2つの直角プリ
ズムの間に偏光分離膜2aと色選択性リターダ2bとが
隣接して配置された色選択性の偏光ビームスプリッタ
(PBS)であり、2種類の色分離素子1,2を組合せ
て3色分離の色分離素子としたものである。
【0017】色選択性リターダ2bとしては、特許第3
130537号公報に記載されているリターダスタック
などを用いることができる。リターダスタックは、ある
波長帯域の偏光方向を90度回転させ、補色の関係にあ
る波長帯域は偏光方向を変化させずに透過させる機能を
有している。すなわち、緑(G)の帯域のみを変換する
素子や、赤(R)の帯域のみを変換させたり、青(B)
の帯域のみ変換させたりする機能を有している。尚、図
22に示した従来技術では、垂直方向の入射でリターダ
スタックの構成を最適になるように設計しているが、本
発明では、入射使用方向(例えば色選択性リターダ2b
へ略45度の角度で入射する場合)で特性が最適になる
ようにリターダスタックの最適設計を行なっている。
【0018】また、ダイクロイック分離膜1aを形成し
たダイクロイックミラー(あるいはダイクロイックフィ
ルター)1や、色選択性のPBS2としては、近年の薄
膜成膜技術を用いて光学ガラス表面にダイクロイック分
離膜1aや偏光分離膜2a等を形成することで作製する
ことができる。具体的には、誘電体材料や金属材料を用
い、真空プロセスを用いた薄膜形成技術により、平板状
やプリズム状の光学ガラスの表面にダイクロイック分離
膜1aや、偏光分離膜2aを成膜することで容易に作成
可能である。以上のような従来からあるダイクロイック
ミラー等の素子1と、色選択性リターダ2bと偏光分離
膜2aを隣接配置した素子2とを対峙させることによ
り、これまでにない新規な構成の色分離素子を実現する
ことができる。
【0019】次に図1に示す色分離素子の動作及び作用
について説明する。図1において、図示しない照明光源
からの一方向の偏光方向に揃った照明光をダイクロイッ
クミラー1に入射する。例えば、実質P偏光の光を、緑
(G)光の反射率が高く、マゼンタ(M)光の透過率が
高いダイクロイック分離膜1aが形成された平板状のダ
イクロイックミラー1に略45度の角度で入射すると、
緑(G)光はダイクロイック分離膜1aで略直角方向に
反射され、マゼンタ(M)光はダイクロイック分離膜1
aを透過して色選択性リターダ2bへ図に示す45度の
方向から入射する。このとき、入射光として、PBS2
の偏光分離膜2a形成面に対してP偏光の光が入射する
ことになる。また、このとき、色選択性リターダ2b
は、青(B)の帯域のみ偏光方向を90度変換されるB
/Y素子とする。色選択性リターダ2bに入射したP偏
光のマゼンタ(M)光は、色選択性リターダ2bにより
青(B)はS偏光に変えられるが、赤(R)はP偏光の
ままで透過し、それぞれ偏光分離膜2aへ到着し、赤
(R)のみ偏光分離膜2aを透過し、青(B)は偏光分
離膜2aで反射され、青色(B)光は90度光路を折り
曲げられ、再び色選択性リターダ2bに入射し、色選択
性リターダ2bを通過してP偏光の青色(B)光として
分離される。尚、照明光の入射方向としては、特別に図
示しないが、緑(G)光の透過率が高く、マゼンタ
(M)光の反射率が高いダイクロイック分離膜1aを使
う場合には、図1の上方向から照明光をダイクロイック
ミラー1に入射させる構成を採用すればよい。
【0020】以上のような構成の色分離素子では、色選
択性リターダ2bと偏光分離膜2aに入射する光の偏光
方向により、自在に色分離方向を設定できる。また、偏
光方向を選択することも可能となり、従来にない色分離
素子を実現できる。特に入射光を色選択性リターダ2b
や偏光分離膜2aに45度で入射させることにより分離
角を90度とした構成では、様々な光学系に応用する際
に、素子レイアウトがしやすく、フレームやハウジング
保持部材のメカ設計の際、基準を直交方向に取ることが
でき、精度の確保がしやすいなど多くの利点がある。ま
た、P偏光入射で用いる構成を採用することにより、色
分離された3色の偏光方向が同じP偏光のままとなるの
で、従来からあるカラー分離素子(ダイクロイックカラ
ーフィルターなど)と同じ様な使い方が可能となり、利
用の幅が広がる。
【0021】(実施例2)次に請求項3に係る発明の実
施例を説明する。図2は本発明の別の実施例を示す色分
離素子の概略構成図であり、この色分離素子は、図1の
平板状のダイクロイックミラー1に代えて、2つの直角
プリズム1c、1dの間にダイクロイック分離膜1aを
形成して90度光路を分離するプリズム状の素子(ダイ
クロイックプリズム)1’を用いた構成としたものであ
り、基本的な動作や作用は実施例1と同様である。図1
に示す構成では,ダイクロイックミラー1を構成する平
板状の光学ガラスプレート等の厚さが厚い場合に、斜め
に配置した平板状のダイクロイックミラー1を通過する
途中で光軸シフトが生じるが、図2に示す構成では、プ
リズム状のダイクロイックミラー1’にしたことで光軸
シフトが生じなくなる。また、色選択性リターダ2bと
偏光分離膜2aとで構成される色選択性の偏光分離素子
(PBS)2もプリズム状であるため、ダイクロイック
プリズム1’と偏光分離素子(PBS)2を通過する際
の光軸シフトも生じなくなり、また、組付けも容易とな
るので、色分離素子として一体化が容易となる。
【0022】(実施例3)次に請求項4に係る発明の実
施例を説明する。本実施例は、光源と、色分離素子と、
映像変調信号に応じた画像を形成する複数のライトバル
ブ(液晶ライトバルブ)と、各画像を合成する色合成素
子と、形成された画像を投影する投射レンズとで構成さ
れる投影装置において、前記色分離素子として、実施例
1または2に記載の色分離素子を用いた構成としたもの
である。
【0023】ここで、光源としてはハロゲンランプ、キ
セノンランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ラン
プなどが用いられるが、効率よく照度を得られるよう
に、光源からの光をリフレクターで反射集光させる構成
としてもよい。また、図示はしないが、ライトバルブへ
の照明をより効率的に行うために、インテグレータ光学
系等を採用してもよい。これは、インテグレータと呼ば
れるフライアイレンズの組み合わせで、ライトバルブへ
照明される照明光の照度ムラを低減させる集光素子であ
ったり、コンデンサーレンズと組み合わせてライトバル
ブへ効率よく導く集光素子など、従来からある技術を採
用できる。
【0024】尚、色分離素子への入射光は一方向の偏光
成分を高める必要があるので、光源として偏光していな
い光源を採用する場合は、例えば、照明光学系に図21
