JP2004196418A - ガゼット袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガゼット袋を損傷させることなく、ガゼット袋の底部を折り曲げさせて、安定して自立性させる。
【解決手段】対向する一対の平面部3と、折り襞状に形成されてその折り線が互いに対応するように内方に折り込まれ、前記平面部3の側縁同士を接続している一対の側面部4とを有するガゼット袋において、このガゼット袋の底部に、内容物が収容される収容部10より外縁側に、当該ガゼット袋の底部を折り曲げて平坦面を容易に形成させる折り曲げ補助部30を形成し、折り曲げ補助部30を、このガゼット袋の幅方向に延びる線状切り込みと、この線状切り込みの両端に形成された亀裂伝播防止部とで形成し、少なくとも前記平面部又は前記側面部の一方に設ける。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部の収容部に内容物を収容させた際に、安定した自立性を発揮するガゼット袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自立性の確保された包装袋としては、スタンディングパウチ、フラットボトムタイプのガゼット袋が知られている。これらの包装袋は、高い自立性を確保するために底面部を平坦な部材を用いて形成するなどの工夫がなされている。
【0003】
一方、平坦な底面部を有しない包装袋についても、包装袋の底部を折り曲げることで、内容物が収容された際に底部を平坦にさせて自立性を確保しているガゼット袋がある。かかるガゼット袋にあっては、ガゼット袋の底部について、内容物が収容される収容部の外側に平面部と側面とを三角形状にヒートシールして、これらヒートシール部に左右に延びるミシン目状の折り曲げ手段を形成し、ガゼット袋の底部を容易に折り曲げることができるように構成したものがすでに開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−199452号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、折り曲げ手段を上記先行技術のように、左右に延びる直線上に形成すると、この折り曲げ手段が左右に伝播し、ガゼット袋の底部を切り裂いてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、ガゼット袋を損傷させることなく、ガゼット袋の底部を折り曲げさせて、安定した自立性を確保できるガゼット袋を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、対向する一対の平面部と、折り襞状に形成されてその折り線が互いに対応するように内方に折り込まれ、前記平面部の側縁同士を接続している一対の側面部とを有するガゼット袋において、このガゼット袋の底部には、内容物が収容される収容部より外縁側に、当該ガゼット袋の底部を折り曲げて平坦面を容易に形成させる折り曲げ補助部が形成され、この折り曲げ補助部は、このガゼット袋の幅方向に延びる線状切り込みと、この線状切り込みの両端に形成された亀裂伝播防止部とを、少なくとも前記平面部又は前記側面部の一方に形成して設けたガゼット袋を採用した。
【0008】
なお、上記折り曲げ補助部は、少なくとも前記平面部又は前記側面部の一方に形成された、複数の微細な孔の集合体からなる粗面部であるガゼット袋を採用してもよい。
【0009】
このように、折り曲げ補助部を設けることで、その部位の剛性が低下され、ガゼット袋の底部が容易に折り曲げられる。底部が折り曲げられることで平坦に形成され、高い自立性をガゼット袋に与えることができる。なお、折り曲げ補助部を、このガゼット袋の幅方向に延びる線状切り込みと、この線状切り込みの両端に形成された亀裂伝播防止部とで設けた場合には、亀裂の発生及び伝播を亀裂伝播防止部が効果的に阻止する。
【0010】
なお、上記折り曲げ補助部をこのガゼット袋の幅方向に延びる線状切り込みと、この線状切り込みの両端に形成された亀裂伝播防止部とで形成した場合、前記亀裂伝播防止部を、前記線状切り込みと連続する円弧状の切り込みで形成してもよい。この場合、円弧部の端縁部における折線方向をガゼット袋の下方に向くように形成すれば亀裂の伝播を防止し、たとえ亀裂が発生した場合でも、収容部に伝播することを防止できる。
【0011】
