JP2004197369A - 床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】より効果的に振動減衰性能を発現し得、優れた防音・制振性能を発揮することができる床材を提供すること。
【解決手段】損失係数ピーク値が0.7以上の樹脂組成物からなる制振層1と、該制振層より弾性率が高い材料からなる基材層2と、樹脂組成物からなる合成樹脂層3とを各々1層以上積層すると共に、少なくとも1層の基材層を上記制振層と制振層の間、又は合成樹脂層と合成樹脂層の間、もしくは制振層と合成樹脂層の間に積層してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物や車両あるいは船舶等における床面に敷設される床材に関し、更に詳しくは、防音・制振性能を有する床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物や車両あるいは船舶等の室内における騒音の低減化を図る場合、防音材料を用いるが、防音材料のひとつとして制振材を用いることがある。制振材を用いると、材料内部で振動エネルギーが熱エネルギーに変換されることにより振動が吸収されて減衰し、固体伝播音による騒音が低減される。
【0003】
この様な制振材に用いられる材料の1次評価は、材料の粘弾性測定により行なわれる。粘弾性測定は、材料に引張りやせん断などの周期的な応力を与えてその応答(歪)を測定し、応力と歪のずれ、すなわち位相の遅れからエネルギー損失性能を評価することにより行なわれ、損失係数(tanδ)(=損失弾性率(E”)/貯蔵弾性率(E’))で表され、損失係数が高いほうが振動エネルギー吸収性、すなわち振動減衰性能が高くなる。さらに、損失係数(tanδ)は温度依存性があるため、温度によりその大きさが変わり、ガラス転移温度(Tg)においてピークを持ち、最大となる。制振材は一般に材料のガラス転移温度(Tg)が使用温度域(一般には室温付近である0〜30℃程度)に設計することが多いが、ガラス転移温度(Tg)が使用温度域になくても、使用温度域における損失係数(tanδ)が大きければ、振動減衰性能が優れたものになる。
【0004】
また、制振材としての制振性能(振動減衰能力)は、評価しようとする制振材を金属板などの基材に貼り付け、外部から振動を与えて振動の減衰特性を測定することにより評価される。すなわち、床材としての制振性能は、当該床材が床面(床板)に敷設された状態で、振動減衰曲線の振動ピークの減衰率と周波数応答関数の共振周波数における機械インピーダンスのピークの減衰率(上記振動ピークから3dB低下する割合)から求められる複合損失係数(η)に基づいた振動減衰能力が評価される。
ここで、複合損失係数(η)は、η=△f/fの式で求められる。
但し、
(不減衰共振周波数);=(1/2π)・((2πf)+σ)1/2
△f;半値幅(振動のパワーが半分になるときの周波数幅)
;減衰共振周波数
σ(定数);=c/2m(c;減衰定数、m;質量)で表される定数
この複合損失係数(η)が高いほど振動エネルギー吸収能力、すなわち振動減衰性能は高くなる。複合損失係数(η)も温度依存性があり、損失係数(tanδ)と同様の挙動を示し、ガラス転移温度(Tg)においてピークを持ち、最大値を取る。
【0005】
一方、使用に際して制振材は、接着剤や粘着材を用いて振動体に貼り付けられる。例えば、建築物や車両の室内における騒音を低減させようとする場合、壁面や床面もしくは天井面などに貼り付けるが、その際、一般的には室内デザインを考慮して、制振材が室内の表側に出ないように壁板や床板や天井板の裏面側に貼り付けるようにしている。しかし、床面においては、特に車両の床面ように床板の裏面に各種機器が設置されたり床板がトラス構造材であるなど、制振材を十分に貼付できない場合があり、そのような場合には、制振材を施工した後に床材を施工しなければならなかった。
しかし、制振材を施工した後に床面の施工を行なうのは非常に手間がかかり、加えて、制振材と床材の接着性の問題から十分に防音・制振性能を発揮することができない場合もあった。
【0006】
この様な不具合を解消するべく、合成樹脂層単体の損失係数ピーク値が1.0以上と大きく、振動減衰能力の高い層を積層一体化した床材が提案されている(特許文献1を参照。)。
