JP2004195762A - 建築板印刷装置及び建築板 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築板を等速度で搬送させながらインクジェットノズルからのインク噴射タイミングを制御することで意匠面に化粧印刷を施す建築板印刷装置において、発現する色相範囲を広くする。そして、被印刷面をインクドットで埋め尽くすことで、建築板の下地色が見えないように印刷を施す。
【解決手段】建築板の搬送方向に沿ってシアン,マゼンタ,イエロー,クロの各印刷ヘッドHC,HM,KY,HKを建築板の長手方向長さ以上の間隔で配置する。各印刷ヘッドは濃度の異なるインクを噴射する複数のノズルアレイを備える。何れかの濃度のインクを連続して3滴噴射することで、1印刷ドットのドット径を大きし、パンチ力を高める。建築板意匠面の目的画素位置に、1色又は複数色の印刷ドットを重ねることで発現する色相範囲を広くする。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築板を搬送させながら化粧印刷を施す建築板印刷技術に係り、詳しくは、インクジェット技術を利用することで印刷のための版を不要にし、小ロット多品種生産に対応できるようにした建築板印刷装置及び建築板に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特願2002−132182号で、4列のノズルアレイを備え4色のインクを噴射できるようにした印刷ヘッドを横方向(建築板の進行方向と直交する方向)に千鳥状に互い違いに配置することで、建築板を搬送させながらカラー印刷を行えるようにした建築板印刷装置を提案している。この建築板印刷装置は、1個のノズルから噴射される1滴のインクが1画点(ドット)となり、1画素を複数のドットで形成することにより階調表現を行わせることができる。
【0003】
窯業系建築板、例えばセメント板の意匠面に対して、印刷を施そうとする場合、被印刷面である意匠面は、防水性を付与するために塗装が施されている。かかる防水性の付与は、外壁材として使用される場合の雨水の浸透防止に不可欠のものである。セメント板の塗装においては、下塗り(シーラー塗装)や、中塗りによって、その意匠面に防水性が付与されている。
【0004】
したがって、インクジェットフルカラー工業印刷では、下塗り層(シーラー塗装のみを施している状態)や中塗り層(下塗り層の上面に溝部色として全面塗装が施されている状態)の表面における所定の被印刷面に対して印刷を施すことになる。場合によっては、ロールコータによる上塗り層の表面に対して印刷を施すこともある。この上塗り層の色は、インクジェット印刷部分の発色模様との関係から決められる。これに伴って、それらの塗装面の表面が、印刷の下地面になる。
【0005】
ところで、インクジェット印刷では、CMYKのカラーインクドットの集合によって画素を構成し、その画素の集合によって被印刷面上に画像を形成発現させようとするものであるが、その場合に、画素の濃淡表現は、カラーインクドットの面積密度を変化させることによって表現するようになっている。そして、かかるカラーインクドットの面積密度を段階的に変化させることで階調表現が可能となる。
【0006】
ここで問題となるのは、淡色表現の場合である。淡色表現の場合、カラーインクドットの面積密度を粗くするため、当然に、下地の色が目立つようになってきてしまうのである。これが紙に対する印刷の場合には、多くの場合、紙の色が白であるから、下地の色の影響はほとんどない。
【0007】
しかしながら、セメント板の場合、下塗りや中塗りにおいて、たとえ顔料を含まない無色の塗装を行ったとしても、セメント板自体の自然色(多くはグレー色である。)がどうしても下地色として発現され、影響することは避けられない。
【0008】
下地を白色に塗装する方法なども考えられるが、その分、製造上の制約を受けることになってしまう。下地色の影響も考慮に入れて印刷色を計算して決定することも考えられなくもないが、かなりの困難性を伴うカラー計算作業となる。
【0009】
上述したように、下塗り層表面に対して直接にインクジェット印刷を行えば、セメント基板のグレー色が下地色となってしまうために、最終印刷仕上りはその下地色であるグレーの影響を大きく受けてしまう。また、中塗り層表面に対して直接にインクジェット印刷を行う場合についても、同様に、中塗り色(溝部色)が下地色となるために、それが最終印刷仕上りに大きく影響を及ぼしてしまう。
