JP2004196837A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Kazuhiko Ito
和彦 伊藤
Wataru Kosaka
亘 小坂
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

【課題】結晶化温度が高く、明色化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその成形品を提供する。
【解決手段】(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂90〜99.9重量%に、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%が、分散しているポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10〜99.8重量%に、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%と、(C)無機充填剤0.1〜80重量%が、分散しているポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。これらの組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)よりも、L*a*b*表色系における視感明度L*が大きく、標準白色板との視感明度差(ΔL*、並びに色度差Δa*及びΔb*から求めた色差)ΔEが小さい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子分野の小型精密部品等に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、剛性及び電気絶縁性等、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として、各種電機・電子部品、機械部品及び自動車部品等の用途に使用されている。
しかし、結晶性樹脂であるポリアリーレンスルフィド樹脂は、ガラス移転温度が約90℃と比較的高く、また、結晶化速度も比較的遅いため、射出成形において成形品を得ようとする場合、金型温度を130〜150℃と高めに設定しなければならなかった。このことは、他の汎用エンジニアリングプラスチック、例えば、ナイロンやポリブチレンテレフタレート(PBT)が100℃以下の金型温度で成形できることと比べると、成形加工上のポリアリーレンスルフィド樹脂の大きな欠点であり、その用途拡大の阻害要因になると考えられる。
【0003】
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶化温度は、主鎖構造の影響を受け易く、一般的に、リニア型の樹脂は、結晶化温度が高い。一方、セミリニア型(リニア型を、酸素存在下等で高温キュアリング処理して架橋させたもの)や、分岐型(重合時にトリハロベンゼン等の架橋剤を用いたもの)は、リニア型に比べると、結晶化温度が低下していることが多い。このように結晶化温度が低いことも、成形加工上のポリアリーレンスルフィド樹脂の大きな欠点である。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、少なくとも5Pa・sの溶融粘度を有するポリフェニレンスルフィド樹脂に、最大6,000のオリゴマー状ポリエステルを添加する方法、モノマー状のカルボン酸エステルを添加する方法、他のチオエーテルを添加する方法、特定の芳香族リン酸エステルを添加する方法等が開示されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。しかし、いずれの方法においても、若干の結晶化促進効果は認められるものの、その効果は十分とは言えなかった。
また、ポリフェニレンスルフィド樹脂と有機変性層状珪酸塩とが共有結合した複合材料を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。しかし、この方法では、特殊な有機化層状珪酸塩を使用しており、安価な手法とは言えなかった。また、この複合材料は、各成分を共有結合させないと、結晶化温度の上昇効果が見られなかった。
【0005】
一方、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、製造方法等種々の理由、例えば、酸素存在下での高温処理により、茶褐色となり易く、その結果、各種の着色がしにくくなるという問題があった。このような樹脂の着色は、製造上どうしても避けられない現象であり、現状では、製造後に、添加剤等を配合して改善する方法が一般的だと思われる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−45654号公報
【特許文献2】
特開昭62−230848号公報
【特許文献3】
特開昭62−230849号公報
【特許文献4】
特開昭62−230850号公報
【特許文献5】
特開平1−225660号公報
【特許文献6】
特開平5−194851号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、結晶化温度が高く、明色化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂と有機化層状珪酸塩とを特定割合で含み、有機化層状珪酸塩がポリアリーレンスルフィド樹脂中に分散した樹脂組成物が、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様によれば、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂90〜99.9重量%に、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%が、分散しているポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。
【0009】
本発明の第二の態様によれば、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10〜99.8重量%に、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%と、(C)無機充填剤0.1〜80重量%が、分散しているポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。
【0010】
本発明の第三の態様によれば、上記のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなる成形品が提供される。
【0011】
