JP2004198947A - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置、画像形成条件補正方法を提供する。
【解決手段】図12a,bに示すように、異なる転写材上の複数の領域に複数のパッチ0−0ないし7−7を逆の順序で形成し、各パッチの色度を検知する。検知した同じ色材量のパッチ、たとえばaの0−0とbの0−0色度を平均してそのパッチ0−0の色度として画像形成条件を補正する。
【選択図】 図12
【解決手段】図12a,bに示すように、異なる転写材上の複数の領域に複数のパッチ0−0ないし7−7を逆の順序で形成し、各パッチの色度を検知する。検知した同じ色材量のパッチ、たとえばaの0−0とbの0−0色度を平均してそのパッチ0−0の色度として画像形成条件を補正する。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号にもとづいてカラー画像を形成するカラー画像形成装置に関し、特に、色度検知手段によって検知されたパッチの色度にもとづく画像形成条件の補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラープリンタ,カラー複写機等の電子写真方式やインクジェット方式等を採用したカラー画像形成装置には、出力画像の高画質化が求められている。特に、濃度の階調とその安定性は、人間が下す画像の良し悪しの判断に大きな影響を与える。
【0003】
ところが、電子写真方式のカラー画像形成装置は、環境の変化や長時間の使用による装置各部の変動があると、得られる画像の濃度が変動してしまう。特に電子写真方式のカラー画像形成装置の場合、わずかな濃度の変動でもカラーバランスが崩れてしまう恐れがあるので、常に一定の階調−濃度特性を保つ必要がある。そこで、各色のトナーに対して、絶対湿度に応じた数種類の露光量や現像バイアスなどのプロセス条件、ルックアップテーブル(LUT)などの階調補正手段をもち、温湿度センサによって測定された絶対湿度にもとづいて、その時のプロセス条件や階調補正の最適値を選択している。
【0004】
また、装置各部の変動が起こっても一定の階調−濃度特性が得られるように、各色のトナーで濃度検知用トナーパッチを中間転写体や感光ドラム等の上に作成し、その未定着トナーパッチの濃度を未定着トナー用濃度検知センサで検知し、その検知結果より露光量,現像バイアスなどのプロセス条件にフィードバックをかけて濃度制御を行うことで、安定した画像を得るように構成している。
【0005】
しかし、前記未定着トナー用濃度検知センサを用いた濃度制御はパッチを中間転写体や感光ドラム等の上に形成し検知するものでその後に行われる転写材への転写および定着による画像のカラーバランスの変化については制御していない。
【0006】
転写材へのトナー像の転写における転写効率や、定着による加熱および加圧によってもカラーバランスが変化する。この変化には、前記未定着トナー用濃度検知センサを用いた濃度制御では対応できない。そこで転写,定着後に転写材上の単色トナー画像の濃度またはフルカラー画像の色度を検知する濃度または色度センサ(以下カラーセンサとする)を設置し、濃度または色度制御用カラートナーパッチ(以下パッチとする)を転写材上に形成し、検知した濃度または色度を露光量,プロセス条件,ルックアップテーブル(LUT)などのプロセス条件にフィードバックし、転写材上に形成した最終出力画像の濃度または色度制御を行うカラー画像形成装置が考えられている。
【0007】
このカラーセンサは、CMYKを識別したり、濃度または色度を検知するために、たとえば発光素子として赤(R),緑(G),青(B)を発光する光源を用いたり、発光素子は白色(W)を発光する光源を用いて、受光素子上に赤(R),緑(G),青(B)等の分光透過率が異なる3種のフィルタを形成したもので構成する。このことにより得られる3つの異なる出力、たとえばRGB出力から、CMYKを識別したり濃度を検知することができる。また、RGB出力を線形変換等で数学的な処理をしたり、ルックアップテーブル(LUT)で変換することで色度を検知することができる。
【0008】
インクジェット方式のカラー画像形成装置においても、インク吐出量の経時変化や環境差、インクカートリッジの個体差によりカラーバランスが変化し、階調−濃度特性を一定に保てない。そこで、カラー画像形成装置の出力部付近にカラーセンサを設置し、転写材上のパッチの濃度または色度を検知し、濃度または色度制御を行うことが考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に電子写真方式のカラー画像形成装置の場合、同じ画像を形成しても、感光ドラムの表面のむらなどの要因により、転写材上の領域(上下や左右など)によって濃度や色が異なってしまうという問題がある。
【0010】
このような状態で前記カラーセンサで測定するパッチを転写材上に形成すると、パッチの形成される位置によって色が変化してしまう。たとえば転写材の中央を基準位置とし、この基準位置の色が正しい色であるとする。この時、転写材上に並べて形成したパッチの濃度または色度を検知すると、パッチの位置ごとに色の変化の影響を受けるため、センサ出力はパッチが基準位置に形成された場合の正しい濃度または色度とは異なった値を出力することとなる。このように色の変動を含んだ結果を用いて濃度または色度制御を実施すると、不正確な制御を行ってしまい、カラーバランスはとれず、所望の階調−濃度特性も得られない。そればかりか、カラーバランスを逆に崩し、階調−濃度特性を悪化させることがある。
【0011】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置、画像形成条件補正方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、カラー画像形成装置を次の(1)ないし(10)のとおりに構成し、画像形成条件補正方法を次の(11),(12)のとおりに形成する。
【0013】
(1)複数の色材を用いて転写材上に複数個のパッチを形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって転写材上に形成されたパッチの色度を検知する色度検知手段とを備え、前記色度検知手段によって検知された色度にもとづいて画像形成条件を補正するカラー画像形成装置において、
転写材上の前記複数個のパッチの中には同じ色材量のパッチが複数個含まれ、前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上の複数の領域に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0014】
(2)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記複数の領域に配置された同じ色材量の複数のパッチを前記色度検知手段によって検知し、検知された色度にもとづいて色度を補正し、前記補正された色度を当該色材量のパッチの色度とすることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0015】
(3)前記(2)記載のカラー画像形成装置において、
前記色度の補正は検知された色度を平均化することによって行われることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0016】
(4)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成手段は複数の転写材上に順次パッチを形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0017】
(5)前記(1)または(4)記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成手段は同じ色材量の複数のパッチを異なる転写材上の異なる領域に形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0018】
(6)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上に等間隔に周期的に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0019】
(7)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上にランダムに配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0020】
(8)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上の搬送方向に対して、中央の位置を基準に対称となる位置に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0021】
(9)複数の色材を用いて転写材上に複数個のパッチを形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって転写材上に形成されたパッチの色度を検知する色度検知手段とを備え、前記色度検知手段によって検知された色度にもとづいて画像形成条件を補正するカラー画像形成装置において、
1回目のパッチ形成時に同じ色材量の複数のパッチを転写材上の複数の領域にそれぞれ形成し、前記色度検知手段によって前記1回目のパッチ形成時の複数のパッチの色度を検知し、検知された色度にもとづいてそれぞれのパッチが位置する領域の領域補正テーブルを生成し、2回目のパッチ形成時には前記1回目のパッチ形成時とは異なる色材量の複数のパッチを転写材上の前記複数の領域にそれぞれ形成し、前記色度検知手段によって前記2回目のパッチ形成時の複数のパッチのそれぞれの色度を検知し検知したそれぞれの色度に対して、所定の位置を基準位置として、その色度にかかるパッチが位置する領域に対応する前記領域補正テーブルを参照して前記基準位置の色度に換算するように補正を行い、前記補正された色度にもとづいて画像形成条件を補正するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【0022】
(10)前記(9)記載のカラー画像形成装置において、
前記所定の位置とは、転写材中央の位置であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0023】
(11)カラー画像形成装置の画像形成条件を補正する画像形成条件補正方法であって、
転写材上の複数の領域に同じ色材量の複数のパッチをそれぞれ形成するパッチ形成ステップと、
前記パッチ形成ステップで形成した複数のパッチの色度を検知する色度検知テップと、
前記色度検知ステップで検知した色度を平均する色度平均ステップと、
