JP2004196618A - 酸化チタン膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CVD法による酸化チタン膜の製造方法において、成膜速度を低下させることなく、原料ガスの供給配管、成膜室および排出口のいずれの場所においても微粉の発生を抑制できる酸化チタン膜の製造方法の提供。
【解決手段】CVD法により酸化チタン膜を基体上に形成する酸化チタン膜の製造方法であって、チタンアルコキシドと、該チタンアルコキシドの1モルに対し1.7〜30モルの割合のグリコールとを別々に気化させ、混合することにより形成されたチタンキレートを基体上に吹付けることにより酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CVD法(化学的気相成長法)により、基体上に酸化チタン膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタン被膜は、その高屈折率、高硬度、耐熱性、耐薬品性等の諸特性を利用して、ガラス、セラミック、樹脂などの素材における熱線等の反射性被覆、耐擦傷性被覆、耐熱性被覆、耐候・耐薬品性被覆材料として広く活用され、更に近年、光のエネルギーを化学的エネルギーに変えて酸化還元反応を行う、いわゆる光触媒膜付きガラスなどへの活用が注目されている。
【0003】
単に酸化チタン被膜を基板に成膜する方法としては、チタン化合物溶液を基板にスプレーし、その熱分解により成膜するスプレー法、チタニアゾル含有溶液を基板に塗布し、加熱成膜するゾルゲル法、チタンの化合物を含む原料ガスを気化させ、基体上に吹付けるとともに熱その他のエネルギーを与えて分解させ、基板上に成膜するCVD法などがあり、それら方法が適宜採用されている。
【0004】
これらの方法のうち、CVD法は、製造コストが安価で、緻密な膜が形成できる利点があり、酸化チタン膜の有力な製造方法である。
【0005】
CVD法に用いられる原料ガスとしては、四塩化チタンなどの無機チタンを主成分とするものやチタンテトライソプロポキシドなどの有機チタンを主成分とするものが安価であること、かつ成膜速度が良好であることなどから一般的によく用いられている。しかし、これらの無機チタンや有機チタンはいずれも気相状態で水蒸気との反応性が高く、わずかな水蒸気が配管に入っただけで配管内に酸化チタンの微粉を形成し、配管を閉塞させる問題があった。また、基体に原料ガスを吹付ける際、チタンテトライソプロポキシドが分解しアルコールを経て水を形成し、同様に酸化チタンの微粉を形成し、成膜室や排出口に付着し、生産性が悪化する問題があった。
【0006】
上記問題点を解決するために、チタンテトライソプロポキシドなどの有機チタンにポリオール、プロピレングリコールやアセチルアセトンなどのキレート剤を混合させチタンキレートを形成することにより、水蒸気との反応を抑制させる方法はよく知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0007】
しかし、上記文献で記載された成膜方法はスプレー法やゾルゲル法であり、CVD法については何ら触れられていない。CVD法では原料ガスを気相状態で供給しなければならないというCVD法特有の課題を有しているため、スプレー法やゾルゲル法と同等に扱うことはできない。
【0008】
これに対し、チタンキレートを気化し原料ガスとすることによりCVD法で酸化チタン膜を形成する方法において、チタンテトライソプロポキシドなどの有機チタンに、有機チタンに対してモル比で0.02〜1.5倍のグリコールなどのキレート剤を混合させチタンキレートを形成し、水蒸気との反応を抑制する方法が記載されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
しかし、特許文献4には、チタン化合物とキレート剤とをあらかじめ混合し、液相でチタンキレートを形成した後気化させる方法が記載されている。チタンキレートは、キレート化されていない有機チタンに比べて一般的に蒸気圧が低く、気化する時に非常に高い温度を必要とする反面、チタン化合物やキレート剤と比較して不安定であり分解しやすいという特質を有している。そのため、気化するために高温の気化器へチタンキレートを通すことによりチタンキレートが分解しやすくなる問題がある。
【0010】
また、高温の気化器を用いずに、非反応性ガスをバブリングすることによりチタンキレートを気化させ、原料ガスとする方法も考えられる。しかし、この方法では、キレート化された有機チタンとキレート化されていない有機チタンなどの蒸気圧の違いによって、原料液の組成が経時的に変化し、組成が安定した膜を形成することが困難となる。
【0011】
また、特許文献4に記載の方法では、キレート剤の含有量が少ないため、配管内部の酸化チタン付着を抑制する効果はあるが、成膜室や排出口の酸化チタン付着を抑制する効果はない。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−12422号公報
【特許文献2】
特開2001−261338号公報
【特許文献3】