【0010】
このように、ドット密度制御法の場合には、淡色表現に対して、ドット密度を低くする方法をとることから、当然に下地色が発現されてしまうことになり、その影響が避けられない。
【0011】
そこで、本出願人は、下地色が見えないように印刷する技術の1つとして、特願2002−208970号で、カラードットで被印刷面を埋め尽くすとともに、濃中淡色の濃度の異なるインクドットを使用することによって豊かな階調表現を行うことを提案した。ここで提案したものは、1画素を複数ドットで構成するものである。
【0012】
また、本出願人は、1画素を1ドットで形成し且つ下地色が見えないように印刷する技術の1つとして、特願2002−316895号及び特願2002−346812号で、同一画素に例えば4滴のインク滴を着弾させて混ぜ合わせ、同一画素に着弾させるインク滴の色及び濃度の組合せによって各画素毎に印刷色を制御することを提案した。具体的には、CMYKの各色インクを混ぜ合わせることによって、固有の色調濃度を有する画素を発現させるものである。
【0013】
【特許文献1】
特願2002−132182号
【特許文献2】
特願2002−208970号
【特許文献3】
特願2002−316895号
【特許文献4】
特願2002−346812号
【特許文献5】
特開平3−13347号公報
【特許文献6】
特開平10−157273号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
着弾点で各色インクを混ぜ合わせる場合には、混ぜ合わせるインクは共に乾燥していてはならない。このため、4滴のインクを限られた時間内に噴射する必要があり、1つの印刷ヘッド内にインク色及びインク濃度が異なる多数のインクジェットノズルを整然と配列する必要がある。したがって、印刷ヘッドの構成が複雑となる。
【0015】
そこで、図1に示すように、C色インク供給用印刷ヘッドと、M色インク供給用印刷ヘッドと、Y色インク供給用印刷ヘッドと、K色インク供給用印刷ヘッドとを、それぞれ、建築板の搬送ライン上、その進行方向に順番に配置することで、印刷ヘッドの構成を簡略化することが考えられる。
【0016】
なお、特開平3−13347号公報の図1には、印刷ヘッドの詳細構成は全く明らかではないものの、各色印刷ヘッド分離配列方式のインクジェット装置の例が開示されてはいるが、建築板(セメント板)に対する高生産性を実現可能にするインクジェットフルカラー工業印刷システムは未だ確立されていない。
【0017】
ところで、インクジェット方式で一般的に採用されているドット密度制御法を各色印刷ヘッド分離配列方式に適用しようとする場合、被印刷物である建築板の走行位置精度が大きく影響してくる。すなわち、建築板の走行位置精度はそれほど高くないという現実があることを十分に考えておかなければならない。具体的には、建築板の裁断精度の影響と、コンベアの搬送精度の影響が相乗されてくるため、建築板の走行位置精度はそれ程期待できるものではない。
【0018】
そのために、印刷されるインクドット間の距離が正確に再現されないという不具合の発生を招き、結果的に面積階調表現が困難になってしまうのである。このように、各色印刷ヘッド分離配列方式に対して、ドット密度制御法を使用することは困難である。なお、ドット密度制御法では、淡色表現において下地色が露出することになるため、その影響をもろに受けてしまうという問題もある。
【0019】
そこで、グラビア印刷の場合のように、CMYK各色インクの重ね合わせによる画素発現方式が、各色印刷ヘッド分離配列方式に対して利用できるかどうかについて検討してみた。
【0020】
グラビア印刷の場合には、グラビアロール表面に形成された色柄模様を発現するためのインク供給セルに深度の変化を持たせて、セル容積の大小により供給インク量の調整を行っている。そして、C版、M版、Y版、K版の各版ごとに供給されるインク量によって形成される色柄模様のインク薄膜を順次重ねていくことで、混色効果が得られるようになっている。
【0021】
ところで、一般的なグラビア版のセルは、図8(a)に示すようなものであり、印刷されるインクドット径は、図8(b)に示すように、大中小の径差がある(特開平10−157273号公報参照)。このようにインクドット径に差がある場合には、どうしても下地を隠しきれない。