上記ガゼット袋において、前記折り曲げ補助部を、前記側面部に形成された折り線を境として、このガゼット袋の厚み方向に関して片側に位置する平面部又は側面部の少なくとも一方に形成したり、一方の前記平面部と、前記側面部のうち、その中央に形成された折り線より他方の前記平面部側の部位とに形成することで、折り曲げ方向の決定手段としての機能を発揮させることができる。
【0012】
さらに、本発明では上記ガゼット袋において、前記折り曲げ補助部の形成された位置には、前記底部が折り曲げられた際に折り曲げの内側に位置する側の面が、凹状に形成された折り目が、前記折り曲げ補助部と重ね合わされて形成されていることを特徴とする。この折り目を別途設けることで、折り曲げの方向性を決定させることができ、凹状に形成された面を内側にしてガゼット袋の底部を折り曲げることができる。
【0013】
また、本発明では上記課題を解決するために、対向する一対の平面部と、折り襞状に形成されてその折り線が互いに対応するように内方に折り込まれた一対の側面部とを有し、これら平面部並びに側面部により形成される四つの稜線の内面同士を熱融着して筒体を形成し、さらにこの筒体の上端縁及び下端縁を熱融着すると共に、熱融着された前記下端縁と熱融着された前記稜線とを結ぶように前記平面部と前記側面部の内面同士とそれぞれを熱融着して三角形状のシール部が形成されたガゼット袋において、これら三角形状のシール部のうち、少なくとも一方の前記平面部と側面部とが熱融着されたシール部について、当該ガゼット袋の底部を折り曲げて平坦面を容易に形成させる折り曲げ補助部が形成され、この折り曲げ補助部が、少なくとも1条のミシン目であり、このミシン目は、このガゼット袋の底部が折り曲げられる折り線の形成される位置に設けられた直線部と、この直線部の両端に形成された円弧部とから構成されているガゼット袋を採用した。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、1つの実施形態にかかるガゼット袋1Aの平面図を示している。このガゼット袋1Aは、対向する一対の平面部3,3と、この平面部3,3の両側縁同士を接続する一対の側面部4,4とからなる袋本体2Aを備えている。また、袋本体2Aの上縁には、内容物を注出させる注出器20が取り付けられている。
【0016】
袋本体2Aを構成する平面部3,3は、矩形状に形成されたフィルム材がそれぞれ使用されており、これらを対向させて袋本体2Aの前面部と背面部とを構成している。一方、側面部4,4は、矩形状のフィルム材が二つ折りにされて、中央に折り線5,5が設けられるように折り襞状に形成されており、中央の折り線5,5が互いに対向されるようにして配置されている。各平面部3,3の側縁と各側面部4,4の側縁とは熱融着されて、袋本体2Aの両側部にヒートシール部6,6が形成されている。また、袋本体2Aの上縁部並びに下縁部についても、これら平面部3,3と側面部4,4とが熱融着されて上部ヒートシール部7並びに下部ヒートシール部8がそれぞれ形成されている。このように平面部3,3と側面部4,4とが熱融着されて、この袋本体2Aはこれらの内側を内容物を収容させる収容部10として構成している。
【0017】
なお、平面部3,3並びに側面部4,4を形成するフィルム材は、複数の部材を積層してなるラミネートフィルムが使用されている。たとえば、袋本体2Aの外側から、
PET(12μ)/DL/Al(9μ)/DL/ON(15μ)/DL/CPP(50μ)
又は、
PET(12μ)/DL/ON(15μ)/DL/Al(9μ)/DL/CPP(50μ)
としたラミネートフィルムが使用されている。
【0018】
外層は、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系等の合成樹脂からなるフィルムを用いることができる。また、これらのフィルムとしては、未延伸フィルムあるいは1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。なお、フィルムの厚さとしては必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決めればよく、上述した12μmのものに限定されず、通常12〜25μm程度であればよい。また、外層として使用する合成樹脂製フィルムは、その内層側に印刷が施されることもあるために、使用する合成樹脂製フィルムは印刷適性が求められ、1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルムを使用するとよい。また、必要に応じて合成紙、セロハン、紙、あるいは、不織布等も適宜使用することができる。
【0019】