特公平7−25572号公報
【特許文献4】
特開平11−11981号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、CVD法による酸化チタン膜の製造方法において、成膜速度を低下させることなく、原料ガスの供給配管、成膜室および排出口のいずれの場所においても微粉の発生を抑制できる酸化チタン膜の製造方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CVD法により酸化チタン膜を基体上に形成する酸化チタン膜の製造方法であって、チタンアルコキシドと、該チタンアルコキシドの1モルに対し1.7〜30モルの割合のグリコールとを別々に気化させ、混合することにより形成されたチタンキレートを基体上に吹付けることにより酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
CVD法の原料ガス源として用いられるチタンアルコキシドは、一般的に水酸基を有する分子との反応性が速く、水蒸気と混合させることにより、下記の式に従い、水酸基を有するチタン分子が形成される。
【0016】
【化1】
Figure 2004196618
【0017】
前記水酸基を有するチタン分子は次々にお互いのチタン分子と結合し、固体の酸化チタンを形成する。この酸化チタンが原料ガス配管や成膜室に付着する微粉となり、目詰まり等に対するメンテナンスの回数を増加させ、生産性を悪化させる原因となる。
【0018】
チタンアルコキシドをキレート剤であるグリコールと混合させると、グリコールが有する2つの水酸基がチタンにキレート結合したチタン分子、つまりチタンキレートが形成される。このチタンキレートからグリコールを分離させるためには、同時に2分子以上の水分子を反応させる必要があるため、水蒸気との反応性は著しく低下する。
【0019】
この反応性の低下を利用することにより、酸化チタンの微粉の発生を防止し、生産性の悪化を防ぐことができると考えられる。具体的には、水蒸気の存在しない条件でチタンアルコキシドとグリコールとを反応させチタンキレートを形成し、チタンキレートを主成分とする原料ガスを基体上に吹付ければ、配管のみならず、成膜室や排出口においても酸化チタンの微粉の発生を抑制させることができると考えられる。
【0020】
チタンキレートを気化させる場合、高温の気化器による方法とバブリングによる方法が考えられる。しかし、前述したように、高温にするとチタンキレートが分解しやすくなる問題があり、バブリングでは膜の組成が安定しにくいという問題がある。
【0021】
本発明においては、上記問題点を解決するために、チタン化合物とキレート剤とを別々にあらかじめ気化させた後、気体となったチタン化合物とキレート剤とを配管途中で混合することで、安定したチタンキレートを形成できることを見出した。
【0022】
キレートチタンを形成するキレート剤としては、グリコール(2価アルコール)の他に、1価アルコールや3価アルコール類なども候補として挙げられる。しかし、1価アルコールを用いても、1価アルコールはチタン分子に対しOH基1個で結合するため、前述したような水蒸気との反応は抑制できない。また、3価アルコールでは、チタンアルコキシド1分子に3個以上のOH基のすべてを結合することは立体構造上困難であるため、チタンと結合した2つの水酸基以外の残りの水酸基は、別のチタンアルコキシドと結合することとなる。この結果、3価アルコールはチタンアルコキシド同士を結合させる架橋剤の働きをするため、チタンアルコキシド同士の重合が促進され、逆に酸化チタンの微粉の発生を増加させることとなる。以上のことから、本発明においてはキレート剤としてグリコールを用いる。
【0023】
本発明においては、グリコールの中でも、分子中の水酸基が結合した炭素原子が他の炭素原子などの原子を介して結合したグリコール、つまりβ−グリコールであることが好ましい。チタンアルコキシドと2個の水酸基とが結合した際に、6角形の安定した分子配置をとるため、水蒸気との反応性はさらに著しく低下するからである。β−グリコールとしては、具体的には、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが好ましい。この中で、2−メチル−2,4−ペンタンジオールは安価で購入でき、かつ蒸気圧も他のグリコールと比して高いため気化しやすく、高温の基板上で迅速に分解するため成膜速度が速いなどの利点があり、特に好ましい。
【0024】
本発明に用いられるチタンアルコキシドは、チタンテトラアルコキシドが代表的なものとして挙げられる。前記チタンテトラアルコキシドとしては、そのアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基など、一般にC2n+1O−で示されるアルコキシ基を有する4官能位のものであって、アルコキシ基を複数種有するものも含まれる。
【0025】
