JP2007083923A - ダッシュインシュレーター - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量で厚みが薄いにも関わらず吸音特性および遮音特性に優れ、成形時の絞り部での変形が大きくても千切れることのない成形性の良いダッシュインシュレーターを提供する。
【解決手段】 繊維径が7ミクロン以上25ミクロン以下の繊維から形成される目付が200〜1000g/m2、厚みが2〜10mmの不織布であって、片方の表面から厚みの1/2以下までにある繊維間隙が樹脂により充填されており、通気度が0.5〜22cc/cm2・秒である不織布Aと、厚みが30〜200ミクロンの樹脂フィルムBと、厚みが5〜40mmかつ充填率が2〜15%の不織布Cとが複合されてなることを特徴とするダッシュインシュレーター。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量で厚みが薄いのにも関わらず吸音特性および遮音特性に優れ、成形時の絞り部での変形が大きくても型にそって凹凸が明確にでる成形性の良いダッシュインシュレーターに関する。
自動車用途などの吸音材として、短繊維不織布が広く用いられている。特にダッシュパネルまわりの吸音材や遮音材として用いられるダッシュインシュレーター(またはダッシュサイレンサー)などと呼ばれる防音材は、エンジン音やタイヤ音を搭乗者に騒音として感じさせないように防音する目的で使用されており、高性能化が求められている。吸音特性や遮音特性を高くするために、細い繊維径の繊維を用いたり、充填密度を高くして空気の通過抵抗を大きくすると同時に、重量の重いゴムやレジンフェルトを複合し、目付を大きくして遮音特性を高くしたりするなどの方法が採られてきた。その結果、高い防音特性が求められる場合には、目付が1800〜3000g/cm2の厚くて重い遮音材が主に用いられている。
極細繊維を含む不織布は、吸音特性に優れ、多くの用途に利用されてきたが、強度が弱かったり、形態安定性や成形性が悪かったりするなどの問題があり、その改善のために別の不織布と積層複合化して用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、不織布界面の接着強度が小さかったり、極細繊維よりなる不織布内部での層間剥離を生じたりするなどの問題を生じやすかった。一方、極細繊維不織布に長繊維不織布を積層一体化して補強する方法は、通称S/M/Sなどの名前で知られており、スパンボンド不織布の間に極細繊維であるメルトブローン不織布を積層して熱エンボス法で接合する方法が知られている。しかしながら、これらの不織布は、ボリューム感に欠け、硬い風合いとなっており、成形性もあまりよくないという問題点があった。
また、コフォームと呼ばれる、メルトブローン不織布の内部に20〜30ミクロン前後の短繊維を吹き込んで複合化した不織布も商品化されており(例えば、特許文献2参照)、優れた吸音特性を示すが、機械的特性が不十分であり、また、成形性もあまりよくなかった。自動車内装材として用いられる場合は、立体成形される場合も多いが、極細繊維を含む不織布は、成形時の絞りが深いと絞り部での変形が大きい場合に変形が追随できずに千切れるという問題があった。
さらに、遮音性能は重量則に支配されると考えられており、総じて、極細繊維を用いた防音材は、ダッシュインシュレーターで要求される重低音の遮音には必ずしも効果的であるとは言い難いものであった。
特表2000−516175号公報 特開昭53−41577号公報
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、軽量で厚みが薄いにも関わらず吸音特性および遮音特性に優れ、成形時の絞り部での変形が大きくても千切れることのない成形性の良いダッシュインシュレーターを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、繊維径が7ミクロン以上25ミクロン以下の繊維から形成される目付が200〜1000g/m2、厚みが2〜10mmの不織布であって、片方の表面から厚みの1/2以下までにある繊維間隙が樹脂により充填されており、通気度が0.5〜22cc/cm2・秒である不織布Aと、厚みが30〜200ミクロンの樹脂フィルムBと、厚みが5〜40mmかつ充填率が2〜15%の不織布Cとが複合されてなることを特徴とするダッシュインシュレーターである。