一方、内層としては、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することができ、その厚さとしては、30〜200μmが適当である。
【0020】
さらに、バリヤー層としては、アルミ箔層の他に、たとえば、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしはアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルムなどを用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。尚、この基材の厚さとしては、ガゼット袋として要求される機能を満たすことができればよく、必要に応じて適宜選ぶことができる。なお、このバリヤー層は、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性を確保する。
【0021】
バリヤー性を確保する為に、これらのようにアルミ箔層を設ける代わりに、最外層に蒸着層を設け、
蒸着PET(12μ)/DL/ON(15μ)/DL/CPP(50μ)
としたラミネートフィルムを使用してもよい。
【0022】
蒸着層として、たとえばアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が使用される。
【0023】
一方、注出器20は、袋本体2Aの上縁から内部に挿入されるようにして取り付けられた注出管21と、この注出管21の上部に螺合せしめて注出管21の注出口を密閉させるキャップ22とから構成されている。この注出器20は、注出管21が平面部3,3の上縁同士に挟み込まれ、注出管21の外周面と平面部3,3の内面との間に隙間が形成されることのないように、ヒートシール部7により相互に密着されている。
【0024】
袋本体2Aの底部に設けられたヒートシール部8は、その中間部分8aに関しては袋本体2Aの下縁に沿って一定の幅に形成されている。一方、ヒートシール部8の両側部分8b,8bは、内部の収容部10と斜めに境界が形成されるように、その上縁部が両側部のヒートシール部6,6に向けて斜め上方に延びており、三角形状に形成されている。このため収容部10の下部は袋本体2Aの下縁から上方に向かうにつれ末広がりに形成させている。
【0025】
そして、袋本体2Aの底部には、収容部10より外縁側に、この底部を容易に折り込ませるための折り曲げ補助部11,11が設けられている。なお、このガゼット袋1Aでは、この折り曲げ補助部11,11が、ヒートシール部8の両側部分8b,8bにて、熱融着されて平面部3,3に挟み込まれた側面部4,4に貫通孔を形成することで設けている。この折り曲げ補助部11,11は、長円状に形成されており、その長軸方向を袋本体2Aの左右に延びるようにして、側面部4,4に形成されている。即ち、折り曲げ補助部11,11の上下の外縁部分は左右に延びる直線をなす一方で、左右両端の外縁部分は円弧状に形成されている。なお、この実施形態では、図2に示すように、側面部4,4のみに長円状の折り曲げ補助部11,11を形成し、その外部は平面部3,3によりカバーされている。このため、平面部3,3側から見た場合に、この折り曲げ補助部11,11は平面部3,3により隠蔽されている。
【0026】
なお、図3に示すように、この折り曲げ補助部11,11を利用して、対向する平面部3,3同士を互いに貼り合わせてもよい。この折り曲げ補助部11,11を、平面部3,3同士の貼合わせ部として兼用することで、袋本体2Aの底部について、側面部の端縁を切り欠いて、この切り欠かれた部分にて平面同士を貼り合わせていた従来の方法のように別途貼合わせ部を設けることなく、平面部3,3同士を一体にすることができる。
【0027】
さらに、この袋本体2Aの底部には、当該底部の折り曲げ部分に対応する位置に、袋本体2Aの左右に延びる折り目12が形成されている。この折り目12は、底部の折り曲げ方向を決定するものであり、図4に示すように、底部が折り曲げられる方向の平面部3,3側が凹部12aに、その逆側が凸部12bになるように、袋本体2Aを型にはめてプレスすることで形成されている。なお、図1では、この折り目12が、折り曲げ補助部11,11の上縁と同位置に形成された態様を示しているが、これに限定されるものではなく、袋本体2Aの上下方向において、折り曲げ補助部11,11と交わる範囲であればいずれの位置に形成してもよい。
【0028】