しかしながら、この特許文献1に記載の床材の場合、振動減衰性能を向上させるには損失係数のピーク値が1.0以上の合成樹脂層を厚く形成する必要があり、十分な防音・制振性能を得ようとすると、床材として不適当な厚みになってしまう場合もあった。
【0007】
【先行技術文献の開示】
【特許文献1】
特開平10−193492号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
振動減衰能力を向上させる方法としては、より損失係数のピーク値が高い材料を用いる方法があるが、このような材料は一般的に柔らかい材料であり、床材の構成層に用いた場合、強度不足や残留へこみ性(復元性の低下)など床材として要求される物性を満たさなくなることがあった。更に、配合により損失係数のピーク値を高くしようとすると、コストが高くなる等の問題が生じる。
【0009】
本発明はこの様な現状に鑑みてなされたものであり、より効果的に振動減衰性能を発現し得、優れた防音・制振性能を発揮することができる床材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の床材は、損失係数ピーク値が0.7以上の樹脂組成物からなる制振層と、該制振層より弾性率が高い材料からなる基材層と、樹脂組成物からなる合成樹脂層とを各々1層以上積層すると共に、少なくとも1層の基材層を上記制振層と制振層の間、又は合成樹脂層と合成樹脂層の間、もしくは制振層と合成樹脂層の間に積層してなる事を特徴としたものである(請求項1)。
この際、前記合成樹脂層を、床材としての最表層に積層した(請求項2)り、前記基材層が制振層と制振層の間に積層されている場合に当該基材層に拘束されている各制振層の厚みを0.1mm〜1.0mmに形成した(請求項3)り、或いは、前記基材層の厚みを0.01mm以上に形成すること(請求項4)が好ましい。また、前記基材層としては、織布,不織布,ガラスクロス,ガラス不織布から選ばれた1種又は2種以上から形成されたものを用いること(請求項6)が好ましい。更に、前記基材層を制振層と制振層の間、又は合成樹脂層と合成樹脂層の間、もしくは制振層と合成樹脂層の間に中間基材として積層すると共に、床材としての最下面層に裏打ち基材としての基材層を積層して形成すること(請求項5)が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0012】
本発明に係る床材Aは、制振層1と基材層2(2a,2b)と合成樹脂層3の3つの層を各々1層以上積層して形成すると共に、その中の少なくとも1層の基材層2(2a,2b)が、制振層1と制振層1の間、又は合成樹脂層3と合成樹脂層3の間、もしくは制振層1と合成樹脂層3の間に積層され、且つ、上記制振層1は損失係数ピーク値が0.7以上の樹脂組成物からなり、上記基材層2は制振層1より弾性率が高い材料からなり、そして上記合成樹脂層3は樹脂組成物からなることを要旨とする。
この時、例えば制振層1なら制振層が複数存在する場合に、各制振層における組成が同一であっても良いしそれぞれ異なっても良い。このことは、複数の各基材層2、複数の各合成樹脂層3の場合も同様である。
【0013】
また、各層1,2,3の配置としては、床材Aとしての最表層に上記合成樹脂層3を積層し、床材Aとしての最下面層に裏打ち基材としての基材層2(2b)を積層することが好ましい。この様な層配置構造にする場合、他の各層1,2,3における積層順序は特に限定されるものではなく、例えば合成樹脂層3が基材層2の上に直接積層されたり、更にその下に基材層2が複数の制振層1の間に積層されても良いし、或いは、合成樹脂層3が制振層1の上に直接積層され、更にその下に基材層2が複数の制振層1の間に積層されても良い。
【0014】
ちなみに、図1に示した実施例の床材Aは、合成樹脂層3を床材としての最表層に積層せしめ、該合成樹脂層3の下部に制振層1を積層すると共に、合成樹脂層3と制振層1との間に中間基材としての基材層2(2a)を積層し、制振層1の下面に裏打ち基材としての基材層2(2b)を積層して形成されている。また、図2に示した実施例のものは、床材としての最表層に積層された合成樹脂層3の下面に2層の制振層1(1a,1b)を積層すると共に、これら上側制振層1(1a)と下側制振層1(1b)の間に中間基材としての基材層2(2a)を積層し、下側制振層1(1b)の下面に裏打ち基材としての基材層2(2b)を積層して形成されている。