【0022】
本発明はこのような課題を解決するためなされたもので、各印刷ドットに豊富な色相を発現させつつ印刷ドットの径が不揃いにならないようにして下地色の影響を受けないように印刷することのできる建築板印刷装置及び建築板を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明に係る建築板印刷装置は、複数のインクジェットノズルが所定ピッチで横方向(建築板の進行方向と直交する方向)に一列に配設されているノズルアレイが縦方向(横方向に直交する方向、すなわち、建築板の進行方向)に所定間隔で複数列平行に配設され各ノズルアレイ毎に同一色で異なる濃度のインクが噴射されるように構成されている印刷ヘッドが、複数色分縦方向に建築板の長手方向長さよりも長い配置間隔で配設されている印刷ヘッド群を備え、建築板化粧印刷面の印刷領域のすべてをインクドットで埋め尽くす印刷を施すことを特徴とする。
【0024】
また、前記インクジェットノズルは、複数滴のインクを連続して噴射することで、インクジェットノズルとして実用的な範囲の小さな口径のノズルでありながら外壁板等に使用される建築板の印刷ドットとしてパンチ力のある大きな印刷ドットを形成することができる。
【0025】
また、本発明に係る建築板は、化粧印刷面のインクジェット印刷領域において異なる数の色のインク滴が順に着弾されて重ね合されて形成されているインクドットが存在しインクジェット印刷領域を埋め尽くして印刷されていることを特徴とする。
【0026】
また、前記インクドットは、同色同濃度の複数滴のインクが連続して着弾されて重ね合されて形成されていることで、インクジェットノズルとして実用的な範囲の小さな口径のノズルでありながら外壁板等に使用される建築板の印刷ドットとしてパンチ力のある大きな印刷ドットを形成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッド群の配置を示す図である。本実施の形態による建築板印刷装置では、図1に示すように、シアン色用印刷ヘッドHCと、マゼンタ色用印刷ヘッドHMと、イエロー色用印刷ヘッドHYと、クロ色用印刷ヘッドHKとを、建築板の搬送コンベア上、その進行方向に、この順番で独立して配置している。
【0029】
各印刷ヘッドの配置間隔は、1つの印刷ヘッドによる1枚の板の印刷が完全に終わった後に、次の印刷ヘッドの印刷が行われるという形態の加工が実施されるに適した間隔である。したがって、シアン色用印刷ヘッドHC直下を、板の後端部が通過した時点においては、板はシアン色インクドットによる濃淡印刷画像が形成されている。その他の印刷ヘッドについても同様に、先の印刷ヘッドによって形成されたインクドットによる濃淡印刷画像の上から、次のインクドットを塗り重ねていくことで、最終の印刷画像が形成される。これは、グラビア印刷と同様な発色画像形成方法である。
【0030】
なお、板の搬送コンベアについては、全印刷区間において、建築板の幅を有する一直線状態の搬送ライン上を、板が等速走行するように精度よく搬送制御されるようになっている。
【0031】
図2は、本実施の形態による印刷ヘッドのノズル配列を示す図である。図2は、図1に示した印刷ヘッドの下面に設けられたインク噴射ノズルの配列を示している。板の進行方向(縦方向)と直交する方向(横方向)に、板の印刷幅(板の横方向幅に相当する)の印刷を確保できるよう、複数のノズルが等間隔(横ノズルピッチq)で並列配置されている(横ノズルライン)。
【0032】
また、板の進行方向(縦方向)に、同一口径のH(濃色インク供給ノズル)、M(中色インク供給ノズル)、L(淡色インク供給ノズル)と、E(空ノズル)とが、順に等間隔(縦ノズルピッチP)で並列されている(縦ノズルライン)。Eノズル(空ノズル)は、インクを全く噴射せずに、インク滴が着弾するであろう被印刷領域に該当する被印刷領域がただ移動するだけである。
【0033】
各印刷ヘッドの直下を等速走行していく板は、その各横方向被印刷ライン(板の短手方向に並列するインクドットによって形成される印刷ライン)を、縦ノズルラインの3つのノズルH,M,L(E)の内から選択された1つのノズルから噴射されるインク滴によって印刷ドットが、意匠面に形成されるようになっている。
