JP3798366B2 - 建築板印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建築板印刷装置に係り、詳しくは、インクジェット技術を利用することで印刷のための版を不要にし、小ロット多品種生産に対応できるようにした建築板印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は特願2002−132182号で、4列のノズルアレイを備え4色のインクを噴射できるようにした印刷ヘッドを主走査方向(建築板の搬送方向と直交する方向)に千鳥状に互い違いに配置することで、建築板を搬送させながらカラー印刷を行えるようにした建築板印刷装置を提案している。
【0003】
図16は、既提案の建築板印刷装置の印刷ヘッドの配置を示す図である。既提案の建築板印刷装置は、主走査方向に2本のヘッドラインを備える。前方側のヘッドラインはn個の印刷ヘッド(1・1),(1・2)〜(1・n)を備える。後方側のヘッドラインはn−1個の印刷ヘッド(2・1),(2・2)〜(2・n−1)を備える。各印刷ヘッドは、クロ色インクを噴射するノズルアレイKと、シアン色のインクを噴射するノズルアレイCと、マゼンタ色のインクを噴射するノズルアレイMと、イエロー色のインクを噴射するノズルアレイYとを備える。
【0004】
各ノズルアレイK,C,M,Yは、それぞれN個のノズルを所定のノズルピッチpで主走査方向に一列に配設してなる。符号aはノズルアレイの左端側のノズルから右端側のノズルまでの長さである。ここで、長さa=ノズルピッチp×(ノズル個数N−1)の関係となる。符号bは隣接するノズルアレイ間の離隔距離である。符号Lは前方側のヘッドラインと後方側のヘッドラインとの離隔距離、より具体的には同色ノズルアレイ間距離である。各印刷ヘッドは、ノズルアレイの長さ分だけ主走査方向へずらして千鳥状に互い違いに配設されている。
【0005】
各印刷ヘッドを「(ヘッドグループ番号・ヘッド番号)」で示す。進みヘッドグループ1(先に印刷を開始するヘッドグループ)を(1・1)〜(1・n)として識別管理する。また、遅れヘッドグループ2(所定時間遅れて印刷を開始するヘッドグループ)を(2・1)〜(2・n−1)として識別管理する。
【0006】
建築板の印刷有効幅(意匠面の短手方向長さに該当する)をBWとしたとき、BW=(2n−1)×aであるから、n=(BW+a)/2aとなる。
【0007】
図17は、既提案の建築板印刷装置の各印刷ヘッドの動作タイミングを示す図である。印刷開始から印刷終了までの各印刷ヘッドが担当する印刷管理領域(建築板の進行方向すなわち長手方向における印刷帯幅のこと)を、所定管理時間Δt毎に区分したものを1印刷制御単位とし、印刷開始から印刷終了までの各印刷制御単位を番号付けして識別管理する。すなわち、ヘッド(1・1)については、(1・1・1)〜(1・1・m)、ヘッド(2・1)については(2・1・1)〜(2・1・m)とする。
【0008】
そして、各印刷制御単位について、該当する印刷パターンを割り当て、インク噴射動作を1〜m単位まで連続して実行させるものとしている。管理時間Δtは、各色ノズルアレイ相互間距離b(図16参照)と、建築板の走行速度vとによって決定される。すなわち、Δt=4b/vとなる。遅れヘッドグループ2の動作開始タイミングは、進みヘッドグループ1がその動作を開始してから所定時間[Δt+Δtd]を経過した後である。遅延時間Δtdは、Δtd=(L−4b)/vである。Lは同色ヘッド間距離である(図16参照)。mは、建築板の長手方向長さ(印刷有効長さに相当する)をBLとしたとき、m=BL/(v×Δt)となる。
【0009】
主走査方向の画像解像度は、ノズルピッチpによって決定される。副走査方向(主走査方向に直交する方向、すなわち、建築板の進行方向)の画像解像度については、ノズルピッチpと一致させる場合には、ノズル開閉周波数をfとすれば、v=p×fの関係になるように各値を設定すれば良い。例えば、p=0.04mm、f=10000/sとすれば、v=0.04mm×10000/s=400mm/s=24m/minとなり、ライン速度24m/分が実現できる。なお、色柄模様の発色方法については、密度制御法によるものとしている。
【0010】
図18は、既提案の建築板印刷装置の1印刷管理幅の印刷動作を模式的に示す図である。図18では、建築板の1つの印刷管理幅について、その印刷動作を示している。建築板は左方向へ進行するものとする。時刻t0でKヘッド(ノズルアレイK)によるK(クロ)印刷を開始する。時間Δt/4を経過した時(時刻t1)で、Cヘッド(ノズルアレイC)によるC(シアン)印刷を開始する。更に時間Δt/4を経過した時(時刻t2)で、Mヘッド(ノズルアレイM)によるM(マゼンタ)印刷を開始する。更に時間Δt/4を経過した時(時刻t3)で、Yヘッド(ノズルアレイY)によるY(イエロー)印刷を開始する。
【0011】
時間Δtの間に、建築板はv×Δtだけ進み、最初の印刷領域(1)、すなわち、a×aの印刷領域が、KCMYの4色カラードットで印刷され、フルカラー印刷が実現される。
【0012】