尚、本発明の床材Aは、一般の床材と同様に、裏打基材や、化粧層、印刷層、透明保護層を設けることができる。また、床材Aの形状についても特に限定されるものではなく、長尺、タイル状等、その使用目的にあった形状を選択することが可能である。
【0015】
制振層1及び合成樹脂層3を形成する樹脂組成物に用いられる樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂,塩素化ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリメタクリル酸メチル,ポリフッ化ビニリデン,ポリイソプレン,ポリスチレン,アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体,スチレン−エチレン共重合体,イソプレン−スチレン−イソプレン共重合体等の合成樹脂や各種熱可塑性エラストマー,天然ゴム,SBR,NBR,CR,BR,IR等の合成ゴムが挙げられる。これらの合成樹脂や合成ゴムは、単独で使用しても良いし2種以上を混合して使用しても良い。
また、これらの合成樹脂や合成ゴムには、床材としての加工性改良や制振性、耐久性など各種性能を向上させることを目的として必要に応じて、可塑剤や安定剤、加工助剤、耐光処方剤、充填剤などの各種添加剤を添加することが可能である。
【0016】
本発明に用いられる制振層1(1a,1b)は、前掲した合成樹脂や合成ゴムに可塑剤や添加剤などを配合し調整して得られたものであれば特に限定されるものではなく、また公知もしくは市販されている制振材を積層一体化して用いることも可能である。
この際、制振層1(1a,1b)は、その損失係数ピーク値が0.7以上であることが好ましい。
【0017】
そして、本発明に用いられる基材層2(2a,2b)としては、上記制振層1(1a,1b)より弾性率が高い材料であることが好ましく、例えば、ポリエステルやポリアミド等のエンジニアリングプラスチックなどの高い弾性率を有するプラスチックや、ガラス、金属、天然繊維などが挙げられる。
また、基材層2(2a,2b)の形態としては、合成繊維や天然繊維、ガラス繊維、金属繊維等からなる織布や不織布、或いはガラスクロスやガラス不織布などの他に、フィルムやシートなどの形態のものも用いることができる。しかし、シートやフィルムなどの連続した均一層よりなる材質で積層性が悪い場合には、接着剤などのプライマーを別工程で塗工するか、もしくは予めプライマー処理を施すことが好ましい。
【0018】
本発明の床材では、基材層2(2a,2b)を制振層1(1a,1b)ないしは合成樹脂層3と積層することにより、拘束型制振材が形成される。通常、拘束型制振材の拘束層としては金属箔や金属シートなどの均一な連続層からなるものが用いられていたが、本発明者は、織布や不織布のような非連続層からなる材料を用いても特定された制振層1と制振層1の間、又は合成樹脂層3と合成樹脂層3の間、もしくは制振層1と合成樹脂層3の間に積層することにより、拘束型制振材が形成されることを見出し、生産性に優れると同時に振動吸収性能に優れた床材を得ることができた。
拘束型制振材の複合損失係数(η)は、いくつかの仮定条件をおいて次式で与えられる。
η=[12gη/{1+2g+(1+η )g}]・(E/E)・(h31/h
1,E;基板、拘束板のヤング係数
、h、h;基材層(2b)、制振層(1)、拘束板(基材層(2a))の厚さ
31;等価曲げ剛性(=[h+12(h+h)]/12)
η;制振層の損失係数
g;シェアパラメーター
この式から、拘束型制振材の制振特性は各層の弾性率と厚さ、および制振層1の損失係数によって決まり、特に拘束層のない非拘束型制振材と大きく異なる点は、制振層1の厚みの影響がほとんどないことであり、これは、拘束型制振材が制振層1のズリ変形により制振性能を発揮しているためである。
【0019】
すなわち、本発明に係る床材では、基材層2に直接積層された制振層1又は合成樹脂層3が基材層2によって拘束され、ズリ変形を効率的に生じさせることでより高い制振性能を得ているため、基材層2を制振層1と制振層1の間に積層することが好ましい。この様な構成にすることによって、基材層2に積層拘束される制振層1の厚みを薄くして効率的にズリ変形を生じさせることができ、その結果、振動エネルギー吸収能力を向上させることができ、更に床材構造体中の制振層1の厚みを厚くすることができる。
【0020】