図5は、以上の構成を有するガゼット袋1Aについてその底部を折り曲げた状態を示している。袋本体2Aの底部は、左右両側に形成された折り曲げ補助部11,11によりその剛性が低下されると共に、折り目12により折り癖が形成されているため、容易に折り曲げられて平坦に形成される。なお、折り目12は、袋本体2Aの一面側が凹部12aに、他面側が凸部12bに形成されているため、凹部12aに形成された面が折り込みの内側に位置するように底部を折り込ませる。そして、一度折り込まれると、折り目12により形成された折り癖の効果により、袋本体2Aの底部が元の状態に戻されることも防止し、袋本体2Aの平坦な状態が維持される。これにより、高い自立性を確保することができる。
【0029】
なお、折り曲げ補助部11を形成する部位は、図2に示す態様には限定されない。
【0030】
図6は、折り曲げ補助部11を形成する部位の態様を一覧図として表したものである。なお、この図6に示す態様では、折り曲げ補助部11は、すべて、内容物が収容される収容部10より袋本体2Aの外縁側に形成されている。
【0031】
図6(a)は、双方の平面部3a,3bにのみ長円状の貫通孔11a,11aを形成して折り曲げ補助部11を形成し、各平面部3a,3bの内面に、側面部4を熱融着した状態を示している。
【0032】
図6(b)は、側面部4にのみ長円状の貫通孔11a,11aを形成して折り曲げ補助部11を形成したものである。この折り曲げ補助部11は、側面部4の折り線5を境に、一方の平面部3a側に貫通孔11aを形成して設けられている。このように、折り線5を境に一方の平面部3a側にのみ貫通孔11aを形成して折り曲げ補助部11を設けることで、袋本体2Aの底部は、この平面部3a側を内側に折り込ませる方向に折り曲げ易くなる。即ち、このように折り曲げ補助部11を形成することで、折り曲げ方向を図の矢印の方向に決定する機能を発揮する。なお、上記の折り目12の凹部12aをこの折り曲げ補助部11の形成された平面部3a側に位置させれば、一層、折り曲げやすい構造となる。
【0033】
図6(c)は、一方の平面部3aのみに長円状の貫通孔11aを形成して折り曲げ補助部11を設けた態様を示している。この場合についても、袋本体2Aの底部は、この平面部3a側を内側に折り込ませる方向に折り曲げ易くなる。即ち、折り曲げ方向を矢印の方向に決定する機能を発揮する。なお、この態様に関しても、上記の折り目12の凹部12aをこの折り曲げ補助部11を構成する貫通孔11aの形成された平面部3a側に位置させれば、一層、折り曲げやすい構造となる。
【0034】
図6(d)は、一方の平面部3bと、側面部4のうち、その中央に形成された折り線5より他方の平面部3a側に位置する部位4bとに長円状の貫通孔11a,11aをそれぞれ形成して折り曲げ補助部11を形成している。このように貫通孔11a,11aを折り線5に対して非対称となるように配置させて折り曲げ補助部11を形成することで、袋本体2A部の底部は一方の平面部側へ相対的に折り曲げやすくなる。即ち、図の矢印の方向へ折り曲げ方向を決定する機能を発揮する。そして、折り目12の凹部12aを他方の平面部3b側へ位置させれば、双方の相乗効果により折れ曲がり容易性を向上させることができる。
【0035】
図6(e)は、側面部4に形成された折り線5を境として、この袋本体2Aの厚み方向に関し、片側に位置する平面部3a及び側面部4の部位4aの双方に長円状の貫通孔11aを形成して折り曲げ補助部11を設けている。このように貫通孔11aを配置させることで、袋本体2A部の底部は一方の平面部3a側へ相対的に折り曲げやすくなる。即ち、図の矢印の方向へ折り曲げ方向を決定する機能を発揮する。そして、この態様についても、折り目12の凹部12aを一方の平面部3a側へ位置させれば、双方の相乗効果により折れ曲がり容易性を向上させることができる。
【0036】
図6(f)は、側面部4に形成された折り線5を境として、この袋本体2Aの厚み方向に関し、両側に位置する平面部3a,3b及び側面部4の双方の部位4a,4bのいずれにも長円状の貫通孔11a,11aを形成して折り曲げ補助部11を設けている。これにより、袋本体2Aにはその厚み方向に貫通された貫通孔が形成され、この位置の剛性を低下させている。
【0037】
以上のように、貫通孔を少なくとも平面部又は側面部の少なくとも一方に形成して種々の折り曲げ補助部を形成することができる。なお、上述のガゼット袋では、長円状の貫通孔で折り曲げ補助部を形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、矩形状の貫通孔や円形の貫通孔で折り曲げ補助部を形成しても構わない。
【0038】
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態にかかるガゼット袋1Bの正面図を示している。