また、時刻t1においては、次順の印刷領域(2)の先端部がKヘッド(ノズルアレイK)直下に到達しており、連続してKヘッド(ノズルアレイK)による印刷領域(2)のK(クロ)印刷が開始される。同様な印刷動作が、建築板の進行に伴って連続して実行されていく。このようにして、幅aの印刷管理幅について、その全面がフルカラーに印刷される。
【0013】
図19は、既提案の建築板印刷装置の建築板全体の印刷動作を模式的に示す図である。並設された各ヘッドについて、同様な印刷動作が実行されていくことにより、建築板の全面がフルカラーに印刷される。最初に、進みヘッドグループ1の各印刷ヘッド(1・1)〜(1・n)を同時に動作開始させる。引き続き、Δtd時間後に、遅れヘッドグループ2の各印刷ヘッド(2・1)〜(2・n−1)を同時に動作開始させる。各印刷ヘッドにおける各色ノズルアレイは、印刷動作を開始してからΔt×m時間経過するまで、連続して自らの印刷動作を実行する。
【0014】
上述したように既提案の建築板印刷装置は、建築板(図示しない)を一定速度で搬送させながら各ノズルアレイからのインク滴の噴射を制御することで、建築板の意匠面にインクジェット方式によるカラー印刷を施すことができる。1個のノズルから噴射される1滴のインクが1画点(ドット)となり、1画素を複数のドットで形成することにより階調表現を行わせることができる。
【0015】
【特許文献1】
特開平9−58022号公報
【特許文献2】
特開2002−248747号公報
【特許文献3】
特願2002−132182号
【特許文献4】
特願2002−208970号
【発明が解決しようとする課題】
窯業系建築板、例えばセメント板の意匠面に対して、印刷を施そうとする場合、被印刷面である意匠面は、防水性を付与するために塗装が施されている。かかる防水性の付与は、外壁材として使用される場合の雨水の浸透防止に不可欠のものである。セメント板の塗装においては、下塗り(シーラー塗装)や、中塗りによって、その意匠面に防水性が付与されている。
【0016】
したがって、インクジェットフルカラー工業印刷では、下塗り層(シーラー塗装のみを施している状態)や中塗り層(下塗り層の上面に溝部色として全面塗装が施されている状態)の表面における所定の被印刷面に対して印刷を施すことになる。場合によっては、ロールコータによる上塗り層の表面に対して印刷を施すこともある。この上塗り層の色は、インクジェット印刷部分の発色模様との関係から決められる。これに伴って、それらの塗装面の表面が、印刷の下地面になる。
【0017】
ところで、インクジェット印刷では、CMYKのカラーインクドットの集合によって画素を構成し、その画素の集合によって被印刷面上に画像を形成発現させようとするものであるが、その場合に、画素の濃淡表現は、カラーインクドットの面積密度を変化させることによって表現するようになっている。そして、かかるカラーインクドットの面積密度を段階的に変化させことで階調表現が可能となる。
【0018】
ここで問題となるのは、淡色表現の場合である。淡色表現の場合、カラーインクドットの面積密度を粗くするため、当然に、下地の色が目立つようになってきてしまうのである。これが紙に対する印刷の場合には、多くの場合、紙の色が白であるから、下地の色の影響は殆どない。
【0019】
しかしながら、セメント板の場合、下塗りや中塗りにおいて、たとえ顔料を含まない無色の塗装を行ったとしても、セメント板自体の自然色(多くはグレー色である。)がどうしても下地色として発現され、影響することは避けられない。
【0020】
下地を白色に塗装する方法なども考えられるが、その分、製造上の制約を受けることになってしまう。下地色の影響も考慮に入れて印刷色を計算して決定することも考えられなくもないが、かなりの困難性を伴うカラー計算作業となる。
【0021】
上述したように、下塗り層表面に対して直接にインクジェット印刷を行えば、セメント基板のグレー色が下地色となってしまうために、最終印刷仕上りはその下地色であるグレーの影響を大きく受けてしまう。また、中塗り層表面に対して直接にインクジェット印刷を行う場合についても、同様に、中塗り色(溝部色)が下地色となるために、それが最終印刷仕上りに大きく影響を及ぼしてしまう。
【0022】
このように、ドット密度制御法の場合には、淡色表現に対して、ドット密度を低くする方法をとることから、当然に下地色が発現されてしまうことになり、その影響が避けられない。
【0023】
そこで、本出願人は、下地色が見えないように印刷する技術の1つとして、特願2002−208970号で、カラードットで被印刷面を埋め尽くすとともに、濃中淡色の濃度の異なるインクドットを使用することによって豊かな階調表現を行うことを提案した。ここで提案したものは、1画素を複数ドットで構成するものであるため、ドット径を大きくすることができなかった。
【0024】