【0034】
図3は、本実施の形態による建築板印刷装置のインクドットによる印刷画像が形成されていく様子を示す図である。印刷動作の時間経過を(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)→(g)→(h)→(i)→……として示す。各升目は、1印刷ドットが形成される単位被印刷領域である。
【0035】
ここでは、具体的に、(i)に示す状態の印刷画像を形成するために、等速走行する板に対して、固定ノズルアレイの中のいずれのノズルが選択されて噴射制御されるかを示している。
【0036】
1番目の(最初に印刷される)横方向被印刷ラインを構成する単位被印刷領域(升目)の中心点(対角線の交点)に対しては、最初に、横ノズルラインのHノズルラインが対向する。そして(i)に示す状態の印刷画像を形成するためには、(a)に丸印で示すHノズルが選択されて濃色インク滴が噴射される。
【0037】
続いてΔt=P/v(ただしvは板の走行速度)時間経過したとき、板の1番目の横方向被印刷ラインを構成する単位被印刷領域の中心点に対して、Mノズルラインが対向する。そして、(b)に丸印で示すMノズルが選択されて、中色インク滴が噴射される。更にΔt時間経過したとき、(c)に丸印で示すLノズルが選択されて淡色インク滴が噴射される。更にΔt時間経過したとき、(d)に丸印で示すEノズルが選択されて、インク滴が噴射されずに、該当被印刷領域が移動する。
【0038】
続いて、板の2番目の横方向被印刷ラインを構成する単位被印刷領域(升目)の中心点に対して、固定ノズルアレイのHノズルラインが対向するのは、ΔT=(S−3P)/v時間経過したときである。ただしSは、升目の縦方向の配列ピッチであり、縦方向の印刷ドットピッチとなる。以降、同様にして各升目に対して、各色インク滴によるインクドットが形成されていく。
【0039】
ここで考えなければならないのは、ピエゾ方式によるインク滴噴射を安定に行うためには、ノズル径を必要以上に大きくすることができないということである。具体的には、「インクのぼた落ち」といった不具合を招くおそれが大となってしまう。しかしながら、液滴径の小さなインク滴1滴で1印刷ドットを形成しても、外壁板等に使用される建築板の印刷ドットとしては、はなはだパンチ力に欠けたものとなってしまう。
【0040】
そこで、本実施の形態では、可能な範囲でノズル口径を大きくすることに加えて、HMLの各ノズルから噴射するインク滴を、連続して数滴噴射するように制御することで、十分に多くのインク量で1印刷ドットを形成してパンチ力を高めるものとした。
【0041】
図4は、インク滴の噴射タイミングを示す図である。図4は、3回のインク滴の噴射で1印刷ドットを形成する例を示している。具体的には、図3(i)に示す各縦方向被印刷ライン1,2,3,4に対して、固定ノズルアレイの中から選択された各ノズルの噴射動作を制御するためのインク滴噴射パルスを示している。
【0042】
基準制御パルス列(周波数f1)と、個別ノズル制御パルス列(周波数f2)とを用意する。なお、周波数f2は、周波数f1の周期を分割して作成して同期させる。
【0043】
図5は、図4に示す噴射タイミングでインク滴を噴射したときの印刷ドットの形成状態を示す図である。各ノズルの連続する3回のインク滴噴射動作を、板の走行に伴うノズル位置の移動として、水平方向に並ぶ3個の黒丸で示す。左の黒丸の位置で噴射されたインク滴によって形成された印刷ドットを「1」の円で示す。中央の黒丸の位置で噴射されたインク滴によって形成された印刷ドットを「2」の円で示す。右の黒丸の位置で噴射されたインク滴によって形成された印刷ドットを「3」の円で示す。
【0044】
これら「1」、「2」、「3」の各印刷ドットは、中心位置をわずかv×ΔC(ただし、ΔCは噴射間隔時間(図4参照))だけずらした状態で重なり合うことになるため、3滴のインクが融合して、「2」の円の中心点をそのまま中心点とし、「1」の円の左端円弧部並びに「3」の円の右端円弧部に外接する円にほぼ等しい大きさの円となった印刷ドットが形成されることになる。
【0045】
一方、板は進行しており、1番目の横方向に並ぶ被印刷領域の板進行方向先端部(升目の先端部)は、図中の上段部に示す右矢印連結ラインの各矢印指示点(→a→b→c→d→e→f→g→h→……)を移動していくことになる。