制振層1の厚みは、基材層2や基材への目抜け及び振動エネルギー吸収能力を考慮すると、好ましくは0.1mm〜1.0mm、より好ましくは0.2mm〜0.8mmとする。
また、基材層2の厚みは、0.01mm以上が好ましく、当該基材層2の厚みを厚くするほど振動エネルギー吸収性能が良くなるが、生産性及び床材としての物性を考慮すると0.05〜0.3mmの範囲がより好ましい。
【0021】
【実施例】
次に、本発明について具体的な実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
<制振層の調製>
制振層1として、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ジシクロヘキシルフタレートを40重量部、ブチルベンジルフタレートを10重量部添加し、更に難燃剤5重量部、安定剤3重量部、充填剤80重量部を添加し、熱ロールにより混練りし、所定の厚みに圧延したものを積層することにより成形した。
この制振層の損失係数(tanδ)は1.33、弾性率は3.0×10Paであった。
<基材層の調製>
基材層2(2a,2b)としては、制振層1と制振層1の間、又は合成樹脂層3と合成樹脂層3の間、もしくは制振層1と合成樹脂層3の間に積層される中間基材2aとして実施例2では両面に接着処理を施したアルミ箔を用い、それ以外の実施例ではガラスクロスを用いた。また、床材としての最下面層に積層される裏打ち基材2bとしては麻布を用いた。
<合成樹脂層の調製>
合成樹脂層3として、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ジオクチルフタレートを40重量部添加し、更に安定剤3重量部、充填剤25重量部をそれぞれ添加し、熱ロールにより混練りし、所定の厚みに圧延したものを用いた。
各層1,2,3の厚みや基材層2(2a,2b)の配置位置等、床材Aの構造は図1〜図3及び表1に示す。
【0023】
<損失係数(tanδ)の測定>
制振層1を適当な大きさに切り出し、(株)東洋精機製作所製レオログラフソリッドに供して損失係数を測定した。
<複合損失係数(η)の測定>
床板として厚さ2mm、巾15mm、長さ220mmのアルミ板を用い、作製した床材Aを上記アルミ板と同じ大きさに切り出し、上記アルミ板上面にニトリルゴム系接着剤により接着したものを試験片とし。これをリオン社製損失係数測定システムに供し、機械インピーダンス法により複合損失係数(η)を測定した。その結果を表1に示す。
尚、損失係数(tanδ)及び複合損失係数(η)は、共に温度依存性を有するが、本実施例及び比較例では損失係数(tanδ)はそのピーク値を評価対象とし、複合損失係数(η)は20℃における値を評価対象とした。
ちなみに、表1に示した実施例1〜5および比較例1とも、それぞれ制振層1,基材層2,合成樹脂層3の組成は同一のものを用いた。
【0024】
【表1】
Figure 2004197369
【0025】
実施例1〜5と比較例1を比較すると、各試験片における各制振層1(1a,1b),基材層2(2a,2b),合成樹脂層3の組成はそれぞれ同一のものであり、床材A自体の厚さ及び、制振層1(1a,1b)の厚みは同じであるにもかかわらず、基材層2(2a,2b)の存在により、複合損失係数(η)は実施例1〜5の方が高くなり、振動減衰能力が優れていることが理解される。
また、実施例1〜5をみると、基材層2(2a,2b)の弾性率や厚みによっても複合損失係数(η)が変わり、各層1,2,3、特に基材層2(2a,2b)の配置位置の工夫により、振動減衰能力を向上させることが可能であることが理解される。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る床材は斯様に、損失係数ピーク値が0.7以上の樹脂組成物からなる制振層と、該制振層より弾性率が高い材料からなる基材層と、樹脂組成物からなる合成樹脂層とを各々1層以上積層すると共に、少なくとも1層の基材層を上記制振層と制振層の間、又は合成樹脂層と合成樹脂層の間、もしくは制振層と合成樹脂層の間に積層してなるので、複数の制振層、合成樹脂層がそれぞれ同じ組成、構造であっても、各層の配置構造を工夫することによって、より振動減衰能力の高い床材を得ることが可能となり、その結果、従来の床材より効果的に振動減衰性能を発現し得、優れた防音・制振性能を発揮することができる。
【0027】