本発明の第三の態様によれば、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂90〜99.9重量%と、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%とを、溶融混練する上記のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。が提供される。
【0012】
本発明の第三の態様によれば、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10〜99.8重量%と、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%と、(C)無機充填剤0.1〜80重量%とを、溶融混練する上記のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物の第一実施形態は、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂90〜99.9重量%と、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%とを含む樹脂組成物である。
【0014】
本実施形態において、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の配合量が90重量%未満になると、靱性が低下する原因となる。一方、99.9重量%を超えると、効果が十分に発揮されない原因となる。好ましい配合量は、95〜99.9重量%であり、より好ましくは98〜99.9重量%である。
【0015】
以下、各成分について説明する。
ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、構造式[−Ar−S−](ただし、Arはアリーレン基、Sはイオウである)を基本とする重合体で、その代表的例は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有する重合体である。この繰り返し単位が70モル%未満では、結晶性ポリマーとしての特徴である本来の結晶成分が少なく、機械的強度が不充分となる場合がある。
【0016】
【化1】
Figure 2004196837
【0017】
(式中、Rは、水素、炭素数6以下のアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、カルボキシル基もしくはその金属塩、ニトロ基、及びフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子から選ばれる置換基であり、mは、0〜4の整数である。nは、平均重合度を示し、20〜100の範囲である。)
【0018】
本発明では、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)として、単独重合体以外に共重合体も用いることができる。共重合構成単位としては、例えば、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンスルホンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単位、ナフチルスルフィド単位等が挙げられる。これらの構成単位の含有量は、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
【0019】
ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の結晶化温度は特に制限されず、また、その分子構造は、リニア型、セミリニア型、分岐型のいずれでもよい。本発明では、元々の結晶化温度が低く(例えば、実施例と同様の測定条件で235℃以下)、セミリニア型又は分岐型の分子構造を有するものの方が、本発明の効果が顕著に発揮されるので、好ましくは、これらの条件を満たすポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を用いる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)は、公知の重合法により製造することができるが、好ましくは、硫化リチウムを用いた連続重合法により製造する。
【0020】
有機化層状珪酸塩(B)は、層状珪酸塩(粘土鉱物)が、有機オニウム塩を始めとする各種の有機化剤と結合して有機化された物質であり、その構造中には、有機化剤に由来する有機基が含まれている。
【0021】
層状珪酸塩とは、層状構造を持つ珪酸塩鉱物等で、多数のシート(例えば、珪酸で構成された四面体シート、AIやMgを含む八面体シート等)が積層された層状珪酸塩を有する物質である。層状珪酸塩は、膨潤性であることが好ましい。有機化層状珪酸塩(B)では、上記の有機基がこのシート間に入り込んで、層間を修飾している。
このような層状珪酸塩としては、例えば、ベントナイト(モンモリロナイト)バイデライト、ノントロナイト等の2八面体型、又はサポナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等の3八面体型スメクタイト系粘土鉱物(層電荷が0.2〜0.6の2:1型粘土鉱物)、バーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウム等の各種粘土鉱物、Li型フッ化テニオライト,Naフッ化テニオライト、フッ素化雲母等が挙げられる。これらのうち、好ましくはベントナイト及びヘクトライトであり、より好ましくはヘクトライトである。これらは、一種単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは、天然品でも合成品でもよい。
【0022】
有機化剤としては、例えば、以下に示すアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、複素芳香族環由来のオニウムイオン等のオニウムイオンを陽イオン成分とする有機オニウム塩が挙げられる。好ましくは、炭素数14以上、より好ましくは、炭素数18以上の炭化水素基を有する有機オニウム塩である。
【0023】