本発明のダッシュインシュレーターは、不織布Aが、2〜15N/2cmの曲げ剛性を有することが好ましい。また、フィルムBが、少なくとも3層構造よりなり、フィルムBの両外層が不織布Aおよび不織布Cとの接着成分よりなることが好ましい。さらに、不織布Cが、自動車内装材からリサイクルされた繊維塊を20%以上含有し、充填率が不織布Aの見掛けの充填率の1/2以下であることが好ましい。さらにまた、不織布CのフィルムBを積層する側の表面に、目付が10〜40g/m2の平滑な不織布が貼り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、軽量で厚みが薄いにも関わらず吸音特性および遮音特性に優れ、成形時の絞り部での変形が大きくても千切れることなく型にそって凹凸が明確にでる成形性の良いダッシュインシュレーターが提供される。本発明のダッシュインシュレーターは、その他産業上の広い用途で、吸音材や遮音材としても好適に使用される。
本発明は、繊維径が7ミクロン以上25ミクロン以下の繊維から形成される目付が200〜1000g/m2、厚みが2〜10mmの不織布であって、片方の表面から厚みの1/2以下までにある繊維間隙が樹脂により充填されており、通気度が0.5〜22cc/cm2・秒である不織布Aと、厚みが30〜200ミクロンの樹脂フィルムBと、厚みが5〜40mmかつ充填率が2〜15%の不織布Cとが複合されてなることを特徴とするダッシュインシュレーターである。
本発明のダッシュインシュレーターは、少なくとも異なる2種以上の不織布とフィルム層が接合一体化されていることが必要である。フィルム層は、通気性を防止して遮音特性を高くするために用いられる。また、不織布A層はコントロールされた通気性を有することで優れた吸音特性を有するとともに優れた成形性をもたらすものである。不織布C層は、柔軟であり入射音により自身が振動することによりエネルギー損失をもたらすもので、相対的に充填密度や剛性の高い不織布AやフィルムBと貼り合わせることで優れた吸音特性および遮音特性を発現する。
不織布Aは、繊維径が7ミクロン以上25ミクロン以下の繊維から形成される、目付が200〜1000g/m2、厚みが2〜10mmの不織布である。不織布の製造法は、特に規定されないが、スパンボンド不織布が機械的強度に優れており、フィルムとの接着面が平滑で接着面積が大きくなるために好ましい。また、短繊維不織布であってもよい。不織布の形態安定化のための繊維相互の接着あるいは繊維絡合方法としては、ニードルパンチ法またはサーマルボンド法が成形性の観点から特に好ましい。不織布を構成する繊維が複合繊維を少なくとも一部含んでいることも成形性の観点から特に好ましい形態の一つである。不織布の材料も特に限定されないが、ポリエステルまたはポリオレフィンよりなる繊維を用いることがVOC(揮発性有機化合物)発生の問題がなく好ましい。
繊維径は、7ミクロンより細くすると吸音特性がよくなるが、成形性や毛羽立ちの観点から、本発明では7ミクロン以上とする。一方、25ミクロンより太いと通気性のコントロールが難しくなるため、本発明ではその上限は25ミクロンである。
なお、本発明において繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡で撮影した写真で繊維側面を20本以上測定して、その平均値から求めることができる。極細繊維不織布がメルトブロー法により作成されている場合は、繊維径のバラツキが大きいため、100本以上を測定して平均値をとればよい。
不織布Aの目付は、積層構造体としての遮音特性を高くするために、少なくとも200g/m2以上の目付である。また、不織布Aの目付は、1000g/m2より高くても吸音特性や遮音特性に問題はないが、本発明の目的とする軽量化を満足する上で、1000g/m2以下とする。さらに、不織布の厚みは、2〜10mmである。厚みが2mmより薄いと、吸音特性を高くすることが容易ではない。また、不織布Aの充填率は、10〜60%の間にあることが好ましい。ここで、充填率とは、不織布の目付を、20g/cm2の荷重下での厚みと繊維の比重の積で割った値を求め、さらに百分率して求まる値をいう。
また、不織布Aは、片方の表面から厚みの1/2以下までにある繊維間隙が樹脂により充填されており、通気度が0.5〜22cc/cm2・秒である不織布である。本発明において通気度とは、フラジール通気度を意味する。
充填に用いる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられる。樹脂は不織布の繊維間隙に、コーティングやスプレー、パウダー付与したり、熱接着性短繊維を不織布の片面にニードルパンチ絡合により複合した後に熱プレスして熱接着性繊維をつぶしたり、多孔質フィルムなどを熱ラミネートする、などにより、充填が可能である。不織布Aの主たる構成繊維の間隙に充填される樹脂は、不織布表面から厚みのほぼ1/2以下までの範囲になるように充填されるが、好ましくは不織布表面から厚みの1/3以下までの範囲である。充填部が厚みの全面に渡ると所望の吸音特性を得ることが困難となる。また吸音特性を得るために、不織布A表面から厚みの1/50以上充填させることが好ましく、より好ましくは1/20以上充填させる。