本発明は上記課題を解決するためなされたもので、インクジェットの大きなドット径を形成し、かつ、下地色が見えないように印刷を施すことのできる建築板印刷装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明に係る建築板印刷装置は、複数のインクジェットノズルが所定ピッチで主走査方向(建築板の進行方向と直交する方向)に一列に配設されているノズルアレイが副走査方向(主走査方向に直交する方向、すなわち、建築板の進行方向)に所定間隔で複数列平行に配設され各ノズルアレイ毎に色相が異なりかつ各色相について濃度が異なるインクが噴射されるように構成されているノズルアレイブロックが、副走査方向に複数段配設されている印刷ヘッドを備え、該印刷ヘッドのすべての前記ノズルアレイブロックから吐出される1つのインク滴を重ねて着弾させて混色させ同一径である各画素を形成させて建築板化粧印刷面の印刷領域のすべてをインクドットで埋め尽くす印刷を施すことを特徴とする。
【0026】
また、前記各画素のいずれにも同一色相で異なる濃度のインク滴が重ねて着弾されないことで、顕著な混色効果を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
本発明では、カラードットで被印刷面を埋め尽くすことで、下地色の影響を受けないようにするものであるが、ドット密度制御方法を採用したものではない。言い換えれば、1画素を複数ドットで構成するのではなく、1画素を1ドットで構成するものである。
【0030】
これにより、1ドットの径を大きくすることができ、パンチ力を向上させることができる。建築板は遠方から眺めることが多いので、パンチ力の向上は外観意匠面からも意味がある。また、ドット径を大きくするということは、インク滴の径も大きくなるために、建築板の走行により発生する風(随伴空気流)の影響をより受けにくくなるという利点もある。さらに、ドット径を大きくすることによって、建築板の走行精度のバラツキ要因による着弾位置のズレを誤差範囲内に納めることができる。なお、ドット径を大きくした分、階調表現が低くなることを避けるために、濃度の異なるインクドットを使用するようにしている。
【0031】
1画素を1ドットで構成するということは、1ドットが固有の色調濃度を有しているということであり、CMYKの基本となる4色カラードットを分散配置し、そのドットの密度を制御することで色調及び階調表現を行おうとするこれまでの発色方法とは大きく異なっている。
【0032】
具体的に本発明では、CMYKの基本4色の各色インクについて、濃(H)、中(M)、淡(L)の3段階濃度の3種類のインクを用意している。そして、インク滴が着弾する同一着弾点に対して、C色の濃度(濃中淡)、M色の濃度(濃中淡)、Y色の濃度(濃中淡)、K色の濃度(濃中淡)の合計12色のカラーインクの中から選択した4色のインク滴を着弾させ、それらが混ざり合う(混色する)ことによって所定の色調濃度に発色させるものとしている。
【0033】
このような発色方法は、通常のグラビア印刷の場合の発色原理と同じであり、C色の版、M色の版、Y色の版、K色の版を個々に用意しておき、被印刷物を、それらの各色版を順に通過させていくという印刷を行うことで、CMYKの各色版によって供給された必要量(グラビアロール表面に形成されたセルの容積によってインク量の調整が行われる。)の各色インクを、同一被印刷点上に重ね混ぜ合わせることで、所望の色調濃度を発色させるようになっている。
【0034】
ところが、インクジェット発色方式の場合には、グラビア印刷の場合のように、グラビアロール表面に形成したセル容積の大小によるインク量の調整ができるわけではない。そこで、一般的には、同一着弾点に着弾させるインク滴の数を制御するものとしている。なお、このような複数のインク滴を混ぜ合わせて発色させるインクジェット発色方式については、例えば特開平9−58022号公報などで知られている。
【0035】
しかしながら、そのような同一着弾点に着弾させるインク滴の数を制御する方法というのは、パソコンプリンタの場合のように、間欠的な紙送り動作と、カラーヘッドを紙面上を早くトラバースさせる動作との組み合わせによって、紙面上におけるインク滴の同一着弾点が微少時間なりとも略静止状態になっていることが必要となる。
【0036】
これに対して本願発明では、生産性の高いインクジェットフルカラー工業印刷を実現せんがために、カラーインクヘッドを固定状態に設置しており、該カラーインクヘッドに対して被印刷物である建築板をパソコンプリンタとは比べられない程高速で走行させる生産方式をとっているために、建築板上の同一着弾点が一瞬なりとも静止状態となることはない。
【0037】
なお、本出願人は、カラーインクヘッドを固定状態に設置し、建築板を走行させながらインクジェットフルカラー工業印刷を行う技術を、特開2002−248747号公報で提案している。
【0038】
そこで、本願発明では、建築板が走行するに従って、一定速度で移動する建築板上の同一着弾点に対して、建築板の進行方向の搬送ライン上に所定の間隔をおいて配置した各色インク滴供給ヘッドから、所定の基本色調濃度を有する4滴のインクを、時間間隔をおいて順に着弾させるものとしており、着弾したそれら4滴のインクが互いに混ざり合って混色され、結果的に所定の色調濃度を有する画素が形成されるという発色法を工業レベルの印刷として実現する。
【0039】
図1は、本発明の一実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドの配置を示す図である。本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドは、1列目の各印刷ヘッド(1・1)〜(1・n)と2列目の各印刷ヘッド(2・1)〜(2・n−1)とが千鳥状に互い違いに配置されている。