前記色度平均ステップで平均した色度を当該色材量のパッチの色度として画像形成条件を補正する画像形成条件補正ステップと、
を備えたことを特徴とする画像形成条件補正方法。
【0024】
(12)カラー画像形成装置の画像形成条件を補正する画像形成条件補正方法であって、
同じ色材量の複数のパッチを転写材上の複数の領域にそれぞれ形成する第1のパッチ形成ステップと、
前記第1のパッチ形成ステップで形成した複数のパッチの色度を検知する第1の色度検知ステップと、
前記第1の色度検知ステップで検知した色度にもとづいて各パッチが位置する領域の領域補正テーブルを生成する領域補正テーブル生成ステップと、
前記第1のパッチ形成ステップで形成したパッチとは異なる色材量の複数のパッチを転写材上の前記複数の領域に形成する第2のパッチ形成ステップと、
前記第2のパッチ形成ステップで形成した複数のパッチの色度を検知する第2の色度検知ステップと、
所定の位置を基準位置として、前記第2の色度検知ステップで検知した各パッチの色度に対して、そのパッチが位置する領域に対応する前記領域補正テーブルを参照して基準位置の色度に換算する色度換算ステップと、
前記色度換算ステップで換算した色度にもとづいて画像形成条件を補正する画像形成補正ステップと、
を備えたことを特徴とする画像形成条件補正方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態をカラー画像形成装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発明は装置の形に限らず、実施例の説明に裏付けられて方法の形で実施することもできる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
図1は実施例1である電子写真方式の“カラー画像形成装置”概略構成を示す断面図である。本実施例装置は中間転写体27を採用したタンデム方式のカラー画像形成装置である。本カラー画像形成装置は、図1に示す画像形成部と図示しない画像処理部から構成される。
【0027】
最初に画像処理部における処理について説明する。図2は、カラー画像形成装置の画像処理部における処理の一例を示すフローチャートである。ステップ131(図ではS131と表記する、以下同様)で、あらかじめ用意されているカラーマッチングテーブルにより、ホストコンピュータ等から送られてくる画像の色を表すRGB信号をカラー画像形成装置の色再現域に合わせたデバイスRGB信号(以下DevRGBとする)に変換する。ステップ132で、あらかじめ用意されている色分解テーブルにより、前記DevRGB信号をカラー画像形成装置のトナー色材色であるCMYK信号に変換する。ステップ133で、各々のカラー画像形成装置に固有の階調−濃度特性を補正する濃度補正テーブルにより、前記CMYK信号を階調−濃度特性の補正を加えたC′M′Y′K′信号へ変換する。その後ステップ134でハーフトーン処理を行いC″M″Y″K″信号へ変換する。ステップ135で、PWM(Pulse Width Modulation)テーブルにより、前記C″M″Y″K″信号に対応する前記スキャナ部24C,24M,24Y,24Kの露光時間Tc、Tm、Ty、Tkへ変換する。
【0028】
次に図1を用いて、本カラー画像形成装置における、画像形成部の動作を説明する。画像処理部が変換した露光時間にもとづいて点灯させる露光光により静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して単色トナー像を形成し、この単色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、この多色トナー像を転写材11へ転写し、その転写材11上の多色トナー像を定着させるもので、画像形成部は給紙部21、現像色分並置したステーション毎の感光体(22Y,22M,22C,22K)、一次帯電手段としての注入帯電手段(23Y,23M,23C,23K)、トナーカートリッジ(25Y,25M,25C,25K)、現像手段(26Y,26M,26C,26K)、中間転写体27、転写ローラ28および定着部30によって構成されている。
【0029】
前記感光ドラム(感光体)22Y,22M,22C,22Kは、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成し、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光ドラム22Y,22M,22C,22Kを画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転させる。
【0030】
一次帯電手段として、ステーション毎にイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の感光体を帯電させるための4個の注入帯電器23Y,23M,23C,23Kを備える構成で、各注入帯電器にはスリーブ23YS,23MS,23CS,23KSが備えられている。
【0031】
感光ドラム22Y,22M,22C,22Kへの露光光はスキャナ部24Y,24M,24C,24Kから送られ、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面を選択的に露光することにより、静電潜像が形成されるように構成されている。
【0032】
現像手段として、前記静電潜像を可視化するために、ステーション毎にイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の現像を行う4個の現像器26Y,26M,26C,26Kを備える構成で、各現像器には、スリーブ26YS,26MS,26CS,26KSが設けられている。各々の現像器は脱着可能に取り付けられている。
【0033】
中間転写体27は、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kに接触しており、カラー画像形成時に時計周り方向に回転し、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの回転に伴って回転し、単色トナー像が転写される。その後、中間転写体27に後述する転写ローラ28が接触して転写材11を挟持搬送し、転写材11に中間転写体27上の多色トナー像が転写する。
【0034】
転写ローラ28は、転写材11上に多色トナー像を転写している間、28aの位置で転写材11に当接し、印字処理後は28bの位置に離間する。
【0035】
定着部30は、転写材11を搬送させながら、転写された多色トナー像を溶融定着させるものであり、図1に示すように転写材11を加熱する定着ローラ31と転写材11を定着ローラ31に圧接させるための加圧ローラ32を備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ33,34が内蔵されている。すなわち、多色トナー像を保持した転写材11は定着ローラ31と加圧ローラ32により搬送されるとともに、熱および圧力を加えられ、トナーが表面に定着される。
【0036】
トナー像定着後の転写材11は、その後図示しない排出ローラによって図示しない排紙トレイに排出して画像形成動作を終了する。
【0037】
クリーニング手段29は、中間転写体27上に残ったトナーをクリーニングするものであり、中間転写体27上に形成された4色の多色トナー像を転写材11に転写した後の廃トナーは、クリーナ容器に蓄えられる。
【0038】
濃度センサ41は、図1のカラー画像形成装置において中間転写体27へ向けて配置されており、中間転写体27の表面上に形成されたトナーパッチの濃度を測定する。
【0039】
この濃度センサ41の構成の一例を図3に示す。LEDなどの赤外発光素子51と、フォトダイオード、Cds等の受光素子52、受光データを処理する図示しないICなどとこれらを収容する図示しないホルダーで構成される。受光素子52aはトナーパッチからの乱反射光強度を検知し、受光素子52bはトナーパッチからの正反射光強度を検知する。正反射光強度と乱反射光強度の両方を検知することにより、高濃度から低濃度までのトナーパッチの濃度を検知することができる。また、所定の紙との色差を出力とすることもできる。なお、前記発光素子51と受光素子52の結合のために図示しない光学素子が用いられることもある。
【0040】
前記濃度センサ41は中間転写体27上にのっているトナーの色を見分けることはできない。そのため、単色トナーの階調パッチ64を中間転写体27上に形成する。その後この濃度データは、画像処理部の階調−濃度特性を補正する濃度補正テーブルや、画像形成部の各プロセス条件へフィードバックされる。
【0041】
カラーセンサ42は、図1のカラー画像形成装置において転写材搬送路の定着部30より下流に転写材11の画像形成面へ向けて配置されており、転写材11上に形成された定着後の混色パッチの色のRGB出力値を検知する。カラーセンサ42は、前記中間転写体27へ向けて配置された図1の濃度センサ41と非常に似ている。
【0042】
図4にカラーセンサ42の構成の一例を示す。カラーセンサ42は、白色LED53とRGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54aにより構成される。白色LED53を定着後のパッチが形成された転写材11に対して斜め45度より入射させ、0度方向への乱反射光強度をRGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54aにより検知する。RGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54aの受光部は、54bのようにRGBが独立した画素となっている。RGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54の電荷蓄積型センサは、フォトダイオードでも良い。RGBの3画素のセットが、数セット並んでいるものも有る。また、入射角が0度、反射角が45度の構成でも良い。更には、RGB3色が発光するLEDとフィルタ無しセンサにより構成しても良い。
【0043】
次にこれらのセンサを用いた階調−濃度特性制御の概念図を説明する。図5は、カラーセンサ42と濃度センサ41を組み合わせた階調−濃度特性の制御を示すフローチャートである。カラーセンサを用いた制御は、転写材を消費するため、実施回数が濃度センサを用いた制御に比べて制限される。そこで、図5に示すように、最初にステップ101でカラーセンサと濃度センサを用いた階調−濃度特性制御(以下混色制御と言う)を実施し、その後ステップ102〜104において濃度センサのみを用いた階調−濃度特性制御(以下単色制御と言う)を規定回数実施し、再び混色制御へ戻る。なお、混色および単色制御は、通常のプリント動作の合間に実施される。実施のタイミングは、環境変動などを検知しあらかじめ設定された所定のタイミングで自動的に実施するか、またはユーザーが制御実施を所望した場合にユーザーの手動操作により実施される。
