JP2004198798A - 揺動体 - Google Patents

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Makoto Iwagami
誠 岩上
Yasuhiro Shimada
康弘 島田
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Abstract

【課題】精度よい反射が出来る揺動体を提供する。
【解決手段】トーションバーのねじり中心軸が反射面と実質同一面である揺動体を提供する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトーションバーに軸支された可動板を有する揺動体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は特許文献1に係る光偏向器の斜視図である。
【0003】
上記光偏向器は絶縁性材料からなる基板203の上に可動ミラー201が形成されているシリコン薄板200を重ね置きする構成をしている。
【0004】
基板203には凹み208が設けてあり、凹みの底辺には可動ミラーの揺動支点となるミラー支持部(不図示)が配置されている。
【0005】
また、可動ミラー201の真下にはミラー支持部を挟んで一対の駆動電極204、205が形成されている。
【0006】
この一対の駆動電極とシリコン薄板200とは所定の間隔を保つように基板203の上に対抗配置されている。
【0007】
シリコン薄板200は電気的に接地されている。従って、この駆動電極に交互に電圧を印加することで可動ミラー201は静電吸引力を交互に受けてトーションバー202を回転軸に揺動することができる。可動ミラー201は印加電圧の大きさに対応した回転角でトーションバー202の長軸の回りに回転揺動する。
【0008】
図11は上記光偏向器を構成している、可動ミラー201を有するシリコン薄板200の斜視図である。
【0009】
シリコン薄板200は一対のトーションバー202とそのトーションバーに揺動自由に支持されている可動ミラー201とが枠部と一体形成されている。
【0010】
可動ミラー201の反射面には光反射率の高い物質が表面にコーティング処理されていて反射能率を向上させている。
【0011】
入射光線は可動ミラーのほぼ中央に照射され反射する。反射光線は可動ミラーの機械回転角θに対し2θで偏向される。
【0012】
可動ミラー201と両トーションバー202は平坦なシリコンの薄板基板から枠部と一緒に一体形成される。なおこのような分野では可動ミラーの反射面は一体形成前のシリコン薄板基板の鏡面表面を利用するのが一般的である。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第4317611号(第3頁、第1図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
可動ミラーが回転する回転軸中心207は両トーションバー202の断面中心またはその近傍が回転中心となる。
【0015】
可動ミラーとトーションバーを一体形成すると可動ミラーの回転軸中心はシリコン薄板基板の厚み半分の位置となり同一平面上には存在しない。
【0016】
本発明者はこの反射面と回転軸中心とが同一平面上になく離れていることが光偏向角の偏向ずれの原因として存在することに着目し、ミラーの回転角制御だけで高精度な光偏向ができる手段を考えた。
【0017】
先の光偏向器の課題をより具体的に説明する。
【0018】
図12は図11のシリコン薄板200のA−A’断面図で可動ミラー201の側面からの図を示している。本図は可動ミラーが静止した状態を実線で示し、可動ミラーを角度θだけ回転させた状態を点線で示してある。
【0019】
可動ミラー201の光反射面が反射面209で、一体形成される前のシリコン単結晶の基板表面にあたる。表面には反射率の高い材料が表面コートされている。
【0020】
可動ミラー201を軸支するのが両トーションバー202で、その断面中心が回転軸207となる。この回転軸を中心に可動ミラーは回転揺動する。
【0021】
両トーションバー202の厚みは一体形成される前のシリコン単結晶基板の厚みであり、回転軸はその中心である。回転軸207と反射面209との距離は基板厚みの半分の距離t/2が発生する。
【0022】
よって、可動ミラーを回転させると反射面は回転中心から距離t/2を保って回転軌跡を動くことになる。
【0023】
そのため、一定角度で入射する光線は可動ミラーが静止のときは受光位置206aであるが角度θだけ回転したときの受光位置は206bと位置の移動がおこる。
【0024】
これにより本来、反射偏向する光の方向が210aであるべきところが210bと偏向ずれを発生することになる。
【0025】
可動ミラーの回転角θに対し反射光は2θで偏向するはずであるが、前述の理由で偏向ずれδを含んで偏向する。
【0026】