の従来技術にあるような偏光変換器を用いても良い。す
なわち、照明光学系を従来例にあるPBSアレイと波長
板を組み合わせた偏光変換器で構成すれば、照明光を一
方向の偏光方向に効率よく変換させることができる。ま
た、必要に応じてPBSアレイピッチに合わせたレンズ
アレイと組み合わせて、インテグレータ光学系と一体と
なった構成などが採用される。さらに、偏光変換器と直
線偏光子を組み合わせて、より偏光度の高い照明光とし
てもよい。また、効率を無視すれば直線偏光子のみも採
用できる。
【0025】本実施例では、以上のような従来からある
白色の照明光源を用いた照明光学系を用い、実施例1ま
たは2に記載の色分離素子を用いて3色分離を行う。そ
して、3色分離後の光を、例えば透過型の液晶パネルな
どからなるライトバルブを用いて偏光方向を切り替え、
スイッチングして画像形成し、各色形成された透過画像
を色合成素子で合成し、投射レンズによりスクリーン上
に投影することによって、投影装置を構成した。色合成
に関しては、図示はしないが、従来からある技術を用い
たミラーと色フィルターの組み合わせによって容易に実
現できる。また、従来技術で示したような、クロスダイ
クロイックプリズム(図20)などを用いて3色を合成
するようにしてもよい。
【0026】(実施例4)次に請求項5に係る発明の実
施例を説明する。本実施例は、実施例3(請求項4)に
記載の投影装置において、前記ライトバルブとして偏光
方向を変調する反射型のライトバルブ(例えば反射型液
晶パネル)を用い、偏光分離膜と色選択性リターダで機
能する少なくとも一組の色分離素子を、色合成素子とし
ても用いる構成としたものである。ここで、図3は本発
明の一実施例を示す投影装置の概略構成図であり、この
投影装置は、図示しない光源と照明光学系と、色分離素
子1,2と、映像変調信号に応じた画像を形成する複数
の反射型ライトバルブ(例えば反射型液晶パネル)5,
6,7と、各画像を合成する色合成素子4と、形成され
た画像を投影する投射レンズ8とで構成され、前記色分
離素子として、実施例1に記載の色分離素子、すなわ
ち、色分離膜としてダイクロイック分離膜1aを有する
ダイクロイックミラー1と、第一の偏光方向成分は透過
し、第一の偏光方向とは直交する第二の偏光方向の成分
は反射する偏光分離膜2aと、特定波長領域の偏光方向
を変換する色選択性リターダ2bとで構成され、偏光分
離膜2aの側面に色選択性リターダ2bを配置し、ダイ
クロイック分離膜1aで2つの色に分離した一方の光
を、色選択性リターダ2bへ略45度の角度で入射し、
該色選択性リターダ2bを通過後、偏光分離膜2aで第
一の偏光方向成分を持つ波長帯域光と、第二の偏光方向
成分を持つ波長帯域光を、それぞれ透過光と反射光とに
分離する構成の色分離素子を用いた構成としたものであ
る。
【0027】この投影装置の動作としては、まず、緑色
(G)光を反射、マゼンタ(M)光を透過する特性を有
したダイクロイックミラー1に、図示しない光源からP
偏光で照明光を入射させる。ダイクロイックミラー1の
ダイクロイック分離膜1aで反射された緑色(G)光
は、偏光分離膜3aと色選択性リターダ3bを有する色
選択性の偏光ビームスプリッタ(PBS)3にP偏光で
入射し、偏光分離膜3aを透過し、緑色(G)光のみ偏
光方向を90度変える色選択性リターダ3bを通過し、
S偏光になって、緑色(G)用の反射型のライトバルブ
(反射型液晶パネル)7を照明する。
【0028】一方、ダイクロイックミラー1のダイクロ
イック分離膜1aを通過したマゼンタ(M)光は、偏光
分離膜2aと色選択性リターダ2bを有する色選択性の
偏光ビームスプリッタ(PBS)2にP偏光で入射し、
色選択性リターダ2bによってS偏光に変えられた青色
(B)光は偏光分離膜2aで反射されて再び色選択性リ
ターダ2bを通過し、P偏光となって青色(B)用の反
射型液晶パネル6を照明する。また、色選択性リターダ
2bを通過した赤色(R)光は偏光分離膜2aを透過
し、こちらもP偏光で、赤色(R)用の反射型液晶パネ
ル5を照明する。
【0029】それぞれの反射型液晶パネル5,6,7
は、画像信号に応じて画素毎に偏光方向を制御して画像
を形成する。すなわち、明表示では、入射光の偏光方向
を変えて反射する機能を有しているので、例えば、緑色
(G)用の反射型液晶パネル7で反射された明表示光は
P偏光に変換され、色選択性リターダ3bでS偏光に変
えられて、偏光分離膜3aにより反射し、再び、色選択
性リターダ3bを通過し、P偏光に変えられ、色合成素
子4に向かう。また、赤色(R)用の反射型液晶パネル
5で反射された明表示光はS偏光に変えられ、偏光分離
膜2aで反射し、色合成素子4に向かう。また、青色
(B)用の反射型液晶パネル6で反射された明表示光は
S偏光に変えられるので、色選択性リターダ2bを通過
し、P偏光に変換されて、偏光分離膜2aを通過し、赤
色(R)用の明表示光と合成されて、色合成素子4に向
かう。尚、この際、偏光分離膜2aと色選択性リターダ
2bからなる色選択性の偏光分離素子(PBS)2は、
色分離機能に加えて青色(B)光と赤色(R)光を合成
する色合成素子としても機能している。ここで、3色を
合成する色合成素子4として、赤色波長帯域のみの偏光
方向を変える色選択性リターダ4bと偏光分離膜4aを
図3に示すように配置すると、緑色(G)光と、赤色
(R)光、青色(B)光とが合成され、カラー画像を形
成することができ、このカラー画像が投射レンズ8で図
示しないスクリーン上に投影される。
【0030】以上のような構成を採用することにより、
これまで反射型のライトバルブ(反射型液晶パネル)へ
の照明光を2色に分離する素子と、ライトバルブからの
反射光を合成する合成素子と、照明光と投影像の光路を
分離する機能とを、一つの素子に盛り込ませることが可
能となり、これまでにない小型な作像光学系が実現す
る。
【0031】次に図4は本発明の別の実施例を示す投影
装置の概略構成図であり、この投影装置は、最初の色分
離を行う素子として、図3のダイクロイックミラー1に
代えて、実施例2で示したダイクロイックプリズム1’
を用いた例であり、その他の構成及び動作は図3と同様
である。
【0032】次に図5は本発明のさらに別の実施例を示
す投影装置の概略構成図であり、この投影装置は、緑色
(G)光を透過、マゼンタ(M)光を反射する特性を有
したダイクロイックプリズム1’に、図示しない照明光
学系からS偏光で照明光を入射させる構成としたもので
あり、また、緑色(G)光の明暗光路を切替えるため
に、偏光分離膜2aのみを有する偏光ビームスプリッタ
(PBS)2’用いた実施例である。
【0033】図5において、ダイクロイックプリズム