【0040】
図2は、本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドのノズル配列を示す図である。図2は図1に示す印刷ヘッドの部分拡大図になっている。印刷ヘッドは、副走査方向に4つのノズルアレイブロック1〜4が順に配置されている。各ノズルアレイブロック1〜4は、主走査方向に並列するCy(シアン)ノズルアレイ群、Ma(マゼンタ)ノズルアレイ群、Ye(イエロー)ノズルアレイ群、K(クロ)ノズルアレイ群が、副走査方向にこの順で配置されている。この配列順番は、Cy,Ma,Ye,K色インク滴の混ぜ合わせの固定順番となっている。
【0041】
各色ノズルアレイ群は、図示するように、ノズルH(濃色インク滴噴射用)とノズルM(中色インク滴噴射用)とノズルL(淡色インク滴噴射用)とが、建築板表面の縦方向の被印刷ラインVLから一定距離をおいた直上位置に、所定ピッチpで一直線状に整然とH→M→Lの順で配されている。主走査方向ノズル配列ピッチは2pである。ノズルMの位置を中心とする仮想円は、4個のインク滴が重なって混色され形成された最終印刷ドットの径の最大値を示す。
【0042】
図3は、図2に示したノズル配列の部分拡大図及び各色ノズルアレイ群の中から選択されたノズルの動作例を示す図である。縦方向の被印刷ラインVL上に1ドット(画素)を形成するために動作させるノズルは、各ノズルアレイブロックの中の該当するVL印刷ラインを担当するCy,Ma,Ye,Kのノズルアレイ群から選択された1個のノズルである。したがって、4つのノズルアレイブロックからそれぞれ1個のノズルが選択されて使用されるので、合計4個の選択ノズルが使用されて、1ドット(画素)が印刷される。このため、各画素は、4色相(Cy,Ma,Ye,K)、3濃度(濃色、中色、淡色)の合計12種類のインクの中から重複を許す4つの選択による4種類のインクが混ざり合った混色となる。これを建築板についてみると、印刷されている画素は色相が異なりかつ各色相について濃度が異なる複数種類のインクの中から重複を許す所定数の選択による該所定数種類のインクが重ねて着弾されて混色され同一径に形成されていることになる。
【0043】
ここではVL1については、最初に、ノズルアレイブロック1の中の1CyHのノズル1個が選択されており、続いて、ノズルアレイブロック2の中の2CyHのノズル1個が選択されている。そして、図示していないが、ノズルアレイブロック3と4についても、それぞれから1個のノズルが選択されて使用されるようになっている。
【0044】
後述するが、各ノズルから噴射されるインク滴は、Mノズルの直下位置に向けて噴射される。図中の矢印と黒点は、そのことを示している。
【0045】
ここで留意すべきことは、最初に1CyH色インク滴を着弾させた場合には、続いて、2CyMと2CyLは選択できないということである。なぜなら、濃度の異なる同じ色相のインク滴を重ねて混色させる場合、着弾した濃色インク滴の上から、中色、淡色のインク滴を重ねても、上側から重ねたインク滴による顕著な混色効果は得られないし、同様に、着弾した中色インク滴の上から淡色のインク滴を重ねても、同様に顕著な混色効果は得られないからである。
【0046】
また逆に、着弾した淡色インク滴の上から、中色、濃色のインク滴を重ねても、同様に、重ねられた下側のインク滴との顕著な混色効果は得られないし、着弾した中色インク滴の上から、濃色のインク滴を重ねても顕著な混色効果は得られないという事実がある。
【0047】
ここに、C,M,Y,Kの各基本濃度(比較的高濃度である。)を有する基本インクを、それぞれ、量を変えて混ぜるグラビア印刷の場合に比べて、混色が単純にできないという難しさがある。
【0048】
したがって、同一色相で、かつ、異なる濃度のインク滴は重ねないように制御するものとしている。
【0049】
またVL2では、最初に、ノズルアレイブロック1の中の1MaMのノズル1個が選択されており、続いて、ノズルアレイブロック2の中の2MaMのノズル1個が選択されている。
【0050】
ここで留意すべきことは、最初のMa色インク滴を着弾させる場合には、混ぜる順番がC→M→Y→Kの順に固定されているので、Cy色のインク滴を噴射する2Cyのノズルは選択できないということである。もちろん、ノズルアレイブロック2において、Ye(H,M,L)、K(H,M,L)を選択使用することは可能である。しかし、MaHを選択することはできない。なぜなら、先述したように、同一色相で、かつ、異なる濃度のインク滴を重ねて混色することになるので、より高濃度となるMaHのインク滴を後から着弾させないという制約条件に反することになるからである。
【0051】
またVL3では、最初にYe色インク滴を着弾させるので、固定の混ぜる順番より、2Cy及び2Maのノズルは選択できない。また、YeLを着弾させるので、Ye(H,M)は、より高濃度のインク滴であるから、選択できない。
【0052】
このように、図2に示すノズル配列によって発色させることのできる色調としては、固定の混ぜる順番と、混色効果の有効性を考慮して選択される限定されたノズルによって決定された限定色となる。