充填される面としては、フィルムBが積層される面とは反対側の面が特に好ましい。不織布Aの通気度は、成形前の通気度が0.5〜22cc/cm2・秒であるが、好ましくは1〜15cc/cm2・秒、特に好ましくは3〜12cc/cm2・秒である。22cc/cm2・秒より高いと、ダッシュインシュレーターに必要な防音特性を得ることが難しくなる。一方、通気度が小さすぎると音波の表面反射により吸音率が低下してしまうのであまり好ましくない。不織布Aの外表面にメルトブロー法により作られる極細繊維不織布などの通気度の小さい素材を場合により貼り付けても、樹脂含浸と同様の効果を得られる場合がある。
不織布Aの曲げ剛性は、2〜15N/2cmであることが好ましく、より好ましくは4〜12N/2cm、最も好ましくは、5〜10N/2cmである。本発明は、剛性の高い不織布Aと柔軟で嵩高の不織布Cとの組み合わせによりはじめて実現される。不織布Aの曲げ剛性が2N/2cmより小さいと防音特性を高くすることは困難である。一方、15N/2cmより大きいと不織布Aの吸音特性が低下してしまう。なお、不織布Aの樹脂充填が剛性アップに寄与しているものとも考えられる。本発明においては、樹脂含浸を片側の表面近傍のみで行うが、曲げ剛性は、樹脂充填面とその反対面では25%以上異なっていた。これを考慮し、不織布Aの曲げ剛性は、樹脂充填面の値とその反対面の値のうち、大きい方の値が、上記範囲内に入っていれば良い。曲げと戻りの応力の差が防音特性に寄与している可能性もあるが、メカニズムは明確ではない。
なお、曲げ剛性は、例えば、幅2cm×長さ10cmの試験片を用い、JIS L1096曲げ反発性C法(ループ圧縮法)に規定の加圧子を用いて、支持幅5cmによる3点支持曲げ剛性を測定して求めることが出来る。
フィルムBは、厚みが30〜200ミクロンであり、好ましくは40〜150ミクロン、より好ましくは45〜120ミクロンである。フィルム厚みが厚いほど遮音特性が高くなる。また、フィルムBは、少なくとも3層構造よりなり、外層が不織布Aおよび不織布Cとの接着成分よりなることが好ましい。フィルムBの素材は、ポリエチレン(PE)、エチレンビニルアルコール(EVA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などの接着性がよく、かつ硬すぎない素材の成分を含むことが好ましい。硬い素材だけのフィルムを用いると、フィルム層が振動などにより変形する際に音を生じやすく、あまり好ましくない。好ましくは、ガラス転移温度が50℃以下の素材を含んでいることが特に好ましい。
3層以上の構造のフィルムの場合には、両外層には、上記したPE、EVA、EMAAなどの接着性がよく、かつ硬すぎない素材使用し、中間層には、PE、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の非通気性であって柔軟なフィルムを形成可能な素材を使用することが好ましい。このような3層以上の構造のフィルムは、市販品として、また、公知方法で製造して入手可能である。3層以上の構造のフィルムとして特に好ましくは、EVA/PP/EVA、EMAA/PP/EMAAが挙げられる。
不織布Cは、厚みが5〜40mmかつ充填率が2〜15%である。厚みが5mmより小さいと、不織布Cの変形による振動減衰の効果を得ることが困難となる。一方、40mmを超えると、成形時の取り扱い性が低下してしまう。同様に、振動減衰の効果を得るために、充填率は、不織布Aと比較して十分に小さい値であることが望ましく、本発明では2〜15%である。さらに、充填率は、不織布Aの見掛けの充填率の1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。ここで、見掛けの充填率とは、不織布の厚み方向の充填率の差異を無視して、全体の目付と厚みから計算される体積充填率をいう。
不織布Cは、目付が400〜1200g/m2の不織布であることが好ましい。目付が400g/m2より小さくなると、吸遮音効果があまり期待できず、あまり好ましくない。一方、目付が1200g/m2以上であると、重量則による遮音特性は期待できるが、軽量化を図ることが困難となり、あまり好ましくない。また、目付をあまり大きくしすぎても、目的とする振動減衰のメカニズムによる防音性などの改善効果があまり変わらず、コスト削減や軽量化などの観点から、あまり好ましくない。不織布Cを構成する素材としては、特に規定はされないが、不織布Aと類似の素材であることがリサイクルしやすく特に好ましい。