【0044】
図6は、前記混色制御と単色制御を組み合わせた階調−濃度特性の制御の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
まず、新規のカートリッジが使用される場合、すなわちカラー画像形成装置が最初に設置された時、またはカートリッジが交換された時にはステップ111でC,M,Y,K各色の階調−濃度特性のターゲットとしてあらかじめ定められたデフォルトの階調−濃度曲線を用いる。デフォルトの階調−濃度曲線はカラー画像形成装置の特性を加味して設定される。本実施例では図7のような入力階調度に対して出力濃度が線形になるようなものを用いる。また、濃度補正テーブルは入力値を変更しないいわゆるスルーのテーブルを用いる。
【0046】
次に中間転写体27上にパッチパターンを形成し、濃度センサ41によって読み取る(ステップ112)。図8に、中間転写体27上に形成するパッチパターンの例を示す。未定着Kトナー単色の階調パッチ64が並んでおり、この後、図示しないC,M,Yトナー単色の階調パッチが引き続き形成される。この時パッチを形成するC,M,Y,Kの階調度はあらかじめ定められたものを用いる。中間転写体27上に形成されたパッチパターンは濃度センサ41によって濃度を検知され、検知された濃度より補間により階調−濃度曲線が生成される。シアンの濃度検知結果が図9の黒丸で示したようになった場合には、たとえば線形補間のような補間により100のような階調−濃度曲線を生成する。さらにステップ111で設定されたターゲットの濃度曲線300を基準に逆特性の曲線200を算出し、縦軸を出力階調度としたものを入力画像データに対するシアンの濃度補正テーブル201とする。入力画像データに対してこの濃度補正テーブル201でテーブル変換することによりシアンの入力階調度と出力濃度がターゲットの階調−濃度曲線300の関係になる(ステップ113)。M,Y,Kについても同様の濃度補正テーブル201を生成する。
【0047】
ステップ114ではステップ113で生成された各色の濃度補正テーブル201を用いて補正されたCMY混色パッチおよびKの単色パッチパターンを転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。以下本ステップの内容を詳細に述べる。
【0048】
まず、ステップ114で形成するパッチパターンについて述べる。パッチパターンは8つの組より形成されており、各組は組nを例にとると図10のようにCMYの混色パッチ(n−0)〜(n−6)、およびKの単色パッチ(n−7)の計8個のパッチより構成されている。
【0049】
組nの各パッチのC,M,Y,Kの階調度は図11のようになっており、(n−0)〜(n−6)の各パッチのC,M,Yの階調度はあらかじめ定められた基準の階調度(以下、基準値と記す)Cn,Mn,YnおよびCn,Mn,Ynから各色の階調度を±α変化させた値となっている。また(n−7)はKの基準値Knで形成される。基準値(Cn,Mn,Yn)はC,M,Y,Kの階調−濃度特性が階調−濃度曲線300の状態に調整され、通常の画像形成条件下で、Cn,Mn,Ynの値を混色するとKnとほぼ同じ色になるような値であり、色処理およびハーフトーン設計時に設定される。
【0050】
次にパッチパターンの形成方法について述べる。まず1枚目の転写材上には図12aのように(0−0)〜(7−7)のパッチパターンが縦に形成され、転写材上に形成されたパッチは定着装置30通過後、カラーセンサ42で検知し、RGB値を出力する。1枚目のRGB出力値を順に(R0−0_1,G0−0_1,B0−0_1)、(R0−1_1,G0−1_1,B0−1_1)、…(R7−7_1,G7−7_1,B7−7_1)とする。
【0051】
次に2枚目の転写材上には図12bのように(0−0)〜(7−7)のパッチパターンが1枚目とは逆順に形成され、転写材上に形成されたパッチは1枚目と同様、定着装置30通過後、カラーセンサ42で検知し、RGB値を出力する。2枚目のRGB出力値を順に(R7−7_2,G7−7_2,B7−7_2)、(R7−6_2,G7−6_2,B7−6_2)…(R0−0_2,G0−0_2,B0−0_2)とする。
【0052】
次にステップ115で1枚目のn組m番目のRGB値(Rn−m_1,Gn−m_1,Bn−m_1)と2枚目のn組m番目のRGB値(Rn−m_2,Gn−m_2,Bn−m_2)の平均値(Rn−m_ave,Gn−m_ave,Bn−m_ave)を下式のように計算する。
【0053】
Rn−m_ave = (Rn−m_1+Rn−m_2)/2
Gn−m_ave = (Gn−m_1+Gn−m_2)/2
Bn−m_ave = (Bn−m_1+Bn−m_2)/2(ただし、n=0…7、m=0…7)
このように平均化することによって転写材上部から下部にかけての濃度むらの影響を除去することができる。
【0054】
また、1枚目の転写材をカラーセンサ42で検知する時に転写材上のパッチの形成されていない領域、すなわち転写材の下地部分も同時にセンサで検知し、そのRGB出力値を(R0,G0,B0)とする。ステップ116ではステップ115で計算された平均値に対して下式のように転写材の下地のRGB値(R0,G0,B0)で規格化する。これにより、転写材の材質やカラーセンサ42の経時変化の影響を除去する。
【0055】
Rn−m_ave = Rn−m_ave/R0
Gn−m_ave = Gn−m_ave/G0
Bn−m_ave = Bn−m_ave/B0(ただし、n=0…7、m=0…7)
次にステップ117においてステップ116で規格化されたRGB値を下記のマトリクスでXYZ値(Xn−m,Yn−m,Zn−m)に変換する。ここで、XYZ値とはXYZ表色系(CIE1931表色系)における値である。
【0056】
【0057】
前記マトリクスはカラーセンサの特性に合わせてセンサのRGB出力値とXYZとの関係から、あらかじめ最適化されたものである。
【0058】
次に、ステップ117で変換されたXYZ値からC,M,YのプロセスグレーとKのパッチの色が一致するためのC,M,Yの値(階調度)を算出する(ステップ118)。
【0059】
パッチの組0を例にステップ118の内容を説明する。組0のCMY混色の各パッチの階調度を改めて順に(0−0)=(C00,M00,Y00)〜(0−6)=(C06,M06,Y06)とする。また、CMY混色の各パッチのXYZ値を(0−0)=(x00、y00、z00),(0−1)=(x01、y01、z01),…(0−6)=(x06、y06、z06)とし、(0−7)のK単色パッチのXYZ値を(xk0、yk0、zk0)とする。
【0060】
ここで、Xについて図13のようにC,M,Yの階調度を説明変量、Xを目的変量として以下の重回帰式の係数x0,x1,x2,x3を求める。ただし、以下の計算式ではイエローの階調度をXYZのYと区別するためにYlと記す。
X=x1×C+x2×M+x3×Yl+x0
係数x0,x1,x2,x3は以下のようにして求める。
【0061】
【0062】
ただし、
【0063】
とすると、
B=S−1T
でx1、x2、x3が求まる。
【0064】
さらに、
でx0が求まる。
さらに、Y,Zに対しても同様に下記の重回帰式の係数が求まる。
Y=y1×C+y2×M+y3×Yl+y0
Z=z1×C+z2×M+z3×Yl+z0
ここで、KのXYZ値(xk0、yk0、zk0)に対するC,M,Yの値を(C0′,M0′,Y0′)として前記の式に代入し、これを行列で書くと、
【0065】
となり、
【0066】
によって(C0′,M0′,Y0′)が求まる。
【0067】
他の組1〜7に対しても前記と同様の計算をし、基準値(CN,MN,YN,KN)(N=1,2…7)に対して(CN′,MN′,YN′,KN′)を求める。このようにして求めた(CN,MN,YN)と(CN′,MN′,YN′)のシアンの関係が図14の黒丸のようになったとすると、間の値をたとえば線形補間して150のような曲線(色補正テーブル)を作る。
【0068】
次にステップ119で濃度補正のターゲットテーブルを補正する。元のターゲット階調−濃度曲線(図9、300)に対して図14の色補正テーブル150を掛け合わせた階調−濃度曲線を生成し、これを新しいシアンのターゲットの階調−濃度曲線とする(図15、400)。具体的には入力階調度に対して色補正テーブル150でテーブル変換した後にターゲット階調−濃度曲線にしたがって出力濃度に変換する。
【0069】
同様にM,Yについてもターゲットを変更する。この新しいターゲットで濃度補正を行うことで、(CN,MN,YN)の混色による色はKNの色と一致する。なお、(CN,MN,YN,KN)の値は“人間の目はハイライトのグレーに敏感で、シャドウになるほど鈍感になること”、“通常色処理時にはUCR処理(色分解時にCMYの一部をKで置き換える処理)を行うため、シャドウ領域ではCMYの3色のみによるグレーは現れないこと”に留意して、ハイライトを中心に選ぶことによって本発明をより効果的に実施できる。
【0070】
ステップ120で、ステップ112の濃度検知結果からステップ119で変更されたC,M,Yのターゲットを用いて改めて濃度補正テーブルを生成し、以後プリント時にはこの濃度補正テーブルを用いて入力画像データの濃度補正を行い、通常プリント状態に入る(ステップ121)。
【0071】
通常プリント状態で所定枚数プリントすると(ステップ123)、単色濃度制御を行う。単色濃度制御ではステップ124でステップ112と同様に中間転写体27上にパッチパターンを形成し、濃度センサ41によって読み取る。中間転写体27上に形成されたパッチパターンは濃度センサ41によって濃度を検知され、検知された濃度より補間により階調−濃度曲線を生成し、ステップ119で生成されたターゲット400を用いてステップ113と同様の方法で濃度補正テーブルを更新する(ステップ125)。さらに規程回数単色濃度制御が行われたかどうか判断し(ステップ126)、規程回数に達していない場合には再び通常プリントに入る。規程回数行われていれば、再度ステップ114でCMY混色およびKの単色パッチパターンを転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。この時パッチパターンの形成は最新の濃度補正テーブルを用いて行う。その後は前述したステップで処理が行われる。ただし、新しいターゲット作成時には前回のステップ119で生成されたターゲット400に対して新しい色補正テーブル150を掛け合わせる。
【0072】
また、通常プリント状態でいずれかの色のカートリッジが交換された場合(ステップ122)には画像形成条件が大きく変わるため、再びステップ111の処理へと戻る。
【0073】