【0053】
具体的に、発色可能な色数としては、次のようになる。
【0054】
図4は、最初にCyH(濃いシアン色)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。図4に示すように、1CyHを最初に着弾させる場合の色数は136である。同様に1CyM,1CyLを最初に着弾させる場合も、それぞれ136色となる。なお、それらの最上段の組み合わせは、それぞれ、
1CyM−2CyM−3CyM−4CyM、
1CyL−2CyL−3CyL−4CyL
となる。以上より、Cy(シアン)のインク滴を最初に着弾させる場合に発色可能な色数としては、3×136=408色となる。
【0055】
図5は、最初にMaH(濃いマゼンタ色)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。図5に示すように、1MaHを最初に着弾させる場合の色数は46である。同様に1MaM,1MaLを最初に着弾させる場合も、それぞれ46色となる。なお、それらの最上段の組み合わせは、それぞれ、
1MaM−2MaM−3MaM−4MaM、
1MaL−2MaL−3MaL−4MaL
となる。以上より、Ma(マゼンタ)のインク滴を最初に着弾させる場合に発色可能な色数としては、3×46=138色となる。
【0056】
図6は、最初にYeH(濃いイエロー色)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。図6に示すように、1YeHを最初に着弾させる場合の色数は10である。同様に1YeM,1YeLを最初に着弾させる場合も、それぞれ10色となる。なお、それらの最上段の組み合わせは、それぞれ、
1YeM−2YeM−3YeM−4YeM、
1YeL−2YeL−3YeL−4YeL
となる。以上より、Ye(イエロー)のインク滴を最初に着弾させる場合に発色可能な色数としては、3×10=30色となる。
【0057】
図7は、最初にK(クロ)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。図7に示すように、最初にK(クロ)のインク滴を着弾させる場合の色数は3である。
【0058】
以上より、408+138+30+3=579通りの発色が可能となる。
【0059】
図8は、発色可能な15段階の濃度レベルを示す図である。上記の発色可能な579色は、図8に示す15段階の濃度レベル(線形の階調表示ではない。)のいずれかの濃度レベルで発色されることになる。色数からすれば、パソコンプリンタの場合と比べて、少なすぎると感じるかもしれないが、外装材として使用される建築板の意匠分野では十分過ぎる色数であるので、問題とならない。
【0060】
実際の印刷にあたっては、発色させようとする写真などのカラー原画像をRGB画素データに分解し、1つずつの画素について、前記発色可能な579色に対する基準となるRGBデータによってカラーマッチングしていくことで、マッチングされた色の発色用として選択される4個のノズルが決定される。
【0061】
次に、H,M,Lの各ノズルからのインク滴の噴射方向について説明する。図2に示す各円については、被着弾点がMa(マゼンタ色)ノズルの直下位置を通過した時点において、H,M,Lのいずれか1個のノズルからインク滴が、その被着弾点に向けて噴射される。
【0062】
図9は、インク滴の噴射方向と着弾位置との関係を示す図である。図10は、インク滴が重なっていく様子を示す図である。図11は隣接するインク滴が混じり合う様子を示す図である。
【0063】
図9(a)に示すように、H(濃色用)ノズルからは、建築板の進行方向の斜め下方に向けてインク滴が噴射され、M(中色用)ノズルからは、その直下位置を通過する被着弾点に向けてインク滴が噴射され、L(淡色用)ノズルからは、建築板の逆進行方向の斜め下方に向けてインク滴が噴射される。
【0064】
基本的には、H,M,Lの各ノズルのインク滴噴射方向については、噴射角θ(θ=tan-1(h/p)、hはノズルからのインク滴噴射位置とインクの被着弾点との垂直距離)がノズル設計で行われ、H,Lの各ノズルからのインク滴噴射速度は、Mノズルの噴射速度に対して、その(1/sinθ)倍になるようにピエゾ圧電素子の駆動電圧を制御する。
【0065】
実際には、H,Lの各ノズルから斜め下方へインク滴が噴射されることによって、Hノズルの場合には、被着弾点よりも前方へインク滴が流れる傾向にあり、Lノズルについては、被着弾点よりも後方へインク滴が流れる傾向にある。
【0066】
そこで、図9(b)に示すように、被着弾点の移動速度(すなわち、建築板の走行速度)に応じて、Hノズルについては予定された被着弾点よりもΔxだけ後方の位置に向けて、Lノズルについては予定された被着弾点よりもΔyだけ前方の位置に向けて、インク滴を噴射するように噴射角度のノズル設計を行う。
【0067】
なお、H,M,Lの各ノズルから噴射されたインク滴が着弾したときの印刷ドットの形状は厳密には異なるが、遠方より眺める外壁板仕様を考えれば、その形状差の影響は無視できる。
【0068】