アンモニウムイオンとしては、ドデシルアンモニウム、ヘキサデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニウム等の第1級アンモニウム、メチルドデシルアンモニウム、ブチルドデシルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウム等の第2級アンモニウム、ジメチルドデシルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、ジフェニルドデシルアンモニウム、ジフェニルオクタデシルアンモニウム等の第3級アンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム等の同一アルキル基を有する第4級アンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルエイコサニルアンモニウム、トリメチルオクタデセニルアンモニウム、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム、トリブチルドデシルアンモニウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、トリブチルヘキサデシルアンモニウム、トリブチルオクタデシルアンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデセニルアンモニウム、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブチルジテトラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクタデシルアンモニウム等のジブチルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のジベンジルジアルキルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、トリテトラデシルメチルアンモニウム等のトリアルキルメチルアンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウム、トリドデシルエチルアンモニウム等のトリアルキルエチルアンモニウム、トリオクチルブチルアンモニウム、トリドデシルブチルアンモニウム等のトリアルキルブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等の芳香環を有する第4級アンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の第4級アンモニウムイオン等のイオンが挙げられる。
【0024】
ホスホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリメチルデシルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルヘキサデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム、トリブチルドデシルホスホニウム、トリブチルヘキサデシルホスホニウム、トリブチルオクタデシルホスホニウム等の第4級ホスホニウムイオン等が挙げられる。
複素芳香環由来のオニウムイオンとしては、ピリジニウム、キノリニウム等のイオンが挙げられる。
【0025】
本発明で用いる好ましい有機化層状珪酸塩(B)は、上記の好適な有機オニウ塩で有機化されたベントナイト及びヘクトライトである。
【0026】
このような有機オニウム塩で修飾された有機化層状珪酸塩(B)は、例えば、第4級アンモニウム塩化物を、大量の水中で、層状珪酸塩に投入して攪拌することで製造できる。また、修飾に用いる有機オニウム塩は、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して、通常、0.2〜100重量%の範囲で任意に選ぶことができる。灰分量が多すぎると、靱性が低下する場合がある。また、この類の層間が修飾された珪酸塩は、市販品を利用することも可能である。
【0027】
また、有機化層状珪酸塩(B)は、反応性官能基を有するカップリング剤で、予め表面処理をしてから使用することもできる。表面処理の方法は特に制限されず、例えば、各成分を高速ミキサーで混合した後、大気下で熱風乾燥する等の方法を用いることができる。
【0028】
カップリング剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。また、これらの化合物が有する反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、メルカプト基、ウレイド基、イソシアナト基、アミノ基、水酸基、ビニル基が挙げられる。
【0029】
本発明の樹脂組成物の第二実施形態は、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10〜99.8重量%と、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%と、(C)無機充填剤0.1〜80重量%とを含む樹脂組成物である。
本実施形態は、第一実施形態と、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の配合量の点、及び無機充填剤(C)を配合している点が異なっており、それ以外の点については、第一実施形態と同様である。従って、ここでは、第一実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
【0030】
本実施形態におけるポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の配合量は10〜99.8重量%である。配合量が10重量%未満になると、組成物の流動を著しく損なう原因となる。一方、99.8重量%を超えると、効果が十分に発揮されない原因となる。好ましい配合量は、40〜99.8重量%であり、より好ましくは40〜69.9重量%である。
【0031】
無機充填剤(C)としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、セラミック繊維等の無機繊維、炭素繊維、アルミナ、塩化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ガラス・ビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、シリカ等の非繊維状充填剤等が挙げられる。これらのうち、好ましくはガラス繊維である。これらは一種単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
無機充填剤(C)の配合量は0.1〜80重量%である。配合量が0.1重量%未満になると、効果が十分に発揮されない原因となる。一方、80重量%を超えると、組成物の流動を著しく損なう原因となる。好ましい配合量は、0.1〜50重量%であり、より好ましくは30〜50重量%である。
無機充填剤(C)をこのような割合で配合することにより、耐熱性、機械的強度により優れた樹脂組成物とすることができる。
【0033】