以上のようにして本発明を効果的に実施することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施例によれば、転写材上の複数の領域に配置された同じ色材量の複数のパッチの色度を平均して当該パッチの色度とすることによって、転写材上の位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置を提供できる。
【0075】
なお、転写材上に形成するパッチの数は本実施例で用いた数には限らない。また、本実施例ではαの値はC,M,Yで同一のものを用いたが、色毎に異なる値を用いてもよい。さらに、本実施例ではカラーセンサはRGB出力としたが、フィルタの形状はRGBとは限らない。
【0076】
さらに、本実施例ではC,M,Yの混色パッチの色をKのパッチの色に合わせたが、カラーセンサで検知されたC,M,Yの混色パッチのXYZ値をL*a*b*値等に変換し、たとえばa=0,b=0の無彩色軸をターゲットにしてC,M,Yの混色が無彩色となる最適な階調度を算出し、単色制御にフィードバックしてもよい。
【0077】
さらに、本実施例では2枚の転写紙上にパッチパターンを形成したが、1枚の転写紙上の異なる領域に同じパッチを複数個形成してもよく、あるいは3枚以上の転写紙上の異なる領域に同じパッチを形成してもよい。また、本実施例では同じパッチを転写材の中央の位置に対して対称となる位置に配置したが、同じパッチを等間隔で周期的に配置したり、ランダムに配置してもよく、配置の仕方については本実施例に限定されるものではない。
【0078】
さらに、本実施例では複数のパッチを平均化することによって当該パッチの色度を補正する手法を採ったが、他の補正方法で補正を行ってもよい。
【0079】
(実施例2)
実施例2である“カラー画像形成装置”のハードウエア構成は実施例1と同様なのでその説明を援用する。本実施例での混色制御のフローチャートを図16に示す。
【0080】
本実施例では混色制御の部分以外は実施例1と同様である。以下、混色制御の部分について説明する。ステップ211ではまず、Kの濃度補正テーブル201を用いてあらかじめ定められた階調度KfのKの単色のパッチを128個、図17の500のように転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。この時、転写材の下地部分も同時にセンサで検知し、そのRGB出力値を(R0,G0,B0)とする。パッチ500の名前を順にN0〜N127とする。図17のCは転写材中央の位置で、N63とN64の間に位置する。N0〜N127の検知結果を順にN0=(RR0,GG0,BB0)〜N127=(RR127,GG127,BB127)とする。ステップ212でこれらの値を下式のように転写材の下地のRGB値(R0,G0,B0)で規格化する。これにより、転写材の材質やセンサの経時変化の影響を除去する。
【0081】
RRn = RRn /R0
GGn = GGn /G0
BBn = BBn /B0(ただし、n=0…127)
【0082】
次にステップ213においてステップ212で規格化されたRGB値を下記のマトリクスでXYZ値(XXn,YYn,ZZn)に変換する。
【0083】
【0084】
前記マトリクスは実施例1と同様、センサの特性に合わせてセンサのRGB出力値とXYZとの関係から、あらかじめ最適化されたものである。
【0085】
(XXn、YYn、ZZn)の例を図18の501に示す。501のX,Y,Z値の変化は転写材の上部から下部にかけての濃度,色の変動を示している。
【0086】
次に、ステップ214で実施例1と同様、図10のようなCMYの混色パッチ(n−0)〜(n−6)、およびKの単色パッチ(n−7)の計8個のパッチを1組とした8組のパッチ群を転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。
【0087】
組nの各パッチのC,M,Y,Kの階調度は実施例1と同様、図11のようになっている。
【0088】
次にパッチパターンの形成方法について述べる。転写材上には図19のように(0−0)〜(7−7)のパッチパターンが502、503のように縦に2回に渡って形成される。502のパッチを(0−0)a、(0−1)a、…(7−7)aとし、503のパッチを(0−0)b、(0−1)b、…(7−7)bとする。転写材上に形成されたパッチ502、503は定着装置30通過後、カラーセンサ42で検知し、RGB値を出力する。ここで、502,503のパッチの位置は後述するように500のパッチの位置(図17)と完全に一致するように形成される。
【0089】
(0−0)a〜(7−7)aのRGB出力値を順に(R0−0_a,G0−0_a,B0−0_a)、(R0−1_a,G0−1_a,B0−1_a)、…(R7−7_a,G7−7_a,B7−7_a)とし、(0−0)b〜(7−7)bのRGB出力値を順に(R0−0_b,G0−0_b,B0−0_b)(R0−1_b,G0−1_b,B0−1_b)、…(R7−7_b,G7−7_b,B7−7_b)とする。
【0090】
ステップ215で各パッチの値を前記と同様、下式のように転写材の下地のRGB値(R0,G0,B0)で規格化する。
【0091】
Rn−m_a = Rn−m_a/R0
Gn−m_a = Gn−m_a/G0
Bn−m_a = Bn−m_a/B0
Rn−m_b = Rn−m_b/R0
Gn−m_b = Gn−m_b/G0
Bn−m_b = Bn−m_b/B0(ただし、n=0…7、m=0…7)
【0092】
次にステップ216においてステップ215で規格化されたRGB値を下記のマトリクスでXYZ値(Xn−m_a,Yn−m_a,Zn−m_a)および(Xn−m_b,Yn−m_b,Zn−m_b)に変換する。
【0093】
【0094】
次にパッチの位置による色味変動の補正を行う。補正は、502,503の各パッチの色度検知結果(Xn−m_a,Yn−m_a,Zn−m_a)、(Xn−m_b,Yn−m_b,Zn−m_b)および501の色味変動を参照して、(0−0)〜(7−7)の各パッチが転写材中央の位置Cに形成された場合のXYZ値を予測し、その値を各パッチの色度とすることによって行う。
【0095】
以下、パッチ(n−m)を例に補正の手順について説明する。まず、曲線501上の位置CのXYZ値を求める(ステップ217)。位置CはN63とN64に挟まれているため、曲線501上のCのXYZ値(XXc,YYc,ZZc)をN63とN64のXYZ値を補間して下式で求める。
【0096】
XXc=(XX63+XX64)/2
YYc=(YY63+YY64)/2
ZZc=(ZZ63+ZZ64)/2
以降、Xの値の補正方法について説明する。ここで、転写材上の500のパッチの位置と502,503で形成したパッチの位置は図20のように対応しており、たとえば(0−0)aとN0、(0−0)bとN64は転写材上の同じ位置に形成される。
【0097】
したがって、(n−m)aとNn+m、(n−m)bとNn+m+64が同じ位置に形成される。そこで、501のNn+m、Nn+m+64のパッチに注目し、501のNn+mとNn+m+64の間のX値の曲線を504とする(図21a)。
【0098】
ここで、(n−m)aの値、Xn−m_aと(n−m)bの値、Xn−m_bに対して、図21a,bのように曲線504をXXn+m〜XXn+m+64からXn−m_a〜Xn−m_bへとスケーリングした曲線505を描き、505とCの交点の値を転写材中央の位置CのX値Xn−mとする。これを式で表すと下式のようになる。
Xn−m=[(XX n+m+64−XXc)×Xn−m_a+(XXc−XX
n+m)×Xn−m_b]
/(XX n+m+64−XX n+m)
このXn−mがパッチ(n−m)を位置Cに形成した場合のXの値となる。
【0099】
Y,Zについても同様に転写材中央の位置Cの値Yn−m、Zn−mを求め、パッチ(n−m)が転写材中央の位置Cに形成された場合のXYZ値(Xn−m,Yn−m,Zn−m)を算出し、これをパッチ(n−m)の補正後のXYZ値とする(ステップ218)。
【0100】
ステップ219,220,221では前記のような補正で求めた(Xn−m,Yn−m,Zn−m)を用いて実施例1のステップ118,119,120と同様の方法でCMYの濃度補正テーブルを更新する。
【0101】
以上のようにして本発明を効果的に実施することができる。
【0102】
以上説明したように、本実施例によれば、検知した混色パッチの色度を転写材の中央の位置の色度に換算するように補正を行っているので、転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置を提供できる。
【0103】
なお、補正のためのパッチの数、パッチの色度、位置補正の方法などは本実施例に限定されるものではない。
【0104】
さらに、本実施例では各パッチの色度を転写材の中央の位置の色度に換算するように補正を行ったが、換算する位置は中央でなくともよい。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検知した混色パッチの色度を転写材上の位置に応じて補正することによって、転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の概略構成を示す断面図
【図2】画像処理部の処理を示すフローチャート
【図3】濃度センサの構成を示す図
【図4】カラーセンサの構成を示す図
【図5】階調−濃度特性の制御を示すフローチャート
【図6】階調−濃度特性の制御の詳細を示すフローチャート
【図7】デフォルトの階調−濃度曲線を示す図
【図8】中間転写体上に形成するパッチパターンを示す図
【図9】濃度センサによる階調−濃度特性の制御を示す図
【図10】転写材上に形成するパッチパターンを示す図
【図11】図10の組nのパッチパターンの詳細を示す図
【図12】転写材上に形成するパッチパターンの配置を示す図
【図13】転写材上に形成するパッチパターンの内容を示す図
【図14】カラーセンサによる階調−濃度特性の制御を示す図
【図15】ターゲットの階調−濃度特性を示す図
【図16】実施例2における混色制御の詳細を示すフローチャート
【図17】転写材上に形成するパッチパターンを示す図
【図18】転写材上の各パッチのXYZ値を示す図
【図19】転写材上に形成するパッチパターンを示す図
【図20】パッチの位置の対応を示す図
【図21】位置補正を示す図
【符号の説明】
11 転写材
26 現像手段
27 中間転写体
28 転写ローラ
41 濃度センサ
42 カラーセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号にもとづいてカラー画像を形成するカラー画像形成装置に関し、特に、色度検知手段によって検知されたパッチの色度にもとづく画像形成条件の補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラープリンタ,カラー複写機等の電子写真方式やインクジェット方式等を採用したカラー画像形成装置には、出力画像の高画質化が求められている。特に、濃度の階調とその安定性は、人間が下す画像の良し悪しの判断に大きな影響を与える。