また、カーペットなどの自動車内装材からリサイクルされた繊維塊を20%以上含有した不織布であることも特に好ましい。これは、資源削減の観点だけでなく、本発明の主たる防音メカニズムであるとも考えられる振動減衰は、不織布C層の内部に局所的な密度分布があることで高い効果が得られるとともに、密度の高い部分が外力に対するヘタリ防止の機能も担うものである。繊維塊とは、反毛機などのリサイクル設備により、繊維一本一本までに分解されずに複数の繊維が固まった状態のものをいう。繊維の塊以外にウレタンチップなどが混合されていても同様の効果を得ることが可能である。
また、不織布CとフィルムBの接触面積も防音特性に影響し、接触面積が大きいほど優れた防音特性を発現する。従って、フィルムBを積層する側の表面に目付けが10〜40g/m2の平滑な不織布が貼り付けられていることが好ましい。平滑な不織布の好適な例としては、繊維径10〜25ミクロン程度のスパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布などが挙げられる。繊維径が細いものほどフィルムとの密着性がよくなり、高い防音特性が期待できる。
不織布Cは柔軟であることが必要であり、繊維塊やウレタンチップなどを固定するために使用される接着剤は、不織布C中5〜50質量%の間にあることが好ましく、特に好ましくは10〜40質量%である。接着剤は、熱接着性繊維を用いたり、水溶性エマルジョンをスプレー法により吹き付けたり、ポリエチレンやエチレンビニルアルコールなどの低沸点成分よりなるパウダーなどを繊維塊に混ぜて熱溶融するなどの手段により付与される。熱接着性繊維を用いる場合は、特に15〜35質量%程度の使用量であることが好ましい。接着剤が多すぎると、不織布が硬くなりすぎるために振動減衰の効果を得ることが困難となる。一方、少なすぎると、深絞りの成形加工時などに、不織布の破壊を生じるために好ましくない。
不織布A−フィルムB−不織布Cの積層複合体(ダッシュインシュレーター)の目付が1200〜2000g/cm2の間にあれば、適切な構造をとることにより、所望の防音性を有してかつ軽量化の実現を図ることができる。複合体を構成する不織布AおよびC、フィルムBそれぞれの破断伸度は25%以上あることが好ましく、より好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。それぞれに変形性があると、加工工程で応力のコントロール不良などで切断されるなどの問題を回避することが容易となる。破断伸度が25%未満の破断伸度の不織布は、成形時の変形に追随できず、極細繊維層などで破壊が起こることにより、吸音率が著しく低下してしまうために好ましくない。成形温度は室温から200℃前後の間での加工が考えられるが、本発明の条件を充足していれば問題となることはほとんどない。ただし、不織布Cは、成形時かかる外力が引張よりも圧縮が支配的であるため、100%以上の破断伸度は要求されない。
なお、本発明において破断伸度は、例えば、長さ20cm幅5cmの不織布を、室温(25℃)下で、試長10cm、クロスヘッド10cm/分で低速伸長引張測定して求めることができる。
不織布A、フィルムBおよび不織布Cの積層複合化は、接着剤を用いて貼り合わせる方法等、常法により行えばよい。ダッシュインシュレーターは、不織布A、フィルムBおよび不織布Cを貼り合わせた後に成形して製造してもよいが、不織布A、フィルムBおよび不織布Cを別々に成形したのちに貼り合わせて製造することが、深絞りの形態をシャープに仕上げたり、適切な厚みを保持して吸音特性を高くしたりする上で特に好ましい。
本発明のダッシュインシュレーターの少なくとも片面に、ポリオレフィンまたはポリエステルよりなる発泡体が積層されていることも好ましい形態の一つである。これは、発泡体の吸音に寄与する周波数が、不織布よりなる吸音材と異なっているため補完効果があるためと考えられる。素材としては、ポリエステル、ポリオレフィン等が加工性やコストの観点から好ましい。また、吸音特性を上げために該発泡体を複数枚積層することも特に好ましい。この際には、通気性のない熱融着性フィルムではなく、通気性のある熱接着性繊維よりなる不織布や熱接着性パウダーを用いて接着することが吸音特性を損なうことがないために特に好ましい。当該発泡体の積層方法は、隣接しても良いし、他の不織布などの両面に張り合わせても良い。
本発明のダッシュインシュレーターの使用形態としては、不織布Cが自動車のダッシュパネル側になるよう設置するのが好ましい。音の入射面を不織布A側とした方が、吸音率が高いためである。