1’のダイクロイック分離膜1aを透過した緑色(G)
光は、偏光分離膜2aのみを有する偏光ビームスプリッ
タ(PBS)2’にS偏光で入射し、偏光分離膜2aで
反射され、緑色(G)用の反射型のライトバルブ(反射
型液晶パネル)7を照明する。一方、ダイクロイックプ
リズム1’のダイクロイック分離膜1aで反射されたマ
ゼンタ(M)光は、偏光分離膜3aと色選択性リターダ
3bを有する色選択性の偏光ビームスプリッタ(PB
S)3にS偏光で入射し、色選択性リターダ3bによっ
てP偏光に変えられた赤色(R)光は偏光分離膜3aで
反射されて再び色選択性リターダ3bを通過し、S偏光
となって赤色(R)用の反射型液晶パネル5を照明す
る。また、色選択性リターダ3bを通過した青色(B)
光は偏光分離膜3aを透過し、P偏光で、青色(B)用
の反射型液晶パネル6を照明する。
【0034】それぞれの反射型液晶パネル5,6,7
は、画像信号に応じて画素毎に偏光方向を制御して画像
を形成する。すなわち、明表示では、入射光の偏光方向
を変えて反射する機能を有しているので、例えば、緑色
(G)用の反射型液晶パネル7で反射された明表示光は
P偏光に変換されて偏光分離膜2aを透過し、色合成素
子4に向かう。また、赤色(R)用の反射型液晶パネル
5で反射された明表示光はP偏光に変えられ、偏光分離
膜2aを透過して、色合成素子4に向かう。また、青色
(B)用の反射型液晶パネル6で反射されたの明表示光
はS偏光に変えられるので、偏光分離膜3aで反射さ
れ、赤色(R)用の明表示光と合成されて、色合成素子
4に向かう。尚、この際、偏光分離膜3aと色選択性リ
ターダ3bからなる色選択性の偏光分離素子(PBS)
3は、色分離機能に加えて青色(B)光と赤色(R)光
を合成する色合成素子としても機能している。ここで、
3色を合成する色合成素子4として、赤色波長帯域のみ
の偏光方向を変える色選択性リターダ4bと偏光分離膜
4aを図5に示すように配置すると、緑色(G)光と、
赤色(R)光、青色(B)光とが合成され、カラー画像
を形成することができ、このカラー画像が投射レンズ8
で図示しないスクリーン上に投影される。
【0035】(実施例5)次に請求項6,7に係る発明
の実施例を説明する。本実施例は、実施例3(請求項
4)に記載の投影装置において、前記ライトバルブとし
て偏光方向を制御変調する反射型のライトバルブ(例え
ば反射型液晶パネル)を用い、第一のライトバルブで変
調された画像と、他のライトバルブで変調され色選択性
リターダと偏光分離膜で色合成された画像とを、ダイク
ロイック分離膜を用いた色合成素子で合成する構成とし
たものである。
【0036】図6は本発明の一実施例を示す投影装置の
概略構成図であり、図中の符号1’はダイクロイック分
離膜1aを有するダイクロイックプリズム、2は偏光分
離膜2aと色選択性リターダ2bが隣接して形成された
色選択性の偏光ビームスプリッタ(PBS)であり、ダ
イクロイックプリズム1’と色選択性のPBS2で図2
と同様の色分離素子を構成している。また、符号3’は
偏光分離膜3aを有する偏光ビームスプリッタであり、
符号9は平板状の光学ガラスプレート9bの面上にダイ
クロイック分離膜9aを形成した色合成素子である。
【0037】ダイクロイック分離膜9aは、緑色帯域の
透過率を高くし、緑色帯域以外は反射率を高くした構成
である。このダイクロイック分離膜9aは、光学ガラス
プレート9bの面上に近年の薄膜形成技術等を利用して
誘電体多層膜等を形成することにより容易に形成するこ
とができ、このダイクロイック分離膜9aを形成した色
合成素子9を、光軸に対してほぼ45度に傾けて配置す
ればよい。また、反射と透過が逆になる特性のダイクロ
イック分離膜を用いた場合には、投射レンズ8の配置を
90度折り返した位置に配置する構成も採用できる。
【0038】さらに、画素密度を上げ、高解像に対応し
た投影装置には、色合成素子として、ダイクロイック分
離膜9aを形成した光学ガラスプレートの代わりに、図
7に示す別の実施例のように、直角プリズム等へダイク
ロイック分離膜9aを形成したダイクロイックプリズム
9’を用いた構成を採用するとよい(請求項7)。ここ
で、図7に示す構成の投影装置では、入射側の色分離膜
に、青色(B)帯域を反射、黄色(Y)帯域を透過する
ダイクロイック分離膜1aを用い、このダイクロイック
分離膜1aにP偏光の照明光を入射し、青色(B)光
と、黄色(Y)光に分離する。そして、黄色(Y)光
は、赤色帯域の偏光方向を変換する色選択性リターダ
(R/C素子)2bと偏光分離膜2aにより赤色(R)
光と緑色(G)光に分離して、赤色(R)用の反射型液
晶パネル5と緑色(G)用の反射型液晶パネル7の照明
に用い、それぞれの液晶パネル5,7からの反射光は色
選択性リターダ(R/C素子)2bと偏光分離膜2aに
より合成される。一方、青色(B)光は偏光分離膜3a
を通過して青色(B)用の反射型液晶パネル6の照明に
用いられ、青色(B)用の反射型液晶パネル6からの反
射光は偏光分離膜3aにより反射される。そして、最終
的に青色(B)光と黄色(Y)光(赤(R)と緑(G)
の合成光)を合成する色合成素子として、ダイクロイッ
ク分離膜9aを形成したダイクロイックプリズム9’採
用し、合成光を投射レンズ8でスクリーン状へ投影す
る。
【0039】次に図8は本発明のさらに別の実施例を示
す投影装置の概略構成図であり、図中の符号1’はダイ
クロイック分離膜1aを有するダイクロイックプリズ
ム、2’は偏光分離膜2aを有する偏光ビームスプリッ
タ、3は偏光分離膜3aと色選択性リターダ3bが隣接
して形成された色選択性の偏光ビームスプリッタ(PB
S)であり、ダイクロイックプリズム1’と色選択性の
PBS3で色分離素子を構成している。また、符号9’
は直角プリズム等へダイクロイック分離膜9aを形成し
たダイクロイックプリズムからなる色合成素子である。
【0040】この投影装置では、S偏光の照明光をダイ
クロイックプリズム1’に入射した際に、赤色(R)光
を反射し、シアン(C)光を透過させるダイクロイック
分離膜1aを用いた構成とし、最後の色合成素子9’
も、赤色(R)光とシアン(C)を合成させるダイクロ
イック分離膜9aを適用した構成である。より詳しく述
べると、図8に示す構成の投影装置では、入射側の色分
離膜に、赤色(R)帯域を反射、シアン(C)帯域を透
過するダイクロイック分離膜1aを用い、このダイクロ
イック分離膜1aにS偏光の照明光を入射し、赤色
(R)光と、シアン(C)光に分離する。そして、シア
ン(C)光は、色選択性リターダ3bと偏光分離膜3a
により青色(B)光と緑色(G)光に分離して、青色
(B)用の反射型液晶パネル6と緑色(G)用の反射型