この偏向ずれδは反射面と回転中心との距離(可動ミラーの厚み)によって変化し依存する。よって、可動ミラーの回転角の正確な位置制御だけで光偏向角が決まらない。
【0027】
その偏向ずれδの影響として微小高精彩画像を描画させると周辺歪みやフォーカスずれが生じる。
【0028】
更に発明者は考えた。単純にシリコン薄板200を薄くして反射面と回転軸中心とを接近させる方法を考えてもみたが、あまり薄くすると回転モーメントにより可動ミラーの反射面が撓み画像歪みを生じることに気づいた。また、エッチング等によりシリコン薄板をより薄くする際、同時にトーションバー202も細くしてしまえばトーションバー長尺方向に対し垂直方向の振動も生じやすくなり高い精度での偏向を阻害することにもなってしまうことにも気づいた。
【0029】
本発明は可動板の回転角制御だけで高精度な反射ができる揺動体を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
よって本発明は、トーションバーと可動板と前記可動板に配置された反射面とを有する揺動体であって、前記トーションバーのねじり中心軸は前記反射面と実質同一面上に位置していることを特徴とする揺動体を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、トーションバーと可動板と前記可動板に配置された反射面とを有する揺動体であって、前記トーションバーのねじり中心軸は前記反射面と実質同一面上に位置していることを特徴とする揺動体に係る。
【0032】
この反射面は、可動板面そのものであってもよいし、あるいは可動面とは別の部材で所定位置に貼り付けられていてもよい。
【0033】
反射面は、可動板がえぐられた構造の領域内の面である。えぐられた構造とは凹部である。凹部は可動板自身をえぐって得られるものであっても、あるいは凹部の壁を構成する部材を可動板に設けることで得られても良い。
【0034】
つまり本実施の形態に係る揺動体は、トーションバーと可動板と可動板に配置された反射面とを有する揺動体であって、反射面は可動板においてえぐられている領域に配置されている揺動体でもある。
【0035】
トーションバーはその長尺方向に対する直交方向にある程度の肉厚がある。トーションバーのねじり中心軸とは、その直交方向においてねじり中心がトーションバーの長尺方向にそった軸のことであり、トーションバーそのもののことではない。そしてこのねじり中心軸が反射面と同一位置(前記直交方向において同一位置)である。
【0036】
可動板はトーションバーに支持されている。例えばホトリソグラフィやエッチング等の半導体プロセス技術を用いれば、極めて微細な揺動体を得ることが出来る。本実施形態では、両者は一つのシリコン基板等の単結晶半導体をエッチング処理等することで一体に得られるものであるが、両者は一体でも別体でもよい。
【0037】
本実施形態により、反射面をねじり中心軸に配置することができる。よって入射波あるいは反射波の制御において、可動板の肉厚に因る影響を軽減することができる。ねじり中心軸と反射面とは厳密な意味で完全同一の位置になくても良く実質同一であれば、異なる位置関係に両者がある場合とくらべて本発明の効果を達成することが出来る。
【0038】
なお本実施形態に係る揺動体において、反射面はミラーであってもよい。その場合、光偏向器として本実施形態に係る揺動体を適用できる。光偏向器として適用した場合、画像を投射あるいは投影する表示装置(例えばディスプレイ)に本実施形態に係る揺動体を適用できる。あるいはまた複写機あるいはレーザービームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置の感光体に光を露光する露光装置としても適用することが出来る。
【0039】
他にも本実施形態に係る揺動体は、反射面を音波を反射させる揺動体として適用できる。
【0040】
あるいは本実施形態に係る揺動体は、加速度センサとして適用できる。
【0041】
また網膜へ画像を直接描画する際に本実施形態に係る揺動体を適用した光偏向器を用いることが出来る。
【0042】
また本実施形態に係る揺動体は、光スイッチ(例えば大量の光導波路の高速光スイッチ)や分析機器、バイオ、ナノテクノロジーへの応用することが出来る。
【0043】
また本実施形態に係る揺動体は、静電力あるいは電磁力等で揺動するトルクを得ることが出来る。
【0044】
例えば硬磁性体を可動板に配置し、揺動体の外にコイル等の磁束発生手段を設ける構成等を挙げることが出来る。この構成の場合、揺動体にはコイルを設けなくて済む。この構成により電磁力で可動板が揺動できる。
【0045】
(第2の実施の形態)
第2の実施形態に係る揺動体は光偏向器に関する。それ以外は第1の実施の形態と同じである。図1は光偏向器を説明するための斜視図で、光偏向器の要部となる偏向ミラー120の拡大図である。
【0046】
偏向ミラーはシリコン単結晶基板100の単体からウエットによる化学選択エッチング加工により形成する。シリコン単結晶基板の結晶面方位は(100)面で、基板の両表面は平坦に鏡面処理したものを使う。