【0003】
ところが、電子写真方式のカラー画像形成装置は、環境の変化や長時間の使用による装置各部の変動があると、得られる画像の濃度が変動してしまう。特に電子写真方式のカラー画像形成装置の場合、わずかな濃度の変動でもカラーバランスが崩れてしまう恐れがあるので、常に一定の階調−濃度特性を保つ必要がある。そこで、各色のトナーに対して、絶対湿度に応じた数種類の露光量や現像バイアスなどのプロセス条件、ルックアップテーブル(LUT)などの階調補正手段をもち、温湿度センサによって測定された絶対湿度にもとづいて、その時のプロセス条件や階調補正の最適値を選択している。
【0004】
また、装置各部の変動が起こっても一定の階調−濃度特性が得られるように、各色のトナーで濃度検知用トナーパッチを中間転写体や感光ドラム等の上に作成し、その未定着トナーパッチの濃度を未定着トナー用濃度検知センサで検知し、その検知結果より露光量,現像バイアスなどのプロセス条件にフィードバックをかけて濃度制御を行うことで、安定した画像を得るように構成している。
【0005】
しかし、前記未定着トナー用濃度検知センサを用いた濃度制御はパッチを中間転写体や感光ドラム等の上に形成し検知するものでその後に行われる転写材への転写および定着による画像のカラーバランスの変化については制御していない。
【0006】
転写材へのトナー像の転写における転写効率や、定着による加熱および加圧によってもカラーバランスが変化する。この変化には、前記未定着トナー用濃度検知センサを用いた濃度制御では対応できない。そこで転写,定着後に転写材上の単色トナー画像の濃度またはフルカラー画像の色度を検知する濃度または色度センサ(以下カラーセンサとする)を設置し、濃度または色度制御用カラートナーパッチ(以下パッチとする)を転写材上に形成し、検知した濃度または色度を露光量,プロセス条件,ルックアップテーブル(LUT)などのプロセス条件にフィードバックし、転写材上に形成した最終出力画像の濃度または色度制御を行うカラー画像形成装置が考えられている。
【0007】
このカラーセンサは、CMYKを識別したり、濃度または色度を検知するために、たとえば発光素子として赤(R),緑(G),青(B)を発光する光源を用いたり、発光素子は白色(W)を発光する光源を用いて、受光素子上に赤(R),緑(G),青(B)等の分光透過率が異なる3種のフィルタを形成したもので構成する。このことにより得られる3つの異なる出力、たとえばRGB出力から、CMYKを識別したり濃度を検知することができる。また、RGB出力を線形変換等で数学的な処理をしたり、ルックアップテーブル(LUT)で変換することで色度を検知することができる。
【0008】
インクジェット方式のカラー画像形成装置においても、インク吐出量の経時変化や環境差、インクカートリッジの個体差によりカラーバランスが変化し、階調−濃度特性を一定に保てない。そこで、カラー画像形成装置の出力部付近にカラーセンサを設置し、転写材上のパッチの濃度または色度を検知し、濃度または色度制御を行うことが考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に電子写真方式のカラー画像形成装置の場合、同じ画像を形成しても、感光ドラムの表面のむらなどの要因により、転写材上の領域(上下や左右など)によって濃度や色が異なってしまうという問題がある。
【0010】
このような状態で前記カラーセンサで測定するパッチを転写材上に形成すると、パッチの形成される位置によって色が変化してしまう。たとえば転写材の中央を基準位置とし、この基準位置の色が正しい色であるとする。この時、転写材上に並べて形成したパッチの濃度または色度を検知すると、パッチの位置ごとに色の変化の影響を受けるため、センサ出力はパッチが基準位置に形成された場合の正しい濃度または色度とは異なった値を出力することとなる。このように色の変動を含んだ結果を用いて濃度または色度制御を実施すると、不正確な制御を行ってしまい、カラーバランスはとれず、所望の階調−濃度特性も得られない。そればかりか、カラーバランスを逆に崩し、階調−濃度特性を悪化させることがある。
【0011】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置、画像形成条件補正方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、カラー画像形成装置を次の(1)ないし(10)のとおりに構成し、画像形成条件補正方法を次の(11),(12)のとおりに形成する。
【0013】
(1)複数の色材を用いて転写材上に複数個のパッチを形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって転写材上に形成されたパッチの色度を検知する色度検知手段とを備え、前記色度検知手段によって検知された色度にもとづいて画像形成条件を補正するカラー画像形成装置において、
転写材上の前記複数個のパッチの中には同じ色材量のパッチが複数個含まれ、前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上の複数の領域に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0014】
(2)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記複数の領域に配置された同じ色材量の複数のパッチを前記色度検知手段によって検知し、検知された色度にもとづいて色度を補正し、前記補正された色度を当該色材量のパッチの色度とすることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0015】
(3)前記(2)記載のカラー画像形成装置において、
前記色度の補正は検知された色度を平均化することによって行われることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0016】
(4)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成手段は複数の転写材上に順次パッチを形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0017】
(5)前記(1)または(4)記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成手段は同じ色材量の複数のパッチを異なる転写材上の異なる領域に形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0018】
(6)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上に等間隔に周期的に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0019】
(7)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上にランダムに配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0020】
(8)前記(1)記載のカラー画像形成装置において、
前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上の搬送方向に対して、中央の位置を基準に対称となる位置に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0021】
(9)複数の色材を用いて転写材上に複数個のパッチを形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって転写材上に形成されたパッチの色度を検知する色度検知手段とを備え、前記色度検知手段によって検知された色度にもとづいて画像形成条件を補正するカラー画像形成装置において、
1回目のパッチ形成時に同じ色材量の複数のパッチを転写材上の複数の領域にそれぞれ形成し、前記色度検知手段によって前記1回目のパッチ形成時の複数のパッチの色度を検知し、検知された色度にもとづいてそれぞれのパッチが位置する領域の領域補正テーブルを生成し、2回目のパッチ形成時には前記1回目のパッチ形成時とは異なる色材量の複数のパッチを転写材上の前記複数の領域にそれぞれ形成し、前記色度検知手段によって前記2回目のパッチ形成時の複数のパッチのそれぞれの色度を検知し検知したそれぞれの色度に対して、所定の位置を基準位置として、その色度にかかるパッチが位置する領域に対応する前記領域補正テーブルを参照して前記基準位置の色度に換算するように補正を行い、前記補正された色度にもとづいて画像形成条件を補正するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
【0022】
(10)前記(9)記載のカラー画像形成装置において、
前記所定の位置とは、転写材中央の位置であることを特徴とするカラー画像形成装置。
【0023】
(11)カラー画像形成装置の画像形成条件を補正する画像形成条件補正方法であって、
転写材上の複数の領域に同じ色材量の複数のパッチをそれぞれ形成するパッチ形成ステップと、
前記パッチ形成ステップで形成した複数のパッチの色度を検知する色度検知テップと、
前記色度検知ステップで検知した色度を平均する色度平均ステップと、
前記色度平均ステップで平均した色度を当該色材量のパッチの色度として画像形成条件を補正する画像形成条件補正ステップと、
を備えたことを特徴とする画像形成条件補正方法。
【0024】
(12)カラー画像形成装置の画像形成条件を補正する画像形成条件補正方法であって、
同じ色材量の複数のパッチを転写材上の複数の領域にそれぞれ形成する第1のパッチ形成ステップと、
前記第1のパッチ形成ステップで形成した複数のパッチの色度を検知する第1の色度検知ステップと、
前記第1の色度検知ステップで検知した色度にもとづいて各パッチが位置する領域の領域補正テーブルを生成する領域補正テーブル生成ステップと、
前記第1のパッチ形成ステップで形成したパッチとは異なる色材量の複数のパッチを転写材上の前記複数の領域に形成する第2のパッチ形成ステップと、
前記第2のパッチ形成ステップで形成した複数のパッチの色度を検知する第2の色度検知ステップと、
所定の位置を基準位置として、前記第2の色度検知ステップで検知した各パッチの色度に対して、そのパッチが位置する領域に対応する前記領域補正テーブルを参照して基準位置の色度に換算する色度換算ステップと、
前記色度換算ステップで換算した色度にもとづいて画像形成条件を補正する画像形成補正ステップと、