液晶パネル7の照明に用い、それぞれの液晶パネル6,
7からの反射光は色選択性リターダ3bと偏光分離膜3
aにより合成される。一方、赤色(R)光はPBS2’
の偏光分離膜2aで反射して赤色(R)用の反射型液晶
パネル5の照明に用いられ、赤色(R)用の反射型液晶
パネル5からの反射光はP偏光となって偏光分離膜2a
を透過する。そして、最終的に赤色(R)光とシアン
(C)光(青(B)と緑(G)の合成光)を合成する色
合成素子として、ダイクロイック分離膜9aを採用し、
合成光を投射レンズ8でスクリーン状へ投影する。
【0041】以上の図6、図7または図8に示したよう
な構成では、比較的単純な構成によりカラー画像を容易
に得ることが可能となる。したがって、より低コストで
軽量な作像光学系を実現できる。さらに、画素密度を上
げ、高解像に対応した投影装置を構成する場合に、図6
に示した構成では、色合成素子としてダイクロイック分
離膜9aを形成した光学ガラスプレート(ダイクロイッ
クミラー)9を用いているので、光をダイクロイックミ
ラー9に斜めに入射させた際に非点収差などが発生しや
すく、投射レンズへの負担がかかるという不具合がある
が、図7または図8に示した構成の投影装置では、色合
成素子として直角プリズム等へダイクロイック分離膜9
aを形成したダイクロイックプリズム9’を用いた構成
としたので、収差の発生を抑えることができ、より高画
質に対応することができる。
【0042】(実施例6)次に請求項8に係る発明の実
施例を説明する。本実施例は、実施例4(請求項5)ま
たは実施例5(請求項6,7)に示した投影装置におい
て、3組の反射型のライトバルブ(反射型液晶パネル)
5,6,7で反射されたそれぞれの明表示光が通過する
光路中に配置された光学プリズムについて、同一の硝材
で構成したことを特徴としたものである。
【0043】色分離素子や色合成素子に用いられる偏光
分離膜やダイクロイック分離膜等を単独で機能させるの
は困難であり、通常は、プリズムの表面等の平面にこれ
らの膜を形成している。しかしながら、プリズムの表面
では、空気中の屈折率の差から表面反射が生じる。これ
を防止するために、これまでは反射防止コート等がなさ
れている。また、各プリズムを密着固着すれば、空気と
の界面ほどの表面反射はなくなるにしろ、各プリズムの
屈折率が異なれば、少なからずとも界面で反射が生じ
る。
【0044】そこで本実施例では、3組の反射型のライ
トバルブ(反射型液晶パネル)5,6,7で反射された
それぞれの明表示光が通過する光路中に配置された光学
プリズムの硝材を同じにしており、これにより各プリズ
ムの屈折率差がなくなり、各プリズムを密着させたとき
の表面反射を低減することが可能となり、よりフレアに
強い、コントラストの高い投影装置を実現することがで
きる。また、図示はしないが、各プリズム間を、屈折率
に合わせた接着を行って一体化すれば、表面反射はほと
んどなくなる。これにより、反射防止コートも不要にな
り、成膜コストに関する部分を低減させることが可能と
なる。
【0045】(実施例7)次に請求項9に係る発明の実
施例を説明する。本実施例は、実施例4(請求項5)ま
たは実施例5(請求項6,7)または実施例6(請求項
8)に示した投影装置において、最終的に色合成された
後の光路中に、色選択性リターダを配置し、各色偏光方
向を揃えることを特徴とするものである。ここで、図9
は本発明の一実施例を示す投影装置の概略構成図であ
り、基本的な構成は図4に示した投影装置と同様である
が、最終的に色合成された後の光路中に、色選択性リタ
ーダ10を配置し、各色偏光方向を揃える構成としたも
のである。
【0046】すなわち、図4に示した構成では、最終的
な色合成の直後は、緑色(G)光と青色(B)光はP偏
光であるが、赤色(R)光がS偏光のままである。そこ
で、図9に示す構成では、最終的に色合成された後の光
路中に、赤色帯域のみ偏光方向を変換する色選択性リタ
ーダ10を配置した。このように、最終的に色合成され
た後の光路中に色選択性リターダ10を配置し、偏光方
向を揃えることにより、スクリーンの偏光特性に依存し
ない投影装置を実現することができる。また、図9に示
すように、揃えた偏光方向のみの透過率が高い直線偏光
子11をさらに光路中に挿入することにより、途中で偏
光方向が変化したフレア成分はカットすることが可能と
なり、よりコントラストの高い高品質な投影装置を実現
することができる。
【0047】(実施例8)次に請求項10に係る発明の
実施例を説明する。本実施例は、実施例5(請求項6,
7)または実施例6(請求項8)に示した投影装置にお
いて、ダイクロイック分離膜と色選択性リターダを平行
対峙させて配置し、各色偏光方向を揃えることを特徴と
するものである。ここで、図10は本発明の一実施例を
示す投影装置の概略構成図であり、基本的な構成は図8
に示した投影装置と同様であるが、色合成素子12のダ
イクロイック分離膜12aに色選択性リターダ12bを
平行対峙させて配置し、各色偏光方向を揃える構成とし
たものである。
【0048】すなわち、図10に示す構成の投影装置で
は、ダイクロイック分離膜12aに到達する前は、緑色
(G)光と赤色(R)光はP偏光、青色(B)光はS偏
光であるので、青色(B)光のみを変換する色選択性リ
ターダ12bを挿入すればよい。尚、図10の構成で
は、ダイクロイック分離膜1a、12aは赤色(R)光
のみを反射する様に設計している。また、色選択性リタ
ーダ12bは、図示の例ではダイクロイック分離膜12
aの後側に配置されているが、ダイクロイック分離膜1
2aの前側に配置してもよい。
【0049】また、図10に示す構成の投影装置のよう
に、ダイクロイック分離膜12aの特性として、赤色
(R)光のみを反射する特性としたときに、青色(B)
光のみの偏光方向を変換する色選択性リターダとして
は、素子の往復で丁度90度回転するようにリターダス
タック等の設定をした素子を挿入してもよい。本実施例
の効果としては、実施例7(請求項9)の効果に加え、
ダイクロイック分離膜12aの前後のどちらにも色選択
性リターダ12bを配置できる構成を採用可能となる。
【0050】(実施例9)次に請求項11に係る発明の
実施例を説明する。図11は本発明の一実施例を示す色
分離素子の概略構成図であり、この色分離素子13は、
色分離膜13dと偏光分離膜13eを形成あるいは付加
された光学プリズム13a,13b,13cと、偏光分
離膜13eに平行に対峙させた色選択性リターダ13f
とで構成したことを特徴とするものである。具体的に
は、色分離膜としてダイクロイック分離膜13dを付加
された光学プリズム13aと、偏光分離膜13eを付加