【0047】
偏向ミラー120は可動ミラー101となる部分とその両端に可動ミラーを軸支し捻りバネと機能する一対のトーションバー102が枠部と一緒に一体形成される。
【0048】
可動ミラー101の中央には、底辺が反射面109となる窪み110を設ける。
【0049】
窪みの深さは底辺の反射面が回転軸と一致するようにシリコン単結晶基板の厚みの半分、または近傍の位置までとする。窪みの底辺には入射光線を能率良く反射する物質をコーティングする。
【0050】
図2は光偏向器の動作を説明するための図で、図1の可動ミラー101のA−A’断面図である。可動ミラー101の静止状態を実線で示し、角度θだけ回転させた状態を点線で示してある。
【0051】
可動ミラー101の回転軸107と反射面109が同一平面上にあるので、入射光線の受光位置106が安定する。そのため、可動ミラーの回転角θに対し偏向角2θの関係を正確に維持し高い精度で偏向することができる。ミラー回転軸と反射面が同一平面にあることで回転軸と反射面間に存在する距離による偏向ずれδを含むことがなくなる。
【0052】
可動ミラーの厚みが偏向精度に影響を与えなくなり、可動ミラーの角度制御のみで高い精度の光偏向が可能となる。
【0053】
上記の光偏向ミラー120の一体形成の製造方法について、図3と図4を用いて述べる。
【0054】
図3(a)〜(c)は異方性エッチングでの加工を説明する図である。
【0055】
異方性エッチングはリソグラフィで形成した2次元のマスクパターンから、アスペクト比(エッチング深さ/穴の開口径)が大きい3次元構造を製作するに必要な技術である。特にウエットプロセスによる科学的な異方性エッチングは、被加工物である単結晶材料の結晶方位によるエッチング速度の違いを利用するものです。(100)面をKOHでエッチングすると、(100)面に対して(111)面はエッチング速度が1/200と遅いため(111)面が現れるとその方向へのエッチングが進み難く、(100)面の底面だけがエッチングされる。
【0056】
(a)の窪み形成ではマスク開口距離W1に対して基板厚みの半分までエッチングすると、表面(100)面に対し54.7°の傾斜面に(111)面が現れる。そのため、利用できる底辺の距離はW2で計算できる。また、開口距離がw3と小さい場合は基板厚みの半分までとどかずV溝が形成される。このときのV溝深さはdで計算できる。
【0057】
基板両面を選択エッチングで貫通形成するには(c)貫通形成に示すように正確に位置合せしたマスク開口部を両面に設ける。はじめはV溝が両面から進むがV溝が繋がった時点からエッチングは側面方向へ進み新たな(111)面で停止する。このときの側面方向の凹み量もw4で予め計算ができる。本実施形態での設計は上記の知見を持って行なわれた。
【0058】
図4(a)〜(g)は第1の実施の形態の光偏向ミラーを製造する工程で、図1のシリコン単結晶基板のA−A’断面図を示している。本実施の形態ではシリコン単結晶基板から可動ミラーと2本のトーションバー、それに反射面を有する可動ミラーの窪みをウエットによる化学選択エッチングで一体形成する工程である。
【0059】
図1の偏向ミラー120の製造方法を図4で説明する。
【0060】
(a)使用するシリコン単結晶基板200は結晶面方位が(100)面のものを用いた。
【0061】
シリコン単結晶基板200の両面には耐アルカリ性のエッチングマスクを形成する。
【0062】
たとえば、熱酸化で形成する酸化シリコン膜、または、低圧化学気相成長法で形成した窒化シリコン膜等である。膜を形成した後に、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術によりパターニングを施してマスク201、202を形成する。
【0063】
マスク201は表面からエッチングを制御するマスクで、中央にミラーの窪み形成用の開口部を開け、その両脇にはミラーやトーションバーを単結晶基板から分離形成するための開口部が設けてある。
【0064】
マスク202は裏面からのエッチングを制御するマスクで、分離用の開口部だけが開けられている。両マスクは正確な位置合わせがされている。
【0065】
(b)次に、ミラー中央の窪み206を先に形成するため、窪み形成用以外の開口部を別のマスク203,204で塞いだ。マスクにはゴム系のOBC(東京応化)、または、HIMAL(日立化成)を用いた。
【0066】
(c)その後、窪み206の加工をウエットによる異方性エッチングでおこなった。エッチング溶液として、KOHは30%で90〜100℃、または、TMAHは22%90℃の条件で浸漬エッチングした。エッチング時にKOHは多量に発砲するが平坦面が得やすい。一方、TMAHは温度を下げると発砲が少なくなる傾向がある。
【0067】
窪みの深さは時間で制御する。予め実験で求めたエッチングレートから計算し、窪みの底がシリコン単結晶基板200の厚みの半分の位置になるまでエッチングする。
【0068】