を備えたことを特徴とする画像形成条件補正方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態をカラー画像形成装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発明は装置の形に限らず、実施例の説明に裏付けられて方法の形で実施することもできる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
図1は実施例1である電子写真方式の“カラー画像形成装置”概略構成を示す断面図である。本実施例装置は中間転写体27を採用したタンデム方式のカラー画像形成装置である。本カラー画像形成装置は、図1に示す画像形成部と図示しない画像処理部から構成される。
【0027】
最初に画像処理部における処理について説明する。図2は、カラー画像形成装置の画像処理部における処理の一例を示すフローチャートである。ステップ131(図ではS131と表記する、以下同様)で、あらかじめ用意されているカラーマッチングテーブルにより、ホストコンピュータ等から送られてくる画像の色を表すRGB信号をカラー画像形成装置の色再現域に合わせたデバイスRGB信号(以下DevRGBとする)に変換する。ステップ132で、あらかじめ用意されている色分解テーブルにより、前記DevRGB信号をカラー画像形成装置のトナー色材色であるCMYK信号に変換する。ステップ133で、各々のカラー画像形成装置に固有の階調−濃度特性を補正する濃度補正テーブルにより、前記CMYK信号を階調−濃度特性の補正を加えたC′M′Y′K′信号へ変換する。その後ステップ134でハーフトーン処理を行いC″M″Y″K″信号へ変換する。ステップ135で、PWM(Pulse Width Modulation)テーブルにより、前記C″M″Y″K″信号に対応する前記スキャナ部24C,24M,24Y,24Kの露光時間Tc、Tm、Ty、Tkへ変換する。
【0028】
次に図1を用いて、本カラー画像形成装置における、画像形成部の動作を説明する。画像処理部が変換した露光時間にもとづいて点灯させる露光光により静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して単色トナー像を形成し、この単色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、この多色トナー像を転写材11へ転写し、その転写材11上の多色トナー像を定着させるもので、画像形成部は給紙部21、現像色分並置したステーション毎の感光体(22Y,22M,22C,22K)、一次帯電手段としての注入帯電手段(23Y,23M,23C,23K)、トナーカートリッジ(25Y,25M,25C,25K)、現像手段(26Y,26M,26C,26K)、中間転写体27、転写ローラ28および定着部30によって構成されている。
【0029】
前記感光ドラム(感光体)22Y,22M,22C,22Kは、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成し、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光ドラム22Y,22M,22C,22Kを画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転させる。
【0030】
一次帯電手段として、ステーション毎にイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の感光体を帯電させるための4個の注入帯電器23Y,23M,23C,23Kを備える構成で、各注入帯電器にはスリーブ23YS,23MS,23CS,23KSが備えられている。
【0031】
感光ドラム22Y,22M,22C,22Kへの露光光はスキャナ部24Y,24M,24C,24Kから送られ、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの表面を選択的に露光することにより、静電潜像が形成されるように構成されている。
【0032】
現像手段として、前記静電潜像を可視化するために、ステーション毎にイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の現像を行う4個の現像器26Y,26M,26C,26Kを備える構成で、各現像器には、スリーブ26YS,26MS,26CS,26KSが設けられている。各々の現像器は脱着可能に取り付けられている。
【0033】
中間転写体27は、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kに接触しており、カラー画像形成時に時計周り方向に回転し、感光ドラム22Y,22M,22C,22Kの回転に伴って回転し、単色トナー像が転写される。その後、中間転写体27に後述する転写ローラ28が接触して転写材11を挟持搬送し、転写材11に中間転写体27上の多色トナー像が転写する。
【0034】
転写ローラ28は、転写材11上に多色トナー像を転写している間、28aの位置で転写材11に当接し、印字処理後は28bの位置に離間する。
【0035】
定着部30は、転写材11を搬送させながら、転写された多色トナー像を溶融定着させるものであり、図1に示すように転写材11を加熱する定着ローラ31と転写材11を定着ローラ31に圧接させるための加圧ローラ32を備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ33,34が内蔵されている。すなわち、多色トナー像を保持した転写材11は定着ローラ31と加圧ローラ32により搬送されるとともに、熱および圧力を加えられ、トナーが表面に定着される。
【0036】
トナー像定着後の転写材11は、その後図示しない排出ローラによって図示しない排紙トレイに排出して画像形成動作を終了する。
【0037】
クリーニング手段29は、中間転写体27上に残ったトナーをクリーニングするものであり、中間転写体27上に形成された4色の多色トナー像を転写材11に転写した後の廃トナーは、クリーナ容器に蓄えられる。
【0038】
濃度センサ41は、図1のカラー画像形成装置において中間転写体27へ向けて配置されており、中間転写体27の表面上に形成されたトナーパッチの濃度を測定する。
【0039】
この濃度センサ41の構成の一例を図3に示す。LEDなどの赤外発光素子51と、フォトダイオード、Cds等の受光素子52、受光データを処理する図示しないICなどとこれらを収容する図示しないホルダーで構成される。受光素子52aはトナーパッチからの乱反射光強度を検知し、受光素子52bはトナーパッチからの正反射光強度を検知する。正反射光強度と乱反射光強度の両方を検知することにより、高濃度から低濃度までのトナーパッチの濃度を検知することができる。また、所定の紙との色差を出力とすることもできる。なお、前記発光素子51と受光素子52の結合のために図示しない光学素子が用いられることもある。
【0040】
前記濃度センサ41は中間転写体27上にのっているトナーの色を見分けることはできない。そのため、単色トナーの階調パッチ64を中間転写体27上に形成する。その後この濃度データは、画像処理部の階調−濃度特性を補正する濃度補正テーブルや、画像形成部の各プロセス条件へフィードバックされる。
【0041】
カラーセンサ42は、図1のカラー画像形成装置において転写材搬送路の定着部30より下流に転写材11の画像形成面へ向けて配置されており、転写材11上に形成された定着後の混色パッチの色のRGB出力値を検知する。カラーセンサ42は、前記中間転写体27へ向けて配置された図1の濃度センサ41と非常に似ている。
【0042】
図4にカラーセンサ42の構成の一例を示す。カラーセンサ42は、白色LED53とRGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54aにより構成される。白色LED53を定着後のパッチが形成された転写材11に対して斜め45度より入射させ、0度方向への乱反射光強度をRGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54aにより検知する。RGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54aの受光部は、54bのようにRGBが独立した画素となっている。RGBオンチップフィルタ付き電荷蓄積型センサ54の電荷蓄積型センサは、フォトダイオードでも良い。RGBの3画素のセットが、数セット並んでいるものも有る。また、入射角が0度、反射角が45度の構成でも良い。更には、RGB3色が発光するLEDとフィルタ無しセンサにより構成しても良い。
【0043】
次にこれらのセンサを用いた階調−濃度特性制御の概念図を説明する。図5は、カラーセンサ42と濃度センサ41を組み合わせた階調−濃度特性の制御を示すフローチャートである。カラーセンサを用いた制御は、転写材を消費するため、実施回数が濃度センサを用いた制御に比べて制限される。そこで、図5に示すように、最初にステップ101でカラーセンサと濃度センサを用いた階調−濃度特性制御(以下混色制御と言う)を実施し、その後ステップ102〜104において濃度センサのみを用いた階調−濃度特性制御(以下単色制御と言う)を規定回数実施し、再び混色制御へ戻る。なお、混色および単色制御は、通常のプリント動作の合間に実施される。実施のタイミングは、環境変動などを検知しあらかじめ設定された所定のタイミングで自動的に実施するか、またはユーザーが制御実施を所望した場合にユーザーの手動操作により実施される。
【0044】
図6は、前記混色制御と単色制御を組み合わせた階調−濃度特性の制御の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
まず、新規のカートリッジが使用される場合、すなわちカラー画像形成装置が最初に設置された時、またはカートリッジが交換された時にはステップ111でC,M,Y,K各色の階調−濃度特性のターゲットとしてあらかじめ定められたデフォルトの階調−濃度曲線を用いる。デフォルトの階調−濃度曲線はカラー画像形成装置の特性を加味して設定される。本実施例では図7のような入力階調度に対して出力濃度が線形になるようなものを用いる。また、濃度補正テーブルは入力値を変更しないいわゆるスルーのテーブルを用いる。
【0046】
次に中間転写体27上にパッチパターンを形成し、濃度センサ41によって読み取る(ステップ112)。図8に、中間転写体27上に形成するパッチパターンの例を示す。未定着Kトナー単色の階調パッチ64が並んでおり、この後、図示しないC,M,Yトナー単色の階調パッチが引き続き形成される。この時パッチを形成するC,M,Y,Kの階調度はあらかじめ定められたものを用いる。中間転写体27上に形成されたパッチパターンは濃度センサ41によって濃度を検知され、検知された濃度より補間により階調−濃度曲線が生成される。シアンの濃度検知結果が図9の黒丸で示したようになった場合には、たとえば線形補間のような補間により100のような階調−濃度曲線を生成する。さらにステップ111で設定されたターゲットの濃度曲線300を基準に逆特性の曲線200を算出し、縦軸を出力階調度としたものを入力画像データに対するシアンの濃度補正テーブル201とする。入力画像データに対してこの濃度補正テーブル201でテーブル変換することによりシアンの入力階調度と出力濃度がターゲットの階調−濃度曲線300の関係になる(ステップ113)。M,Y,Kについても同様の濃度補正テーブル201を生成する。