されたプリズム13cとで、色選択性リターダ13fを
挟持した構成であって、ダイクロイック分離膜13dで
分離された光を、色選択性リターダ13fと偏光分離膜
13eによりさらに2色に分離する色分離素子である。
【0051】より詳しく述べると、図11に示す構成の
色分離素子13では、プリズム13aの辺aとプリズム
13bの辺bの間にダイクロイック分離膜(例えば、青
色(B)光を透過、黄色(Y)光を反射するダイクロイ
ック分離膜)13dが形成あるいは付加されている。ま
た、プリズム13cの辺cには偏光分離膜13eが形成
あるいは付加されており、プリズム13cの辺cと、プ
リズム13aの辺a’とで、色選択性リターダ(例え
ば、緑色(G)光の偏光方向を変換する素子)13fを
挟持した構成を採用している。
【0052】このような構成で、図に示すように、S偏
光で入射された照明光は、ダイクロイック分離膜13d
で青色(B)光を透過し、黄色(Y)光を反射する。反
射された黄色(Y)光はS偏光のままプリズム13aの
辺a’に対峙されている色選択性リターダ13fへ向か
う。色選択性リターダ13fは、緑色(G)光のみ偏光
方向を変える機能を有しているので、色選択性リターダ
13fを通過した黄色(Y)光のうち、緑色(G)の帯
域のみP偏光に変換され、偏光分離膜13eを通過し、
緑色(G)を分離する。また、赤色(R)光はS偏光の
ままなので、偏光分離膜13eで反射光となり、3色分
離する。
【0053】このように、直角プリズム13aの互いに
直交する2辺a,a’にダイクロイック分離膜13d
と、色選択性リターダ13f及び偏光分離膜13eを配
置することで、3色の色分解を行うことができる。勿
論、プリズム13aの形状としては、実施例に示したよ
うに直角プリズム13aを用いてもよいが、平行四辺形
形状のプリズムにすれば、互いに平行となる面に、色選
択性リターダと偏光分離膜を挟み込んでもよい。その際
は、赤色(R)と、青色(B)は同じ方向に反射される
様になるが、用途に応じて設定すればよい。色分離の順
番も、機器の設計に応じてG/M、R/C、B/Yの順
番を組み合わせることで様々な色分離が可能である。
【0054】次に図12は本発明の別の実施例を示す色
分離素子の概略構成図であり、この色分離素子14は、
色分離膜としてダイクロイック分離膜14dを付加され
た光学プリズム14aと、偏光分離膜14eを付加され
たプリズム14cとで、色選択性リターダ14fを挟持
した構成であって、ダイクロイック分離膜14dで分離
された光を、色選択性リターダ14fと偏光分離膜14
eによりさらに2色に分離する色分離素子である。この
図12に示す色分離素子の構成は図11と略同様のもの
であるが、図12に示す構成の色分離素子14では、プ
リズム14aの辺aとプリズム14bの辺bの間に、例
えば、シアン色(C)光を透過、赤色(R)光を反射す
るダイクロイック分離膜14dが形成あるいは付加され
ている。また、プリズム14cの辺cには偏光分離膜1
4eが形成あるいは付加されており、プリズム14cの
辺cと、プリズム14aの辺a’とで、色選択性リター
ダ(例えば、青色(B)光の偏光方向を変換する素子)
14fを挟持した構成を採用している。そして、この実
施例では、照明光をP偏光で入射して、3色ともP偏光
で分離されるように構成している。
【0055】(実施例10)次に請求項12に係る発明
の実施例を説明する。本実施例は、光源と、色分離素子
と、映像変調信号に応じた画像を形成する複数のライト
バルブと、各画像を合成する色合成素子と、形成された
画像を投影する投射レンズとで構成される投影装置にお
いて、前記色分離素子として、実施例9(請求項11)
に記載の色分離素子を適用した構成とするものである。
【0056】ここで、光源としては、図示していない
が、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライド
ランプ、超高圧水銀ランプなどが用いられるが、効率よ
く照度を得られるように、光源からの光をリフレクター
で反射集光させる構成としてもよい。また、図示はしな
いが、ライトバルブへの照明をより効率的に行うため
に、インテグレータ光学系等を採用してもよい。これ
は、インテグレータと呼ばれるフライアイレンズの組み
合わせで、ライトバルブへ照明される照明光の照度ムラ
を低減させる集光素子であったり、コンデンサーレンズ
と組み合わせてライトバルブへ効率よく導く集光素子な
ど、従来からある技術を採用できる。
【0057】尚、色分離素子への入射光は一方向の偏光
成分を高める必要があるので、光源として偏光していな
い光源を採用する場合は、例えば、照明光学系に図21
の従来技術にあるような偏光変換器を用いても良い。す
なわち、照明光学系を従来例にあるPBSアレイと波長
板を組み合わせた偏光変換器で構成すれば、照明光を一
方向の偏光方向に効率よく変換させることができる。ま
た、必要に応じてPBSアレイピッチに合わせたレンズ
アレイと組み合わせて、インテグレータ光学系と一体と
なった構成などが採用される。さらに、偏光変換器と直
線偏光子を組み合わせて、より偏光度の高い照明光とし
てもよい。また、効率を無視すれば直線偏光子のみも採
用できる。
【0058】本実施例では、以上のような従来からある
白色の照明光源と照明光学系を用い、実施例9(請求項
11)に記載の色分離素子を用いて3色分離を行う。そ
して、3色分離後の光を、例えば透過型の液晶パネルな
どからなるライトバルブを用いて偏光方向を切り替え、
スイッチングして画像形成し、各色形成された透過画像
を色合成素子で合成し、投射レンズによりスクリーン上
に投影することによって、投影装置を構成した。色合成
に関しては、図示はしないが、従来からある技術を用い
たミラーと色フィルターの組み合わせによって容易に実
現できる。また、従来技術で示したようなクロスダイク
ロイックプリズム(図20)とミラーなどを用いて3色
を合成するようにしてもよい。
【0059】(実施例11)次に請求項13に係る発明
の実施例を説明する。本実施例は、実施例10(請求項
12)に記載の投影装置において、前記ライトバルブと
して反射型液晶パネルを用い、前記色分離素子を、互い
に平行に対峙された偏光分離膜と色選択性リターダが有
する色分離機能に加え、色選択性リターダと偏光分離膜
の組み合わせ部分を色合成素子、及び明暗信号分離とし
ても用いる構成としたものである。ここで、図13は本
発明の一実施例を示す投影装置の概略構成図であり、こ
の投影装置は、図示しない光源と、色分離素子と、映像
変調信号に応じた画像を形成する複数の反射型液晶パネ
ル5,6,7と、各画像を合成する色合成素子と、形成