(d)つぎに、開口部を塞いでいたマスク203,204を溶剤で除去し、新たに形成された窪み206に保護用のマスク205をする。
【0069】
(e)トーションバーと可動ミラーを形成するためにシリコン単結晶基板をアルカリ溶液に浸漬し、シリコン単結晶基板の両面から異方性エッチングを行い、可動ミラーおよびトーションバーをシリコン単結晶基板から分離し一体形成する。
【0070】
(f)シリコン単結晶基板を基に可動ミラー、窪み、トーションバー、枠部を一体形成することができたので、マスク201,202、206を溶剤、ドライエッチング等で除去する。
【0071】
(g)つぎに、窪み206の底辺に光反射率を向上させるためアルミニューム等の高反射率の反射膜208を真空蒸着、スパッタ等により薄膜形成をおこなった。
【0072】
以上、選択エッチング液と複数のエッチングマスクを用いて光偏向ミラーの製造法を示した。しかし、本発明の特徴であるミラー反射面と可動軸とを同一平面上に形成することができれば製造法は基本的には問わない。例えば、フッ酸溶液での陽極酸化による多孔質形成層を形成し基板とのエッチングレートの差を利用して、窪み206の形成も可能である。
【0073】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る揺動体はミラーチップが可動板である可動ミラーに組み込み固定された光偏向器に係る。それ以外は第1あるいは第2の実施の形態と同じである。図5は本実施形態に係る光偏向器を説明するための斜視図で、光偏向器の要部となる偏向ミラー130の拡大図である。
【0074】
偏向ミラーはシリコン単結晶基板100の単体からウエットによる化学選択エッチング加工により形成する。シリコン単結晶基板の結晶面方位は(100)面で、基板の両表面は平坦に鏡面処理したものを使う。
【0075】
偏向ミラー130は可動ミラー101となる部分とその両端に可動ミラーを軸支し捻りバネと機能する一対のトーションバー102が枠部と一緒に一体形成される。
【0076】
可動ミラー101の中央には反射面109を有するミラーチップ113が嵌め込み可能な開口部が設けてあり、そこにミラーチップを組み込み接着固定した。ミラーチップの反射面はシリコン基板の厚み半分の位置に合せてあり、反射面と回転軸が同一平面上になるように設計する。ミラーチップ113は別工程で加工され、反射面は平坦に鏡面加工した後、入射光線を能率良く反射するアルミニューム等の物質をコーティングする。
【0077】
図6は第3の本実施の形態の可動ミラー部の断面で図5のA−A’断面図である。
【0078】
可動ミラーの中央に嵌め込まれたミラーチップ113の反射面114はトーションバー102(点線表示)の断面中心である回転軸107と同一平面に位置するように接着材117で固定される。
【0079】
可動ミラー101の回転軸107と反射面109が同一平面上にあるため、入射光線に対する反射面上の受光位置が安定する。そのため、可動ミラーの回転角θに対し偏向角2θの関係を正確に維持し高い精度で偏向することができる。ミラー回転軸と反射面が同一平面になることで回転軸と反射面間に存在する距離による偏向ずれδを含むことがなくなる。
【0080】
可動ミラーの厚みが偏向精度に影響を与えなくなり、可動ミラーの角度制御のみで高い精度の光偏向が可能となる。
【0081】
上記の光偏向ミラー130の一体形成の製造方法について、図9を用いて述べる。
【0082】
図9(a)〜(e)は第3の実施の形態の光偏向ミラーを製造する工程で、図5のシリコン単結晶基板100のA−A’断面図を示している。本実施の形態ではシリコン単結晶基板から可動ミラー101と2本のトーションバー102、それに反射面を有するミラーチップ113を嵌め込む開口部をウエットによる化学選択エッチングで一体形成する工程である。
【0083】
図5の偏向ミラー130の製造方法を図9で説明する。
【0084】
(a)使用するシリコン単結晶基板200は結晶面方位が(100)面のものを用いた。
【0085】
シリコン単結晶基板の両面には耐アルカリ性のエッチングマスクを形成する。
【0086】
たとえば、熱酸化で形成する酸化シリコン膜、または、低圧化学気相成長法で形成した窒化シリコン膜等である。膜を形成した後に、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術によりパターニングを施してマスク201、202を形成する。
【0087】
マスク201、202はシリコン単結晶基板200の両面からエッチングを制御するマスクで、シリコン単結晶基板を両面よりエッチングし貫通させる。マスクの中央開口部はミラーチップ210を嵌め込むための穴を開けるもので、その両脇の開口部はトーションバーを単結晶基板から分離形成するためのものである。
【0088】
(b)次に、シリコン単結晶基板をエッチング溶液に浸漬して異方性エッチングでおこなった。エッチング溶液は、KOHは30%で90〜100℃、または、TMAHは22%90℃の条件で浸漬エッチングした。エッチング時にKOHは多量に発砲するが平坦面が得やすい。一方、TMAHは温度を下げると発砲が少なくなる傾向がある。