なお、本発明においてダッシュインシュレーターとは、エンジンルームからの透過音やタイヤ音を低減させる目的で、自動車のダッシュパネルまわりで使用される防音材のことをいい、ダッシュサイレンサー、ダッシュ吸音材等の呼び名で呼ばれているものを含むものである。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、これらは、本発明を何ら制限するものではない。まず、本発明で採用した評価方法について説明する。
平均繊維径
走査型電子顕微鏡写真を適当な倍率でとり、繊維側面を20本以上測定して、その平均値から計測した。極細繊維不織布がメルトブロー法により作成されている場合は、繊維径のバラツキが大きいため、100本以上を測定して平均値を採用した。
目付および充填率
不織布を20cm角に切り出してその重量を測定した値を、1m2あたりに換算して目付とした。充填率は、不織布の目付を、20g/cm2の荷重下での厚みと繊維の比重の積で割った値を求めて、さらに百分率して求めることができる。なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維については、その比重は1.35g/cm3であるとした。
フラジール通気度
JIS L1096のA法に準じて12.7mmAqの圧力損失下で測定を行った。
破断伸度
不織布を長さ20cm幅5cmの矩形に切り出した。室温(25℃)下で、試長10cm、クロスヘッド10cm/分で低速伸長引張測定をした場合の破断伸度を求めた。
曲げ剛性
評価用試験片を幅2cm×長さ10cmの大きさに採取し、支持幅5cmによる3点支持曲げ剛性を測定した。加圧子はJIS L1096曲げ反発性C法(ループ圧縮法)で使用される形状とした。
吸音率
JIS A1409に準じて残響室法吸音率を求めた。
遮音率
残響室−無響室における音圧法により遮音特性を測定した。この測定法はJISには規定されていないが、JIS A1416「実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」で規定されている残響室−残響室法に比べ、試料に近接して測定点を取ることができるため、試料が小型の場合、複雑な形状をしている場合や厚さや材質が異なる複合体、積層体である場合などに適している。残響室−無響室法では、遮音特性に局部的な偏差がある場合には、性能分布を測定することができる。また、暗騒音の影響を受けにくく、測定音響設備を簡略なものにできるため、現在では自動車および自動車部品の音響測定には広く用いられている方法である。自動車での遮音特性を想定して、厚さ0.8mmの鉄板を残響室−無響室の開口部に隙間なく取り付け、この鉄板をベースパネルとする。残響室に4つのスピーカーを置いて無相関ホワイトノイズを出力し、残響室内3点および無響室側の試料近傍5点にマイクロホンを置いて受音する。それぞれの平均音圧レベルからベースパネルのみの遮音量を測定し、続いてベースパネル無響室側に測定試料を接着させずに密着させて取り付け、周辺に隙間がないように粘土でシールした状態で、同様に遮音量を測定する。このときの両者の差分を付加遮音量として各試料の遮音特性を評価した。
実施例1
平均繊維径17ミクロン、目付450g/m2、厚み5mmのポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡績製)を不織布Aとし、不織布の片面にグラビアコーティング法により約50g/m2のアクリル樹脂を厚みの約1/3程度まで浸透するように含浸させた。通気度は6cc/cm2・秒、曲げ剛性は、含浸面から抑えた場合は、7.2N/2cm、裏側から測定したときは、5.0N/2cmであった。また、見掛けの充填率は約8%であった。厚み45ミクロンの3層積層フィルム(EVA/PP/EVA)をB、自動車のカーペットを反毛機により切断した繊維塊70質量%と繊維径が約27ミクロンのポリエステル芯鞘型熱融着繊維(接着成分融点110℃)30質量%とを混ぜ固めたリサイクル不織布の両表面に、両表面とも熱接着繊維不織布(東洋紡績株式会社製ダイナックLNS−3030)を用いて平均繊維径14ミクロンのポリエチレンテレフタレート繊維よりなるスパンボンド不織布(目付15g/m2)を貼り合わせたものを不織布C(目付約800g/m2、厚み20mm、充填率約3%)とした。フィルムBと不織布Aを積層して、220℃の温風で1分間加熱した後、冷却型でプレス成形加工を実施した。また、不織布Cを、同様に成形加工した後、接着剤により不織布AとフィルムBの複合体のフィルムB側に貼り合わせた。最大絞り深さが約50%の成形でも問題なく成形でき、端部もきれいに成形することが可能であった。