された画像を投影する投射レンズ8とで構成されてお
り、前記色分離素子と色合成素子として、両者が一体化
された素子(色分離・合成素子)15を備えている。そ
して、この色分離・合成素子15では、プリズム15a
とプリズム15bの間には色分離膜であるダイクロイッ
ク分離膜15eが形成され、プリズム15bとプリズム
15cの間には色分離・合成部となる色選択性リターダ
15hと偏光分離膜15gが平行対峙して形成されてお
り、これらの部分が実施例9(請求項11)に記載した
色分離素子と同様に機能する。また、プリズム15aと
プリズム15dの間には偏光分離膜15fが形成され、
プリズム15cとプリズム15dの間には色合成素子部
となる色選択性リターダ15jと偏光分離膜15iが平
行対峙して形成されている。
【0060】図13において、色分離・合成素子15に
入射する照明光としては、例えばS偏光成分を向上させ
た光を照明光とし、緑色(G)帯域を透過させるダイク
ロイック分離膜15eに入射させる。緑色(G)光は、
S偏光でダイクロイック分離膜15eを透過し、プリズ
ム15aを通過後、偏光分離膜15fで反射され、緑色
(G)用の反射型液晶パネル7を照明する。一方、マゼ
ンタ(M)光はダイクロイック分離膜15eで反射して
分離され、プリズム15bを通過し、色選択性リターダ
15hに向かう。この色選択性リターダ15hが、青色
(B)光のみの偏光方向を変える偏光子(B/Y素子)
として機能する場合、青色(B)光はP偏光に変わり、
偏光分離膜15gを通過して、青色(B)用の反射型液
晶パネル6を照明する。また、赤色(R)光は偏光方向
を変えられないので、S偏光のまま偏光分離膜15gに
より反射され、再び、色選択性リターダ15hを通過
し、赤色(R)用の反射型液晶パネル5を照明する。
【0061】それぞれの反射型液晶パネル5,6,7は
画像信号に応じて画素毎に偏光方向を変えられて画像を
形成する。明表示では、偏光方向を変える機能を有して
いるので、緑(G)用の反射型液晶パネル7で反射され
た明表示光はP偏光に変換されて、偏光分離膜15fを
透過し、色合成素子部に向かう。一方、赤色(R)用の
反射型液晶パネル5で反射された明表示光はP偏光に変
えられ、色選択性リターダ15h、偏光分離膜15gを
通過し、また、青色(B)用の反射型液晶パネル6で反
射された明表示光はS偏光に変えられるので、偏光分離
膜15gで反射し、赤色(R)光と青色(B)光が合成
されて、プリズム15cを通過し、色合成素子部に向か
う。
【0062】ここで、色合成素子部として、赤色(R)
光のみの偏光方向を変換する色選択性リターダ15j
と、偏光分離膜15iで構成すれば、全ての色がこの色
合成素子部で合成され、投射レンズ8へと向かい、投射
レンズ8によりスクリーン上に3色合成のカラー画像が
投影される。尚、図14は本発明の別の実施例を示す投
影装置の概略構成図であり、色分離・合成素子15’に
別の特性の色選択性リターダ15h’,15j’を組み
合わせた例を示している。
【0063】本実施例の投影装置では、以上のような構
成を採用することにより、これまで、ライトバルブへの
照明光を2色に分離する色分離素子と、ライトバルブか
らの反射光を合成する色合成素子と、照明光と投影像の
光路を分離する機能とを、併せ持った色分離・合成素子
を用いた簡易な構成の作像光学ユニットが実現でき、こ
れまでにない小型な投影装置を実現することができる。
【0064】(実施例12)次に請求項14に係る発明
の実施例を説明する。本実施例は、実施例11(請求項
13)に記載の投影装置において、各ライトバルブ(反
射型液晶パネル)5,6,7で形成された画像を合成す
る色合成素子部を、ダイクロイック分離膜を用いて色合
成を行う構成としたものである。ここで、図15は本発
明の一実施例を示す投影装置の概略構成図であり、この
投影装置は、図示しない光源と、色分離素子と、映像変
調信号に応じた画像を形成する複数の反射型液晶パネル
5,6,7と、各画像を合成する色合成素子と、形成さ
れた画像を投影する投射レンズ8とで構成され、前記色
分離素子と色合成素子とが一体化された素子(色分離・
合成素子)16を備えている。そして、この色分離・合
成素子16では、プリズム15aとプリズム15bの間
には色分離膜であるダイクロイック分離膜15eが形成
され、プリズム15bとプリズム15cの間には色分離
・合成部となる色選択性リターダ15hと偏光分離膜1
5gが平行対峙して形成されており、これらの部分が実
施例9(請求項11)に記載した色分離素子と同様に機
能する。また、プリズム15aとプリズム15dの間に
は偏光分離膜15fが形成され、プリズム15cとプリ
ズム15dの間には色合成素子部となるダイクロイック
分離膜16aが形成されている。
【0065】すなわち、図15に示す投影装置では、色
分離・合成素子16として、図13に示した色分離・合
成素子15の最後の色合成素子部をダイクロイック分離
膜16aに代えた構成としたものであり、ダイクロイッ
ク分離膜16aに至るまでの構成、動作及び作用は、実
施例11と同様である。このように、本実施例では、投
射レンズ8手前の最終的な色合成の部分をダイクロイッ
ク分離膜16aで構成することにより、さらに単純な構
成の色分離・合成素子16を用いた簡易な構成の作像光
学ユニットが実現でき、より低コストな投影装置を実現
することができる。
【0066】(実施例13)次に請求項15に係る発明
の実施例を説明する。本実施例は、実施例11(請求項
13)または実施例12(請求項14)に記載の投影装
置において、色合成後の光路中に色選択性リターダ10
を配置し、各色の偏光方向を揃える構成としたものであ
る。ここで、図16は本発明の一実施例を示す投影装置
の概略構成図であり、この投影装置では、色分離・合成
素子16の構成は図15に示した投影装置と同様である
が、投射レンズ8の手前で、最終的にダイクロイック分
離膜16aで合成された光路中に、色選択性リターダ1
0を配置し、各色の偏光方向を揃える構成となってい
る。例えば、図16において、ダイクロイック分離膜1
6aで合成された光は、青色(B)光のみがS偏光とな
っているが、合成後の光路に、青色帯域のみ偏光方向を
変換する色選択性リターダ10を配置すれば、R,G,
Bの各色の光をP偏光に揃えることができる。
【0067】このように、本実施例では、ダイクロイッ
ク分離膜16aで合成された光路中に、色選択性リター
ダ10を配置し、各色の偏光方向を揃える構成としたの
で、スクリーンの偏光特性に依存しない投影装置を実現
することができる。また、図16に示すように、揃えた
偏光方向のみの透過率が高い直線偏光子11をさらに光