【0089】
(c)基板形状は予め実験で求めたエッチングレートから求め、エッチング時間で制御し、基板を貫通するまでエッチングする。
【0090】
(d)エッチング終了後、マスク201,202を溶剤で除去し洗浄する。
【0091】
トーションバー及び開口した可動ミラー部が形成され、偏向ミラー130の基本部分が完成する。
【0092】
(e)つぎに、別工程(不図示)で加工したミラーチップの反射面上にアルミニュウ―ム等の反射膜を真空蒸着装置またはスパッタ装置で成膜し、予め嵌め込み用に開口させてある稼動ミラーの中央に嵌め込み接着固定する。ミラーチップの形状寸法は選択エッチング加工での(100)面と(111)面の角度が54.7°であること、および最終的にミラーチップの反射面が可動ミラーの回転中心となる基板の厚み半分の位置にくるように設計した。
【0093】
以上、選択エッチング液と複数のエッチングマスクを用いて本実施の形態の光偏向ミラーの製造法を示した。しかし、本発明の特徴であるミラー反射面と可動軸とを同一平面上に構成できれば製造法は基本的には問わない。
【0094】
図7、8は可動ミラーに組み込むミラーチップの例である。ミラーチップは別工程でつくる為に材料を代えて機能を容易に付加することが出来る。図7は低コストなガラス材115を用いると共に可動ミラーの重心が回転軸107に接近するようにミラーチップの反射面裏側を削り落とした実施の形態である。
【0095】
図8は可動ミラーを電磁駆動する場合に有効な構成である。ミラーチップ材を硬磁性材料にして帯磁させることで固定コイル(不図示)との間に電磁力を働かせて可動ミラーを効率良く電磁駆動することが可能になる。
【0096】
【発明の効果】
本発明の揺動体は、可動板の回転角制御だけで高精度な反射ができる揺動体を提供することが出来る。
【0097】
より具体的には、本発明の光偏向器によれば、一本以上のトーションバーによって弾性的に揺動自由に支持されている光偏向器において、揺動する可動ミラーの反射面と回転中心とを同一平面にすることで、入射光線を反射面上の回転中心にあてることができる。よって、可動ミラーの厚みによる偏向ずれがなくなり可動ミラーの回転角制御だけで高い精度の光偏向が可能となる。
【0098】
微小高精細画像の描画では周辺画像歪みやフォーカスずれ等を削減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光偏向器を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の光偏向器を説明するための可動ミラー断面図である。
【図3】シリコン単結晶基板の異方性エッチング法を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の可動ミラー製造方法を説明する工程図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の光偏向器を説明するための斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の光偏向器を説明するための可動ミラー断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の光偏向器に用いるミラーチップを説明するための斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の光偏向器に用いる着磁ミラーチップを説明するための斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の可動ミラー製造方法を説明する工程図である。
【図10】一般の光偏向器を説明するための斜視図である。
【図11】一般の光偏向器を説明するための可動ミラーである。
【図12】一般の光偏向器を説明するための可動ミラー断面図である。
【符号の説明】
100、200、 シリコン単結晶基板
101、201、207、 可動ミラー
102、202、 トーションバー
106、206、206a、206b、受光位置
107、207、 回転軸
109、209、 反射面
110、206、 窪み
111、111a、210,210a、210b、 反射光
113、 ミラーチップ
114、208、 反射膜
115、 ガラス
116、 フェライト
117、 接着剤
120,130、 偏向ミラー
201、202、203、204、205、206,207、 マスクn
200、 シリコン薄板
203、 基板
204、205、 駆動電極
208、 凹み

Claims (1)

  1. トーションバーと可動板と前記可動板に配置された反射面とを有する揺動体であって、
    前記トーションバーのねじり中心軸は前記反射面と実質同一面上に位置していることを特徴とする揺動体。
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