【0039】
このガゼット袋1Bも、対向する一対の平面部3,3及び、折り襞状の一対の側面部4,4から構成される袋本体2Bと、袋本体2Bの上縁部に取り付けられた、注出管21並びにキャップ22からなる注出器20とから構成されている。なお、この第2の実施形態にかかるガゼット袋1Bに関し、第1の実施の形態にかかるガゼット袋1Aと同様な構成部分については、同符号を付してその説明を省略する。
【0040】
このガゼット袋1Bについても、折り曲げ補助部30,30が、袋本体2Bの底部の左右両側にて、収容部10より外縁側の位置に設けられている。この折り曲げ補助部30,30は、図8に示すように、双方の平面部3,3に袋本体2Bの左右に延びる線状切り込みとその両端に設けられた亀裂伝播防止部とを形成して設けられている。
【0041】
この折り曲げ補助部30は、図9に示すように、左右に延びる線状切り込みとしての直線部31と、この直線部31の両端部にて下側に向けて円弧状に湾曲された、亀裂伝播防止部としての円弧部32,32とから構成されている。
【0042】
直線部31は、折り目12の形成位置と一致されて設けられており(図7参照)、両者の機能を相乗的に発揮させることで、袋本体2Bの底部を極めて容易に折り曲げやすくしている。なお、折り目12は、図10に示すように、底部が折り曲げられる方向の平面部3側が凹部12aに、その逆側が凸部12bになるように、袋本体2Bを型にはめてプレスすることで形成される。一方、円弧部32,32は直線部31の両端と連続して、袋本体2Bの下方に向けて湾曲するように形成されている。これら円弧部32,32の端縁部33,33は、各端縁部での接線45,45の延びる方向が直線部31の延びる方向と直角となる位置まで延びている。
【0043】
このように形成された折り曲げ補助部30を有するガゼット袋1Bでは、袋本体2Bの底部が、折り曲げ補助部30の直線部31を基線として折り曲げられる。直線部31が形成されている位置では、折り曲げ補助部30によりフィルム材の剛性が低下されると共に、折り目12により折り癖が形成されているため、袋本体2Bの底部は、両者の相乗効果により極めて容易に折り込まれる。なお、折り曲げられる方向は、折り目12の凹部12a、凸部12bが形成される方向により決定される。即ち、折り目12の凹部12a側が内側に折り込まれる方向に底部は折り込まれる。また、一度折り込まれると、折り目12により形成された折り癖の効果により、袋本体2Bの底部が元の状態に戻されることをも防止し、袋本体2Bの平坦な状態が維持される。これにより、高い自立性を確保することができる。
【0044】
また、直線部31の両端に形成された亀裂伝播防止部としての円弧部32,32は、当該折り曲げ補助部30から亀裂が発生したり、亀裂が伝播することを効果的に防止している。もし、折り曲げ補助部30を直線部31のみで形成した場合、袋本体2Bの底部を折り曲げることにより、直線部31の端縁に応力集中が生じ、直線部31の端縁から亀裂がするが進展するおそれがある。しかしながら、この実施形態にかかる折り曲げ補助部30のように直線部31の両端に円弧部32,32を設けているため、円弧部32,32が応力集中の生じることを効果的に防止している。なお、円弧部32,32の端縁部33,33から亀裂が伝播するおそれも若干あるが、たとえ亀裂が生じた場合でも、この端縁部33,33での接線45,45の方向が袋本体2Bの下方に向けられているので、亀裂自体も袋の下方に進展し、内容物の収容された収容部10に達することは防止される。
【0045】
なお、折り曲げ補助部は、図11に示すように形成してもよい。この図11に示す折り曲げ補助部30も、折り目12上に形成された線状切り込みとしての直線部31と、直線部31の両端から袋本体2Bの下方に湾曲するように形成された亀裂伝播防止部としての円弧部34,34とから構成されている。各円弧部34,34は、各端縁部35,35における接線46,46の延びる方向と、直線部31とのなす角θが鋭角になる位置まで端縁部35,35が円周方向に延ばされている。
【0046】
この図11に示す折り曲げ補助部30についても、円弧部34,34が応力集中の発生を防止し、亀裂の発生並びに伝播を効果的に阻止している。
【0047】
さらに、折り曲げ補助部30は、連続線により形成された線状切り込みに限定されるものではなく、図12に示すようにミシン目で形成しても構わない。ミシン目により折り曲げ補助部30を形成する場合にも、折り目12上に形成される直線部31aと、この直線部31aの両端から袋本体2Bの下方に湾曲するように形成された円弧部36,36とで構成する。