また、本発明の請求項2に記載の床材によれば、合成樹脂層を、床材としての最表層に積層してなるので、床材としての機能を満たす振動減衰性能を有する床材が得られる。すなわち、合成樹脂層の組成を調整することにより、床材としての機能、例えば、意匠性や耐摩耗性、汚染性、へこみ性、残留へこみ性などを容易に満たすことができる。
【0028】
そして、本発明の請求項3に記載の床材によれば、基材層が制振層と制振層の間に積層されている場合に、当該基材層に拘束された各制振層の厚みを0.1mm〜1.0mmに形成したので、振動時に制振層が効率的にズリ変形し、よってより高い効率で振動低減効果が得られるようになる。
【0029】
また、本発明の請求項4に記載の床材によれば、基材層の厚みを0.01mm以上としたので、当該基材層と直接積層される制振層ないしは合成樹脂層と相俟って拘束層としての機能を十分に果たし、振動吸収性能を高めることが可能となる。
【0030】
また、本発明の請求項5に記載の床材によれば、基材層を制振層と制振層の間、又は合成樹脂層と合成樹脂層の間、もしくは制振層と合成樹脂層の間に中間基材として積層すると共に、床材としての最下面層に裏打ち基材としての基材層を積層してなるので、より効果的に防音・制振性能を発揮することができるだけでなく、床材として優れた堅牢性能を発揮することができる。
【0031】
更に、本発明の請求項6に記載の床材によれば、基材層として、織布,不織布,ガラスクロス,ガラス不織布から選ばれた1種又は2種以上から形成されたものを用いてなるので、当該基材層が制振層に対して拘束層としての役割を果たす際に、その弾性率が高いほど振動吸収性能は向上するから、プラスチック素材のものに比べ、弾性率が高いガラスクロスやガラス不織布を用いることにより、より振動吸収性能を向上させることが可能となる。しかも、織布や不織布は床材を製造するのに従来から用いられているので、制振層や合成樹脂層との積層に特別な接着処理などを行なわなくても積層することができ、既存の製造設備で生産性良く容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床材の実施例1を示す模式断面図。
【図2】同実施例2〜5を示す模式断面図。
【図3】比較例1を示す模式断面図
【符号の説明】
1(1a,1b):制振層
2(2a,2b):基材層
3:合成樹脂層

Claims (6)

  1. 損失係数ピーク値が0.7以上の樹脂組成物からなる制振層と、該制振層より弾性率が高い材料からなる基材層と、樹脂組成物からなる合成樹脂層とを各々1層以上積層すると共に、少なくとも1層の基材層を上記制振層と制振層の間、又は上記合成樹脂層と合成樹脂層の間、もしくは上記制振層と前記合成樹脂層の間に積層してなる事を特徴とする床材。
  2. 請求項1に記載の床材において、前記合成樹脂層を、床材としての最表層に積層してなることを特徴とする床材。
  3. 請求項1又は2に記載の床材において、前記基材層が前記制振層と制振層の間に積層されている場合に、当該基材層に拘束された各制振層の厚みを0.1mm〜1.0mmに形成したことを特徴とする床材。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の床材において、前記基材層の厚みを0.01mm以上としたことを特徴とする床材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の床材において、前記制振層と制振層の間又は前記合成樹脂層と合成樹脂層の間もしくは前記制振層と前記合成樹脂層の間に中間基材としての基材層を積層すると共に、床材としての最下面層に裏打ち基材としての基材層を積層してなることを特徴とする床材。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の床材において、前記基材層が、織布,不織布,ガラスクロス,ガラス不織布から選ばれた1種又は2種以上から形成されていることを特徴とする床材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050408A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物、および空気入りタイヤ

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