本発明の樹脂組成物には、その効果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキシドオリゴマー系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物等の可塑剤、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトン等の結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド化合物等の離型剤、次亜リン酸塩等の着色防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム等の滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤等、通常の添加剤や、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアルキレンオキシド、あるいはカルボキシル基、エポキシ基等を含有するオレフィン系共重合体等の樹脂を加えることができる。
【0034】
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に制限されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)に、有機化層状珪酸塩(B)を配合する場合には、両者を溶融混練する方法が好ましい。溶融混練の方法は特に制限されず、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の溶融状態下で機械的剪断を行なうことができればよい。具体的な混練装置としては、押出機、特に二軸押出機が好ましい。また、溶融混練時に発生する水分や低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口を設けることも好んで行なわれる。二軸押出機を用いる場合には、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)と、有機化層状珪酸塩(B)とを、予めブレンダー等で混合しておき、それを押出機のフィード口から供給する方法や、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)を押出機の上流側からフィードし、有機化層状珪酸塩(B)を下流側のフィード口から供給する等の方法が挙げられるが、特に制限はない。押出機のスクリューアレンジにも特に制限はないが、有機化層状珪酸塩(B)を微分散化させるために、ニーディングゾーンを設けることが好ましい。また、無機充填剤(C)を配合する場合は、押出機の下流よりサイドフィードすることができる。
【0035】
本発明の樹脂組成物は、公知の射出成形、押出成形、ブロー成形(吹込成形)、チューブ成形、トランスファー成形、圧縮成形、射出圧縮成形等の任意の成形法に供することにより、射出成形品、シート、フィルム、パイプ、繊維、棒状体等の押出成形品、トランスファー成形品、圧縮成形品とすることができるが、良好なバリ特性を生かして射出成形に供することが好ましい。
【0036】
また、その際、本発明の樹脂組成物は、マスターバッチの状態で使用してもよい。その使用法の一例として、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の一部と、有機化層状珪酸塩(B)からなるマスターバッチペレットと、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の残部のペレットとを配合し、溶融成形して直接成形品とする方法等が挙げられる。
【0037】
このような本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)よりも、L*a*b*表色系における視感明度L*が大きく、標準白色板との視感明度差(ΔL*、並びに色度差Δa*及びΔb*から求めた色差)ΔEが小さい。即ち、本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)よりも明色化している。このように明色化した樹脂組成物は、各種の着色をより簡単に行うことが可能となる。
【0038】
尚、L*a*b*(エルスター、エースター、ビースター)表色系は、JISZ8729に規定された表色系であり、現在、塗装や染色業界等、表面色の管理に最も便利よく扱われている。この表色系において、視感明度L*は、明るさの指標であり、この値が大きくなると、その色は黒色から白色に移行して明るくなっていく。色度a*及びb*は、明るさ以外の性質を示し、a*がプラス方向に大きくなると、その色は赤色に移行し、マイナス方向に大きくなると、その色は緑色に移行する。また、b*がプラス方向に大きくなると、その色は黄色に移行し、マイナス方向に大きくなると、その色は青色に移行する。a*及びb*が共に0になると、その色は無彩色となる。
一方、色差ΔEは、任意の色と、認識のとれた基準プレート色との差として一般的に用いられている。本発明で用いた標準白色板は、この基準プレートの一つであり、一般的に認識されている。本発明における色差ΔEは、本発明の樹脂組成物と、標準白色板との視感明度差ΔL*、並びに色度差Δa*及びΔb*から求めることができる。
【0039】
また、本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)よりも、例えば、実施例と同様の条件において、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した結晶化温度が高く、結晶化温度のピーク幅ΔTcが狭い。このように結晶化温度が高い樹脂組成物は、成形時の金型温度をより低く設定することが可能となる。
【0040】
本発明の樹脂組成物では、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)中に、有機化層状珪酸塩(B)を上記の割合で分散させるだけで、これらの効果を発現することが可能となる。
【0041】
さらに、本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)が本来有する熱安定性、電気特性、機械的特性等を大きく損なうことなく、より優れた低バリ性を付与することが可能である。
【0042】