【0048】
円弧部36,36の端縁部37,37が設けられる位置は、端縁部37,37での接線47,47の方向と直線部31の延びる方向とが直角に形成されるか、あるいは、直角より小さい鋭角に形成される位置まで延びている。
【0049】
以上、線状切り込みを直線状に形成すると共に、亀裂伝播防止部を円弧状に形成したものについて説明したが、これに限定されるものではない。
【0050】
図13は、線状切り込み38を曲率の大きな円弧状に形成する一方で、亀裂伝播防止部39,39を円形にくり抜いて形成した折り曲げ補助部30の態様を示している。円弧状の線状切り込み38は、その位置が折り目12の形成された位置とほぼ一致するようにして形成されている。一方、亀裂伝播防止部39,39は、線状切り込み38の両端にて、この線状切り込み38と連続するようにして形成されている。このようにして折り曲げ補助部30を形成した場合でも、袋本体2Bの底部を線状切り込み38の位置で折り曲げることができると共に、円形の亀裂伝播防止部39,39が亀裂の発生及び伝播を効果的に阻止する。
【0051】
さらに、図14に示すように折り曲げ補助部30を形成してもよい。
【0052】
この図14に示す折り曲げ補助部30は、曲率の大きな円弧状に形成された線状切り込み40と、この線状切り込み40の両端に形成された亀裂伝播防止部としての円弧部41,41から構成されている。この亀裂伝播防止部としての円弧部41,41は、線状切り込み40に対して上方に向けて湾曲している。しかしながら、これらの端縁部42,42に関しては、その接線の延びる方向が袋本体2Bの下向きとなる位置まで円周方向に延ばされている。
【0053】
以上、折り曲げ補助部を平面部3,3の双方に形成した態様を例に説明したが、この第2の実施形態に関しても、その他に図15(a)〜図15(f)に示すように少なくとも平面部3a,3b又は側面部4の一方に折り曲げ補助部を形成することができる。この場合についても、図15(b)、図15(c)、図15(e)に示すように、袋本体の厚み方向に関し、折り曲げ補助部30を側面部4に形成された折り線5に対して片側の平面部3a側にのみ形成することで、底部の折り曲げ方向を決定する手段として機能させることができる。また、図15(d)に示すように、一方の平面部3d及び、側面部4のうち折り線5より他方の平面部3a側の部位4aに折り曲げ補助部30を設けること、即ち、袋本体の厚み方向に関し、折り線5に対して非対称となるように形成することでも、底部の折り曲げ方向を決定する手段として機能させることができる。
【0054】
[第3の実施形態]
図16は、本発明の第3の実施形態にかかるガゼット袋1Cの平面図を示している。
【0055】
このガゼット袋1Cも、対向する一対の平面部3,3及び、折り襞状の一対の側面部4,4から構成される袋本体2Cと、袋本体2Cの上縁部に取り付けられた、注出管21並びにキャップ22からなる注出器20とから構成されている。この第3の実施形態にかかるガゼット袋1Cに関して、第1の実施形態並びに第2の実施形態にかかるガゼット袋1Bと同様の構成部分については、同符号を付してその説明を省略する。
【0056】
折り曲げ補助部50,50は、袋本体2Cの底部の左右両側にて、収容部10より外縁側の位置に設けられている。この折り曲げ補助部50,50は、図16及び図17に示すように、ヒートシール部8の両側部分8b,8bに対応する位置について、平面部3,3の表面に粗面部を形成して設けられている。なお、折り目12についても、図18に示すように、袋本体2Cの底部が折り曲げられる方向の平面部3側が凹部12aに、その逆側が凸部12bになるように、袋本体2Cを型にはめてプレスすることで形成される。
【0057】
折り曲げ補助部50,50である粗面部は、複数の微細な孔の集合体であり、図19に示すように、バリヤー層であるアルミ箔層71より外側のPET層70に微細な非貫通孔を複数形成せしめて構成されている。この折り曲げ補助部50,50は、例えば、押圧ローラの表面に所定の粗のサンドペーパーを取り付け、フィルム材をこの押圧ローラに送り込み、その表面にサンドペーパーを押圧することで形成される。なお、この図19に関し、70がPET層、71がアルミ箔層、72がON層、73がCCP層である。
【0058】