【0047】
ステップ114ではステップ113で生成された各色の濃度補正テーブル201を用いて補正されたCMY混色パッチおよびKの単色パッチパターンを転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。以下本ステップの内容を詳細に述べる。
【0048】
まず、ステップ114で形成するパッチパターンについて述べる。パッチパターンは8つの組より形成されており、各組は組nを例にとると図10のようにCMYの混色パッチ(n−0)〜(n−6)、およびKの単色パッチ(n−7)の計8個のパッチより構成されている。
【0049】
組nの各パッチのC,M,Y,Kの階調度は図11のようになっており、(n−0)〜(n−6)の各パッチのC,M,Yの階調度はあらかじめ定められた基準の階調度(以下、基準値と記す)Cn,Mn,YnおよびCn,Mn,Ynから各色の階調度を±α変化させた値となっている。また(n−7)はKの基準値Knで形成される。基準値(Cn,Mn,Yn)はC,M,Y,Kの階調−濃度特性が階調−濃度曲線300の状態に調整され、通常の画像形成条件下で、Cn,Mn,Ynの値を混色するとKnとほぼ同じ色になるような値であり、色処理およびハーフトーン設計時に設定される。
【0050】
次にパッチパターンの形成方法について述べる。まず1枚目の転写材上には図12aのように(0−0)〜(7−7)のパッチパターンが縦に形成され、転写材上に形成されたパッチは定着装置30通過後、カラーセンサ42で検知し、RGB値を出力する。1枚目のRGB出力値を順に(R0−0_1,G0−0_1,B0−0_1)、(R0−1_1,G0−1_1,B0−1_1)、…(R7−7_1,G7−7_1,B7−7_1)とする。
【0051】
次に2枚目の転写材上には図12bのように(0−0)〜(7−7)のパッチパターンが1枚目とは逆順に形成され、転写材上に形成されたパッチは1枚目と同様、定着装置30通過後、カラーセンサ42で検知し、RGB値を出力する。2枚目のRGB出力値を順に(R7−7_2,G7−7_2,B7−7_2)、(R7−6_2,G7−6_2,B7−6_2)…(R0−0_2,G0−0_2,B0−0_2)とする。
【0052】
次にステップ115で1枚目のn組m番目のRGB値(Rn−m_1,Gn−m_1,Bn−m_1)と2枚目のn組m番目のRGB値(Rn−m_2,Gn−m_2,Bn−m_2)の平均値(Rn−m_ave,Gn−m_ave,Bn−m_ave)を下式のように計算する。
【0053】
Rn−m_ave = (Rn−m_1+Rn−m_2)/2
Gn−m_ave = (Gn−m_1+Gn−m_2)/2
Bn−m_ave = (Bn−m_1+Bn−m_2)/2(ただし、n=0…7、m=0…7)
このように平均化することによって転写材上部から下部にかけての濃度むらの影響を除去することができる。
【0054】
また、1枚目の転写材をカラーセンサ42で検知する時に転写材上のパッチの形成されていない領域、すなわち転写材の下地部分も同時にセンサで検知し、そのRGB出力値を(R0,G0,B0)とする。ステップ116ではステップ115で計算された平均値に対して下式のように転写材の下地のRGB値(R0,G0,B0)で規格化する。これにより、転写材の材質やカラーセンサ42の経時変化の影響を除去する。
【0055】
Rn−m_ave = Rn−m_ave/R0
Gn−m_ave = Gn−m_ave/G0
Bn−m_ave = Bn−m_ave/B0(ただし、n=0…7、m=0…7)
次にステップ117においてステップ116で規格化されたRGB値を下記のマトリクスでXYZ値(Xn−m,Yn−m,Zn−m)に変換する。ここで、XYZ値とはXYZ表色系(CIE1931表色系)における値である。
【0056】
【0057】
前記マトリクスはカラーセンサの特性に合わせてセンサのRGB出力値とXYZとの関係から、あらかじめ最適化されたものである。
【0058】
次に、ステップ117で変換されたXYZ値からC,M,YのプロセスグレーとKのパッチの色が一致するためのC,M,Yの値(階調度)を算出する(ステップ118)。
【0059】
パッチの組0を例にステップ118の内容を説明する。組0のCMY混色の各パッチの階調度を改めて順に(0−0)=(C00,M00,Y00)〜(0−6)=(C06,M06,Y06)とする。また、CMY混色の各パッチのXYZ値を(0−0)=(x00、y00、z00),(0−1)=(x01、y01、z01),…(0−6)=(x06、y06、z06)とし、(0−7)のK単色パッチのXYZ値を(xk0、yk0、zk0)とする。
【0060】
ここで、Xについて図13のようにC,M,Yの階調度を説明変量、Xを目的変量として以下の重回帰式の係数x0,x1,x2,x3を求める。ただし、以下の計算式ではイエローの階調度をXYZのYと区別するためにYlと記す。
X=x1×C+x2×M+x3×Yl+x0
係数x0,x1,x2,x3は以下のようにして求める。
【0061】
【0062】
ただし、
【0063】
とすると、
B=S−1T
でx1、x2、x3が求まる。
【0064】
さらに、
でx0が求まる。
さらに、Y,Zに対しても同様に下記の重回帰式の係数が求まる。
Y=y1×C+y2×M+y3×Yl+y0
Z=z1×C+z2×M+z3×Yl+z0
ここで、KのXYZ値(xk0、yk0、zk0)に対するC,M,Yの値を(C0′,M0′,Y0′)として前記の式に代入し、これを行列で書くと、
【0065】
となり、
【0066】
によって(C0′,M0′,Y0′)が求まる。
【0067】
他の組1〜7に対しても前記と同様の計算をし、基準値(CN,MN,YN,KN)(N=1,2…7)に対して(CN′,MN′,YN′,KN′)を求める。このようにして求めた(CN,MN,YN)と(CN′,MN′,YN′)のシアンの関係が図14の黒丸のようになったとすると、間の値をたとえば線形補間して150のような曲線(色補正テーブル)を作る。
【0068】
次にステップ119で濃度補正のターゲットテーブルを補正する。元のターゲット階調−濃度曲線(図9、300)に対して図14の色補正テーブル150を掛け合わせた階調−濃度曲線を生成し、これを新しいシアンのターゲットの階調−濃度曲線とする(図15、400)。具体的には入力階調度に対して色補正テーブル150でテーブル変換した後にターゲット階調−濃度曲線にしたがって出力濃度に変換する。
【0069】
同様にM,Yについてもターゲットを変更する。この新しいターゲットで濃度補正を行うことで、(CN,MN,YN)の混色による色はKNの色と一致する。なお、(CN,MN,YN,KN)の値は“人間の目はハイライトのグレーに敏感で、シャドウになるほど鈍感になること”、“通常色処理時にはUCR処理(色分解時にCMYの一部をKで置き換える処理)を行うため、シャドウ領域ではCMYの3色のみによるグレーは現れないこと”に留意して、ハイライトを中心に選ぶことによって本発明をより効果的に実施できる。
【0070】
ステップ120で、ステップ112の濃度検知結果からステップ119で変更されたC,M,Yのターゲットを用いて改めて濃度補正テーブルを生成し、以後プリント時にはこの濃度補正テーブルを用いて入力画像データの濃度補正を行い、通常プリント状態に入る(ステップ121)。
【0071】
通常プリント状態で所定枚数プリントすると(ステップ123)、単色濃度制御を行う。単色濃度制御ではステップ124でステップ112と同様に中間転写体27上にパッチパターンを形成し、濃度センサ41によって読み取る。中間転写体27上に形成されたパッチパターンは濃度センサ41によって濃度を検知され、検知された濃度より補間により階調−濃度曲線を生成し、ステップ119で生成されたターゲット400を用いてステップ113と同様の方法で濃度補正テーブルを更新する(ステップ125)。さらに規程回数単色濃度制御が行われたかどうか判断し(ステップ126)、規程回数に達していない場合には再び通常プリントに入る。規程回数行われていれば、再度ステップ114でCMY混色およびKの単色パッチパターンを転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。この時パッチパターンの形成は最新の濃度補正テーブルを用いて行う。その後は前述したステップで処理が行われる。ただし、新しいターゲット作成時には前回のステップ119で生成されたターゲット400に対して新しい色補正テーブル150を掛け合わせる。
【0072】
また、通常プリント状態でいずれかの色のカートリッジが交換された場合(ステップ122)には画像形成条件が大きく変わるため、再びステップ111の処理へと戻る。
【0073】
以上のようにして本発明を効果的に実施することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施例によれば、転写材上の複数の領域に配置された同じ色材量の複数のパッチの色度を平均して当該パッチの色度とすることによって、転写材上の位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置を提供できる。
【0075】
なお、転写材上に形成するパッチの数は本実施例で用いた数には限らない。また、本実施例ではαの値はC,M,Yで同一のものを用いたが、色毎に異なる値を用いてもよい。さらに、本実施例ではカラーセンサはRGB出力としたが、フィルタの形状はRGBとは限らない。
【0076】
さらに、本実施例ではC,M,Yの混色パッチの色をKのパッチの色に合わせたが、カラーセンサで検知されたC,M,Yの混色パッチのXYZ値をL*a*b*値等に変換し、たとえばa=0,b=0の無彩色軸をターゲットにしてC,M,Yの混色が無彩色となる最適な階調度を算出し、単色制御にフィードバックしてもよい。
【0077】
さらに、本実施例では2枚の転写紙上にパッチパターンを形成したが、1枚の転写紙上の異なる領域に同じパッチを複数個形成してもよく、あるいは3枚以上の転写紙上の異なる領域に同じパッチを形成してもよい。また、本実施例では同じパッチを転写材の中央の位置に対して対称となる位置に配置したが、同じパッチを等間隔で周期的に配置したり、ランダムに配置してもよく、配置の仕方については本実施例に限定されるものではない。
【0078】
さらに、本実施例では複数のパッチを平均化することによって当該パッチの色度を補正する手法を採ったが、他の補正方法で補正を行ってもよい。
【0079】
(実施例2)