遮音特性は、成形しない状態で不織布A/フィルムB/不織布Cを貼り合わせた積層体を試料とし、不織布C側を厚み0.5mmの鋼板に貼り付けた状態で比較を行った。積層体の目付は約1800g/m2、厚みは約30mmであった。鋼板単独の遮音特性と、鋼板に試料の積層体を貼り合わせた際の遮音特性を図1に比較した。500Hz以上で優れた遮音性能を発現しており、従来品より約1/2の重量と軽量であるにもかかわらず、全体的にほぼ同等の優れた防音性能を示した。また、吸音特性を図2に示したが、良好な吸音性能を示した。
実施例2
フィルムBの厚みを100ミクロンにした以外は、実施例1と同様にして評価を行った。図1に示すごとく、遮音性能は高く好適であった。吸音性能は、実施例1とほぼ同等であった。
実施例3
不織布Aを平均繊維径14ミクロン、目付450g/m2、厚み4.5mmのポリエステル製ニードルフェルトに変更し、樹脂を含浸する側の面に180℃に加熱した直径10cmの金属棒を接触させて表面を緻密かつ平滑化した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。なお、不織布Aの通気度は10.4cc/cm2・秒、曲げ剛性は、含浸面から抑えた場合は7.2N/2cm、裏側から測定した場合は6.1N/2cmであった。図1に示すように、優れた遮音性能を示した。
比較例1
樹脂により固めたレジンボンド短繊維不織布1200g/m2(通気度は約6cc/cm2・秒、曲げ剛性は、含浸面から抑えた場合は7.9N/2cm、裏側から測定したときは、7.3N/2cmであった。)と樹脂をほとんど用いていない短繊維不織布800g/m2とを貼り合わせてなる市販の軽量吸音材について評価を行った。図1に示すように防音性能は低いことが判明した。
比較例2
不織布Aについてアクリル樹脂の含浸を行わなかった以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。実施例1と比較して、図4のとおり吸音性能が若干優れているものの、図3に示されるように遮音性能が大幅に劣っていた。
比較例3
不織布Aについてアクリル樹脂をディップ法により全面に含浸を行った以外は、実施例1と同様にして評価を行なった。図3のとおり遮音性能は低周波域で優れているものの、図4のとおり吸音性はほとんどなかった。
比較例4:従来品
厚み2mmの合成ゴムに反毛不織布を貼り合わせた市販のダッシュインシュレーター(目付約4700g/m2、厚みは約30mm)の遮音特性を評価した。遮音特性は、成形しない状態のダッシュインシュレーターを厚み0.5mmの鋼板に貼り付けた状態で比較を行った。鋼板単独の遮音特性と市販のダッシュインシュレーターを貼り合わせた際の防音特性を図1に比較した。500Hz以上で優れた遮音性能を示した。しかし、図2に示すごとく、ゴム板側から音が入射した場合には、吸音効果を認めることができなかった。
本発明のダッシュインシュレーターは、ダッシュインシュレーター用途はもちろん、それ以外にも、自動車用途ではフロアインシュレーター等に適用でき、また、その他産業上の広い用途で、吸音材や遮音材としても好適に使用される。
遮音特性の評価結果を示すグラフである。従来例とは、比較例4のことを指す。 残響室法吸音特性の評価結果を示すグラフである。従来例とは、比較例4のことを指す。 遮音特性の評価結果を示すグラフである。 残響室法吸音特性の評価結果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 繊維径が7ミクロン以上25ミクロン以下の繊維から形成される目付が200〜1000g/m2、厚みが2〜10mmの不織布であって、片方の表面から厚みの1/2以下までにある繊維間隙が樹脂により充填されており、通気度が0.5〜22cc/cm2・秒である不織布Aと、
    厚みが30〜200ミクロンの樹脂フィルムBと、
    厚みが5〜40mmかつ充填率が2〜15%の不織布Cとが複合されてなることを特徴とするダッシュインシュレーター。
  2. 不織布Aが、2〜15N/2cmの曲げ剛性を有する請求項1記載のダッシュインシュレーター。
  3. フィルムBが、少なくとも3層構造よりなり、フィルムBの両外層が不織布Aおよび不織布Cとの接着成分よりなる請求項1または2記載のダッシュインシュレーター。
  4. 不織布Cが、自動車内装材からリサイクルされた繊維塊を20%以上含有し、充填率が不織布Aの見掛けの充填率の1/2以下である請求項1〜3のいずれかに記載のダッシュインシュレーター。
  5. 不織布CのフィルムBを積層する側の表面に、目付が10〜40g/m2の平滑な不織布が貼り付けられている請求項1〜4のいずれかに記載のダッシュインシュレーター。
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