そして、図10(c)に示すように、順にインク滴が重なっていくことで、印刷ドット径がだんだん大きくなっていくので、4個のインク滴が重なって形成されることになるインクドットの径φの最大値φ4が2p(ノズルピッチの2倍)よりも少し短くなるようにノズル口径(インク噴射量)を設計すれば、最終の印刷ドットは略2pとなる。
【0069】
図11(d)に示すように、着弾したインク滴の印刷ドット径が2pの場合には、被印刷面は隣に配される4つの印刷ドットが互いに重ならない状態で接している。この状態では、4つの円形の印刷ドットが接することによって形成されるすきま部分eが印刷されずに、下地が露出してしまうことが懸念される。
【0070】
ところが、液体であるインク滴を混ぜ合わせる(重ね合わせる)という作用を建築板の被印刷面上で行わせたときには、着弾した液体のインク滴が、その流動性によって、互いに混じり合うと同時に、周囲に拡散流動していくという事実がある。
【0071】
さらに、建築板(セメント板)表面には微少凹凸があること、走行する建築板は振動が避けられないという事実があることも加わって、着弾したインク滴の拡散流動は、実際には、図11(d)に示したすきま部分eへも進んでいくこととなり、結果的に、すきま部分eの面積を狭くしていくのである(インク側の設計を行う)。
【0072】
このようにして、結局、図11(e)に示すような状態となり、下地色の露出する部分e’の面積はかなり狭くなって、その影響力が低下する。また、異なる色調を有する2個の印刷ドットが近接した場合には、その近接部分において両色が目の錯覚で混色されるという効果があるため、下地色の露出する部分e’が目に訴える影響力は薄まって、目立たなくなってしまう。
【0073】
例えば、横方向のノズルピッチとして、100μm(=0.1mm)程度、すなわち、解像度254{=25.4(mm/inch)÷0.1(mm)}dpiにすることで、印刷ドット径が100μmより少し大きくなって、上記効果が得られる。
【0074】
次に、隣接する縦方向の被印刷ラインに対する各ノズルアレイブロックにおける選択ノズルの動作時期について説明する。
【0075】
図12は、隣り合う2本の被印刷ラインVL1とVL2についての、建築板の走行に伴う、選択ノズルのインク滴噴射タイミングの例を示す図である。縦方向の各被印刷ラインでは、そのライン上に該当する1画素を形成するために選択された4個のノズルが、時間の経過と共にそれぞれ独立したインク滴噴射動作を実行するようになっている。また、各被印刷ラインごとに、独立した印刷制御が行われる。
【0076】
図13は、建築板の意匠面に形成されるべき印刷ドットの予定位置と選択ノズルの動作時期の関係を示す図である。図13(a)に示すように、縦方向に並ぶA1、A2、A3、…が被印刷ラインVL1上に形成される印刷ドット列となる。他の縦方向の被印刷ラインVLについても同じである。
【0077】
図13(a)に示す横方向に並ぶA1、B1、C1、…、N1の各印刷ドットを形成するためには、各印刷ドットが、図1〜図3に示す各印刷ヘッドのいずれによって印刷されるべきかが印刷制御パターンによって決められるので、図13(b)に示すように、1列目の印刷ヘッド(進みヘッドグループ)が印刷分担する印刷ドットについては、印刷ドットの予定位置(インク滴の着弾予定位置)の中心点CPが、先頭の1CyHノズル直下位置に到達してから最後尾の4KLノズルの直下位置を通過するまでの時間T1(47p/v、47=3濃度×4色×4ブロック)内に、各ノズルアレイブロック1〜4から1個が選択された合計4個のノズルがそれぞれの噴射動作を実行する。ここで、建築板の走行速度をv[mm/sec]とする。
【0078】
また、2列目の印刷ヘッド(遅れヘッドグループ)が印刷分担する印刷ドットについては、時間T1が経過した後、中心点CP’が1CyHノズルの直下位置を通過するまでの時間T2を経過してから4KLノズルの直下位置を通過するまでの時間T3(=T1)を経過するまでに、同じく各ノズルアレイブロック1〜4からそれぞれ1個が選択された合計4個のノズルがそれぞれの噴射動作を実行する。
【0079】
1列目の印刷ヘッドは、時間T1内に印刷ドットA1を印刷形成し、その間に次の印刷ドットA2を印刷形成し始めて、時間T1内に印刷ドットA2を印刷形成し、連続してA3、…と最終印刷ドットまで印刷形成していく。2列目の印刷ヘッドは、1列目の印刷ヘッド動作時間T1経過の後、更に時間T2を経過した後、時間T3の動作期間に入り、順次、担当する縦方向の被印刷ラインを構成する印刷ドットを最終印刷ドットまで印刷形成していく。
【0080】
1列目の印刷ヘッドにおける1CyHノズルの直下位置を、中心点CPが通過した時点を基準点として、時間T1に相当するパルスカウント数PCN1、時間T2に相当するパルスカウント数PCN2、時間T3に相当するパルスカウント数PCN3をカウントする。以下、各縦方向印刷ラインについての最終印刷ドットの印刷が完了する時間までカウントしていく。制御パターンには、カウントしたパルス数に応じて、動作させるべきノズルが決められているので、選択ノズルの動作時期が決定される。
【0081】