このように、粗面部にて折り曲げ補助部50,50を形成した場合でも、この折り曲げ補助部50,50の形成された位置はその剛性が低下され、袋本体2Cの底部をこの位置で容易に折り曲げることが可能となる。また、折り曲げようとする位置には、折り目12により折り癖が形成されているため、この折り目と折り曲げ補助部50,50の相乗効果により袋本体2Cの底部を極めて容易に折り曲げることが可能となる。なお、折り曲げられる方向は、折り目12の凹部12a、凸部12bが形成される方向により決定される。即ち、折り目12の凹部12a側が内側に折り込まれる方向に袋本体2Cの底部は折り込まれる。また、一度折り込まれると、折り目により形成された折り癖の効果により、袋本体2Cの底部が元の状態に戻されることも防止し、袋本体2Cの平坦な状態が維持される。これにより、高い自立性を確保することができる。
【0059】
なお、外層を蒸着PETにした場合には、折り曲げ補助部50A,50Aを、図20に示すように、外層だけでなくその内層にまで達する孔、あるいは貫通する孔により形成しても構わない。なお、アルミ箔層を使用したフィルム材についても、アルミ箔層より内層まで達する非貫通孔又は貫通孔で粗面部を形成しても構わない。このようにフィルム材を貫通するように微細な孔を形成させても、この折り曲げ補助部50,50は収容部より外縁側に設けられているため、内容物に悪影響を与えるおそれはない。なお、この図20に関し、74は、蒸着PET層、72はON層、73はCCP層をそれぞれ表している。
【0060】
以上、折り曲げ補助部を平面部3,3の双方に形成した態様を例に説明したが、この第3の実施形態に関しても、その他に図21(a)〜図21(f)に示すように少なくとも平面部3a,3b又は側面部4の一方に折り曲げ補助部を形成することができる。この場合についても、図21(b)、図21(c)、図21(e)に示すように、袋本体の厚み方向に関し、折り曲げ補助部50を側面部4に形成された折り線5に対して片側の平面部3a側にのみ形成することで、底部の折り曲げ方向を決定する手段として機能させることができる。また、図21(d)に示すように、一方の平面部3b及び、側面部4のうち折り線5より他方の平面部3a側の部位4aに折り曲げ補助部30を設けること、即ち、袋本体の厚み方向に関し、折り線5に対して非対称となるように形成することでも、底部の折り曲げ方向を決定する手段として機能させることができる。
【0061】
なお、平面部3及び側面部4のいずれのフィルム材にこの折り曲げ補助部を形成する場合でも、各フィルム材の外層側から粗面加工が施される。
【0062】
以上、第1の実施形態から第3の実施の形態について、折り曲げ補助部を袋本体の下縁部を密封しているヒートシール部8の両側部分8b,8bの三角形状に形成された部分に設けた態様を例に説明したが、これには限定されない。例えば、同じ両側部分8b,8bでも、収容部10の下端に対応する位置に設けたり、これより下側に設けても構わない。また、左右両側に分けて設けることに限定されるものでもなく、ヒートシール部8の中間部分8aに設けたり、ヒートシール部8の全域にわたり、設けても構わない。
【0063】
なお、これらの折り曲げ補助部は、平面部3として構成されるフィルム材と、これとは別体として設けられた側面部4として構成されるフィルム材とを貼合わさせて袋本体を形成したもの、並びに一枚のフィルム材を折り込んで、平面部3と側面部4とを形成しフィルム材の側縁同士を貼り合わせた背シールタイプのもの、いずれのガゼット袋にも適用させることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、袋本体の底部を極めて容易に折り曲げることができ、しかも折り曲げられた状態を確実に維持させておくことができる。これにより、袋本体の底部を平坦にすることができ、安定した自立性を確保する。
【0065】
また、折り曲げ補助部から亀裂が発生したり、亀裂が伝播することを防止できる。
【0066】
なお、当該折り曲げ補助部を側面部にのみ形成し、この折り曲げ補助部を平面部で隠蔽する構成を採用することで、外観の良好なガゼット袋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかるガゼット袋の平面図。
【図2】図1のII−II断面を示す拡大断面図。
【図3】折り曲げ補助部を貼り合わせ部として機能させた実施例を示す、図1のII−II断面を示す拡大断面図。
【図4】図1のIII−III断面を示す拡大断面図。
【図5】底面を折り曲げた状態のガゼット袋を底部から見た斜視図。
【図6】折り曲げ補助部の態様をまとめた一覧図。
【図7】第2の実施形態にかかるガゼット袋の平面図。
【図8】図7のVIII−VIII断面を示す拡大断面図。
【図9】図7に示すガゼット袋に形成された折り曲げ補助部の一態様を示す図。
【図10】図7のX−X断面を示す拡大断面図。