【0046】
これらの各指示点は、ノズルからの噴射開始時期の指標となるものであり、周波数f2のパルス列をパルスカウントすることで各ノズルごとの噴射時期の制御を行う。また、被印刷体における形状誤差に基づく、板の進行方向における被印刷領域のズレについては、上記各矢印指示点位置を調整することによって行うものとする。実際には板厚が厚い場合には遅めに噴射を開始し、板厚が薄い場合には早めに噴射を開始するように上記各矢印指示点位置を調整する。
【0047】
図6は、建築板の走行に伴って形成される印刷ドットの相互位置関係を示す図である。ここで、図の縦方向に並ぶ円の右端円弧部ラインが建築板の横方向に並ぶ升目の先端移動ラインとなっている。
【0048】
(1)の段階では、1番目の横方向被印刷ラインに対して、Hの印刷ドットが1個形成される。更に、(2)の段階では、すでに形成されたHの印刷ドットに加えて、Mの印刷ドットが形成される。更に、(3)の段階では、すでに形成されたH及びMの各印刷ドットに加えて、Lの印刷ドットの合計3個の印刷ドットが形成される。更に、(4)の段階では、すでに形成されたH、M、Lの各印刷ドットに加えてEの印刷ドットの合計4個の印刷ドットが形成される。図に示すように、この段階において、横方向に並ぶ印刷ドットは、隣接するドット間において一部重なり部を形成しており、地色の露出部分が目立ちにくくなっている。なお、各印刷ドットの色相は全て同じであるので、かかる重なり部分はさほど目立つものとはならない。そして、地色が露出しているのは、わずかEノズルによる非印刷領域だけとなっている。
【0049】
(5)〜(8)の段階では、2番目の横方向被印刷ラインに対する印刷が行われる。このようにして、1枚の板の被印刷面が、まずシアン色の濃中淡インクドットによって埋め尽くされる。この段階において、通常の場合、地色が見える部分はそれ程多くない。続いて、マゼンタ色の濃中淡インクドットによって、シアン色の濃中淡画像にマゼンタ色の加色が行われる。引き続いて、順に、イエロー色、クロ色の加色が行われて、最終印刷画像が1枚の板に対して形成される。この最終段階では、ほとんど、地色の影響は無くなっている。すなわち、被印刷面が、ほぼ印刷ドットで埋め尽くされる。
【0050】
また、各色ごとに、別個に印刷が行われるため(別色のインク同士が液体状態で混ざり合うことはない)、重ねる別色インクの数によらず、印刷ドットの径としては、最終印刷画像においても、不揃いになることはない。
【0051】
図7は、本実施の形態による建築板印刷装置の全体システム構成を示す図である。各印刷ヘッドHC,KM,HY,HK毎にヘッド専用のコントローラ10とパターンメモリ(PM)11とノズル開閉制御用ピエゾ素子駆動回路(DC)12とを設け、各印刷ヘッド毎に個々に印刷制御動作を実行させる。各コントローラ10は、メインコントローラ13によって分散管理される。
【0052】
建築板に印刷すべき柄模様等の印刷データ(ノズル開閉制御パターンデータ)は、ノズル開閉制御パターン記録メモリ14に格納されている。メインコントローラ13は、ノズル開閉制御パターン記録メモリ14に格納されている印刷データ(ノズル開閉制御パターンデータ)を各印刷ヘッド毎に区分し、各コントローラ10を介して各パターンメモリ(PM)11へそれぞれ記録させる。
【0053】
なお、メインコントローラ13は、到来する1枚1枚の建築板に対して、異なる印刷パターンを用意しておき、どのパターンをどの順で使用するかを指示するようにしてもかまわない。これにより、建築板の1枚毎に異なる柄模様等を印刷することができる。
【0054】
メインコントローラ13には、印刷条件等の設定を行うための入力装置としてのキーボード15、及び、本建築板印刷装置の設定状態や動作状態等を表示するためのディスプレイ16が接続されている。
【0055】
印刷開始位置検出センサ17は、光電スイッチ等を用いて構成されており、建築板が所定位置に搬送されてきたことを検出する。印刷開始位置検出センサ17の検出出力は各コントローラ10へそれぞれ供給される。
【0056】
パルスエンコーダ18は、建築板を搬送するコンベア装置等に設けられており、建築板が所定の距離だけ搬送されるたびにパルス信号を出力する。パルスエンコーダ18から出力されたパルス信号は各コントローラ10へそれぞれ供給される。
【0057】