具体的には、建築板の走行速度がv[mm/sec]、印刷ヘッドの縦方向のノズル配列ピッチがp[mm]であるから、1列目の印刷ヘッドにおいてノズル番号1のノズルの直下位置に中心点CPが到来してから噴射動作を行うノズル番号i(i=1〜48)のノズルの直下位置に中心点CPが到来するまでに要する時間tiは、ti={p×(i−1)}/vであり、このtiに相当するパルスカウント数PCNiをカウントすれば、そのノズルの動作時期が決まるという内容の制御を行えばよい。
【0082】
先述したように、横方向のノズルピッチを100μm(=0.1mm)にすれば、縦方向のノズルピッチは50μm(=0.05mm)となるので、縦横共に解像度254dpiの印刷画像を形成するためには、v=400[mm/sec]としたときに、v=p×f=0.05×f=400より、ノズル開閉周波数f=8000となり、実現可能なノズル開閉周波数となる。
【0083】
図14は、本実施の形態による建築板印刷装置の全体システム構成を示す図である。各印刷ヘッド毎にヘッド専用のコントローラ10とパターンメモリ(PM)11とノズル開閉制御用ピエゾ素子駆動回路(DC)12とを設け、各印刷ヘッド毎に個々に印刷制御動作を実行させる。各コントローラ10は、メインコントローラ13によって分散管理される。
【0084】
建築板に印刷すべき柄模様等の印刷データ(ノズル開閉制御パターンデータ)は、ノズル開閉制御パターン記録メモリ14に格納されている。メインコントローラ13は、ノズル開閉制御パターン記録メモリ14に格納されている印刷データ(ノズル開閉制御パターンデータ)を各印刷ヘッド毎に区分し、各コントローラ10を介して各パターンメモリ(PM)11へそれぞれ記録させる。
【0085】
なお、メインコントローラ13は、到来する1枚1枚の建築板に対して、異なる印刷パターンを用意しておき、どのパターンをどの順で使用するかを指示するようにしてもかまわない。これにより、建築板の1枚毎に異なる柄模様等を印刷することができる。
【0086】
メインコントローラ13には、印刷条件等の設定を行うための入力装置としてのキーボード15、及び、本建築板印刷装置の設定状態や動作状態等を表示するためのディスプレイ16が接続されている。
【0087】
印刷開始位置検出センサ17は、光電スイッチ等を用いて構成されており、建築板が所定位置に搬送されてきたことを検出する。印刷開始位置検出センサ17の検出出力は各コントローラ10へそれぞれ供給される。
【0088】
パルスエンコーダ18は、建築板を搬送するコンベア装置等に設けられており、建築板が所定の距離だけ搬送されるたびにパルス信号を出力する。パルスエンコーダ18から出力されたパルス信号は各コントローラ10へそれぞれ供給される。
【0089】
各コントローラ10は、印刷開始位置検出センサ17の検出出力を基準にしてパルスエンコーダ18からのパルス信号をカウントすることで、各ノズルアレイ群1Cy〜4Kからのインク噴射のタイミングを制御する。
【0090】
図15は、本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッド専用のコントローラの構成を示す図である。上記のインク噴射(印刷)動作を実行するために、各ヘッド専用のコントローラ10は、図15に示すような構成をとっている。すなわち、各色ノズルアレイ群K(1K〜4K),C(1Cy〜4Cy),M(1Ma〜4Ma),Y(1Ye〜4Ye)に対してそれぞれ専用のノズル開閉制御用ピエゾ素子駆動回路(K−DC,C−DC,M−DC,Y−DC)12K,12C,12M,12Yを制御する各色用のコントロール部10K,10C,10M,10Yを設けている。また、パターンメモリ(PM)11は、色データ別に4分割されており、各色用コントロール部10K,10C,10M,10Yが直接アクセスできるようになっている。メインコントローラ13から事前に伝送される印刷(制御)パターンは、ヘッド管理部10Aによってパターンメモリ(PM)11に色データ別に記録される。
【0091】
ノズル詰まり検出手段19からの検出信号は、ヘッド管理部10Aに入力され、ノズル詰まり検出手段19によっていずれかのノズルアレイにノズルの詰りが検出された場合には、すべての色別コントロール部10K,10C,10M,10Yの制御を停止させるようにしている。
【0092】
個々の印刷ヘッドにおける個々の色別ノズルアレイ群K,C,M,Yからのインク噴射を固有のコントロール部10K,10C,10M,10Yによって制御することで、制御負担は極めて軽くなる。
【0093】
なお、インクタンクは図示していないが、各色ノズルアレイ群K,C,M,Y毎に濃度の異なるインクタンクがそれぞれ分離設置されており、適宜方法によってインクが補給されるようにしている。
【0094】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、図2では、各色毎に各濃度のノズルアレイを備えたノズルアレイブロックがブロック毎に分かれて配置されている例を示したが、概念的にブロック毎に分かれていれば良いのであって、物理的には例えば同じ色で同じ濃度のノズルアレイを隣接して配置するなど、物理的な配置の仕方は自由である。
【0095】