本発明の樹脂成形体の成形体は、コネクター、コイル、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドホン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モータブラシホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電子部品に適している他、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断器、ナイフスイッチ、多極ロッド、電子部品キャビネット等の電気機器部品、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘヤードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスク、DVD等の音声映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される事務・電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター等に代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパット、ウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタッドベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関連部品、ディストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドーウォッシャーノズル、エアコンパネル用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、
ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品等々、各種用途に適用できる。
【0043】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されない。尚、分岐型ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂の物性パラメータは、以下の方法で測定した。
(1)10kg荷重メルトインデックス(MI10
東洋精機社製メルトインデクサーを用い、温度300℃、荷重10kg、オリフィスL/D=20/1で測定した。
【0044】
(2)溶液粘度
ウベローデ粘度計を用い、測定溶媒:α−クロロナフタレン、測定粘度:0.4g/dl、測定温度:206℃で測定した。
【0045】
(3)スパイラルフロー長さ(SFL)
東芝機械製30トン射出成形機(IS30EPN)で、厚み1mmのスパイラルフロー金型を用いて、射出圧力98MPa(設定49%)、樹脂温度320℃、金型温度135℃、射出時間10秒の成形条件で射出し、流動末端までの長さをスパイラルフロー長さとして求めた。
尚、SFLは、分岐型PPS樹脂を、2軸押出機を用い、ガラス繊維(旭ファイバーガラス製、JAF591)を押出機の下流よりサイドフィードしながら、310℃でペレット化して得られた樹脂組成物(PPS樹脂/ガラス繊維(GF)=60:40(重量比))について測定した。
【0046】
また、PPS樹脂組成物の結晶化温度及びそのピーク幅ΔTc、並びに視感明度L*及び標準白色板との色差ΔEは、以下の方法で測定した。
【0047】
(4)結晶化温度及びそのピーク幅ΔTc
示差走査型熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製)を用いて、ペレットを、窒素雰囲気下、340℃で5分間保持した後、20℃/分の速度で降温し、得られたDSCチャートから発熱ピークを読み取り、結晶化温度とした。また、結晶化温度ピークの両オンセット値の幅をΔTcとした。
【0048】
(5)視感明度L*及び色差ΔE
分光測色計(日本電色工業(株)製)を用いて、「JIS Z 8722 物体色の測定方法」及び「JIS Z 8724 光源色の測定方法」等に基づき、径1mm、長さ3mmのペレットを50g使用して、L*及びΔEを測定した。尚、ΔEの測定に用いた標準白色板としては、分光反射率付粉体用標準白色板(日本電色工業製、製造番号:N−11460)を用いた。
【0049】
製造例1
[分岐型PPS樹脂の合成]
攪拌翼のついた原料合成槽(1m)に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)554kg、及び水酸化リチウム(LiOH・1HO)100kgを仕込み、昇温して140℃に保ち、原料LiOH中に含まれる水を回分蒸留により除去した。この操作終了後、130℃に保ったまま、気体状の硫化水素(HS)を65Nkι吹き込んだ。この操作により、水硫化リチウム(LiSH)を下記(1)式により合成した。
LiOH+HS → LiSH + HO (1)
【0050】
その後、硫化水素の吹き込みを停止し、合成槽を205℃まで昇温した。昇温に伴い、硫化水素を吹き込んだ際に副生する水を回分蒸留により除去すると共に、下記(2)式の反応を進行させ、硫化リチウム(LiS)を49.62kg(1.08kmol)と、N−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)との混合物を得た。
2LiSH → LiS + LMAB + HS↑ (2)
【0051】
上記(2)式の反応終了後、パラジクロロベンゼン(PDCB)154kg(1.05kmol)を投入し、さらに純水5.83kgを投入し、210℃、5時間のプレ縮合操作を実施してプレポリマーを合成した。
【0052】
上記操作で合成したプレポリマーに、90℃で、PDCB14.8kg(0.10kmol)と、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)0.392kg(0.00216kmol)と、NMP80kgとを加えた。この混合物を、チャージ量を15.0kg/hrで、1段CSTR(連続攪拌槽型反応器)に投入し、平均滞留時間τ=3時間で重合反応(260℃)を行い、分岐型PPS樹脂を合成した。
【0053】
反応槽から排出される反応液を静置槽(260℃)に導き、反応液とPPS樹脂相とを分離した。反応槽の出口には、ポリマー相中に含まれるハロゲン化リチウムを洗浄除去する目的で、洗浄液(HO/NMP混合液、中和剤として、NHClを含む)を注入した。静置槽の底部より抜き出した、高分子量PPS樹脂相にも洗浄液を注入し、再度洗浄液と接触混合し、静置分離槽で分離した。このPPS樹脂の洗浄操作を3段繰り返し、洗浄を終了したPPS樹脂相を脱揮機能付押出機に導き、揮発性溶媒(主にNMP)を除去した後、水冷してペレタイジングを行ない、製品を得た。製品の生産量は、約2kg/hrであった。
得られたポリマーのMI10は30.5g/10min、溶液粘度は0.22dL/g、SFL(GF40%)は113mmであった。
【0054】
製造例2
[有機化ベントナイト(有機化モンモリロナイト)の調製]
ベントナイト((株)ホージュン製、ベンゲルA(商品名)、陽イオン交換容量(CEC)=93)100gを、水10リットル中に加え、一晩攪拌して分散させた。次に、この分散液にジステアリルジメチルアンモニウムブロマイド(ジメチルジオクタデシルアンモニウム、Acros社製)60gを加え、80℃で2時間反応させた。生成した沈殿物を80℃の熱水で3回洗浄後、スラリーをろ過し、得られたケーキを減圧下に凍結乾燥させて、有機化ベントナイトを得た。