前記チタンキレートは、1モルのチタンアルコキシドに対し1.7〜30モルの割合でグリコールを混合することにより形成される。1.7モル未満では、水蒸気とチタンキレートとの反応性の抑制の度合いが少なく、成膜室や排出口に付着する酸化チタンを抑制する効果は十分でない。また、30モル超では、形成された酸化チタン膜中に残存する炭素量が増大し、形成された酸化チタン膜の透明性が失われるため好ましくない。特に好ましくは、1.7〜10モル、さらには1.9〜5モルの割合である。例えば、チタンテトライソプロポキシドと2−エチル−1,3−ヘキサンジオールとを混合した場合、チタンキレートとしてヘキシレングリコールチタネートが形成される。他のチタンキレートの例として、チタンアセチルアセトネート、オクチレングリコールチタネートが挙げられる。
【0026】
本発明においては、グリコールとチタンアルコキシドとを別々に気化させ、混合させることにより形成されたチタンキレートを基体上に吹付けることで酸化チタン膜を形成する。本発明においては、上記チタンキレートをそのまま原料ガスとして用いることもできるが、チタンキレートに他の添加剤を添加し原料ガスとすることもできる。添加剤としては、混合することによりチタンキレートを分解しない溶媒であれば特に限定されず、具体的にはベンゼンなどが挙げられる。また、原料ガス中にチタンキレートが10〜100質量%含まれることが流動性の点で好ましい。
【0027】
原料ガスを吹付ける基体の温度は、成膜速度を上げるために350〜600℃であることが好ましい。350℃未満では成膜速度が著しく減少するため好ましくなく、600℃超ではキレート剤が成膜室内で熱分解し酸化チタンの微粉を発生させるため好ましくない。特に450〜550℃であると、形成されたチタンキレートの分解速度が上昇し、成膜速度が上昇するため好ましい。
【0028】
酸化チタン膜形成時の成膜室内の圧力は、減圧でもよく大気圧でもよく特に限定されないが、減圧時は原料濃度が減少し、微粉の発生は少なくなる傾向であるため、本発明の効果は、0.1〜1.5atmといった比較的高い圧力でより顕著である。
【0029】
本発明は、特にフロート法等、公知のガラス製板法によって生産される徐冷前および徐冷中の板ガラス表面に、連続して酸化チタン被膜を被覆する場合に適しており、形成された酸化チタン被膜付き基体は、太陽電池用基板ガラスや光触媒性能を有するガラスなどとして有用である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例(例1、2、4、5、7)及び比較例(例3、6、8〜10)を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
(例1)
図1に示すCVD装置を用いて、ガラス基板上に酸化チタン膜を形成した。まず、チタンアルコキシドとしてチタンテトライソプロポキシドをタンク10に、グリコールとして2−メチル−2,4−ペンタンジオールをタンク20に入れ、タンク10、20をそれぞれ90℃に加熱し、乾燥窒素を用いてバブリングにより別々に気化させた。気化したチタンテトライソプロポキシドのガスと2−メチル−2,4−ペンタンジオールのガスとを200℃に加熱した混合管30内で混合し、チタンキレートであるヘキシレングリコールチタネートを形成した。このとき、チタンテトライソプロポキシドのガスの搬送ガス流量は100ccmであり、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのガスの搬送ガス流量は200ccmであり、1モルのチタンテトライソプロポキシドに対し、2−メチル−2,4−ペンタンジオールは7.9モル混合されるように調整した。
【0032】
酸化チタン膜を成膜する成膜室は、以下のとおり準備した。内径40φの石英管40内に設置したヒーター50の上に25×50mmの大きさのガラス基板60をのせ、ガラス基板60を500℃に加熱した。成膜室は図示しないポンプにより、圧力を調整することができ、かつ余分な原料ガスを排出口45から排出できるようになっている。混合したガスをノズル70から15分間ガラス基板60上に吹付け、酸化チタンの膜を作成した。成膜と同時に、石英管40の先端80から、酸化ガスとして酸素を400ccm流入させた。このときの成膜室の圧力は0.98atmであった。成膜したガラス基板60上の酸化チタンの付着量は140μgであった。
【0033】
成膜後、原料ガスの供給配管に付着した酸化チタンの微粉の量および成膜したガラス基板60の下流側の石英管内部に付着した酸化チタンの微粉の量を目視で判断した。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。酸化チタンの微粉の付着量の評価の指標は以下のとおりである。○:付着が全くない、△:細かい微小の微粉の付着が見られた、×:明らかな付着が見られた。
【0034】
(例2)
チタンテトライソプロポキシドのガスの搬送ガス流量を200ccmとし、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのガスの搬送ガス流量を100ccmとした以外は例1と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0035】
(例3)(比較例)