【図11】図9に示す折り曲げ補助部とは別の態様の折り曲げ補助部を示す図。
【図12】ミシン目で形成された折り曲げ補助部を示す図。
【図13】線状切り込みを円弧状に形成すると共に、亀裂伝播防止部を円形にくり抜いて形成された折り曲げ補助部を示す図。
【図14】亀裂伝播防止部を上向きに湾曲させた態様の折り曲げ補助部を示す図。
【図15】折り曲げ補助部の態様をまとめた一覧図。
【図16】第3の実施形態にかかるガゼット袋の平面図。
【図17】図16のXVII−XVII断面を示す拡大断面図。
【図18】図16のXVIII−XVIII断面を示す拡大断面図。
【図19】折り曲げ補助部が形成された部位の拡大断面図。
【図20】図19とは別の態様の折り曲げ補助部が形成された部位の拡大断面図。
【図21】折り曲げ補助部の態様をまとめた一覧図。
【符号の説明】
1A,1B,1C ガゼット袋
2A,2B,2C 袋本体
3,3a,3b 平面部
4 側面部
5 折り線
6,7,8 ヒートシール部
10 収容部
11,30,50,50A 折り曲げ補助部
12 折り目
20 注出器
31 直線部(線状切り込み)
32,34,36,41 円弧部(亀裂伝播防止部)

Claims (7)

  1. 対向する一対の平面部と、折り襞状に形成されてその折り線が互いに対応するように内方に折り込まれ、前記平面部の側縁同士を接続している一対の側面部とを有するガゼット袋において、
    このガゼット袋の底部には、内容物が収容される収容部より外縁側に、当該ガゼット袋の底部を折り曲げて平坦面を容易に形成させる折り曲げ補助部が形成され、
    前記折り曲げ補助部は、このガゼット袋の幅方向に延びる線状切り込みと、この線状切り込みの両端に形成された亀裂伝播防止部とを、少なくとも前記平面部又は前記側面部の一方に設けたことを特徴とするガゼット袋。
  2. 対向する一対の平面部と、折り襞状に形成されてその折り線が互いに対応するように内方に折り込まれ、前記平面部の側縁同士を接続している一対の側面部とを有するガゼット袋において、
    このガゼット袋の底部には、内容物が収容される収容部より外縁側に、当該ガゼット袋の底部を折り曲げて平坦面を容易に形成させる折り曲げ補助部が形成され、
    この折り曲げ補助部は、少なくとも前記平面部又は前記側面部の一方に形成された、複数の微細な孔の集合体からなる粗面部であることを特徴とするガゼット袋。
  3. 前記亀裂伝播防止部が、前記線状切り込みと連続する円弧状の切り込みであることを特徴とする請求項1に記載のガゼット袋。
  4. 前記折り曲げ補助部は、前記側面部に形成された折り線を境として、このガゼット袋の厚み方向に関して片側に位置する平面部又は側面部の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガゼット袋。
  5. 前記折り曲げ補助部は、一方の前記平面部と、前記側面部のうち、その中央に形成された折り線より他方の前記平面部側の部位とに形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガゼット袋。
  6. 前記折り曲げ補助部の形成された位置には、前記底部が折り曲げられた際に折り曲げの内側に位置する側の面が、凹状に形成された折り目が、前記折り曲げ補助部と重ね合わされて形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガゼット袋。
  7. 対向する一対の平面部と、折り襞状に形成されてその折り線が互いに対応するように内方に折り込まれた一対の側面部とを有し、
    これら平面部並びに側面部により形成される四つの稜線の内面同士を熱融着して筒体を形成し、さらにこの筒体の上端縁及び下端縁を熱融着すると共に、熱融着された前記下端縁と熱融着された前記稜線とを結ぶように前記平面部と前記側面部の内面同士とそれぞれを熱融着して三角形状のシール部が形成されたガゼット袋において、
    これら三角形状のシール部のうち、少なくとも一方の前記平面部と側面部とが熱融着されたシール部について、当該ガゼット袋の底部を折り曲げて平坦面を容易に形成させる折り曲げ補助部が形成され、
    この折り曲げ補助部が、少なくとも1条のミシン目であり、このミシン目は、このガゼット袋の底部が折り曲げられる折り線の形成される位置に設けられた直線部と、この直線部の両端に形成された円弧部とから構成されていることを特徴とするガゼット袋。
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