【0055】
製造例3
[有機化ベントナイトの調製]
製造例2において、ジステアリルジメチルアンモニウムブロマイド60gの代わりに、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(Acros社製)30gを用いた以外は、製造例2と同様にして有機化ベントナイトを調製した。
【0056】
実施例1〜24、比較例1〜9
[PPS樹脂組成物の調製]
表1〜3に示した比率でPPS樹脂(A)及び有機化層状珪酸塩(B)を配合し、ドライブレンダーで予備混合した後、シリンダー温度を300〜320℃に設定したベント付き二軸押出機(東芝機械社製、TEM−37B(商品名))で溶融混練した。尚、無機充填剤(C)も溶融混練する場合は、押出機の下流よりサイドフィードした。この樹脂組成物をストランドとして直ちに水中に導き、カッター付きの引き取り器でペレット化した。このペレットを120℃で12時間乾燥した後、その一部を用いて結晶化温度及びΔTcを上記の方法で測定した。また、L*及びΔEを上記の方法で測定した。結果を表1〜3に示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004196837
【0058】
【表2】
Figure 2004196837
【0059】
【表3】
Figure 2004196837
【0060】
表1〜3中の各成分は、以下の通りである。
[PPS樹脂(A)]
A−1:セミニリア型PPS樹脂、DIC−EP社製、T2(商品名)
A−2:製造例1で合成した分岐型PPS樹脂
[有機化層状珪酸塩(B)]
B−B1:製造例2で調製したC14以上の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ベントナイト
B−B2:エスベンNX(商品名)、(株)ホージュン製、C14以上の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ベントナイト
B−B3:エスベンNZ(商品名)、(株)ホージュン製、C14以上の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ベントナイト
B−B4:ベントンSD−1(商品名)、エレメンティスジャパン(株)製、C14以上の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ベントナイト
B−B5:製造例3で調製したC14未満の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ベントナイト
B−H1:ベントンSD−3(商品名)、エレメンティスジャパン(株)製、C14以上の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ヘクトライト
B−H2:SAN(商品名)、コープケミカル(株)製、C14以上の炭化水素基を有するアンモニウム塩で変成した有機化ヘクトライト
[無機充填剤(C)]
C−1:03JAFT591(商品名)、旭ファイバーガラス製、繊維長3mm、繊維径10μmのチョップドGF
[層状珪酸塩]
B1:ベンゲルA(商品名)、(株)ホージュン製、ベントナイト
H1:CT(商品名)、エレメンティスジャパン(株)製、ヘクトライト
H2:SWN(商品名)、コープケミカル(株)製、ヘクトライト
【0061】
表1〜3より、有機化層状珪酸塩を含む樹脂組成物は、PPS樹脂単独よりも明色化しており、結晶化温度が高かった。また、これらの樹脂組成物は、明色化及び結晶化温度の上昇の程度が、層状珪酸塩を含む樹脂組成物よりも大きかった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、結晶化温度が高く、明色化したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその成形品を提供できる。

Claims (9)

  1. (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂90〜99.9重量%に、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%が、分散しているポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  2. (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10〜99.8重量%に、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%と、(C)無機充填剤0.1〜80重量%が、分散しているポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)よりも、L*a*b*表色系における視感明度L*が大きく、標準白色板との視感明度差(ΔL*、並びに色度差Δa*及びΔb*から求めた色差)ΔEが小さい請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 前記有機化層状珪酸塩(B)が、炭素数14以上の炭化水素基を有する有機化剤で有機化された層状珪酸塩である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. 前記有機化層状珪酸塩(B)が、有機化剤で有機化されたヘクトライトである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 前記有機化層状珪酸塩(B)の配合量が0.1〜2重量%である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  8. (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂90〜99.9重量%と、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%とを、溶融混練する請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  9. (A)ポリアリーレンスルフィド樹脂10〜99.8重量%と、(B)有機化層状珪酸塩0.1〜10重量%と、(C)無機充填剤0.1〜80重量%とを、溶融混練する請求項2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
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