路中に挿入することにより、途中で偏光方向が変化した
フレア成分をカットすることが可能となり、よりコント
ラストの高い高品質な投影装置を実現することができ
る。
【0068】(実施例14)次に請求項16に係る発明
の実施例を説明する。本実施例は、実施例12(請求項
14)に記載の投影装置において、ダイクロイック分離
膜と色選択性リターダを平行対峙させて配置し、各色偏
光方向を揃える構成としたものである。ここで、図17
は本発明の一実施例を示す投影装置の概略構成図であ
り、この投影装置では、色分離・合成素子17の構成は
図15に示した投影装置とほぼ同様であるが、ダイクロ
イック分離膜16aに平行対峙して色選択性リターダ1
7aを配置させた構成となっている。例えば、図17に
おいて、ダイクロイック分離膜16aで合成された後
は、緑色(G)光と赤色(R)光はP偏光、青色(B)
光のみがS偏光であるので、青色(B)光のみを変換す
る色選択性リターダ17aをダイクロイック分離膜16
aに平行対峙して挿入すればよい。尚、ダイクロイック
分離膜16aは赤色(R)光のみを反射する様に設計し
ている。また、この色選択性リターダ17aは、図17
のようにダイクロイック分離膜16aの後側に配置すれ
ばよいが、図18に示す実施例のように、ダイクロイッ
ク分離膜16aの前側に配置してもよい。
【0069】このように、本実施例では、ダイクロイッ
ク分離膜16aに平行対峙して色選択性リターダ17a
を配置させ、各色の偏光方向を揃える構成としたので、
スクリーンの偏光特性に依存しない投影装置を実現する
ことができる。また、ダイクロイック分離膜16aの前
後どちらにも色選択性リターダ17aを配置できる構成
が採用可能となる。また、図17、図18に示すよう
に、揃えた偏光方向のみの透過率が高い直線偏光子11
を、色合成素子部から投射レンズ8に至る光路中に挿入
することにより、途中で偏光方向が変化したフレア成分
をカットすることが可能となり、よりコントラストの高
い高品質な投影装置を実現することができる。
【0070】以上、請求項1〜16に係る発明の実施例
を図1〜18を参照して説明したが、各実施例の図にお
いて、図面上では色分離素子のダイクロイック分離膜1
aへの照明光の入射方向や、各色用の液晶パネルの配置
位置、各液晶パネルからの反射光の色合成部への入射方
向、色合成部からの出射方向等は、代表として一つの方
向や配置例のみを図示しているが、これらの入射方向や
出射方向、配置位置等は図示の例に限らず、適宜変更す
ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
色分離膜と、偏光分離膜及び色選択性リターダを用い、
偏光を利用して光源からの光を2色あるいは3色の光に
色分離することができる、小型で、光学レイアウトが容
易な新規な構成の色分離素子を実現することができる。
そして、本発明によれば、その色分離素子を用いて色分
離を行うことで照明光を3色に分離し、それぞれ分離さ
れた光の偏光方向を制御する手段、例えば液晶素子から
なるライトバルブを駆動することで、液晶を通過する
際、あるいは、反射する際に偏光方向を変換して、光の
スイッチング制御を行うことで3色の画像をそれぞれ形
成し、それぞれ単色で形成された3色の画像を再び色合
成し、カラー画像としてスクリーン上に投影する、小型
で軽量な投影装置を実現することができる。また、本発
明によれば、各光学素子を一体とした色分離、色合成素
子を実現し、精度のよい色分離、色合成を実現して、よ
り高画質な投影装置を実現することができる。さらに
は、各光学素子を一体化することにより、量産性に富
み、小型で安価で高画質な投影装置を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す色分離素子の概略構成
図である。
【図2】本発明の別の実施例を示す色分離素子の概略構
成図である。
【図3】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図4】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図6】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図7】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図8】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構成
図である。
【図10】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図11】本発明の別の実施例を示す色分離素子の概略
構成図である。
【図12】本発明の別の実施例を示す色分離素子の概略
構成図である。
【図13】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図14】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図15】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図16】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図17】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図18】本発明の別の実施例を示す投影装置の概略構
成図である。
【図19】従来技術の一例を示す図であって、反射型液
晶投影装置における反射型液晶素子の機能の説明図であ
る。
【図20】従来技術の別の例を示す図であって、透過型
液晶素子を用いた色合成方法の説明図である。
【図21】従来技術の別の例を示す図であって、偏光変
換器の構成説明図である。
【図22】従来技術の別の例を示す図であって、色選択
性リターダを用いた補色カラー偏光子の構成説明図であ
る。
【符号の説明】
1,9:ダイクロイックミラー 1’,9’:ダイクロイックプリズム 1a,9a,12a,13d,14d,15e,16
a:ダイクロイック分離膜 2,3:色選択性の偏光ビームスプリッタ 2’:偏光ビームスプリッタ 2a,3a,4a,13e14e,15f,15g,1
5i:偏光分離膜 2b,3b,4b,10,12b,13f,14f,1
5h,15j,17a:色選択性リターダ 4:色合成素子 5:赤色(R)用の反射型液晶パネル(ライトバルブ) 6:青色(B)用の反射型液晶パネル(ライトバルブ) 7:緑色(G)用の反射型液晶パネル(ライトバルブ) 8:投射レンズ 11:直線偏光子 13a,13b,13c,14a,14b,14c,1