また、図9では、濃いインクHと中間濃度のインクMと淡いインクLとが異なる方向に向けて噴射され同一印刷位置に着弾するようにした例を示したが、噴射される方向を平行にしておき建築板の進行に対応して各濃度のインクの噴射タイミングを調整することで所定の印刷位置に所定の濃度のインクが着弾するようにしてもよい。さらに、本発明に係るインクジェット印刷の後にクリヤー塗装を施すことにより、耐候性を大きく向上させ、外観についても更なる向上が可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、建築板の意匠面において、下塗り、中塗りになどによる下地色の影響を出さずに大きなドット径を形成して、インクジェット印刷による多色表現がなされた鮮明画像の発現が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドの配置を示す図である。
【図2】本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドのノズル配列を示す図である。
【図3】図2に示したノズル配列の部分拡大図及び各色ノズルアレイ群の中から選択されたノズルの動作例を示す図である。
【図4】本実施の形態による建築板印刷装置において最初にCyH(濃いシアン色)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。
【図5】本実施の形態による建築板印刷装置において最初にMaH(濃いマゼンタ色)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。
【図6】本実施の形態による建築板印刷装置において最初にYeH(濃いイエロー色)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。
【図7】本実施の形態による建築板印刷装置において最初にK(クロ)のインク滴を噴射させる場合の噴射順序の組み合わせを示す図である。
【図8】本実施の形態による建築板印刷装置において発色可能な15段階の濃度レベルを示す図である。
【図9】本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッドのインク滴の噴射方向と着弾位置との関係を示す図である。
【図10】本実施の形態による建築板印刷装置において印刷ヘッドから順次噴射されたインク滴が被印刷面上で重なっていく様子を示す図である。
【図11】本実施の形態による建築板印刷装置において被印刷面上で隣接するインク滴が混じり合う様子を示す図である。
【図12】本実施の形態による建築板印刷装置において被印刷面上で隣り合う2本の被印刷ラインVL1とVL2についての建築板の走行に伴う選択ノズルのインク滴噴射タイミングの例を示す図である。
【図13】本実施の形態による建築板印刷装置において建築板の意匠面に形成されるべき印刷ドットの予定位置と選択ノズルの動作時期の関係を示す図である。
【図14】本実施の形態による建築板印刷装置の全体システム構成を示す図である。
【図15】本実施の形態による建築板印刷装置の印刷ヘッド専用のコントローラの構成を示す図である。
【図16】既提案の建築板印刷装置の印刷ヘッドの配置を示す図である。
【図17】既提案の建築板印刷装置の各印刷ヘッドの動作タイミングを示す図である。
【図18】既提案の建築板印刷装置の1印刷管理幅の印刷動作を模式的に示す図である。
【図19】既提案の建築板印刷装置の建築板全体の印刷動作を模式的に示す図である。
【符号の説明】
(1・1)〜(1・n),(2・1)〜(2・n−1) 印刷ヘッド
1〜4 ノズルアレイブロック
10 コントローラ
10A ヘッド管理部
10K,10C,10M,10Y コントロール部
11 パターンメモリ(PM)
12 ノズル開閉制御用ピエゾ素子駆動回路(DC)
13 メインコントローラ
14 ノズル開閉制御パターン記録メモリ
15 キーボード
16 ディスプレイ
17 印刷開始位置検出センサ
18 パルスエンコーダ
19 ノズル詰り検出手段
1Cy,2Cy,3Cy,4Cy シアン色用ノズルアレイ群
1Ma,2Ma,3Ma,4Ma マゼンタ色用ノズルアレイ群
1Ye,2Ye,3Ye,4Ye イエロー色用ノズルアレイ群
1K,2K,3K,4K クロ色用ノズルアレイ群
Claims (2)
- 複数のインクジェットノズルが所定ピッチで主走査方向(建築板の進行方向と直交する方向)に一列に配設されているノズルアレイが副走査方向(主走査方向に直交する方向、すなわち、建築板の進行方向)に所定間隔で複数列平行に配設され各ノズルアレイ毎に色相が異なりかつ各色相について濃度が異なるインクが噴射されるように構成されているノズルアレイブロックが、副走査方向に複数段配設されている印刷ヘッドを備え、該印刷ヘッドのすべての前記ノズルアレイブロックから吐出される1つのインク滴を重ねて着弾させて混色させ同一径である各画素を形成させて建築板化粧印刷面の印刷領域のすべてをインクドットで埋め尽くす印刷を施すことを特徴とする建築板印刷装置。
- 前記各画素のいずれにも同一色相で異なる濃度のインク滴が重ねて着弾されないことを特徴とする請求項1記載の建築板印刷装置。
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