実施例2である“カラー画像形成装置”のハードウエア構成は実施例1と同様なのでその説明を援用する。本実施例での混色制御のフローチャートを図16に示す。
【0080】
本実施例では混色制御の部分以外は実施例1と同様である。以下、混色制御の部分について説明する。ステップ211ではまず、Kの濃度補正テーブル201を用いてあらかじめ定められた階調度KfのKの単色のパッチを128個、図17の500のように転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。この時、転写材の下地部分も同時にセンサで検知し、そのRGB出力値を(R0,G0,B0)とする。パッチ500の名前を順にN0〜N127とする。図17のCは転写材中央の位置で、N63とN64の間に位置する。N0〜N127の検知結果を順にN0=(RR0,GG0,BB0)〜N127=(RR127,GG127,BB127)とする。ステップ212でこれらの値を下式のように転写材の下地のRGB値(R0,G0,B0)で規格化する。これにより、転写材の材質やセンサの経時変化の影響を除去する。
【0081】
RRn = RRn /R0
GGn = GGn /G0
BBn = BBn /B0(ただし、n=0…127)
【0082】
次にステップ213においてステップ212で規格化されたRGB値を下記のマトリクスでXYZ値(XXn,YYn,ZZn)に変換する。
【0083】
【0084】
前記マトリクスは実施例1と同様、センサの特性に合わせてセンサのRGB出力値とXYZとの関係から、あらかじめ最適化されたものである。
【0085】
(XXn、YYn、ZZn)の例を図18の501に示す。501のX,Y,Z値の変化は転写材の上部から下部にかけての濃度,色の変動を示している。
【0086】
次に、ステップ214で実施例1と同様、図10のようなCMYの混色パッチ(n−0)〜(n−6)、およびKの単色パッチ(n−7)の計8個のパッチを1組とした8組のパッチ群を転写材上に形成し、カラーセンサ42で検知する。
【0087】
組nの各パッチのC,M,Y,Kの階調度は実施例1と同様、図11のようになっている。
【0088】
次にパッチパターンの形成方法について述べる。転写材上には図19のように(0−0)〜(7−7)のパッチパターンが502、503のように縦に2回に渡って形成される。502のパッチを(0−0)a、(0−1)a、…(7−7)aとし、503のパッチを(0−0)b、(0−1)b、…(7−7)bとする。転写材上に形成されたパッチ502、503は定着装置30通過後、カラーセンサ42で検知し、RGB値を出力する。ここで、502,503のパッチの位置は後述するように500のパッチの位置(図17)と完全に一致するように形成される。
【0089】
(0−0)a〜(7−7)aのRGB出力値を順に(R0−0_a,G0−0_a,B0−0_a)、(R0−1_a,G0−1_a,B0−1_a)、…(R7−7_a,G7−7_a,B7−7_a)とし、(0−0)b〜(7−7)bのRGB出力値を順に(R0−0_b,G0−0_b,B0−0_b)(R0−1_b,G0−1_b,B0−1_b)、…(R7−7_b,G7−7_b,B7−7_b)とする。
【0090】
ステップ215で各パッチの値を前記と同様、下式のように転写材の下地のRGB値(R0,G0,B0)で規格化する。
【0091】
Rn−m_a = Rn−m_a/R0
Gn−m_a = Gn−m_a/G0
Bn−m_a = Bn−m_a/B0
Rn−m_b = Rn−m_b/R0
Gn−m_b = Gn−m_b/G0
Bn−m_b = Bn−m_b/B0(ただし、n=0…7、m=0…7)
【0092】
次にステップ216においてステップ215で規格化されたRGB値を下記のマトリクスでXYZ値(Xn−m_a,Yn−m_a,Zn−m_a)および(Xn−m_b,Yn−m_b,Zn−m_b)に変換する。
【0093】
【0094】
次にパッチの位置による色味変動の補正を行う。補正は、502,503の各パッチの色度検知結果(Xn−m_a,Yn−m_a,Zn−m_a)、(Xn−m_b,Yn−m_b,Zn−m_b)および501の色味変動を参照して、(0−0)〜(7−7)の各パッチが転写材中央の位置Cに形成された場合のXYZ値を予測し、その値を各パッチの色度とすることによって行う。
【0095】
以下、パッチ(n−m)を例に補正の手順について説明する。まず、曲線501上の位置CのXYZ値を求める(ステップ217)。位置CはN63とN64に挟まれているため、曲線501上のCのXYZ値(XXc,YYc,ZZc)をN63とN64のXYZ値を補間して下式で求める。
【0096】
XXc=(XX63+XX64)/2
YYc=(YY63+YY64)/2
ZZc=(ZZ63+ZZ64)/2
以降、Xの値の補正方法について説明する。ここで、転写材上の500のパッチの位置と502,503で形成したパッチの位置は図20のように対応しており、たとえば(0−0)aとN0、(0−0)bとN64は転写材上の同じ位置に形成される。
【0097】
したがって、(n−m)aとNn+m、(n−m)bとNn+m+64が同じ位置に形成される。そこで、501のNn+m、Nn+m+64のパッチに注目し、501のNn+mとNn+m+64の間のX値の曲線を504とする(図21a)。
【0098】
ここで、(n−m)aの値、Xn−m_aと(n−m)bの値、Xn−m_bに対して、図21a,bのように曲線504をXXn+m〜XXn+m+64からXn−m_a〜Xn−m_bへとスケーリングした曲線505を描き、505とCの交点の値を転写材中央の位置CのX値Xn−mとする。これを式で表すと下式のようになる。
Xn−m=[(XX n+m+64−XXc)×Xn−m_a+(XXc−XX
n+m)×Xn−m_b]
/(XX n+m+64−XX n+m)
このXn−mがパッチ(n−m)を位置Cに形成した場合のXの値となる。
【0099】
Y,Zについても同様に転写材中央の位置Cの値Yn−m、Zn−mを求め、パッチ(n−m)が転写材中央の位置Cに形成された場合のXYZ値(Xn−m,Yn−m,Zn−m)を算出し、これをパッチ(n−m)の補正後のXYZ値とする(ステップ218)。
【0100】
ステップ219,220,221では前記のような補正で求めた(Xn−m,Yn−m,Zn−m)を用いて実施例1のステップ118,119,120と同様の方法でCMYの濃度補正テーブルを更新する。
【0101】
以上のようにして本発明を効果的に実施することができる。
【0102】
以上説明したように、本実施例によれば、検知した混色パッチの色度を転写材の中央の位置の色度に換算するように補正を行っているので、転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置を提供できる。
【0103】
なお、補正のためのパッチの数、パッチの色度、位置補正の方法などは本実施例に限定されるものではない。
【0104】
さらに、本実施例では各パッチの色度を転写材の中央の位置の色度に換算するように補正を行ったが、換算する位置は中央でなくともよい。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検知した混色パッチの色度を転写材上の位置に応じて補正することによって、転写材上のパッチの位置の相違による濃度むらや色むらの影響を受けない精度の高い色度検知が可能となり、階調−濃度特性を変動させる環境変動等が発生しても色相の変化が発生しにくく、色再現性に優れたカラー画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の概略構成を示す断面図
【図2】画像処理部の処理を示すフローチャート
【図3】濃度センサの構成を示す図
【図4】カラーセンサの構成を示す図
【図5】階調−濃度特性の制御を示すフローチャート
【図6】階調−濃度特性の制御の詳細を示すフローチャート
【図7】デフォルトの階調−濃度曲線を示す図
【図8】中間転写体上に形成するパッチパターンを示す図
【図9】濃度センサによる階調−濃度特性の制御を示す図
【図10】転写材上に形成するパッチパターンを示す図
【図11】図10の組nのパッチパターンの詳細を示す図
【図12】転写材上に形成するパッチパターンの配置を示す図
【図13】転写材上に形成するパッチパターンの内容を示す図
【図14】カラーセンサによる階調−濃度特性の制御を示す図
【図15】ターゲットの階調−濃度特性を示す図
【図16】実施例2における混色制御の詳細を示すフローチャート
【図17】転写材上に形成するパッチパターンを示す図
【図18】転写材上の各パッチのXYZ値を示す図
【図19】転写材上に形成するパッチパターンを示す図
【図20】パッチの位置の対応を示す図
【図21】位置補正を示す図
【符号の説明】
11 転写材
26 現像手段
27 中間転写体
28 転写ローラ
41 濃度センサ
42 カラーセンサ
Claims (1)
- 複数の色材を用いて転写材上に複数個のパッチを形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって転写材上に形成されたパッチの色度を検知する色度検知手段とを備え、前記色度検知手段によって検知された色度にもとづいて画像形成条件を補正するカラー画像形成装置において、
転写材上の前記複数個のパッチの中には同じ色材量のパッチが複数個含まれ、前記同じ色材量の複数のパッチは転写材上の複数の領域に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2002370118A JP2004198947A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | カラー画像形成装置 |
Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007079285A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-03-29 | Sharp Corp | 画像形成装置 |
US9307097B2 (en) | 2014-06-04 | 2016-04-05 | Konica Minolta, Inc. | Image forming apparatus |
JP2016142740A (ja) * | 2015-01-29 | 2016-08-08 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置、不具合検出方法 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002370118A patent/JP2004198947A/ja not_active Withdrawn
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