チタンテトライソプロポキシドのガスの搬送ガス流量を250ccmとし、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのガスの搬送ガス流量を50ccmとした以外は例1と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0036】
(例4)
酸化ガスとして、酸素の替わりに50℃でバブリングにより気化させた水蒸気を用いる以外は例1と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に記載に示す。
【0037】
(例5)
チタンテトライソプロポキシドのガスの搬送ガス流量を200ccmとし、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのガスの搬送ガス流量を100ccmとした以外は例4と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に記載に示す。
【0038】
(例6)(比較例)
チタンテトライソプロポキシドのガスの搬送ガス流量を250ccmとし、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのガスの搬送ガス流量を50ccmとした以外は例4と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0039】
(例7)
2−メチル−2,4−ペンタンジオールの替わりに2−メチル−1,3−ヘキサンジオールを用い、バブリング温度を130℃とした以外は例1と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0040】
(例8)(比較例)
2−メチル−2,4−ペンタンジオールを用いず、乾燥窒素のみを用いる以外は例1と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0041】
(例9)(比較例)
2−メチル−2,4−ペンタンジオールのかわりの1価アルコールであるイソプロパノールを用い、搬送ガス速度を50ccmとし、バブリング温度を30℃とした以外は例2と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0042】
(例10)(比較例)
2−メチル−2,4−ペンタンジオールのかわりのβ−ケトンであるアセチルアセトンを用いる以外は例1と同様の成膜条件とし、酸化チタン膜を成膜後、膜の評価を行った。成膜条件と評価結果を表1および表2に示す。
【0043】
【表1】
Figure 2004196618
【0044】
【表2】
Figure 2004196618
【0045】
表1の結果により、キレート剤としてグリコールを用い、かつチタンテトライソプロポキシドに対するグリコールのモル比が1.7倍以上であると、原料ガスの供給配管のみならず、ガラス基板60の下流側の石英管内部にも酸化チタンの微粉の付着がみられず、グリコールに微粉発生抑制効果があることが確認できる。さらに、例4、例5より明らかなように、水蒸気のような酸化チタンの微粉が発生しやすいような酸化ガスを用いた場合であっても、原料ガスの供給配管のみならず、ガラス基板60の下流側の石英管内部や排出口にも酸化チタンの微粉の付着がみられず、微粉発生抑制効果が十分であった。
【0046】
これに対し、1価アルコールやβ−ケトンをキレート剤として用いた例9、例10では、原料ガスの供給配管には酸化チタンの微粉の付着がみられなかったが、ガラス基板6の下流側の石英管内部には酸化チタンの微粉の付着がみられ、微粉発生抑制効果が不十分であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、グリコールを所定量用いることにより、酸化チタン膜をCVD法で、成膜速度を低下させることなく成膜することができる。また、原料ガスの供給配管、成膜室および排出口のいずれの場所においても、酸化チタンの微粉の付着を抑制できるため、装置に必要な掃除等のメンテナンスを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるCVD装置の概略図
【符号の説明】
10、20:タンク
30:混合管
40:石英管
45:排出口
50:ヒーター
60:ガラス基板
70:ノズル
80:先端

Claims (3)

  1. CVD法により酸化チタン膜を基体上に形成する酸化チタン膜の製造方法であって、チタンアルコキシドと、該チタンアルコキシドの1モルに対し1.7〜30モルの割合のグリコールとを別々に気化させ、混合することにより形成されたチタンキレートを基体上に吹付けることにより酸化チタン膜を形成する酸化チタン膜の製造方法。
  2. 前記グリコールが、β−グリコールである請求項1に記載の酸化チタン膜の製造方法。
  3. 前記グリコールが、2−メチル−2,4−ペンタンジオールである請求項1または2に記載の酸化チタン膜の製造方法。
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