5a,15b,15c,15d:プリズム 15,16,17,18:色分離・合成素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 27/28 G02B 27/28 Z 2H099 G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 1/1335 1/1335 G03B 21/00 G03B 21/00 E 33/12 33/12 Fターム(参考) 2H042 CA08 CA10 CA14 CA17 DA08 DA12 DB01 DE00 2H048 GA12 GA23 GA24 GA32 GA61 2H049 BA05 BA16 BA42 BA43 BB03 BB63 BB66 BC22 2H088 EA14 EA16 EA19 EA20 HA05 HA06 HA08 HA19 HA24 HA28 MA04 MA05 MA16 2H091 FA05Y FA10Z FA26X FA41Z FD10 FD22 FD24 LA11 LA13 LA15 2H099 AA11 BA09 CA02 CA11 DA05

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】色分離膜と、第一の偏光方向成分は透過
    し、第一の偏光方向とは直交する第二の偏光方向の成分
    は反射する偏光分離膜と、特定波長領域の偏光方向を変
    換する色選択性リターダとで構成され、前記偏光分離膜
    の側面に前記色選択性リターダを配置し、前記色分離膜
    で2つの色に分離した一方の光を、前記色選択性リター
    ダへ略45度の角度で入射し、該色選択性リターダを通
    過後、前記偏光分離膜で第一の偏光方向成分を持つ波長
    帯域光と、第二の偏光方向成分を持つ波長帯域光を、そ
    れぞれ透過光と反射光とに分離することを特徴とする色
    分離素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の色分離素子において、 前記色分離膜を、平板状のダイクロイックミラーあるい
    はフィルターとしたことを特徴とする色分離素子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の色分離素子において、 前記色分離膜を、ダイクロイックプリズムとしたことを
    特徴とする色分離素子。
  4. 【請求項4】光源と、色分離素子と、映像変調信号に応
    じた画像を形成する複数のライトバルブと、各画像を合
    成する色合成素子と、形成された画像を投影する投射レ
    ンズとで構成される投影装置において、 前記色分離素子として、請求項1,2または3記載の色
    分離素子を用いたことを特徴とする投影装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の投影装置において、 前記ライトバルブは偏光方向を変調する反射型のライト
    バルブであって、偏光分離膜と色選択性リターダで機能
    する少なくとも一組の色分離素子を色合成素子として用
    いることを特徴とする投影装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載の投影装置において、 前記ライトバルブは偏光方向を制御変調する反射型のラ
    イトバルブであって、第一のライトバルブで変調された
    画像と、他のライトバルブで変調され色選択性リターダ
    と偏光分離膜で色合成された画像とを、ダイクロイック
    分離膜を用いた色合成素子で合成することを特徴とする
    投影装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の投影装置において、 前記ダイクロイック分離膜を用いた色合成素子は、ダイ
    クロイックプリズムによって形成されたことを特徴とす
    る投影装置。
  8. 【請求項8】請求項5,6または7記載の投影装置にお
    いて、 3組の反射型のライトバルブを備え、その3組の反射型
    ライトバルブで反射されたそれぞれの明表示光が通過す
    る光路中に配置された光学プリズムを同一の硝材で構成
    したことを特徴とする投影装置。
  9. 【請求項9】請求項5,6,7または8記載の投影装置
    において、 最終的に色合成された後の光路中に、色選択性リターダ
    を配置し、各色偏光方向を揃えることを特徴とする投影
    装置。
  10. 【請求項10】請求項6,7または8記載の投影装置に
    おいて、 ダイクロイック分離膜と色選択性リターダを平行対峙さ
    せて配置し、各色偏光方向を揃えることを特徴とする投
    影装置。
  11. 【請求項11】色分離膜と偏光分離膜を形成あるいは付
    加された光学プリズムと、前記偏光分離膜に平行に対峙
    させた色選択性リターダとで構成したことを特徴とする
    色分離素子。
  12. 【請求項12】光源と、色分離素子と、映像変調信号に
    応じた画像を形成する複数のライトバルブと、各画像を
    合成する色合成素子と、形成された画像を投影する投射
    レンズとで構成される投影装置において、 前記色分離素子として、請求項11記載の色分離素子を
    用いたことを特徴とする投影装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の投影装置において、 前記ライトバルブは反射型の液晶パネルであって、前記
    色分離素子を、互いに平行に対峙された偏光分離膜と色
    選択性リターダが有する色分離機能に加え、色合成素子
    として用いることを特徴とする投影装置。
  14. 【請求項14】請求項13記載の投影装置において、 各ライトバルブで形成された画像を合成する手段とし
    て、ダイクロイック分離膜で色合成を行うことを特徴と
    する投影装置。
  15. 【請求項15】請求項13または14記載の投影装置に
    おいて、 色合成後の光路中に色選択性リターダを配置し、各色偏
    光方向を揃えることを特徴とする投影装置。
  16. 【請求項16】請求項14記載の投影装置において、 ダイクロイック分離膜と色選択性リターダを平行対峙さ
    せて配置し、各色偏光方向を揃えることを特徴とする投
    影装置。
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