各コントローラ10は、印刷開始位置検出センサ17の検出出力を基準にしてパルスエンコーダ18からのパルス信号をカウントすることで、各ノズルH,M,Lからのインク噴射のタイミングを制御する。
【0058】
このように、本実施の形態においては重ねる別色インクの数として1〜4の4とおりの選択が可能であり、これによって印刷されるインクの厚みは4種類存在することになるが、印刷ドットの径に不揃いはなく、過不足なく地色を覆い隠す印刷が可能である。そして、別色インク数の選択の幅が広がるため、建築板意匠として発現させる色相範囲も広いものとすることができる。
【0059】
なお、各色インク滴の噴射回数を変えることで、印刷ドット径を任意に変えることも可能であり、その場合には、隣接する印刷ドットの互いの重なり面積が変化するため、混色により、一段と変化に富む発色効果を得ることも可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、建築板の意匠面において、下塗り、中塗りになどによる下地色の影響を出さないように印刷ドットの径を揃えつつ、異なる数の色のインクドットが塗り重ねられる印刷を実現して、各印刷ドットに豊富な色相を発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッド群の配置を示す図である。
【図2】本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドのノズル配列を示す図である。
【図3】本実施の形態による建築板印刷装置のインクドットによる印刷画像が形成されていく様子を示す図である。
【図4】本実施の形態による建築板印刷装置のインク滴の噴射タイミングを示す図である。
【図5】図4に示す噴射タイミングでインク滴を噴射したときの印刷ドットの形成状態を示す図である。
【図6】図4に示す噴射タイミングでインク滴を噴射したとき建築板の走行に伴って形成される印刷ドットの相互位置関係を示す図である。
【図7】本実施の形態による建築板印刷装置の全体システム構成を示す図である。
【図8】従来のグラビア印刷で用いられるグラビア版のセル構造及び印刷ドットの形状例を示す図である。
【符号の説明】
10 コントローラ
10A ヘッド管理部
10K,10C,10M,10Y コントロール部
11 パターンメモリ(PM)
12 ノズル開閉制御用ピエゾ素子駆動回路(DC)
13 メインコントローラ
14 ノズル開閉制御パターン記録メモリ
15 キーボード
16 ディスプレイ
17 印刷開始位置検出センサ
18 パルスエンコーダ
HC,HM,HY,HK 印刷ヘッド
H 濃色インク供給ノズル
M 中色インク供給ノズル
L 淡色インク供給ノズル
E 空ノズル

Claims (4)

  1. 複数のインクジェットノズルが所定ピッチで横方向(建築板の進行方向と直交する方向)に一列に配設されているノズルアレイが縦方向(横方向に直交する方向、すなわち、建築板の進行方向)に所定間隔で複数列平行に配設され各ノズルアレイ毎に同一色で異なる濃度のインクが噴射されるように構成されている印刷ヘッドが、複数色分縦方向に建築板の長手方向長さよりも長い配置間隔で配設されている印刷ヘッド群を備え、建築板化粧印刷面の印刷領域のすべてをインクドットで埋め尽くす印刷を施すことを特徴とする建築板印刷装置。
  2. 前記インクジェットノズルは、複数滴のインクを連続して噴射することを特徴とする請求項1記載の建築板印刷装置。
  3. 化粧印刷面のインクジェット印刷領域において異なる数の色のインク滴が順に着弾されて重ね合されて形成されているインクドットが存在しインクジェット印刷領域を埋め尽くして印刷されていることを特徴とする建築板。
  4. 前記インクドットは、同色同濃度の複数滴のインクが連続して着弾されて重ね合されて形成されていることを特徴とする請求項3記載の建築板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009154062A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Panasonic Electric Works Co Ltd 板状建材の表面塗装方法

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